【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成27年度、総務省、「テラヘルツ波デバイス基盤技術の研究開発−300GHz帯増幅器技術−」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態における電子装置1000の構成について説明する。
図1は、電子装置1000の内部構成を示す斜視図である。
図2は、電子装置1000の外観を前面側から視た斜視図である。
図3は、電子装置1000の外観を背面側から視た斜視図である。
図4は、電子装置1000の内部構成を示す上面図である。
図5は、電子部品収容機器2000の内部構成を示す斜視図である。
【0018】
電子装置1000は、たとえば、マイクロ波電力モジュールである。マイクロ波電力モジュールは、比較的新しいモジュールであって、TWTにより発揮される高出力および高効率の特長と、SSA(Solid State Amplifier)による小型、高利得および低雑音の特長の両方を、兼ね備えている。以下の説明では、電子装置1000をマイクロ波電力モジュールとして説明する。電子装置1000は、たとえば、衛星通信機器や医療機器等に搭載される。
【0019】
図1または
図4に示されるように、電子装置1000は、高電圧電源モジュール100と、TWT200と、ヒートシンク300と、第1のファン部400と、第2のファン部500と、制御モジュール600と、流入口700と、排出口800と、電子部品収容機器2000とを備えている。なお、高電圧電源モジュール100は、本発明の第1の電子部品である。また、TWT200は、本発明の第2の電子部品である。
【0020】
なお、高電圧電源モジュール100に代えて、第1の部品として、抵抗やキャパシタや圧電素子のような受動素子を設けても良い。また、高電圧電源モジュール100に代えて、第1の部品として、ケーブルやコネクタ等を設けても良い。
【0021】
説明の便宜上、まず、電子部品収容機器2000の構成を説明する。
【0022】
図1および
図5に示されるように、電子部品収容機器2000は、筐体2100と、第1の底板2300と、第2の底板2400と、第1の仕切板2500と、第2の仕切板2600とを有する。
【0023】
図1および
図4に示されるように、筐体2100は、高電圧電源モジュール100、TWT200、ヒートシンク300、第1のファン部400、第2のファン部500および制御モジュール600を収容する。筐体2100の材料の選定には、たとえば、筐体2100の強度、重量および放熱性や、TWT200に対する磁気の影響等が、考慮される。筐体2100の材料には、たとえば、アルミニウム等の金属が用いられている。アルミニウムの熱伝導率は、236(W/mK)程度であり、鉄の熱伝導率(84(W/mK))と比較して高い。このように、熱伝導性を有する材料を筐体2100に用いることにより、筐体2100自体の内部で熱伝導が生じる。これにより、熱エネルギーの輸送経路が筐体2100自体の内部に生じる。
【0024】
図1、
図2、
図3および
図5に示されるように、筐体2100は、箱型に形成されている。筐体2100は、前面板2110と、背面板2120と、ボディ部2130と、上部カバー2140とを備えている。
【0025】
前面板2110は、板状に形成されている。前面板2110は、ボディ部2130に溶接またはネジ止め等により取り付けられている。
図2に示されるように、前面板2110には、一対の取っ手2111が取りつけられている。また、開口窓2112が前面板2110に形成されている。開口窓2112には、たとえば、制御モジュール600の制御状態を示す液晶パネル(不図示)の表示画面が取り付けられる。
【0026】
背面板2120は、板状に形成されている。背面板2120は、ボディ部2130に溶接またはネジ止め等により取り付けられている。背面板2120には、流入口700および排出口800が形成されている。
図3および
図4に示されるように、第2のファン部500が、流入口700に取り付けられている。また、
図3に示されるように、導波管900が背面板2120に取り付けられている。
【0027】
ボディ部2130は、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600の延在方向に対して垂直な面で筐体2100を切断した切断面において、片仮名の「コ」の字状またはアルファベットの「U」の字状に形成されている。ボディ部2130は、前述の第1の底面2300と、第2の底面2400とを有する。前面板2110および背面板2120は、ボディ部2130に溶接またはネジ止め等により取り付けられている。
【0028】
上部カバー2140は、板状に形成されている。上部カバー2140は、前面板2110および背面板2120が取り付けられたボディ部2130に上部側から被せられる。そして、上部カバー2140は、前面板2110、背面板2120およびボディ部2130に、ネジ止め等により取り付けられる。これにより、筐体2100の内部が閉鎖される。
【0029】
図1、
図4および
図5に示されるように、筐体2100の内部は、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600によって、第1の電子部品収容室5000と、第2の電子部品収容室6000とに、分けられている。
【0030】
第1の電子部品収容室5000は、少なくとも高電圧電源モジュール100を収容する。第2の電子部品収容室6000は、少なくともTWT200を収容する。また、連通部7000は、第1の電子部品収容室5000および第2の電子部品収容室6000の間に設けられている。連通部7000は、第1の電子部品収容室5000および第2の電子部品収容室6000の間を連通する。これにより、空気が、第1の電子部品収容室5000および第2の電子部品収容室6000の間で、連通部7000を介して、行き来することができる。
【0031】
なお、連通部7000は、設けられていなくてもよい。
【0032】
第1の底板2300は、ボディ部2130に形成されている。すなわち、第1の底板2300は、筐体2100の一部である。また、
図1および
図4に示されるように、高電圧電源モジュール100は、第1の底板2300上に設置され、第1の底板2300に熱的に接続されている。これにより、高電圧電源モジュール100の熱が第1の底板2300に伝熱する。
【0033】
第2の底板2400は、ボディ部2130に形成されている。すなわち、第2の底板2400は、筐体2100の一部である。また、
図1および
図4に示されるように、TWT200は、第2の底板2400上に設置され、第2の底板2400に熱的に接続されている。これにより、TWT200の熱が第2の底板2400に伝熱する。
【0034】
第1の仕切板2500は、ボディ部2130に取り付けられる。すなわち、第1の仕切板2500は、筐体2100の一部である。より具体的には、
図1に示されるように、第1の仕切板2500は、第1の底板2300に取り付けられている。また、第1の仕切板2500は、第1の底板2300に熱的に接続されている。
図1および
図4に示されるように、第1の仕切板2500は、第1の電子部品収容室5000および第2の電子部品収容室6000の間であって、第1の電子器部品収容室5000側に配置されている。
【0035】
第2の仕切板2600は、ボディ部2130に取り付けられる。すなわち、第2の仕切板2600は、筐体2100の一部である。より具体的には、
図1に示されるように、第2の仕切板2600は、第2の底板2400に取り付けられている。また、第2の仕切板2600は、第2の底板2400に熱的に接続されている。
図1および
図4に示されるように、第2の仕切板2600は、第1の電子部品収容室5000および第2の電子部品収容室6000の間であって、第2の電子器部品収容室6000側に配置されている。
【0036】
ここで、
図1および
図4に示されるように、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600は、少なくとも一部で互いに向かい合うように設けられている。また、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600の間には、第1の空隙部G1が設けられている。すなわち、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600は、互いに直接、熱的に接続されていない。
【0037】
また、
図1に示されるように、第1の底板2300および第2の底板2400の間には第2の空隙部G2が設けられている。すなわち、第1の底板2300および第2の底板2400は、互いに直接、熱的に接続されていない。
【0038】
以上、電子部品収容機器2000の構成を説明した。
【0039】
次に、電子部品収容機器2000に収容される各電子部品等について、説明する。
【0040】
図1および
図4に示されるように、高電圧電源モジュール100は、第1の電子部品収容室5000内に収容されている。また、高電圧電源モジュール100は、第1の底板2300上に設置され、第1の底板2300に熱的に接続されている。高電圧電源モジュール100は、TWT200、第1のファン部400、第2のファン部500および制御モジュール600等の電子部品を駆動するための電源を、各電子部品に供給する。なお、一般的な高電圧電源モジュール100には、半導体が多く使用されているので、一定レベルの熱対策が施されている。
【0041】
図1および
図4に示されるように、TWT200は、第2の電子部品収容室6000内に収容されている。また、TWT200が第2の底板2400上に設置され、第2の底板2400に熱的に接続されている。TWT200は、高周波数信号を増幅して出力する。TWT200は、電子銃(不図示)により出射される電子ビーム(不図示)を利用して、高周波信号を増幅する。このため、TWT200は、高電圧電源モジュール100等の他の電子部品よりも出力電力が大きく、発熱量が大きい。すなわち、TWT200は、他の電子部品と比較して大きな電力を消費する。このため、TWT200は、他の電子部品と比較して、電力密度が大きいデバイスである。TWT200は、たとえばキロボルトオーダーの高電圧を使用する場合がある。
【0042】
マイクロ波モジュールに半導体を用いた場合、特に周波数が高くなると半導体の出力が急激に低下する。このため、とくに高周波数の信号を扱う場合に、TWT200をマイクロ波モジュールに用いる傾向がある。TWT200を用いて高周波数信号を増幅した後、電子ビームには70〜90%のエネルギーが残存することがある。これらのエネルギーは、電極等に吸収される。この結果、TWT200には、高電圧電源モジュール100よりも高い熱が生じる。
【0043】
より好ましくは、TWT200は、排出口800の近傍に設けられる。これにより、電子装置1000は、TWT200の熱を電子部品収容機器2000の筐体2100の外に効率よく排出することができる。この結果、TWT200の熱が、高電圧電源モジュール100や制御モジュール600等の他の電子部品に加わることを抑制できる。よって、高電圧電源モジュール100や制御モジュール600等の他の電子部品の温度上昇を抑制できる。
【0044】
図1および
図4に示されるように、ヒートシンク300は、TWT200に取り付けられている。ヒートシンク300は、TWT200の熱を受熱し、これを空気中へ放熱する。
【0045】
図1および
図4に示されるように、第1のファン部400は、第2の電子部品収容室6000内に収容されている。
図1および
図4に示されるように、第1のファン部400は、前面板2110側に設けられている。
図4に示されるように、第1のファン部400は、連通部7000を介して、第1の電子器部品収容室5000から第2の電子器部品収容室6000に流入する空気をヒートシンク300へ供給する。これにより、TWT200の熱を受熱したヒートシンク300が冷却される。
【0046】
図1および
図4に示されるように、第2のファン部500は、筐体2100の外側から、流入口700に取り付けられる。第2のファン部500は、筐体2100の外の空気(冷却用の空気)が筐体2100の第1の電子器部品収容室5000に流入することを促進する。
【0047】
図1および
図4に示されるように、制御モジュール600は、筐体2100の内側から前面板2110に取り付けられている。制御モジュール600は、他の電子部品を制御する。
【0048】
図4に示されるように、流入口700は、背面板2120に形成されている。流入口700は、筐体2100の第1の電子部品収容室5000側に形成されている。筐体2100の外の空気は、流入口700を介して、筐体2100の第1の電子部品収容室5000内に流入する。
【0049】
図4に示されるように、排出口800は、背面板2120に形成されている。排出口800は、筐体2100の第2の電子部品収容室6000側に形成されている。筐体2100内の空気は、流出口800を介して、筐体2100の外へ流出する。
【0050】
図3に示されるように、導波管900は、背面板に設けられている。導波管900は、TWT200により増幅された高周波信号を、筐体2100の外へ出力する。
【0051】
以上、電子装置1000の構成について説明した。
【0052】
次に、電子装置1000の動作について説明する。
【0053】
まず、電子装置1000の電源を入れると、高電圧電源モジュール100は、TWT200、第1のファン部400、第2のファン部500および制御モジュール600等の電子部品に、電源を供給する。これにより、TWT200、第1のファン部400、第2のファン部500および制御モジュール600等の電子部品が作動する。そして、TWT200や高電圧電源モジュール100等が熱を発生する。ヒートシンク300は、TWT200の熱を受熱し、これを放熱する。
【0054】
ここで、電子装置1000では、筐体2100内の電子部品の冷却動作として、筐体2100内の空気の強制空冷による冷却動作と、筐体2100自体の熱伝導による冷却動作を採用している。
【0055】
まず、筐体2100内の空気の強制空冷による冷却動作について、説明する。
【0056】
図4の矢印aで示されるように、筐体2100の外の空気が、第2のファン部500の送風によって、流入口700を介して、筐体2100内に流入する。
【0057】
図4の矢印bに示されるように、筐体2100の外の空気は、高電圧電源モジュール100の熱を含みながら、第1の第1の電子部品収容室5000内を流れる。このように、高電圧電源モジュール100の熱が、筐体2100の外の空気によって冷却される。
【0058】
次に、
図4の矢印cに示されるように、第1の電子部品収容室5000内を流れる空気が、第1のファン部400の送風によって、連通部7000を介して、第2の電子部品収容室6000内に流入する。
【0059】
次に、
図4の矢印dに示されるように、連通部7000を通った空気が、第1のファン部400の送風によって、ヒートシンク300へ流れる。前述の通り、ヒートシンク300は、TWT200の熱を受熱し、これを放熱する。連通部7000を通った空気がヒートシンク300へ流れることにより、ヒートシンク300が冷却される。すなわち、TWT200の熱エネルギーが、ヒートシンク300を介して、連通部7000を通った空気に吸収される。これにより、TWT200の熱が効率よく放熱される。
【0060】
次に、
図4の矢印eに示されるように、ヒートシンク300を通過した空気は、TWT200の熱を更に含んで、排出口800へ向けて流れ、
図4の矢印fに示されるように、筐体2100の外へ排出される。
【0061】
このようにして、筐体2100の外の空気は、第1のファン部400および第2のファン部500によって、筐体2100内にて、第1の電子部品収容室5000および第2の電子部品収容室6000を順次、流れて、筐体2100の外へ排出される。この間、筐体2100内を流れる空気は、高電圧電源モジュール100およびTWT200の熱を含みながら、排出口800へ流れる。これにより、高電圧電源モジュール100およびTWT200の熱を、筐体2100の外へ排出することができる。
【0062】
以上、筐体2100内の空気の強制空冷による冷却動作について、説明した。
【0063】
次に、筐体2100自体の熱伝導による冷却動作について、説明する。
【0064】
高電圧電源モジュール100は、第1の底板2300に設置されている。このため、高電圧電源モジュール100の熱は、第1の底板2300に伝熱する。すなわち、高電圧電源モジュール100の熱エネルギーが、第1の底板2300に加えられる。また、高電圧電源モジュール100の熱は、第1の底板2300により、第1の仕切板2500にも伝熱する。これにより、高電圧電源モジュール100の熱が、第1の底板2300および第1の仕切板2500の受熱により、冷却される。
【0065】
また、TWT200は、第2の底板2400に設置されている。このため、TWT200の熱は、第2の底板2400に伝熱する。すなわち、TWT200の熱エネルギーが、第2の底板2400に加えられる。また、TWT200の熱は、第2の底板2400を介して、第2の仕切板2600にも伝熱する。これにより、TWT200の熱が、第2の底板2400および第2の仕切板2600の受熱により、冷却される。
【0066】
また、高電圧電源モジュール100の熱は、第1の電子部品収容室5000内の空気を介して、第1の仕切板2500に伝熱する。これにより、高電圧電源モジュール100の熱は、第1の仕切板2500の受熱により、冷却される。同様に、TWT200の熱は、第2の電子部品収容室6000内の空気を介して、第2の仕切板2600に伝熱する。これにより、TWT200の熱は、第2の仕切板2600の受熱により、冷却される。
【0067】
以上、筐体2100自体の熱伝導による冷却動作について、説明した。
【0068】
このとき、
図1に示されるように、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600の間には、第1の空隙部G1が設けられている。すなわち、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600は互いに離間されている。このため、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600の間の直接的な熱伝導は生じない。すなわち、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600の間では、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600の内部の熱伝導による熱エネルギーの直接輸送が生じない。つまり、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600の間に第1の空隙部G1を設けたことにより、第1の電子部品収容室5000および第2の電子部品収容室6000の間の熱の移動を抑制することができる。よって、高電圧電源モジュール100よりも発熱量が大きいTWT200の熱が、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600を介して、高電圧電源モジュール100に加わることが抑制される。これにより、高電圧電源モジュール100の温度がTWT200の熱によって上昇することを抑制できる。よって、高電圧電源モジュール100の性能がTWT200の熱によって劣化することを抑制できる。
【0069】
以上の通り、第1の空隙部G1を設けたことにより、高電圧電源モジュール100よりも発熱量が大きいTWT200の熱が高電圧電源モジュール100に加わることを抑制しつつ、TWT200や高電圧電源モジュール100の熱を効率よく冷却することができる。
【0070】
また、
図1に示されるように、第1の底板2300および第2の底板2400の間には、第2の空隙部G2が設けられている。すなわち、第1の底板2300および第2の底板2400は互いに離間されている。このため、第1の底板2300および第2の底板2400の間の直接的な熱伝導は生じない。すなわち、第1の底板2300および第2の底板2400の間では、第1の底板2300および第2の底板2400の内部の熱伝導による熱エネルギーの直接輸送が生じない。つまり、高電圧電源モジュール100よりも発熱量が大きいTWT200の熱が、第1の底板2300および第2の底板2400を介して、高電圧電源モジュール100に加わることはない。したがって、高電圧電源モジュール100よりも発熱量が大きいTWT200の熱が高電圧電源モジュール100に加わることを抑制することができる。これにより、高電圧電源モジュール100の温度がTWT200の熱によって上昇することを抑制できる。よって、高電圧電源モジュール100の性能がTWT200の熱によって劣化することを抑制できる。
【0071】
以上の通り、第2の空隙部G2を設けたことにより、高電圧電源モジュール100よりも発熱量が大きいTWT200の熱が高電圧電源モジュール100に加わることを抑制しつつ、高電圧電源モジュール100およびTWT200の熱を効率よく冷却することができる。
【0072】
さらに、第1の空隙部G1および第2の空隙部G2は、連通している。このため、第1の底板2300および第2の仕切板2600の間の直接的な熱伝導は生じない。すなわち、第1の底板2300および第2の仕切板2600の間では、第1の底板2300および第2の仕切板2600の内部の熱伝導による熱エネルギーの直接輸送が生じない。つまり、高電圧電源モジュール100よりも発熱量が大きいTWT200の熱が、第1の底板2300および第2の仕切板2600を介して、高電圧電源モジュール100に加わることはない。また、第2の底板2400および第1の仕切板2500の間の直接的な熱伝導は生じない。すなわち、第2の底板2400および第1の仕切板2500の間では、第2の底板2400および第1の仕切板2500の内部の熱伝導による熱エネルギーの直接輸送が生じない。つまり、高電圧電源モジュール100よりも発熱量が大きいTWT200の熱が、第2の底板2400および第1の仕切板2500を介して、高電圧電源モジュール100に加わることはない。したがって、高電圧電源モジュール100よりも発熱量が大きいTWT200の熱が高電圧電源モジュール100に加わることを抑制することができる。これにより、高電圧電源モジュール100の温度がTWT200の熱によって上昇することを抑制できる。よって、高電圧電源モジュール100の性能がTWT200の熱によって劣化することを抑制できる。
【0073】
以上の通り、第1の空隙部G1および第2の空隙部G2を連通させたことにより、高電圧電源モジュール100よりも発熱量が大きいTWT200の熱が高電圧電源モジュール100に加わることを抑制しつつ、TWT200や高電圧電源モジュール100の熱を効率よく冷却することができる。
【0074】
以上の通り、本発明の第1の実施の形態における電子部品収容機器2000は、筐体2100と、第1の電子部品収容室5000と、第2の電子部品収容室6000と、第1の仕切板2500と、第2の仕切板2600とを備えている。
【0075】
筐体2100は、高電圧電源モジュール100(第1の電子部品)と、高電圧電源モジュール100よりも発熱量が大きいTWT200(第2の電子部品)を収容する。第1の電子部品収容室5000は、高電圧電源モジュール100を収容する。第2の電子部品収容室6000は、TWT200を収容する。
【0076】
第1の仕切板2500は、第1の電子部品収容室5000および第2の電子部品収容室6000の間であって、第1の電子器部品収容室5000側に配置されている。第2の仕切板2600は、第1の電子部品収容室5000および第2の電子部品収容室6000の間であって、第2の電子器部品収容室6000側に配置されている。
【0077】
そして、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600は、少なくとも一部で互いに向かい合うように設けられている。また、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600の間には、第1の空隙部G1が設けられている。
【0078】
このように、電子部品収容機器2000では、筐体2100を、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600を用いて、第1の電子部品収容室5000および第2の電子部品収容室6000に分けている。第1の電子部品収容室5000は、高電圧電源モジュール100を収容する。第2の電子部品収容室6000は、TWT200を収容する。すなわち、電子部品収容機器2000では、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600を設けて、高電圧電源モジュール100およびTWT200をそれぞれ別の収容室に収容している。これにより、TWT200の熱が、筐体2100内の空気を介して、高電圧電源モジュール100に加わることを、抑制できる。
【0079】
また、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600の間には、第1の空隙部G1が設けられている。すなわち、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600は互いに離間されている。このため、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600の間の直接的な熱伝導は生じない。つまり、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600の間に第1の空隙部G1を設けたことにより、第1の電子部品収容室5000および第2の電子部品収容室6000の間の熱の直接移動を抑制することができる。よって、高電圧電源モジュール100よりも発熱量が大きいTWT200の熱が、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600を介して、高電圧電源モジュール100に加わることを抑制することができる。これにより、高電圧電源モジュール100の温度がTWT200の熱によって上昇することを抑制できる。
【0080】
以上の通り、第1の空隙部G1を設けたことにより、高電圧電源モジュール100よりも発熱量が大きいTWT200の熱が高電圧電源モジュール100に加わることを抑制しつつ、TWT200の熱を効率よく冷却することができる。
【0081】
また、本発明の第1の実施の形態における電子部品収容機器2000は、第1の底板2300と、第2の底板2400とを備えている。第1の底板2300は、筐体2100の一部であって、高電圧電源モジュール100(第1の電子部品)が設置され、高電圧電源モジュール100に熱的に接続する。第2の底板2400は、筐体2100の一部であって、TWT200(2の電子部品)が設置され、TWT200に熱的に接続する。
【0082】
そして、第1の底板2300および第2の底板2400は、少なくとも一部で互いに向かい合うように設けられている。また、第1の底板2300および第2の底板2400の間には第2の空隙部G2が設けられている。第1の仕切板2500は第1の底板2300に接続され、第2の仕切板2600は第2の底板2400に接続されている。第1の空隙部G1および第2の空隙部G2は連通する。
【0083】
このように、電子部品収容機器2000では、第1の底板2300には、高電圧電源モジュール100が設置されている。第1の底板2300は、高電圧電源モジュール100に熱的に接続する。第2の底板2400には、TWT200が設置されている。第2の底板2400は、TWT200に熱的に接続する。また、第1の仕切板2500は第1の底板2300に接続され、第2の仕切板2600は第2の底板2400に接続されている。したがって、高電圧電源モジュール100の熱は、第1の底板2300および第1の仕切板2500に伝熱する。TWT200の熱は、第2の底板2400および第2の仕切板2600に伝熱する。一方、第1の底板2300および第2の底板2400の間には第2の空隙部G2が設けられている。すなわち、第1の底板2300および第2の底板2400は互いに離間されている。このため、第1の底板2300および第2の底板2400の間の直接的な熱伝導は生じない。つまり、高電圧電源モジュール100よりも発熱量が大きいTWT200の熱が、第1の底板2300および第2の底板2400を介して、高電圧電源モジュール100に加わることはない。
【0084】
また、第1の空隙部G1および第2の空隙部G2は連通している。このため、第1の底板2300および第2の仕切板2600の間の直接的な熱伝導は生じない。すなわち、第1の底板2300および第2の仕切板2600の間では、第1の底板2300および第2の仕切板2600の内部の熱伝導による熱エネルギーの直接輸送が生じない。つまり、高電圧電源モジュール100よりも発熱量が大きいTWT200の熱が、第1の底板2300および第2の仕切板2600を介して、高電圧電源モジュール100に加わることはない。また、第2の底板2400および第1の仕切板2500の間の直接的な熱伝導は生じない。すなわち、第2の底板2400および第1の仕切板2500の間では、第2の底板2400および第1の仕切板2500の内部の熱伝導による熱エネルギーの直接輸送が生じない。つまり、高電圧電源モジュール100よりも発熱量が大きいTWT200の熱が、第2の底板2400および第1の仕切板2500を介して、高電圧電源モジュール100に加わることはない。
【0085】
したがって、高電圧電源モジュール100よりも発熱量が大きいTWT200の熱が高電圧電源モジュール100に加わることを抑制することができる。これにより、高電圧電源モジュール100の温度がTWT200の熱によって上昇することを抑制できる。よって、高電圧電源モジュール100の性能がTWT200の熱によって劣化することを抑制できる。
【0086】
以上の通り、第2の空隙部G2をさらに設け、第1の空隙部G1および第2の空隙部G2を連通したことにより、高電圧電源モジュール100よりも発熱量が大きいTWT200の熱が高電圧電源モジュール100に加わることをさらに効率よく抑制しつつ、TWT200の熱をさらに効率よく冷却することができる。
【0087】
また、本発明の第1の実施の形態における電子部品収容機器2000は、連通部7000を備えている。連通部7000は、第1の電子部品収容室5000および第2の電子部品収容室6000の間を連通する。また、連通部7000を介して、第1の電子部品収容室5000から第2の電子部品収容室6000へ流れる空気の流路が形成されている。
【0088】
このように、電子部品収容機器2000では、筐体2100を、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600を用いて、第1の電子部品収容室5000および第2の電子部品収容室6000に分けている。また、連通部7000を設けることにより、第1の電子部品収容室5000および第2の電子部品収容室6000の間を連通した。これにより、第1の電子部品収容室5000および第2の電子部品収容室6000の間で、筐体2100内の空気が循環できるようにした。筐体2100内の空気の循環路内に高電圧電源モジュール100やTWT200を配置することにより、筐体2100内の空気の流動によって高電圧電源モジュール100やTWT200を効率良く冷却することができる。
【0089】
また、本発明の第1の実施の形態における電子装置1000は、高電圧電源モジュール100(第1の電子部品)と、TWT200(第2の電子部品)と、筐体2100と、第1の電子部品収容室5000と、第2の電子部品収容室6000と、第1の仕切板2500と、第2の仕切板2600とを備えている。TWT200は、高電圧電源モジュール100よりも発熱量が大きい。
【0090】
筐体2100は、高電圧電源モジュール100と、TWT200を収容する。第1の電子部品収容室5000は、高電圧電源モジュール100を収容する。第2の電子部品収容室6000は、TWT200を収容する。
【0091】
第1の仕切板2500は、第1の電子部品収容室5000および第2の電子部品収容室6000の間であって、第1の電子器部品収容室5000側に配置されている。第2の仕切板2600は、第1の電子部品収容室5000および第2の電子部品収容室6000の間であって、第2の電子器部品収容室6000側に配置されている。
【0092】
そして、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600は、少なくとも一部で互いに向かい合うように設けられている。また、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600の間には、第1の空隙部G1が設けられている。
【0093】
このような構成であっても、前述した電子部品収容機器2000と同様の効果を奏することができる。
【0094】
また、本発明の第1の実施の形態における電子装置1000は、第1の底板2300と、第2の底板2400とを備えている。第1の底板2300は、筐体2100の一部である。第1の底板2300には、高電圧電源モジュール100(第1の電子部品)が設置される。第1の底板2300は、高電圧電源モジュール100に熱的に接続する。第2の底板2400は、筐体2100の一部である。第2の底板2400には、TWT200(第2の電子部品)が設置される。第2の底板2400は、TWT200に熱的に接続する。
【0095】
そして、第1の底板2300および第2の底板2400は、少なくとも一部で互いに向かい合うように設けられている。また、第1の底板2300および第2の底板2400の間には第2の空隙部G2が設けられている。第1の仕切板2500は第1の底板2300に接続されている。また、第2の仕切板2600は第2の底板2400に接続されている。第1の空隙部G1および第2の空隙部G2は連通する。
【0096】
このような構成であっても、前述した電子部品収容機器2000を同様の効果を奏することができる。
【0097】
本発明の第1の実施の形態における電子装置1000および電子部品収容機器2000では、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600を設けることにより、筐体2100内の空気の流れを制御している。また、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600の間に第1の空隙部G1を設けたことにより、第1の電子部品収容室5000および第2の電子部品収容室6000の間の熱の直接移動を抑制することができる。
【0098】
また、電子装置1000および電子部品収容機器2000では、高電圧電源モジュール100を第1の底板2300および第1の仕切板2500に熱的に接続させるとともに、TWT200を第2の底板2400および第2の仕切板2600に熱的に接続させている。一方、第1の空隙部G1が第1の仕切板2500および第2の仕切板2600の間に設けられ、第2の空隙部G2が第1の底板2300および第2の底板2400の間に設けられている。そして、第1の空隙部G1および第2の空隙部G2は連通している。
【0099】
このため、第1の底板2300および第2の底板2400の間の直接的な熱伝導は生じず、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600の間の直接的な熱伝導は生じない。したがって、TWT200の熱は、第1の底板2300および第1の仕切板2500に直接的に伝導しない。高電圧電源モジュール100の熱は、第2の底板2400および第2の仕切板2600に直接的に伝導しない。
【0100】
以上のように、電子装置1000および電子部品収容機器2000では、第1の電子部品収容室5000および第2の電子部品収容室6000の間の熱の移動を抑制することができる。また、電子装置1000および電子部品収容機器2000では、TWT200の熱は、第1の底板2300および第1の仕切板2500に直接、伝導せず、高電圧電源モジュール100の熱は、第2の底板2400および第2の仕切板2600に直接、伝導しない。
【0101】
したがって、電子装置1000および電子部品収容機器2000では、仕切板が1枚で形成されている場合(たとえば特許文献2)と比較して、第1の仕切板2500近傍であっても、第1の電子部品収容室5000内であれば、TWT200の熱の影響を受けにくい。このため、電子装置1000および電子部品収容機器2000では、たとえば、温度上昇により特性が変化しやすい電子部品を、第1の電子部品収容室5000内であって第1の仕切板2500近傍に配置することができる。このように、電子装置1000および電子部品収容機器2000では、仕切板が1枚で形成されている場合(たとえば特許文献2)と比較して、電子部品のレイアウト設計の自由度を高めることができる。
【0102】
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態における電子装置1000Aの構成について説明する。
図6は、電子装置1000Aの内部構成を示す斜視図である。電子装置1000Aは、たとえば、マイクロ波電力モジュールである。以下の説明では、電子装置1000Aをマイクロ波電力モジュールとして説明する。なお、
図6では、
図1〜
図5で示した各構成要素と同等の構成要素には、
図1〜
図5に示した符号と同等の符号を付している。
【0103】
ここで、第1の実施の形態における電子装置1000と、第2の実施の形態における電子装置1000Aを対比する。電子装置1000は、強制空冷に対応していた。これに対して、電子装置1000Aは、強制空冷に対応していない。すなわち、電子装置1000Aの電子部品収容機器2000Aは、密閉筐体であって、外部から空気を取り入れたり排出したりしない。このため、電子装置1000Aは、第1のファン部400および第2のファン部500が設けられていない点で、電子装置1000と異なる。また、電子装置1000Aの電子部品収容機器2000Aは、流入口700および排出口800が設けられていない点で、電子装置1000の電子部品収容機器2000と異なる。なお、
図6では、ヒートシンク300、制御モジュール600、導波管900、取っ手2111、開口窓2112等が電子装置1000Aに設けられていないが、これらを設けることもできる。
【0104】
図6に示されるように、電子装置1000Aは、高電圧電源モジュール100と、TWT200と、電子部品収容機器2000Aと、ヒートシンク3000とを備えている。
【0105】
図6に示されるように、電子部品収容機器2000Aは、筐体2100Aと、第1の底板2300と、第2の底板2400と、第1の仕切板2500と、第2の仕切板2600とを有する。
【0106】
図6に示されるように、筐体2100Aは、高電圧電源モジュール100およびTWT200を収容する。筐体2100Aの材料の選定には、筐体2100と同様に、たとえば、筐体2100Aの強度、重量および放熱性や、TWT200に対する磁気の影響等が、考慮される。筐体2100Aの材料には、たとえば、アルミニウム等の金属が用いられている。
【0107】
図6に示されるように、筐体2100Aは、箱型に形成されている。また、筐体2100Aは、内部が密閉されるように形成される。これにより、電子装置1000Aを屋外に設置することができる。なお、
図6では、上カバーが示されていない。上カバーが溶接またはネジ止め等により取り付けられることにより、筐体2100Aの内部が密閉される。
【0108】
図6に示されるように、筐体2100Aの内部は、第1の実施の形態の筐体2100と同様に、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600によって、第1の電子部品収容室5000と、第2の電子部品収容室6000とに、分けられている。
【0109】
第1の電子部品収容室5000は、少なくとも高電圧電源モジュール100を収容する。第2の電子部品収容室6000は、少なくともTWT200を収容する。また、連通部7000は、第1の電子部品収容室5000および第2の電子部品収容室6000の間に設けられている。連通部7000は、第1の電子部品収容室5000および第2の電子部品収容室6000の間を連通する。
【0110】
また、第1の底板2300、第2の底板2400、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600が、第1の実施の形態の電子部品収容機器2000と同様に、筐体2100Aに設けられている。
【0111】
図6に示されるように、ヒートシンク3000は、筐体2100Aの外部側から、筐体2100Aの第2の底板2400に取り付けられている。ヒートシンク3000は、複数のフィン3100を有する。複数のフィン3100は、第2の底板2400に対して垂直方向であって第2の底板2400から離れる方向に延出するように、ヒートシンク3000に形成されている。ヒートシンク3000は、放熱部に対応する。
【0112】
以上、電子装置1000Aの構成について説明した。
【0113】
次に、電子装置1000Aの動作について説明する。
【0114】
まず、電子装置1000Aの電源を入れると、高電圧電源モジュール100は、TWT200に、電源を供給する。これにより、TWT200が作動する。そして、TWT200や高電圧電源モジュール100等が熱を発生する。
【0115】
ここで、電子装置1000Aでは、筐体2100A内の電子部品の冷却動作として、筐体2100A自体の熱伝導による冷却動作を採用している。なお、電子装置1000Aでは、筐体2100A内の空気の強制空冷による冷却動作を採用していない点で、電子装置1000と相違する。
【0116】
電子装置1000Aの筐体2100自体の熱伝導による冷却動作について、説明する。
【0117】
高電圧電源モジュール100は、第1の底板2300に設置されている。このため、高電圧電源モジュール100の熱は、第1の底板2300に伝熱する。すなわち、高電圧電源モジュール100の熱エネルギーが、第1の底板2300に加えられる。また、高電圧電源モジュール100の熱は、第1の底板2300により、第1の仕切板2500にも伝熱する。このように、高電圧電源モジュール100の熱が、第1の底板2300および第1の仕切板2500の受熱により、冷却される。
【0118】
また、TWT200は、第2の底板2400に設置されている。このため、TWT200の熱は、第2の底板2400に伝熱する。すなわち、TWT200の熱エネルギーが、第2の底板2400に加えられる。また、TWT200の熱は、第2の底板2400を介して、第2の仕切板2600にも伝熱する。このように、TWT200の熱が、第2の底板2400および第2の仕切板2600の受熱により、冷却される。さらに、ヒートシンク3000は、筐体2100Aの外部側から、筐体2100Aの第2の底板2400に取り付けられている。したがって、ヒートシンク3000は、第2の底板2400を介して、TWT200の熱を受け取り、この熱を筐体2100Aの外気へ放熱する。
【0119】
また、高電圧電源モジュール100の熱は、第1の電子部品収容室5000内の空気を介して、第1の仕切板2500に伝熱する。このように、高電圧電源モジュール100の熱は、第1の仕切板2500の受熱により、冷却される。同様に、TWT200の熱は、第2の電子部品収容室6000内の空気を介して、第2の仕切板2600に伝熱する。これにより、TWT200の熱は、第2の仕切板2600の受熱により、冷却される。
【0120】
以上、筐体2100A自体の熱伝導による冷却動作について、説明した。
【0121】
ここで、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600の間に第1の空隙部G1を設けたことによる効果は、第1の実施の形態で説明した通りである。また、第1の底板2300および第2の底板2400の間に第2の空隙部G2を設けたことによる効果も、第1の実施の形態で説明した通りである。さらに、第1の空隙部G1および第2の空隙部G2を連通したことによる効果も、第1の実施の形態で説明した通りである。
【0122】
電子装置1000Aでは、筐体2100Aは、内部が密閉されるように形成されている。また、電子装置1000Aでは、筐体2100A内の電子部品の冷却動作として、筐体2100A自体の熱伝導による冷却動作を採用している。このため、高電圧電源モジュール100およびTWT200の熱エネルギーは、筐体2100A自体の熱伝導により、筐体2100A全体に輸送される。したがって、筐体2100Aの内部の温度が一様に上昇しやすい。
【0123】
電子装置1000Aでは、ヒートシンク3000が、第2の底板2400に熱的に接続され、TWT200の熱を放熱する。これにより、TWT200の熱が、ヒートシンク3000を介して、筐体2100Aの外へ放熱される。
【0124】
以上の通り、本発明の第2の実施の形態における電子部品収容機器2000Aおよび電子装置1000Aは、ヒートシンク3000(放熱部)を備えている。ヒートシンク3000は、第2の底板2400に熱的に接続され、TWT200の熱を放熱する。これにより、TWT200の熱が、ヒートシンク300を介して、筐体2100Aの外へ放熱される。したがって、高電圧電源モジュール100よりも発熱量が大きいTWT200の熱が、電圧電源モジュール100に加わることを抑制することができる。よって、高電圧電源モジュール100の温度がTWT200の熱によって上昇することを抑制できる。
【0125】
以上の通り、ヒートシンク3000を設けたことにより、高電圧電源モジュール100よりも発熱量が大きいTWT200の熱が高電圧電源モジュール100に加わることをより効率よく抑制しつつ、TWT200の熱をより効率よく冷却することができる。
【0126】
次に、第2の実施の形態における電子装置1000Aの放熱シミュレーション結果について、比較例と対比して説明する。
【0127】
図7は、電子装置1000Aの放熱シミュレーション結果を示す図である。
図7(a)は、電子装置1000Aの放熱シミュレーション結果を示す上面図である。
図7(b)は、電子装置1000Aの放熱シミュレーション結果を示す断面図であって、
図7(a)のA−A切断面における断面図である。
図7(a)および
図7(b)には、温度変化の勾配が示されている。
図7(a)および
図7(b)では、領域内の温度が高くなるにつれて、領域内の色を明るくなるように示している。また、筐体2100Aの外形を200mm×300mm×50mmと設定した。ヒートシンク3000の外形寸法を300mm×200mm×10mmと設定した。筐体2100Aおよびヒートシンク3000の材料をアルミニウム合金と設定した。
【0128】
なお、
図7(a)および
図7(b)では、便宜上、TWT200の形状を簡素化している。また、TWT200の伝熱経路を確認するために、
図7(a)および
図7(b)では、高電圧電源モジュール100を省略している。また、
図7(a)および
図7(b)では、TWT200のうちで、とくに発熱量が大きいコレクタ201のみを示し、コレクタ201以外の構成を省略している。また、第2の空隙部G2は、第1の電子部品収容室5000に対応する全領域に亘り、第1の底板2300および第2の底板2400の間に設けられているものとする。
【0129】
図8は、電子装置1000Aの比較例の放熱シミュレーション結果を示す図である。
図8(a)は、電子装置1000Aの比較例の放熱シミュレーション結果を示す上面図である。
図8(b)は、電子装置1000Aの比較例の放熱シミュレーション結果を示す断面図であって、
図8(a)のB−B切断面における断面図である。
図8(a)および
図8(b)には、温度変化の勾配が示されている。
図8(a)および
図8(b)では、領域内の温度が高くなるにつれて、領域内の色を明るくなるように示している。また、筐体9100の外形を200mm×300mm×50mmと設定した。ヒートシンク3000の外形寸法を300mm×200mm×10mmと設定した。筐体9100およびヒートシンク3000の材料をアルミニウム合金と設定した。
【0130】
なお、
図8(a)および
図8(b)に示される比較例の電子装置8000では、筐体9100には、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600は、設けられていない。また、第1の底板2300および第2の底板2400は設けられておらず、1枚の底板9200のみが設けられている。電子装置8000の筐体9100の大きさは、電子装置1000Aの筐体2100Aの大きさとほぼ同一である。また、
図8(a)および
図8(b)では、TWT200のうちで、とくに発熱量が大きいコレクタ201のみを示し、コレクタ201以外の構成を省略している。また、TWT200のコレクタ201の伝熱経路を確認するために、
図8(a)および
図8(b)では、高電圧電源モジュール100を省略している。
【0131】
ここで、
図7(a)に示されるように、点a1は、TWT200のコレクタ201の中央部に設定されている。点b1および点c1は、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600に対して垂直方向に延びる切断面A−A上に設けられている。また、切断面A−Aは、点a1上に設定されている。さらに、点b1および第1の仕切板2500の間の距離は、点c1および第1の仕切板2500の間の距離よりも小さくなるように設定されている。さらに、点b1および点a1の間の距離は、点c1および点a1の間の距離よりも小さくなるように設定されている。
【0132】
TWT200のコレクタ201の点a1における温度上昇(TWT200の動作前と動作後(たとえば15分)の間の温度上昇)をΔTa1(deg)とする。このとき、点b1における温度上昇ΔTb1(deg)とΔTa1(deg)との比は、ΔTb1/ΔTa1=0.67となった。点c1における温度上昇ΔTc1(deg)とΔTa1(deg)との比は、ΔTc1/ΔTa1=0.69となった。
【0133】
図8(a)において、点a2、点b2および点c2は、
図7(a)の点a1、点b1および点c1に対応する位置に、設定されている。すなわち、点a2は、TWT200のコレクタ201の中央部に設定されている。点b2および点c2は、切断面B−B上に設けられている。切断面B−Bは、
図7(a)の切断面A−Aに対応する。また、切断面B−Bは、点a2上に設定されている。さらに、点b2および点a2の間の距離は、点c2および点a2の間の距離よりも小さくなるように設定されている。
【0134】
図8(a)および
図8(b)に示されるように、筐体9100の温度は、TWT200のコレクタ201から離れるに従って、低くなっている。また、
図8(a)に示されるように、電子装置8000では、電子装置1000Aと比較して、TWT200のコレクタ201付近の温度変化の勾配が大きいことが分かる。また、TWT200のコレクタ201の点a2における温度上昇(TWT200のコレクタ201の動作前と動作後(たとえば15分)の間の温度上昇)をΔTa2(deg)とする。このとき、点b2における温度上昇ΔTb2(deg)とΔTa2(deg)との比は、ΔTb2/ΔTa2=0.82となった。点c2における温度上昇ΔTc2(deg)とΔTa2(deg)との比は、ΔTc2/ΔTa2=0.67となった。
【0135】
したがって、点b2(点b1に対応)では、比較例の電子装置8000の方が、電子装置1000Aよりも、温度上昇が大きいことが分かる。このことから、電子装置1000Aでは、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600を設けたことにより、TWT200のコレクタ201の熱が、高電圧電源モジュール100を収容する第1の電子部品収容室5000に伝わることを抑制できることが、分かる。また、TWT200のコレクタ201の熱エネルギーの輸送には、一定の方向性があることが分かる。
【0136】
以上の通り、
図7(a)、
図7(b)、
図8(a)および
図8(b)の分析からは、次のことが言える。
【0137】
電子装置1000Aでは、点b1(点b2に対応)の温度上昇が、電子装置8000と比較して小さい。すなわち、電子装置1000Aでは、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600を設けたことにより、TWT200のコレクタ201に近い領域であっても、第1の電子部品収容室5000側の温度上昇は、電子装置8000と比較して抑制されている。これにより、電子装置8000では、TWT200のコレクタ201から離れた領域に実装されていた低耐熱の電子部品を、第1の電子部品収容室5000側のTWT200のコレクタ201の近傍(たとえば、点b1)に、実装することができる。したがって、電子装置1000Aでは、電子装置8000と比較して、実装設計の自由度を向上させることができる。
【0138】
次に、第2の実施の形態における電子装置1000Aの放熱シミュレーション結果について、変形例と対比して説明する。
【0139】
図9は、電子装置1000Aの放熱シミュレーション結果を示す図である。
図9(a)は、電子装置1000Aの放熱シミュレーション結果を示す上面図である。
図9(b)は、電子装置1000Aの放熱シミュレーション結果を示す断面図であって、
図9(a)のC−C切断面における断面図である。
図9(a)および
図9(b)には、温度変化の勾配が示されている。
図9(a)および
図9(b)では、領域内の温度が高くなるにつれて、領域内の色を明るくなるように示している。また、筐体2100Aの外形を200mm×300mm×50mmと設定した。ヒートシンク3000の外形寸法を300mm×200mm×10mmと設定した。筐体2100Aおよびヒートシンク3000の材料をアルミニウム合金と設定した。
【0140】
なお、
図9(a)および
図9(b)では、TWT200のうちで、とくに発熱量が大きいコレクタ201のみを示し、コレクタ201以外の構成を省略している。また、TWT200の伝熱経路を確認するために、
図9(a)および
図9(b)では、高電圧電源モジュール100を省略している。また、
図9(a)および
図9(b)では、
図7(a)および
図7(b)と異なり、発熱体250が第1の電子部品収容室5000に実装されている。また、第2の空隙部G2は、第1の電子部品収容室5000に対応する全領域に亘り、第1の底板2300および第2の底板2400の間に設けられているものとする。
【0141】
なお、発熱体250の発熱量は、たとえば、TWT200の発熱量と同程度か、それ以下である。
【0142】
図10は、電子装置1000Aの変形例の放熱シミュレーション結果を示す図である。
図10(a)は、電子装置1000Aの変形例の放熱シミュレーション結果を示す上面図である。
図10(b)は、電子装置1000Aの変形例の放熱シミュレーション結果を示す断面図であって、
図10(a)のD−D切断面における断面図である。
図10(a)および
図10(b)には、温度変化の勾配が示されている。
図10(a)および
図10(b)では、領域内の温度が高くなるにつれて、領域内の色を明るくなるように示している。また、筐体2100Bの外形を200mm×300mm×50mmと設定した。ヒートシンク3000の外形寸法を300mm×200mm×10mmと設定した。筐体2100Bおよびヒートシンク3000の材料をアルミニウム合金と設定した。
【0143】
なお、
図10(a)および
図10(b)に示される変形例の電子装置1000Bでは、電子部品収容機器2000Bの筐体2100Bには、第1の仕切板2500、第2の仕切板2600、第1の底板2300および第2の底板2400は、設けられている。一方、
図10(b)に示されるように、発熱体250の実装領域では、第1の底板2300および第2の底板2400の二重構造が形成されていない点で、電子装置1000Aと異なる。電子装置1000Bの筐体2100Bの大きさは、電子装置1000Aの大きさとほぼ同一である。
【0144】
また、
図10(a)および
図10(b)では、TWT200のうちで、とくに発熱量が大きいコレクタ201のみを示し、コレクタ201以外の構成を省略している。また、TWT200の伝熱経路を確認するために、
図10(a)および
図10(b)では、高電圧電源モジュール100を省略している。また、
図10(a)および
図10(b)では、
図7(a)および
図7(b)と異なり、発熱体250が第1の電子部品収容室5000に実装されている。
【0145】
発熱体250の発熱量は、前述の通り、たとえば、TWT200の発熱量と同程度か、それ以下である。
【0146】
ここで、
図9(a)に示されるように、点a3は、TWT200のコレクタ201の中央部に設定されている。点b3および点c3は、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600に対して垂直方向に延びる切断面C−C上に設けられている。また、切断面C−Cは、点a3上に設定されている。さらに、点b3および第1の仕切板2500の間の距離は、点c3および第1の仕切板2500の間の距離よりも小さくなるように設定されている。点a3、点b3および点c3の位置は、
図7(a)の点a1、点b1および点c1の位置にそれぞれ対応している。
【0147】
TWT200のコレクタ201の点a3における温度上昇(TWT200の動作前と動作後(たとえば15分)の間の温度上昇)をΔTa3(deg)とする。このとき、点b3における温度上昇ΔTb3(deg)とΔTa3(deg)との比は、ΔTb3/ΔTa3=0.76となった。点c3における温度上昇ΔTc3(deg)とΔTa3(deg)との比は、ΔTc3/ΔTa3=0.98となった。
【0148】
図10(a)において、点a4、点b4および点c4は、
図9(a)の点a3、点b3および点c3に対応する位置に、設定されている。すなわち、点a4は、TWT200のコレクタ201の中央部に設定されている。点b4および点c4は、
図9(a)の切断面C−Cに対応する切断面D−D上に設けられている。また、切断面D−Dは、点a4上に設定されている。さらに、点b4および点a4の間の距離は、点c4および点a4の間の距離よりも小さくなるように設定されている。
【0149】
TWT200のコレクタ201の点a4における温度上昇(TWT200の動作前と動作後(たとえば15分)の間の温度上昇)をΔTa4(deg)とする。このとき、点b4における温度上昇ΔTb4(deg)とΔTa4(deg)との比は、ΔTb4/ΔTa4=0.74となった。点c4における温度上昇ΔTc4(deg)とΔTa4(deg)との比は、ΔTc4/ΔTa4=0.82となった。
【0150】
以上の通り、
図9(a)、
図9(b)、
図10(a)および
図10(b)の分析からは、次のことが言える。
【0151】
図9(a)に示されるように、電子装置1000Aの発熱体250の実装領域では、第1の底板2300および第2の底板2400の二重構造が形成されているので、発熱体250の熱はヒートシンク3000側に直接伝わらない。このため、点c3の温度が、
図10(a)の点c4と比較して大きく上昇している。
【0152】
一方、
図10(a)に示されるように、電子装置1000Bの発熱体250の実装領域では、第1の底板2300および第2の底板2400の二重構造が形成されていないので、発熱体250の熱はヒートシンク3000側に直接伝わる。このため、点c4の温度上昇は、
図9(a)の点c3の温度上昇と比較して、小さく抑えられている。
【0153】
すなわち、
図10(a)および
図10(b)に示されるように、発熱体250の実装領域で、第1の底板2300および第2の底板2400の二重構造を形成しないことにより、発熱体250の熱をヒートシンク3000側に直接伝えることができる。この結果、発熱体250周辺の温度を、電子装置1000Aと比較して、低下させることができる。
【0154】
このように、第1の電子部品収容室5000内に実装される電子部品の発熱量に応じて、当該電子部品の実装領域にて、第1の底板2300および第2の底板2400の二重構造を形成しないことにより、当該電子部品周辺の温度上昇を抑制することができる。この結果、電子部品の実装設計の自由度を向上させることができる。
【0155】
<第3の実施の形態>
本発明の第3の実施の形態における電子装置1000Cの構成について説明する。
図11は、電子装置1000Cの内部構成を示す斜視図である。電子装置1000Cは、たとえば、マイクロ波電力モジュールである。以下の説明では、電子装置1000Cをマイクロ波電力モジュールとして説明する。なお、
図11では、
図1〜
図10で示した各構成要素と同等の構成要素には、
図1〜
図10に示した符号と同等の符号を付している。
【0156】
ここで、第2の実施の形態における電子装置1000Aと、第3の実施の形態における電子装置1000Cを対比する。電子装置1000Aおよび電子装置1000Cは、ともに強制空冷に対応していない点で、共通する。すなわち、電子装置1000Cの電子部品収容機器2000Cは、密閉筐体であって、外部から空気を取り入れたり排出したりしない。また、電子装置1000Cは、第1の底板2300および第2の底板2400が互いに向かい合って配置されていない点で、電子装置1000Aと異なる。したがって、第1の底板2300および第2の底板2400の間には、空隙部G2は設けられていない。
【0157】
図11に示されるように、電子装置1000Cは、高電圧電源モジュール100と、TWT200と、電子部品収容機器2000Cと、ヒートシンク3000とを備えている。なお、ヒートシンク3000は、本実施形態に必須ではない。すなわち、ヒートシンク3000を設けずに、第3の実施の形態における電子装置1000Cを構成することができる。
【0158】
図11に示されるように、電子部品収容機器2000Cは、筐体2100Cと、第1の底板2300と、第2の底板2400と、第1の仕切板2500と、第2の仕切板2600とを有する。
【0159】
図11に示されるように、筐体2100Cは、高電圧電源モジュール100およびTWT200を収容する。筐体2100Cの材料の選定には、筐体2100と同様に、たとえば、筐体2100Cの強度、重量および放熱性や、TWT200に対する磁気の影響等が、考慮される。筐体2100Cの材料には、たとえば、アルミニウム等の金属が用いられている。
【0160】
図11に示されるように、筐体2100Cは、箱型に形成されている。また、筐体2100Cは、内部が密閉されるように形成される。これにより、電子装置1000Cを屋外に設置することができる。なお、
図11では、上カバーが示されていない。上カバーが溶接またはネジ止め等により取り付けられることにより、筐体2100Cの内部が密閉される。
【0161】
図11に示されるように、筐体2100Cの内部は、筐体2100Aと同様に、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600によって、第1の電子部品収容室5000と、第2の電子部品収容室6000とに、分けられている。
【0162】
第1の電子部品収容室5000は、少なくとも高電圧電源モジュール100を収容する。第2の電子部品収容室6000は、少なくともTWT200を収容する。また、連通部7000は、第1の電子部品収容室5000および第2の電子部品収容室6000の間に設けられている。連通部7000は、第1の電子部品収容室5000および第2の電子部品収容室6000の間を連通する。
【0163】
また、第1の底板2300、第2の底板2400、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600が、筐体2100Cに設けられている。電子装置1000Cでは、第1の底板2300および第2の底板2400は、互いに向かい合うように配置されていない。このため、第1の底板2300および第2の底板2400の間には、空隙部G2は設けられない。一方、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600は、互いに向かい合うように配置されている。そして、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600の間には、空隙部G1が設けられている。
【0164】
図11に示されるように、ヒートシンク3000は、筐体2100Cの外部側から、筐体2100Cの第1の底板2300および第2の底板2400に取り付けられている。
【0165】
以上、電子装置1000Cの構成について説明した。
【0166】
次に、電子装置1000Cの動作について説明する。
【0167】
まず、電子装置1000Cの電源を入れると、高電圧電源モジュール100は、TWT200に、電源を供給する。これにより、TWT200が作動する。そして、TWT200や高電圧電源モジュール100等が熱を発生する。
【0168】
ここで、電子装置1000Cでは、筐体2100C内の電子部品の冷却動作として、筐体2100C自体の熱伝導による冷却動作を採用している。
【0169】
電子装置1000Cの筐体2100C自体の熱伝導による冷却動作について、説明する。
【0170】
高電圧電源モジュール100は、第1の底板2300に設置されている。このため、高電圧電源モジュール100の熱は、第1の底板2300に伝熱する。すなわち、高電圧電源モジュール100の熱エネルギーが、第1の底板2300に加えられる。また、高電圧電源モジュール100の熱は、第1の底板2300により、第1の仕切板2500にも伝熱する。これにより、高電圧電源モジュール100の熱が、第1の底板2300および第1の仕切板2500の受熱により、冷却される。
【0171】
また、TWT200は、第2の底板2400に設置されている。このため、TWT200の熱は、第2の底板2400に伝熱する。すなわち、TWT200の熱エネルギーが、第2の底板2400に加えられる。また、TWT200の熱は、第2の底板2400を介して、第2の仕切板2600にも伝熱する。これにより、TWT200の熱が、第2の底板2400および第2の仕切板2600の受熱により、冷却される。
【0172】
さらに、ヒートシンク3000は、筐体2100Cの外部側から、筐体2100Cの第1の底板2300および第2の底板2400に取り付けられている。したがって、ヒートシンク3000は、第2の底板2400を介して、TWT200の熱を受け取り、この熱を筐体2100Cの外気へ放熱する。
【0173】
また、高電圧電源モジュール100の熱は、第1の電子部品収容室5000内の空気を介して、第1の仕切板2500に伝熱する。これにより、高電圧電源モジュール100の熱は、第1の仕切板2500の受熱により、冷却される。同様に、TWT200の熱は、第2の電子部品収容室6000内の空気を介して、第2の仕切板2600に伝熱する。これにより、TWT200の熱は、第2の仕切板2600の受熱により、冷却される。
【0174】
以上、筐体2100C自体の熱伝導による冷却動作について、説明した。
【0175】
このとき、
図11に示されるように、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600の間には、第1の空隙部G1が設けられている。すなわち、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600は互いに離間されている。このため、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600の間の直接的な熱伝導は生じない。すなわち、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600の間では、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600の内部の熱伝導による熱エネルギーの直接輸送が生じない。つまり、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600の間に第1の空隙部G1を設けたことにより、第1の電子部品収容室5000および第2の電子部品収容室6000の間の熱の移動を抑制することができる。よって、高電圧電源モジュール100よりも発熱量が大きいTWT200の熱が、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600を介して、高電圧電源モジュール100に加わることが抑制される。これにより、高電圧電源モジュール100の温度がTWT200の熱によって上昇することを抑制できる。よって、高電圧電源モジュール100の性能がTWT200の熱によって劣化することを抑制できる。
【0176】
ゆえに、第1の空隙部G1を設けたことにより、高電圧電源モジュール100よりも発熱量が大きいTWT200の熱が高電圧電源モジュール100に加わることを抑制しつつ、TWT200や高電圧電源モジュール100の熱を効率よく冷却することができる。
【0177】
以上の通り、本発明の第3の実施の形態における電子部品収容機器2000Cは、筐体2100Cと、第1の電子部品収容室5000と、第2の電子部品収容室6000と、第1の仕切板2500と、第2の仕切板2600とを備えている。
【0178】
筐体2100Cは、高電圧電源モジュール100(第1の電子部品)と、TWT200(第2の電子部品)を収容する。TWT200は、高電圧電源モジュール100よりも発熱量が大きい。第1の電子部品収容室5000は、高電圧電源モジュール100を収容する。第2の電子部品収容室6000は、TWT200を収容する。
【0179】
第1の仕切板2500は、第1の電子部品収容室5000および第2の電子部品収容室6000の間であって、第1の電子器部品収容室5000側に配置されている。第2の仕切板2600は、第1の電子部品収容室5000および第2の電子部品収容室6000の間であって、第2の電子器部品収容室6000側に配置されている。
【0180】
そして、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600は、少なくとも一部で互いに向かい合うように設けられている。また、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600の間には、第1の空隙部G1が設けられている。
【0181】
このように、電子部品収容機器2000Cでは、筐体2100Cを、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600を用いて、第1の電子部品収容室5000および第2の電子部品収容室6000に分けている。第1の電子部品収容室5000は、高電圧電源モジュール100を収容する。第2の電子部品収容室6000は、TWT200を収容する。すなわち、電子部品収容機器2000Cでは、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600を設けて、高電圧電源モジュール100およびTWT200をそれぞれ別の収容室に収容している。これにより、TWT200の熱が、筐体2100C内の空気を介して、高電圧電源モジュール100に加わることを、抑制できる。
【0182】
また、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600の間には、第1の空隙部G1が設けられている。すなわち、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600は互いに離間されている。このため、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600の間の直接的な熱伝導は生じない。つまり、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600の間に第1の空隙部G1を設けたことにより、第1の電子部品収容室5000および第2の電子部品収容室6000の間の熱の移動を抑制することができる。よって、高電圧電源モジュール100よりも発熱量が大きいTWT200の熱が、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600を介して、高電圧電源モジュール100に加わることを抑制することができる。これにより、高電圧電源モジュール100の温度がTWT200の熱によって上昇することを抑制できる。
【0183】
以上の通り、第1の空隙部G1を設けたことにより、高電圧電源モジュール100よりも発熱量が大きいTWT200の熱が高電圧電源モジュール100に加わることを抑制しつつ、TWT200の熱を効率よく冷却することができる。
【0184】
<第4の実施の形態>
本発明の第4の実施の形態における電子装置1000Dの構成について説明する。
図12は、電子装置1000Dの内部構成を示す斜視図である。電子装置1000Dは、たとえば、マイクロ波電力モジュールである。以下の説明では、電子装置1000Dをマイクロ波電力モジュールとして説明する。なお、
図12では、
図1〜
図11で示した各構成要素と同等の構成要素には、
図1〜
図11に示した符号と同等の符号を付している。
【0185】
ここで、第2の実施の形態における電子装置1000Aと、第4の実施の形態における電子装置1000Dを対比する。電子装置1000Dおよび電子装置1000Aは、ともに強制空冷に対応していない点で、共通する。すなわち、電子装置1000Dの電子部品収容機器2000Dは、密閉筐体であって、外部から空気を取り入れたり排出したりしない。また、電子装置1000Dでは、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600が設けられていない点で、電子装置1000Aと異なる。
【0186】
図12に示されるように、電子装置1000Dは、高電圧電源モジュール100と、TWT200と、電子部品収容機器2000Dと、ヒートシンク3000とを備えている。なお、ヒートシンク3000は、本発明の実施形態に必須ではない。すなわち、ヒートシンク3000を設けずに、第4の実施の形態における電子装置1000Dを構成することができる。
【0187】
図12に示されるように、電子部品収容機器2000Dは、筐体2100Dと、第1の底板2300と、第2の底板2400とを有する。
【0188】
図12に示されるように、筐体2100Dは、高電圧電源モジュール100およびTWT200を収容する。筐体2100Dの材料の選定には、筐体2100と同様に、たとえば、筐体2100Dの強度、重量および放熱性や、TWT200に対する磁気の影響等が、考慮される。筐体2100Dの材料には、たとえば、アルミニウム等の金属が用いられている。
【0189】
図12に示されるように、筐体2100Dは、箱型に形成されている。また、筐体2100Dは、内部が密閉されるように形成される。これにより、電子装置1000Dを屋外に設置することができる。なお、
図12では、上カバーが示されていない。上カバーが溶接またはネジ止め等により取り付けられることにより、筐体2100Dの内部が密閉される。
【0190】
また、
図12に示されるように、第1の底板2300および第2の底板2400が、筐体2100Dに設けられている。高電圧電源モジュール100は、第1の底板2300上に設けられている。TWT200は、第2の底板2400上に設けられている。
【0191】
図12に示されるように、ヒートシンク3000は、筐体2100Dの外部側から、筐体2100Dの第2の底板2400に取り付けられている。
【0192】
以上、電子装置1000Dの構成について説明した。
【0193】
次に、電子装置1000Dの動作について説明する。
【0194】
まず、電子装置1000Dの電源を入れると、高電圧電源モジュール100は、TWT200に、電源を供給する。これにより、TWT200が作動する。そして、TWT200や高電圧電源モジュール100等が熱を発生する。
【0195】
ここで、電子装置1000Dでは、筐体2100D内の電子部品の冷却動作として、筐体2100D自体の熱伝導による冷却動作を採用している。
【0196】
電子装置1000Dの筐体2100D自体の熱伝導による冷却動作について、説明する。
【0197】
高電圧電源モジュール100は、第1の底板2300に設置されている。このため、高電圧電源モジュール100の熱は、第1の底板2300に伝熱する。すなわち、高電圧電源モジュール100の熱エネルギーが、第1の底板2300に加えられる。これにより、高電圧電源モジュール100の熱が、第1の底板2300の受熱により、冷却される。
【0198】
また、TWT200は、第2の底板2400に設置されている。このため、TWT200の熱は、第2の底板2400に伝熱する。すなわち、TWT200の熱エネルギーが、第2の底板2400に加えられる。これにより、TWT200の熱が、第2の底板2400の受熱により、冷却される。
【0199】
さらに、ヒートシンク3000は、筐体2100Dの外部側から、筐体2100Dの第2の底板2400に取り付けられている。したがって、ヒートシンク3000は、第2の底板2400を介して、TWT200の熱を受け取り、この熱を筐体2100Dの外気へ放熱する。
【0200】
以上、筐体2100D自体の熱伝導による冷却動作について、説明した。
【0201】
ここで、
図12に示されるように、第1の底板2300および第2の底板2400の間には、第2の空隙部G2が設けられている。すなわち、第1の底板2300および第2の底板2400は、一部の領域において、互いに離間されている。このため、少なくとも、第1の底板2300および第2の底板2400が互いに離間されている一部の領域において、第1の底板2300および第2の底板2400の間で直接的な熱伝導は生じない。すなわち、少なくとも、第1の底板2300および第2の底板2400が互いに離間されている一部の領域において、第1の底板2300および第2の底板2400の内部の熱伝導による熱エネルギーの輸送が生じない。
【0202】
つまり、少なくとも、第1の底板2300および第2の底板2400が互いに離間されている一部の領域において、高電圧電源モジュール100よりも発熱量が大きいTWT200の熱が、第1の底板2300および第2の底板2400を介して、高電圧電源モジュール100に加わることはない。したがって、第1の底板2300および第2の底板2400が互いに離間されている領域が全くない場合と比較して、高電圧電源モジュール100よりも発熱量が大きいTWT200の熱が高電圧電源モジュール100に加わることを抑制することができる。これにより、高電圧電源モジュール100の温度がTWT200の熱によって上昇することを抑制できる。よって、高電圧電源モジュール100の性能がTWT200の熱によって劣化することを抑制できる。
【0203】
また、TWT200の熱は、第1の底板2300および第2の底板2400を介して、高電圧電源モジュール100に伝わらない。このため、TWT200の熱は、第2の底板2400を介して、ヒートシンク3000へ伝わり易くなる。
【0204】
以上の通り、第2の空隙部G2を設けたことにより、高電圧電源モジュール100よりも発熱量が大きいTWT200の熱が高電圧電源モジュール100に加わることを抑制しつつ、高電圧電源モジュール100およびTWT200の熱を効率よく冷却することができる。
【0205】
以上の通り、本発明の第4の実施の形態における電子部品収容機器2000Dは、筐体2100Dと、第1の底板2300と、第2の底板2400とを備えている。筐体2100Dは、高電圧電源モジュール100(第1の電子部品)と、高電圧電源モジュール100よりも発熱量が大きいTWT200(第2の電子部品)を収容する。第1の底板2300は、筐体2100の一部である。第1の底板2300には、高電圧電源モジュール100(第1の電子部品)が設置されている。第1の底板2300は、高電圧電源モジュール100に熱的に接続する。第2の底板2400は、筐体2100の一部である。第2の底板2400には、TWT200(第2の電子部品)が設置されている。第2の底板2400は、TWT200に熱的に接続する。
【0206】
そして、第1の底板2300および第2の底板2400は、少なくとも一部で互いに向かい合うように設けられている。また、第1の底板2300および第2の底板2400の間には第2の空隙部G2が設けられている。
【0207】
このように、電子部品収容機器2000Dでは、第1の底板2300には、高電圧電源モジュール100が設置されている。第1の底板2300は、高電圧電源モジュール100に熱的に接続する。第2の底板2400には、TWT200が設置されている。第2の底板2400は、TWT200に熱的に接続する。したがって、高電圧電源モジュール100の熱は、第1の底板2300に伝熱する。TWT200の熱は、第2の底板2400に伝熱する。一方、第1の底板2300および第2の底板2400の間には第2の空隙部G2が設けられている。すなわち、第1の底板2300および第2の底板2400は互いに離間されている。このため、第1の底板2300および第2の底板2400の間の直接的な熱伝導は生じない。つまり、高電圧電源モジュール100よりも発熱量が大きいTWT200の熱が、第1の底板2300および第2の底板2400を介して、高電圧電源モジュール100に直接的に加わることはない。
【0208】
よって、高電圧電源モジュール100よりも発熱量が大きいTWT200の熱が高電圧電源モジュール100に加わることを抑制することができる。これにより、高電圧電源モジュール100の温度がTWT200の熱によって上昇することを抑制できる。
【0209】
以上の通り、第2の空隙部G2を設けたことにより、高電圧電源モジュール100よりも発熱量が大きいTWT200の熱が高電圧電源モジュール100に加わることを抑制しつつ、高電圧電源モジュール100およびTWT200の熱を冷却することができる。
【0210】
また、本発明の第4の実施の形態における電子装置1000Dは、高電圧電源モジュール100(第1の電子部品)と、TWT200(第2の電子部品)と、筐体2100Dと、第1の底板2300と、第2の底板2400とを備えている。TWT200は、高電圧電源モジュール100よりも発熱量が大きい。筐体2100Dは、高電圧電源モジュール100と、TWT200を収容する。第1の底板2300は、筐体2100Dの一部である。第1の底板2300には、高電圧電源モジュール100が設置されている。第1の底板2300は、高電圧電源モジュール100に熱的に接続する。第2の底板2400は、筐体2100の一部である。第2の底板2400には、TWT200が設置されている。第2の底板2400は、TWT200に熱的に接続する。
【0211】
そして、第1の底板2300および第2の底板2400は、少なくとも一部で互いに向かい合うように設けられている。また、第1の底板2300および第2の底板2400の間には第2の空隙部G2が設けられている。
【0212】
このような構成であっても、前述した電子部品収容機器2000と同様の効果を奏することができる。
【0213】
上記の各実施の形態において、第1の空隙部G1内の熱の移動を抑制する断熱部材(不図示)を、第1の空隙部G1に設けてもよい。これにより、TWT200の熱が、第1の空隙部G1内の空気を介して、第2の仕切板2600から第1の仕切板2500へ移動することをより効果的に抑制できる。また、第2の空隙部G2内の熱の移動を抑制する断熱部材を、第2の空隙部G2に設けてもよい。これにより、TWT200の熱が、第2の空隙部G2内の空気を介して、第2の底板2400から第1の底板2300へ移動することをより効果的に抑制できる。
【0214】
また、上記の各実施の形態において、高電圧電源モジュール100を、台座(不図示)を介して、第1の底板2300上に取り付けることもできる。これにより、TWT200の熱が、高電圧電源モジュール100に伝わることを、さらに抑制することができる。とくに、第3の実施の形態における電子装置1000Cのように、第1の底板2300および第2の底板2400が互いに向かい合わないように配置されている場合、効果的である。
【0215】
また、上記の各実施の形態において、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600の間で物理的な接続がない例を示した。一方、第1の空隙部G1が第1の仕切板2500および第2の仕切板2600の間に設けられていれば、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600の間が物理的に接続されてもよい。また、上部カバー2140がボディ部2130に取り付けられた際に、第1の仕切板2500および第2の仕切板2600の先端部が上部カバー2140に内面に接続されてもよい。
【0216】
また、前述の各実施の形態の一部または全部は、以下のようにも記載されうるが、以下に限定されない。
[付記1]
第1の電子部品と、前記第1の電子部品よりも発熱量が大きい第2の電子部品を収容する筐体と、
前記第1の電子部品を収容する第1の電子部品収容室と、
前記第2の電子部品を収容する第2の電子部品収容室と、
前記第1の電子部品収容室および前記第2の電子部品収容室の間であって、前記第1の電子部品収容室側に配置された第1の仕切板と、
前記第1の電子部品収容室および前記第2の電子部品収容室の間であって、前記第2の電子器部品収容室側に配置された第2の仕切板と、
前記第1の仕切板および第2の仕切板は、少なくとも一部で互いに向かい合うように設けられ、
前記第1の仕切板および第2の仕切板の間には、第1の空隙部が設けられている電子部品収容機器。
[付記2]
前記筐体の一部であって、前記第1の電子部品が設置され、前記第1の電子部品に熱的に接続する第1の底板と、
前記筐体の一部であって、前記第2の電子部品が設置され、前記第2の電子部品に熱的に接続する第2の底板と、
前記第1の底板および第2の底板は、少なくとも一部で互いに向かい合うように設けられ、
前記第1の底板および第2の底板の間には第2の空隙部が設けられ、
前記第1の仕切板は前記第1の底板に接続され、前記第2の仕切板は前記第2の底板に接続され、
前記第1の空隙部および前記第2の空隙部は連通する付記1に記載の電子部品収容機器。
[付記3]
前記第2の底板に熱的に接続され、前記第2の電子部品の熱を放熱する放熱部をさらに備えた付記2に記載の電子部品収容機器。
[付記4]
前記第1の電子部品収容室および前記第2の電子部品収容室の間を連通する連通部とを備え、
前記連通部を介して、前記第1の電子部品収容室から前記第2の電子部品収容室へ流れる空気の流路が形成された付記1〜3のいずれか1項に記載の電子部品収容機器。
[付記5]
前記第1の空隙部または前記第2の空隙部内の熱の移動を抑制する断熱部材が、前記第1の空隙部または前記第2の空隙部に設けられた付記1〜4のいずれか1項に記載の電子部品収納機器。
[付記6]
第1の電子部品と、
前記第1の電子部品よりも発熱量が大きい第2の電子部品と、
第1の電子部品と前記第2の電子部品を収容する筐体と、
前記第1の電子部品を収容する第1の電子部品収容室と、
前記第2の電子部品を収容する第2の電子部品収容室と、
前記第1の電子部品収容室および前記第2の電子部品収容室の間であって、前記第1の電子器部品収容室側に配置された第1の仕切板と、
前記第1の電子部品収容室および前記第2の電子部品収容室の間であって、前記第2の電子器部品収容室側に配置された第2の仕切板と、
前記第1の仕切板および第2の仕切板は、少なくとも一部で互いに向かい合うように設けられ、
前記第1の仕切板および第2の仕切板の間には、第1の空隙部が設けられている電子装置。
[付記7]
前記筐体の一部であって、前記第1の電子部品が設置され、前記第1の電子部品に熱的に接続する第1の底板と、
前記筐体の一部であって、前記第2の電子部品が設置され、前記第2の電子部品に熱的に接続する第2の底板と、
前記第1の底板および第2の底板は、少なくとも一部で互いに向かい合うように設けられ、
前記第1の底板および第2の底板の間には第2の空隙部が設けられ、
前記第1の仕切板は前記第1の底板に接続され、前記第2の仕切板は前記第2の底板に接続され、
前記第1の空隙部および前記第2の空隙部は連通する付記6に記載の電子装置。
[付記8]
第1の電子部品と、前記第1の電子部品よりも発熱量が大きい第2の電子部品を収容する筐体と、
前記筐体の一部であって、前記第1の電子部品が設置され、前記第1の電子部品に熱的に接続する第1の底板と、
前記筐体の一部であって、前記第2の電子部品が設置され、前記第2の電子部品に熱的に接続する第2の底板と、
前記第1の底板および第2の底板は、少なくとも一部で互いに向かい合うように設けられ、
前記第1の底板および第2の底板の間には第2の空隙部が設けられた電子部品収容機器。
[付記9]
前記第1の電子部品を収容する第1の電子部品収容室と、
前記第2の電子部品を収容する第2の電子部品収容室と、
前記第1の電子部品収容室および前記第2の電子部品収容室の間であって、前記第1の電子器部品収容室側に配置された第1の仕切板と、
前記第1の電子部品収容室および前記第2の電子部品収容室の間であって、前記第2の電子器部品収容室側に配置された第2の仕切板と、
前記第1の仕切板および第2の仕切板は、少なくとも一部で互いに向かい合うように設けられ、
前記第1の仕切板および第2の仕切板の間には、第1の空隙部が設けられ、
前記第1の仕切板は前記第1の底板に接続され、前記第2の仕切板は前記第2の底板に接続され、
前記第1の空隙部および前記第2の空隙部は連通する付記8に記載の電子部品収容機器。
[付記10]
前記第2の底板に熱的に接続され、前記第2の電子部品の熱を放熱する放熱部をさらに備えた付記8または9に記載の電子部品収容機器。
[付記11]
前記第1の電子部品収容室および前記第2の電子部品収容室の間を連通する連通部とを備え、
前記連通部を介して、前記第1の電子部品収容室から前記第2の電子部品収容室へ流れる空気の流路が形成された付記9または10に記載の電子部品収容機器。
[付記12]
前記第1の空隙部または前記第2の空隙部内の熱の移動を抑制する断熱部材が、前記第1の空隙部または前記第2の空隙部に設けられた付記8〜11のいずれか1項に記載の電子部品収納機器。
[付記13]
第1の電子部品と、
前記第1の電子部品よりも発熱量が大きい第2の電子部品と、
第1の電子部品と、前記第2の電子部品を収容する筐体と、
前記筐体の一部であって、前記第1の電子部品が設置され、前記第1の電子部品に熱的に接続する第1の底板と、
前記筐体の一部であって、前記第2の電子部品が設置され、前記第2の電子部品に熱的に接続する第2の底板と、
前記第1の底板および第2の底板は、少なくとも一部で互いに向かい合うように設けられ、
前記第1の底板および第2の底板の間には第2の空隙部が設けられた電子装置。
[付記14]
前記第1の電子部品を収容する第1の電子部品収容室と、
前記第2の電子部品を収容する第2の電子部品収容室と、
前記第1の電子部品収容室および前記第2の電子部品収容室の間であって、前記第1の電子器部品収容室側に配置された第1の仕切板と、
前記第1の電子部品収容室および前記第2の電子部品収容室の間であって、前記第2の電子器部品収容室側に配置された第2の仕切板と、
前記第1の仕切板および第2の仕切板は、少なくとも一部で互いに向かい合うように設けられ、
前記第1の仕切板および第2の仕切板の間には、第1の空隙部が設けられ、
前記第1の仕切板は前記第1の底板に接続され、前記第2の仕切板は前記第2の底板に接続され、
前記第1の空隙部および前記第2の空隙部は連通する付記13に記載の電子部品。
[付記15]
第1の部品と、発熱する第2の部品を収容する筐体と、
前記第1の部品を収容する第1の部品収容室と、
前記第2の部品を収容する第2の部品収容室と、
前記第1の部品収容室および前記第2の部品収容室の間であって、前記第1の部品収容室側に配置された第1の仕切板と、
前記第1の電子収容室および前記第2の部品収容室の間であって、前記第2の電子収容室側に配置された第2の仕切板とを備え、
前記第1の仕切板および第2の仕切板の間には、第1の空隙部が設けられている部品収容機器。
[付記16]
前記筐体の一部であって、前記第1の部品が設置され、前記第1の部品に熱的に接続する第1の底板と、
前記筐体の一部であって、前記第2の部品が設置され、前記第2の部品に熱的に接続する第2の底板とを備え、
前記第1の底板および第2の底板は、少なくとも一部で互いに向かい合うように設けられ、
前記第1の底板および第2の底板の間には第2の空隙部が設けられ、
前記第1の仕切板は前記第1の底板に接続され、前記第2の仕切板は前記第2の底板に接続され、
前記第1の空隙部および前記第2の空隙部は連通する付記15に記載の部品収容機器。
[付記17]
前記第2の底板に熱的に接続され、放熱部をさらに備えた付記16に記載の部品収容機器。
[付記18]
前記第1の部品収容室および前記第2の部品収容室の間を連通する連通部とを備え、
前記連通部を介して、前記第1の部品収容室から前記第2の部品収容室へ流れる空気の流路が形成された付記15〜17のいずれか1項に記載の部品収容機器。
[付記19]
断熱部材が、前記第1の空隙部または前記第2の空隙部に設けられた付記15〜18のいずれか1項に記載の部品収納機器。
[付記20]
付記15〜19のいずれか1項に記載の部品収納機器と、
第1の部品と、
前記第2の部品とを備えた装置。
[付記21]
第1の部品と、発熱する第2の部品を収容する筐体と、
前記筐体の一部であって、前記第1の部品が設置され、前記第1の部品に熱的に接続する第1の底板と、
前記筐体の一部であって、前記第2の部品が設置され、前記第2の部品に熱的に接続する第2の底板と、
前記第1の底板および第2の底板の間には第2の空隙部が設けられた部品収容機器。
[付記22]
前記第1の部品を収容する第1の電子部品収容室と、
前記第2の部品を収容する第2の電子部品収容室と、
前記第1の部品収容室および前記第2の部品収容室の間であって、前記第1の部品収容室側に配置された第1の仕切板と、
前記第1の部品収容室および前記第2の部品収容室の間であって、前記第2の部品収容室側に配置された第2の仕切板と、
前記第1の仕切板および第2の仕切板の間には、第1の空隙部が設けられ、
前記第1の仕切板は前記第1の底板に接続され、前記第2の仕切板は前記第2の底板に接続され、
前記第1の空隙部および前記第2の空隙部は連通する付記21に記載の部品収容機器。
[付記23]
前記第2の底板に熱的に接続され、放熱部をさらに備えた付記21または22に記載の部品収容機器。
[付記24]
前記第1の部品収容室および前記第2の部品収容室の間を連通する連通部とを備え、
前記連通部を介して、前記第1の部品収容室から前記第2の部品収容室へ流れる空気の流路が形成された付記22または23に記載の電子部品収容機器。
[付記25]
断熱部材が、前記第1の空隙部または前記第2の空隙部に設けられた付記21〜24のいずれか1項に記載の電子部品収納機器。
[付記26]
付記21〜25のいずれか1項に記載のに記載の部品収納機器と、
前記第1の部品と、
前記第2の部品とを備えた装置。
【0217】
以上、実施形態(及び実施例)を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態(及び実施例)に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0218】
この出願は、2015年12月2日に出願された日本出願特願2015−235363を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。