(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記テスト回路は、実質的に同じ時刻における前記複数のセンス信号にもとづいて、前記複数の異常検出回路の異常を検出することを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路。
前記複数の異常検出回路それぞれの前記センス回路は、前記監視対象である電圧を分圧し、前記センス信号を生成する分圧回路を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の半導体集積回路。
前記テスト回路は、前記複数の異常検出回路それぞれの前記センス信号の発生ノードに、調節可能なテスト信号を供給可能に構成されることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の半導体集積回路。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、
図1の保護回路102について検討した結果、以下の課題を認識するに至った。保護回路102自体に故障や異常が生じていると、異常状態を正しく判定できない。たとえばセンス回路104の分圧比Kが設計値より大きい場合、電源電圧V
DDが正常な電圧範囲に含まれる場合においても、過電圧異常と判定されるおそれがある。反対に、センス回路104の分圧比Kが設計値より小さい場合、電源電圧V
DDが正常な電圧範囲より高い場合においても、過電圧異常を検出できないおそれがある。
【0006】
またセンス回路104が正常であったとしても、コンパレータ106に異常があると、異常状態を正しく判定できない。
【0007】
本発明は係る状況に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、信頼性を高めた半導体集積回路の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある態様は、半導体集積回路を備える。半導体集積回路は、監視対象を共通とする複数の異常検出回路と、複数の異常検出回路を検査するテスト回路と、を備える。複数の異常検出回路はそれぞれ、同じ回路形式を有し、監視対象に応じたセンス信号を生成するセンス回路と、センス信号を所定のしきい値と比較し、異常の有無を示す判定信号を生成するコンパレータと、を含む。テスト回路は、複数の異常検出回路において生成される複数のセンス信号にもとづいて、複数の異常検出回路の異常を検出する。
【0009】
複数のセンス回路は同じ回路形式を有しているため、複数のセンス回路が正常であるときに生成される複数のセンス信号は、期待される相対的な関係を有している。反対に、いずれかのセンス回路に異常が生じていると、複数のセンス信号の関係は期待されるそれから逸脱する。この態様によれば、複数のセンス回路の異常を検出でき、半導体集積回路の信頼性を高めることができる。
【0010】
テスト回路は、実質的に同じ時刻における複数のセンス信号にもとづいて、複数の異常検出回路の異常を検出してもよい。監視対象が短い時間スケールで変動する場合には、複数のセンス信号の監視タイミングを揃えることにより、テスト回路の精度を高めることができる。「実質的に同じ時刻」とは、監視対象の経時変化が無視しうる程度に同じ時刻でありうる。
【0011】
テスト回路は、複数のセンス信号の比にもとづいて、複数のセンス回路の異常を検出してもよい。
複数のセンス回路が、監視対象の信号を増幅あるいは減衰するような場合には、複数の検出信号の比を、その期待値と比較することで、複数のセンス回路の異常を検出できる。
【0012】
テスト回路は、複数のセンス信号の差分や和にもとづいて、複数の異常検出回路の異常を検出してもよい。
【0013】
複数の異常検出回路それぞれのセンス回路は、監視対象である電圧を分圧し、センス信号を生成する分圧回路を含んでもよい。
【0014】
複数の異常検出回路のひとつは過電圧検出回路であり、別のひとつは低電圧検出回路であってもよい。
【0015】
複数の異常検出回路は、同じ基準で異常の有無を判定してもよい。すなわち複数の異常検出回路は、同じ監視対象を同一基準で判定する冗長回路であってもよい。
【0016】
複数の異常検出回路は、温度異常検出回路であってもよい。
【0017】
センス回路は、ダイオードと、ダイオードに定電流を供給する電流源と、を含み、ダイオードの電圧降下がセンス信号であってもよい。
【0018】
テスト回路は、複数のセンス信号それぞれをデジタル値に変換するA/Dコンバータを含んでもよい。
【0019】
テスト回路は、複数の異常検出回路それぞれのセンス信号の発生ノードに、調節可能なテスト信号を供給可能に構成されてもよい。これにより複数の異常検出回路それぞれのコンパレータの異常の有無を判定できる。
【0020】
テスト回路は、複数のセンス信号それぞれをデジタル値に変換する逐次比較型のA/Dコンバータと、A/DコンバータのサブD/Aコンバータの出力信号を、複数の異常検出回路それぞれのセンス信号の発生ノードに供給するセレクタと、サブD/Aコンバータへの入力コードを制御するデジタル処理部と、を含んでもよい。逐次比較型A/DコンバータのサブD/Aコンバータをテスト信号の生成に流用することで、回路面積の増大を抑制できる。
【0021】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0022】
本発明のある態様によれば、半導体集積回路の信頼性を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0025】
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、電気的な接続状態に影響を及ぼさず、あるいは機能を阻害しない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0026】
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、電気的な接続状態に影響を及ぼさず、あるいは機能を阻害しない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0027】
(第1の実施の形態)
図2は、第1の実施の形態に係る半導体集積回路100のブロック図である。
図2には半導体集積回路100のうち、保護回路300に関連する部分のみが示される。
【0028】
保護回路300は、複数の異常検出回路310と、ロジック回路320、テスト回路330を備える。複数の異常検出回路310は、監視対象301を共通とする。監視対象は、(i)あるノードやピンの電圧、(ii)ある経路に流れる電流、(iii)半導体集積回路100の内部あるいはその周辺の温度が例示されるが、その限りでない。ここでは理解の容易化と説明の簡潔のため、異常検出回路310が2個の場合を説明する。
【0029】
複数の異常検出回路310における異常の判定基準は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。判定基準が同一の場合、複数の異常検出回路310は冗長な関係にあり、2重の異常検出が行われる。
【0030】
判定基準が異なる場合は、同じ監視対象の電圧について、過電圧検出と低電圧検出を行う場合や、同じ監視対象の温度について、高温異常(過熱異常)と低温異常を判定するような場合が例示される。あるピンに対して、天絡検出と地絡検出を行う場合にも適用可能である。
【0031】
テスト回路330は、複数の異常検出回路310を検査する。第1の実施の形態において、テスト回路330の検査対象は、複数の異常検出回路310に含まれる複数のセンス回路312である。
【0032】
複数の異常検出回路310は同様に構成される。異常検出回路310は、センス回路312およびコンパレータ314を含む。複数の異常検出回路310に含まれる複数のセンス回路312は、同じ回路形式を有する。
【0033】
言い換えると、複数のセンス回路312において、監視対象の値xからセンス信号の値yへの変換式(関数)が同一であってもよい。なお、「変換式が同一」には、変換式に含まれる係数や定数が完全に同一である場合はもちろんのこと、それらが異なる場合も含む。たとえば関数が1次式で表されるとき、複数のセンス回路312において、係数a、bは異なっていてもよい。
y=ax+b (ただしa≠0)
【0034】
異常検出回路310_1のセンス回路312と、異常検出回路310_2のセンス回路312とは、一体に構成されてもよい。
【0035】
コンパレータ314は、対応するセンス信号V
SNSを所定のしきい値V
THと比較し、異常の有無を示す判定信号S
ABNを生成する。
【0036】
テスト回路330は、複数の異常検出回路310_1,310_2において生成される複数のセンス信号V
SNS1,V
SNS2にもとづいて、複数の異常検出回路310_1,310_2の異常を検出する。
【0037】
以上が半導体集積回路100の構成である。続いて半導体集積回路100におけるセルフテストの動作を説明する。
【0038】
一例として、異常検出回路310_1においてセンス信号V
SNS1の値y
1と、監視対象の値xの間に式(1)が成り立つものとする。
y
1=a
1×x …(1)
同様に、異常検出回路310_2においてセンス信号V
SNS2の値y
2と、監視対象の値xの間に式(2)が成り立つものとする。
y
2=a
2×x …(2)
【0039】
テスト回路330は、セルフテストの期間中に、2つのセンス信号V
SNS1,V
SNS2の値を取得する。セルフテストは、半導体集積回路100の起動完了後に1回実行してもよいし、定期的に実行してもよい。2つのセンス信号V
SNS1,V
SNS2を取得する際に、監視対象の値xは同一であることが要求される。したがって監視対象の値xがセルフテスト期間中に変動する場合、テスト回路330は、実質的に同じ時刻における複数のセンス信号V
SNS1,V
SNS2を取得するとよい。なお、セルフテストの実行に際して、監視対象の値xは制御不能であることに留意されたい。
【0040】
複数のセンス回路312は同じ回路形式を有しているため、複数のセンス回路312が正常であるときに生成される複数のセンス信号V
SNS1,V
SNS2は、期待される相対的な関係を有している。この例では、2つの異常検出回路310におけるセンス回路312が両方とも正常であるとき、2つのセンス信号V
SNS1,V
SNS2の値は、式(1)、(2)で表されるy
1,y
2となる。もし、いずれかのセンス回路312に異常が生じていると、複数のセンス信号V
SNS1,V
SNS2の関係は期待されるそれから逸脱する。
【0041】
相対的な関係として比r=y
1/y
2をとるとき、比rの期待値r
EXPは式(3)で与えられる。
r
EXP=a
1/a
2
テスト回路330は、V
SNS1,V
SNS2の比V
SNS1/V
SNS2を計算し、期待値r
EXPと比較する。そして、計算した比V
SNS1/V
SNS2が期待値r
EXPと一致している(もしくは期待範囲に含まれる)ときに、複数のセンス回路312が正常であると判定することができる。反対に、計算した比V
SNS1/V
SNS2が期待値r
EXPと不一致である(もしくは期待範囲から外れる)ときに、複数のセンス回路312の少なくとも一方が異常であると判定することができる。
【0042】
相対的な関係は比には限定されない。たとえばa
1=a
2である場合、相対的な関係として差分をとってもよい。この場合、差の期待値はゼロとなる。
【0043】
セルフテストの結果S
1は、ロジック回路320に入力される。ロジック回路320は、セルフテストの結果S
1が正常を示すとき、判定信号S
ABN1,S
ABN2の信頼性が高いものとし、判定信号S
ABN1やS
ABN2のアサートに応答して、所定の保護処理を実行する。
【0044】
反対に、セルフテストテストの結果S
1が異常を示すとき、ロジック回路320は、それを外部のプロセッサに通知してもよい。
【0045】
以上が半導体集積回路100の動作である。この半導体集積回路100によれば、複数のセンス回路312の異常を検出でき、半導体集積回路100の信頼性を高めることができる。
【0046】
本発明は、
図2のブロック図や回路図として把握され、あるいは上述の説明から導かれるさまざまな装置、回路に及ぶものであり、特定の構成に限定されるものではない。以下、本発明の範囲を狭めるためではなく、発明の本質や回路動作の理解を助け、またそれらを明確化するために、より具体的な構成例や変形例を説明する。
【0047】
図3は、一実施例に係る半導体集積回路100Aの回路図である。この実施例において、監視対象は、任意のピンまたはノードの電圧である。たとえば、監視対象は半導体集積回路100Aの電源(VDD)ピンに供給される電源電圧V
DDであってもよい。また異常検出回路310_1は過電圧検出回路であり、異常検出回路310_2は低電圧検出回路である。
【0048】
複数の異常検出回路310_1,310_2それぞれのセンス回路312は、監視対象である電圧V
DDを分圧し、センス信号V
SNS_OV,V
SNS_UVを生成する。異常検出回路310_1のセンス回路312_1は、抵抗R
1,R
2を含む。分圧比R
2/(R
1+R
2)は、式(1)のa
1に相当する。コンパレータ314_1は、センス信号V
SNS_OVをしきい値V
TH_OVと比較し、V
SNS_OV>V
TH_OVのとき、判定信号S
ABN_OVをアサートする。
【0049】
異常検出回路310_2のセンス回路312_2は、抵抗R
3,R
4を含む。分圧比R
4/(R
3+R
4)は、式(2)のa
2に相当する。コンパレータ314_2は、センス信号V
SNS_UVをしきい値V
TH_UVと比較し、V
SNS_UV<V
TH_UVのとき、判定信号S
ABN_UVをアサートする。
【0050】
テスト回路330は、セレクタ332、A/Dコンバータ334、デジタル処理部336を含む。セレクタ332は、デジタル処理部336が生成する選択信号SEL
1に応じて、センス信号V
SNS_OVとV
SNS_UVの一方を選択する。たとえばデジタル処理部336は、センス信号V
SNS_OVとV
SNS_UVが順に選択されるように選択信号SEL
1を生成してもよい。A/Dコンバータ334は、セレクタ332によって順に選択されるセンス信号V
SNS_OV,V
SNS_UVをデジタル信号D
SNS_OV,D
SNS_UVに変換する。実質的に同じ時刻の2つのセンス信号V
SNS_OVとV
SNS_UVを測定する場合、セレクタ332に、サンプルホールド機能を実行すればよい。
【0051】
デジタル処理部336は、デジタル信号D
SNS_OV,D
SNS_UVにもとづいて、センス回路312_1,312_2の異常の有無を判定する。たとえばデジタル処理部336は、2つのデジタル信号D
SNS_OVとD
SNS_UVの比D
SNS_OV/D
SNS_UVを計算し、その期待値と一致するか否かを判定する。期待値は、{R
2/(R
1+R
2)}/{R
4/(R
3+R
4)}である。デジタル処理部336はロジック回路320の一部であってもよい。
【0052】
この半導体集積回路100Aによれば、過電圧検出回路と低電圧検出回路の異常を検出できる。
【0053】
図4は、一実施例に係るセンス回路312_1と312_2の回路図である。
図4においてセンス回路312_1,312_2は一体に構成される。V
INは監視対象の電圧を表す。
V
SNS1=(R
2+R
3)/(R
1+R
2+R
3)×V
IN
V
SNS2=R
3/(R
1+R
2+R
3)×V
IN
【0054】
図5は、一実施例に係る異常検出回路310_1,310_2の回路図である。この異常検出回路310_1の検出対象は温度であり、過熱異常を検出する。異常検出回路310_1は、ダイオード340、電流源342を含む。電流源342は、定電流I
Cをダイオード340に供給する。ダイオード340には、温度に応じた電圧降下(順電圧)V
Fが発生する。この順電圧が、センス信号V
SNS1となる。
【0055】
異常検出回路310_2は、異常検出回路310_1の完全なレプリカであり、センス回路312_1,312_2が正常な状態において、V
SNS1=V
SNS2が成り立つ。またV
TH1=V
TH2であり、異常検出回路310_,310_2は、同じ基準で過熱異常を検出する冗長回路である。
【0056】
図5の実施例によっても、監視対象である温度が実質的に同一であるときに取得される2つのセンス信号V
SNS1,V
SNS2の相対的な関係にもとづいて、センス回路312_1,312_2の異常を検出できる。
【0057】
図6は、一実施例に係るセンス回路312の回路図である。センス回路312はアンプを含み、アンプのゲインが、式(1)、(2)の定数a
1,a
2に対応付けられる。たとえばセンス回路312の監視対象は電流であり、監視対象の電流の経路に設けられたセンス抵抗R
Sと、センス抵抗R
Sの電圧降下を増幅するアンプ313を含んでもよい。
【0058】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、異常検出回路310のうち、複数のセンス回路312の異常を検出する構成を説明した。第2の実施の形態では、コンパレータ314の異常を検出する構成を説明する。
図7は、第2の実施の形態に係る半導体集積回路200のブロック図である。
図2には半導体集積回路200のうち、保護回路400に関連する部分のみが示される。
【0059】
異常検出回路310、ロジック回路320については第1の実施の形態と同様であるから説明を省略する。第2の実施の形態においてテスト回路430は、複数の異常検出回路310_1,310_2それぞれのセンス信号V
SNS1,V
SNS2の発生ノードN
1,N
2に、言い換えればコンパレータ314_1,314_2それぞれの一方の入力に、調節可能なテスト信号V
TEST1,V
TEST2を供給可能に構成される。テスト信号V
TEST1,V
TEST2の供給中、センス回路312は停止される。
【0060】
コンパレータ314_1が正常であるとき、しきい値V
TH1より高いテスト信号V
TEST1を与えると、判定信号S
ABN1は所定の第1レベルをとり、しきい値V
TH1より低いテスト信号V
TEST1を与えると、判定信号S
ABN1は所定の第2レベルをとる。もし、コンパレータ314が故障していたり、しきい値V
TH1が正常値でない場合には、この関係が崩れることになる。
【0061】
そこでテスト回路430は、所定レベルのテスト信号V
TEST1を与え、そのときの判定信号S
ABN1が期待値と一致するか否かにもとづいて、コンパレータ314_1の異常を検出できる。テスト回路430は、結果S
2をロジック回路320に出力する。
【0062】
このましくはテスト回路430は、テスト信号V
TEST1を、しきい値V
TH1より大きい値と小さい値とで切りかえ、それぞれにおける判定信号S
ABN1を取得してもよい。そして、2つのテスト信号V
TEST1の値に対応する判定信号S
ABN1が、それぞれの期待値と一致するときに、コンパレータ314_1が正常と判定してもよい。
【0063】
コンパレータ314_2についても、同様にして正常か否かを判定できる。
【0064】
図8は、一実施例に係るテスト回路430の回路図である。テスト回路430は、
図3のセレクタ332、A/Dコンバータ334、デジタル処理部336に加えて、セレクタ432、D/Aコンバータ434、を備える。D/Aコンバータ434は、デジタル処理部336が生成するデジタルコードCODEを、アナログのテスト信号V
TESTに変換する。セレクタ432は、デジタル処理部336が生成する選択信号SEL
2に応じて、テスト信号V
TESTを複数のノードN
1〜N
2のうちひとつに供給する。
【0065】
デジタル処理部336は、複数のノードN
1〜N
2それぞれに、適切なレベルのテスト信号V
TESTが供給されるように、選択信号SEL
2およびコードCODEを生成する。そして、テスト信号V
TEST1,V
TEST2に対応して得られる判定信号S
ABN1,S
ABN2を期待値と比較し、コンパレータ314_1,314_2の正常・異常を判定する。
【0066】
図9は、A/Dコンバータ334およびD/Aコンバータ434の構成例を示す回路図である。A/Dコンバータ334は、複数のセンス信号V
SNS1,V
SNS2をデジタル値に変換する逐次比較型のA/Dコンバータである。逐次比較型A/Dコンバータの構成は公知であり、サンプルホールド回路350、コンパレータ352、逐次比較レジスタ(SAR)354、サブD/Aコンバータ356を含む。セレクタ332は、A/Dコンバータ334に組み込まれている。
【0067】
図9において、サブD/Aコンバータ356は、D/Aコンバータ434として機能する。すなわち、A/Dコンバータ334を動作させる際には、サブD/Aコンバータ356に、逐次比較レジスタ354の値が入力され、サブD/Aコンバータ356をD/Aコンバータ434として動作させる際には、デジタル処理部336からのコードCODEが入力される。ノードN
1,N
2を駆動するために、バッファ436を設けてもよい。
【0068】
この構成によれば、逐次比較型のA/Dコンバータ334に設けられたサブD/Aコンバータ356を、D/Aコンバータ434としても利用することにより、回路面積の増加を抑制できる。
【0069】
実施の形態にもとづき、具体的な語句を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が可能である。