(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
床面に載置される下部構造体に対して天板を有する上部構造体を連結する構造の天板昇降式什器では、天板の高さが高くなるように上部構造体を高い位置にして下部構造体に連結すると、天板がぐらつくなど天板の安定性が低下する虞がある。
【0006】
そこで、本発明は、天板部(天板)の安定性を向上させることができる天板昇降式什器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る天板昇降式什器は、床面に載置される下部構造体と、天板部を備えた上部構造体と、前記下部構造体に前記上部構造体を着脱可能に連結する連結部と、を有し、前記下部構造体に対する前記上部構造体の連結高さを変更可能な天板昇降式什器において、前記下部構造体は、それぞれ上下方向に延びて水平方向に間隔をあけて配置された一対の下部支持脚部と、前記一対の下部支持脚部を互いに連結する補強部材と、を有し、前記上部構造体は、それぞれ上下方向に延びて水平方向に間隔をあけて配置され前記天板部を支持する一対の上部支持脚部を有し、前記連結部は、前記下部支持脚部における前記補強部材の近傍
、かつ前記補強部材の上側および下側の両方で前記下部支持脚部と前記上部支持脚部とを連結していることを特徴とする。
【0008】
本発明では、下部構造体の一対の下部支持脚部が補強部材によって連結されているため、一対の下部支持脚部の相対変位が抑制されて下部構造体を強固な構造とすることができる。特に、下部構造体における一対の下部支持脚部の補強部材の近傍が強固な構造となる。
連結部が補強部材の近傍で下部支持脚部と上部支持脚部とを連結していることにより、上部構造体が下部構造体に安定した状態で支持されることになる。これにより、天板部の高さが高くなるように上部構造体を高い位置に配置した状態で連結部が下部支持脚部と上部支持脚部とを連結しても、下部構造体は、上部構造体を安定した状態に支持することができる。したがって、本発明に係る天板昇降式什器では、天板部の高さにかかわらず、天板部を安定した状態に支持することができる。
下部支持脚部における補強部材の近傍とは、下部支持脚部における補強部材が取り付く取り付け位置の近傍を示している。
また、本発明に係る天板昇降式什器では、前記連結部は、前記補強部材の上側および下側の両方で前記下部支持脚部と前記上部支持脚部とを連結している。
このような構成とすることにより、連結部は上部支持脚部と下部支持脚部とをより安定した状態に連結することができるため、天板部の安定性を向上させることができる。
【0009】
また、本発明に係る天板昇降式什器は、床面に載置される下部構造体と、天板部を備えた上部構造体と、前記下部構造体に前記上部構造体を着脱可能に連結する連結部と、を有し、前記下部構造体に対する前記上部構造体の連結高さを変更可能な天板昇降式什器において、前記下部構造体は、それぞれ上下方向に延びて水平方向に間隔をあけて配置された一対の下部支持脚部を有し、前記上部構造体は、それぞれ上下方向に延びて水平方向に間隔をあけて配置され前記天板部を支持する一対の上部支持脚部と、前記一対の上部支持脚部を互いに連結する補強部材と、を有し、前記連結部は、前記上部構造体を前記下部構造体に対して最上となる位置で連結する際には、前記上部支持脚部における前記補強部材の近傍
、かつ前記補強部材の上側および下側の両方で前記下部支持脚部と前記上部支持脚部とを連結していることを特徴とする。
【0010】
本発明では、上部構造体の一対の上部支持脚部が補強部材によって連結されているため、一対の上部支持脚部の相対変位が抑制されて上部構造体を強固な構造とすることができる。特に、上部構造体における一対の上部支持脚部の補強部材の近傍が強固な構造となる。
上部構造体を下部構造体に対して最上となる位置で連結する際には、連結部が補強部材の近傍で下部支持脚部と上部支持脚部とを連結していることにより、上部構造体が下部構造体に安定した状態で支持されることになる。これにより、天板部の高さが高くなるように上部構造体を高い位置に配置した状態で連結部が下部支持脚部と上部支持脚部とを連結しても、上部構造体は、下部構造体に安定した状態で支持される。したがって、本発明に係る天板昇降式什器では、天板部の高さを高くした場合でも、天板部を安定した状態に支持することができる。
上部支持脚部における補強部材の近傍とは、上部支持脚部における補強部材が取り付く取り付け位置の近傍を示している。
【0011】
また、本発明に係る天板昇降式什器では、前記連結部は、前記補強部材の上側および下側の両方で前記下部支持脚部と前記上部支持脚部とを連結してい
る。
このような構成とすることにより、連結部は上部支持脚部と下部支持脚部とをより安定した状態に連結することができるため、天板部の安定性を向上させることができる。
【0013】
また、本発明に係る天板昇降式什器は、床面に載置される下部構造体と、天板部を備えた上部構造体と、前記下部構造体に前記上部構造体を着脱可能に連結する連結部と、を有し、前記下部構造体に対する前記上部構造体の連結高さを変更可能な天板昇降式什器において、前記下部構造体は、それぞれ上下方向に延びて水平方向に間隔をあけて配置された一対の下部支持脚部と、前記一対の下部支持脚部を互いに連結する補強部材と、を有し、前記上部構造体は、それぞれ上下方向に延びて水平方向に間隔をあけて配置され前記天板部を支持する一対の上部支持脚部を有し、前記連結部は、前記下部支持脚部における前記補強部材の近傍で前記下部支持脚部と前記上部支持脚部とを連結し、前記下部支持脚部は、第1孔部を有し、前記上部支持脚部は、上下方向に間隔をあけて形成された複数の第2孔部を有し、前記連結部は、互いに重なった前記第1孔部および前記第2孔部に挿通されて前記下部支持脚部と前記上部支持脚部とを連結可能な連結ピンを有し、前記連結ピンは、第1連結部材と第2連結部材と、を有し、前記第1連結部材は、前記第1孔部および前記第2孔部を挿通可能であり、めねじまたはおねじが形成された挿入部と、前記挿入部と接合され前記下部構造体および前記上部構造体の一方に当接される第1当接部と、を有し、前記第2連結部材は、前記挿入部に螺合可能なねじ部と、前記ねじ部と接合され前記下部構造体および前記上部構造体の他方に当接される第2当接部と、を有し、前記第1孔部および前記第2孔部に挿通された挿入部にねじ部が螺合され、前記第1当接部と前記第2当接部とが、前記下部支持脚部および前記上部支持脚部を挟持していることを特徴とする
本発明では、下部構造体の一対の下部支持脚部が補強部材によって連結されているため、一対の下部支持脚部の相対変位が抑制されて下部構造体を強固な構造とすることができる。特に、下部構造体における一対の下部支持脚部の補強部材の近傍が強固な構造となる。
連結部が補強部材の近傍で下部支持脚部と上部支持脚部とを連結していることにより、上部構造体が下部構造体に安定した状態で支持されることになる。これにより、天板部の高さが高くなるように上部構造体を高い位置に配置した状態で連結部が下部支持脚部と上部支持脚部とを連結しても、下部構造体は、上部構造体を安定した状態に支持することができる。したがって、本発明に係る天板昇降式什器では、天板部の高さにかかわらず、天板部を安定した状態に支持することができる。
下部支持脚部における補強部材の近傍とは、下部支持脚部における補強部材が取り付く取り付け位置の近傍を示している。
また、本発明に係る天板昇降式什器では、前記下部支持脚部は、第1孔部を有し、前記上部支持脚部は、上下方向に間隔をあけて形成された複数の第2孔部を有し、前記連結部は、互いに重なった前記第1孔部および前記第2孔部に挿通されて前記下部支持脚部と前記上部支持脚部とを連結可能な連結ピンを有してい
る。
このような構成とすることにより、上部構造体を所望の高さに配置し、第1孔部、および上部支持脚部の複数の第2孔部のうちの下部支持脚部の第1孔部と重なる第2孔部に挿通された連結ピンで下部支持脚部と上部支持脚部とを連結すればよいため、下部支持脚部と上部支持脚部とを容易にかつ強固に連結することができる。
また、下部支持脚部と上部支持脚部との連結構造が簡便な構造となるため、天板昇降式什器の製作コストを削減することができる。
また、本発明に係る天板昇降式什器では、前記連結ピンは、第1連結部材と第2連結部材と、を有し、前記第1連結部材は、前記第1孔部および前記第2孔部を挿通可能であり、めねじまたはおねじが形成された挿入部と、前記挿入部と接合され前記下部構造体および前記上部構造体の一方に当接される第1当接部と、を有し、前記第2連結部材は、前記挿入部に螺合可能なねじ部と、前記ねじ部と接合され前記下部構造体および前記上部構造体の他方に当接される第2当接部と、を有し、前記第1孔部および前記第2孔部に挿通された挿入部にねじ部が螺合され、前記第1当接部と前記第2当接部とが、前記下部支持脚部および前記上部支持脚部を挟持している。
このような構成とすることにより、下部支持脚部と上部支持脚部とを容易にかつ強固に連結することができる。また、連結ピンは、第1当接部と第2当接部とが下部支持脚部および上部支持脚部を挟持するため、下部支持脚部と上部支持脚部とを安定した状態に連結することができる。
【0014】
また、本発明に係る天板昇降式什器は、床面に載置される下部構造体と、天板部を備えた上部構造体と、前記下部構造体に前記上部構造体を着脱可能に連結する連結部と、を有し、前記下部構造体に対する前記上部構造体の連結高さを変更可能な天板昇降式什器において、前記下部構造体は、それぞれ上下方向に延びて水平方向に間隔をあけて配置された一対の下部支持脚部を有し、前記上部構造体は、それぞれ上下方向に延びて水平方向に間隔をあけて配置され前記天板部を支持する一対の上部支持脚部と、前記一対の上部支持脚部を互いに連結する補強部材と、を有し、前記連結部は、前記上部構造体を前記下部構造体に対して最上となる位置で連結する際には、前記上部支持脚部における前記補強部材の近傍で前記下部支持脚部と前記上部支持脚部とを連結し、前記下部支持脚部は、第1孔部を有し、前記上部支持脚部は、上下方向に間隔をあけて形成された複数の第2孔部を有し、前記連結部は、互いに重なった前記第1孔部および前記第2孔部に挿通されて前記下部支持脚部と前記上部支持脚部とを連結可能な連結ピンを有し、前記連結ピンは、第1連結部材と第2連結部材と、を有し、前記第1連結部材は、前記第1孔部および前記第2孔部を挿通可能であり、めねじまたはおねじが形成された挿入部と、前記挿入部と接合され前記下部構造体および前記上部構造体の一方に当接される第1当接部と、を有し、前記第2連結部材は、前記挿入部に螺合可能なねじ部と、前記ねじ部と接合され前記下部構造体および前記上部構造体の他方に当接される第2当接部と、を有し、前記第1孔部および前記第2孔部に挿通された挿入部にねじ部が螺合され、前記第1当接部と前記第2当接部とが、前記下部支持脚部および前記上部支持脚部を挟持していることを特徴とする。
本発明では、上部構造体の一対の上部支持脚部が補強部材によって連結されているため、一対の上部支持脚部の相対変位が抑制されて上部構造体を強固な構造とすることができる。特に、上部構造体における一対の上部支持脚部の補強部材の近傍が強固な構造となる。
上部構造体を下部構造体に対して最上となる位置で連結する際には、連結部が補強部材の近傍で下部支持脚部と上部支持脚部とを連結していることにより、上部構造体が下部構造体に安定した状態で支持されることになる。これにより、天板部の高さが高くなるように上部構造体を高い位置に配置した状態で連結部が下部支持脚部と上部支持脚部とを連結しても、上部構造体は、下部構造体に安定した状態で支持される。したがって、本発明に係る天板昇降式什器では、天板部の高さを高くした場合でも、天板部を安定した状態に支持することができる。
上部支持脚部における補強部材の近傍とは、上部支持脚部における補強部材が取り付く取り付け位置の近傍を示している。
また、本発明に係る天板昇降式什器では、前記下部支持脚部は、第1孔部を有し、前記上部支持脚部は、上下方向に間隔をあけて形成された複数の第2孔部を有し、前記連結部は、互いに重なった前記第1孔部および前記第2孔部に挿通されて前記下部支持脚部と前記上部支持脚部とを連結可能な連結ピンを有している。
このような構成とすることにより、上部構造体を所望の高さに配置し、第1孔部、および上部支持脚部の複数の第2孔部のうちの下部支持脚部の第1孔部と重なる第2孔部に挿通された連結ピンで下部支持脚部と上部支持脚部とを連結すればよいため、下部支持脚部と上部支持脚部とを容易にかつ強固に連結することができる。
また、下部支持脚部と上部支持脚部との連結構造が簡便な構造となるため、天板昇降式什器の製作コストを削減することができる。
また、本発明に係る天板昇降式什器では、前記連結ピンは、第1連結部材と第2連結部材と、を有し、前記第1連結部材は、前記第1孔部および前記第2孔部を挿通可能であり、めねじまたはおねじが形成された挿入部と、前記挿入部と接合され前記下部構造体および前記上部構造体の一方に当接される第1当接部と、を有し、前記第2連結部材は、前記挿入部に螺合可能なねじ部と、前記ねじ部と接合され前記下部構造体および前記上部構造体の他方に当接される第2当接部と、を有し、前記第1孔部および前記第2孔部に挿通された挿入部にねじ部が螺合され、前記第1当接部と前記第2当接部とが、前記下部支持脚部および前記上部支持脚部を挟持してい
る。
このような構成とすることにより、下部支持脚部と上部支持脚部とを容易にかつ強固に連結することができる。また、連結ピンは、第1当接部と第2当接部とが下部支持脚部および上部支持脚部を挟持するため、下部支持脚部と上部支持脚部とを安定した状態に連結することができる。
【0015】
また、本発明に係る天板昇降式什器では、前記第1孔部として上側に設けられた上側第1孔部と下側に設けられた下側第1孔部とを有し、前記第2孔部は、前記上側第1孔部および前記下側第1孔部のそれぞれと連通可能に3つ以上設けられ、前記第1連結部材は、前記挿入部として、前記上側第1孔部および前記第2孔部に挿通される上側挿入部と、前記下側第1孔部及び前記第2孔部に挿通される下側挿入部とを有し、前記第1当接部が前記上側挿入部と前記下側挿入部とを連結していてもよい。
このような構成とすることにより、1つの連結ピンによって上側第1孔部および第2孔部に上側挿入部が挿通し、下側第1孔部および第2孔部に下側挿入部が挿通するため、これらの上側挿入部および下側挿入部のそれぞれに第2連結部材のねじ部を螺合させることで、下部支持脚部と上部支持脚部とを強固に連結することができる。
【0016】
また、本発明に係る天板昇降式什器では、挿入部にねじ部が螺合した際に、前記第1当接部と前記第2当接部との間隔を所定の間隔に保持する間隔保持部を有していてもよい。
このような構成とすることにより、第1当接部と第2当接部が過度に下部支持脚部および上部支持脚部を挟持することを防止でき、下部支持脚部および上部支持脚部の変形を防止することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、天板部(天板)の安定性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態による天板昇降式什器について、
図1乃至
図9に基づいて説明する。
図1に示す第1実施形態による天板昇降式什器1Aは、例えば学校などで使用されるデスクで、天板部32の高さを変更可能に構成されている。
本実施形態による天板昇降式什器1Aの天板部32は、平面視形状が横長となる長方形状に形成されている。以下の説明では、天板部32の平面視形状の長方形における短辺が延びる方向を前後方向とし、長辺が延びる方向を左右方向とする。
使用者は、主に天板昇降式什器1Aに対して前後方向の一方側から対向した状態で、天板部32で作業するように設定されている。この前後方向の一方側(天板昇降式什器1Aに対する使用者側)を前側とし、その反対側を後側とする。
以下では、左右方向において、天板昇降式什器1Aの左右方向の両端部に対して天板昇降式什器1の左右方向の中央部がある側を内側とし、天板昇降式什器1Aの左右方向の中央部に対して左右方向の両端部がある側を外側と示す。
【0020】
天板昇降式什器1Aは、床面11に設置される下部構造体2と、天板部32を有し下部構造体2の上側に連結される上部構造体3と、下部構造体2と上部構造体3とを連結する連結ピン4と、を有している。
図1および
図2に示すように、下部構造体2は、左右方向に間隔をあけて床面11に載置される一対のベース部21,21と、一対のベース部21,21それぞれから上側に延びる一対の下部支持脚部22,22と、一対の下部支持脚部22,22の上端部22aの近傍を連結する上側補強部材(補強部材)23と、一対の下部支持脚部22,22の下端部22bの近傍を連結する下側補強部材24と、を有している。
【0021】
図1に示すように、一対のベース部21,21のうちの一方のベース部21Aは、天板昇降式什器1Aの左右方向の一方側の端部近傍に配置され、他方のベース部21Bは、天板昇降式什器1Aの左右方向の他方側の端部近傍に配置されている。一対のベース部21,21は、互いに左右方向に対称となる形状に形成されている。
図1および
図2に示すように、ベース部21は、長尺の部材で、前後方向に延びる向きで床面11に載置されている。本実施形態では、ベース部21には金属製の角パイプが用いられている。また、本実施形態では、ベース部21の前端部分および後端部分は、樹脂製のキャップ25で覆われている。
【0022】
一対の下部支持脚部22,22は、長尺の部材で、一方の下部支持脚部22Aが一方のベース部21Aの前後方向の中間部から上側に延び、他方の下部支持脚部22Bが他方のベース部21Bの前後方向の中間部から上側に延びている。一方の下部支持脚部22Aは、天板昇降式什器1Aの左右方向の一方側の端部近傍に配置され、他方の下部支持脚部22Bは、天板昇降式什器1Aの左右方向の他方側の端部近傍に配置されている。
下部支持脚部22の説明では、一対の下部支持脚部22,22が互いに近接する側が左右方向の内側に相当し、一対の下部支持脚部22,22が互いに離間する側を左右方向の外側に相当する。
一対の下部支持脚部22,22は、互いに左右方向に対称となる形状に形成されている。本実施形態では、下部支持脚部22には、金属製の角パイプが用いられている。
【0023】
図1乃至
図3に示すように、下部支持脚部22は、それぞれ平板状に形成され、前側に配置され板面が前後方向を向く第1前板部221と、後側に配置され板面が前後方向を向く第1後板部222と、第1前板部221の左右方向の内側の端部221a(
図3参照)から第1後板部222の左右方向の内側の端部222a(
図3参照)まで延びて板面が左右方向を向く第1内板部223と、第1前板部221の左右方向の外側の端部221b(
図3参照)から第1後板部222の左右方向の外側の端部222b(
図3参照)まで延びて板面が左右方向を向く第1外板部224と、を有している。
【0024】
一対の下部支持脚部22,22それぞれの第1内板部223には、上側補強部材23が接合されている。
図1に示すように、上側補強部材23は、棒状の部材で、左右方向に延びる向きに配置されている。上側補強部材23は、左右方向(長さ方向)の一方の端部23aが一方の下部支持脚部22Aの第1内板部223に接合され、左右方向の他方の端部23bが他方の下部支持脚部22Bの第1内板部223に接合されている。本実施形態では、上側補強部材23は、金属製の丸パイプが用いられていて、下部支持脚部22に溶接されている。上側補強部材23は、下部支持脚部22の上端部22aよりもやや下側に接合されている。
【0025】
第1内板部223には、上側補強部材23の上側に左右方向に貫通する第1内板部上側孔部223aが形成され、上側補強部材23の下側に左右方向に貫通する第1内板部下側孔部223bが形成されている。上側補強部材23と第1内板部上側孔部223aとの間隔と、上側補強部材23と第1内板部下側孔部223bとの間隔とは、同じ寸法に設定されている。第1内板部上側孔部223aおよび第1内板部下側孔部223bは、互いに同じ径に形成されている。
【0026】
第1外板部224には、上側補強部材23の上側に板面を左右方向に貫通する第1外板部上側孔部224a(第1孔部、上側第1孔部)が形成され、上側補強部材23の下側に左右方向に貫通する第1外板部下側孔部224b(第1孔部、下側第1孔部)が形成されている。上側補強部材23と第1外板部上側孔部224aとの間隔と、上側補強部材23と第1外板部下側孔部224bとの間隔とは、同じ寸法に設定されている。第1外板部上側孔部224aおよび第1外板部下側孔部224bは、互いに同じ径に形成されていて、第1内板部上側孔部223aおよび第1内板部下側孔部223bよりも大径に形成されている。
第1外板部上側孔部224aと第1内板部上側孔部223aとは、それぞれの中心が同じ高さに配置されている。第1外板部下側孔部224bと第1内板部下側孔部223bとは、それぞれの中心が同じ高さに配置されている。
【0027】
一対の下部支持脚部22,22それぞれの第1後板部222には、下側補強部材24が接合されている。
下側補強部材24は、C字形(コの字形)に屈曲した棒状の部材に形成されている。
図1に示すように、下側補強部材24は、一方の端部24aが一方の下部支持脚部22Aの第1後板部222に接合され、他方の端部24bが他方の下部支持脚部22Bの第1後板部222に接合されている。下側補強部材24は、一対の下部支持脚部22,22それぞれの第1後板部222から後側に延びる一対の第1棒状部241,241と、一対の第1棒状部241,241の後側端部どうしを連結する第2棒状部242と、を有している。
【0028】
本実施形態では、下側補強部材24は、金属製の丸パイプで、一対の第1棒状部241,241と第2棒状部242とが一体に形成されている。下側補強部材24は、両端部24a,24bが下部支持脚部22に溶接されている。下側補強部材24は、下部支持脚部22の下端部22bよりもやや上側に接合されている。
一対の第1棒状部241,241は、一対のベース部21,21の上方に配置されている。第2棒状部242は、一対のベース部21,21の後端部よりも前側に配置されている。
【0029】
図1および
図4に示すように、上部構造体3は、それぞれ下部支持脚部22に連結される一対の上部支持脚部31,31と、一対の上部支持脚部31,31に支持された天板部32と、天板部32を補強する一対の天板補強部33,33と、天板部32の下側に設けられた収納部34と、を有している。
【0030】
一対の上部支持脚部31,31は、それぞれ長尺に形成され、上下方向に延びる向きに配置されている。一対の上部支持脚部31,31のうちの一方の上部支持脚部31Aが一方の下部支持脚部22Aに着脱可能に構成され、他方の上部支持脚部31Bが他方の下部支持脚部22Bに着脱可能に構成されている。
一方の上部支持脚部31Aは、天板昇降式什器1Aの左右方向の一方側の端部近傍に配置され、他方の上部支持脚部31Bは、天板昇降式什器1Aの左右方向の他方側の端部近傍に配置されている。
上部支持脚部31の説明では、一対の上部支持脚部31,31が互いに近接する側が左右方向の内側に相当し、一対の上部支持脚部31,31が互いに離間する側を左右方向の外側に相当する。
一対の上部支持脚部31,31は、互いに左右方向に対称となる形状に形成されている。本実施形態では、上部支持脚部31には、断面形状がC字形状(コの字形状)に形成され長さ方向全体にわたって溝部(空部)314が形成された金属製のチャンネル材が用いられている。
【0031】
上部支持脚部31は、それぞれ平板状に形成されて、前側に配置されて板面が前後方向を向く第2前板部311と、後側に配置されて板面が前後方向を向く第2後板部312と、第2前板部311の左右方向の外側の端部311a(
図5参照)から第2後板部312の左右方向の外側の端部312b(
図5参照)まで延びて板面が左右方向を向く第2外板部313と、を有している。
【0032】
上部支持脚部31の溝部314は、第2前板部311、第2後板部312および第2外板部313に囲まれていて、左右方向の内側に開口している。溝部314は、下部支持脚部22を挿入可能な形状に形成されている。
図1に示すように、溝部314に下部支持脚部22が挿入されると、下部支持脚部22の第1前板部221の前側に上部支持脚部31の第2前板部311が配置され、下部支持脚部22の第1後板部222の後側に上部支持脚部31の第2後板部312が配置され、下部支持脚部22の外板部224の左右方向の外側に上部支持脚部31の第2外板部313が配置される。
下部支持脚部22と上部支持脚部31とは、上部支持脚部31の溝部314に下部支持脚部22が挿入された状態で連結される。
【0033】
図1、
図4および
図5に示すように、第2外板部313には、板面を左右方向に貫通する第2外板部孔部(第2孔部)313aが上下方向に間隔をあけて複数配置されている。
第2外板部孔部313aは、下部支持脚部22の第1外板部上側孔部224aおよび第1外板部下側孔部224bと同じ径に形成されている。上下方向に隣り合う第2外板部孔部313aの中心間の距離は等しく、下部支持脚部22における第1外板部上側孔部224aの中心と第1外板部下側孔部224bの中心との距離の1/3に設定されている。このため、上部支持脚部31の溝部314に下部支持脚部22が挿入された状態とし、下部支持脚部22に対して上部支持脚部31を所望の高さにして第1外板部上側孔部224aに第2外板部孔部313aを重ねると、この第2外板部孔部313aよりも3つ下側にある第2外板部孔部313aが第1外板部下側孔部224bと重なる。
【0034】
図4に示すように、天板部32は、作業面を有する天板本体321と、一対の上部支持脚部31,31それぞれの上端部に接続されて天板本体321が固定される一対の天板本体固定部322,322と、を有している。
天板本体321は、板面が長方形状となる平板状に形成され、板面が上下方向を向く向きに配置されている。天板本体321の上面が作業面として使用者に使用される。天板本体321は、例えば、木製や樹脂製の板材で形成されている。
【0035】
一対の天板本体固定部322,322は、それぞれ長尺に形成され、前後方向に延びる向きに配置されている。一対の天板本体固定部322,322のうちの一方の天板本体固定部322Aは、前後方向(長さ方向)の中間部が一方の上部支持脚部31Aの上端部に接合され、他方の上部支持脚部31Bは、前後方向の中間部が他方の上部支持脚部31Bの上端部に接合されている。
一方の天板本体固定部322Aは、天板昇降式什器1Aの左右方向の一方側の端部近傍に配置され、他方の天板本体固定部322Bは、天板昇降式什器1Aの左右方向の他方側の端部近傍に配置されている。
【0036】
一対の天板本体固定部322,322は、互いに左右方向に対称となる形状に形成されている。本実施形態では、天板本体固定部322は、金属で上端面が平坦面となるように形成されている。
一対の天板本体固定部322,322は、それぞれの上部に天板本体321が載置されて、ネジなどの固定具で天板本体321が固定されている。天板本体固定部322,322の上端面は、天板本体321の下面と当接している。
【0037】
一対の天板補強部33,33は、それぞれ略L字形に屈曲した棒状に形成され、一方の端部33aが上部支持脚部31と接合され、他方の端部33bが天板本体固定部322と接合されている。一対の天板補強部33,33のうちの一方の天板補強部33Aは、前後方向(長さ方向)の中間部が一方の上部支持脚部31Aの上端部に接合され、他方の天板補強部33Bは、前後方向の中間部が他方の上部支持脚部31Bの上端部に接合されている。
一方の天板補強部33Aは、天板昇降式什器1Aの左右方向の一方側の端部近傍に配置され、他方の天板補強部33Bは、天板昇降式什器1Aの左右方向の他方側の端部近傍に配置されている。
【0038】
一対の天板補強部33,33は、互いに左右方向に対称となる形状に形成されている。
天板補強部33は、上部支持脚部31の第2前板部311から前側に延びる第1棒状部331と、第1棒状部331の前側の端部から上側に向かって漸次前側に向かう斜め方向に延び天板本体固定部322の下面と接合される第2棒状部332と、を有している。本実施形態では、天板補強部33に金属製の丸パイプが用いられていて、第1棒状部331と第2棒状部332とは一体に形成されている。天板補強部33は、上部支持脚部31および天板本体固定部322に溶接されている。
天板補強部33は、天板本体固定部322および天板本体321の上部支持脚部31よりも前側が天板本体に作用する上側からの負荷によって下方に傾かないように設けられている。
【0039】
図1および
図4に示すように、収納部34は、天板本体321の下側で、一対の上部支持脚部31,31の間に配置されている。収納部34は、天板本体321の下側に間隔をあけて配置される底板部341と、底板部341の後縁部から上側に延びる後板部342と、底板部341の左右方向の両縁部それぞれから上側に延びる一対の側板部343,343と、を有している。後板部342の左右方向の両縁部と一対の側板部343,343それぞれの後縁部とは接続されている。本実施形態では、収納部34は鋼板などで形成されている。
後板部342および一対の側板部343,343それぞれの上端部は、天板本体321の下面に固定されている。収納部34の底板部341、後板部342、側板部343,343、および天板本体321に囲まれた前方に開口する収納空間344は、物品を収容可能に構成されている。
【0040】
図1および
図6に示すように、連結ピン4は、第1連結部材41と、第1連結部材と接合される2つの第2連結部材42と、を有している。
図6に示すように、第1連結部材41は、平板状の第1当接部411と、第1当接部411の一方の面から突出し内周面にネジ山を有する筒状に形成された2つの挿入部412と、を有している。
【0041】
第1当接部411は、板面が長円状となる長尺に形成されている。第1当接部411の長手方向の両端部近傍それぞれに挿入部412が設けられている。2つの挿入部412の中心の間隔は、第1外板部上側孔部224aの中心と第1外板部下側孔部224bの中心との間隔(
図2参照)と同じ寸法に設定されている。第1当接部411の短手方向の寸法は、下部支持脚部22の前後方向の寸法(第1外板部224の前後方向の寸法、
図2参照)よりもやや小さい寸法に設定されている。
【0042】
挿入部412は、第1外板部上側孔部224a、第1外板部下側孔部224bおよび複数の第2外板部孔部313a(
図2乃至
図5参照)に挿通可能で、第1内板部上側孔部223aおよび第1内板部下側孔部223bには挿通不可能な形状に形成されている。
挿入部412は、軸線方向の一方側の端部が第1当接部411の一方の面に接合されている。
2つの挿入部412のうち、連結ピン4が下部支持脚部22と上部支持脚部31とを連結する際に、上側となり第1外板部上側孔部224aに挿入される方が本発明の上側挿入部に相当し、下側となり第1外板部下側孔部224bに挿入される方が本発明の下側挿入部に相当している。
【0043】
図6に示すように、2つの第2連結部材42は、挿入部412の内部に螺合可能な同じネジで、外周部にネジ山が形成されたねじ部421と、ねじ部421の一方に接続された頭部422(以下、第2当接部422とする)と、を有している。
ねじ部421は、第1内板部上側孔部223aおよび第1内板部下側孔部223bに挿通可能な形状に形成されている。第2当接部422の外径は、第1内板部上側孔部223aおよび第1内板部下側孔部223bの内径よりも大きく、第1内板部上側孔部223aおよび第1内板部下側孔部223bを挿通不可能な寸法に設定されている。
【0044】
次に、下部構造体2と上部構造体3との連結構造について説明する。
図1に示すように、下部構造体2と上部構造体3とは、上部構造体3の上部支持脚部31の溝部314に下部構造体2の下部支持脚部22が配置された状態で連結されている。
図7に示すように、下部支持脚部22の第1前板部221の前側に上部支持脚部31の第2前板部311が配置され、下部支持脚部22の第1後板部222の後側に上部支持脚部31の第2後板部312が配置され、下部支持脚部22の第1外板部224の外側に上部支持脚部31の第2外板部313が配置されている。
下部支持脚部22の第1外板部224に形成された第1外板部上側孔部224aおよび第1外板部下側孔部224bそれぞれは、上部支持脚部31の第2外板部313に形成された第2外板部孔部313aとは、左右方向に重なるように配置されている。
【0045】
第1連結部材41の挿入部412は、左右方向に重なった第1外板部上側孔部224aと第2外板部孔部313a、および第1外板部下側孔部224bと第2外板部孔部313aを介して、第1連結部材41の挿入部412が下部支持脚部22の内部に挿入されている。
下部支持脚部22の内部に挿入された挿入部412の先端部412aは、下部支持脚部22の第1内板部223に第1外板部224側から当接している。第1連結部材41の第1当接部411は、上部支持脚部31の第2外板部313と面接触している。
第2連結部材42のねじ部421は、下部支持脚部22の第1内板部223に形成された第1内板部上側孔部223aおよび第1内板部下側孔部223bを介して下部支持脚部22の内部に挿入され、下部支持脚部22の内部に挿入された挿入部412と螺合している。第2連結部材42の第2当接部422は、第1内板部223と当接している。
連結ピン4は、第1連結部材41の挿入部412と第2連結部材42のねじ部421とが螺合することで第1連結部材41と第2連結部材42とが連結され、第1連結部材41の第1当接部411と第2連結部材42の第2当接部422とが下部支持脚部22および上部支持脚部31を左右方向から挟持して連結している。
【0046】
挿入部412は、先端部412aが下部支持脚部22の第1内板部223に第1外板部224側から当接していることにより、第1内板部223と第1外板部224との間隔を保持する間隔保持部の機能を有している。このため、第1連結部材41と第2連結部材42とが強く締め付けられても、第1内板部223が挿入部412側(第1外板部224側)に変形することが防止されている。
【0047】
上述しているが、上部支持脚部31には、第2外板部孔部313aが上下方向に複数形成されている。このため、下部構造体2に対する上部構造体3の高さを変更しても、下部支持脚部22の第1外板部上側孔部224aおよび第1外板部下側孔部224bは、上部支持脚部31の複数の第2外板部孔部313aのうちのいずれか2つの第2外板部孔部313aと左右方向に重なる位置に配置されることになる。
なお、第1外板部上側孔部224aと重なる第2外板部孔部313aと、第1外板部下側孔部224bと重なる第2外板部孔部313aとは、上下方向に隣接しておらず、間に2つの第2外板部孔部313aを挟んでいる。
【0048】
図8に示すように、天板本体321の高さを高くする場合は、上部構造体3を下部構造体2に対して高い位置で連結する。
上部構造体3の複数の第2外板部孔部313aのうちの下部側の2つの第2外板部孔部313a,313aを下部構造体2の第1外板部上側孔部224aおよび第1外板部下側孔部224bに重ねる。重なった第2外板部孔部313aと第1外板部上側孔部224a、および重なった第2外板部孔部313aと第1外板部下側孔部224bに連結ピン4の第1連結部材41の挿入部412(
図7参照)を挿入する。そして、下部構造体2の第1内板部上側孔部223aおよび第1内板部下側孔部223bに第2連結部材42のねじ部421(
図7参照)を挿入し、挿入されたねじ部421を挿入部412に螺合させて下部構造体2(下部支持脚部22)と上部構造体3(上部支持脚部31)とを連結する。
【0049】
また、
図9に示すように、天板本体321の高さを低くする場合は、上部構造体3を下部構造体2に対して低い位置で連結する。
上部構造体3の複数の第2外板部孔部313aのうちの上部側の2つの第2外板部孔部313a,313aを下部構造体2の第1外板部上側孔部224aおよび第1外板部下側孔部224bに重ねる。そして、上述した天板本体321の高さを高くする場合と同様に連結ピン4で下部構造体2(下部支持脚部22)と上部構造体3(上部支持脚部31)とを連結する。
このようにして、使用者の体格や用途に合わせて天板本体321(天板部32)の高さを変更することができる。
【0050】
次に、上述した第1実施形態による天板昇降式什器1Aの作用・効果について図面を用いて説明する。
第1実施形態による天板昇降式什器1Aでは、下部構造体2の一対の下部支持脚部22,22が上側補強部材23によって連結されているため、一対の下部支持脚部22,22の相対変位が抑制されて下部構造体2を強固な構造とすることができる。特に、下部構造体2における一対の下部支持脚部22,22の上側補強部材23の近傍が強固な構造となる。
連結ピン4は、下部支持脚部22における上側補強部材23の近傍において下部支持脚部22と上部支持脚部31とを連結していることにより、下部構造体2に安定した状態で支持されることになる。これにより、天板部32の高さが高くなるように上部構造体3を高い位置に配置した状態で下部構造体2に連結しても、下部構造体2は、上部構造体3を安定した状態に支持することができる。したがって、本実施形態による天板昇降式什器1Aでは、天板部32の安定性を向上させることができる。
【0051】
また、本実施形態による天板昇降式什器1Aでは、連結ピン4が下部支持脚部22における上側補強部材23の上側および下側の両方おいて下部支持脚部22と上部支持脚部31とを連結している。これにより、一対の上部支持脚部31,31が下部構造体2により安定した状態で支持されることになる。これにより、本実施形態による天板昇降式什器1Aでは、天板部32の安定性をより向上させることができる。
【0052】
また、本実施形態による天板昇降式什器1Aでは、上部支持脚部31の溝部314に下部支持脚部22が挿通された状態で連結ピン4が下部支持脚部22と上部支持脚部31とを連結している。これにより、上部支持脚部31と下部支持脚部22とが確実に連結されるとともに、上部支持脚部31と下部支持脚部22との位置決めを容易に行うことができる。また、天板部32の高さを調整する際に、溝部314に下部支持脚部22が挿通された状態で上下方向にスライドさせればよいため、下部支持脚部22と上部支持脚部31とが離間することを防止できる。
【0053】
また、本実施形態による天板昇降式什器1では、下部構造体2に対する上部構造体3の高さを調整し、下部支持脚部22に形成された第1外板部上側孔部224aおよび第1外板部下側孔部224bに、上部支持脚部31に形成された複数の第2外板部孔部313aのうちの2つの第2外板部孔部313aを重ねて、連結ピン4を挿通させて下部支持脚部22と上部支持脚部31とを連結させている。このような構成であることにより、本実施形態による天板昇降式什器1Aは、下部支持脚部22と上部支持脚部31とを容易にかつ強固に連結することができる。
また、下部支持脚部22と上部支持脚部31との連結構造が簡便な構造となるため、天板昇降式什器1Aの製作コストを削減することができる。
【0054】
また、本実施形態では、連結ピン4は、第1連結部材41の挿入部412と第2連結部材42のねじ部421とが螺合し、第1連結部材41の第1当接部411と第2連結部材42の第2当接部422とで下部支持脚部22および上部支持脚部31を挟持する構成であるため、下部支持脚部22と上部支持脚部31とを容易にかつ強固に連結することができる。
【0055】
また、本実施形態による天板昇降式什器1Aでは、挿入部412は、先端部412aが下部支持脚部22の第1内板部223に第1外板部224側から当接していることにより、第1内板部223と第1外板部224との間隔を保持する間隔保持部の機能を有している。このため、第1連結部材41と第2連結部材42とが強く締め付けられても、第1内板部223が挿入部412側(第1外板部224側)に変形することを防止することができる。
【0056】
(第2実施形態)
次に、他の実施形態について、添付図面に基づいて説明するが、上述の第1実施形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、第1実施形態と異なる構成について説明する。
図10および
図11に示すように、第2実施形態による天板昇降式什器1Bでは、下部構造体2Bが
図1に示す第1実施形態の下部構造体2が有する上側補強部材23および下側補強部材24を有しておらず、下側補強部材24Bを有している。
図10および
図12に示すように、第2実施形態による天板昇降式什器1Bでは、上部構造体3Bが一対の上部支持脚部31,31の下端部31aの近傍を連結する補強部材35を有している。
【0057】
下側補強部材24Bは、棒状の部材で、左右方向に延びる向きに配置されている。下側補強部材24Bは、左右方向(長さ方向)の一方の端部24aが一方のベース部21Aに接合され、左右方向の他方の端部24bが他方のベース部21Bに接合されている。本実施形態では、下側補強部材24Bは、金属製の角パイプが用いられていて、一対のベース部21に溶接されている。下側補強部材24Bは一対のベース部21と略同じ高さ寸法に形成されていて、上面が一対のベース部21それぞれの上面と略面一に配置されている。
【0058】
補強部材35は、C字形(コの字形)に屈曲した棒状の部材に形成されている。
図10に示すように、補強部材35は、一方の端部35aが一方の上部支持脚部31Aの第2後板部312に接合され、他方の端部35bが他方の上部支持脚部31Bの第2後板部312に接合されている。補強部材35は、一対の上部支持脚部31,31それぞれの第2後板部312から後側に延びる一対の第1棒状部351,351と、一対の第1棒状部351,351の後側端部どうしを連結する第2棒状部352と、を有している。
【0059】
本実施形態では、補強部材35は、金属製の丸パイプで、一対の第1棒状部351,351と第2棒状部352とが一体に形成されている。補強部材35は、両端部35a,35bが上部支持脚部31に溶接されている。補強部材35は、上部支持脚部31の下端部31aよりもやや上側に接合されている。
一対の第1棒状部351,351は、一対のベース部21,21の上方に配置されている。第2棒状部352は、一対のベース部21,21の後端部よりも前側に配置されている。
【0060】
このような下部構造体2Bと上部構造体3Bとは、第1実施形態と同様に連結ピン4で連結されている。
天板本体321の高さを高くする場合は、
図13に示すように、上部構造体3Bを下部構造体2Bに対して高い位置で連結する。この場合、連結ピン4は、補強部材35の近傍で下部支持脚部22と上部支持脚部31とを連結している。
なお、本実施形態では、上部構造体3Bを下部構造体2Bに対して最上となる位置で連結する場合には、
図13に示すように、連結ピン4は、補強部材35と同じ高さにおいて下部支持脚部22と上部支持脚部31とを連結している。
【0061】
天板本体321の高さを低くする場合は、
図14に示すように、上部構造体3Bを下部構造体2Bに対して低い位置で連結する。
第2実施形態においても、使用者の体格や用途に合わせて天板本体321(天板部32)の高さを変更することができる。
【0062】
第2実施形態による天板昇降式什器1Bでは、上部構造体3Bの一対の上部支持脚部31,31が補強部材35によって連結されているため、一対の上部支持脚部31,31の相対変位が抑制されて上部構造体3Bを強固な構造とすることができる。特に、上部構造体3Bにおける一対の上部支持脚部31,31の補強部材35の近傍が強固な構造となる。
上部構造体3Bを下部構造体2Bに対して最上となる位置で連結する際には、連結ピン4が補強部材35の近傍で下部支持脚部22と上部支持脚部31とを連結していることにより、上部構造体3Bが下部構造体2Bに安定した状態で支持されることになる。これにより、天板部32の高さが高くなるように上部構造体3Bを高い位置に配置した状態で連結ピン4が下部支持脚部22と上部支持脚部31とを連結しても、上部構造体3Bは、下部構造体2Bに安定した状態で支持される。したがって、第2実施形態による天板昇降式什器1Bでは、天板部32の高さを高くした場合でも、天板部32を安定した状態に支持することができ、天板部32の安定性を向上させることができる。
【0063】
以上、本発明による天板昇降式什器の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、天板昇降式什器1A,1Bは、デスクであるが、例えば物品を載置する台などのデスク以外の什器であってもよく、一対の下部支持脚部22,22が離間する方向は前後方向など適宜設定されてよい。
また、上記の第1実施形態では、上側補強部材23は、左右方向に延びる棒状に形成されているが、一対の下部支持脚部22,22を連結する部材であれば、上記以外であってもよい。例えば、
図15に示す天板昇降式什器1Cの上側補強部材23Cのように、C字形(コの字形)に屈曲した棒状に形成されていてもよい。また、棒状の上側補強部材23に代わって一対の下部支持脚部22,22を連結する板状の補強部材が設けられていてもよい。
【0064】
また、上記の実施形態による天板昇降式什器1A,1Bでは、上部支持脚部31に形成された溝部314に下部支持脚部22が挿通されるように構成されている。これに対し、下部支持脚部22に上下方向に延びる溝部314が形成され、この溝部314に上部支持脚部31が挿入されるように構成されていてもよい。
また、下部支持脚部22は、上記の実施形態のように筒状に形成されていて、上側から内部に上部支持脚部31が挿入された状態で上部支持脚部31と連結されるように構成されていてもよい。
【0065】
また、上部支持脚部31の溝部314が開口する方向は、左右方向の内側以外に左右方向の外側や前側、後側となっていてもよい。なお、上部支持脚部31における溝部314の開口部分に第1実施形態のような上側補強部材23が配置される場合は、上側補強部材23が下部支持脚部22に取り付けられている取付け位置に合わせて上部支持脚部31の溝部314が開口する方向が設定されてもよい。例えば、下部支持脚部22の第1後板部222に上側補強部材23が取り付けられている場合は、上部支持脚部31の溝部が後側に開口していてもよい。
【0066】
また、上記の第2実施形態では、補強部材35は、C字形(コの字形)に屈曲した棒状に形成されているが、左右方向に直線状に延びる棒状や板状に形成されていてもよい。また、一対の上部支持脚部31,31に対して補強部材35が連結される位置は、第2後板部312以外であってもよい。一対の上部支持脚部31,31が筒状に形成されている場合は、一対の上部支持脚部31,31が互いに対向する部分に補強部材が連結されていてもよい。
【0067】
また、上記の第2実施形態では、上部構造体3Bを下部構造体2Bに対して最上となる位置で連結する場合には、連結ピン4は、補強部材35と同じ高さにおいて下部支持脚部22と上部支持脚部31とを連結しているが、連結ピン4は、補強部材35の近傍において下部支持脚部22と上部支持脚部31とを連結していればよい。
例えば、上部構造体3Bを下部構造体2Bに対して最上となる位置で連結する場合には、補強部材35は、
図13に示す連結ピン4の上端部4aよりも連結ピン4の上下方向の長さ寸法lの分だけ高い位置から、連結ピン4の下端部4bよりも連結ピン4の上下方向の長さ寸法lの分低い位置の高さ範囲hにおいて下部支持脚部22と上部支持脚部31とを連結していることが好ましい。なお、上部構造体3Bを下部構造体2Bに対して上部側で連結する場合に、連結ピン4が上記の高さ範囲hにおいて下部支持脚部22と上部支持脚部31とを連結していることが好ましい。なお、連結ピン4の上下方向の長さ寸法lに代わって、連結ピン4の2つの挿入部412,412間の寸法を基準としてもよい。
【0068】
上記の実施形態では、連結ピン4は、下部支持脚部22における上側補強部材23の上側および下側の両方において下部支持脚部22と上部支持脚部31とを連結している。これに対し、下部支持脚部22と上部支持脚部31とを連結する連結部は、下部支持脚部22における上側補強部材23の上側および下側の片方や、上側補強部材23の高さにおいて下部支持脚部22と上部支持脚部31とを連結してもよい。
【0069】
また、上記の実施形態による天板昇降式什器1では、下部支持脚部22と上部支持脚部31とはそれぞれに形成された孔部に挿通された連結ピン4によって連結される構成であるが、下部支持脚部22と上部支持脚部31とが連結される構造は上記の連結ピン4を用いた構造以外であってもよい。例えば、下部支持脚部22と上部支持脚部31とが互いに嵌合することで連結する構造であってもよい。
また、上記の実施形態による連結ピン4は、第1連結部材41の第1当接部411に対して2つの挿入部412が取り付けられ、それぞれの挿入部412に第2連結部材42のねじ部421が螺合するように構成されているが、第1連結部材41の第1当接部411に対して、1つまたは3つ以上の挿入部412が取り付けられていてもよい。
【0070】
例えば、
図16に示すような連結ピン4Cでは、第1連結部材41Cは、第1当接部411に1つの挿入部412Cが取り付けられている。この場合、下部支持脚部22には上部支持脚部31との連結用の第1孔部が1つだけ形成されていて、この第1孔部と上部支持脚部31の第2外板部孔部313aに挿入部412Cが挿通されて挿入部412Cに第2連結部材42Cのねじ部421Cが螺合するように構成されている。
また、第1連結部材41Cには、挿入部412Cの上下それぞれに位置決め用凸部43Cが形成されている。下部支持脚部22には第1孔部の上下それぞれに位置決め用凸部43が挿入可能な位置決め用孔部が形成されている。2つの位置決め用孔部は、下部支持脚部22の第1孔部と上部支持脚部31の第2外板部孔部313aが重なると、この第2外板部孔部313aよりも上側の第2外板部孔部313aおよび下側の第2外板部孔部313aと重なるように設定されている。重なった下部支持脚部22の第1孔部および上部支持脚部31の第2外板部孔部313aに挿入部を挿通させるとともに、位置決め用孔部および上部支持脚部31の第2外板部孔部313aに位置決め用凸部43C,43Cを挿入することで、下部支持脚部22、上部支持脚部31および連結ピン4Cの位置決めを容易に行うことができる。
【0071】
また、上記の実施形態による天板昇降式什器1A,1Bでは、挿入部412は、先端部412aが下部支持脚部22の第1内板部223に第1外板部224側から当接していることにより、第1内板部223と第1外板部224との間隔を保持する間隔保持部の機能を有する構成であるが、このような構成でなくてもよい。