(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1フック部と前記第2フック部は、前記可撓性基板の幅方向と直交する方向の位置がずれていることを特徴とする請求項2または3に記載の振れ補正機能付き光学ユニッ
ト。
前記フレキシブルプリント基板は、前記光学モジュールに接続される光学モジュール用プリント基板と、前記光学モジュールを揺動あるいは回転させる駆動機構に接続される駆動機構用プリント基板を備え、
前記固定部は、前記光学モジュール用プリント基板に設けられ、
前記駆動機構用プリント基板は、前記凸部を介して前記可動体に固定されることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した光学ユニット1の実施形態を説明する。本明細書において、XYZの3軸は互いに直交する方向であり、X軸方向の一方側を+X、他方側を−Xで示し、Y軸方向の一方側を+Y、他方側を−Yで示し、Z軸方向の一方側を+Z、他方側を−Zで示す。Z軸方向は、光学ユニットの軸線L方向(光軸方向)と一致する。また、−Z方向は軸線L方向(光軸方向)の反被写体側(像側)、+Z方向は軸線L方向(光軸方向)の被写体側である。
【0021】
(全体構成)
図1は本発明を適用した光学ユニット1を被写体側から見た斜視図である。
図2は
図1のA−A線における光学ユニット1の断面図である。
図3は
図1の光学ユニット1を被写体側から見た場合の分解斜視図である。
図4は
図1の光学ユニット1を反被写体側(像側)から見た場合の分解斜視図である。
図1に示す光学ユニット1は、例えば、カメラ付き携帯電話機、ドライブレコーダー等の光学機器や、ヘルメット、自転車、ラジコンヘリコプター等の移動体に搭載されるアクションカメラやウエアラブルカメラ等の光学機器に用いられる。このような光学機器では、撮影時に光学機器の振れが発生すると、撮像画像に乱れが発生する。光学ユニット1は、撮影画像が傾くことを回避するため、光学素子2の傾きを補正する振れ補正機能付き光学ユニットである。
【0022】
図2に示すように、光学ユニット1は、光学素子2を備えるカメラモジュール101が搭載された揺動体3と、揺動体3を揺動可能に支持する揺動支持機構4と、揺動支持機構4を介して揺動体3を支持するホルダ5を備える。また、光学ユニット1は、ホルダ5を回転可能に支持する第1回転支持機構6および第2回転支持機構7と、第1回転支持機構6および第2回転支持機構7を介してホルダ5を支持する固定体8を備える。さらに、光学ユニット1は、揺動体3とホルダ5との間に架け渡された板バネ9を備える。
【0023】
揺動支持機構4は、揺動体3を、予め定めた軸線Lと光学素子2の光軸とが一致する基準姿勢および軸線Lに対して光軸が傾斜する傾斜姿勢の間で揺動可能に支持する。揺動支持機構4はジンバル機構である。第1回転支持機構6および第2回転支持機構7はホルダ5を軸線L回りに回転可能に支持する。換言すれば、第1回転支持機構6および第2回転支持機構7は、ホルダ5と当該ホルダ5に揺動可能に支持された揺動体3とからなる可動体10を軸線L回りに回転可能に支持する。第1回転支持機構6は、固定体8とホルダ5との間に構成されている。第2回転支持機構7は第1回転支持機構6よりも−Z方向の側(反被写体側)に位置する。板バネ9は、揺動体3の基準姿勢を規定するためのものである。
【0024】
また、光学ユニット1は、揺動体3を揺動させる揺動用磁気駆動機構11と、ホルダ5(可動体10)を回転させるローリング用磁気駆動機構12とを備える。揺動用磁気駆動機構11は、揺動体3に保持された揺動駆動用コイル13と、固定体8に保持された揺動駆動用磁石14とを備える。揺動駆動用コイル13と揺動駆動用磁石14とは軸線Lと直交する径方向で対向する。ローリング用磁気駆動機構12は、ホルダ5に保持されたローリング駆動用コイル15と、固定体8に保持されたローリング駆動用磁石16とを備える。本例では、ローリング駆動用コイル15とローリング駆動用磁石16とは、Z軸方向(軸線L方向)で対向する。
【0025】
図1に示すように、光学ユニット1は、フレキシブルプリント基板200、300、400を備える。なお、
図2〜
図10では、フレキシブルプリント基板200、300、400を省略して示す。フレキシブルプリント基板200(光学モジュール用プリント基板)は、カメラモジュール101に接続される。フレキシブルプリント基板200は、カメラモジュール101への給電線およびカメラモジュール101からの信号を外部へ取り出
すための信号線を備える。また、フレキシブルプリント基板300(揺動機構用配線基板)は、揺動用磁気駆動機構11に接続される。フレキシブルプリント基板300は、揺動駆動用コイル13へ給電する給電線を備える。そして、フレキシブルプリント基板400(ローリング機構用配線基板)はローリング用磁気駆動機構12と接続される。フレキシブルプリント基板400は、ローリング駆動用コイル15へ給電する給電線を備える。
【0026】
(固定体)
図1、
図3および
図4に示すように、固定体8は、3つのケース28、29、30を組み立てて構成された固定体本体24と、固定体本体24に固定された板バネ25(バネ部材)と、板バネ25を介して固定体本体24に支持された可動ホルダ26とを有する。可動ホルダ26はZ軸方向に移動可能な状態で支持されている。
図1に示すように、固定体本体24は、Z軸方向(軸線方向)から見た場合に略8角形の外形をした筒状ケース28と、筒状ケース28に対して+Z方向の側(被写体側)から組み付けられる被写体側ケース29と、筒状ケース28に対して−Z方向の側(反被写体側)から組み付けられる反被写体側ケース30とを備える。筒状ケース28は磁性材料から形成されている。被写体側ケース29および反被写体側ケース30は樹脂材料から形成される。
【0027】
図3に示すように、筒状ケース28は、略8角形の筒状の胴部31と、胴部31の+Z方向の端部から内側に張り出した枠状の端板部32を備える。端板部32の中央には略8角形の開口部33が形成されている。胴部31は、X軸方向に対向する側板35、36と、Y軸方向に対向する側板37、38と、X軸方向およびY軸方向に対して45度傾いた4箇所の角部に設けられた側板39を備える。
図3および
図4に示すように、X軸方向に対向する側板35、36とY軸方向に対向する側板37、38の内周面には、それぞれ、揺動駆動用磁石14が固定されている。また、
図4に示すように、4箇所の側板39のうちの+X方向の側に位置する2枚の側板39には矩形の切欠部40が形成されている。切欠部40は、側板39の−Z方向の端縁を+Z方向に切り欠いた形状である。
【0028】
被写体側ケース29は、筒状ケース28の端板部32に当接する筒状の胴部43と、胴部43の+Z方向の端部から内側に張り出した端板部44とを備える。端板部44の中央には円形開口部45が形成されている。
図4に示すように、胴部43の内周面は略円形であり、外周面はZ軸方向に見た場合に略8角形である。胴部43の外周面は、X軸方向に対向する側面47、48と、Y軸方向に対向する側面49、50と、X軸方向およびY軸方向に対して45度傾いた4箇所の角部に設けられた側面51とを備える。被写体側ケース29は、筒状ケース28の端板部32を−Z方向から貫通して胴部43に捩じ込まれる4本の有頭のネジ52により筒状ケース28に固定される。ここで、端板部44の−Z方向の面は軸線Lと同軸の環状面であり、Z軸方向でホルダ5と対応する固定体側対向部55である。固定体側対向部55には、固定体側環状溝56が設けられている。固定体側環状溝56は、軸線Lと同軸であり、断面形状は円弧である。
【0029】
反被写体側ケース30は、
図3に示すように、軸線Lに直交する略8角形の端板部58と、端板部58の−X方向の端縁(辺)から+Z方向に立ち上がる壁部59と、端板部58の−Y方向および+Y方向の端縁(辺)から+Z方向に立ち上がりY軸方向で対向する2つの壁部60と、壁部59と2つの壁部60のそれぞれとの間に位置し、X軸方向およびY軸方向に対して45度傾いた2つの壁部61を備える。ここで、端板部58の+X方向の端縁(辺)には壁部が設けられておらず、Y軸方向で対向する2つの壁部60の+X方向の端の間は開口部62となっている。
図1に示すように、開口部62は、フレキシブルプリント基板200、300、400の引出口である。
【0030】
Y軸方向に対向する2つの壁部60の+Z方向の端部分には、それぞれ板バネ25のY方向の両端部分を固定する板バネ固定部65が設けられている。板バネ固定部65は、壁
部59の先端よりも−Z方向にオフセットした位置でX軸方向およびY軸方向に広がる端面65aと、各端面65aの外周側の縁部分に形成された矩形の突出部65bと、矩形の突出部65bの中心から+Z方向に突出する円形の突起65cと、を備える。
【0031】
図5は固定体8の反被写体側部分(第2回転支持機構7、可動ホルダ26、板バネ25および反被写体側ケース30)の分解斜視図である。
図5に示すように、可動ホルダ26は、第2回転支持機構7を構成するボールベアリング68の外輪68aと、2つのローリング駆動用磁石16を保持する可動ホルダ本体部材71を備える。可動ホルダ本体部材71は、外輪68aが内周側に嵌る筒部73を備える。2つのローリング駆動用磁石16は、可動ホルダ本体部材71のY軸方向の両側に形成された凹部75aに外周側から嵌め込まれて可動ホルダ本体部材71に保持される。また、可動ホルダ26は、可動ホルダ本体部材71に−Z方向から当接するヨーク72を備える。ヨーク72においてローリング駆動用磁石16が当接する部分には接着剤が塗布されており、ローリング駆動用磁石16はヨーク72にも固定されている。
【0032】
板バネ25は、Y軸方向に長い略長方形の輪郭形状を備える。板バネ25は、Y軸方向の中央に可動ホルダ本体部材71の筒部73を挿入可能な貫通穴25aを備える。また、板バネ25は、貫通穴25aを間に挟んだY軸方向の両側に、それぞれコの字形状のスリット25bを備える。2つのスリット25bの形状は、ヨーク72と板バネ25とを重ねたときに、ヨーク72のY軸方向の端部分を縁取るものである。また、板バネ25は、Y軸方向の両端部分(2つのスリット25bよりもY軸方向の外側)に、板バネ25を板バネ固定部65に固定するための固定穴25cを備える。
【0033】
板バネ25は、固定穴25cに突起65cが挿入され、Y軸方向の両端部分の中央部分が突出部65bに載置された状態で、板バネ固定部65に支持される。また、
図1に示すように、板バネ25は、筒状ケース28と反被写体側ケース30とが組み付けられることにより、筒状ケース28と反被写体側ケース30との間に挟まれて、固定体8に固定される。ここで、
図2に示すように、板バネ25は、可動ホルダ26が固定体8に支持されたときに、可動ホルダ26を+Z軸方向(被写体側)に付勢する付勢力Fを発揮する状態となる。すなわち、板バネ25は、板バネ固定部65に固定されたY軸方向の両端部分よりも内周側の部分が−Z方向(反被写体側)に撓んだ状態となり、その弾性復帰力により、可動ホルダ26を+Z軸方向に付勢するものとなる。
【0034】
(ホルダ)
図6は揺動体3およびホルダ5からなる可動体10を+Z方向の側から見た場合の分解斜視図である。
図7は揺動体3およびホルダ5からなる可動体10を−Z方向の側から見た場合の分解斜視図である。
図6に示すように、ホルダ5は、揺動体3の外周側に位置するホルダ本体部材81と、−Z方向からホルダ本体部材81に固定されて揺動体3と対向するホルダ底板部材82とを備える。ホルダ本体部材81およびホルダ底板部材82は樹脂製である。
【0035】
図6に示すように、ホルダ本体部材81は、+Z方向の端において、固定体8(被写体側ケース29)における環状の固定体側対向部55に対向する環状のホルダ側対向部84(支持体側対向部)と、ホルダ側対向部84の−Z方向側に連続するホルダ胴部85を備える。ホルダ胴部85は、周方向に配列された4つの窓部86と、周方向に隣り合う窓部86を区画する4本の縦枠部87を備える。4つの窓部86のうちの2つの窓部86はX軸方向に開口し、他の2つはY軸方向に開口する。4本の縦枠部87は、それぞれ、X軸方向とY軸方向の間の角度位置に配置されている。
【0036】
ホルダ側対向部84は、+Z方向の側の端面が軸線Lと直交する環状面であり、環状面
にはホルダ側環状溝90(支持体側環状溝)が設けられている。ホルダ側環状溝90は、ホルダ側対向部84に設けられた固定体側環状溝56にZ軸方向で対向する。ホルダ側環状溝90は、軸線Lと同軸であり、断面形状が円弧である。ホルダ側対向部84は、軸線Lと直交して−Z方向を向く環状端面84aを備える。
【0037】
ホルダ胴部85における−Z方向の端部分には、+X方向と+Y方向との間の中間方向に突出する突起91と、+X方向と−Y方向との間の中間方向に突出する突起91が設けられている。突起91は、筒状ケース28(固定体8)の側板39に形成された切欠部40に配置される。ホルダ5は、突起91が切欠部40内を周方向に移動可能な範囲で、軸線L回りを回転する。すなわち、突起91と切欠部40は、固定体8に対する可動体10の軸線L周りの回転範囲を規制するストッパ機構19(
図1参照)を構成する。
【0038】
ホルダ底板部材82は、軸線Lと直交して−Z方向の側から揺動体3と対向する対向面82aを備える。対向面82aにおけるY軸方向の両端部分には、+Z方向に突出する矩形の突出部分82bが設けられている。ホルダ底板部材82の対向面82aの外周縁には、底板をY軸方向の両側および+X方向から囲む段部93が設けられている。段部93は内周側に+Z方向に突出する環状凸部94を備える。ホルダ底板部材82がホルダ本体部材81に固定される際には、環状凸部94がホルダ本体部材81(ホルダ胴部85)の−Z方向の開口部95の内側に嵌り込む。
【0039】
また、ホルダ底板部材82は、
図7に示すように、−Z方向に突出する軸部96を備える。軸部96は、軸線Lと同軸に設けられている。軸部96は外周側にボールベアリング68の内輪68bを保持する。内輪68bにおける+Z方向の端面はホルダ底板部材82に当接する。また、ホルダ底板部材82は、Y軸方向で軸部96を間に挟んだ両側にローリング駆動用コイル保持部97を備える。ローリング駆動用コイル15は、−Z方向からローリング駆動用コイル保持部97に保持される。
【0040】
(揺動体)
図8は揺動体3、揺動支持機構4および板バネ9を+Z方向の側(被写体側)から見た場合の分解斜視図である。
図9は揺動体3、揺動支持機構4および板バネ9を−Z方向の側(反被写体側)から見た場合の分解斜視図である。
図8、
図9に示すように、揺動体3は、カメラモジュール101(光学モジュール)と、カメラモジュール101を外周側から保持するカメラモジュールホルダ102とを備える。カメラモジュール101は、
図2に示すように、光学素子2と、光学素子2の光軸上に位置する撮像素子103とを有する。撮像素子103は、ジャイロスコープや信号処理回路等が搭載された基板104に実装されている。基板104には、フレキシブルプリント基板200(
図1参照)が接続されている。
【0041】
また、カメラモジュール101は、光学素子2を保持する鏡筒部材106と、鏡筒部材106および基板104を保持するフレーム107を有する。フレーム107は、鏡筒部材106の−Z方向の端部分を内周側に保持する円筒部108と、円筒部108の−Z方向の端縁から外周側に広がる矩形の板部109と、板部109の外周縁から−Z方向に延びる角筒部110を備える。
図9に示すように、基板104は角筒部110の内周側に保持されている。また、フレーム107には、Y軸方向で、光軸(軸線L)、撮像素子103、および、基板104を間に挟んだ両側に−Z方向に突出する第1ストッパ用凸部111、112が設けられている。フレキシブルプリント基板200、300(
図1参照)は、第1ストッパ用凸部111と第1ストッパ用凸部112との間を引き回されている。第1ストッパ用凸部111、112と、ホルダ底板部材82の対向面82aに設けられた矩形の突出部分82bとは、Z軸方向で対向しており、揺動体3の揺動範囲を規定するストッパ機構17(
図2参照)を構成する。
【0042】
図9に示すように、カメラモジュールホルダ102は、Z軸方向に見た場合に略8角形の底板部115と、底板部115のX軸方向の両端において、+Z方向に立ち上がりY軸方向に延在する一対の壁部116、117と、底板部115のY軸方向の両端において、+Z方向に立ち上がりX軸方向に延在する一対の壁部118、119とを備える。各壁部116、117、118、119には、揺動駆動用コイル13が固定される。
【0043】
各壁部116、117、118、119における+Z方向の端面には、+Z方向に突出する2つの第2ストッパ用凸部120が設けられている。2つの第2ストッパ用凸部120は、各壁部116、117、118、119における周方向の両端部分から、それぞれ突出する。第2ストッパ用凸部120と、ホルダ側対向部84の−Z方向の環状端面84aとは、Z軸方向で対向するとともに、揺動体3の揺動範囲を規定するストッパ機構18(
図2参照)を構成する。
【0044】
また、カメラモジュールホルダ102は、底板部115の中央に形成された円形の貫通孔の縁から+Z方向に立ち上がる筒状の保持部123を備える。保持部123の+Z方向の環状端面123aには板バネ9を固定するための板バネ固定用凸部124が等角度間隔で4か所に設けられている。板バネ9は接着剤層を介して環状端面123aに固定される。従って、可動体側連結部141が環状端面123aに固定された状態では、板バネ9は環状端面123aから+Z方向に浮いている。
【0045】
(板バネ)
図6、
図7に示すように、板バネ9は、金属板を加工した矩形枠状の板バネである。板バネ9は、カメラモジュールホルダ102の保持部123の環状端面123a(+Z方向の端面)と、ホルダ本体部材81のホルダ側対向部84において−Z方向を向く環状端面84aとの間に架け渡されている。板バネ9は、環状端面123aに固定される環状の可動体側連結部141と、環状端面84aに固定される4つのホルダ側連結部142と、径方向で、可動体側連結部141と各ホルダ側連結部142との間に位置する蛇行部143を備える。可動体側連結部141は、環状端面123aに設けられた4つの板バネ固定用凸部124に外周側から接着剤層を介して固定される4つの連結部分141aを備える。板バネ9は、揺動体3の基準姿勢を規定するものである。すなわち、揺動用磁気駆動機構11が駆動されていない静止状態にあるときの揺動体3(カメラモジュール101)の姿勢は、板バネ9によって定まる。
【0046】
(揺動支持機構)
図10は軸線Lと直交して揺動支持機構4を通過する平面で光学ユニット1を切断した断面図である。揺動支持機構4は、カメラモジュールホルダ102とホルダ本体部材81との間に構成されるジンバル機構である。
図6および
図7に示すように、揺動支持機構4は、カメラモジュールホルダ102の第1軸線R1上の対角位置に設けられた2箇所の第1揺動支持部131と、ホルダ本体部材81の第2軸線R2上の対角位置に設けられた2箇所の第2揺動支持部132と、第1揺動支持部131および第2揺動支持部132によって支持される可動枠135を備える。ここで、第1軸線R1および第2軸線R2はZ軸方向と直交し、且つ、X軸方向およびY軸方向に対して45度傾いた方向である。従って、第1揺動支持部131および第2揺動支持部132はX軸方向とY軸方向との間の角度位置に配置される。
図6、
図7に示すように、第2揺動支持部132は、ホルダ本体部材81の内側面に形成された凹部である。
【0047】
図10に示すように、可動枠135は、Z軸方向から見た平面形状が略8角形の板状ばねである。可動枠135の外側面には、軸線L回りの4か所に溶接等によって金属製の球体137が固定されている。この球体137は、カメラモジュールホルダ102に設けら
れた第1揺動支持部131、および、ホルダ本体部材81に設けられた第2揺動支持部132に保持される接点ばね138と点接触する。接点ばね138は板状ばねであり、第1揺動支持部131に保持される接点ばね138は第1軸線R1方向に弾性変形可能であり、第2揺動支持部132に保持される接点ばね138は第2軸線R2方向に弾性変形可能である。従って、可動枠135は、Z軸方向と直交する2方向(第1軸線R1方向および第2軸線R2方向)の各方向回りに回転可能な状態で支持される。
【0048】
(第1回転支持機構および第2回転支持機構)
次に、ホルダ5を軸線L回りに回転可能に支持する第1回転支持機構6および第2回転支持機構7を説明する。
図2、
図3および
図4に示すように、第1回転支持機構6は、固定体側対向部55とホルダ側対向部84との間に、複数の球体151(転動体)と、球体151を保持するリテーナ152とを備える。
図3および
図4に示すように、リテーナ152は、周方向に等間隔で配列された複数の貫通穴153を備える。複数の球体151のそれぞれは、複数の貫通穴153のそれぞれの内側に配置された状態で、固定体側環状溝56およびホルダ側環状溝90に挿入されている。固定体側環状溝56およびホルダ側環状溝90の内周面には潤滑油が塗布されている。本例では、球体151および貫通穴153の数は6である。球体151は、貫通穴153の内側に位置した状態で、固定体側環状溝56およびホルダ側環状溝90を転動する。
【0049】
また、リテーナ152は、周方向で隣り合う2つの貫通穴153の間に固定体側対向部55の側に突出する第1凸部154(
図3参照)と、ホルダ側対向部84の側に突出する第2凸部155(
図4参照)とを備える。第1凸部154の周方向の中央部分は、固定体側対向部55における固定体側環状溝56の内周側の縁部分および外周側の縁部分に摺接可能である。また、第2凸部155の周方向の中央部分は、ホルダ側対向部84におけるホルダ側環状溝90の内周側の縁部分および外周側の縁部分に摺接可能である。
【0050】
図2に示すように、固定体側対向部55における固定体側環状溝56よりも内周側の端部分には、−Z方向に向かって突出する環状凸部157が設けられている。一方、ホルダ側対向部84におけるホルダ側環状溝90よりも内周側の端部分には、―Z方向に窪んで環状凸部157の先端部分を受け入れる環状段部158が設けられている。環状凸部157と環状段部158の空間はラビリンスシールを構成している。ラビリスシールは、球体151が転動する固定体側対向部55とホルダ側対向部84との間に、塵埃が入り込むことを防止あるいは抑制する。
【0051】
次に、第2回転支持機構7のボールベアリング68は、
図2に示すように、ホルダ5(ホルダ底板部材82)の軸部96の外周側に保持された内輪68bと、内輪68bの外周側に位置する外輪68aと、径方向における内輪68bと外輪68aの間で転動する複数の球体68cと、を備える。外輪68aは、可動ホルダ26に保持されている。
【0052】
ここで、板バネ25は、ボールベアリング68に+Z方向に向かう与圧(付勢力F)を付している。すなわち、板バネ25は、可動ホルダ26をホルダ側対向部84に向かって付勢することにより、ホルダ5に保持された外輪68aをホルダ側対向部84に付勢している。これにより、内輪68bと外輪68aとはホルダ側対向部84を基準としてZ軸方向の相対位置が位置決めされる。また、与圧(板バネ25の付勢力F)によって、外輪68aがホルダ側対向部84に当接した状態が維持される。これにより、第2回転支持機構7に支持されたホルダ5の回転が安定する。
【0053】
さらに、板バネ25は、可動ホルダ26および外輪68aを介してホルダ5を固定体8(被写体側ケース29)の固定体側対向部55に向かって付勢する。これにより、板バネ25は、第1回転支持機構6に+Z方向に向かう与圧(
図2の付勢力F)を付与している
。すなわち、板バネ25は、Z軸方向でホルダ側対向部84を固定体側対向部55に向かって付勢している。これにより、ホルダ側対向部84と固定体側対向部55とはZ軸方向で離間することがないので、リテーナ152に保持された球体151は、ホルダ側対向部84のホルダ側環状溝90と固定体側対向部55の固定体側環状溝56との間から脱落することはなく、ホルダ5は固定体8に対してスムーズに回転する。
【0054】
なお、第1回転支持機構6および第2回転支持機構7の一方もしくは両方が、ボールベアリングでなく滑り軸受けであってもよい。
【0055】
(揺動用磁気駆動機構)
揺動用磁気駆動機構11は、
図10に示すように、揺動体3と固定体8の間に設けられた第1揺動用磁気駆動機構11Aおよび第2揺動用磁気駆動機構11Bを備える。第1揺動用磁気駆動機構11Aは、X軸方向で対向する揺動駆動用磁石14と揺動駆動用コイル13とからなる組を2組備える。第2揺動用磁気駆動機構11Bは、Y軸方向で対向する揺動駆動用磁石14と揺動駆動用コイル13とからなる組を2組備える。揺動駆動用コイル13はカメラモジュールホルダ102のX軸方向の両側の壁部116、117およびY軸方向の両側の壁部118、119の外側面に保持される。揺動駆動用磁石14は、固定体8の筒状ケース28に設けられた側板35、36、37、38の内側面に保持される。各揺動駆動用磁石14は、
図3および
図4に示すようにZ軸方向に2分割され、内面側の磁極が分割位置(着磁分極線)を境にして異なるように着磁されている。揺動駆動用コイル13は空芯コイルであり、+Z方向側および−Z方向側の長辺部分が有効辺として利用される。ここで、筒状ケース28は磁性材料から構成されているので、揺動駆動用磁石14に対するヨークとして機能する。
【0056】
揺動体3の+Y方向側および−Y方向側に位置する2組の第2揺動用磁気駆動機構11Bは、揺動駆動用コイル13への通電時にX軸回りの同一方向の磁気駆動力が発生するように配線接続されている。また、揺動体3の+X方向側および−X方向側に位置する2組の第1揺動用磁気駆動機構11Aは、揺動駆動用コイル13への通電時にY軸回りの同一方向の磁気駆動力が発生するように配線接続されている。揺動用磁気駆動機構11は、第2揺動用磁気駆動機構11BによるX軸回りの回転、および第1揺動用磁気駆動機構11AによるY軸回りの回転を合成することにより、揺動体3を第1軸線R1回りおよび第2軸線R2回りに回転させる。X軸回りの振れ補正、およびY軸回りの振れ補正を行う場合は、第1軸線R1回りの回転および第2軸線R2回りの回転を合成する。
【0057】
(ローリング用磁気駆動機構)
ローリング用磁気駆動機構12は、
図2に示すように、ホルダ底板部材82において、Y軸方向で軸部96を間に挟んだ両側に設けられたローリング駆動用コイル保持部97に保持された2つのローリング駆動用コイル15と、固定体8の可動ホルダ26に保持されて、Z軸方向で各ローリング駆動用コイル15と対向する2つのローリング駆動用磁石16を備える。各ローリング駆動用磁石16は、
図3および
図5に示すように周方向に2分割され、ローリング駆動用コイル15と対向する面の磁極が分割位置(着磁分極線)を境にして異なるように着磁されている。各ローリング駆動用コイル15は空芯コイルであり、径方向に延びる長辺部分が有効辺として利用される。
【0058】
(光学ユニットの振れ補正)
光学ユニット1は、上記のように、X軸回りの振れ補正、およびY軸回りの振れ補正を行う揺動用磁気駆動機構11を備える。従って、ピッチング(縦揺れ)方向およびヨーイング(横揺れ)方向の振れ補正を行うことができる。また、光学ユニット1はローリング用磁気駆動機構12を備えるので、ローリング方向の振れ補正を行うことができる。ここで、光学ユニット1は、揺動体3にジャイロスコープを備えるため、ジャイロスコープに
よって直交する3軸回りの振れを検出して、検出した振れを打ち消すように揺動用磁気駆動機構11およびローリング用磁気駆動機構12を駆動する。
【0059】
(フレキシブルプリント基板の固定構造)
図11は
図1のB−B線における光学ユニット1の断面図である。
図11に示すように、カメラモジュール101と接続されるフレキシブルプリント基板200(光学モジュール用プリント基板)は、基板104の一端(+X方向の端部)から引き出されてU字状に折り返され、基板104の−Z方向側において基板104と平行に引き回される。また、揺動駆動用コイル13と接続されるフレキシブルプリント基板300(駆動機構用プリント基板)は、カメラモジュールホルダ102の底板部115の一端(+X方向の端部)から基板104の+X方向の端部へ向けて引き回されて−X方向に屈曲させられ、フレキシブルプリント基板200と合流して、基板104とホルダ底板部材82との間の空間を基板104と平行に引き回される。
【0060】
基板104は、光学素子2側の面(+Z方向を向く面)に撮像素子103が搭載され、光学素子2と反対側を向く面(−Z方向を向く面)に電子部品が搭載される。基板104の−Z方向を向く面には、+X方向の端部に電子部品が搭載されない平坦部が設けられ、この平坦部にスペーサ500が固定される。スペーサ500には、フレキシブルプリント基板200、300が固定される第1可動体側固定部510(固定部)が形成されている。フレキシブルプリント基板200は、基板104から引き出された直後にU字状に折り返されて第1可動体側固定部510に沿う位置に引き回され、第1可動体側固定部510に固定されている。また、フレキシブルプリント基板300は、フレキシブルプリント基板200と重なった状態で第1可動体側固定部510に固定されている。つまり、第1可動体側固定部510には、フレキシブルプリント基板200、300がまとめて固定される。
【0061】
第1可動体側固定部510から−X方向へ引き回されるフレキシブルプリント基板200、300は、ホルダ底板部材82の−X方向の端縁を越えた位置で再びU字状に折り返され、ホルダ底板部材82の−Z方向側に配置される可動ホルダ26および板バネ25と、反被写体側ケース30との間を通って+X方向側へ引き回される。そして、ホルダ底板部材82の+X方向側の端部に形成された第2可動体側固定部600に固定される。第2可動体側固定部600には、フレキシブルプリント基板200、300に加えて、ローリング駆動用コイル15と接続されるフレキシブルプリント基板400(駆動機構用プリント基板)も固定される。つまり、第2可動体側固定部600には、フレキシブルプリント基板200、300、400がまとめて固定される。第2可動体側固定部600は、反被写体側ケース30の開口部62の近傍に設けられている。従って、フレキシブルプリント基板200、300、400は、第2可動体側固定部600に固定された直後に、開口部62からから固定体8の外部へ引き出される。
【0062】
(フレキシブルプリント基板の構造)
図12はフレキシブルプリント基板200、300、400の側面図である。また、
図13はカメラモジュール101と接続されるフレキシブルプリント基板200の斜視図であり、
図14は揺動用磁気駆動機構11およびローリング用磁気駆動機構12と接続されるフレキシブルプリント基板300、400の斜視図である。
図11、
図13に示すように、フレキシブルプリント基板200は、一端が基板104に接続され、他端にコネクタ挿入部290が形成されている。フレキシブルプリント基板200は、基板104と繋がる2本の可撓性基板部分200A、200Bを備えており、これら2本の可撓性基板部分200A、200Bは、コネクタ挿入部290と繋がる幅広の可撓性基板部分200Cと繋がっている。可撓性基板部分200A、200Bには、第1可動体側固定部510との固定箇所に第1補強板210が固定され、第2可動体側固定部600との固定箇所に第2
補強板220が固定されている。
【0063】
2本の可撓性基板部分200A、200Bは、所定の間隔を空けて平行に配置されている。第1補強板210および第2補強板220は略長方形の板状であり、長手方向がフレキシブルプリント基板200の幅方向を向いている。第1補強板210および第2補強板220は、いずれも、長手方向の一端に可撓性基板部分200Aが固定され、長手方向の他端に可撓性基板部分200Bが固定される。つまり、可撓性基板部分200A、200Bは、第1補強板210および第2補強板220によって一定の間隔を空けた状態に保持されている。
【0064】
フレキシブルプリント基板200は、第1可動体側固定部510に固定される第1固定部230、および、第2可動体側固定部600に固定される第2固定部240を備える。第1固定部230は、可撓性基板部分200A、200Bに第1補強板210を固定して構成される。また、第2固定部240は、可撓性基板部分200A、200Bに第2補強板220を固定して構成される。第1固定部230は、第1補強板210の長手方向(すなわち、フレキシブルプリント基板200の幅方向)の両側の縁に形成された引掛け部211と、第1補強板330長手方向の中央に形成された係合穴212、213(係合部)を備える。また、第2固定部240は、第2補強板220の長手方向(すなわち、フレキシブルプリント基板200の幅方向)の両側の縁に形成された引掛け部221と、第2補強板220の長手方向の中央に形成された係合穴222、223(係合部)を備える。引掛け部211、221は、可撓性基板200A、200Bの幅方向の外側へ突出する。
【0065】
第1補強板210に形成された係合穴212、213は、フレキシブルプリント基板200の幅方向と直交する方向の位置がずれている。より具体的には、係合穴212は、第1補強板210における基板104側の縁の近傍に形成され、係合穴213は、コネクタ挿入部290側の縁に形成されている。本形態では、係合穴213は、第1補強板210のコネクタ挿入部290側の縁を切り欠いた切り欠き形状であり、可撓性基板部分200A、200Bの間の隙間と繋がっている。
【0066】
同様に、第2補強板220に形成された係合穴222、223は、フレキシブルプリント基板200の幅方向と直交する方向の位置がずれている。より具体的には、係合穴222は、第2補強板220における基板104側の縁の近傍に形成され、係合穴223は、コネクタ挿入部290側の縁に形成されている。本形態では、係合穴223は、第2補強板220のコネクタ挿入部290側の縁を切り欠いた切り欠き形状である。なお、係合穴213、223は、本形態のような切り欠き形状でなく、長穴形状であってもよい。
【0067】
図12、
図14に示すように、揺動用磁気駆動機構11と接続されるフレキシブルプリント基板300は、一端に揺動駆動用コイル13と接続される枠部分310が形成され、他端はフレキシブルプリント基板400と共通のコネクタ挿入部700と繋がっている。フレキシブルプリント基板300は、枠部分310の内周縁と繋がる可撓性基板部分320と、枠部分310の外周縁の2箇所から立ち上がるセンサ支持部330を備える。枠部分310は、カメラモジュールホルダ102の底板部115に固定される。揺動駆動用コイル13のコイル線は、枠部分310に形成されたランド(図示省略)に接続される。センサ支持部330には磁気センサ331が固定される。磁気センサ331は、揺動駆動用コイル13と対向する揺動駆動用磁石14の磁界を検出する。なお、センサ支持部330にサーミスタを搭載することもできる。
【0068】
フレキシブルプリント基板300は、可撓性基板部分320に第3補強板340を固定した第3固定部350、および、可撓性基板部分320に第4補強板360を固定した第4固定部370を備える。第3固定部350は、フレキシブルプリント基板200の第1
固定部230と重なって第1可動体側固定部510に固定される部位であり、第1補強板210に形成された係合穴212、213と重なる係合穴351、352を備える。また、第4固定部370は、フレキシブルプリント基板200の第2固定部240と重なって第2可動体側固定部600に固定される部位であり、第2補強板220に形成された係合穴222、223と重なる係合穴371、372を備える。
【0069】
図12、
図14に示すように、ローリング用磁気駆動機構12と接続されるフレキシブルプリント基板400は、一端にローリング駆動用コイル15と接続される板状部410が形成され、他端はコネクタ挿入部700と繋がっており、板状部410とコネクタ挿入部700との間に延在する可撓性基板部分420を備える。フレキシブルプリント基板400は、可撓性基板部分420に第5補強板430を固定した第5固定部440を備える。第5固定部440は、フレキシブルプリント基板200の第2固定部240、および、フレキシブルプリント基板300の第4固定部370と重なって第2可動体側固定部600に固定される部位であり、係合穴222、223および係合穴371、372と重なる係合穴441、442を備える。
【0070】
図1に示すように、フレキシブルプリント基板300の可撓性基板部分320、および、フレキシブルプリント基板400の可撓性基板部分420は、フレキシブルプリント基板200における可撓性基板部分200A、200Bの間の隙間に配置されて引き回される。また、フレキシブルプリント基板300、400のコネクタ挿入部700には、フレキシブルプリント基板200のコネクタ挿入部290が固定され、共通コネクタ挿入部710を構成している。
図11に示すように、光学ユニット1が搭載される光学機器本体は、共通コネクタ挿入部710を接続するためのコネクタ部720を備える。つまり、フレキシブルプリント基板200、300、400は、可動体10と、コネクタ部720が設けられた支持体730との間に引き回される。ここで、支持体730は、例えば、光学機器本体のフレームや、メイン基板などの部位である。
【0071】
(第1可動体側固定部への固定構造)
図15は第1可動体側固定部510の側から見たスペーサ500の斜視図である。また、
図16はフレキシブルプリント基板200を固定した第1可動体側固定部510の斜視図であり、
図17はフレキシブルプリント基板200、300を固定した第1可動体側固定部510の斜視図である。スペーサ500は、全体として略直方体状であり、長手方向をY方向に向けた状態で、基板104の+X方向の端部に固定される。スペーサ500は、+Z方向を向く取付面501を備えており、取付面501には、基板104の+Y方向の縁および−Y方向の縁の外形に沿うガイド部502、503が形成されている。ガイド部502、503は、取付面501の+Y方向の縁および−Y方向の縁に沿って形成された凸部である。基板104は、ガイド部502、503および取付面501によって形成される溝状の凹部に嵌合し、取付面501に当接する。
【0072】
第1可動体側固定部510は、スペーサ500の取付面501とは反対側の面である下端面504に形成されている。第1可動体側固定部510は、スペーサ500のY方向の両端に形成された2箇所の第1フック部520と、スペーサ500のY方向の略中央から突出する円柱状の凸部530と、凸部530に対して−X方向側に位置する第2フック部540を備える。すなわち、第1可動体側固定部510は、X方向に離間した2箇所の凸部(凸部530および第2フック部540)を備える。
【0073】
第1フック部520は、スペーサ500の下端面504に対して−Z方向に突出する角柱状の突き当て部521と、突き当て部521の先端から+X方向に屈曲して突出する押さえ部522を備えた屈曲形状である。第1フック部520の押さえ部522と、スペーサ500の下端面504との間には、フレキシブルプリント基板200の第1補強板21
0に形成された引掛け部211を挿入可能な隙間が形成される。また、第2フック部540は、第1フック部520と略同一形状であり、突き当て部541および押さえ部542を備えた屈曲形状である。
【0074】
フレキシブルプリント基板200の第1固定部230を第1可動体側固定部510に固定に固定する際には、第1補強板210の+X方向の縁を下端面504から離すように第1補強板210を傾けて、第1補強板210の−X方向の縁を下端面504に沿って−X方向にスライドさせる。これにより、第1補強板210の引掛け部211が、第1フック部520とスペーサ500の下端面504との間に挿入され、押さえ部522によって引掛け部211が押さえられる。また、第1補強板210の−X方向の縁に設けられた係合穴213に第2フック部540の突き当て部541が挿入され、押さえ部542によって第1補強板210の幅方向(Y方向)の中央が押さえられる。
【0075】
第1フック部520と第2フック部540は、可撓性基板部分200A、200Bの幅方向(すなわち、Y方向)と直交する方向の位置がずれており、第2フック部540は、第1フック部520よりも−X方向側に配置される。つまり、第1フック部520と第2フック部540は、第1補強板210を差し込む際の挿入方向(すなわち、X方向)の位置がずれている。
【0076】
第1フック部520と第2フック部540に第1補強板210を挿入する際、第1フック部520の突き当て部521および第2フック部540の突き当て部541に対して第1補強板210を突き当てると、スペーサ500の下端面504から突出する凸部530と、もう1つの係合穴212とが重なる位置に第1補強板210が位置決めされるので、係合穴212に凸部530を嵌め込み、第1固定部230を下端面504に当接させる。これにより、
図16に示すように、フレキシブルプリント基板200の第1固定部230は、第1可動体側固定部510に固定される。
【0077】
次に、
図17に示すように、フレキシブルプリント基板300の第3固定部350を第1固定部230の幅方向の中央に重ね合わせ、第1可動体側固定部510の凸部530および第2フック部540に固定する。第3固定部350に形成された係合穴351、352は、凸部530および第2フック部540に対応する位置に形成されている。−X方向側に位置する係合穴352は、第2フック部540を挿入可能な長穴形状である。係合穴352に第2フック部540を挿入して、第3固定部350を−X方向にスライドさせると、第3補強板340が第2フック部540の押さえ部542によって押さえられる。このとき、長穴である係合穴352の+X方向の縁に第2フック部540の突き当て部541を突き当てると、凸部530ともう1つの係合穴351とが重なる位置に第1補強板210が位置決めされる。この状態で、円形の係合穴351に凸部530の先端を嵌め込むと、フレキシブルプリント基板300の第3固定部350が第1可動体側固定部510に固定される
【0078】
フレキシブルプリント基板200の第1固定部230、および、フレキシブルプリント基板300の第3固定部350において、第1可動体側固定部510の凸部530および第2フック部540と係合する係合穴212、213の組、および、係合穴351、352の組は、+X方向側に位置する係合穴212、351が円柱状の凸部530と係合する基準穴となっている。
【0079】
(第2可動体側固定部への固定構造)
図18は第2可動体側固定部の側から見たホルダ底板部材82の斜視図である。
図19はフレキシブルプリント基板300、400を固定した第2可動体側固定部600の斜視図であり、
図20はフレキシブルプリント基板200、300、400を固定した第2可
動体側固定部600の斜視図である。
図18に示すように、ホルダ底板部材82は、−Z方向に突出する軸部96およびローリング駆動用コイル保持部97が形成された底板部99と、底板部99の+X方向の縁に形成された突出部601を備える。突出部601はY方向に長い直方体状であり、底板部99から−Z方向に突出する。第2可動体側固定部600は、突出部601の下端面602に設けられている。底板部99において、軸部96の周囲には、フレキシブルプリント基板400の板状部410を配置する凹部が形成される。板状部410には、ローリング駆動用コイル保持部97に保持されるローリング駆動用コイル15のコイル線が接続される。
【0080】
図11に示すように、フレキシブルプリント基板400の可撓性基板部分420は、板状部410の+X方向の縁から−Z方向に屈曲され、突出部601の−X方向の側面に沿って第2可動体側固定部600へ引き回される。第2可動体側固定部600は、突出部601の下端面602に形成された溝部603と、溝部603の底面から突出する2本の凸部604、605と、突出部601のY方向の両端に形成された2箇所の第3フック部610を備える。凸部604、605は円柱状であり、X方向に離間した位置に配置される。溝部603は、フレキシブルプリント基板400の第5固定部440、および、フレキシブルプリント基板300の第4固定部370を重ねて収容可能な幅および深さとなっている。第2可動体側固定部600にフレキシブルプリント基板200、300、400を固定する際、
図19に示すように、フレキシブルプリント基板400の第5固定部440を溝部603に配置して、係合穴441、442に凸部604、605を嵌め込む。しかる後に、フレキシブルプリント基板300の第4固定部370を、第5固定部440と重ねて溝部603に配置し、係合穴371、372に凸部604、605を嵌め込む。
【0081】
第3フック部610は、突出部601の下端面602に対して−Z方向に突出する角柱状の突き当て部611と、突き当て部611の先端から−X方向に屈曲して突出する押さえ部612を備えた屈曲形状である。第3フック部610の押さえ部612と、突出部601の下端面602との間には、フレキシブルプリント基板200の第2補強板220に形成された引掛け部221を挿入可能な隙間が形成されている。
【0082】
フレキシブルプリント基板200の第2固定部240を第2可動体側固定部600に固定する方法は、第1固定部230を第1可動体側固定部510に固定する方法とほぼ同じである。すなわち、第2補強板220の−X方向の縁を下端面602から離すように第2補強板220を傾けて、第2補強板220の+X方向の縁を下端面602に沿って+X方向へスライドさせる。これにより、第2補強板220の幅方向の両端に設けられた引掛け部221が、第3フック部610と突出部601の下端面602との間に挿入され、押さえ部612によって引掛け部221が押さえられる。また、第3フック部610の突き当て部611に引掛け部221が突き当たって第2補強板220が位置決めされる。また、第2補強板220の+X方向の縁に設けられた係合穴223に凸部605が配置され、係合穴223の縁に凸部605が突き当たる。
【0083】
この状態で、第2固定部240に設けられたもう1つの係合穴222に凸部604を嵌め込むと、フレキシブルプリント基板200の第2固定部240が、第2可動体側固定部600に固定される。また、フレキシブルプリント基板400、300の第5固定部440および第4固定部370は、フレキシブルプリント基板200の第2固定部240によって押さえられる。
【0084】
(本形態の主な作用効果)
以上のように、本形態の光学ユニット1は、カメラモジュール101用のフレキシブルプリント基板200に、第1補強板210によって補強された第1固定部230が設けられている。第1固定部230は、幅方向(すなわち、フレキシブルプリント基板200が
延在する方向と直交する方向)の中央に形成された2箇所の係合穴212、213と、幅方向の両端に突出する第1補強板210の端部である引掛け部211を備えている。これに対して、可動体10の側には第1可動体側固定部510が設けられており、第1可動体側固定部510の第1フック部520に引掛け部211を差し込むとともに、係合穴213の縁を第1可動体側固定部510の第2フック部540に差し込み、更に、係合穴212に第1可動体側固定部510の凸部530を嵌め込んで固定することができる。このような固定構造は、可動体10やフレキシブルプリント基板200とは別部材の固定部品を用いる必要がなく、部品点数が少ない。また、固定作業が容易である。更に、第1フック部520と引掛け部211との係合状態、および、係合穴212、213への凸部530および第2フック部540の嵌合状態を目視で確認する際、取り付け箇所を上から見るだけで確認することができる。従って、固定状態を確認しやすい。
【0085】
本形態では、係合穴212、213のうちの一方(係合穴213)の係合相手が凸部でなく第2フック部540である。従って、第1フック部520で第1補強板210の幅方向の両端を押さえるのに加えて、第2フック部540で第1補強板210の幅方向の中央を押さえることができる。従って、より確実に固定することができる。また、もう一方の係合穴212は、凸部530が嵌まる基準穴である。従って、第1固定部230を位置決めすることができ、第1固定部230がフレキシブルプリント基板200の延在方向に位置ずれすることを抑制できる。なお、第2フック部540は、単なる凸部であってもよい。また。第2フック部540および係合穴213を省略することもできる。
【0086】
本形態の第1フック部520および第2フック部540は、第1補強板210が突き当たる突き当て部521、541と、突き当て部521、541から同一方向に突出する押さえ部522、542を備える。従って、第1フック部520と第2フック部540に対して同一方向に第1補強板210を差し込むことができるので、固定作業が容易である。また、突き当て部521、541に第1補強板210を突き当てることによって第1補強板210を位置決めできるため、第1固定部230の位置決めが容易である。また、第1フック部520と第2フック部540は、第1補強板210を差し込む差し込み方向(X方向:フレキシブルプリント基板200を引き出す引き出し方向)の位置がずれているので、第1フック部520と第2フック部540から第1補強板210が外れにくい。従って、第1可動体側固定部510に対する第1固定部230の固定が外れにくい。また、フレキシブルプリント基板200がX方向(引き出し方向)に対して傾くことを防止でき、フレキシブルプリント基板200が引き出し方向と直交する方向に横ずれすることを防止できる。
【0087】
本形態では、可動体10において、カメラモジュール101の電子部品が搭載される基板104にスペーサ500を固定し、このスペーサ500に第1可動体側固定部510が形成される。具体的には、スペーサ500の下端面504に第1フック部520、第2フック部540、および凸部530が形成されている。このように、基板104にスペーサ500を取り付けてフレキシブルプリント基板200を固定することにより、基板104に近い位置でフレキシブルプリント基板200を固定することができる。また、基板104に搭載された電子部品とフレキシブルプリント基板200との干渉を回避することができる。更に、スペーサ500は、基板104の外形に沿うガイド部502、503を備えているので、基板104との位置決めを正確に、且つ、容易に行うことができる。
【0088】
本形態では、フレキシブルプリント基板200は、幅広の1本の可撓性基板でなく、幅方向に分割された複数本の可撓性基板200A、200Bを備える。このように、可撓性基板を分割した方が、フレキシブルプリント基板200を撓ませやすい。例えば、フレキシブルプリント基板200がねじれるようにカメラモジュール101が揺動あるいは回転する場合に、複数本の可撓性基板に分割されていた方が撓ませやすい。従って、カメラモ
ジュール101を揺動あるいは回転させる際のフレキシブルプリント基板200の抵抗力を少なくすることができる。
【0089】
本形態の光学ユニット1は、カメラモジュール101に接続されるフレキシブルプリント基板200(光学モジュール用プリント基板)と、カメラモジュール101を揺動させる揺動用磁気駆動機構11に接続されるフレキシブルプリント基板300(駆動機構用プリント基板)とを備えており、フレキシブルプリント基板300は、第1可動体側固定部510の凸部530および第2フック部540を介して第1可動体側固定部510に固定される第3固定部350を備える。従って、複数のフレキシブルプリント基板200、300を共通の固定構造によってまとめて第1可動体側固定部510に固定できる。また、複数のフレキシブルプリント基板200、300をまとめて引き回すことができる。
【0090】
本形態では、第1固定部230および第1可動体側固定部510による固定構造と同様の固定構造がもう1箇所設けられている。すなわち、フレキシブルプリント基板200には、第1固定部230とコネクタ挿入部290との間に第2固定部240が設けられ、可動体10には、第2固定部240が固定される第2可動体側固定部600が設けられている。従って、2箇所で同様の作用効果が得られる。また、第2可動体側固定部600には、フレキシブルプリント基板200の第2固定部240だけでなく、フレキシブルプリント基板300の第4固定部370、および、ローリング用磁気駆動機構12に接続されるフレキシブルプリント基板400(駆動機構用プリント基板)の第5固定部440が固定される。従って、3本のフレキシブルプリント基板200、300、400をまとめて固定でき、これら3本をまとめて引き回すことができる。
【0091】
本形態では、フレキシブルプリント基板200、300、400をまとめて引き回すにあたって、フレキシブルプリント基板200を構成する2本の可撓性基板200A、200Bの間にフレキシブルプリント基板300、400が配置され、可撓性基板200A、200Bの間に渡された第1補強板210の部分に形成された係合部(係合穴212、213)とフレキシブルプリント基板300、400とが重なる構成を採用している。従って、カメラモジュール101用のフレキシブルプリント基板200と、駆動機構用のフレキシブルプリント基板300、400とを重ならないように引き回すことができる。また、第2可動体側固定部600と共通コネクタ挿入部710との間において、フレキシブルプリント基板300、400の可撓性基板部分320、420を重なった状態でU字状に引き回すにあたって、内周側に配置される可撓性基板部分320の長さを、外周側に配置される可撓性基板部分420の長さよりも短くしているので、可撓性基板部分320、420の間に隙間が形成されている(
図1、
図11参照)。よって、可動体10が軸線L周りに回転する際に、可撓性基板部分320、420の変形を妨げないようにすることができる。
【0092】
(他の実施形態)
上記形態は、ローリング用磁気駆動機構12のローリング駆動用コイル15を可動体10に搭載し、固定体8にローリング駆動用磁石16を搭載するものであったが、可動体10にローリング駆動用磁石16を搭載し、固定体8にローリング駆動用コイル15を搭載する構成を採用しても良い。この場合、可動体10にフレキシブルプリント基板400を接続する必要がない。従って、フレキシブルプリント基板400の取付が容易であり、光学ユニット1の製造が容易である。また、可動体10がローリング方向に回転する際にフレキシブルプリント基板400によって可動体10の動きが阻害されることがない。