特許第6989312号(P6989312)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電産サンキョー株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6989312-ダンパ装置 図000002
  • 特許6989312-ダンパ装置 図000003
  • 特許6989312-ダンパ装置 図000004
  • 特許6989312-ダンパ装置 図000005
  • 特許6989312-ダンパ装置 図000006
  • 特許6989312-ダンパ装置 図000007
  • 特許6989312-ダンパ装置 図000008
  • 特許6989312-ダンパ装置 図000009
  • 特許6989312-ダンパ装置 図000010
  • 特許6989312-ダンパ装置 図000011
  • 特許6989312-ダンパ装置 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6989312
(24)【登録日】2021年12月6日
(45)【発行日】2022年1月5日
(54)【発明の名称】ダンパ装置
(51)【国際特許分類】
   F25D 17/08 20060101AFI20211220BHJP
【FI】
   F25D17/08 313
   F25D17/08 308
【請求項の数】12
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-136871(P2017-136871)
(22)【出願日】2017年7月13日
(65)【公開番号】特開2019-20009(P2019-20009A)
(43)【公開日】2019年2月7日
【審査請求日】2020年7月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】日本電産サンキョー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】坂本 学
【審査官】 関口 勇
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−200475(JP,A)
【文献】 米国特許第05333835(US,A)
【文献】 特開2017−072325(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 17/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を覆うように配置される可動カバーと、
前記可動カバーを前記開口部に接近する閉方向と前記開口部から離間する開方向に直線駆動する駆動ユニットと、
前記駆動ユニットを支持する支持体と、
を有し、
前記駆動ユニットは、前記駆動ユニットから前記可動カバーへの伝達部より前記開口部の側で前記可動カバーの駆動方向と直交する方向に張り出したフランジ部を備え、
前記可動カバーが最も前記閉方向に移動した際に前記可動カバーが前記開方向の側から前記フランジ部に接近して前記可動カバーと前記駆動ユニットとの間からの流体の漏れが抑制され
前記駆動ユニットは、駆動源と、外周面に螺旋状の凸部または凹部からなる係合部が形成され、前記駆動源に駆動されて前記可動カバーに移動方向に沿って延在する軸線周りに回転する回転体と、を有し、
前記可動カバーは、前記回転体の前記係合部が形成されている部分が内側に配置された回転体配置穴と、前記回転体配置穴の内周面で前記係合部と係合して前記係合部と送りねじ機構を構成する被係合部と、を備え、
前記伝達部は、前記係合部と前記被係合部とが係合している部分であり、
前記フランジ部は、前記回転体に形成されていることを特徴とするダンパ装置。
【請求項2】
開口部を覆うように配置される可動カバーと、
前記可動カバーを前記開口部に接近する閉方向と前記開口部から離間する開方向に直線駆動する駆動ユニットと、
前記駆動ユニットを支持する支持体と、
を有し、
前記駆動ユニットは、前記駆動ユニットから前記可動カバーへの伝達部より前記開口部の側で前記可動カバーの駆動方向と直交する方向に張り出したフランジ部を備え、
前記可動カバーが最も前記閉方向に移動した際に前記可動カバーが前記開方向の側から前記フランジ部に接近して前記可動カバーと前記駆動ユニットとの間からの流体の漏れが抑制され、
前記駆動ユニットは、駆動源と、外周面に螺旋状の凸部または凹部からなる係合部が形
成され、前記駆動源に駆動されて前記可動カバーに移動方向に沿って延在する軸線周りに回転する回転体と、を有し、
前記可動カバーは、前記回転体の前記係合部が形成されている部分が内側に配置された回転体配置穴と、前記回転体配置穴の内周面で前記係合部と係合して前記係合部と送りねじ機構を構成する被係合部と、を備え、
前記伝達部は、前記係合部と前記被係合部とが係合している部分であり、
前記回転体配置穴の内周面には、前記被係合部から周方向にずれた位置に切り欠きが形成され、
前記回転体配置穴には、前記切り欠きが形成されている位置に径方向内側に突出した凸部が形成されていることを特徴とするダンパ装置。
【請求項3】
開口部を覆うように配置される可動カバーと、
前記可動カバーを前記開口部に接近する閉方向と前記開口部から離間する開方向に直線駆動する駆動ユニットと、
前記駆動ユニットを支持する支持体と、
を有し、
前記駆動ユニットは、前記駆動ユニットから前記可動カバーへの伝達部より前記開口部の側で前記可動カバーの駆動方向と直交する方向に張り出したフランジ部を備え、
前記可動カバーが最も前記閉方向に移動した際に前記可動カバーが前記開方向の側から前記フランジ部に接近して前記可動カバーと前記駆動ユニットとの間からの流体の漏れが抑制され、
前記駆動ユニットは、駆動源と、外周面に螺旋状の凸部または凹部からなる係合部が形成され、前記駆動源に駆動されて前記可動カバーに移動方向に沿って延在する軸線周りに回転する回転体と、を有し、
前記可動カバーは、前記回転体の前記係合部が形成されている部分が内側に配置された回転体配置穴と、前記回転体配置穴の内周面で前記係合部と係合して前記係合部と送りねじ機構を構成する被係合部と、を備え、
前記伝達部は、前記係合部と前記被係合部とが係合している部分であり、
前記支持体には、前記可動カバーに対して前記閉方向の側にファンが支持され、
記可動カバーは、前記ファンに前記開方向で対向する端板部と、前記ファンの周りを囲むように前記端板部から前記閉方向に向けて突出した筒状胴部と、を備え、
前記端板部に前記回転体配置穴が形成され、
前記支持体と前記ファンとは連結軸を介して連結されていることを特徴とするダンパ装置。
【請求項4】
前記支持体は、前記駆動ユニットを前記開口部が位置する側とは反対側から支持していることを特徴とする請求項1から3までの何れか一項に記載のダンパ装置。
【請求項5】
前記フランジ部および前記可動カバーの一方側は、他方側に向けて前記伝達部の周りを囲むように突出した筒状リブを備え、
前記可動カバーが最も前記閉方向に移動した際、前記可動カバーと前記フランジ部とは前記筒状リブを介して接近することを特徴とする請求項1から4までの何れか一項に記載のダンパ装置。
【請求項6】
前記回転体配置穴の内周面には、前記被係合部から周方向にずれた位置に切り欠きが形成されていることを特徴とする請求項1または3に記載のダンパ装置。
【請求項7】
前記回転体配置穴には、前記切り欠きが形成されている位置に径方向内側に突出した凸部が形成されていることを特徴とする請求項2または6に記載のダンパ装置。
【請求項8】
前記支持体には、前記可動カバーに対して前記閉方向の側にファンが支持され、
前記可動カバーは、前記ファンに前記開方向で対向する端板部と、前記ファンの周りを囲むように前記端板部から前記閉方向に向けて突出した筒状胴部と、を備え、
前記端板部に前記回転体配置穴が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のダンパ装置。
【請求項9】
前記ファンは遠心ファンであることを特徴とする請求項3または8に記載のダンパ装置。
【請求項10】
前記支持体と前記ファンとは連結軸を介して連結されていることを特徴とする請求項3、8、9の何れか一項に記載のダンパ装置。
【請求項11】
前記可動カバーが最も前記閉方向に移動した際に前記可動カバーが前記開方向の側から前記フランジ部に当接することを特徴とする請求項1から10までの何れか一項に記載のダンパ装置。
【請求項12】
前記開口部を介して冷気が供給されることを特徴とする請求項1から11までの何れか一項に記載のダンパ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体通路に取り付けられるダンパ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
換気口や、冷気などの流体が流れる流体通路の開口部にダンパ装置を設け、流体の流れを制御することが提案されている(特許文献1参照)。また、ダンパ装置として、開口部を覆う可動カバーを開方向および閉方向に直線駆動して、開口部の開閉を行うことが提案されている(特許文献2参照)。特許文献2に記載のダンパ装置では、開口部が形成された隔壁板に支持された支持体によって隔壁板から離間する位置に駆動ユニットを固定し、駆動ユニットの回転体の回転を送りねじ機構を介して可動カバーに伝達することによって可動カバーを直動させている。ここで、可動カバーは、隔壁板に対向する端板部と、端板部から隔壁板に向けて突出した筒状胴部とを備えており、隔壁板において回転体が内側を貫通する回転体配置穴の内周面に形成された被係合部と回転体の外周面に形成された螺旋状の係合部とによって送りねじ機構が構成されている。ここで、回転体配置穴の内周面には切り欠きが形成されており、切り欠きによって形成された隙間を通して結露した水を流出させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−118317号公報
【特許文献2】特開2015−200475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2のダンパ装置では、駆動ユニットから可動カバーへの伝達部(送りねじ機構)等に隙間が空いている。また、カバーの回転体配置穴に形成した切り欠きに起因する隙間が形成されている。このため、カバーを最も閉方向に移動させたときでも、上記の隙間から流体が漏れるという問題点がある。
【0005】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、可動カバーを最も閉方向に移動させた際の流体の漏れを抑制することのできるダンパ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のダンパ装置は、開口部を覆うように配置される可動カバーと、前記可動カバーを前記開口部に接近する閉方向と前記開口部から離間する開方向に直線駆動する駆動ユニットと、前記駆動ユニットを支持する支持体と、を有し、前記駆動ユニットは、前記駆動ユニットから前記可動カバーへの伝達部より前記開口部の側で前記可動カバーの駆動方向と直交する方向に張り出したフランジ部を備え、前記可動カバーが最も前記閉方向に移動した際に前記可動カバーが前記開方向の側から前記フランジ部に接近して前記可動カバーと前記駆動ユニットとの間からの流体の漏れが抑制され、前記駆動ユニットは、駆動源と、外周面に螺旋状の凸部または凹部からなる係合部が形成され、前記駆動源に駆動されて前記可動カバーに移動方向に沿って延在する軸線周りに回転する回転体と、を有し、前記可動カバーは、前記回転体の前記係合部が形成されている部分が内側に配置された回転体配置穴と、前記回転体配置穴の内周面で前記係合部と係合して前記係合部と送りねじ機構を構成する被係合部と、を備え、前記伝達部は、前記係合部と前記被係合部とが係合している部分であり、前記フランジ部は、前記回転体に形成されていることを特徴とする。
【0007】
また、本発明のダンパ装置は、開口部を覆うように配置される可動カバーと、前記可動カバーを前記開口部に接近する閉方向と前記開口部から離間する開方向に直線駆動する駆動ユニットと、前記駆動ユニットを支持する支持体と、を有し、前記駆動ユニットは、前記駆動ユニットから前記可動カバーへの伝達部より前記開口部の側で前記可動カバーの駆
動方向と直交する方向に張り出したフランジ部を備え、前記可動カバーが最も前記閉方向に移動した際に前記可動カバーが前記開方向の側から前記フランジ部に接近して前記可動カバーと前記駆動ユニットとの間からの流体の漏れが抑制され、前記駆動ユニットは、駆動源と、外周面に螺旋状の凸部または凹部からなる係合部が形成され、前記駆動源に駆動されて前記可動カバーに移動方向に沿って延在する軸線周りに回転する回転体と、を有し、前記可動カバーは、前記回転体の前記係合部が形成されている部分が内側に配置された回転体配置穴と、前記回転体配置穴の内周面で前記係合部と係合して前記係合部と送りねじ機構を構成する被係合部と、を備え、前記伝達部は、前記係合部と前記被係合部とが係合している部分であり、前記回転体配置穴の内周面には、前記被係合部から周方向にずれた位置に切り欠きが形成され、前記回転体配置穴には、前記切り欠きが形成されている位置に径方向内側に突出した凸部が形成されていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明のダンパ装置は、開口部を覆うように配置される可動カバーと、前記可動カバーを前記開口部に接近する閉方向と前記開口部から離間する開方向に直線駆動する駆動ユニットと、前記駆動ユニットを支持する支持体と、を有し、前記駆動ユニットは、前記駆動ユニットから前記可動カバーへの伝達部より前記開口部の側で前記可動カバーの駆動方向と直交する方向に張り出したフランジ部を備え、前記可動カバーが最も前記閉方向に移動した際に前記可動カバーが前記開方向の側から前記フランジ部に接近して前記可動カバーと前記駆動ユニットとの間からの流体の漏れが抑制され、前記駆動ユニットは、駆動源と、外周面に螺旋状の凸部または凹部からなる係合部が形成され、前記駆動源に駆動されて前記可動カバーに移動方向に沿って延在する軸線周りに回転する回転体と、を有し、前記可動カバーは、前記回転体の前記係合部が形成されている部分が内側に配置された回転体配置穴と、前記回転体配置穴の内周面で前記係合部と係合して前記係合部と送りねじ機構を構成する被係合部と、を備え、前記伝達部は、前記係合部と前記被係合部とが係合している部分であり、前記支持体には、前記可動カバーに対して前記閉方向の側にファンが支持され、記可動カバーは、前記ファンに前記開方向で対向する端板部と、前記ファンの周りを囲むように前記端板部から前記閉方向に向けて突出した筒状胴部と、を備え、前記端板部に前記回転体配置穴が形成され、前記支持体と前記ファンとは連結軸を介して連結されていることを特徴とする。
【0009】
本発明では、駆動ユニットによって可動カバーを開方向に移動させると、開口部から供給された流体を可動カバーの外側に流出させることができる一方、可動カバーを閉方向に移動させると、開口部が覆われるため、流体の流出を抑制することができる。また、駆動ユニットは、駆動ユニットから可動カバーへの伝達部より開口部の側で可動カバーの駆動方向と直交する方向に張り出したフランジ部を備えており、可動カバーが最も閉方向に移動した際に可動カバーが開方向の側からフランジ部に接近する。このため、可動カバーが最も閉方向に移動した際、可動カバーと駆動ユニットとの間からの流体の漏れを抑制することができる。
【0010】
本発明において、前記支持体は、前記駆動ユニットを前記開口部が位置する側とは反対側から支持している態様を採用することができる。本発明では、駆動ユニットのフランジ部と可動カバーとを接近させるため、支持体は、駆動ユニットを開口部が位置する側とは反対側(開方向の側)から支持している態様であっても、可動カバーが最も閉方向に移動した際における可動カバーと駆動ユニットとの間からの流体の漏れを抑制することができる。
【0011】
本発明において、前記フランジ部および前記可動カバーの一方側は、他方側に向けて前記伝達部の周りを囲むように突出した筒状リブを備え、前記可動カバーが最も前記閉方向に移動した際、前記可動カバーと前記フランジ部とは前記筒状リブを介して接近する態様を採用することができる。かかる態様によれば、可動カバーが最も閉方向に移動した際に可動カバーとフランジ部とを確実に接近させることができる。また、可動カバーとフランジ部との接触面積が狭いので、可動カバーとフランジ部とが氷結して動かなくなるという事態が発生しにくい。
【0012】
本発明において、前記回転体配置穴の内周面には、前記被係合部から周方向にずれた位置に切り欠きが形成されている態様を採用することができる。かかる態様によれば、結露した水等を回転体配置穴の切り欠きと回転体との隙間から流出させることができる。この場合、前記回転体配置穴には、前記切り欠きが形成されている位置に径方向内側に突出した凸部が形成されている態様を採用することができる。かかる態様によれば、ダンパ装置を組み立てる際、回転体の係合部が切り欠きに嵌ってしまうという事態を回避することができる。
【0013】
本発明において、前記支持体には、前記可動カバーに対して前記閉方向の側にファンが支持され、前記可動カバーは、前記ファンに前記開方向で対向する端板部と、前記ファンの周りを囲むように前記端板部から前記隔壁に向けて突出した筒状胴部と、を備え、前記端板部に前記回転体配置穴が形成されている態様を採用することができる。
【0014】
本発明において、前記ファンは遠心ファンである態様を採用することができる。本発明において、前記支持体と前記ファンとは連結軸を介して連結されている態様を採用することができる。
【0015】
本発明において、前記可動カバーが最も前記閉方向に移動した際に前記可動カバーが前記開方向の側から前記フランジ部に当接する態様を採用することができる。
【0016】
本発明において、前記開口部を介して冷気が供給される態様を採用することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、駆動ユニットによって可動カバーを開方向に移動させると、開口部から供給された流体を可動カバーの外側に流出させることができる一方、可動カバーを閉方向に移動させると、開口部が覆われるため、流体の流出を抑制することができる。また、駆動ユニットは、駆動ユニットから可動カバーへの伝達部より開口部の側で可動カバーの駆動方向と直交する方向に張り出したフランジ部を備えており、可動カバーが最も閉方向に移動した際に可動カバーが開方向の側からフランジ部に接近する。このため、可動カバーが最も閉方向に移動した際、可動カバーと駆動ユニットとの間からの流体の漏れを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明を適用したダンパ装置の斜視図である。
図2図1に示すダンパ装置において可動カバーが閉位置にある状態の断面図である。
図3図1に示すダンパ装置において支持体を外した状態の分解斜視図である。
図4図1に示すダンパ装置において支持体および可動カバーを外した状態の分解斜視図である。
図5図1に示すダンパ装置において支持体、可動カバー、駆動ユニットおよびファンを外した状態の分解斜視図である。
図6図1に示すダンパ装置に用いた可動カバーを開方向からみた斜視図である。
図7図1に示すダンパ装置に用いた可動カバーを閉方向からみた斜視図である。
図8図1に示すダンパ装置に用いた駆動ユニットを開方向からみた分解斜視図である。
図9図1に示すダンパ装置に用いた駆動ユニットを閉方向からみた分解斜視図である。
図10】図に示す駆動ユニットに用いたギアードモータの分解斜視図である。
図11図4に示すガイド機構の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したダンパ装置の実施の形態を説明する。なお、以下の説明において、回転体の回転中心軸線を軸線Lとし、軸線Lが延在している方向のうち、可動カバー20の開方向にL1を付し、閉方向にL2を付して説明する。また、軸線Lに対して直交する第1方向にYを付し、軸線Lに対して直交し、第1方向Yに交差する第2方向にXを付してある。本形態において、第1方向Yは垂直方向Vであり、第2方向Xは水平方向Hである。また、垂直方向Vの上方にVaを付し、下方Vbを付してある。また、水平方向Hの一方側にHaを付し、他方側にHbを付してある。
【0020】
(全体構成)
図1は、本発明を適用したダンパ装置1の斜視図であり、図1(a)は可動カバー20が閉位置にある状態の斜視図、図1(b)は可動カバー20が開位置にある状態の斜視図である。図2は、図1に示すダンパ装置1において可動カバー20が閉位置にある状態の断面図である。図3は、図1に示すダンパ装置1において支持体10を外した状態の分解斜視図である。図4は、図1に示すダンパ装置1において支持体10および可動カバー20を外した状態の分解斜視図である。図5は、図1に示すダンパ装置1において支持体10、可動カバー20、駆動ユニット30およびファン50を外した状態の分解斜視図である。図6は、図1に示すダンパ装置1に用いた可動カバー20を開方向L1からみた斜視図である。図7は、図1に示すダンパ装置1に用いた可動カバー20を閉方向L2からみた斜視図である。
【0021】
図1図5に示すダンパ装置1は、冷気等の流体が流れるダクト等の流体通路100の開口部110において流体の供給を制御する装置である。本形態において、ダンパ装置1は冷蔵庫において冷気の供給を制御する。ダンパ装置1は、流体通路100の開口部110を覆うように配置される可動カバー20と、可動カバー20を開口部110に接近する閉方向L2と開口部110から離間する開方向L1とに直線駆動する駆動ユニット30と、駆動ユニット30を支持する支持体10とを有している。支持体10は、駆動ユニット30に対して開方向L1の側に位置する板部11を有しており、板部11は駆動ユニット30を開方向L1の側から保持している。
【0022】
ダンパ装置1は、ダンパ装置1を流体通路100に固定するための固定部材60を有している。固定部材60には、流体通路100の開口部110と重なる開口部61が形成されている。従って、可動カバー20は、駆動ユニット30によって、固定部材60の開口部61を覆った閉状態と、固定部材60の開口部61を開放した閉状態とに切り換わる。なお、ダンパ装置1を流体通路100に固定するにあたっては、板部11によってダンパ装置1を固定してもよい。
【0023】
支持体10には、可動カバー20に対して閉方向L2の側にファン50が固定されており、ファン50は固定部材60から開方向L1に突出した状態にある。本形態において、ファン50は遠心ファン51であり、ファン用モータ(図示せず)を支持するプレート52と、ファン用モータの出力軸に連結された羽根車53と、羽根車53の羽根同士を連結する環状連結部54とを備えており、開口部61、110から吸い込んだ冷気を、図1(b)に矢印Cで示すように、回転中心軸線(軸線L)に対して直交する方向に冷気を排出する。
【0024】
従って、図6および図7に示すように、可動カバー20は、ファン50に開方向L1で対向する端板部21と、ファン50の周りを囲むように端板部21から閉方向L2に突出した筒状胴部22とを備えている。
【0025】
本形態では、図1図3図4および図5に示すように、支持体10にファン50を固定するにあたって、支持体10は、板部11から閉方向L2に突出した複数本の連結軸12を備えており、連結軸12の先端部は、ファン50のプレート52に連結されている。本形態において、連結軸12は、3本設けられている。
【0026】
(ガイド機構15の構成)
本形態において、3本の連結軸12は各々、可動カバー20を開方向L1および閉方向L2に移動させる際にガイドするガイド機構15のガイド軸として利用されている。すなわち、3本の連結軸12の1本の連結軸12によって、第1ガイド軸121が構成されており、他の1本の連結軸12によって第2ガイド軸122が構成され、残りの連結軸12によって第3ガイド軸123が構成されている。一方、可動カバー20の筒状胴部22の外周面には、半円形状の突出部23が3個所に形成されており、3個所の突出部23の各々に、第1ガイド軸121が嵌った第1ガイド穴231、第2ガイド軸122が嵌った第2ガイド穴232、および第3ガイド軸123が嵌った第3ガイド穴233が形成されている。本形態において、3本の連結軸12は、軸線Lの周りに等角度間隔に形成されており、従って、3本のガイド軸(第1ガイド軸121、第2ガイド軸122、および第3ガイド軸123)、および3つのガイド穴(第1ガイド穴231、第2ガイド穴232、および第3ガイド穴233)も、軸線Lの周りに等角度間隔に形成されている。
【0027】
(駆動ユニット30の構成)
図8は、図1に示すダンパ装置1に用いた駆動ユニット30を開方向L1からみた分解
斜視図である。図9は、図1に示すダンパ装置1に用いた駆動ユニット30を閉方向L2からみた分解斜視図である。図10は、図8に示す駆動ユニット30に用いたギアードモータ40の分解斜視図である。
【0028】
図8および図9に示すように、駆動ユニット30は、ギアードモータ40と、ギアードモータ40によって軸線L周りに回転する回転体31を有している。回転体31は、円形の底板部32と、底板部32の外縁から開方向L1に突出した円筒部33とを有しており、底板部32の中央には、ギアードモータ40の出力歯車492が嵌るナット部34が形成されている。従って、ギアードモータ40に給電して出力歯車492が回転した際、回転体31は、軸線L周りに回転する。
【0029】
回転体31の閉方向L2の端部には、径方向外側に突出した円環状のフランジ部35が形成されている。フランジ部35は、底板部32に対して閉方向L2で隣接する位置から径方向外側に突出している。かかるフランジ部35は、後述するように、可動カバー20が最も閉方向L2に移動した際、駆動ユニット30と可動カバー20との間からの冷気の漏れを抑制する。なお、フランジ部35の内縁には、水抜き用の穴350が周方向の2個所に形成されている。かかる穴350は、円筒部33に付着した水や、円筒部33から削り落とされた氷片を排出してフランジ部35と可動カバー20との間に氷片が挟まることを防止する部分である。なお、穴350に対して開方向L1で隣り合う位置では、後述する係合部36の端部36aが閉方向L2に突出している。かかる端部36aは、回転体31が反時計CCWに回転して可動カバー20が閉方向L2に移動した際に可動カバー20が当接する度当たり部分になっている。
【0030】
図8図9および図10に示すように、ギアードモータ40は、駆動源であるモータ本体41と、モータ本体41の回転を出力歯車492に伝達する伝達機構45とを有している。本形態において、モータ本体41は、ステッピングモータであり、ステータ410の外周側に給電部411を備えている。ギアードモータ40は、モータ本体41の閉方向L2の端部に固定された取り付け板415に固定された地板42と、地板42に被さるように固定されたカップ状のケース43とを有しており、地板42とケース43との間に伝達機構45が配置されている。地板42とケース43とはねじ44によって結合されている。
【0031】
図10に示すように、伝達機構45は、モータ本体41のモータ軸413に固定されたモータピニオン450と、モータピニオン450と噛み合う第1歯車46と、第1歯車46と噛み合う第2歯車47と、第2歯車47と噛み合う第3歯車48と、第3歯車48と噛み合う第4歯車49とを備えている。第1歯車46、第2歯車47、および第3歯車48は各々、地板42とケース43とに両端が支持された第1支軸460、第2支軸470および第3支軸480に回転可能に支持されている。第4歯車49は、地板42から閉方向L2に突出した円筒部421によって回転可能に支持されている。
【0032】
第1歯車46は、モータピニオン450と噛み合う大径歯車461と、大径歯車461より小径の小径歯車462とが一体に形成された複合歯車である。第2歯車47は、第1歯車46の小径歯車462と噛み合う大径歯車471と、大径歯車471より小径の小径歯車472とが一体に形成された複合歯車である。第3歯車48は、第2歯車47の小径歯車472と噛み合う大径歯車481と、大径歯車481より小径の小径歯車482とが一体に形成された複合歯車である。第4歯車49は、第3歯車48の小径歯車482と噛み合う大径歯車491と、大径歯車491より小径の出力歯車492とが一体に形成された複合歯車である。かかる第4歯車49の出力歯車492は、回転体31のナット部34に嵌った状態でねじ490によって回転体31に固定されており、第4歯車49と回転体31とは一体に回転する。従って、伝達機構45は、減速歯車機構として構成されており
、モータ本体41の回転は、伝達機構45(減速歯車機構)を介して減速して回転体31に伝達される。
【0033】
(回転体31と可動カバー20との伝達部37の構成)
本形態において、回転体31の回転は伝達部37を介して可動カバー20に伝達されて可動カバー20を軸線Lに沿って開方向L1および閉方向L2に駆動する。本形態において、伝達部37は、3本のガイド軸(第1ガイド軸121、第2ガイド軸122、および第3ガイド軸123)、および3つのガイド穴(第1ガイド穴231、第2ガイド穴232、および第3ガイド穴233)を空回り防止機構として利用した送りねじ機構38として構成されている。
【0034】
より具体的には、回転体31の円筒部33の外周面には、螺旋状の凸部または凹部からなる係合部36が形成されている。本形態において、係合部36は、螺旋状に延在する2つの凸部からなり、係合部36は、円筒部33の開方向L1の端部から閉方向L2の端部まで延在している。また、可動カバー20において、端板部21の中央には、回転体31の係合部が形成されている部分(円筒部33)が内側に配置された回転体配置穴25が形成されており、回転体配置穴25の内周面には、係合部36と係合して係合部36と送りねじ機構38を構成する被係合部26が形成されている。本形態において、被係合部26は、螺旋状に延在する溝として構成されており、係合部36は被係合部26の内側に嵌った状態にある。本形態では、溝(被係合部26)を構成するにあたって、回転体配置穴25の内周面の周方向の一部を径方向内側に張り出した肉厚部27とし、かかる肉厚部27に溝(被係合部26)が形成された構造になっている。ここで、被係合部26は、周方向の2個所に形成されている。
【0035】
従って、肉厚部27によって周方向で挟まれた個所は、径方向外側に凹んだ切り欠き28になっている。それ故、図1に示すように、軸線Lを水平に向けて配置した状態で、可動カバー20が開方向L1に移動した際、結露によって回転体31の外周面に付着していた水は、切り欠き28を介して可動カバー20の内側に落下し、その後、可動カバー20から下方に流出する。従って、回転体31の外周面等に結露等が発生しにくい。
【0036】
また、本形態において、回転体配置穴25の内周面には、切り欠き28が形成されている位置に径方向内側に突出した凸部29が形成されている。このため、ダンパ装置1を組み立てる際、回転体31の係合部36が切り欠き28に嵌ってしまうという事態を回避することができる。本形態において、凸部29は切り欠き28の周方向の略中央に形成されている。なお、凸部29は切り欠き28の複数個所に形成されていてもよい。
【0037】
(開状態および閉状態での詳細構成)
本形態のダンパ装置1では、回転体31が軸線L周りに回転した際、可動カバー20の被係合部26(溝)が回転体31の係合部(凸部)に案内される結果、可動カバー20は、軸線Lに沿って開方向L1および閉方向L2に駆動する。
【0038】
より具体的には、回転体31が軸線L周りに時計周りCWの方向に回転すると、かかる回転は、送りねじ機構38を介して可動カバー20に伝達されるので、可動カバー20は、軸線L方向の開方向L1に移動する。その結果、図1(b)に示すように、可動カバー20の筒状胴部22が開口部61から離間するため、固定部材60と可動カバー20との間が開状態となる。このため、流体通路100から供給された冷気は、図1(b)に矢印Cで示すように、ダンパ装置1を介して冷蔵庫の庫内に供給される。
【0039】
これに対して、回転体31が軸線L周りに反時計周りCCWの方向に回転すると、かかる回転は、送りねじ機構38を介して可動カバー20に伝達されるので、可動カバー20
は、軸線L方向の閉方向L2に移動する。その結果、図1(a)に示すように、可動カバー20の筒状胴部22が開口部61に接近するため、固定部材60と可動カバー20との間が閉状態となる。このため、流体通路100から供給された冷気が遮断され、冷蔵庫の庫内への冷気の供給が停止される。
【0040】
本形態では、可動カバー20が最も開方向L1に移動した際、可動カバー20の端板部21は、支持体10の板部11に当接する。ここで、可動カバー20の端板部21では、ガイド穴(第1ガイド穴231、第2ガイド穴232および第3ガイド穴233)が形成されている突出部23は、端板部21の他の部分より開方向L1に突出している。また、端板部21では、回転体配置穴25の縁から開方向L1に円環状の凸部250が形成されているが、突出部23は、円環状の凸部250と同一の高さで開方向L1に突出している。従って、可動カバー20が最も開方向L1に移動した際、可動カバー20の端板部21のうち、突出部23が支持体10の板部11に当接する。
【0041】
また、本形態では、3つの突出部23の各々に、開方向L1に突出した円柱状または半球状の突起230が形成されている。本形態において、3つの突起230は各々、可動カバー20の中心からみたとき、第1ガイド穴231(第1ガイド軸121)に径方向外側で隣り合う個所、第2ガイド穴232(第2ガイド軸122)に径方向外側で隣り合う個所、および第3ガイド穴233(第3ガイド軸123)に径方向外側で隣り合う個所に形成されている。
【0042】
また、本形態では、可動カバー20が最も閉方向L2に移動した際、可動カバー20の端板部21は、図2に示すように、駆動ユニット30の回転体31と可動カバー20との伝達部37(送りねじ機構38)より閉方向L2の側(開口部61の側)で、駆動ユニット30の回転体31に形成されたフランジ部35に開方向L1の側から接近する。従って、可動カバー20が最も閉方向L2に移動した状態において、駆動ユニット30の回転体31と可動カバー20との伝達部37(送りねじ機構38)から冷気の漏れが抑制される。ここで、可動カバー20が最も閉方向L2に移動した際、可動カバー20の端板部21と回転体31のフランジ部35とが当接する構成、およびわずかな隙間を介して離間する構成のいずれであってよく、いずれの場合も、駆動ユニット30の回転体31と可動カバー20との伝達部37(送りねじ機構38)から冷気が漏れることを抑制することができる。また、可動カバー20が最も閉方向L2に移動した際、可動カバー20の端板部21と回転体31のフランジ部35とが当接する構成である場合、駆動ユニット30の回転体31と可動カバー20との伝達部37(送りねじ機構38)から冷気が漏れることをより抑制することができる。
【0043】
本形態において、端板部21には、回転体配置穴25の周りから閉方向L2に突出した円環状の筒状リブ24が形成されており、筒状リブ24は、回転体配置穴25を囲むように形成されている。従って、可動カバー20が最も閉方向L2に移動した際、可動カバー20の端板部21は、筒状リブ24を介して駆動ユニット30の回転体31に形成されたフランジ部35に開方向L1の側から接近する。従って、可動カバー20が最も閉方向L2に移動した状態において、駆動ユニット30の回転体31と可動カバー20との伝達部37(送りねじ機構38)から冷気の漏れが抑制される。
【0044】
(ガイド機構のクリアランス)
図11は、図4に示すガイド機構の説明図であり、ガイド穴が形成されている位置を軸線Lに対して直交する面で切断したときの断面図であり、図11には、ガイド穴(第1ガイド穴231、第2ガイド穴232および第3ガイド穴233)と、ガイド軸(第1ガイド軸121、第2ガイド軸122および第3ガイド軸123)とのクリアランスを拡大した様子も示してある。 図4等を参照して説明したガイド機構15において、第1ガイド
軸121の外周面と第1ガイド穴231の内周面との隙間は、可動カバー20の移動方向に対して直交する第1方向Yにおける寸法Y1が、可動カバー20の移動方向に対して直交し、第1方向Yに対して交差する第2方向Xにおける寸法X1より大である。これに対して、第2ガイド軸122の外周面と第2ガイド穴232の内周面との隙間は、第2方向Xにおける寸法X2が、第1方向Yにおける寸法Y2より大である。また、第3ガイド軸123の外周面と第3ガイド穴233の内周面との隙間は、第2方向Xにおける寸法X3が、第1方向Yにおける寸法Y3より大である。すなわち、第1ガイド穴231、第2ガイド穴232および第3ガイド穴233については、第1ガイド軸121、第2ガイド軸122および第3ガイド軸123と中心を合わせたうえで摺動するのに必要なクリアランスを確保し、かつ、さらに垂直方向Vおよび水平方向Hにおいて最適なクリアランスを設定してある。
【0045】
かかる構成は、例えば、第1ガイド軸121、第2ガイド軸122および第3ガイド軸123については断面真円形状に形成する一方、第1ガイド穴231、第2ガイド穴232および第3ガイド穴233については長円形状に形成することによって実現することができる。また、第1ガイド軸121、第2ガイド軸122および第3ガイド軸123については断面長円形状に形成する一方、第1ガイド穴231、第2ガイド穴232および第3ガイド穴233については真円形状に形成することによっても実現することができる。
【0046】
本形態において、可動カバー20の移動方向(軸線Lの延在方向)、および第2方向Xは水平方向Hであり、第1方向Yは、垂直方向Vである。従って、第1ガイド軸121の外周面と第1ガイド穴231の内周面との隙間は、垂直方向Vにおける寸法が、水平方向Hにおける寸法より大である。これに対して、第2ガイド軸122の外周面と第2ガイド穴232の内周面との隙間は、水平方向Hにおける寸法が、垂直方向Vにおける寸法より大である。また、第3ガイド軸123の外周面と第3ガイド穴233の内周面との隙間は、水平方向Hにおける寸法が、垂直方向Vにおける寸法より大である。従って、本形態では、ガイド軸(第1ガイド軸121、第2ガイド軸122、および第3ガイド軸123)は、ガイド穴(第1ガイド穴231、第2ガイド穴232、および第3ガイド穴233)の内周面のうち、クリアランスが狭い部分と摺動する。本形態において、第1ガイド軸121は、第2ガイド軸122および第3ガイド軸123に対して第1方向Yに対してずれており、第2方向Xにおいて第2ガイド軸122と第3ガイド軸123との間に位置する。また、第2ガイド軸122および第3ガイド軸123は、第1方向Yにおいて同一の位置にある。
【0047】
このように構成したガイド機構において、第1ガイド軸121、第2ガイド軸122および第3ガイド軸123が水平方向Hに配置されている。このため、可動カバー20が、垂直方向Vの下方Vbへの重力が加わった状態で開方向L1および閉方向L2に移動する際、第2ガイド軸122および第3ガイド軸123は各々、第2ガイド穴232の内面の上側部分232a、および第3ガイド穴233の内面の上側部分233aと接した状態で摺動する。
【0048】
また、可動カバー20が開方向L1に移動する際、可動カバー20が時計周りCWに回転しようとするが、その際の回転は、第1ガイド軸121に対して第1ガイド穴231の内面の水平方向Hの一方側Haの部分231aが当接することによって阻止され、この状態で、第1ガイド軸121と第1ガイド穴231の内面の水平方向Hの一方側Haの部分231aとが摺動する。これに対して、可動カバー20が閉方向L2に移動する際、可動カバー20が反時計周りCCWに回転しようとするが、その際の回転は、第1ガイド軸121に対して第1ガイド穴231の内面の水平方向Hの他方側Hbの部分231bが当接することによって阻止され、この状態で、第1ガイド軸121と第1ガイド穴231の内面の水平方向Hの他方側Hbの部分231bとが摺動する。このような場合でも、第1ガイド穴231が長円形であるため、ガタつきが発生しないとともに、クリアランスが少なすぎて可動カバー20が動きにくくなるという事態が発生しにくい。
【0049】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態のダンパ装置1では、駆動ユニット30によって可動カバー20を開方向L1に移動させると、開口部61から供給された冷気を可動カバー20の外側に流出させることができる一方、可動カバー20を閉方向L2に移動させると、開口部61が覆われるため、冷気の流出を停止することができる。
【0050】
また、駆動ユニット30は、駆動ユニット30から可動カバー20への伝達部37(送りねじ機構38)より開口部61の側で可動カバー20の駆動方向(軸線L方向)と直交する方向に張り出したフランジ部35を備えており、可動カバー20が最も閉方向L2に移動した際に可動カバー20が開方向L1の側からフランジ部35に接近する。このため、可動カバー20が最も閉方向L2に移動した際、可動カバー20と駆動ユニット30との間からの冷気の漏れを抑制することができる。
【0051】
また、可動カバー20は、フランジ部35に向けて伝達部37の周りを囲むように突出した筒状リブ24を備えており、可動カバー20が最も閉方向L2に移動した際、可動カバー20とフランジ部35とは筒状リブ24を介して接近する。このため、可動カバー20が最も閉方向L2に移動した際に可動カバー20とフランジ部35とを確実に接近ささせることができる。また、可動カバー20とフランジ部35とが当接する場合でも、筒状リブ24を設ければ、可動カバー20とフランジ部35との接触面積が狭いので、可動カバー20とフランジ部35とが氷結して動かなくなるという事態が発生しにくい。
【0052】
また、可動カバー20を開方向L1から駆動ユニット30のフランジ部35を接近させるため、支持体10が駆動ユニット30を開口部61が位置する側とは反対側(開方向L1の側)から支持している態様であっても、可動カバー20が最も閉方向L2に移動した際、可動カバー20と駆動ユニット30との間からの冷気の漏れを抑制することができる。
【0053】
特に、本形態において、回転体配置穴25の内周面には切り欠き28が形成されているため、結露した水等を回転体配置穴25の切り欠き28と回転体31との隙間から流出させることができる。この場合、可動カバー20が最も閉方向L2に移動した際に切り欠き28から冷気が漏れるおそれがあるが、本形態では、可動カバー20が開方向L1の側からフランジ部35に接近するため、切り欠き28からの冷気の漏れを抑制することができる。
【0054】
また、回転体配置穴25に切り欠き28を設けると、ダンパ装置1を組み立てる際、回転体31の係合部36が切り欠き28に嵌るおそれがあるが、本形態では、切り欠き28に凸部29が形成されている。このため、ダンパ装置1を組み立てる際、回転体31の係合部36が切り欠き28に嵌ってしまうという事態を回避することができる。
【0055】
また、支持体10には、可動カバー20に対して閉方向L2の側に複数の連結軸12を介してファン50が支持されており、かかる複数の連結軸12を利用してガイド機構15が構成されている。このため、可動カバー20を駆動した際、可動カバー20が傾く等の事態が発生しにくい。
【0056】
また、ガイド機構15においては、第1ガイド軸121の外周面と第1ガイド穴231の内周面との隙間は、第1方向Yにおける寸法が、第2方向Xにおける寸法より大であるのに対して、第2ガイド軸122の外周面と第2ガイド穴232の内周面との隙間は、第
2方向にXおける寸法が、第1方向Yにおける寸法より大である。さらに、第3ガイド軸123の外周面と第3ガイド穴233の内周面との隙間は、第2方向Xにおける寸法が、第1方向Yにおける寸法より大である。このため、製造時にクリアランスのばらつきが発生しても、過度な負荷が発生しない。また、温度変化に起因する膨張や収縮が発生しても、過度な負荷が発生しない。従って、可動カバー20による開口部61の開閉をスムーズに行うことができる。特に本形態では、3本のガイド軸(第1ガイド軸121、第2ガイド122、および第3ガイド軸123)を用いているため、可動カバー20を安定した状態にガイドすることができるとともに、隙間が上記の条件を満たしているため、ガイド軸を増やした場合でも、可動カバー20による開口部61の開閉をスムーズに行うことができる。
【0057】
また、ファン50が遠心ファン51であるため、開方向L1の側に可動カバー20が配置されている場合でも、可動カバー20に邪魔されずに冷気を流出させることができる。
また、可動カバー20が最も開方向L1に移動した際に、支持体10と可動カバー20とが当接するが、支持体10と可動カバー20とは、可動カバー20に形成した突起230を介して当接する。このため、支持体10と可動カバー20とが確実に当接する。また、支持体10と可動カバー20とが突起230を介して当接するため、接触面積が狭い。このため、支持体10と可動カバー20とが氷結して動かなくなるという事態が発生しにくい。また、突起230が複数形成されているため、支持体10と可動カバー20とが突起230を介して確実に当接する。しかも、突起230が3個所に形成されているため、支持体10と可動カバー20とが3個所で確実に当接する。また、突起230が形成されている3個所は各々、可動カバー20の中心からみたとき、第1ガイド軸121に径方向外側で隣り合う個所、第2ガイド軸122に径方向外側で隣り合う個所、および第3ガイド軸123に径方向外側で隣り合う個所である。このため、支持体10と可動カバー20とは、可動カバー20の中心から離れた個所で突起230を介して当接するので、支持体10と可動カバー20とが当接した際、可動カバー20が傾きにくい。
【0058】
(他の形態)
上記実施の形態では、ガイド軸を支持体10の側に形成したが、可動カバー20の側にガイド軸を設けてもよい。この場合、支持体10の側にガイド穴を形成することになる。
【0059】
上記実施の形態では、可動カバー20を最も閉方向L2に移動させた際、駆動ユニット30のフランジ部35と可動カバー20とが、可動カバー20に形成した筒状リブ24を介して当接させたが、フランジ部35の側に筒状リブ24を形成してもよい。
【0060】
上記実施の形態では、可動カバー20を最も開方向L1に移動させた際、支持体10と可動カバー20とが、可動カバー20に形成した突起230を介して当接させたが、支持体10の側に突起230を形成してもよい。
上記実施の形態では、支持体10とファン50とを連結する連結軸12をガイド軸として利用したが、連結軸12とガイド軸とを別の軸によって構成してもよい。連結軸12とガイド軸とを別の軸によって構成した場合、ガイド穴とガイド軸との軸線方向の重なりを長くして安定したガイド分を実現することができる。すなわち、連結軸12をガイド軸として利用した場合には、板厚分のみがガイド穴と連結軸12(ガイド軸)との摺動部分になるが、連結軸12とガイド軸とを別の軸によって構成した場合、ガイド穴を構成する部分を厚くしてガイド穴とガイド軸との摺動部分を軸線方向で長くすることが容易である。
【0061】
上記実施の形態では、冷気(流体)が流れる流体通路100に取り付けられるダンパ装置1に本発明を適用したが、冷気以外の各種流体(液体あるいは気体)が流れる流体通路に設けられるダンパ装置1に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0062】
H…水平方向(第2方向)、V…垂直方向(第1方向)L…軸線、L1…開方向、L2…閉方向、X…第2方向、Y…第1方向、1…ダンパ装置、10…支持体、11…板部、12…連結軸、15…ガイド機構、20…可動カバー、21…端板部、22…筒状胴部、23…突出部、24…筒状リブ、25…回転体配置穴、26…被係合部、27…肉厚部、28…切り欠き、29…凸部、30…駆動ユニット、31…回転体、32…底板部、33、421…円筒部、35…フランジ部、36…係合部、37…伝達部、38…送りねじ機構、40…ギアードモータ、41…モータ本体、42…地板、43…ケース、45…伝達機構、50…ファン、51…遠心ファン、52…プレート、53…羽根車、60…固定部材、61、110…開口部、100…流体通路、121…第1ガイド軸、122…第2ガイド軸、123…第3ガイド軸、230…突起、231…第1ガイド穴、232…第2ガイド穴、233…第3ガイド穴
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11