特許第6989291号(P6989291)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6989291
(24)【登録日】2021年12月6日
(45)【発行日】2022年1月5日
(54)【発明の名称】火炎検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01J 1/42 20060101AFI20211220BHJP
   G08B 17/12 20060101ALI20211220BHJP
【FI】
   G01J1/42 C
   G08B17/12 A
【請求項の数】3
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-105392(P2017-105392)
(22)【出願日】2017年5月29日
(65)【公開番号】特開2018-200246(P2018-200246A)
(43)【公開日】2018年12月20日
【審査請求日】2020年3月16日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】島 裕史
【審査官】 小澤 瞬
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−128896(JP,A)
【文献】 特開平4−350796(JP,A)
【文献】 特開2000−321132(JP,A)
【文献】 特開平10−326391(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/071011(WO,A1)
【文献】 特開2002−109652(JP,A)
【文献】 特開平9−229763(JP,A)
【文献】 特開2009−75132(JP,A)
【文献】 実開昭58−084533(JP,U)
【文献】 実公昭47−015278(JP,Y1)
【文献】 特開2016−102651(JP,A)
【文献】 特開平6−325271(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0020310(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23N 1/02 − F23N 1/06
F23N 3/00 − F23N 5/00
F23N 5/18
F23N 5/24
G01J 1/00 − G01J 1/60
G01J 5/00 − G01J 5/62
G01J 11/00
G08B 17/02 − G08B 17/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
火炎からの光に基づいて前記火炎を検出する火炎検出装置であって、
入射光量に応じたレベルの照射側電気信号を出力する照射側信号生成手段であって、自己に前記火炎からの光が照射されるように構成されている前記照射側信号生成手段と、
入射光量に応じたレベルの非照射側電気信号を出力する非照射側信号生成手段であって、自己に前記火炎からの光が照射されないように構成されている前記非照射側信号生成手段と、
前記非照射側信号生成手段が出力した前記非照射側電気信号に基づいて、前記照射側信号生成手段が出力した前記照射側電気信号に重畳されているノイズを除去する除去手段と、
前記除去手段によってノイズが除去された前記照射側電気信号に基づいて、前記火炎を検出する火炎検出手段と、を備え、
前記照射側信号生成手段及び前記非照射側信号生成手段の各々は、個別のセンサ用ケースに収容されたセンサ部と、アンプ部と、周波数フィルタ部とを含み相互に同様に構成されている、
火炎検出装置。
【請求項2】
前記除去手段は、前記照射側電気信号から前記非照射側電気信号を減算することにより、前記照射側信号生成手段が出力した前記照射側電気信号に重畳されているノイズを除去する、
請求項1に記載の火炎検出装置。
【請求項3】
前記照射側信号生成手段を実装する回路基板、を備え、
前記非照射側信号生成手段は、前記回路基板に実装されている、
請求項1又は2に記載の火炎検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火炎検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
火炎を検出する火炎検出装置が知られていた(例えば、特許文献1参照)。この火炎検出装置は、火炎の光の光量に対応する電気信号を出力する光検出手段を備えており、この光検出手段が出力した電気信号に基づいて火炎を検出するように構成されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−175562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の火炎検出装置においては、例えば、トンネル内の如き屋外に設置されて用いられることが多々あり、この場合、火炎検出装置の設置環境に起因して火炎検出装置にノイズ(例えば、振動、電波、又は熱等)が付加され、付加されたノイズに起因して電気信号にノイズが重畳してしまい、実際には火炎が発生していないにも関わらず火炎を検出してしまう誤報が発生する可能性があり、誤報の発生を防止して火炎を確実に検出する観点において改善の余地があった。
【0005】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、火炎を確実に検出することが可能な火炎検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の火炎検出装置は、火炎からの光に基づいて前記火炎を検出する火炎検出装置であって、入射光量に応じたレベルの照射側電気信号を出力する照射側信号生成手段であって、自己に前記火炎からの光が照射されるように構成されている前記照射側信号生成手段と、入射光量に応じたレベルの非照射側電気信号を出力する非照射側信号生成手段であって、自己に前記火炎からの光が照射されないように構成されている前記非照射側信号生成手段と、前記非照射側信号生成手段が出力した前記非照射側電気信号に基づいて、前記照射側信号生成手段が出力した前記照射側電気信号に重畳されているノイズを除去する除去手段と、前記除去手段によってノイズが除去された前記照射側電気信号に基づいて、前記火炎を検出する火炎検出手段と、を備え、前記照射側信号生成手段及び前記非照射側信号生成手段の各々は、個別のセンサ用ケースに収容されたセンサ部と、アンプ部と、周波数フィルタ部とを含み相互に同様に構成されている。
【0007】
また、請求項2に記載の火炎検出装置は、請求項1に記載の火炎検出装置において、前記除去手段は、前記照射側電気信号から前記非照射側電気信号を減算することにより、前記照射側信号生成手段が出力した前記照射側電気信号に重畳されているノイズを除去する。
【0008】
また、請求項3に記載の火炎検出装置は、請求項1又は2に記載の火炎検出装置において、前記照射側信号生成手段を実装する回路基板、を備え、前記非照射側信号生成手段は、前記回路基板に実装されている。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の火炎検出装置によれば、例えば、火炎を検出することに対する、照射側電気信号に重畳されているノイズの影響を取り除くことができるので、実際には火炎が発生していないにも関わらず火炎を検出してしまう誤報の発生を防止して火炎を確実に検出することが可能となる
【0010】
請求項2に記載の火炎検出装置によれば、照射側電気信号から非照射側電気信号を減算することにより、照射側電気信号に重畳されているノイズを除去することにより、例えば、比較的単純な処理により照射側電気信号に重畳されているノイズを除去することができるので、照射側電気信号に重畳されているノイズを迅速に除去することができ、火炎を迅速且つ確実に検出することが可能な火炎検出装置を提供することが可能となる。また、例えば、火炎検出装置の除去手段を比較的単純な構成で実現することがき、火炎検出装置の製造工程を単純化することにより当該火炎検出装置の製造コストを低減することができる。
【0011】
請求項3に記載の火炎検出装置によれば、照射側信号生成手段を実装する回路基板を備え、非照射側信号生成手段は回路基板に実装されていることにより、例えば、照射側信号生成手段及び非照射側信号生成手段が相互に同一の回路基板に実装されているので、照射側信号生成手段及び非照射側信号生成手段の両方に対して相互に同様なノイズが付加されることになり、照射側電気信号から除去するべきノイズと同様なノイズを非照射側電気信号に重畳させることができ、この非照射側電気信号を用いて照射側電気信号からノイズを確実に除去することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施の形態に係る火炎検出装置のブロック図である。
図2】信号ノイズが重畳されていない状態の第1照射側アナログ信号の波形図の一例である。
図3】火炎検出処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係る火炎検出装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0014】
〔実施の形態の基本的概念〕
まずは、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、少なくとも、照射側光検出手段と、非照射側光検出手段と、除去手段と、火炎検出手段とを備える火炎検出装置に関するものである。
【0015】
ここで、「火炎検出装置」とは、火炎からの光に基づいて火炎を検出する検出手段であり、具体的には、監視領域の火炎を検出するものであり、例えば、火炎の任意の性質を利用して火炎を検出するものであり、一例としては、火炎の光が4.4μm〜4.5μm付近の波長に強度のピークがある性質(つまり、いわゆるCO2共鳴放射)、及び、火炎の光が1Hz〜15Hz付近の周波数にてちらつく性質を利用して火炎を検出するもの等を含む概念である。また、「火炎検出装置」とは、例えば、1つのみの波長帯域に着目して火炎を検出する方式、あるいは、複数の波長帯域に着目して火炎を検出する方式を採用するもの等を含む概念である。
【0016】
また、「監視領域」とは、火炎検出装置による監視の対象となっている領域であり、具体的には、一定の広がりを持った空間であって、屋内あるいは屋外の空間であって、例えば、トンネルの内外の領域、及び建物の内外の領域等を含む概念である。
【0017】
また、「照射側光検出手段」とは、自己に照射された光の光量に対応する照射側電気信号を出力する手段であって、自己に火炎からの光が照射されるように構成されている手段であり、具体的には、光電変換を行うものであり、例えば、火炎からの光が照射されるように設けられている焦電素子(以下、「火炎からの光が照射されるように設けられている焦電素子」を「照射側焦電素子」とも称する)等を含む概念である。なお、「照射側電気信号」とは、電気的な信号であり、具体的には、照射側光検出手段から出力される信号(つまり、入射光量に応じたレベルの信号)であって、照射側光検出手段に照射された光の光量に対応する信号であり、例えば、光の光量に対応する電圧値の信号等を含む概念である。
【0018】
また、「非照射側光検出手段」とは、自己に照射された光の光量に対応する非照射側電気信号を出力する手段であって、自己に火炎からの光が照射されないように構成されている手段であり、具体的には、光電変換を行うものであり、例えば、火炎からの光が照射されないように設けられている焦電素子(以下、「火炎からの光が照射されないように設けられている焦電素子」を「非照射側焦電素子」とも称する)等を含む概念である。なお、「非照射側電気信号」とは、電気的な信号であり、具体的には、非照射側光検出手段から出力される信号であって、非照射側光検出手段に照射された光の光量に対応する信号(つまり、入射光量に応じたレベルの信号)であり、例えば、光の光量に対応する電圧値の信号等を含む概念である。
【0019】
また、ここでの非照射側焦電素子は、例えば、自己に対する火炎からの光の照射の有無に関する構成以外については、照射側焦電素子と同様に構成されているものであり、つまり、非照射側焦電素子及び照射側焦電素子については、同一の付加ノイズが加えられた場合に、非照射側電気信号及び照射側電気信号に対して当該付加ノイズに起因して同一の信号ノイズが重畳するように構成されているものである。なお、「付加ノイズ」とは、火炎検出装置に加えられるノイズであり、具体的には、信号ノイズの原因となるものであり、例えば、振動、電波、熱等を含む概念である。また、「信号ノイズ」とは、少なくとも照射側電気信号及び非照射側電気信号に重畳するノイズであり、具体的には、付加ノイズに起因しているもの等を含む概念である。
【0020】
また、「除去手段」とは、非照射側光検出手段が出力した非照射側電気信号に基づいて、照射側光検出手段が出力した照射側電気信号に重畳されているノイズを除去する手段であり、具体的には、信号ノイズを除去するものであり、例えば、信号ノイズをアナログ的に除去するもの、あるいは、信号ノイズをデジタル的に除去するもの等を含む概念である。なお、「信号ノイズをアナログ的に除去する」とは、所定の電気回路を用いて電気信号のレベルで信号ノイズを除去することを示しており、また、「信号ノイズをデジタル的に除去する」とは、電気信号をデジタル化して、演算処理のレベルで信号ノイズを除去することを示している。
【0021】
また、「火炎検出手段」とは、除去手段によってノイズが除去された照射側電気信号に基づいて火炎を検出する手段である。
【0022】
そして、以下に示す実施の形態では、「火炎検出装置」が1つのみの波長帯域に着目して火炎を検出する方式を採用するものであり、「監視領域」が屋外の空間であり、「除去手段」が信号ノイズをアナログ的に除去するものである場合について説明する。
【0023】
(構成)
まず、本実施の形態に係る火炎検出装置の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る火炎検出装置のブロック図である。
【0024】
この図1に示す火炎検出装置100は、監視領域の火炎を検出するものであり、具体的には、監視領域である屋外の空間を監視するべく建物の屋外側の壁面等に設けられているものであり、例えば、照射側信号生成部11、非照射側信号生成部12、除去部13、信号変換部14、通信部15、記録部16、及び制御部17を備える。
【0025】
(構成−照射側信号生成部)
照射側信号生成部11は、照射側アナログ信号を生成して出力する信号生成手段であり、例えば、火炎検出装置用回路基板に実装されているものであり、一例としては、照射側センサ部111、照射側周波数フィルタ112、照射側プリアンプ113、及び照射側メインアンプ114を備える。
【0026】
ここで、「火炎検出装置用回路基板」とは、電気回路又は素子が実装される実装手段であり、具体的には、火炎検出装置100に設けられている回路基板であって、例えば、少なくとも照射側信号生成部11及び非照射側信号生成部12が実装されているものである。また、「照射側アナログ信号」とは、電気的な信号であり、具体的には、前述の付加ノイズに起因して信号ノイズが重畳され得る信号であり、例えば、後述する第1照射側アナログ信号S11、第2照射側アナログ信号S12、第3照射側アナログ信号S13、及び第4照射側アナログ信号S14等を含む概念である。
【0027】
(構成−照射側センサ部)
照射側センサ部111は、光電変換を行う変換手段であり、具体的には、後述する第1照射側アナログ信号S11を生成して出力する信号出力手段であり、例えば、照射側センサ部用ケース111a、照射側光学式フィルタ111b、及び照射側光検出部111cを備える。
【0028】
(構成−照射側センサ部−照射側センサ部用ケース)
照射側センサ部用ケース111aは、少なくとも照射側光検出部111cを収容する収容手段であり、具体的には、照射側センサ部111の外形を形成するものであり、例えば、自己の内部に火炎検出装置100の外部の光を導入するための不図示の照射側開口部を備えるものであって、自己が収容している照射側光検出部111cに対して当該照射側開口部のみを介して光を照射し得るものである。
【0029】
(構成−照射側センサ部−照射側光学式フィルタ)
照射側光学式フィルタ111bは、所定の波長帯域の光を透過させる透過手段であり、具体的には、火炎の検出に関連する波長帯域の光を透過させるものであり、例えば、火炎の光の強度がピークになる波長帯域の光のみを透過させるものであり、一例としては、4.4μm〜4.5μm付近の波長帯域の光のみを透過させる公知の光学式フィルタを用いて構成可能なものである。また、この照射側光学式フィルタ111bの具体的な実装位置は任意であるが、例えば、火炎検出装置100の外部の光が、当該照射側光学式フィルタ111bを介して照射側センサ部用ケース111a内の照射側光検出部111cに照射されるように、照射側センサ部用ケース111aの不図示の照射側開口部に設けられている。
【0030】
(構成−照射側センサ部−照射側光検出部)
照射側光検出部111cは、光電変換を行う変換手段であり、具体的には、自己に照射された光の光量に対応する第1照射側アナログ信号S11(つまり、入射光量に応じたレベルの信号)を出力する照射側光検出手段であって、自己に火炎からの光が照射されるように構成されているものであり、例えば、照射側センサ部用ケース111aに収容されているものであって、火炎検出装置100の外部の光が照射側光学式フィルタ111bを介して自己に照射されるものであり、一例としては、前述の照射側焦電素子であって、公知の焦電素子を用いて構成可能なものである。
【0031】
ここで、「第1照射側アナログ信号」S11とは、照射側電気信号であり、具体的には、照射側光検出部111cに照射された光の光量に対応する電気的な信号であり、例えば、照射側光検出部111cに照射された光の光量に対応するレベルを有するアナログ信号であって、付加ノイズに起因する信号ノイズが重畳され得る信号である。図2は、信号ノイズが重畳されていない状態の第1照射側アナログ信号の波形図の一例である。この図2に示されているように、信号ノイズが重畳されていない状態の第1照射側アナログ信号S11は、例えば、基準電圧Vrを基準にした信号であり、詳細には、火炎の光が照射側光検出部111cに照射された場合に、図2に例示したように交流波形となり、また、火炎の光が照射側光検出部111cに照射されない場合(つまり、入射光量が「0」である場合)に、図2の基準電圧Vrとして示した一定レベルの波形となる信号である。
【0032】
(構成−照射側周波数フィルタ)
図1の照射側周波数フィルタ112は、所定の周波数帯域の信号を通過するフィルタ手段であり、具体的には、火炎の検出に関連する周波数帯域の信号を通過させるものであり、例えば、火炎の光がちらつく周波数帯域の信号のみを通過させるものであり、一例としては、1Hz〜15Hz付近の周波数帯域の信号のみを通過させる公知の信号フィルタを用いて構成可能なものである。また、この照射側周波数フィルタ112は、例えば、第1照射側アナログ信号S11が入力されて、当該第1照射側アナログ信号S11のうちの所定の周波数帯域(一例としては、1Hz〜15Hz付近)の信号を、第2照射側アナログ信号S12として出力するものである。
【0033】
(構成−照射側プリアンプ)
照射側プリアンプ113は、所定の増幅率で信号を増幅する前段増幅手段であり、具体的には、照射側メインアンプ114の入力レベルとして適したレベルに増幅するものであり、例えば、数倍〜数十倍の増幅率で増幅する公知の増幅回路を用いて構成可能なものである。この照射側プリアンプ113は、例えば、第2照射側アナログ信号S12が入力されて、当該第2照射側アナログ信号S12を所定の増幅率(一例としては、数倍〜数十倍)で増幅して、増幅後の信号を第3照射側アナログ信号S13として出力するものである。
【0034】
(構成−照射側メインアンプ)
照射側メインアンプ114は、所定の増幅率で信号を増幅する主増幅手段であり、具体的には、除去部13又は信号変換部14の入力レベルとして適したレベルに増幅するものであり、例えば、数百倍〜数千倍の増幅率で増幅する公知の増幅回路を用いて構成可能なものである。この照射側メインアンプ114は、例えば、第3照射側アナログ信号S13が入力されて、当該第3照射側アナログ信号S13を所定の増幅率(一例としては、数百倍〜数千倍)で増幅して、増幅後の信号を第4照射側アナログ信号S14として出力するものである。
【0035】
(構成−非照射側信号生成部)
非照射側信号生成部12は、非照射側アナログ信号を生成して出力する信号生成手段であり、例えば、照射側信号生成部11が実装されている前述の火炎検出装置用回路基板に実装されているものであり、一例としては、非照射側センサ部121、非照射側周波数フィルタ122、非照射側プリアンプ123、及び非照射側メインアンプ124を備える。
【0036】
ここで、「非照射側アナログ信号」とは、電気的な信号であり、具体的には、前述の付加ノイズに起因して信号ノイズが重畳され得る信号であり、例えば、後述する第1非照射側アナログ信号S21、第2非照射側アナログ信号S22、第3非照射側アナログ信号S23、及び第4非照射側アナログ信号S24等を含む概念である。
【0037】
(構成−非照射側センサ部)
非照射側センサ部121は、光電変換を行う変換手段であり、具体的には、後述する第1非照射側アナログ信号S21を生成して出力する信号出力手段であり、例えば、非照射側センサ部用ケース121a、非照射側遮光材121b、及び非照射側光検出部121cを備える。また、この非照射側センサ部121は、自己の非照射側遮光材121bが照射側センサ部111の照射側光学式フィルタ111bと異なっている点を除いて、照射側センサ部111と同様に構成されているものである。
【0038】
(構成−非照射側センサ部−非照射側センサ部用ケース)
非照射側センサ部用ケース121aは、少なくとも非照射側光検出部121cを収容する収容手段であり、具体的には、非照射側センサ部121の外形を形成するものであり、例えば、特記する事項を除いて照射側センサ部用ケース111aと同様にして構成されているものであって、自己の内部に火炎検出装置100の外部の光を導入するための不図示の非照射側開口部を備えるものであり、自己が収容している非照射側光検出部121cに対して当該非照射側開口部のみを介して光を照射し得るものである。
【0039】
(構成−非照射側センサ部−非照射側遮光材)
非照射側遮光材121bは、全ての帯域の光を遮光する遮光手段であり、例えば、公知の遮光性の材料により形成されているものであり、一例としては、火炎検出装置100の外部の光が、非照射側センサ部用ケース121aの不図示の非照射側開口部を介して非照射側センサ部用ケース121a内の非照射側光検出部121cに照射されないように、非照射側センサ部用ケース121aの不図示の非照射側開口部に設けられている。
【0040】
(構成−非照射側センサ部−非照射側光検出部)
非照射側光検出部121cは、光電変換を行う変換手段であり、具体的には、自己に照射された光の光量に対応する第1非照射側アナログ信号S21(つまり、入射光量に応じたレベルの信号)を出力する非照射側光検出手段であって、自己に火炎からの光が照射されないように構成されているものであり、例えば、照射側光検出部111cとは別体のものであり、特記する事項を除いて照射側光検出部111cと同様にして構成されているものであって、非照射側センサ部用ケース121aに収容されているものであり、火炎検出装置100の外部の光が非照射側遮光材121bによって遮光されて自己に照射されないものであり、一例としては、前述の非照射側焦電素子であって、公知の焦電素子を用いて構成可能なものである。
【0041】
ここで、「第1非照射側アナログ信号」S21とは、非照射側電気信号であり、具体的には、非照射側光検出部121cに照射された光の光量に対応する電気的な信号であり、例えば、非照射側光検出部121cに照射された光の光量に対応するレベルを有するアナログ信号であって、付加ノイズに起因する信号ノイズが重畳され得る信号である。また、信号ノイズが重畳されていない状態の第1非照射側アナログ信号S21は、例えば、前述の第1照射側アナログ信号S11と同様な波形となり得る信号であるが、非照射側光検出部121cに光が照射されないように構成されているので、図2の基準電圧Vrの一定レベルの波形となる信号である。
【0042】
(構成−非照射側周波数フィルタ)
非照射側周波数フィルタ122は、所定の周波数帯域の信号を通過するフィルタ手段であり、具体的には、火炎の検出に関連する周波数帯域の信号を通過させるものであり、例えば、特記する事項を除いて照射側周波数フィルタ112と同様にして構成されているものであって、第1非照射側アナログ信号S21が入力されて、当該第1非照射側アナログ信号S21のうちの所定の周波数帯域(一例としては、1Hz〜15Hz付近)の信号を、第2非照射側アナログ信号S22として出力するものである。
【0043】
(構成−非照射側プリアンプ)
非照射側プリアンプ123は、所定の増幅率で信号を増幅する前段増幅手段であり、具体的には、非照射側メインアンプ124の入力レベルとして適したレベルに増幅するものであり、例えば、特記する事項を除いて照射側プリアンプ113と同様にして構成されているものであって、第2非照射側アナログ信号S22が入力されて、当該第2非照射側アナログ信号S22を所定の増幅率(一例としては、数倍〜数十倍)で増幅して、増幅後の信号を第3非照射側アナログ信号S23として出力するものである。
【0044】
(構成−非照射側メインアンプ)
非照射側メインアンプ124は、所定の増幅率で信号を増幅する主増幅手段であり、具体的には、除去部13又は信号変換部14の入力レベルとして適したレベルに増幅するものであり、例えば、特記する事項を除いて照射側メインアンプ114と同様にして構成されているものであって、第3非照射側アナログ信号S23が入力されて、当該第3非照射側アナログ信号S23を所定の増幅率(一例としては、数百倍〜数千倍)で増幅して、増幅後の信号を第4非照射側アナログ信号S24として出力するものである。
【0045】
(構成−除去部)
除去部13は、非照射側信号生成部12が出力した非照射側アナログ信号に基づいて、照射側信号生成部11が出力した照射側アナログ信号に重畳されているノイズを除去する除去手段であり、具体的には、非照射側光検出部121cが出力した第1非照射側アナログ信号S21に対応する第4非照射側アナログ信号S24に基づいて、照射側光検出部111cが出力した第1照射側アナログ信号S11に対応する第4照射側アナログ信号S14に重畳されている信号ノイズを除去するものであり、つまり、非照射側光検出部121cが出力した第1非照射側アナログ信号S21に基づいて、照射側光検出部111cが出力した第1照射側アナログ信号S11に重畳されている信号ノイズを除去するものである。また、除去部13は、例えば、第1照射側アナログ信号S11に対応する第4照射側アナログ信号S14から第1非照射側アナログ信号S21に対応する第4非照射側アナログ信号S24を減算することにより、第1照射側アナログ信号S11に対応する第4照射側アナログ信号S14に重畳されている信号ノイズを除去するものであり、つまり、第1照射側アナログ信号S11から第1非照射側アナログ信号S21を減算することにより、第1照射側アナログ信号S11に重畳されている信号ノイズを除去するものであり、一例としては、公知の減算回路を用いて構成可能なものである。また、除去部13は、例えば、第4照射側アナログ信号S14及び第4非照射側アナログ信号S24が入力されて、入力された第4照射側アナログ信号S14のレベルから入力された第4非照射側アナログ信号S24のレベルを減算することにより、入力された第4照射側アナログ信号S14に重畳されている信号ノイズを除去し、信号ノイズが除去された第4照射側アナログ信号S14を、第5照射側アナログ信号S15として出力するものである。
【0046】
(構成−信号変換部)
信号変換部14は、信号の形式を変換する変換手段であり、具体的には、アナログ信号をデジタル信号に変換するものであり、例えば、第5照射側アナログ信号S15が入力されて、入力された第5照射側アナログ信号S15を、当該第5照射側アナログ信号S15に対応するデジタルの電気信号である第5照射側デジタル信号S16に変換して出力するものであり、例えば、公知のアナログデジタル変換回路を用いて構成可能なものである。
【0047】
(構成−通信部)
通信部15は、通信を行う通信手段であり、例えば、不図示の防災受信機との間で通信を行うものであって、公知の有線又は無線通信回路等を用いて構成可能なものである。
【0048】
(構成−記録部)
記録部16は、火炎検出装置100の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、EEPROMやFlashメモリ等を用いて構成されている。ただし、EEPROMやFlashメモリに代えてあるいはEEPROMやFlashメモリと共に、ハードディスクの如き外部記録装置、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、DVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体、又はROM、USBメモリ、SDカードの如き電気的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる。
【0049】
(構成−制御部)
制御部17は、火炎検出装置100を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、実施の形態に係る制御プログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介して火炎検出装置100にインストールされることで、制御部17の各部を実質的に構成する。
【0050】
この制御部17は、機能概念的に、火炎検出部171を備える。火炎検出部171は、除去部13によってノイズが除去された照射側アナログ信号に基づいて、火炎を検出する火炎検出手段であり、例えば、第5照射側デジタル信号S16が入力されて、入力された第5照射側デジタル信号S16に基づいて火炎を検出するものである。そして、この制御部17の各部により行われる処理については、後述する。
【0051】
(動作)
次に、このように構成される火炎検出装置100の信号処理動作について説明する。「信号処理動作」とは、火炎検出装置100で行われる電気信号を処理する動作であり、ここでは、例えば振動、電波、又は熱等の付加ノイズが火炎検出装置100に加えられている場合の各信号、及び、付加ノイズが火炎検出装置100に加えられていない場合の各信号に着目して説明する。特に、付加ノイズが火炎検出装置100に加えられている場合については、照射側光検出部111c及び非照射側光検出部121cが付加ノイズの影響を受ける場合において、火炎の光が火炎検出装置100に照射されている場合を例示して説明する。また、この「信号処理動作」を実行するタイミングは任意であるが、例えば、火炎検出装置100の電源をオンした後に、起動されて実行するものとして、信号処理動作が起動されたところから説明する。
【0052】
(動作−付加ノイズが加えられている場合)
付加ノイズが火炎検出装置100に加えられた場合において、火炎の光が火炎検出装置100に照射されている場合、照射側光検出部111cは、照射側センサ部用ケース111aの不図示の照射側開口部の照射側光学式フィルタ111bを介して、火炎の光が照射されることになる。そして、照射側光検出部111cは、照射された光の光量に対応する信号(一例としては、図2で例示した基準電圧Vrを基準にした交流波形の信号)に対して、前述の加えられた付加ノイズに起因する信号ノイズ(一例としては、比較的低周波の信号ノイズ)が重畳された第1照射側アナログ信号S11を出力する。なお、この第1照射側アナログ信号S11に重畳されている信号ノイズを、「第1照射側アナログ信号重畳ノイズ」と称して以下説明する。
【0053】
次に、照射側周波数フィルタ112は、この「第1照射側アナログ信号重畳ノイズ」が重畳された第1照射側アナログ信号S11のうちの所定の周波数帯域(一例としては、1Hz〜15Hz付近)の信号を、第2照射側アナログ信号S12として出力し、次に、照射側プリアンプ113は、この第2照射側アナログ信号S12を所定の増幅率(一例としては、数倍〜数十倍)で増幅して、増幅後の信号を第3照射側アナログ信号S13として出力し、次に、照射側メインアンプ114は、この第3照射側アナログ信号S13を所定の増幅率(一例としては、数百倍〜数千倍)で増幅して、増幅後の信号を第4照射側アナログ信号S14として除去部13に出力する。この場合、照射側メインアンプ114によって出力される第4照射側アナログ信号S14は、前述の第1照射側アナログ信号S11に重畳された「第1照射側アナログ信号重畳ノイズ」に応じた信号ノイズが重畳された状態となる。なお、この第4照射側アナログ信号S14に重畳されている信号ノイズを、「第4照射側アナログ信号重畳ノイズ」と称して以下説明する。
【0054】
一方、付加ノイズが火炎検出装置100に加えられた場合において、火炎の光が火炎検出装置100に照射されている場合、非照射側光検出部121cは、非照射側センサ部用ケース121aの不図示の非照射側開口部に非照射側遮光材121bが設けられているので、火炎の光が当該非照射側遮光材121bに遮光されて、火炎の光が照射されないことになる。そして、非照射側光検出部121cは、光が照射されていない状態の信号(一例としては、図2で例示した基準電圧Vrの信号)に対して、前述の加えられた付加ノイズに起因する信号ノイズが重畳された第1非照射側アナログ信号S21を出力する。なお、この第1非照射側アナログ信号S21に重畳されている信号ノイズを、「第1非照射側アナログ信号重畳ノイズ」と称して以下説明する。また、この「第1非照射側アナログ信号重畳ノイズ」については、非照射側光検出部121c及び照射側光検出部111cが相互に同一の火炎検出装置用回路基板に実装されており、また、照射側光検出部111cと同様にして構成されているので、照射側光検出部111cにおける「第1照射側アナログ信号重畳ノイズ」と同様のノイズとなっている。
【0055】
次に、非照射側周波数フィルタ122は、この「第1非照射側アナログ信号重畳ノイズ」が重畳された第1非照射側アナログ信号S21のうちの所定の周波数帯域(一例としては、1Hz〜15Hz付近)の信号を、第2非照射側アナログ信号S22として出力し、次に、非照射側プリアンプ123は、この第2非照射側アナログ信号S22を所定の増幅率(一例としては、数倍〜数十倍)で増幅して、増幅後の信号を第3非照射側アナログ信号S23として出力し、次に、非照射側メインアンプ124は、この第3非照射側アナログ信号S23を所定の増幅率(一例としては、数百倍〜数千倍)で増幅して、増幅後の信号を第4非照射側アナログ信号S24として除去部13に出力する。この場合、非照射側メインアンプ124によって出力される第4非照射側アナログ信号S24は、前述の第1非照射側アナログ信号S21に重畳された「第1非照射側アナログ信号重畳ノイズ」に応じた信号ノイズが重畳された状態となる。なお、この第4非照射側アナログ信号S24に重畳されている信号ノイズを、「第4非照射側アナログ信号重畳ノイズ」と称して以下説明する。また、この「第4非照射側アナログ信号重畳ノイズ」については、非照射側周波数フィルタ122、非照射側プリアンプ123、及び非照射側メインアンプ124が、照射側周波数フィルタ112、照射側プリアンプ113、及び照射側メインアンプ114と同様に構成されているので、照射側メインアンプ114における「第4照射側アナログ信号重畳ノイズ」と同様のノイズとなっている。
【0056】
そして、次に、除去部13は、「第4照射側アナログ信号重畳ノイズ」が重畳された第4照射側アナログ信号S14と、「第4非照射側アナログ信号重畳ノイズ」が重畳された第4非照射側アナログ信号S24が入力されて、入力された第4照射側アナログ信号S14のレベルから入力された第4非照射側アナログ信号S24のレベルを減算することにより、減算結果の信号として第5照射側アナログ信号S15(つまり、入力された第4照射側アナログ信号S14から「第4照射側アナログ信号重畳ノイズ」が除去された信号)を生成して信号変換部14に出力する。なお、ここでは、前述のように「第4照射側アナログ信号重畳ノイズ」及び「第4非照射側アナログ信号重畳ノイズ」が相互に同様なノイズとなっており、且つ、照射側光検出部111cが、照射された光の光量に対応する信号(一例としては、図2で例示した基準電圧Vrを基準にした交流波形の信号)に対して、「第1照射側アナログ信号重畳ノイズ」が重畳された第1照射側アナログ信号S11を出力し、且つ、非照射側光検出部121cが、光が照射されていない状態の信号(一例としては、図2で例示した基準電圧Vrの信号)に対して、「第1非照射側アナログ信号重畳ノイズ」が重畳された第1非照射側アナログ信号S21を出力したので、例えば、図2の交流成分に対応する信号を、減算結果の信号である第5照射側アナログ信号S15として生成して出力する。
【0057】
次に、信号変換部14は、この第5照射側アナログ信号S15が入力されて、入力された第5照射側アナログ信号S15を、当該第5照射側アナログ信号S15に対応するデジタルの電気信号である第5照射側デジタル信号S16に変換して制御部17に出力する。
【0058】
次に、制御部17は、この第5照射側デジタル信号S16が入力されて、入力された第5照射側デジタル信号S16に基づいて各処理を行う。
【0059】
(動作−付加ノイズが加えられていない場合)
付加ノイズが火炎検出装置100に加えられていない場合において、火炎の光が火炎検出装置100に照射されている場合、照射側光検出部111cは、前述したように、火炎の光が照射されることになる。そして、照射側光検出部111cは、照射された光の光量に対応する信号(一例としては、図2で例示した基準電圧Vrを基準にした交流波形の信号)を第1照射側アナログ信号S11として出力する。
【0060】
次に、照射側周波数フィルタ112は、この第1照射側アナログ信号S11のうちの所定の周波数帯域の信号を、第2照射側アナログ信号S12として出力し、次に、照射側プリアンプ113は、この第2照射側アナログ信号S12を所定の増幅率で増幅して、増幅後の信号を第3照射側アナログ信号S13として出力し、次に、照射側メインアンプ114は、この第3照射側アナログ信号S13を所定の増幅率で増幅して、増幅後の信号を第4照射側アナログ信号S14として除去部13に出力する。
【0061】
一方、付加ノイズが火炎検出装置100に加えられていない場合において、火炎の光が火炎検出装置100に照射されている場合、非照射側光検出部121cは、前述したように、非照射側センサ部用ケース121aの不図示の非照射側開口部に非照射側遮光材121bが設けられているので、火炎の光が当該非照射側遮光材121bに遮光されて、火炎の光が照射されないことになる。そして、非照射側光検出部121cは、光が照射されていない状態の信号(一例としては、図2で例示した基準電圧Vrの信号)を第1非照射側アナログ信号S21として出力する。
【0062】
次に、非照射側周波数フィルタ122は、この第1非照射側アナログ信号S21のうちの所定の周波数帯域の信号を、第2非照射側アナログ信号S22として出力し、次に、非照射側プリアンプ123は、この第2非照射側アナログ信号S22を所定の増幅率で増幅して、増幅後の信号を第3非照射側アナログ信号S23として出力し、次に、非照射側メインアンプ124は、この第3非照射側アナログ信号S23を所定の増幅率で増幅して、増幅後の信号を第4非照射側アナログ信号S24として除去部13に出力する。
【0063】
そして、次に、除去部13は、入力された第4照射側アナログ信号S14のレベルから入力された第4非照射側アナログ信号S24のレベルを減算することにより、減算結果の信号として、前述の「(動作−付加ノイズが加えられている場合)」で説明した第5照射側アナログ信号S15と同様な第5照射側アナログ信号S15を生成して信号変換部14に出力する。この後、信号変換部14及び制御部17は、前述の「(動作−付加ノイズが加えられている場合)」で説明した動作と同様な動作を行う。これにて、信号処理動作を終了する。
【0064】
前述のように、除去部13にて信号ノイズを除去することができるので、火炎検出装置100に付加ノイズが加えられたか否かに関わらず、少なくとも制御部17に出力される第5照射側デジタル信号S16において信号ノイズの影響を除去することが可能となる。
【0065】
(処理)
次に、このように構成される火炎検出装置100によって実行される火炎検出処理について説明する。図3は、火炎検出処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。「火炎検出処理」とは、防災のための処理であり、具体的には、火炎を検出して不図示の防災受信機を介して報知する処理であり、例えば、火炎検出装置100の電源をオンした後に、所定時間(例えば、10〜20秒等)毎に繰り返し起動されて実行するものとして、火炎検出処理が起動されたところから説明する。
【0066】
まず、図3に示すように、SA1において火炎検出部171は、火炎が発生したか否かを判定する。具体的には公知の手法を含む任意の手法を用いることができるが、例えば、図1の記録部16に火炎を判定するための閾値である火炎判定閾値が記録されていることとし、この火炎判定閾値と第5照射側デジタル信号S16が示す情報(つまり、照射側光検出部111cに照射された光の光量に対応する情報)の積分値とを比較し、比較結果に基づいて判定するものとする。そして、前述の積分値が火炎判定閾値未満である場合、火炎を検出せずに、火炎が発生していないものと判定し(SA1のNO)、火炎が発生したものと判定するまで、繰り返しSA1を実行する。また、前述の積分値が火炎判定閾値以上となった場合、火炎を検出し、火炎が発生しているものと判定し(SA1のYES)、SA2に移行する。ここでは、例えば、火炎が発生して火炎の光が火炎検出装置100の照射側光検出部111cに照射された場合、積分値が火炎判定閾値以上と判定され、火炎が発生しているものと判定する。
【0067】
図3に戻って、SA2において制御部17は、不図示の防災受信機を介して、火災を報知する。具体的には公知の手法を含む任意の手法を用いることができるが、例えば、図1の通信部15を介して、火炎を検出し火災を検知したことを示す信号である火災検知信号を不図示の防災受信機に送信することにより、防災受信機を介して火災発生を報知する。ここでは、例えば、通信部15を介して、火災検知信号を不図示の防災受信機に送信し、この火災検知信号を受信した防災受信機のスピーカから「火災を検出しました」等のメッセージを音声出力させたり、あるいは、当該防災受信機の表示灯を発光させたりする。なお、この後、不図示の防災受信機側にて復旧を行ったり火災断定を行ったりするが、これらの処理については、公知の処理を適用することができるので、その説明を省略する。これにて、火炎検出処理を終了する。
【0068】
(実施の形態の効果)
このように本実施の形態によれば、非照射側光検出部121cが出力した第1非照射側アナログ信号S21に対応する第4非照射側アナログ信号S24に基づいて、照射側光検出部111cが出力した第1照射側アナログ信号S11に対応する第4照射側アナログ信号S14に重畳されている信号ノイズを除去することにより、例えば、火炎を検出することに対する、第1照射側アナログ信号S11に対応する第4照射側アナログ信号S14に重畳されている信号ノイズの影響を取り除くことができるので、実際には火炎が発生していないにも関わらず火炎を検出してしまう誤報の発生を防止して火炎を確実に検出することが可能となる。また、例えば、相互に同様な構成の照射側光検出部111c及び非照射側光検出部121cを用いて、第1照射側アナログ信号S11に対応する第4照射側アナログ信号S14に重畳されている信号ノイズを除去することができるので、光の光量に対応する電気信号を出力する動作を行う構成要素(つまり、照射側光検出部111c及び非照射側光検出部121c)とは異なる別の構成要素(例えば、加速度センサ等)を設ける必要がないために、火炎検出装置100で用いる構成要素の種類を減らすことができ、火炎検出装置100の組み立て手順を単純化することが可能となる。
【0069】
また、第1照射側アナログ信号S11に対応する第4照射側アナログ信号S14から第1非照射側アナログ信号S21に対応する第4非照射側アナログ信号S24を減算することにより、第1照射側アナログ信号S11に対応する第4照射側アナログ信号S14に重畳されている信号ノイズを除去することにより、例えば、比較的単純な処理により第1照射側アナログ信号S11に対応する第4照射側アナログ信号S14に重畳されている信号ノイズを除去することができるので、第1照射側アナログ信号S11に対応する第4照射側アナログ信号S14に重畳されている信号ノイズを迅速に除去することができ、火炎を迅速且つ確実に検出することが可能な火炎検出装置100を提供することが可能となる。また、例えば、火炎検出装置100の除去部13を比較的単純な構成で実現することがき、火炎検出装置100の製造工程を単純化することにより当該火炎検出装置100の製造コストを低減することができる。
【0070】
また、照射側光検出部111cを実装する不図示の火炎検出装置用回路基板を備え、非照射側光検出部121cは火炎検出装置用回路基板に実装されていることにより、例えば、照射側光検出部111c及び非照射側光検出部121cが相互に同一の回路基板である火炎検出装置用回路基板に実装されているので、照射側光検出部111c及び非照射側光検出部121cの両方に対して相互に同様な付加ノイズが付加されることになり、第1照射側アナログ信号S11から除去するべき信号ノイズと同様な信号ノイズを第1非照射側アナログ信号S21に重畳させることができ、この第1非照射側アナログ信号S21を用いて第1照射側アナログ信号S11から信号ノイズを確実に除去することが可能となる。
【0071】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0072】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の詳細に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。
【0073】
(分散や統合について)
また、上述した構成は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。
【0074】
(他の除去部について(アナログ的な処理))
また、上記実施の形態で説明した除去部13の如き除去部(以下、他の除去部)を除去部13の代わりに任意の位置に電気的に接続して、接続した位置に応じて火炎検出装置100の構成を任意に組み替えてもよい。例えば、他の除去部を照射側信号生成部11及び非照射側信号生成部12の直後に設けてもよい。この場合について具体的には、例えば、他の除去部については、第1照射側アナログ信号S11及び第1非照射側アナログ信号S21が入力され、入力された第1照射側アナログ信号S11から第1非照射側アナログ信号S21を減算することにより、第1照射側アナログ信号S11に重畳された信号ノイズを除去し、信号ノイズが除去された当該信号を出力してもよい。このように構成する場合、他の除去部の後段の各構成要素について重複しているものが不要となるので、例えば、重複しているものについては省略してもよい。詳細には、例えば、非照射側周波数フィルタ122、非照射側プリアンプ123、及び非照射側メインアンプ124を省略した上で、他の除去部が、照射側周波数フィルタ112に信号ノイズが除去された前述の信号を出力し、当該信号が、照射側周波数フィルタ112、照射側プリアンプ113、及び照射側メインアンプ114、信号変換部14を介して、制御部17に出力されるように構成してもよい。
【0075】
また、例えば、他の除去部を照射側周波数フィルタ112及び非照射側周波数フィルタ122の直後に設けたり、照射側プリアンプ113及び非照射側プリアンプ123の直後に設けたりしてもよい。この場合、他の除去部を照射側信号生成部11及び非照射側信号生成部12の直後に設ける場合と同様にして、他の除去部の後段の各構成要素について重複しているものが不要となるので、例えば、重複しているものについては省略してもよい。
【0076】
(他の除去部について(デジタル的な処理))
また、上記実施の形態で説明した除去部13を省略した上で、信号変換部14の如き信号変換部を2個(以下、第1の他の信号変換部、及び第2の他の信号変換部)設けて、第1の他の信号変換部については、第4照射側アナログ信号S14が入力されて入力された当該信号をデジタル信号に変換した上で、制御部17に出力し、第2の他の信号変換部については、第4非照射側アナログ信号S24が入力されて入力された当該信号をデジタル信号に変換した上で、制御部17に出力するように構成し、制御部17に除去手段であるノイズ除去部を設けてもよい。そして、例えば、このノイズ除去部が、第1の他の信号変換部及び第2の他の信号変換部からのデジタル信号に基づいて、照射側信号生成部11が出力した照射側アナログ信号に重畳されている信号ノイズを除去する演算を行い、火炎検出部171が、少なくともこのノイズ除去部の演算結果を用いて、火炎を検出するように構成してもよい。
【0077】
また、制御部17に除去手段であるノイズ除去部を設けること以外については、「(他の除去部について(デジタル的な処理))」に記載のように構成した上で、火炎検出部171が、第2の他の信号変換部からのデジタル信号に基づいて信号ノイズの重畳の有無を判定し、信号ノイズの重畳があるものと判定した場合に、第1の他の信号変換部からのデジタル信号に基づいて火炎が発生しているか否かを判定せずに、一方、信号ノイズの重畳がないものと判定した場合に、火炎が発生しているか否かを判定するように構成してもよい。
【0078】
(火炎検出装置用回路基板について)
また、上記実施の形態の照射側信号生成部11及び非照射側信号生成部12が、相互に同一の回路基板である火炎検出装置用回路基板に実装されている場合について説明したが、これに限らない。例えば、照射側信号生成部11及び非照射側信号生成部12が、相互に同様にして付加ノイズが付加される環境である限りにおいて、照射側信号生成部11及び非照射側信号生成部12を、相互に異なる回路基板に実装してもよく、つまり、火炎検出装置用回路基板以外の回路基板に実装してもよい。また、照射側信号生成部11及び非照射側信号生成部12に含まれる各構成要素のうちの、付加ノイズに基づいて自己が出力する信号に信号ノイズが重畳しやすいものを特定可能である場合、この特定した構成要素同士のみを相互に同様にして付加ノイズが付加される環境に設けてもよい。
【0079】
(照射側電気信号及び非照射側電気信号について)
また、上記実施の形態では、第1照射側アナログ信号S11が照射側電気信号であり、第1非照射側アナログ信号S21が非照射側電気信号であるものと説明したが、以下のように解釈してもよい。具体的には、第1照射側アナログ信号S11、第2照射側アナログ信号S12、第3照射側アナログ信号S13、及び第4照射側アナログ信号S14のうちの全ての信号、あるいは、一部のみの信号を、照射側電気信号であるものと解釈してもよい。また、第1非照射側アナログ信号S21、第2非照射側アナログ信号S22、第3非照射側アナログ信号S23、及び第4非照射側アナログ信号S24のうちの全ての信号、あるいは、一部のみの信号を、非照射側電気信号であるものと解釈してもよい。
【0080】
(構成要素について)
また、上記実施の形態の火炎検出装置100の構成要素について本願の特徴が反映される範囲において任意に組み替えてもよい。例えば、照射側プリアンプ113及び照射側メインアンプ114を組み合わせて1つのアンプとし、また、非照射側プリアンプ123及び非照射側メインアンプ124を組み合わせて1つのアンプとしてもよい。また、例えば、信号変換部14の機能を火炎検出部171に組み込んで、火炎検出部171が第5照射側アナログ信号S15を直接受信して火炎を検出するように構成してもよい。
【0081】
(積分値の演算について)
また、上記実施の形態において、火炎を検出する場合に用いる積分値については、除去部13が減算を行うことにより、少なくとも減算結果の信号については図2の基準電圧Vr分のオフセットが減少することを考慮して演算してもよい。
【0082】
(報知部について)
また、図1の火炎検出装置100にスピーカ又表示灯の如き報知部を設けて、図3のSA2にて当該火炎検出装置100の報知部にて火災を報知してもよい。
【0083】
(遮光について)
また、上記実施の形態においては、図1の非照射側遮光材121bを用いて、非照射側光検出部121cへの光を遮光する場合について説明したが、これに限らず、任意の手法にて遮光を行ってもよい。例えば、実施の形態で説明した「非照射側センサ部用ケース121aの不図示の非照射側開口部」が設けられないように(つまり、塞いで)非照射側センサ部用ケースを構成して、このような構成した非照射側センサ部用ケース自体にて、非照射側光検出部121cへの光を遮光してもよい。また、例えば、実施の形態で説明した非照射側センサ部121を、火炎検出装置100のケースの内部における光が照射されない位置に設けて、当該火炎検出装置100のケースにて、非照射側センサ部121(つまり、非照射側光検出部121c)への光を遮光してもよい。また、例えば、図1の非照射側遮光材121bと同様な機能(つまり、遮光機能)を有する外部遮光部材を非照射側センサ部用ケース121aの外部に設けて、当該外部遮光部材にて、非照射側光検出部121cへの光を遮光してもよい。
【0084】
(特徴及び適用について)
また、上記実施の形態の特徴及び変形例の特徴を任意に組み合わせてもよい。また、これらの特徴を複数の波長帯域に着目して火炎を検出する方式の火炎検出装置に適用してもよい。
【0085】
(付記)
付記1の火炎検出装置は、火炎からの光に基づいて前記火炎を検出する火炎検出装置であって、入射光量に応じたレベルの照射側電気信号を出力する照射側光検出手段であって、自己に前記火炎からの光が照射されるように構成されている前記照射側光検出手段と、入射光量に応じたレベルの非照射側電気信号を出力する非照射側光検出手段であって、自己に前記火炎からの光が照射されないように構成されている前記非照射側光検出手段と、前記非照射側光検出手段が出力した前記非照射側電気信号に基づいて、前記照射側光検出手段が出力した前記照射側電気信号に重畳されているノイズを除去する除去手段と、前記除去手段によってノイズが除去された前記照射側電気信号に基づいて、前記火炎を検出する火炎検出手段と、を備える。
【0086】
付記2の火炎検出装置は、付記1に記載の火炎検出装置において、前記除去手段は、前記照射側電気信号から前記非照射側電気信号を減算することにより、前記照射側光検出手段が出力した前記照射側電気信号に重畳されているノイズを除去する。
【0087】
付記3の火炎検出装置は、付記1又は2に記載の火炎検出装置において、前記照射側光検出手段を実装する回路基板、を備え、前記非照射側光検出手段は、前記回路基板に実装されている。
【0088】
(付記の効果)
付記1に記載の火炎検出装置によれば、非照射側光検出手段が出力した非照射側電気信号に基づいて、照射側光検出手段が出力した照射側電気信号に重畳されているノイズを除去することにより、例えば、火炎を検出することに対する、照射側電気信号に重畳されているノイズの影響を取り除くことができるので、実際には火炎が発生していないにも関わらず火炎を検出してしまう誤報の発生を防止して火炎を確実に検出することが可能となる。また、例えば、相互に同様な構成の照射側光検出手段及び非照射側光検出手段を用いて、照射側電気信号に重畳されているノイズを除去することができるので、光の光量に対応する電気信号を出力する動作を行う構成要素(つまり、照射側光検出手段及び非照射側光検出手段)とは異なる別の構成要素(例えば、加速度センサ等)を設ける必要がないために、火炎検出装置で用いる構成要素の種類を減らすことができ、火炎検出装置の組み立て手順を単純化することが可能となる。
【0089】
付記2に記載の火炎検出装置によれば、照射側電気信号から非照射側電気信号を減算することにより、照射側電気信号に重畳されているノイズを除去することにより、例えば、比較的単純な処理により照射側電気信号に重畳されているノイズを除去することができるので、照射側電気信号に重畳されているノイズを迅速に除去することができ、火炎を迅速且つ確実に検出することが可能な火炎検出装置を提供することが可能となる。また、例えば、火炎検出装置の除去手段を比較的単純な構成で実現することがき、火炎検出装置の製造工程を単純化することにより当該火炎検出装置の製造コストを低減することができる。
【0090】
付記3に記載の火炎検出装置によれば、照射側光検出手段を実装する回路基板を備え、非照射側光検出手段は回路基板に実装されていることにより、例えば、照射側光検出手段及び非照射側光検出手段が相互に同一の回路基板に実装されているので、照射側光検出手段及び非照射側光検出手段の両方に対して相互に同様なノイズが付加されることになり、照射側電気信号から除去するべきノイズと同様なノイズを非照射側電気信号に重畳させることができ、この非照射側電気信号を用いて照射側電気信号からノイズを確実に除去することが可能となる。
【符号の説明】
【0091】
11 照射側信号生成部
12 非照射側信号生成部
13 除去部
14 信号変換部
15 通信部
16 記録部
17 制御部
100 火炎検出装置
111 照射側センサ部
111a 照射側センサ部用ケース
111b 照射側光学式フィルタ
111c 照射側光検出部
112 照射側周波数フィルタ
113 照射側プリアンプ
114 照射側メインアンプ
121 非照射側センサ部
121a 非照射側センサ部用ケース
121b 非照射側遮光材
121c 非照射側光検出部
122 非照射側周波数フィルタ
123 非照射側プリアンプ
124 非照射側メインアンプ
171 火炎検出部
S11 第1照射側アナログ信号
S12 第2照射側アナログ信号
S13 第3照射側アナログ信号
S14 第4照射側アナログ信号
S15 第5照射側アナログ信号
S16 第5照射側デジタル信号
S21 第1非照射側アナログ信号
S22 第2非照射側アナログ信号
S23 第3非照射側アナログ信号
S24 第4非照射側アナログ信号
Vr 基準電圧
図1
図2
図3