(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車両に特定の事象が発生したときに、前記車両に搭載された送信側車載器から無線通信により送信される送信情報を、管理装置側で受信して管理し、前記管理装置側が前記送信情報を集計した結果を、受信側車載器に対して無線通信により送信する車両用情報配信方法であって、
前記管理装置側は、
リアルタイムで更新可能な追加データベースを管理し、
前記送信情報を新たに受信した場合に、前記送信情報を反映した状態に前記追加データベースを更新すると共に、前記追加データベースに既に登録されている登録情報が示す位置と前記送信情報が示す位置とを比較し、それらが一致するか又は類似性が高い場合には、前記登録情報が示す位置及び前記送信情報が示す位置に対して平均化処理を施すことで平均化後の位置を算出し、前記登録情報が示す位置を前記平均化後の位置に書き換える、
ことを特徴とする車両用情報配信方法。
車両に特定の事象が発生したときに、前記車両に搭載された送信側車載器から無線通信により送信される送信情報を受信して管理し、前記送信情報を集計した結果を、受信側車載器に対して無線通信により送信する情報配信装置であって、
リアルタイムで更新可能な追加データベースと、
前記追加データベースを管理するデータベース管理部と
を備え、
前記データベース管理部は、前記送信情報を新たに受信した場合に、前記送信情報を反映した状態に前記追加データベースを更新すると共に、前記追加データベースに既に登録されている登録情報が示す位置と前記送信情報が示す位置とを比較し、それらが一致するか又は類似性が高い場合には、前記登録情報が示す位置及び前記送信情報が示す位置に対して平均化処理を施すことで平均化後の位置を算出し、前記登録情報が示す位置を前記平均化後の位置に書き換える、
ことを特徴とする情報配信装置。
車両に特定の事象が発生したときに、前記車両に搭載された送信側車載器から無線通信により送信される送信情報を、管理装置が受信して管理し、前記管理装置が前記送信情報を集計した結果を、受信側車載器に対して無線通信により送信する通信システムにおいて、前記管理装置がリアルタイムで更新可能な追加データベースを管理するための管理用プログラムであって、前記管理装置が有するコンピュータに、
前記管理装置が前記送信情報を新たに受信した場合に、前記送信情報を反映した状態に前記追加データベースを更新する手順と、
前記管理装置が前記送信情報を新たに受信した場合に、前記追加データベースに既に登録されている登録情報が示す位置と前記送信情報が示す位置とを比較し、それらが一致するか又は類似性が高い場合には、前記登録情報が示す位置及び前記送信情報が示す位置に対して平均化処理を施すことで平均化後の位置を算出し、前記登録情報が示す位置を前記平均化後の位置に書き換える手順と、
を実行させることを特徴とする管理用プログラム。
【背景技術】
【0002】
車両においては、運転者にとって有益な情報を提供することにより、車両を効率的に運行したり、運転者の負担を軽減したり、運転者の安全を確保することが容易になる。したがって、従来より様々な車載器を用いて様々な情報を運転者に提供することが行われている(例えば特許文献1〜特許文献3)。
【0003】
特許文献1は、ナビゲーションシステムが適切な誘導経路を探索するための技術を示している。すなわち、渋滞発生箇所、工事中の箇所、事故発生箇所などのテーブルに登録した情報(
図2参照)を利用して当該地点を回避するように、誘導経路を決定する。また、不要となった情報を使用しないように、各情報の有効期限を管理し、有効期限が経過している情報をテーブルから消去することを示している。
【0004】
また、特許文献2はカーナビゲーション装置等の車載器が交通情報などの外部情報を車両の外部から受信して有効に活用するための技術を示している。また、受信した様々な外部情報の有効期限をそれぞれ管理し、有効期限が経過した外部情報を消去することを示している。
【0005】
特許文献3は、車両に搭載するセンサを削減可能にすると共に、必要な情報の入手を容易にするための技術を示している。具体的には、無線通信機能を備える車載器をクラウドを構成するコンピュータネットワークと接続し、クラウドを車両用のセンサとして利用する。気象情報、交通情報、災害情報などをクラウドが送信する。また、車載器上で特別なデータ処理を行うことにより、車両上でユーザや電装品が必要とする情報を優先的に出力する。また、車両に適した情報の選択を容易にするために、車両毎に固有の属性情報を車載器からクラウドに送信し、クラウド側で属性情報に基づきデータの最適化を行う。また、複数の車両の便益が最大になるように、クラウド側が送信するデータを最適化する。車載器と他の通信端末との間でデータの共有を可能にして遠隔操作も可能にする。
【0006】
一方、車両を運転する場合には、危険な状況に遭遇する場合がある。運転者の不注意や無謀運転などを原因として、あるいは他車の不用意な運転などが原因となって危険な状況が発生する場合もある。また、交差点などで見通しが悪かったり、急カーブであったりなど、その時の道路環境に起因して危険な状況が発生する場合もある。後者の場合には、運転者が安全運転を心がけていたとしても、再び同一地点において、同様の危険な状況に遭遇する可能性が高い。つまり、道路上には危険な状況が発生しやすい場所が実際に存在するので、そのような場所では、運転者は危険な状況に遭遇しないように格別に注意しながら運転操作を行う必要がある。
【0007】
従来より、所定の車両について過去に検出されたイベント毎に位置及び加速度の情報を含む記録データが多数蓄積されているイベントデータベースを利用して、危険地点の位置を表す情報を含むハザードマップ情報を生成する技術が知られている(特許文献4)。また、このようなハザードマップを利用するドライブレコーダも知られている(特許文献5)。このドライブレコーダにおいては、自車両が特定の地点に接近した時にトリガを発生し、このトリガに従って自動的にデータの記録を実行する。したがって、例えば、特定の車両が危険度の高い地点を通過する際に、運転者が安全運転を行っていたか否かを確認するために利用可能な映像などのデータをドライブレコーダで自動的に記録することが可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
例えば特許文献5に示されたドライブレコーダを搭載した車両においては、ハザードマップを利用できるので、例えば予め登録された危険地点に接近した場合に警報を出力することも可能である。但し、利用可能なハザードマップの危険地点は、例えば道路の地形に起因する特有の状況のように変化が生じにくい地点のみに限られる。
【0010】
一方、実際の道路においては、例えば道路工事の影響、天候、気温などに起因する一時的な事象として、危険性の高い地点が発生する可能性がある。しかし、一般的なハザードマップは過去のデータを蓄積しているイベントデータベースに基づいて作成されるので、道路工事の影響、天候、気温などに起因する一時的な事象を要因として発生状況が変化する危険地点には対応できない。
【0011】
また、無線通信機能を搭載した車両においては、例えばドライブレコーダやデジタルタコグラフなどの車載器が何らかのイベントを検知した時に、その情報を例えば車両外部のサーバに送信することが可能である。したがって、前記サーバは、各車両から送信される情報を常時収集してイベントデータベースを構築し、リアルタイムで情報を追加可能なハザードマップを前記イベントデータベースに基づいて作成することができる。
【0012】
このようなハザードマップを利用すれば、道路工事の影響、天候、気温などに起因する一時的な事象を要因として発生状況が変化する新たな危険地点についても、サーバ側でリアルタイムで把握できる。また、この危険地点の情報をサーバから各車両の車載器に送信すれば、各車両が危険地点に接近した時に、車載器から警報を出力することもできる。
【0013】
しかしながら、上記のような処理を実施するサーバにおいては、各車両から逐次送信されるデータが前記イベントデータベースに順番に追加されるので、膨大な量のデータを扱うことになり、大容量の記憶装置を必要とし、処理の負荷も非常に大きくなる。特に、1台の共通のサーバで多数の車両を管理するような場合には、車両数の増大に伴って記憶装置の容量および処理の負荷が増大するのは避けられない。逆に、共通のサーバが多数の車両のそれぞれから情報を取得することにより、新たに発生した危険地点をより早く把握することが可能になる。
【0014】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、データベースが肥大化するのを避けつつ、各車両や運転者にとってより価値のある有用な情報を把握することが可能な車両用情報配信方法、情報配信装置および管理用プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前述した目的を達成するために、本発明に係る車両用情報配信方法、情報配信装置および管理用プログラムは、下記(1)〜(5)を特徴としている。
(1) 車両に特定の事象が発生したときに、前記車両に搭載された送信側車載器から無線通信により送信される送信情報を、管理装置側で受信して管理し、前記管理装置側が前記送信情報を集計した結果を、受信側車載器に対して無線通信により送信する車両用情報配信方法であって、
前記管理装置側は、
リアルタイムで更新可能な追加データベースを管理し、
前記送信情報を新たに受信した場合に、前記送信情報を反映した状態に前記追加データベースを更新すると共に、前記追加データベースに既に登録されている登録情報
が示す位置と前記送信情報
が示す位置とを比較し、それらが一致するか又は類似性が高い場合には、
前記登録情報が示す位置及び前記送信情報が示す位置に対して平均化処理を施すことで平均化後の位置を算出し、前記登録情報が示す位置を前記平均化後の位置に書き換える、
ことを特徴とする車両用情報配信方法。
【0016】
上記(1)の構成の車両用情報配信方法によれば、様々な車両に対して特定の事象がほぼ同じ地点で同じように発生している状況において、各車両が送信する送信情報は、管理装置側で統計処理されて追加データベースの内容に反映される。統計処理として例えば平均化を実行する場合には、N個の送信情報を受信した場合に、これらを平均化して1個の送信情報を処理結果として残すことができるので、追加データベースの容量を肥大化することなく、多数の送信情報の内容を反映してデータベースの各登録情報の精度を上げることができる。
【0017】
(2) 前記管理装置側は、
前記追加データベースに既に登録されている登録情報と一致するか又は類似性が高い情報を、前記送信情報として新たに受信した場合に、前記登録情報に対応付けた時間情報を初期化し、
前記追加データベースに登録されている登録情報の中で更新されずに所定時間が経過した登録情報を自動的に削減処理する、
ことを特徴とする上記(1)に記載の車両用情報配信方法。
【0018】
上記(2)の構成の車両用情報配信方法によれば、特定の事象が同じ地点で1回だけしか発生していないような場合には、所定時間が経過すると該当する古い登録情報は追加データベースから自動的に削減される。また、特定の事象が同じ地点で繰り返し発生している場合には、その発生の度に該当する登録情報に対応付けた時間情報が初期化されるので、時間的に古くなった情報であっても削除対象から除外し、追加データベース上に残すことができる。つまり、複雑な処理を行わなくても、利用価値の高低を自動的に区別し、利用価値の高い登録情報は古くなってもそのまま残し、利用価値の低い登録情報のみを削除して追加データベースの容量の肥大化を抑制できる。
【0019】
(3) 前記管理装置側は、
所定時間が経過する毎に、前記追加データベースに既に登録されている登録情報の中で、更新された情報のみを抽出し、抽出した登録情報を、事前に登録した受信側車載器に対して無線通信により送信する、
ことを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の車両用情報配信方法。
【0020】
上記(3)の構成の車両用情報配信方法によれば、多数の登録情報が前記追加データベースに登録されている場合であっても、所定時間が経過する毎に、更新された情報のみを受信側車載器に送信することができる。したがって、受信側車載器が把握している危険地点等の情報を定期的に最新の内容に更新することが可能である。しかも、管理装置側が送信する情報の容量を削減できるので、通信に伴うコストや処理負荷の増大を抑制できる。
【0021】
(4) 車両に特定の事象が発生したときに、前記車両に搭載された送信側車載器から無線通信により送信される送信情報を受信して管理し、前記送信情報を集計した結果を、受信側車載器に対して無線通信により送信する情報配信装置であって、
リアルタイムで更新可能な追加データベースと、
前記追加データベースを管理するデータベース管理部と
を備え、
前記データベース管理部は、前記送信情報を新たに受信した場合に、前記送信情報を反映した状態に前記追加データベースを更新すると共に、前記追加データベースに既に登録されている登録情報
が示す位置と前記送信情報
が示す位置とを比較し、それらが一致するか又は類似性が高い場合には、
前記登録情報が示す位置及び前記送信情報が示す位置に対して平均化処理を施すことで平均化後の位置を算出し、前記登録情報が示す位置を前記平均化後の位置に書き換える、
ことを特徴とする情報配信装置。
【0022】
上記(4)の構成の情報配信装置によれば、様々な車両に対して特定の事象がほぼ同じ地点で同じように発生している状況において、各車両が送信する前記送信情報は、統計処理されて追加データベースの内容に反映される。統計処理として例えば平均化を実行する場合には、N個の送信情報を受信した場合に、これらを平均化して1個の送信情報を処理結果として残すことができるので、追加データベースの容量を肥大化することなく、多数の送信情報の内容を反映してデータベースの各登録情報の精度を上げることができる。
【0023】
(5) 車両に特定の事象が発生したときに、前記車両に搭載された送信側車載器から無線通信により送信される送信情報を、管理装置が受信して管理し、前記管理装置が前記送信情報を集計した結果を、受信側車載器に対して無線通信により送信する通信システムにおいて、前記管理装置がリアルタイムで更新可能な追加データベースを管理するための管理用プログラムであって、
前記管理装置が有するコンピュータに、
前記管理装置が前記送信情報を新たに受信した場合に、前記送信情報を反映した状態に前記追加データベースを更新する手順と、
前記管理装置が前記送信情報を新たに受信した場合に、前記追加データベースに既に登録されている登録情報
が示す位置と前記送信情報
が示す位置とを比較し、それらが一致するか又は類似性が高い場合には、
前記登録情報が示す位置及び前記送信情報が示す位置に対して平均化処理を施すことで平均化後の位置を算出し、前記登録情報が示す位置を前記平均化後の位置に書き換える手順と、
を実行させることを特徴とする管理用プログラム。
【0024】
上記(5)の構成の管理用プログラムを管理装置のコンピュータで読み込んで実行することにより、様々な車両に対して特定の事象がほぼ同じ地点で同じように発生している状況において、各車両が送信する送信情報は、統計処理されて追加データベースの内容に反映される。統計処理として例えば平均化を実行する場合には、N個の送信情報を受信した場合に、これらを平均化して1個の送信情報を処理結果として残すことができるので、追加データベースの容量を肥大化することなく、多数の送信情報の内容を反映してデータベースの各登録情報の精度を上げることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の車両用情報配信方法、情報配信装置および管理用プログラムによれば、追加データベースが肥大化するのを避けつつ、各車両や運転者にとってより価値のある有用な情報を把握することが可能になる。
【0026】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0029】
<通信システムの構成例>
_<システムの概要の説明>
本発明を実施する通信システムの構成例を
図1に示す。
【0030】
図1に示した車載器10は、特定の企業等が運行を管理している多数のトラック、バス、タクシー車両等の各々の車両に搭載した状態で使用される。また、
図1に示した車載器10は基本的にはデジタルタコグラフとして構成してあるが、ドライブレコーダと同等の機能も含んでいる。
【0031】
すなわち、車載器10はデジタルタコグラフの機能により、車両の運行中に、車速、エンジン回転速度、車両位置、加速度、撮影した映像などを運行情報として定期的に取得し、この運行情報をメモリカード65のような記録媒体に自動的に記録する。また、大きな加速度の発生などを検知した場合、すなわち自車両の衝突や、急ブレーキなどの特別な事象が発生した場合には、車載器10の内部で発生するトリガ信号に基づき、車載器10は一時的にドライブレコーダの記録機能を実行する。
【0032】
また、
図1に示した車載器10は事前に登録した危険地点に接近した場合に、乗務員に対して注意喚起するために警報を出力する機能を搭載している。この危険地点の情報は後述するローカル危険地点データベースDBLに保持され、その情報は必要に応じて逐次更新される。
【0033】
事務所PC30は、車載器10を搭載している多数の車両の運行状況を管理したり、各車両の乗務員の労務管理、安全運転管理などを行うために企業内の事務所等に設置される管理装置であって、企業内の所定の管理者によって操作される。また、事務所PC30のハードウェアは一般的なパーソナルコンピュータ(PC)と同等であるが、運行管理機能37を実現するための特別なアプリケーションソフトウェアを搭載している。
【0034】
各車両において毎日の運行業務が終了し、当該車両が入庫した時に、例えば乗務員がメモリカード65を車載器10から取り外して事務所に持ち帰り、このメモリカード65を事務所内の事務所PC30に装着する。これにより、事務所PC30はメモリカード65に当日記録された当該車両の運行情報を読み込み、車両の運行管理、乗務員の労務管理、乗務員の安全運転管理などに役立てることができる。
【0035】
また、事務所PC30が読み込んだ多数の車両の運行情報を管理者が分析することにより、例えば各車両の運行経路上において、交通事故や急ブレーキなどの危険な事象が発生しやすい危険地点を特定することが可能である。すなわち、各車両の運行記録において急ブレーキに起因したトリガ信号の発生頻度の高い地点や、道路の形状、信号機の有無などを考慮して危険地点の位置を特定できる。
【0036】
上記の危険地点の情報が危険地点データベースDB0に登録される。また、危険地点データベースDB0に登録した各危険地点の情報を、事務所PC30が各メモリカード65に書き込むことにより、車載器10上のローカル危険地点データベースDBLに反映することもできる。
【0037】
危険地点データベースDB0の内容は、管理者が必要に応じて更新することができる。但し、危険地点データベースDB0に登録する危険地点の情報は、各車両の入庫時に事務所PC30がメモリカード65から読み込むデータに基づいて作成されるので、最短でも1日単位の更新になり、頻繁に更新されない。
【0038】
しかし、実際の車両の運行状態においては、1時間〜数時間程度の短い期間中に一時的な危険地点が発生したり消滅したりする可能性がある。具体的には、道路工事や交通事故などに伴って一時的に発生した渋滞の影響、悪天候の影響、降雨、降雪、霧の発生、気温低下による路面の凍結などに起因して、短期間だけ危険地点が発生する可能性が考えられる。
【0039】
そこで、
図1に示したように、危険地点データベースDB0の他に、追加データベースDB1を事務所PC30上に設けてある。この追加データベースDB1は、ほぼリアルタイムで更新することが可能な追加分の危険地点の位置情報を登録するために設けてある。
【0040】
図1に示した事務所PC30は、通信線41を経由してインターネット42と接続されている。また、インターネット42上には事務所PC30、および各車両の車載器10が車両の運行中に利用可能なサーバ40が接続してある。
【0041】
サーバ40は、例えば所定のデータセンタ内に設置され、無線基地局43を経由して各車両の車載器10との間で無線通信を行うことができる。無線基地局43は、携帯電話などの移動体通信サービスを提供する通信事業者の設備であり、広域にわたって無線通信サービスを提供できる。サーバ40は、事務所PC30と各車両の車載器10との間で通信データの中継などの機能を果たす。勿論、事務所PC30が常時稼働し常時通信できる状況であれば、サーバ40を省略して事務所PC30と車載器10との間で直接無線通信を行うこともできる。また、例えば事務所PC30と同等の機能をサーバ40上のクラウドにより実現すれば、事務所PC30の処理負荷を削減することができる。
【0042】
したがって、
図1に示した通信システムにおいては、事務所PC30又はサーバ40が各車両の運行中に、車載器10から無線通信によりリアルタイムで最新のデータを取得することが可能である。したがって、事務所PC30上の追加データベースDB1をリアルタイムで更新することも可能である。また、事務所PC30又はサーバ40は、リアルタイムで更新された追加データベースDB1の更新内容が各車載器10のローカル危険地点データベースDBLに反映されるように、最新の危険地点のデータを事前に登録した運行中の各車両の車載器10に対して配信することができる。
【0043】
そのため、道路工事や交通事故などに伴って一時的に発生した渋滞の影響、悪天候の影響、降雨、降雪、霧の発生、気温低下による路面の凍結などに起因する一時的な危険地点についても、運行中の各車両の車載器10が把握し、該当する地点に近づいた時に必要に応じて警報を発することができる。
【0044】
但し、サーバ40や事務所PC30が多数の車両の車載器10からリアルタイムでデータを受信する場合には、データベースに登録するデータの容量が膨大になり、記憶容量や処理の負荷が非常に大きくなる可能性がある。したがって、後述するように特別な処理を事務所PC30又はサーバ40が実施することにより、データベースの容量の肥大化を避けつつ、利用価値の高い危険地点の情報を車載器10に配信できるようにする。
【0045】
なお、サーバ40として公共の設備を利用するような場合には、特定の企業が管理している車両に限らず、道路上を走行している全ての車両の車載器10からリアルタイムでデータを収集することも可能である。また、その場合には、サーバ40が危険地点の情報を配信する際の配信先の車載器10は、例えばユーザ企業毎に事前に登録した車両のみに限定することが想定される。
【0046】
_<車載器10の構成>
図1に示した車載器10は、マイクロコンピュータ(CPU)11、速度インタフェース(I/F)12A、エンジン回転インタフェース12B、外部入力インタフェース13、センサ入力インタフェース14、カメラインタフェース16、カードインタフェース18、音声インタフェース19、アナログ入力インタフェース29、GPS受信部15、スピーカ20、時計回路(RTC:Real Time Clock)21、スイッチ入力部22、無線通信部24、電源部25、不揮発性メモリ26A、揮発性メモリ26B、表示部27、およびGセンサ28を備えている。
【0047】
マイクロコンピュータ11は、予め組み込まれたプログラムを実行することにより、車載器10に必要とされる各種機能を実現するための処理を行う。すなわち、デジタルタコグラフの機能、ドライブレコーダ機能、警報出力機能、サーバ40にデータを送信する機能、サーバ40からデータを受信する機能、ローカル危険地点データベースDBLを更新する機能などがマイクロコンピュータ11の処理により実現する。
【0048】
速度インタフェース12Aは、車両側に備わっている車速センサ17が出力する車速パルスの信号を入力して、マイクロコンピュータ11の入力に適した信号に変換する。マイクロコンピュータ11は、この車速パルスを監視することにより、自車両の走行速度や移動距離を算出することができる。
【0049】
エンジン回転インタフェース12Bは、車両側から出力されるエンジン回転パルスの信号を入力して、マイクロコンピュータ11の入力に適した信号に変換する。マイクロコンピュータ11は、このエンジン回転パルスを監視することにより、エンジンの回転速度を把握できる。
【0050】
センサ入力インタフェース14の入力に、Gセンサ28が接続されている。Gセンサ28は、自車両の進行方向に対する前後方向や横方向に加わった加速度の大きさを検知することができる。センサ入力インタフェース14は、Gセンサ28が所定以上の大きな加速度を検知した時に、所定のトリガ信号をマイクロコンピュータ11に出力する。
【0051】
カメラインタフェース16の入力には車載カメラ23(1台又は複数台)が接続されている。この車載カメラ23は、自車両の進行方向前方の道路、他車両、車外の風景などを撮影したり、車室内の乗務員などを撮影できるように配置される。カメラインタフェース16は、車載カメラ23が出力する映像信号や音声信号をマイクロコンピュータ11の処理に適したデジタル画像信号やデジタル音声信号に変換してマイクロコンピュータ11に与える。
【0052】
GPS受信部15は、複数のGPS(Global Positioning System)衛星からの電波を受信し、受信信号に基づいて所定の計算処理を実行することにより、自車両の現在位置(緯度/経度)を表す情報を得ることができる。マイクロコンピュータ11は、GPS受信部15から現在位置の情報を取得できる。
【0053】
カードインタフェース18は、所定規格のメモリカード65を着脱自在な状態で装着可能なカードスロットを有している。マイクロコンピュータ11は、カードインタフェース18を介してメモリカード65にアクセスし、データの読み取り及び書き込みを行うことができる。メモリカード65は、運行情報の蓄積と、事務所PC30と車載器10との間のオフラインでのデータの受け渡しのために利用される。
【0054】
音声インタフェース19は、マイクロコンピュータ11が出力するデータに基づいて疑似音声信号を生成し、この疑似音声信号をスピーカ20に与えることができる。これにより、例えば「まもなく危険地点です、注意して運転して下さい。」のような音声による警報を出力することができる。
【0055】
時計回路21は、周期が一定の安定したクロックパルスを常時計数することにより現在時刻および日付の情報を出力することができる。スイッチ入力部22は、乗務員の入力操作を受け付け可能な複数のスイッチ(SW)を有している。
【0056】
無線通信部24は、携帯電話回線のような移動体通信サービスを提供する通信事業者の管理している無線基地局43との間で、広域の無線通信を行う機能を有している。したがって、車載器10を搭載した自車両がほぼどの位置を走行している場合であっても、マイクロコンピュータ11は無線通信部24および無線基地局43を利用して無線通信回線を確保し、サーバ40と接続することができる。
【0057】
電源部25は、車両のバッテリー等から供給される直流電源電力(+12[V]等)に基づいて、車載器10内のマイクロコンピュータ11などの各回路が必要とする安定した直流電源電圧(+5[V]等)を生成し各回路に供給する。
【0058】
不揮発性メモリ26Aは、データの読み出しおよび書き換えが可能なフラッシュメモリ等の電子デバイスで構成されている。不揮発性メモリ26Aは、マイクロコンピュータ11が参照する予め定めた定数データや各種テーブル、プログラムなどを保持するために利用される。
【0059】
揮発性メモリ26Bは、データの読み出しおよび書き込みが自在な半導体メモリ(RAM)で構成されている。揮発性メモリ26B上の記憶領域は、マイクロコンピュータ11が一時的なデータを必要に応じて保持するために利用される。
【0060】
表示部27は、マイクロコンピュータ11の制御により、車載器10の動作状態(入庫/出庫など)、日付、現在時刻などを表す数字や文字を乗務員が視認できるように表示することができる。
【0061】
_<事務所PC30の構成>
図1に示した事務所PC30は、一般的なパーソナルコンピュータの構成と同じように、コンピュータ本体31、通信部32、表示部33、記憶部34、カードインタフェース35、操作部36等のハードウェアを搭載している。
【0062】
また、図示しないが、事務所PC30は一般的なパーソナルコンピュータの構成と同じように、標準的な基本ソフトウェア(OS:オペレーティングシステム)を搭載している。また、事務所PC30は、基本ソフトウェア上で動作可能な、運行管理機能37を実現するための特別なアプリケーションソフトウェアを搭載している。
【0063】
また、本実施形態においては、危険地点データベースDB0、および追加データベースDB1が、事務所PC30の記憶部34上、およびサーバ40の記憶装置上の少なくとも一方に構築される。危険地点データベースDB0の内容は、事務所PC30が蓄積している過去の運行情報の履歴と、管理者の判断とに基づいて決定され、例えば1日単位、又は数日単位で更新される。
【0064】
一方、追加データベースDB1の内容は、各車両に搭載された車載器10が広域無線通信によりサーバ40に送信するデータに基づき、事務所PC30又はサーバ40が実行する処理により、ほぼリアルタイムで自動的に更新される。
【0065】
<システムの動作の詳細>
_<車載器10の動作例>
本発明を実施する通信システムにおける車載器10の動作例を
図2に示す。すなわち、車載器10内のマイクロコンピュータ11の制御により、サーバ40と連携して
図2に示した特徴的な動作が実行される。なお、本発明を実施する通信システムは、例えばそれぞれ異なる車両に搭載された多数の車載器10を含む。また、サーバ40に対して無線通信でデータを送信する車載器10と、サーバ40からのデータを無線通信で受信する車載器10とが同じであるとは限らない。
図2の動作について以下に説明する。
【0066】
例えば、自車両の衝突や急ブレーキの運転操作によって自車両に大きな加速度が加わると、この大きな加速度をGセンサ28が検知し、センサ入力インタフェース14が所定のトリガ信号を生成する。マイクロコンピュータ11は、トリガ信号の発生を検知すると、S11からS12の処理に進み、GPS受信部15から現在位置の情報を取得する。
【0067】
また、マイクロコンピュータ11はS12で取得した現在位置の情報と、発生したトリガ信号に相当するイベントの種類を表す情報を、無線通信部24および無線基地局43を経由してサーバ40に通知する(S13)。
【0068】
また、無線通信部24がサーバ40からのデータベース更新情報を受信したことを検知すると、マイクロコンピュータ11はS14からS15の処理に進む。そして、受信したデータベース更新情報をローカル危険地点データベースDBLの内容に反映する。
【0069】
また、マイクロコンピュータ11は、GPS受信部15が出力する現在位置の情報をS16で取得し、この現在位置と、ローカル危険地点データベースDBL上に登録されている多数の危険地点のそれぞれの位置情報とをS17で比較する。
【0070】
なお、ローカル危険地点データベースDBL上には、事務所PC30上又はサーバ40上に存在する危険地点データベースDB0および追加データベースDB1の両方の内容が含まれている。なお、危険地点データベースDB0の内容に相当するローカル危険地点データベースDBLと、追加データベースDB1の内容に相当するローカル危険地点データベースDBLとを別々に配置してもよい。
【0071】
マイクロコンピュータ11は、S17の比較により自車両がいずれか1つの危険地点に接近していることをS18で検知するとS19の処理に進む。この場合、マイクロコンピュータ11は、例えば音声インタフェース19を介してスピーカ20から乗務員に注意喚起するための所定の警報を出力する。例えば、「危険地点に接近しています、運転に注意して下さい。」の音声メッセージを出力する。
【0072】
_<サーバ40又は事務所PC30の動作例>
__<データ受信時の動作>
本発明を実施する通信システムにおけるサーバ40のデータ受信時の特徴的な動作例を
図3に示す。すなわち、サーバ40が各車両の車載器10から無線通信によりデータを受信した時には、サーバ40又は事務所PC30が
図3に示した動作を実行する。以下の説明においては、サーバ40が
図3の処理を実行する場合を想定して説明する。
【0073】
各車両の車載器10からのデータを無線通信により受信すると、サーバ40は、S21からS22の処理に進み、受信データを処理して発生した各イベントの種類および受信データに含まれている位置情報を取得する。
【0074】
サーバ40は、S22で取得した受信データの位置情報と、危険地点データベースDB0に登録されている多数の危険地点の各々の位置情報とをS23で比較する。そして、受信データの危険地点が危険地点データベースDB0に既に登録されていることを認識した場合はS23で
図3の処理を終了し、まだ登録されていないことを認識した場合はS23からS24の処理に進む。
【0075】
ステップS24では、サーバ40は、S22で取得した受信データの位置と、追加データベースDB1上に登録されている多数の危険地点の各々の位置とをそれぞれ比較する。そして、受信データに該当する危険地点、すなわち受信データの位置と一致又は類似している危険地点が追加データベースDB1上に登録されているか否かを識別し、追加データベースDB1にまだ登録されてなければS25に進み、登録されている場合はS26に進む。
【0076】
ステップS25では、サーバ40は、S22で取得した受信データの位置を新たな危険地点の情報として、追加データベースDB1に追加登録する。
【0077】
また、ステップS26では、サーバ40は、受信データの位置と、追加データベースDB1上の該当する危険地点の位置とを平均化処理する。例えば次式の計算を行う。
Pm=(P1−P0)×Kw+P0 ・・・(1)
Pm:平均化後の位置
P1:受信データの位置
P0:登録されている危険地点の位置
Kw:重み係数を表す定数
【0078】
また、例えば該当する危険地点の情報の更新回数Mが既知の場合には、次式の計算を実施してもよい。
Pm=((P1−P0)/(M+1))+P0 ・・・(2)
【0079】
このような平均化処理を実施することにより、追加データベースDB1に登録する情報の容量を増やすことなく、新たな受信データの位置を登録された危険地点に反映して位置精度を高めることが可能になる。
【0080】
ステップS27では、サーバ40は、受信データの位置と対応する危険地点が追加データベースDB1上のN番目の登録情報である場合に、N番目の経過時間カウンタCt_Nに事前に定めた初期値(一定時間:例えば数時間程度)をプリセットする。なお、各危険地点に対応付けた経過時間カウンタCtの情報は、危険地点の位置と共に追加データベースDB1上に保持しておくことが想定される。
【0081】
ステップS28では、サーバ40は、追加データベースDB1の内容を更新する。すなわち、追加データベースDB1に登録されているN番目の危険地点の登録情報の位置を、S26で算出した平均化処理後の位置Pmで書き換える。
【0082】
__<定期的に実行する処理>
サーバ40が定期的に実行する処理の特徴的な動作例を
図4に示す。すなわち、事前に定めた一定時間(例えば1分間)が経過する毎に、サーバ40は
図4に示した処理を繰り返し実施する。
図4の動作について以下に説明する。
【0083】
サーバ40は、処理対象の危険地点データの番号を表す変数nにS31で初期値「1」をセットする。また、次のS32でn番目の経過時間カウンタCt_nの値を「1」だけ減らすように更新する。また、サーバ40は経過時間カウンタCt_nの更新後の値をS33で「0」と比較する。
【0084】
そして、経過時間カウンタCt_nの更新後の値が0以下の場合はS34に進み、サーバ40は追加データベースDB1に登録されている各危険地点のデータの中で、n番目のデータを追加データベースDB1から削除する。
【0085】
また、サーバ40はS35で変数nの値を更新し、更新後の値を最大値Nmax、すなわち追加データベースDB1に登録されている情報の数と比較する。「n≦Nmax」の場合は全ての登録情報の処理がまだ終了していないのでS35からS32に戻って同じ処理を繰り返す。
【0086】
「n>Nmax」の場合は、全ての登録情報の処理が終了しているので、サーバ40はS35からS36の処理に進む。そして、追加データベースDB1に追加されてからまだ未送信の新たな危険地点や、削除により無効化された危険地点の情報を、サーバ40がS36で各車両の車載器10に対して無線通信により送信する。
【0087】
<通信システムの利点>
上述の通信システムにおいては、事務所PC30、サーバ40、および各車両の車載器10が、危険地点をほぼリアルタイムで把握できるので、道路の形状などに起因して発生する変化しにくい危険地点だけでなく、道路工事や交通事故などに伴って一時的に発生した渋滞の影響、悪天候の影響、降雨、降雪、霧の発生、気温低下による路面の凍結などに起因する一時的な危険地点も管理できる。
【0088】
しかも、同じ危険地点を表すデータが複数回にわたって各車載器10からサーバ40に入力されたような場合には、
図3に示したS26で平均化処理を行った結果が追加データベースDB1に反映されるので、データベース全体の容量を肥大化することなく、位置精度を高めることが可能になる。更に、更新されることなく所定時間が経過して古くなった危険地点のデータは、
図4のS34で追加データベースDB1から自動的に削除されるので、実際に利用価値の高い危険地点のデータだけを追加データベースDB1に残すことができる。
【0089】
また、同じ地点で各車載器10からのデータ送信が繰り返される場合には、該当する危険地点の経過時間を管理している経過時間カウンタCtの値が
図3のS27で初期化されるので、経過時間の管理が容易になる。例えば、経過時間カウンタCtの初期値を小さくすることにより、利用価値の高い期間が短い危険地点のデータは短時間で追加データベースDB1から削除することが可能になる。また、利用価値の高い期間が比較的長い危険地点であっても、その地点で車載器10からのデータ送信が繰り返される場合には、前記初期値よりも長い期間にわたって、追加データベースDB1上の危険地点のデータを維持することが可能になる。
【0090】
ここで、上述した本発明の実施形態に係る車両用情報配信方法、情報配信装置および管理用プログラムの特徴をそれぞれ以下[1]〜[5]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 車両に特定の事象が発生したときに、前記車両に搭載された送信側車載器(車載器10)から無線通信により送信される送信情報を、管理装置(事務所PC30又はサーバ40)側で受信して管理し、前記管理装置側が前記送信情報を集計した結果を、受信側車載器(車載器10)に対して無線通信により送信する車両用情報配信方法であって、
前記管理装置側は、
リアルタイムで更新可能な追加データベース(DB1)を管理し、
前記送信情報を新たに受信した場合に、前記送信情報を反映した状態に前記追加データベースを更新する(S25,S28)と共に、前記追加データベースに既に登録されている登録情報と前記送信情報とを比較し(S24)、それらが一致するか又は類似性が高い場合には、該当する情報に対して所定の統計処理を実行する(S26)、
ことを特徴とする車両用情報配信方法。
【0091】
[2] 前記管理装置側は、
前記追加データベースに既に登録されている登録情報と一致するか又は類似性が高い情報を、前記送信情報として新たに受信した場合に、前記登録情報に対応付けた時間情報を初期化し(S27)、
前記追加データベースに登録されている登録情報の中で更新されずに所定時間が経過した登録情報を自動的に削減処理する(S34)、
ことを特徴とする上記[1]に記載の車両用情報配信方法。
【0092】
[3] 前記管理装置側は、
所定時間が経過する毎に、前記追加データベースに既に登録されている登録情報の中で、更新された情報のみを抽出し、抽出した登録情報を、事前に登録した受信側車載器に対して無線通信により送信する(S36)、
ことを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の車両用情報配信方法。
【0093】
[4] 車両に特定の事象が発生したときに、前記車両に搭載された送信側車載器から無線通信により送信される送信情報を受信して管理し、前記送信情報を集計した結果を、受信側車載器に対して無線通信により送信する情報配信装置であって、
リアルタイムで更新可能な追加データベース(DB1)と、
前記追加データベースを管理するデータベース管理部(事務所PC30又はサーバ40)と
を備え、
前記データベース管理部は、前記送信情報を新たに受信した場合に、前記送信情報を反映した状態に前記追加データベースを更新する(S25,S28)と共に、前記追加データベースに既に登録されている登録情報と前記送信情報とを比較し(S24)、それらが一致するか又は類似性が高い場合には、該当する情報に対して所定の統計処理を実行する(S26)、
ことを特徴とする情報配信装置。
【0094】
[5] 車両に特定の事象が発生したときに、前記車両に搭載された送信側車載器から無線通信により送信される送信情報を、管理装置が受信して管理し、前記管理装置が前記送信情報を集計した結果を、受信側車載器に対して無線通信により送信する通信システムにおいて、前記管理装置がリアルタイムで更新可能な追加データベースを管理するための管理用プログラム(運行管理機能37)であって、
前記管理装置が前記送信情報を新たに受信した場合に、前記送信情報を反映した状態に前記追加データベースを更新する手順(S25,S28)と、
前記管理装置が前記送信情報を新たに受信した場合に、前記追加データベースに既に登録されている登録情報と前記送信情報とを比較し(S24)、それらが一致するか又は類似性が高い場合には、該当する情報に対して所定の統計処理を実行する手順(S26)と、
を有することを特徴とする管理用プログラム。