(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記検索部は、前記ユーザの選択に応じて、前記物件の維持管理に関する費用を含めて、前記借入可能額の範囲で購入可能な物件に関する情報及び前記月当たりの返済額の範囲で賃借可能な物件に関する情報を検索する、
請求項1に記載の物件検索装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
売買物件を購入するユーザは、金融機関から資金を借り入れて、借入可能額の範囲で物件を購入する場合がある。従来の物件検索装置は、予め定められた条件の下で借入可能額を算出して、売買物件の検索を行う場合があった。また、特許文献1に記載の技術では、個人の年収や生活費等を含む属性情報に応じて、住宅ローンを含む住宅関連商品の推奨を行っている。
【0006】
売買物件の購入を検討しているユーザは、一方で、賃貸物件に居住することについても検討している場合がある。そのような場合、従来のように予め定められた条件の下で借入可能額を算出して売買物件の検索を行い、賃貸物件の検索結果と比較するのでは、個人の属性に応じて借入可能額が変動する事情が検索結果に反映されないうえ、物件価格と賃借料を比較することとなり、物件の比較が難しかった。また、特許文献1に記載の技術は、賃貸物件の検索を前提とするものではなく、売買物件と賃貸物件の比較を行う目的には適していなかった。
【0007】
本発明は、ユーザの属性に応じた条件で住宅ローンシミュレーションを行い、シミュレーション結果を用いて売買物件と賃貸物件の比較しながら検索を行うことのできる物件検索装置、物件検索方法及び物件検索プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る物件検索装置は、ユーザの属性情報に基づいて、ユーザが借り入れることのできる借入可能額及びユーザに適用される借入金利を取得する取得部と、借入可能額及び借入金利に基づいて、ユーザの月当たりの返済額を算出する算出部と、借入可能額の範囲で購入可能な物件に関する情報及び月当たりの返済額の範囲で賃借可能な物件に関する情報を検索する検索部と、を備える。
【0009】
この態様によれば、ユーザの属性情報を反映した借入可能額及び借入金利に基づいて、月当たりの返済額が算出され、借入可能額の範囲で購入可能な売買物件と、月当たりの返済額の範囲で賃借可能な賃貸物件と、が検索されるため、ユーザの属性に応じた条件で、売買物件と賃貸物件の比較を容易に行うことができる。
【0010】
上記態様において、検索部は、ユーザの選択に応じて、物件の維持管理に関する費用を含めて、借入可能額の範囲で購入可能な物件に関する情報及び月当たりの返済額の範囲で賃借可能な物件に関する情報を検索してもよい。
【0011】
この態様によれば、物件の維持管理に関する費用を含めて売買物件及び賃貸物件を検索することで、月当たりの支払総額の観点で売買物件と賃貸物件を比較することができ、より正確な支出の見通しに基づいて売買物件と賃貸物件を比較することができる。
【0012】
上記態様において、ユーザの収入及び支出の予定を含むライフプランに基づいて、借入可能額及び月当たりの返済額を修正する第1修正部をさらに備えてもよい。
【0013】
この態様によれば、物件の購入又は賃借に割り当てられる金額に応じて借入可能額及び月当たりの返済額が修正され、ライフプランを実現するにあたって適切な物件を検索することができる。
【0014】
上記態様において、ローン商品に関する情報に基づいて、借入可能額及び借入金利の少なくともいずれかを修正する第2修正部をさらに備えてもよい。
【0015】
この態様によれば、ユーザが利用可能なローン商品に関する情報に基づいて、借入可能額及び借入金利の少なくともいずれかが修正されることで、より正確な借入可能額及び借入金利を算出することができる。
【0016】
上記態様において、物件の属性に関する情報に基づいて、借入可能額及び借入金利の少なくともいずれかを修正する第3修正部をさらに備えてもよい。
【0017】
この態様によれば、物件の属性に応じて借入可能額及び借入金利が変動する場合があるという取引実態を反映するように、借入可能額及び借入金利の少なくともいずれかを修正することで、購入を希望する売買物件と、賃貸物件との比較がより正確に行えるようになる。
【0018】
上記態様において、物件の属性に関する情報は、物件の種類に関する情報、築年数に関する情報、立地に関する情報及び物件価値の保証情報のうち少なくともいずれかを含んでもよい。
【0019】
この態様によれば、物件の種類、築年数、立地及び物件価値の保証情報に基づいて借入可能額及び借入金利の少なくともいずれかを修正することで、ユーザの属性のみならず、購入を希望する売買物件の担保価値に基づいて借入可能額及び借入金利の算出が行われ、売買物件と賃貸物件の比較がより正確に行えるようになる。
【0020】
本発明の一態様に係る物件検索方法は、ユーザの属性情報に基づいて、ユーザが借り入れることのできる借入可能額及びユーザに適用される借入金利を取得するステップと、借入可能額及び借入金利に基づいて、ユーザの月当たりの返済額を算出するステップと、借入可能額の範囲で購入可能な物件に関する情報及び月当たりの返済額の範囲で賃借可能な物件に関する情報を検索するステップと、を含む。
【0021】
この態様によれば、ユーザの属性情報を反映した借入可能額及び借入金利に基づいて、月当たりの返済額が算出され、借入可能額の範囲で購入可能な売買物件と、月当たりの返済額の範囲で賃借可能な賃貸物件と、が検索されるため、ユーザの属性に応じた条件で、売買物件と賃貸物件の比較を容易に行うことができる。
【0022】
本発明の一態様に係る物件検索プログラムは、物件検索装置に備えられたコンピュータを、ユーザの属性情報に基づいて、ユーザが借り入れることのできる借入可能額及びユーザに適用される借入金利を取得する取得部、借入可能額及び借入金利に基づいて、ユーザの月当たりの返済額を算出する第2算出部、及び借入可能額の範囲で購入可能な物件に関する情報及び月当たりの返済額の範囲で賃借可能な物件に関する情報を検索する検索部、として機能させる。
【0023】
この態様によれば、ユーザの属性情報を反映した借入可能額及び借入金利に基づいて、月当たりの返済額が算出され、借入可能額の範囲で購入可能な売買物件と、月当たりの返済額の範囲で賃借可能な賃貸物件と、が検索されるため、ユーザの属性に応じた条件で、売買物件と賃貸物件の比較を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、ユーザの属性に応じた条件で、売買物件と賃貸物件の比較を容易に行うことのできる物件検索装置、物件検索方法及び物件検索プログラムが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0026】
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0027】
図1は、本発明の実施形態に係る物件検索装置10のネットワーク構成を示す図である。物件検索装置10は、少なくともメモリ及びプロセッサを備える専用又は汎用のコンピュータで構成され、通信ネットワークNに接続される。通信ネットワークNは、インターネットであってよいが、LAN(Local Area Network)等のネットワークであってもよい。物件検索装置10は、通信ネットワークNを介して、ローン算出装置20、複数のユーザ端末装置30、物件情報データベースDB1、ライフプランデータベースDB2及びローン商品データベースDB3と接続される。
【0028】
ローン算出装置20は、物件検索装置10からユーザの属性情報を受信して、当該属性情報に基づいて、当該ユーザの借入可能額及び適用金利を算出し、物件検索装置10に返信する。属性情報とは、ユーザの年齢、勤務先、勤続年数、年収、家族構成、適用金利など、ローン審査の金融機関が取扱う一般的な情報を意味する。ローン算出装置20は、物件検索装置10と別体の装置であってよいが、物件検索装置10と一体であってもよい。また、ローン算出装置20は、ユーザの借入可能額及び適用金利を特定する情報を算出するものであればよく、必ずしも借入可能額及び適用金利そのものを算出するものでなくてもよい。
【0029】
ユーザ端末装置30は、物件の検索を行うユーザによって使用される装置であり、汎用のコンピュータであってよい。具体的には、パーソナルコンピュータやスマートフォンであってよい。ユーザは、ユーザ端末装置30上で動作するインターネットブラウザによって、属性情報の入力や、借入可能額及び適用金利の確認、物件の検索結果の閲覧等を行う。なお、同図では、2台のユーザ端末装置30を図示しているが、通信ネットワークNを介して物件検索装置10に接続されるユーザ端末装置30の台数は任意である。
【0030】
物件情報データベースDB1は、購入又は購入の予約が可能な売買物件に関する情報及び賃借又は賃借の予約が可能な賃貸物件に関する情報を記憶する。物件情報データベースDB1に記憶される売買物件に関する情報は、少なくとも物件の価格及び物件の属性に関する情報を含み、賃貸物件に関する情報は、少なくとも賃料及び物件の属性に関する情報を含む。ここで、物件の属性に関する情報は、物件の種類に関する情報、物件の築年数に関する情報、立地に関する情報及び物件価値の保証情報のうち少なくともいずれかを含む。物件価値の保証情報は、物件検索装置10の管理者によって付与される情報であってよく、当該物件について担保価値が保証されていることを示す情報であってよい。物件情報データベースDB1に記憶される物件情報は、物件情報の登録に応じて適時追加されてよいし、売買契約や賃貸借契約の成立に応じて適時削除されてよい。
【0031】
ライフプランデータベースDB2は、ユーザ端末装置30からライフプランの登録を受け付けて、ユーザを識別する情報とともに当該ユーザのライフプランを記憶する。ここで、ライフプランとは、ユーザの将来設計であり、ユーザの収入及び支出の予定を含む。ライフプランには、例えば、ユーザが想定している年収の推移や、子供の教育費の推移等が含まれてよい。
【0032】
ローン商品データベースDB3は、現在利用することができるローン商品に関する情報を記憶する。ローン商品データベースDB3は、住宅の購入等のために個人が利用することのできる融資の条件を記憶し、新規の融資を受ける場合の条件や、融資の借り換えを行う場合の条件を記憶してよい。また、属性情報について金融機関毎に着目する項目が異なる場合があるが、ローン商品データベースDB3には、着目する程度に応じて係数を設定することができる。すなわち、ローン商品毎に属性情報の項目に応じた係数を用意し、ユーザにローン商品を提案する場合、属性情報を解析して判定した融資条件の良い金融機関や金融商品を優先的に提案することができる。
【0033】
図2は、本発明の実施形態に係る物件検索装置10の機能ブロックを示す図である。物件検索装置10は、属性情報取得部11、取得部12、算出部13、検索部14、第1修正部15、第2修正部16及び第3修正部17を備える。これらの機能部は、必ずしも物件検索装置10が物理的に備える構成と対応するものでなくてもよく、物件検索装置10が物理的に備えるメモリに記憶された物件検索プログラムを、物件検索装置10が物理的に備えるプロセッサによって実行することにより実現されものであってよい。
【0034】
属性情報取得部11は、ユーザ端末装置30からユーザの属性情報を取得する。ここで、ユーザの属性情報は、ユーザの年齢、年収、職業の種類、雇用形態、勤務先の属性、勤続年数、婚姻の有無、扶養家族の人数及び負債の額を含んでよい。なお、雇用形態は、勤務先における職位に関する情報や、雇用契約の種類に関する情報を含んでよい。また、勤務先の属性としては、勤務先が官公庁であるか、東京証券取引所の市場第一部に上場している企業か、非上場で従業員の数が所定の数よりも多いか、個人経営であるか、といった情報を含んでよい。
【0035】
取得部12は、属性情報取得部11によりユーザ端末装置30から取得されたユーザの属性情報に基づいて、ユーザが借り入れることのできる借入可能額及びユーザに適用される借入金利を取得する。取得部12は、ユーザの属性情報をローン算出装置20に送信し、ローン算出装置20により算出されたユーザが借り入れることのできる借入可能額及びユーザに適用される借入金利を取得する。なお、物件検索装置10とローン算出装置20が一体である場合、物件検索装置10はローン算出部を備えることとなり、取得部12は、ローン算出部からユーザの借入可能額及び適用金利を取得する。
【0036】
算出部13は、取得部12により取得された借入可能額及び借入金利に基づいて、ユーザの月当たりの返済額を算出する。算出部13は、ユーザによる返済方法の選択や、ユーザによる金利の選択に基づいて、月当たりの返済額を算出してよい。
【0037】
検索部14は、借入可能額の範囲で購入可能な物件に関する情報及び月当たりの返済額の範囲で賃借可能な物件に関する情報を検索する。検索部14は、取得部12により取得された借入可能額に基づいて、物件情報データベースDB1に記憶された売買物件に関する情報を検索し、借入可能額以下の価格の売買物件に関する情報を検索する。また、検索部14は、算出部13により算出された月当たりの返済額に基づいて、物件情報データベースDB1に記憶された賃貸物件に関する情報を検索し、月当たりの返済額以下の賃料の賃貸物件に関する情報を検索する。検索部14は、検索結果を、属性情報を送信したユーザ端末装置30に送信する。
【0038】
検索部14は、ユーザの選択に応じて、物件の維持管理に関する費用を含めて、借入可能額の範囲で購入可能な物件に関する情報及び月当たりの返済額の範囲で賃借可能な物件に関する情報を検索してよい。ここで、物件の維持管理に関する費用は、物件を管理するための管理費用や修繕のための修繕積立費用を含んでよい。検索部14は、物件の維持管理に関する費用を含めた月々の支払額が、月当たりの返済額以下である売買物件及び賃貸物件を検索してよい。また、物件の維持管理に関する費用の総額を借入可能額から引いた額に基づいて、月当たりの返済額を算出し、売買物件及び賃貸物件を検索してもよい。検索部14は、当然ながら、ユーザから受け付けたその他の絞り込み条件に基づいて、売買物件及び賃貸物件の絞り込み検索を行ってもよい。
【0039】
第1修正部15は、ユーザの収入及び支出の予定を含むライフプランに基づいて、借入可能額及び月当たりの返済額を修正する。第1修正部15は、ユーザ端末装置30からユーザを識別するための情報を受信して、ライフプランデータベースDB2に当該ユーザに関するライフプランが記憶されているか検索し、ライフプランが記憶されている場合に、当該ライフプランに基づいて、当該ユーザの借入可能額及び月当たりの返済額を修正する。例えば、ユーザがまとまった収入を得る予定を有している場合、第1修正部15は、収入の額に応じて、借入可能額及び月当たりの返済額を増額してもよい。また、例えば、ユーザが教育費等の支出を予定している場合、第1修正部15は、支出の額に応じて、借入可能額及び月当たりの返済額を減額してもよい。
【0040】
第2修正部16は、ローン商品データベースDB3に記憶されたローン商品に関する情報に基づいて、借入可能額及び借入金利の少なくともいずれかを修正する。第2修正部16は、ユーザの属性情報に基づいてローン商品データベースDB3を検索して、ユーザが現在利用可能な融資条件を特定し、当該融資条件に基づいて借入可能額及び借入金利の少なくともいずれかを修正してよい。第2修正部16は、算出部13と異なるロジックでユーザの借入可能額及び借入金利を算出してよい。
【0041】
第3修正部17は、物件の属性に関する情報に基づいて、借入可能額及び借入金利の少なくともいずれかを修正する。第3修正部17は、検索部14により検索された売買物件に関する情報のうち、ユーザにより選択された売買物件についての物件の属性に関する情報に基づいて、借入可能額及び借入金利の少なくともいずれかを修正してよい。借入可能額及び借入金利は、物件の担保価値に応じて変動するため、第3修正部17は、物件の属性に関する情報から売買物件の担保価値を推定して、借入可能額及び借入金利を修正する。
【0042】
図3は、本発明の実施形態に係る物件検索装置10により生成され、ユーザ端末装置30に表示される第1画面DP1を示す図である。第1画面DP1は、ユーザ端末装置30からユーザの属性情報の入力を受け付けるために表示される画面である。同図では、ユーザ端末装置30からユーザの属性情報の入力を受け付けた後の状態を示している。
【0043】
第1画面DP1は、属性情報D1と送信ボタンB1を含む。属性情報D1は、表示されている順に、上から、「年齢」、「年収」、「職業」、「雇用形態」、「勤務先」、「勤続年数」、「婚姻」、「扶養家族」及び「負債」の項目を含む。ユーザは、ユーザ端末装置30によってこれらの項目を入力し、情報に誤りが無い場合、送信ボタンB1を押下して、入力した属性情報に基づいて借入可能額及び借入金利の算出を行うことをリクエストする。
【0044】
本例の場合、属性情報D1の「年齢」の項目は「A歳」であり、「年収」の項目は「X円」であり、「職業」の項目は「B」であり、「雇用形態」の項目は「正社員」であり、「勤務先」の項目は「東証一部上場」であり、「勤続年数」の項目は「Y年」であり、「婚姻」の項目は「既婚」であり、「扶養家族」の項目は「2人」であり、「負債」の項目は「0円」である。ここで、A、X及びYは、ユーザにより入力された数字を表し、Bは、ユーザにより入力された職種を表す。同図に示した項目は一例であり、これらの項目の全部又は一部は必須の入力項目であってもよいし、任意の入力項目であってもよい。また、ユーザの属性情報として、ここに例示した項目以外の項目の入力を受け付けてもよい。
【0045】
図4は、本発明の実施形態に係る物件検索装置10により生成され、ユーザ端末装置30に表示される第2画面を示す図である。第2画面DP2は、ユーザの属性情報に応じて算出された借入可能額及び借入金利を表示し、返済条件の入力を受け付ける画面である。
【0046】
第2画面DP2は、借入情報D2と、返済条件D3と、管理費選択ボタンB2と、検索ボタンB3と、修正ボタンB4と、を含む。借入情報D2は、表示されている順に、上から、「借入可能額」と「借入金利」の項目を含む。また。返済条件D3は、表示されている順に、上から、「頭金」、「ボーナス返済」、「金利」及び「返済方法」の項目を含む。ユーザは、ユーザ端末装置30によって、返済条件D3の「頭金」、「ボーナス返済」、「金利」及び「返済方法」の項目を編集することができる。ここで、「金利」は、借入情報D2に表示された「借入金利」の中から選択することとなる。ユーザは、返済条件D3の編集を行い、管理費等を含めて物件を検索するか否かを管理費選択ボタンB2のラジオボタンで選択して、情報に誤りが無い場合、検索ボタンB3を押下して、算出された借入可能額と、選択された借入金利を含む返済条件D3とに基づいて、売買物件及び賃貸物件の検索を行う。入力した属性情報を修正する場合、修正ボタンB4を押下して
図3に示した第1画面DP1に戻り、属性情報を修正することができる。
【0047】
本例の場合、借入情報D2の「借入可能額」の項目は「4000万円」であり、「借入金利」の項目は、「変動:0.75%」、「5年固定:0.9%」、「10年固定:1%」、「20年固定:1.35%」及び「35年固定:1.475%」の5つの小項目を含む。同図に示した項目及び数値は一例であり、借入可能額や借入金利は、市況に応じて変動する数値であってよい。
【0048】
本例の場合、返済条件D3の「頭金」の項目は「0円」であり、「ボーナス返済」の項目は「なし」であり、「金利」の項目は「35年固定」であり、「返済方法」の項目は「元利均等払い」である。ユーザは、ユーザ端末装置30によって、返済条件D3に含まれる各項目について、任意の数値や条件を入力することができる。例えば、「金利」の項目について、借入情報D2の「借入金利」の項目に示された5つの小項目のうちの1つを選択することができるし、「返済方法」の項目について、元利均等払いに替えて元金均等払いを選択することができる。
【0049】
図5は、本発明の実施形態に係る物件検索装置10により生成され、ユーザ端末装置30に表示される第3画面DP3を示す図である。第3画面DP3は、
図4で示した借入情報D2及び返済条件D3に基づいて物件情報を検索した検索結果を表示する画面である。
【0050】
第3画面DP3は、月々支払い額範囲D4と、価格範囲D5と、再検索ボタンB5と、第1検索結果D6と、第2検索結果D7と、を含む。月々支払い額範囲D4は、物件情報の検索に用いた月々支払い額の下限と上限の表示を含む。本例では、月々支払額の下限は設定されておらず、月々支払額の上限には算出された月当たりの返済額が設定されている。再検索ボタンB5は、月々支払い額範囲D4や価格範囲D5を変更した場合に、変更後の条件に基づいて物件情報を再検索するためのボタンである。価格範囲D5は、物件情報の検索に用いた物件価格の下限と上限の表示を含む。本例では、物件価格の下限は設定されておらず、物件価格の上限には取得された借入可能額が設定されている。第1検索結果D6は、売買物件である中古マンションの検索結果であり、第1詳細閲覧ボタンB6を含む。また、第2検索結果D7は、賃貸物件である賃貸マンションの検索結果であり、第2詳細閲覧ボタンB7を含む。同図では、2件の検索結果を図示しているが、検索結果は3件以上あってよく、第3画面DP3のスクロールバーを操作することで閲覧できるようになっていてよい。ユーザは、第1検索結果D6、第2検索結果D7及び同図に図示されていないその他の検索結果を閲覧し、売買物件と賃貸物件を比較検討することができる。なお、同図では、検索の条件として月々支払い額範囲D4及び価格範囲D5を示しているが、第3画面DP3には、物件の立地や間取り等に関する絞り込み条件の入力フォームが含まれてよく、再検索ボタンB5によって再検索を行う場合には、月々支払い額範囲D4及び価格範囲D5以外の絞り込み条件をも加味して、物件情報の再検索を行ってもよい。
【0051】
第1検索結果D6及び第2検索結果D7は、「交通」、「所在地」、「構造/階数」及び「築年数」の項目を含む。これらの項目は、物件の一般的な情報である。また、第1検索結果D6は、「階」、「価格」及び「月々支払い額」の項目を含み、第2検索結果D7は、「階」、「賃料」及び「管理費等」の項目を含む。これらの項目は、購入又は賃借する部屋に関する情報である。
【0052】
本例の場合、第1検索結果D6の「交通」の項目は「C駅徒歩3分」であり、「所在地」の項目は「東京都」であり、「構造/階数」の項目は「RC/28階建」であり、「築年数」の項目は「築1年」である。また、第1検索結果D6の「階」の項目は「3階」であり、「価格」の項目は「3890万円」であり、「月々支払い額」の項目は「11.5万円」である。なお、第1検索結果D6は、管理費等を含めて検索された結果であり、「月々支払い額」には、物件の維持管理に関する費用が含まれている。また、同図では限られた項目のみを例示したが、売買物件の検索結果はこれら以外の項目を含んでいてもよいし、第1詳細閲覧ボタンB6が押下された場合により詳細な項目を示してもよい。例えば、物件の間取りに関する情報や内部を撮影した写真が表示されてもよい。
【0053】
本例の場合、第2検索結果D7の「交通」の項目は「C駅徒歩4分」であり、「所在地」の項目は「東京都」であり、「構造/階数」の項目は「RC/8階建」であり、「築年数」の項目は「築2年」である。また、第2検索結果D7の「階」の項目は「5階」であり、「賃料」の項目は「11万円」であり、「管理費等」の項目は「1万円」である。なお、第2検索結果D7は、管理費等を含めて検索された結果であり、「賃料」と「管理費等」の合計額が月当たりの返済額以下となる物件が検索結果として抽出されている。同図では限られた項目のみを例示したが、賃貸物件の検索結果はこれら以外の項目を含んでいてもよいし、第2詳細閲覧ボタンB7が押下された場合に詳細な項目を示してもよい。例えば、物件の間取りに関する情報や内部を撮影した写真が表示されてもよい。
【0054】
このように、本実施形態に係る物件検索装置10によれば、ユーザの属性情報を反映した借入可能額及び借入金利に基づいて、月当たりの返済額が算出され、借入可能額の範囲で購入可能な売買物件と、月当たりの返済額の範囲で賃借可能な賃貸物件と、が検索される。そのため、ユーザの属性に応じた条件で、売買物件と賃貸物件の比較を容易に行うことができる。
【0055】
また、物件の維持管理に関する費用を含めて売買物件及び賃貸物件を検索することで、月当たりの支払総額の観点で売買物件と賃貸物件を比較することができ、より正確な支出の見通しに基づいて売買物件と賃貸物件を比較することができる。
【0056】
図6は、本発明の実施形態に係る物件検索装置10により実行される第1処理を示すフローチャートである。第1処理は、ユーザから属性情報を受け付けて、ユーザに応じた借入可能額及び借入金利に基づいて、月当たりの返済額を算出する処理である。
【0057】
はじめに、物件検索装置10は、ユーザ端末装置30からユーザの属性情報を受け付ける(S11)。ユーザの属性情報は、例えば
図3に示したような複数の項目を含んでよく、ユーザ端末装置30によって選択又は自由記載されるものであってよい。
【0058】
次に、物件検索装置10は、受け付けた属性情報をローン算出装置20に送信し、ユーザの借入可能額及び借入金利を取得する(S12)。そして、例えば
図4に示したように、取得された借入可能額及び借入金利をユーザ端末装置30に表示させる(S13)。また、ユーザ端末装置30から返済条件の変更を受け付ける(S14)。ここで、入力した属性情報に関して修正がある場合(S15:Yes)、属性情報の受け付けと(S11)、借入可能額及び借入金利の取得(S12)と、借入可能額及び借入金利の表示と(S13)、返済条件の変更の受け付けと(S14)、を再び行う。一方、属性情報の修正が無い場合(S15:No)、物件検索装置10は、取得された借入可能額及び借入金利と、ユーザから受け付けた返済条件とに基づいて、ユーザの月当たりの返済額を算出する(S16)。以上により、物件検索装置10によって実行される第1処理が終了する。
【0059】
図7は、本発明の実施形態に係る物件検索装置10により実行される第2処理を示すフローチャートである。第2処理は、物件検索装置10の検索部14によって、物件の維持管理に関する費用を含めて、売買物件及び賃貸物件の検索を行う処理である。
【0060】
はじめに、物件検索装置10は、ユーザの選択に応じて、物件の維持管理に関する費用を含めて検索を行うか否かを判断する(S21)。物件の維持管理に関する費用を含める場合(S21:Yes)、物件検索装置10は、物件の維持管理に関する費用を含めた物件の取得及び維持に要する支払総額が、借入可能額以下である売買物件を検索する(S22)。また、物件検索装置10は、物件の維持管理に関する費用を含めた物件の賃借に要する月当たりの支払総額が、算出された月当たりの返済額以下の賃貸物件を検索する(S23)。
【0061】
一方、物件の維持管理に関する費用を含めない場合(S21:No)、物件検索装置10は、借入可能額以下の価格で取得できる売買物件を検索する(S24)。また、物件検索装置10は、月当たりの返済額以下の賃料で賃借できる賃貸物件を検索する(S25)。
【0062】
検索結果が得られた後、物件検索装置10は、検索結果をユーザ端末装置30に送信する(S26)。この結果、例えば
図5に示したように、売買物件及び賃貸物件が、それぞれ物件の維持管理に関する費用を含めて検索され、一覧表示される。以上により、物件検索装置10によって実行される第2処理が終了する。
【0063】
図8は、本発明の実施形態に係る物件検索装置10により実行される第3処理を示すフローチャートである。第3処理は、物件検索装置10の第1修正部15によって、ユーザの収入及び支出の予定を含むライフプランに基づいて、借入可能額及び月当たりの返済額を修正した上で、検索部14によって、売買物件及び賃貸物件の検索を行う処理である。
【0064】
はじめに、物件検索装置10は、ライフプランデータベースDB2にユーザのライフプランが登録されているか否かを判断する(S31)。ライフプランの登録がある場合(S31:Yes)、物件検索装置10の第1修正部15は、ライフプランに基づいて、取得部12により取得された借入可能額及び算出部13により算出された月当たりの返済額を修正する(S32)。検索部14は、修正された借入可能額以下の価格で取得できる売買物件を検索し(S33)、修正された月当たりの返済額以下の賃料で賃借できる賃貸物件を検索する(S34)。
【0065】
一方、ライフプランの登録がない場合(S31:No)、物件検索装置10は、借入可能額以下の価格で取得できる売買物件を検索し(S35)、月当たりの返済額以下の賃料で賃借できる賃貸物件を検索する(S36)。
【0066】
検索結果が得られた後、物件検索装置10は、検索結果をユーザ端末装置30に送信する(S37)。この結果、ユーザのライフプランに見合った売買物件及び賃貸物件が一覧表示される。以上により、物件検索装置10によって実行される第3処理が終了する。
【0067】
本実施形態に係る物件検索装置10によれば、物件の購入又は賃借に割り当てられる金額に応じて借入可能額及び月当たりの返済額が修正され、ライフプランを実現するにあたって適切な物件を検索することができる。
【0068】
図9は、本発明の実施形態に係る物件検索装置10により実行される第4処理を示すフローチャートである。第4処理は、物件検索装置10の第2修正部16によって、ローン商品に関する情報に基づいて、借入可能額及び借入金利の少なくともいずれかを修正した上で、検索部14によって、売買物件及び賃貸物件の検索を行う処理である。
【0069】
はじめに、物件検索装置10は、ローン商品データベースDB3を検索して、ユーザが利用可能なローン商品が存在するか否かを判断する(S41)。物件検索装置10は、例えば、ユーザの属性情報に基づいてローン商品データベースDB3を検索してよい。ユーザが利用可能なローン商品がある場合(S41:Yes)、物件検索装置10の第2修正部16は、ローン商品に関する情報に基づいて、取得部12により取得された借入可能額及び借入金利を修正する(S42)。ここで、算出部13は、修正された借入可能額及び借入金利に基づいて、修正されたユーザの月当たりの返済額を算出する。なお、ローン商品に関する情報は、住宅の購入等のために個人が利用することのできる融資の条件を含んでよく、融資額や金利、利用条件等を含んでよい。また、第2修正部16は、借入可能額及び借入金利の一方を修正してもよいし、両方を修正してもよい。検索部14は、修正された借入可能額以下の価格で取得できる売買物件を検索し(S43)、修正された月当たりの返済額以下の賃料で賃借できる賃貸物件を検索する(S34)。
【0070】
一方、ユーザが利用可能なローン商品が存在しない場合(S41:No)、物件検索装置10は、借入可能額以下の価格で取得できる売買物件を検索し(S45)、月当たりの返済額以下の賃料で賃借できる賃貸物件を検索する(S46)。
【0071】
検索結果が得られた後、物件検索装置10は、検索結果をユーザ端末装置30に送信する(S47)。この結果、ユーザが利用可能な融資条件に見合った売買物件及び賃貸物件が一覧表示される。以上により、物件検索装置10によって実行される第4処理が終了する。
【0072】
本実施形態に係る物件検索装置10によれば、ユーザが利用可能なローン商品に関する情報に基づいて、借入可能額及び借入金利の少なくともいずれかが修正されることで、より正確な借入可能額及び借入金利を算出することができる。そのため、月当たりの返済額をより正確に算出することができ、より正確にユーザの個別事情を反映した売買物件及び賃貸物件の検索が行われる。
【0073】
以上説明した第2処理、第3処理及び第4処理は、独立して実行することもできるし、組み合わせて実行することもできる。例えば、物件の維持管理に関する費用を含めて、売買物件及び賃貸物件の検索を行う処理である第2処理と、ユーザの収入及び支出の予定を含むライフプランに基づいて、借入可能額及び月当たりの返済額を修正した上で、売買物件及び賃貸物件の検索を行う第3処理とを組み合わせて実行することができる。
【0074】
図10は、本発明の実施形態に係る物件検索装置10により実行される第5処理を示すフローチャートである。第5処理は、物件検索装置10の第3修正部17によって、物件の属性に関する情報に基づいて、借入可能額及び借入金利の少なくともいずれかを修正した上で、検索部14によって、売買物件及び賃貸物件の検索を行う処理である。第5処理は、物件検索装置10によって売買物件及び賃貸物件の検索が行われて、ユーザ端末装置30に検索結果が表示された後に行われる処理である。
【0075】
はじめに、物件検索装置10は、ユーザ端末装置30から、売買物件の検索結果の選択を受け付ける(S51)。ユーザは、自らの属性情報に応じて算出された借入可能額の範囲で購入可能な売買物件を閲覧し、賃貸物件との比較をより詳しく行うための基準となる売買物件を選択する。物件検索装置10の第3修正部17は、選択された売買物件についての物件の属性に関する情報を物件情報データベースDB1から取得して、物件の属性に関する情報に基づいて、借入可能額及び借入金利の少なくともいずれかを修正する(S52)。ここで、物件の属性に関する情報は、物件の種類に関する情報、築年数に関する情報、立地に関する情報及び物件価値の保証情報のうち少なくともいずれかを含む。第3修正部17は、物件の属性に関する情報に基づいて推定される物件の価値に応じて、借入可能額及び借入金利を上方修正又は下方修正する。
【0076】
算出部13は、修正された借入可能額及び借入金利に基づいて、修正された月当たりの返済額を算出し、検索部14は、修正された月当たりの返済額以下の賃料で賃借可能な賃貸物件を検索する(S53)。そして、物件検索装置10は、検索された賃貸物件を、ユーザ端末装置30に送信する(S54)。この結果、選択された売買物件の担保価値を加味して修正された借入可能額及び借入金利を用いて、賃貸物件を検索した結果が一覧表示される。以上により、物件検索装置10によって実行される第5処理が終了する。
【0077】
本実施形態に係る物件検索装置10によれば、物件の属性に応じて借入可能額及び借入金利が変動する場合があるという取引実態を反映するように、借入可能額及び借入金利の少なくともいずれかを修正することで、購入を希望する売買物件と、賃貸物件との比較がより正確に行えるようになる。
【0078】
また、本実施形態に係る物件検索装置10によれば、物件の種類、築年数、立地及び物件価値の保証情報に基づいて借入可能額及び借入金利の少なくともいずれかを修正することで、ユーザの属性のみならず、購入を希望する売買物件の担保価値に基づいて借入可能額及び借入金利の算出が行われ、売買物件と賃貸物件の比較がより正確に行えるようになる。
【0079】
以上説明した第5処理は、独立して実行することもできるし、第2処理、第3処理及び第4処理と組み合わせて実行することもできる。例えば、第5処理によって借入可能額及び借入金利を上方修正又は下方修正したうえで、物件の維持管理に関する費用を含めて、賃貸物件の検索を行う第2処理を実行することができる。
【0080】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。