特許第6989295号(P6989295)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 凸版印刷株式会社の特許一覧 ▶ 東洋インキSCホールディングス株式会社の特許一覧 ▶ トーヨーカラー株式会社の特許一覧

特許6989295固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物、カラーフィルタ及び固体撮像素子
<>
  • 特許6989295-固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物、カラーフィルタ及び固体撮像素子 図000003
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6989295
(24)【登録日】2021年12月6日
(45)【発行日】2022年1月5日
(54)【発明の名称】固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物、カラーフィルタ及び固体撮像素子
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/20 20060101AFI20211220BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20211220BHJP
   G03F 7/033 20060101ALI20211220BHJP
   H01L 27/146 20060101ALI20211220BHJP
【FI】
   G02B5/20 101
   G03F7/004 505
   G03F7/004 504
   G03F7/004 501
   G03F7/004 502
   G03F7/033
   H01L27/146 D
【請求項の数】9
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-110797(P2017-110797)
(22)【出願日】2017年6月5日
(65)【公開番号】特開2018-205533(P2018-205533A)
(43)【公開日】2018年12月27日
【審査請求日】2020年4月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000222118
【氏名又は名称】東洋インキSCホールディングス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591183153
【氏名又は名称】トーヨーカラー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(72)【発明者】
【氏名】臼杵 順二
(72)【発明者】
【氏名】土井 隆二
(72)【発明者】
【氏名】日岐 憲司
(72)【発明者】
【氏名】中古 知貴
【審査官】 岩井 好子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−293028(JP,A)
【文献】 特開2012−211969(JP,A)
【文献】 特開2012−211970(JP,A)
【文献】 特開2017−057400(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/086245(WO,A1)
【文献】 国際公開第2015/166779(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/20
G03F 7/004
G03F 7/033
H01L 27/146
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも顔料、顔料分散剤、光重合開始剤、光重合性モノマー、樹脂、チオール、紫外線吸収剤および溶剤からなる固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物であって、
上記樹脂は、酸価が230mgKOH/g以上300mgKOH/g以下であり、
上記チオールが、上記光重合開始剤100質量部に対し3質量部以上200質量部以下含有し、
上記紫外線吸収剤が、上記光重合開始剤と上記チオールの合計100質量部に対し、3質量部以上150質量部以下含有しており、
上記チオールが、ベンジルメルカプタン、シクロヘキサンチオール、シクロペンタンチオール、2,5−ジメチル−3−フランチオール、2−エチル−1−ヘキサンチオール、1−ヘプタンチオール、1−ヘキサンチオール、2−メルカプト−1−メチルイミダゾール、5−メルカプト−1−メチルテトラゾール、2−メルカプトチアゾール、2−メルカプトチアゾリン、4−メチルベンジルメルカプタン、2−メチル−3−フランチオール、5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、2−フェニルエタンチオール、1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、2−チオフェンメタンチオール、2−チオフェンチオール、1−デカンチオール、4,5−ジフェニル−2−オキサゾールチオール、2−メルカプト−5−メトキシベンゾチアゾール、2−メルカプト−5−メチルチオ−1,3,4−チアジアゾール、4−メトキシベンジルメルカプタン、5−フェニルベンゾオキサゾール−2−チオール、またはトリフェニルメタンチオールであることを特徴とする固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物。
【請求項2】
上記光重合開始剤、上記チオール及び上記紫外線吸収剤の合計の質量が、全固形分中の0.15質量%以上40質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載した固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物。
【請求項3】
上記顔料が、全固形分中の40質量%以上80質量%以下含有することを特徴とする請求項2に記載した固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物。
【請求項4】
上記チオールが、上記光重合開始剤100質量部に対し11質量部以上22質量部以下含有することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載した固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物。
【請求項5】
上記チオールが、上記光重合開始剤100質量部に対し11質量部以上20質量部以下含有することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載した固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物。
【請求項6】
上記チオールが、上記光重合開始剤100質量部に対し20質量部以上22質量部以下含有することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載した固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物。
【請求項7】
少なくとも顔料、顔料分散剤、光重合開始剤、光重合性モノマー、樹脂、チオール、紫外線吸収剤および溶剤からなる固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物であって、
上記樹脂は、酸価が230mgKOH/g以上300mgKOH/g以下であり、
上記チオールが、上記光重合開始剤100質量部に対し3質量部以上200質量部以下含有し、
上記紫外線吸収剤が、上記光重合開始剤と上記チオールの合計100質量部に対し、3質量部以上150質量部以下含有しており、
上記光重合開始剤、上記チオール及び上記紫外線吸収剤の合計の質量が、全固形分中の0.15質量%以上40質量%以下であり、
上記顔料が、C.I.Pigment Green 58であって、全固形分中の40質量%以上80質量%以下含有しており、
上記固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物は、緑色を呈し、
上記チオールが、ベンジルメルカプタン、シクロヘキサンチオール、シクロペンタンチオール、2,5−ジメチル−3−フランチオール、2−エチル−1−ヘキサンチオール、1−ヘプタンチオール、1−ヘキサンチオール、2−メルカプト−1−メチルイミダゾール、5−メルカプト−1−メチルテトラゾール、2−メルカプトチアゾール、2−メルカプトチアゾリン、4−メチルベンジルメルカプタン、2−メチル−3−フランチオール、5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、2−フェニルエタンチオール、1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、2−チオフェンメタンチオール、2−チオフェンチオール、1−デカンチオール、4,5−ジフェニル−2−オキサゾールチオール、2−メルカプト−5−メトキシベンゾチアゾール、2−メルカプト−5−メチルチオ−1,3,4−チアジアゾール、4−メトキシベンジルメルカプタン、5−フェニルベンゾオキサゾール−2−チオール、またはトリフェニルメタンチオールであることを特徴とする固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載された固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物で構成されたカラーフィルタ。
【請求項9】
請求項に記載されたカラーフィルタを備える固体撮像素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラーフィルタやフォトレジストなどに用いられる固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物、およびこれを用いたカラーフィルタ、固体撮像素子に関する。
【背景技術】
【0002】
カラー画像を読み取る固体撮像素子では、例えば、入射光をカラーフィルタの緑、赤および青色着色層に通過させることによって、緑、赤および青色の3色の光へと色分解し、これら着色光の強度を各画素が含んでいる光電変換素子で検出する。固体撮像素子は、このようにして、色情報を含んだ画像信号を出力する。
固体撮像素子のカラーフィルタは、ベイヤー配列と呼ばれる画素配置が一般的である。この配置は、1画素が正方形の形状で、そのうち緑色画素が市松模様状に配置されている。赤色画素と青色画素については、残りの部分に同色で同じ頂点を共有しない配置を取る。
【0003】
カラーフィルタはフォトリソグラフィ法を利用して形成することができる。例えば、着色顔料を含んだ感光性着色組成物を下地上に塗布し、塗膜をパターン露光し、その後、この塗膜を現像し、残った塗膜をベークする。これにより、複数のフィルタセグメントからなる着色層を得る。このようにして第1番目の着色層を形成し、その後、同様の方法により、第2および第3番目の着色層を順次形成することでカラーフィルタが形成される。
近年、CCDやCMOSの半導体装置を備える固体撮像素子をカメラに装着して、デジタルカメラやビデオカメラとして使われることが多く、携帯電話などの携帯端末に、カメラ機能の装備として、固体撮像素子とレンズ系からなるカメラモジュールが内蔵されるようになってきた。これらの用途に対しては、小型・軽量・薄型でかつ高解像度の固体撮像素子がさらに求められている。例えば、1000万画素に及ぶ解像画素数を小型の固体撮像素子で実現するために、各画素の大きさを1μm四方以下に微細化することも行われている。
【0004】
ここで、第1番目の緑色画素をフォトリソグラフィ法で作製する場合、赤色および青色画素を形成するための開口部を作らなくてはならない。各画素でフォトダイオードへ効率よく光を集光させるためには、画素の断面は垂直形状となることが理想であるが、画素のサイズが1μm四方以下になると、未露光部分を現像で除去するのに膜の下部には現像液が入り込みにくいため、テーパーを持った形状となり、垂直にパターンが解像しない。
この解像性を高めるために、感光性着色組成物に含有する光重合開始剤の種類や量を調整する方法があり、表面硬化性の光重合開始剤を用いたり、光重合開始剤の量を減らしたりすることで、解像性が改善することもある。しかし、その反面、形成されたカラーフィルタと基板との密着性の低下により、カラーフィルタのパターンの歪みや剥がれが起こりやすくなる。
【0005】
これらの問題を解決するためには、画素表面の硬化性を保持しつつ、内部まで硬化を促進させる必要がある。そして、従来、その解像性を高めるために光重合開始剤の開発が行われている(特許文献1、2)。また、顔料分散剤に光安定化剤であるヒンダードアミンを骨格に有する分散剤も提案されている(特許文献3)。
しかしながら、これらの従来から知られる技術では、数μmから数十μmの開口部もしくはストライプパターンにおいては、高い解像性および密着性への対応はできるものの、1μm以下の開口部のパターン形成については対応できていない状況にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第5735405号公報
【特許文献2】特許第5477367号公報
【特許文献3】特開2015−129927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、1μm以下の微細パターンにおいても解像性に優れ、パターンの密着性の良好なカラーフィルタの形成に使用される固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物、そのようなカラーフィルタ及び固体撮像素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
課題を解決するために、本発明の一態様である固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物は、少なくとも顔料、顔料分散剤、光重合開始剤、光重合性モノマー、樹脂、チオール、紫外線吸収剤および溶剤からなる固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物であって、上記樹脂は、酸価が230mgKOH/g以上300mgKOH/g以下であり、上記チオールが、上記光重合開始剤100質量部に対して3質量部以上200質量部以下であり、上記紫外線吸収剤が、上記光重合開始剤と上記チオールの合計100質量部に対し、3質量部以上150質量部以下含有しており、上記チオールが、ベンジルメルカプタン、シクロヘキサンチオール、シクロペンタンチオール、2,5−ジメチル−3−フランチオール、2−エチル−1−ヘキサンチオール、1−ヘプタンチオール、1−ヘキサンチオール、2−メルカプト−1−メチルイミダゾール、5−メルカプト−1−メチルテトラゾール、2−メルカプトチアゾール、2−メルカプトチアゾリン、4−メチルベンジルメルカプタン、2−メチル−3−フランチオール、5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、2−フェニルエタンチオール、1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、2−チオフェンメタンチオール、2−チオフェンチオール、1−デカンチオール、4,5−ジフェニル−2−オキサゾールチオール、2−メルカプト−5−メトキシベンゾチアゾール、2−メルカプト−5−メチルチオ−1,3,4−チアジアゾール、4−メトキシベンジルメルカプタン、5−フェニルベンゾオキサゾール−2−チオール、またはトリフェニルメタンチオールであることを特徴とする。
また課題を解決するために、本発明の他の態様である固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物は、少なくとも顔料、顔料分散剤、光重合開始剤、光重合性モノマー、樹脂、チオール、紫外線吸収剤および溶剤からなる固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物であって、上記樹脂は、酸価が230mgKOH/g以上300mgKOH/g以下であり、上記チオールが、上記光重合開始剤100質量部に対し3質量部以上200質量部以下含有し、上記紫外線吸収剤が、上記光重合開始剤と上記チオールの合計100質量部に対し、3質量部以上150質量部以下含有しており、上記光重合開始剤、上記チオール及び上記紫外線吸収剤の合計の質量が、全固形分中の0.15質量%以上40質量%以下であり、上記顔料が、C.I.Pigment Green 58であって、全固形分中の40質量%以上80質量%以下含有しており、上記固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物は、緑色を呈し、上記チオールが、ベンジルメルカプタン、シクロヘキサンチオール、シクロペンタンチオール、2,5−ジメチル−3−フランチオール、2−エチル−1−ヘキサンチオール、1−ヘプタンチオール、1−ヘキサンチオール、2−メルカプト−1−メチルイミダゾール、5−メルカプト−1−メチルテトラゾール、2−メルカプトチアゾール、2−メルカプトチアゾリン、4−メチルベンジルメルカプタン、2−メチル−3−フランチオール、5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、2−フェニルエタンチオール、1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、2−チオフェンメタンチオール、2−チオフェンチオール、1−デカンチオール、4,5−ジフェニル−2−オキサゾールチオール、2−メルカプト−5−メトキシベンゾチアゾール、2−メルカプト−5−メチルチオ−1,3,4−チアジアゾール、4−メトキシベンジルメルカプタン、5−フェニルベンゾオキサゾール−2−チオール、またはトリフェニルメタンチオールであることを特徴とする。
【0009】
本発明の一態様であるカラーフィルタは、上の固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物で構成される。
また、本発明の一態様である固体撮像素子は、上のカラーフィルタを備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、1μm以下の微細パターンにおいても解像性に優れ、パターンの密着性が良好なカラーフィルタの形成に使用される固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物、カラーフィルタ及び固体撮像素子を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に基づく実施形態に係るカラーフィルタを備えた固体撮像素子の例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
なお、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造等が下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。また、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各層の厚みの比率や形状等は現実のものとは異なる。
本実施形態の固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物は、少なくとも顔料、顔料分散剤、光重合開始剤、光重合性モノマー、樹脂、チオール、紫外線吸収剤および溶剤を有する。固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物は、必要に応じて活性ラジカル発生剤、酸発生剤、界面活性剤等を含有していても良い。
【0013】
<顔料>
顔料は、有機顔料を用いることができる。顔料としては高透過率であることが好ましい。
赤色顔料としては、例えば、C.I.Pigment Red 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、168、177、178、179、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、242、246、254、255、264、272、279などを用いることができる。
【0014】
緑色顔料としては、例えば、C.I.Pigment Green 1、2、4、7、8、10、13、14、15、17、18、19、26、36、45、48、50、51、54、55、58などを用いることができ、これらの中では、C.I.Pigment Green 58、36が好ましい。緑色顔料としては、ハロゲンア化アルミニウムフタロシアニン顔料を用いてもよい。
青色顔料としては、例えばC.I.Pigment Blue 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、80などを用いることができる。
【0015】
黄色顔料としては、例えば、C.I.Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、144、146、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213、214などを用いることができる。
【0016】
紫色顔料としては、例えば、C.I.Pigment Violet 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50などを用いることができ、これらの中では、C.I.Pigment Violet 23が好ましい。
顔料は、それぞれ単独または2種以上を組み合わせて用いられる。その含有量は固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物の固形分100質量部のうち、40質量部以上80質量部以下が好ましく、45質量部以上75質量部以下がより好ましい。40質量部未満では、着色成分としての濃度が不足するおそれがあり、80質量部を超えると、十分に分散ができなくなるおそれがある。
【0017】
<顔料分散剤>
顔料分散剤としては、例えば、アクリル系分散剤として、Disperbyk(登録商標)−2000、Disperbyk−2001、BYK(登録商標)−LPN6919、BYK−LPN21116、BYK−LPN21324(以上、ビックケミージャパン(株)製)、ウレタン系分散剤として、Disperbyk−161、Disperbyk−162、Disperbyk−165、Disperbyk−167、Disperbyk−170、Disperbyk−182(以上、ビックケミージャパン(株)製)、ソルスパース(登録商標)76500(ルーブリゾール(株)製)、ポリエチレンイミン系分散剤として、ソルスパース24000(ルーブリゾール(株)製)、ポリエステル系分散剤として、アジスパー(登録商標)PB821、アジスパーPB822、アジスパーPB880、アジスパーPB881(味の素ファインテクノ(株)製)等を挙げることができる。
【0018】
顔料分散剤の使用量は、顔料100質量部に対して、5質量部以上50質量部以下が好ましく、10質量部以上45質量部以下がより好ましい。5質量部未満もしくは50質量部を超える範囲では、十分な分散ができないおそれがある。
有機顔料の分散方法としては、従来から公知の方法を採用すればよく、例えばサンドミル、ビーズミル、ボールミル、ディゾルバーなどの分散機や、超音波分散も好ましく使用される。
【0019】
<光重合開始剤>
本実施形態で用いられる光重合開始剤しては、例えばアセトフェノン系化合物、ベンゾイン系化合物、チオキサントン系化合物、トリアジン系化合物などが例示できる。
アセトフェノン系化合物としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2‐メチル‐2‐モルホリノ‐1‐(4‐メチルチオフェニル)プロパン‐1‐オン、2‐ヒドロキシ‐2−メチル‐1‐フェニルプロパン‐1‐オン、ベンジルジメチルケタール、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐〔4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン‐1‐オン、1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐〔4‐(1‐メチルビニル)フェニル〕プロパン‐1‐オンのオリゴマーなどが挙げられ、好ましくは2‐メチル‐2‐モルホリノ‐1‐(4‐メチルチオフェニル)プロパン‐1‐オンなどが挙げられる。
【0020】
また、複数のアセトフェノン系及びその他の光重合開始剤を組み合わせて使用してもよい。アセトフェノン系以外の光重合開始剤は、光を照射されることによって活性ラジカルを発生する活性ラジカル発生剤、増感剤などが挙げられる。活性ラジカル発生剤としては、例えば、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、トリアジン系化合物などが挙げられる。
ベンゾイン系化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。
【0021】
ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o‐ベンゾイル安息香酸メチル、4‐フェニルベンゾフェノン、4‐ベンゾイル‐4’‐メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’‐テトラ(t‐ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6‐トリメチルベンゾフェノンなどが挙げられる。
チオキサントン系化合物としては、例えば、2‐イソプロピルチオキサントン、4‐イソプロピルチオキサントン、2,4‐ジエチルチオキサントン、2,4‐ジクロロチオキサントン、1‐クロロ‐4‐プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。
【0022】
トリアジン系化合物としては、例えば、2,4‐ビス(トリクロロメチル)‐6‐(4‐メトキシフェニル)‐1,3,5‐トリアジン、2,4‐ビス(トリクロロメチル)‐6‐(4‐メトキシナフチル)‐1,3,5‐トリアジン、2,4‐ビス(トリクロロメチル)‐6‐(4‐メトキシスチリル)‐1,3,5‐トリアジン、2,4‐ビス(トリクロロメチル)‐6‐〔2‐(5‐メチルフラン‐2‐イル)エテニル〕‐1,3,5‐トリアジン、2,4‐ビス(トリクロロメチル)‐6‐〔2‐(フラン‐2‐イル)エテニル〕‐1,3,5‐トリアジン、2,4‐ビス(トリクロロメチル)‐6‐〔2‐(4‐ジエチルアミノ‐2‐メチルフェニル)エテニル〕‐1,3,5‐トリアジン、2,4‐ビス(トリクロロメチル)‐6‐〔2‐(3,4‐ジメトキシフェニル)エテニル〕‐1,3,5‐トリアジンなどが挙げられる。
【0023】
光重合開始剤の含有量は、固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物の固形分100質量部のうち、0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜15質量部がより好ましい。光重合開始剤の含有量が0.1質量部未満では、露光での感度が足りないため膜形成ができず、20質量部を超えると、感度が高過ぎて解像度不良になる。
【0024】
<活性ラジカル発生剤>
活性ラジカル発生剤として、例えば、2,4,6‐トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,2’‐ビス(o‐クロロフェニル)‐4,4’,5,5’‐テトラフェニル‐1,2’‐ビイミダゾール、10‐ブチル‐2‐クロロアクリドン、2‐エチルアントラキノン、ベンジル、9,10‐フェナンスレンキノン、カンファーキノン、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物などを用いることもできる。
【0025】
<酸発生剤>
酸発生剤としては、例えば、4‐ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムp‐トルエンスルホナート、4‐ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4‐アセトキシフェニルジメチルスルホニウムp‐トルエンスルホナート、4‐アセトキシフェニル・メチル・ベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムp‐トルエンスルホナート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムp‐トルエンスルホナート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートなどのオニウム塩類や、ニトロベンジルトシレート類、ベンゾイントシレート類などを挙げることができる。
ここで、活性ラジカル発生剤として上記した化合物の中には、活性ラジカルと同時に酸を発生する化合物もあり、例えば、トリアジン系光重合開始剤は、酸発生剤としても使用される。
【0026】
<光重合性モノマー>
光重合性モノマーは、光を照射されることによって光重合開始剤から発生した活性ラジカル、酸などによって重合しうる化合物である。光重合性モノマーとしては、例えば、重合性の炭素‐炭素不飽和結合を有する化合物などが挙げられる。
光重合性モノマーは、3官能以上の多官能の光重合性化合物であることが好ましい。3官能以上の多官能の光重合性化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレートなどが挙げられる。
【0027】
光重合性モノマーは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。その含有量は固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物の固形分100質量部のうち、1質量部以上40質量部以下が好ましく、2質量部以上30質量部以下がより好ましい。光重合性モノマーが、1質量部未満では、膜の硬化が十分に起こらず、40質量部を超えると、現像での残渣が発生しやすくなる。
【0028】
<樹脂>
樹脂は、画素の歪み防止の観点から、酸価が10mgKOH/g以上300mgKOH/g以下である樹脂が好ましく、15mgKOH/g以上250mgKOH/g以下がより好ましい。10mgKOH/g未満では、現像溶解性が悪く、300mgKOH/gを超えると、パターン剥がれが生じやすくなり、カラーフィルタの作製が困難となる。
樹脂としては、酸性基を有するモノマーを少なくとも1種類と、アルキルアクリレート等のアミノ基、酸性基を含まないモノマーとを複数組み合わせて樹脂を合成することができる。
【0029】
酸性基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、コハク酸モノ[2−(メタ)アクリロイロキシエチル]メチルアクリレート等が挙げられる。
樹脂の使用量は、顔料100質量部に対して、1質量部以上40質量部以下が好ましく、5質量部以上35質量部以下がより好ましい。1質量部未満では現像溶解性が悪くなり、40質量部を超えると感光成分の不足により十分なパターニングができないおそれがある。
【0030】
<チオール>
チオールとしては、例えば、ベンジルメルカプタン、シクロヘキサンチオール、シクロペンタンチオール、2,5−ジメチル−3−フランチオール、2−エチル−1−ヘキサンチオール、1−ヘプタンチオール、1−ヘキサンチオール、2−メルカプト−1−メチルイミダゾール、5−メルカプト−1−メチルテトラゾール、2−メルカプトチアゾール、2−メルカプトチアゾリン、4−メチルベンジルメルカプタン、2−メチル−3−フランチオール、5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、2−フェニルエタンチオール、1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、2−チオフェンメタンチオール、2−チオフェンチオール、1−デカンチオール、4,5−ジフェニル−2−オキサゾールチオール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプト−5−メトキシベンゾチアゾール、2−メルカプト−5−メチルチオ−1,3,4−チアジアゾール、4−メトキシベンジルメルカプタン、5−フェニルベンゾオキサゾール−2−チオール、トリフェニルメタンチオール、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が挙げられる。これらのチオールは、1種または2種以上混合して用いることができる。
【0031】
チオールは、それぞれ単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。チオールの使用量は、微細パターンでの歪みや剥がれ防止の観点から、光重合開始剤100質量部に対し、3質量部以上200質量部以下が好ましく、5質量部以上150質量部以下がより好ましい。3質量部未満ではパターンの密着性が悪くなり、200質量部を超えると解像性が悪くなり、また、現像での残渣が発生しやすくなる。
【0032】
<紫外線吸収剤>
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤などが挙げられる。
【0033】
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系化合物)としては、例えば、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(商品名「TINUVIN PS」、BASFジャパン(株)製)、ベンゼンプロパン酸および3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ(C7−9側鎖および直鎖アルキル)のエステル化合物(商品名「TINUVIN 384−2」、BASFジャパン(株)製)、オクチル3−[3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル]プロピオネートおよび2−エチルヘキシル−3−[3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2イル)フェニル]プロピオネートの混合物(商品名「TINUVIN 109」、BASFジャパン(株)製)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(商品名「TINUVIN 900」、BASFジャパン(株)製)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール(商品名「TINUVIN 928」、BASFジャパン(株)製)、メチル3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート/ポリエチレングリコール300の反応生成物(商品名「TINUVIN 1130」、BASFジャパン(株)製)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール(商品名「TINUVIN P」、BASFジャパン(株)製)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール(商品名「TINUVIN 234」、BASFジャパン(株)製)、2−[5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール(商品名「TINUVIN 326」、BASFジャパン(株)製)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール(商品名「TINUVIN 328」、BASFジャパン(株)製)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール(商品名「TINUVIN 329」、BASFジャパン(株)製)、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール](商品名「TINUVIN 360」、BASFジャパン(株)製)、メチル3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートとポリエチレングリコール300との反応生成物(商品名「TINUVIN 213」、BASFジャパン(株)製)、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール(商品名「TINUVIN 571」、BASFジャパン(株)製)、2−[2−ヒドロキシ−3−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド−メチル)−5−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール(商品名「Sumisorb 250」、住友化学(株)製)、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−tert−オクチルフェノール](商品名「アデカスタブ LA−31」、(株)ADEKA製)などが挙げられる。
【0034】
ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤(ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物)としては、例えば、2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヒドロキシフェニルと[(C10−C16(主としてC12−C13)アルキルオキシ)メチル]オキシランとの反応生成物(商品名「TINUVIN 400」、BASFジャパン(株)製)、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−[3−(ドデシルオキシ)−2−ヒドロキシプロポキシ]フェノール)、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンと(2−エチルヘキシル)−グリシド酸エステルの反応生成物(商品名「TINUVIN 405」、BASFジャパン(株)製)、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(商品名「TINUVIN 460」、BASFジャパン(株)製)、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール(商品名「TINUVIN 1577」、BASFジャパン(株)製)、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[2−(2−エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]−フェノール(商品名「アデカスタブ LA−46」、(株)ADEKA製)、2−(2−ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン(商品名「TINUVIN 479」、BASFジャパン(株)製)などが挙げられる。
【0035】
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系化合物)、オキシベンゾフェノン系紫外線吸収剤(オキシベンゾフェノン系化合物)としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸(無水及び三水塩)、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(商品名「KEMISORB 111」、ケミプロ化成(株)製)、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン(商品名「SEESORB 106」、シプロ化成(株)製)、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0036】
サリチル酸エステル系紫外線吸収剤(サリチル酸エステル系化合物)としては、例えば、フェニル2−アクリロイルオキシベンゾエート、フェニル2−アクロリイルオキシ−3−メチルベンゾエート、フェニル2−アクリロイルオキシ−4−メチルベンゾエート、フェニル2−アクリロイルオキシ−5−メチルベンゾエート、フェニル2−アクリロイルオキシ−3−メトキシベンゾエート、フェニル2−ヒドロキシベンゾエート、フェニル2−ヒドロキシ−3−メチルベンゾエート、フェニル2−ヒドロキシ−4−メチルベンゾエート、フェニル2−ヒドロキシ−5−メチルベンゾエート、フェニル2−ヒドロキシ−3−メトキシベンゾエート、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート(商品名「TINUVIN 120」、BASFジャパン(株)製)などが挙げられる。
シアノアクリレート系紫外線吸収剤(シアノアクリレート系化合物)としては、例えば、アルキル2−シアノアクリレート、シクロアルキル2−シアノアクリレート、アルコキシアルキル2−シアノアクリレート、アルケニル2−シアノアクリレート、アルキニル2−シアノアクリレートなどが挙げられる。
【0037】
紫外線吸収剤は、それぞれ単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。紫外線吸収剤の使用量は、微細パターンでの解像性の観点から、光重合開始剤とチオールの合計質量100質量部に対し、3質量部以上150質量部以下が好ましく、5質量部以上100質量部以下がより好ましい。3質量部未満ではパターンの解像性が悪くなり、150質量部を超えると感度不足により、十分なパターニングができないおそれがある。
光重合開始剤、チオールおよび紫外線吸収剤の含有量は、固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物の固形分100質量部のうち、合計で0.15質量部以上40質量部以下が好ましく、1質量部以上30質量部以下がより好ましい。0.15質量部未満では感度不足により、十分なパターニングができず、30質量部を超えると感光成分が不足し、十分なパターニングができない。
【0038】
<溶剤>
本実施形態で用いられる溶剤としては、例えば、エーテル類、芳香族炭化水素類、ケトン類、アルコール類、エステル類、アミド類などが挙げられる。
エーテル類としては、例えば、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4‐ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート、アニソール、フェネトール、メチルアニソールなどが挙げられる。
【0039】
芳香族炭化水素類としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどが挙げられる。
ケトン類としては、例えば、アセトン、2‐ブタノン、2‐ヘプタノン、3‐ヘプタノン、4‐ヘプタノン、4‐メチル‐2‐ペンタノン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリセリンなどが挙げられる。
【0040】
エステル類としては、例えば、酢酸エチル、酢酸‐n‐ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3‐オキシプロピオン酸メチル、3‐オキシプロピオン酸エチル、3‐メトキシプロピオン酸メチル、3‐メトキシプロピオン酸エチル、3‐エトキシプロピオン酸メチル、3‐エトキシプロピオン酸エチル、2‐オキシプロピオン酸メチル、2‐オキシプロピオン酸エチル、2‐オキシプロピオン酸プロピル、2‐メトキシプロピオン酸メチル、2‐メトキシプロピオン酸エチル、2‐メトキシプロピオン酸プロピル、2‐エトキシプロピオン酸メチル、2‐エトキシプロピオン酸エチル、2‐オキシ‐2‐メチルプロピオン酸メチル、2‐オキシ‐2‐メチルプロピオン酸エチル、2‐メトキシ‐2‐メチルプロピオン酸メチル、2‐エトキシ‐2‐メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2‐オキソブタン酸メチル、2‐オキソブタン酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、γ‐ブチロラクトンなどが挙げられる。
【0041】
アミド類としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N‐ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。
その他の溶剤としては、例えば、N‐メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
上記した溶剤の中でも、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルセロソルブアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、2‐ヘプタノン、シクロヘキサノン、乳酸エチル、酢酸ブチル、3‐メトキシプロピオン酸メチル、3‐エトキシプロピオン酸メチル、3‐エトキシプロピオン酸エチルなどが好ましく用いられる。
【0042】
溶剤は、それぞれ単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物中の溶剤の含有量は、100質量部のうち、30〜95質量部が好ましく、60質量部以上90質量部以下がより好ましい。30質量部未満では、コートによる平坦性を出すことが困難になり、95質量部を超えると、十分な膜厚のコートができなくなるおそれがある。
本実施形態の固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物は、塗布性をより向上させる観点から、各種の界面活性剤を含有していてもよい。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。
【0043】
本実施形態の固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物は、固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物の保存安定性を向上させる観点から、重合禁止剤を含有していてもよい。例えば、重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
【0044】
本実施形態のカラーフィルタのパターン形成方法は、本実施形態の固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物を支持体上に適用して感光性着色組成物層を形成し、不要部分を除去して、着色パターンを形成する。
本実施形態の固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物は、いわゆるフォトリソグラフィ法でパターン形成によって塗布されて、カラーフィルタを製造することが好ましい。
固体撮像素子1の一例を図1に示す。図1に示す固体撮像素子1は、二次元的に配置された複数の光電変換素子11を有する半導体基板10と、半導体基板10の上に配置された複数のマイクロレンズ18と、半導体基板10とマイクロレンズ18との間に設けられた複数色のカラーフィルタ14とを備える。更に、本実施形態に係る固体撮像素子は、カラーフィルタ14の上面に設けられた上層平坦化層13を備えている。カラーフィルタ14と半導体基板10との間に下層平坦化層を有していても良い。
【0045】
この例では、カラーフィルタ14は、3色のカラーフィルタ14A、14B,14Cが、ベイヤー配列など所定のパターンで配列して構成され、各色のフィルタ14A、14B,14Cはそれぞれ、各光電変換素子11に対応して配置されて、各画素のカラーフィルタを構成する。
カラーフィルタ14の形成は、例えば、フォトリソグラフィなどによって、カラーフィルタ14A、14B、14Cをパターニングして形成する。例えば半導体基板10の上に、第一のカラーフィルタ用の感光性着色組成物を全面に塗布し、マスクを通して露光したのち、現像を行うことで他のカラーフィルタを形成する箇所を除去する。その後、加熱処理による硬化を行う。これにより、第一のカラーフィルタ14Aが形成される。そして、周辺が第一のカラーフィルタ14Aで囲まれている部分に第二以降のカラーフィルタ(第二、第三のカラーフィルタ14B、14C)を形成する。
【0046】
本実施形態にかかる固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物、これを用いたカラーフィルタ、固体撮像素子によれば、顔料、顔料分散剤、光重合開始剤、光重合性モノマー、樹脂、チオール、紫外線吸収剤および溶剤からなる固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物であって、樹脂の酸価が10mgKOH/g以上300mgKOH/g以下であり、チオールが、光重合開始剤100質量部に対し3質量部以上200質量部含有し、紫外線吸収剤が、光重合開始剤とチオールの合計質量100質量部に対し3質量部以上150質量部以下である固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物であって、その感光性着色組成物を用いることで、1μm以下の微細パターンにおいても解像性に優れ、パターンの密着性の良好なカラーフィルタ、そのカラーフィルタを備えた固体撮像素子を提供することが可能になる。
【実施例】
【0047】
以下に、本発明に基づく実施例について説明する。なお、実施例および比較例中、「部」とは「質量部」を意味する。
実施例、及び比較例で使用する固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物の樹脂を以下の要領で合成した。
【0048】
<樹脂1の合成>
反応容器にシクロヘキサノン370部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら80℃に加熱して、同温度でメタクリル酸(MAA)38部、2‐ヒドロキシエチルメタクリレート(2−HEMA)6部、ベンジルメタクリレート(BzMA)21部、n‐ブチルメタクリレート(nBMA)16部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成(株)製「アロニックスM110」)21部、2、2’‐アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下して重合反応を行った。滴下終了後、さらに80℃で3時間反応させた後、アゾビスイソブチロニトリル0.2部をシクロヘキサノン10部に溶解させたものを添加し、さらに80℃で1時間反応を続けて、樹脂溶液を得た。
この樹脂溶液を室温まで冷却した後、約2gをサンプリングして180℃ 、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにシクロヘキサノンを添加して樹脂1の溶液を調製した。樹脂の酸価は230mgKOH/gであった。酸価は、水酸化カリウム(KOH)水溶液を用いた酸価還元滴定法で求めた。なお、以下の酸価についても同様の方法で求めた。
【0049】
<樹脂2の合成>
MAAを28部、2‐HEMAを8.5部、BzMAを23部、n‐BMAを18部、アロニックスM110を23部に変更した以外は、樹脂1と同様に合成および不揮発分の調整をした。樹脂の酸価は160mgKOH/gであった。
<樹脂3の合成>
MAAを54部、2‐HEMAを4部、BzMAを16部、n‐BMAを10部、アロニックスM110を16部に変更した以外は、樹脂1と同様に合成および不揮発分の調整をした。樹脂の酸価は350mgKOH/gであった。
<樹脂4の合成>
MAAを0部、2‐HEMAを12部、BzMAを32部、n‐BMAを24部、アロニックスM110を32部に変更した以外は、樹脂1と同様に合成および不揮発分の調整をした。なお、酸性の置換基を有していないため、樹脂の酸価は測定できなかった。
【0050】
[実施例1]
顔料としてPigment Green 58を8部、Pigment Yellow 150を7部、分散剤としてDisperbyk−2001(ビックケミージャパン(株)製、固形分46%)を6.5部、樹脂1を10部、PGMEA68.5部混合した。この混合体を、直径0.1mmのガラスビースを用いて、サンドミルで8時間分散した後、5μmのフィルターで濾過して顔料分散体を作製した。
その後、上記顔料分散体を60部、光重合性モノマーとしてA−TMPT(新中村化学工業(株)製)を1.9部、光重合開始剤としてイルガキュア379(BASFジャパン(株)製)を0.75部、チオールとしてカレンズMT PE1(昭和電工(株)製)を0.15部、紫外線吸収剤としてTINUVIN326(BASFジャパン(株)製)を0.2部、溶媒として2−アセトキシ−1−メトキシプロパン(PGMEA)を37部とを攪拌混合し、0.45μmのフィルターで濾過して緑色の固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物を作製した。
【0051】
その緑色の固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物を平坦化膜付きシリコンウエハ上に塗布し、プリベイクとして、100℃のホットプレートで1分間加熱した。次に、i線ステッパー(キャノン(株)製FPA−5510iZ)を用い、0.8μm角の正方形ピクセルパターンを有するマスクを介し、露光を行った。露光後の塗膜を有機アルカリ現像液((株)ADEKA製OD−260C)で1分間現像し、その後1分間水洗し、スピン乾燥で乾燥させた。乾燥後、230℃で4分間ホットプレートにて熱処理を行い、緑色画素(カラーフィルタにおける緑色の色フィルタを有する画素)を得た。
【0052】
[実施例2]
樹脂を樹脂1から樹脂2に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物及び画素を作製した。
[実施例3]
チオールをカレンズMT PE1から2−メルカプトベンゾオキサゾールに変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物及び画素を作製した。
【0053】
[実施例4]
紫外線吸収剤をTINUVIN326からアデカスタブ LA−31((株)ADEKA製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物及び画素を作製した。
[実施例5]
光重合開始剤を0.81部、チオールを0.09部に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例5の固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物及び画素を作製した。
[実施例6]
光重合開始剤を0.82部、チオールを0.18部、紫外線吸収剤を0.1部に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例6の固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物及び画素を作製した。
【0054】
[比較例1]
樹脂1を樹脂3に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物及び画素を作製した。
[比較例2]
光重合開始剤を0.88部、チオールを0.02部に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例2の固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物及び画素を作製した。
【0055】
[比較例3]
光重合開始剤を0.9部、チオールを0.18部、紫外線吸収剤を0.02部に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例3の固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物及び画素を作製した。
[比較例4]
樹脂1を樹脂4に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例4の固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物及び画素を作製した。
[比較例5]
モノマーを1.5部、光重合開始剤を0.4部、チオールを0.9部に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例5の固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物及び画素を作製した。
【0056】
各実施例及び比較例について、以下の評価を実施した。
<露光感度>
i線ステッパーを用い、0.8μm角の正方形ピクセルパターンを有するマスクを介し、焦点距離を−0.6μm、露光量1000〜10000J/mの範囲で1000J/m間隔で露光を行った。現像、熱処理後の画素の下底線幅が0.8μmになる露光量を適正露光量として、適正露光量を以下の基準で評価した。
◎;3000J/m以下
○;4000〜6000J/m
×;7000J/m以上
【0057】
<解像性>
形成された画素形状については測長SEM(KLA−Tencor社製eCD2−XP)で観察し評価した。露光感度評価における適正露光量において形成した画素を用いて、解像性を以下の基準で評価した。
◎;上底線幅/下底線幅≧0.85
○;0.75≦上底線幅/下底線幅<0.85
×;上底線幅/下底線幅<0.75
【0058】
<密着性>
形成された画素形状については測長SEMで観察し評価した。露光感度評価における適正露光量において形成した画素を用いて、密着性を以下の基準で評価した。
◎;画素の剥がれ、歪みがない
×;画素の剥がれ、歪みがある
表1に顔料分散体の露光感度、解像性、密着性の結果を示す。
【0059】
【表1】
【0060】
表1の結果から分かるように、本発明に基づく実施例1〜6に係る画素では、1μm以下の微細パターンにおいて解像性及び密着性が良好であることが確認できた。
これに対し、比較例1では、樹脂の酸価が350mgKOH/gである樹脂3を用いたため、画素の歪みが多く見られ、実用的に問題があるレベルだった。また、比較例2では、チオールの量が少なかったため、画素の歪みや剥がれが多く見られた。比較例3では、紫外線吸収剤の量が少なかったため、画素の解像性が悪くなった。比較例4では、樹脂に酸価がないため、現像液への溶解性が不十分であった。比較例5では、チオールの量が少なかったため、画素の解像性が悪くなった。
【0061】
このように、本発明にかかる固体撮像子向けカラーフィルタ用感光性着色組成物およびそれを用いたカラーフィルタは、微細パターンにおいて1μm以下の微細パターンにおいても解像性に優れ、パターンの密着性も良好である。このため、画素サイズが小さい固体撮像素子などに好適に利用できることが分かる。
【符号の説明】
【0062】
1 固体撮像素子
14 カラーフィルタ
図1