特許第6989454号(P6989454)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6989454ハーフレンズおよび平面ミラーを備えたクローキングデバイスおよびこれを含むビークル
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6989454
(24)【登録日】2021年12月6日
(45)【発行日】2022年1月5日
(54)【発明の名称】ハーフレンズおよび平面ミラーを備えたクローキングデバイスおよびこれを含むビークル
(51)【国際特許分類】
   G02B 17/08 20060101AFI20211220BHJP
   G02B 5/00 20060101ALI20211220BHJP
   B60R 1/04 20060101ALI20211220BHJP
【FI】
   G02B17/08 A
   G02B5/00 Z
   B60R1/04 H
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2018-134887(P2018-134887)
(22)【出願日】2018年7月18日
(65)【公開番号】特開2019-66825(P2019-66825A)
(43)【公開日】2019年4月25日
【審査請求日】2020年5月27日
(31)【優先権主張番号】15/677,341
(32)【優先日】2017年8月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】イ キュ−テ
(72)【発明者】
【氏名】デバシシュ バナージー
【審査官】 殿岡 雅仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−191402(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0025956(US,A1)
【文献】 実開平07−005934(JP,U)
【文献】 中国特許出願公開第101299079(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 − 17/08
G02B 21/02 − 21/04
G02B 25/00 − 25/04
G02B 27/00 − 30/60
G02B 1/00 − 5/136
B60R 1/00 − 1/12
B62D 17/00 − 29/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クローキングデバイスであって、
物体サイド、画像サイド、前記物体サイドと前記画像サイドの間の被クローキング領域、および前記物体サイドから前記画像サイドまで延在する基準光学軸と、
物体サイドハーフレンズおよび画像サイドハーフレンズであって、各々が内向き表面、外向き凸状表面、厚端部および薄端部を含み、前記内向き表面および前記外向き凸状表面が前記厚端部と前記薄端部の間に延在している、物体サイドハーフレンズおよび画像サイドハーフレンズと、
前記物体サイドハーフレンズと前記画像サイドハーフレンズの間に位置付けされた平面反射境界であって、前記基準光学軸と平行に配向された内向きミラー表面を含む、平面反射境界と、
を含み、
前記クローキングデバイスの前記物体サイドに位置付けされ前記被クローキング領域により視認不能化された物体からの光が、前記物体サイドハーフレンズ、前記平面反射境界および前記画像サイドハーフレンズにより前記被クローキング領域の周りに方向変換されて前記クローキングデバイスの前記画像サイドに前記物体の画像を形成し、こうして前記物体からの前記光が前記被クローキング領域を通過したようにみえる、
クローキングデバイス。
【請求項2】
前記物体サイドハーフレンズおよび前記画像サイドハーフレンズの前記薄端部が、前記基準光学軸に対して近位に位置付けされ、前記物体サイドハーフレンズおよび前記画像サイドハーフレンズの前記厚端部が、前記基準光学軸に対して遠位に位置付けされている、請求項1に記載のクローキングデバイス。
【請求項3】
前記平面反射境界の前記内向きミラー表面が、前記物体サイドハーフレンズの焦点に位置付けされている、請求項1または2に記載のクローキングデバイス。
【請求項4】
前記物体サイドハーフレンズは、前記クローキングデバイスの前記物体サイドに位置付けされた前記物体からの光を前記平面反射境界の前記内向きミラー表面上に集束させるように配向されており、前記平面反射境界の前記内向きミラー表面は、前記物体サイドハーフレンズからの光を前記画像サイドハーフレンズに反射するように配向されており、前記平面反射境界の前記内向きミラー表面から反射された光は発散光であり、前記画像サイドハーフレンズは、前記平面反射境界の前記内向きミラー表面からの前記発散光を集束させて前記クローキングデバイスの前記画像サイドに前記物体の前記画像を形成するように配向されている、請求項1から3のいずれかに記載のクローキングデバイス。
【請求項5】
前記物体サイドハーフレンズおよび前記画像サイドハーフレンズが、円柱ハーフレンズ、非円柱ハーフレンズおよび色消しハーフレンズからなる群の中から選択される、請求項1から4のいずれかに記載のクローキングデバイス。
【請求項6】
前記物体サイドハーフレンズは物体サイドハーフレンズ対を含み、前記物体サイドハーフレンズ対の一方の物体サイドハーフレンズは前記基準光学軸の一方の側に位置付けされ、前記物体サイドハーフレンズ対の他方の物体サイドハーフレンズが前記基準光学軸の他方の側に位置付けされており、
前記物体サイドハーフレンズ対の各物体サイドハーフレンズは、内向き表面、外向き凸状表面、厚端部および薄端部サイドを含み、前記内向き表面および前記外向き凸状表面は前記厚端部と前記薄端部の間に延在しており、
前記物体サイドハーフレンズ対の各物体サイドハーフレンズの前記薄端部は、前記基準光学軸に対し近位に位置付けされ、前記物体サイドハーフレンズ対の各物体サイドハーフレンズの前記厚端部は、前記基準光学軸に対し遠位に位置付けされており、
前記画像サイドハーフレンズは画像サイドハーフレンズ対を含み、前記画像サイドハーフレンズ対の一方の画像サイドハーフレンズは前記基準光学軸の一方の側に位置付けされ、前記画像サイドハーフレンズの他方の画像サイドハーフレンズは前記基準光学軸の他方の側に位置付けされており、
前記画像サイドハーフレンズ対の各画像サイドハーフレンズは、内向き表面、外向き凸状表面、厚端部および薄端部を含み、前記内向き表面および前記外向き凸状表面は前記厚端部と前記薄端部の間に延在しており、
前記画像サイドハーフレンズ対の各画像サイドハーフレンズの前記薄端部は、前記基準光学軸に対し近位に位置付けされ、前記画像サイドハーフレンズ対の各画像サイドハーフレンズの前記厚端部は、前記基準光学軸に対し遠位に位置付けされており、
前記平面反射境界は、平面反射境界対を含み、前記平面反射境界対の一方の平面反射境界は、前記基準光学軸の一方の側に位置付けされた前記物体サイドハーフレンズと前記画像サイドハーフレンズの間に位置付けされており、前記平面反射境界対の他方の平面反射境界は、前記基準光学軸の前記他方の側に位置付けされた前記物体サイドハーフレンズと前記画像サイドハーフレンズの間に位置付けされており、
前記平面反射境界対の各平面反射境界は、前記基準光学軸と平行に配向された内向きミラー表面を含み、
前記クローキングデバイスの前記物体サイドに位置付けされ前記被クローキング領域により視認不能化された物体からの前記光が、前記物体サイドハーフレンズ対、平面反射境界対および画像サイドハーフレンズ対により前記被クローキング領域の周りに方向変換されて前記クローキングデバイスの画像サイドに前記物体の画像を形成し、こうして前記物体からの前記光が前記被クローキング領域を通過したようにみえる、
請求項1から5のいずれかに記載のクローキングデバイス。
【請求項7】
前記物体サイドハーフレンズ対の前記厚端部の厚さが互いに等しい、請求項6に記載のクローキングデバイス。
【請求項8】
前記物体サイドハーフレンズ対の前記厚端部の厚さが互いに等しくない、請求項6に記載のクローキングデバイス。
【請求項9】
ビークルであって、
Aピラーと、
前記Aピラー上に位置付けされたクローキングデバイスであって、
前記クローキングデバイスが、物体サイド、画像サイド、被クローキング領域、および前記物体サイドから前記画像サイドまで延在する基準光学軸を含み、前記Aピラーが前記被クローキング領域内に位置付けされ、前記物体サイドが前記ビークルの外部に位置付けされ、前記画像サイドが前記ビークルの内部に位置付けされ、
前記クローキングデバイスが更に、物体サイドハーフレンズおよび画像サイドハーフレンズであって、各々が内向き表面、外向き凸状表面、厚端部および薄端部を含み、前記内向き表面および前記外向き凸状表面が前記厚端部と前記薄端部の間に延在している、物体サイドハーフレンズおよび画像サイドハーフレンズを含み、
前記クローキングデバイスが更に、前記物体サイドハーフレンズと前記画像サイドハーフレンズの間に位置付けされた平面反射境界であって、前記基準光学軸と平行に配向された内向きミラー表面を含む、平面反射境界を含む、
クローキングデバイスと、
を含み、
前記クローキングデバイスの物体サイドに位置付けされ前記被クローキング領域により視認不能化された物体からの光が、前記物体サイドハーフレンズを通る前記平面反射境界への前記光の伝播と、前記平面反射境界による前記画像サイドハーフレンズ上への前記物体サイドハーフレンズからの光の反射と、前記平面反射境界からの前記光の前記画像サイドハーフレンズを通る伝播と、を介して、前記Aピラーの周りに方向変換されて前記クローキングデバイスの画像サイドに前記物体の画像を形成し、こうして前記物体からの前記光が前記被クローキング領域を通過したようにみえる、
ビークル。
【請求項10】
前記物体サイドハーフレンズおよび画像サイドハーフレンズの前記薄端部が、前記基準光学軸に対して近位に位置付けされ、前記物体サイドおよび画像サイドハーフレンズの前記厚端部が、前記基準光学軸に対して遠位に位置付けされている、請求項9に記載のビークル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本明細書は、概して、物体が透明に見えるようにするための装置および方法に関し、より具体的には、ビークル(自動車、乗り物、輸送体)のピラー用のクローキングデバイスおよびビークルのピラーを透明に見えるようにするための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
ビークルのピラーを透明にすると考えられるクローキングデバイスについての研究が公表されている。このような研究は、ビークルの乗員が見掛け上、ビークルピラーを通して「見る」ことができるようにし、これによってビークル内の死角を減少させるためにメタマテリアルを使用すること、または表示スクリーンと組み合わせてビデオカメラを使用することを開示している。しかしながら、メタマテリアルおよびビデオ技術は、複雑な材料設計および設備を使用する。
【発明の概要】
【0003】
したがって、ビークルのピラーを透明にすると考えられる代替的なデバイスに対するニーズが存在する。
【0004】
概要
一実施形態において、クローキングデバイスは、物体サイド、画像サイド、物体サイドと画像サイドの間の被クローキング領域(または、クローキングされた領域)、および物体サイドから画像サイドまで延在する基準光学軸を含む。物体サイドハーフレンズと画像サイドハーフレンズが含まれている。この物体サイドハーフレンズおよび画像サイドハーフレンズは、各々が内向き表面、外向き凸状表面、厚端部および薄端部を含んでいる。内向き表面および外向き凸状表面は厚端部と薄端部の間に延在している。物体サイドハーフレンズと画像サイドハーフレンズの間に位置付けされた平面反射境界が含まれている。平面反射境界は、基準光学軸と平行に配向された内向きミラー表面を含む。クローキングデバイスの物体サイドに位置付けされ被クローキング領域により視認不能化された物体からの光は、物体サイドハーフレンズ、平面反射境界および画像サイドハーフレンズにより被クローキング領域の周りに方向変換されてクローキングデバイスの画像サイドに物体の画像を形成し、こうして物体からの光が被クローキング領域を通過したようにみえる。一実施形態において、物体サイドおよび画像サイドハーフレンズの薄端部は、基準光学軸に対して近位に位置付けされ、物体サイドおよび画像サイドハーフレンズの厚端部は、基準光学軸に対して遠位に位置付けされている。同様に、平面反射境界の内向きミラー表面は、物体サイドハーフレンズの焦点に位置付けされていてよい。物体サイドハーフレンズは、クローキングデバイスの物体サイドに位置付けされた物体からの光を平面反射境界の内向きミラー表面上に集束させるように配向されており、平面反射境界の内向きミラー表面は、物体サイドハーフレンズから画像サイドハーフレンズまで光を反射するように配向されている。画像サイドハーフレンズは、平面反射境界の内向きミラー表面からの光を集束させて、クローキングデバイスの画像サイドに物体の画像を形成するように配向されている。
【0005】
別の実施形態において、クローキングデバイスアセンブリは、物体サイド、画像サイド、被クローキング領域、被クローキング領域内部に位置付けされた被クローキング部材(または、クローキングされた部材)および物体サイドから画像サイドまで延在する基準光学軸を含む。物体サイドハーフレンズ対と画像サイドハーフレンズ対が含まれ、物体サイドハーフレンズ対の各物体サイドハーフレンズおよび画像サイドハーフレンズ対の各画像サイドハーフレンズは、内向き表面および外向き凸状表面を含む。物体サイドハーフレンズ対の一つの物体サイドハーフレンズは基準光学軸の一方の側に位置付けされ、物体サイドハーフレンズ対の一つの物体サイドハーフレンズは基準光学軸の他方の側に位置付けされている。同様にして、画像サイドハーフレンズ対の一つの画像サイドハーフレンズは基準光学軸の一方の側に位置付けされ、画像サイドハーフレンズ対の一つの画像サイドハーフレンズは基準光学軸の他方の側に位置付けされている。物体サイドハーフレンズ対の各物体サイドハーフレンズおよび画像サイドハーフレンズ対の各画像サイドハーフレンズは、厚端部および薄端部を含み、物体サイドハーフレンズ対の各物体サイドハーフレンズおよび画像サイドハーフレンズ対の各画像サイドハーフレンズの内向き表面および外向き凸状表面は厚端部と薄端部の間に延在する。物体サイドハーフレンズ対の各物体サイドハーフレンズおよび画像サイドハーフレンズ対の各画像サイドハーフレンズの薄端部は、基準光学軸に対し近位に位置付けされてよく、厚端部の各々は、基準光学軸に対し遠位に位置付けされてよい。いくつかの実施形態において、物体サイドハーフレンズ対の各物体サイドハーフレンズの厚端部の厚さは互いに等しい。他の実施形態において、物体サイドハーフレンズ対の各物体サイドハーフレンズの厚端部の厚さは互いに等しくない。一対の平面反射境界が含まれ、この平面反射境界対の各々の平面反射境界は、基準光学軸に対して平行に配向された内向きミラー表面を含む。平面反射境界対の一方の平面反射境界は、基準光学軸の一方の側に位置付けされた物体サイドハーフレンズと画像サイドハーフレンズの間に位置付けされ、平面反射境界対の他方の平面反射境界は、基準光学軸の他方の側に位置付けされた物体サイドハーフレンズと画像サイドハーフレンズの間に位置付けされている。クローキングデバイスアセンブリの物体サイドに位置付けされ被クローキング領域により視認不能化された物体からの光は、物体サイドハーフレンズ対、平面反射境界対および画像サイドハーフレンズ対により被クローキング領域の周りに方向変換されてクローキングデバイスアセンブリの画像サイドに物体の画像を形成し、こうして物体からの光が被クローキング領域を通過したようにみえる。
【0006】
別の実施形態において、ビークルが、Aピラーと、Aピラー上に位置付けされたクローキングデバイスとを共に含んでいる。クローキングデバイスは、物体サイド、画像サイド、被クローキング領域、および物体サイドから画像サイドまで延在する基準光学軸を含む。Aピラーは被クローキング領域内に位置付けされ、物体サイドはビークルの外部に位置付けされ、画像サイドはビークルの内部に位置付けされている。物体サイドハーフレンズおよび画像サイドハーフレンズが含まれている。物体サイドハーフレンズおよび画像サイドハーフレンズは、各々が内向き表面、外向き凸状表面、厚端部および薄端部を含む。物体サイドハーフレンズおよび画像サイドハーフレンズの内向き表面および外向き凸状表面は厚端部と薄端部の間に延在している。物体サイドハーフレンズと画像サイドハーフレンズの間に位置付けされた平面反射境界が含まれている。平面反射境界は、基準光学軸に対して平行に配向された内向きミラー表面を含む。ビークルの外部に位置付けされ被クローキング領域により視認不能化された物体からの光は、物体サイドハーフレンズを通る平面反射境界上への光の伝播、平面反射境界による画像サイドハーフレンズ上への光の反射および画像サイドハーフレンズを通る光の伝播を介して、Aピラーの周りに方向変換される。この光は、ビークルの外部の物体の画像をビークルの内部に形成し、こうして物体からの光がAピラーを通過したようにみえる。
【0007】
本開示中に記載の実施形態により提供されるこれらのおよび付加的な特徴は、図面と併せて以下の詳細な説明を考慮することでより完全に理解されるものである。
【0008】
図面中に明記されている実施形態は、事実上説明的かつ例示的なものであり、クレームによって定義されている主題を限定するように意図されたものではない。例示的実施形態についての以下の詳細な説明は、以下の図面と併せて読んだ場合に理解可能であり、これらの図面中、類似の構造には、類似の参照番号が示されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示中で開示され説明されている1つ以上の実施形態に係るクローキングデバイスの頂面図を概略的に描いている。
【0010】
図2A】本開示中で開示され説明されている1つ以上の実施形態に係るクローキングデバイス用のハーフ円柱レンズを概略的に描いている。
【0011】
図2B】本開示中で開示され説明されている1つ以上の実施形態に係るクローキングデバイス用の円柱レンズから形成された一対のハーフ円柱レンズを概略的に描いている。
【0012】
図3A】本開示中で開示され説明されている1つ以上の実施形態に係るクローキングデバイス用のハーフ非円柱レンズの頂面図を概略的に描いている。
【0013】
図3B】本開示中で開示され説明されている1つ以上の実施形態に係るクローキングデバイス用のハーフ色消しレンズの頂面図を概略的に描いている。
【0014】
図4】本開示中で開示され説明されている1つ以上の実施形態に係るクローキングデバイスの頂面図を概略的に描いている。
【0015】
図5】本開示中で開示され説明されている1つ以上の実施形態に係るクローキングデバイスの一方の側に第1の物体があり、クローキングデバイスの被クローキング領域内に第2の物体がある状態の、図1のクローキングデバイスの頂面斜視図を概略的に描いている。
【0016】
図6】クローキングデバイスの一方の側に第1の物体があり、クローキングデバイスの被クローキング領域内に第2の物体がある状態の、図1のクローキングデバイスの側面図を概略的に描いている。
【0017】
図7】本開示中で説明され例示されている1つ以上の実施形態に係るビークルのビークルAピラーをクローキングするクローキングデバイスを概略的に描いている。
【0018】
図8A】基準光学軸とクローキングアセンブリの視角の間の不整合が0°である、図1の実施形態に係るクローキングデバイス用のコンピュータシミュレーションしたクローキング画像を描いている。
【0019】
図8B】基準光学軸とクローキングアセンブリの視角の間の不整合が1°である、図1の実施形態に係るクローキングデバイス用のコンピュータシミュレーションしたクローキング画像を描いている。
【0020】
図8C】基準光学軸とクローキングアセンブリの視角の間の不整合が2°である、図1の実施形態に係るクローキングデバイス用のコンピュータシミュレーションしたクローキング画像を描いている。
【0021】
図8D】基準光学軸とクローキングアセンブリの視角の間の不整合が3°である、図1の実施形態に係るクローキングデバイス用のコンピュータシミュレーションしたクローキング画像を描いている。
【0022】
図8E】基準光学軸とクローキングアセンブリの視角の間の不整合が4°である、図1の実施形態に係るクローキングデバイス用のコンピュータシミュレーションしたクローキング画像を描いている。
【0023】
図8F】基準光学軸とクローキングアセンブリの視角の間の不整合が5°である、図1の実施形態に係るクローキングデバイス用のコンピュータシミュレーションしたクローキング画像を描いている。
【発明を実施するための形態】
【0024】
詳細な説明
本開示中に記載の1つ以上(1又は複数)の実施形態によると、クローキングデバイスは概して、一対のハーフレンズおよび平面ミラーを含み、これらが入射光を被クローキング領域の周りに導く。本開示中に記載のクローキングデバイスは、物体からの光を集束させ、反射させ、発散させ、再度集束させるために、平面ミラーと組み合わせた形で、ハーフ円柱レンズ、ハーフ非円柱レンズおよび/またはハーフ色消しレンズを利用することができる。本開示中に記載のクローキングデバイスは、ビークルAピラー、Bピラー、Cピラー、Dピラーなどのビークル部材をクローキングし、ビークル部材によりひき起こされる「死角」を除去するために使用可能である。死角とは、乗員の視界が妨害され得るビークルの領域を意味する。クローキングデバイスがなければビークルのピラーによって妨害されると思われる画像を、ハーフレンズおよび平面ミラーを使用することにより、ドライバは知覚することができる。本開示では、クローキングデバイスのさまざまな実施形態およびその使用方法が、添付図面を具体的に参照しながら、さらに詳細に説明される。
【0025】
図1は概して、クローキングデバイスの一実施形態を描いている。クローキングデバイスは、2つのハーフレンズおよび2つのハーフレンズの間に位置付けされた1つの平面反射境界と少なくとも部分的に境を接している被クローキング領域を含む。本開示中で使用されている「ハーフレンズ」なる用語は、レンズの光学軸に直交する方向に沿って長さが短縮されているレンズを意味する。「境界なる用語は、物理的表面を意味する。ハーフレンズの1つは物体サイドハーフレンズであり得、ハーフレンズの1つは画像サイドハーフレンズであり得る。平面反射境界は、物体サイドハーフレンズと画像サイドハーフレンズの間に位置付けされ得る。物体サイドハーフレンズおよび画像サイドハーフレンズは各々、内向き表面、外向き凸状表面、厚端部および薄端部を有する。本開示中で使用される「内向き表面」は、被クローキング領域に向かって面するかまたは被クローキング領域に対して近位にある表面を意味し、「外向き表面」なる用語は、被クローキング領域から離れるように面するかまたは被クローキング領域から遠位にある表面を意味する。物体サイドハーフレンズは、クローキングデバイスの物体サイドに位置付けされた物体からの入射光を平面反射境界上に集束させるように配向されている。平面反射境界は、物体サイドハーフレンズからの集束された入射光を画像サイドハーフレンズの内向き表面上に反射し発散させるように配向されている。画像サイドハーフレンズは、平面反射境界からの発散入射光を集束させ、クローキングデバイスの画像サイドに画像を提供するように配向されている。
【0026】
なおも図1を参照すると、クローキングデバイスの実施形態は、物体サイド12、画像サイド14および4つのハーフレンズ100、120、140、160を備えたクローキングアセンブリ10を含む。ハーフレンズ100、140とハーフレンズ120、160の間に被クローキング領域が位置付けされている。4つのハーフレンズ100、120、140、160の各々は、図に示された座標軸のX軸に沿った長さ、Y軸に沿った厚さ、およびZ軸に沿った高さを有する。すなわち、図中に示されているX軸は、4つのハーフレンズ100、120、140、160の長さに沿って延在し、図中に示されているY軸は4つのハーフレンズ100、120、140、160の厚さに沿って延在し、図中に示されているZ軸は4つのハーフレンズ100、120、140、160の高さに沿って延在する。2つのハーフレンズ100、140は、物体「O」に面するように、クローキングアセンブリ10の物体サイド12に位置付けされてよく、本開示では物体サイドハーフレンズ100、140と呼ぶことができる。2つのハーフレンズ120、160は、クローキングアセンブリ10により形成された画像「I」を提供するためにクローキングアセンブリ10の画像サイド14に位置付けされてよく、本開示では画像サイドハーフレンズ120、160と呼ぶことができる。
【0027】
ハーフレンズ100、120、140、160は各々、内向き表面102、122、142、162および外向き凸状表面104、124、144、164をそれぞれ有している。同様に、ハーフレンズ100、120、140、160は各々、厚端部106、126、146、166および薄端部108、128、148、168をそれぞれ有している。内向き表面102、122、142、162および外向き凸状表面104、124、144、164は、厚端部106、126、146、166と薄端部108、128、148、168の間でそれぞれ延在する。
【0028】
実施形態において、ハーフレンズ100、120、140、160は、ハーフ円柱レンズ、ハーフ非円柱レンズ、またはハーフ色消しレンズであってよい。同様に、ハーフレンズ100、120、140、160は、ハーフ円柱レンズ、ハーフ非円柱レンズおよび/またはハーフ色消しレンズの組み合わせであってよいということを理解すべきである。すなわち、ハーフレンズ100、120、140、160の1つ以上は、ハーフ円柱レンズ、ハーフ非円柱レンズまたはハーフ色消しレンズであってよい。ハーフ円柱レンズ160の一例が、図2Aに描かれている。詳細には、ハーフ円柱レンズ160は、内向き表面162と外向き凸状表面164を含む。内向き表面162は、内向きで平面的な表面であり、外向き凸状表面164は、半径「r」の外向き円筒形表面である。内向き表面162および外向き凸状表面164は、厚端部166と薄端部168の間に延在する。内向き平面表面162は、X方向に沿って長さ「l」を有し、厚端部166は、Y方向に沿って厚さ「t」を有する。ハーフ円柱レンズ160は、Z方向に延在する光学軸(図示せず)および高さ「h」を有する。実施形態において、ハーフ円柱レンズ160は、図2Bに描かれている円柱レンズから形成され得る。すなわち、図2Bに描かれている長さ「L」(X方向)の円柱レンズ8を平面9に沿って切断または分割して、2つのハーフレンズ、例えば図2Bに描かれた2つのハーフ円柱レンズ120、160を形成することができる。ハーフ円柱レンズ100および140も類似の方法で、すなわち単一の円柱レンズから形成された一対のハーフ円柱レンズとして形成することができるということを理解すべきである。同様に、一対のハーフ非円柱レンズおよび一対のハーフ色消しレンズをそれぞれ単一の非円柱および単一の色消しレンズから形成することができ、単一のレンズから一対のハーフレンズを形成することにより、本開示中に記載のクローキングデバイスの製造コストを削減することができる、ということも理解すべきである。図2Bは、互いに等しいサイズの2つのハーフレンズ(すなわち、2つのハーフ円柱レンズ120、160の長さ「l」は「L/2」に等しい)を形成するための円柱レンズ8の分割を描いているものの、本開示中に記載の「ハーフレンズ」は、1つのレンズの正確に半分でなくてよい、すなわちハーフレンズの長さ「l」は、円柱レンズ8の「L/2」より短いかまたは長いものであり得る、ということを理解すべきである。
【0029】
以上で指摘した通り、4つのハーフレンズ100、120、140、160は、ハーフ非円柱レンズまたはハーフ色消しレンズであってもよい。図3Aは、ハーフ非円柱レンズ160aの形をしたハーフレンズ160の頂面図を描いており、図3Bは、ハーフ色消しレンズ160bの形をしたハーフレンズの頂面図を描いている。ハーフ非円柱レンズ160a(図3A)は、内向き平面表面162aと、半径「r」の外向き円筒形表面164aを有する。内向き平面表面162aおよび外向き円筒形表面164aは、厚端部166aと薄端部168aの間に延在する。ハーフ色消しレンズ160b(図3B)は、内向き平面表面162bおよび半径「r」の外向き凸状表面164bを有する。ハーフ色消しレンズ160bは、2つの光学的構成要素、例えば、図3Bに描かれているようなフリント162cおよびクラウン164cから形成され得る。フリント162cは内向き表面162bを含み、クラウン164cは外向き凸状表面164bを含む。フリント162cは第1の屈折率を有する第1の透明な材料から形成され、クラウン164cは、第1の屈折率とは異なる第2の屈折率を有する第2の透明な材料から形成される。内向き表面162bおよび外向き凸状表面164bは、厚端部166bと薄端部168bの間に延在する。ハーフ非円柱レンズ160aおよびハーフ色消しレンズ160bをそれぞれ、単一の円柱レンズおよび単一の色消しレンズから形成することができるということを理解すべきである。すなわち、図2Bを参照しながら以上で論述したように、円柱レンズおよび色消しレンズを切断または分割して、それぞれハーフ非円柱レンズおよびハーフ色消しレンズを形成することができる。
【0030】
図1に戻ると、実施形態において、4つのハーフレンズ100、120、140、160の薄端部108、128、148、168は、物体サイド12から画像サイド14まで延在する基準光学軸15に対して近位にまたはこれに隣接して位置付けされている。このような実施形態において、4つのハーフレンズ100、120、140、160の厚端部106、126、146、166は、基準光学軸15に対して遠位に位置付けされるかまたは基準光学軸15から離隔されている。図1は、それぞれ物体サイドハーフレンズ100、140の薄端部108、148およびそれぞれ画像サイドハーフレンズ120、160の薄端部128、168を互いに接触して位置付けされた状態で描いているものの、薄端部108、148および/または薄端部128、168は、離隔された薄端部108、148および/または離隔された薄端部128、168の間にクローキングされていない領域または空隙(図示せず)が存在するような形で、X軸に沿って互いに離隔されていてよい、ということを理解すべきである。このような実施形態においては、クローキングされていない領域の上方(+Y方向)に位置付けされた物体Oの部分の画像が、クローキングアセンブリ10の画像サイド14に提供されることはない。
【0031】
基準光学軸15の右側(+X方向)で物体サイドハーフレンズ100と画像サイドハーフレンズ120の間に、平面反射境界110を位置付けすることができ、基準光学軸15の左側(−X方向)で物体サイドハーフレンズ140と画像サイドハーフレンズ160の間に平面反射境界150を位置付けすることができる。実施形態において、図1に描かれているように、平面反射境界110は、物体サイドハーフレンズ100の内向き表面102から画像サイドハーフレンズ120の内向き表面122まで延在し、平面反射境界150は、画像サイドハーフレンズ160の物体サイドハーフレンズ140の内向き表面142から画像サイドハーフレンズ160の内向き表面162まで延在する。他の実施形態においては、平面反射境界110は、物体サイドハーフレンズ100の内向き表面102から画像サイドハーフレンズ120の内向き表面122まで延在しなくてもよく、平面反射境界150は物体サイドハーフレンズ140の内向き表面142から画像サイドハーフレンズ160の内向き表面162まで延在しなくてもよい。このような実施形態において、平面反射境界110および/または平面反射境界150は、物体サイド12と画像サイド14を2等分しそれらの間に延在する2等分軸16上に位置付けされてよい。すなわち、平面反射境界110は、物体サイドハーフレンズ100の内向き表面102と画像サイドハーフレンズ120の内向き表面122の間で等しく間隔取りされてよく、平面反射境界150は、物体サイドハーフレンズ140の内向き表面142と画像サイドハーフレンズ160の内向き表面162の間で等しく間隔取りされてよい。平面反射境界110は、内向きミラー表面112を含んでいてよく、平面反射境界150は、内向きミラー表面152を含んでいてよい。内向きミラー表面112、152は、基準光学軸15に対して平行に配向されてよく、全方向フォトニック結晶またはミラーから製造可能である。
【0032】
平面反射境界110は、基準光学軸15の右側(+X方向)でクローキングアセンブリ10上に入射する物体Oからの光(図1中で矢印「1」として図示)が物体サイドハーフレンズ100を通って伝播し(図1に矢印「2」として図示)、内向きミラー表面112上に物体サイドハーフレンズ100により集束される(図1に矢印「3」として図示)ように、物体サイドハーフレンズ100との関係において位置付けされている。実施形態において、光3は、Z方向に延在し物体サイドハーフレンズ100の焦点f(本開示中「焦点f」と呼ばれる)と交差するラインに向って物体サイドハーフレンズ100によって集束される。このような実施形態において、内向きミラー表面112は、焦点fに位置付けされ得る。焦点fおよび本開示中に記載の他の焦点は、本開示に記載の物体サイドハーフレンズの形状によって提供されているということを理解すべきである。例えば、焦点fは、物体サイドハーフレンズ100の外向き凸状表面104の曲率に起因するかまたはこの曲率によって提供される。光3は、内向きミラー表面112によって反射され、この内向きミラー表面から発散する(図1に矢印「4」として図示)。画像サイドハーフレンズ120は、内向きミラー表面112により反射されこの内向きミラー表面112から発散する光3が内向き表面122上に入射するような形で、平面反射境界110との関係において位置付けされる。光4は、画像サイドハーフレンズ120を通って伝播し、この画像サイドハーフレンズ120により集束されて(図1に矢印「5」として図示)、クローキングアセンブリ10の画像サイド14で基準光学軸15の右側に画像「I」の一部分を提供する。
【0033】
外向き凸状表面104上に入射する光1は、光2として内向き表面102まで物体サイドハーフレンズ100を通って伝播する。光2は概して、平面反射境界110の内向きミラー表面112上の焦点fに対して物体サイドハーフレンズ100により光3として集束された後、光4として反射され画像サイドハーフレンズ120の内向き表面122上に発散する。光5は、画像サイドハーフレンズ120を通って外向き凸状表面124まで伝播する。画像サイドハーフレンズ120は、その原初の経路に対し平行に、すなわち光1に対して平行に光5を集束して(図1に矢印「6」として図示)、クローキングアセンブリ10の画像サイド14に画像「I」の右側部分(基準光学軸15から+X方向)を形成する。したがって、基準光学軸15の右側(+X方向)の物体Oからの光1は画像サイドへと伝播して、物体−物体サイドハーフレンズ100−平面反射境界110−画像サイドハーフレンズ120−画像という光路を介して基準光学軸15の右側に画像Iを形成する。すなわち、基準光学軸15の右側(+X方向)の物体Oからの光1は、物体O−物体サイドハーフレンズ100の外向き凸状表面104−物体サイドハーフレンズ100の内向き表面102−平面反射境界110の内向きミラー表面112−画像サイドハーフレンズ120の内向き表面122−画像サイドハーフレンズ120の外向き凸状表面124−画像Iという光路を介して伝播する。
【0034】
平面反射境界150は、基準光学軸15の左側(−X方向)でクローキングアセンブリ10上に入射する物体Oからの光1が物体サイドハーフレンズ140を通って伝播し(光2)、内向きミラー表面152上に光3として物体サイドハーフレンズ140により集束されるように、物体サイドハーフレンズ140との関係において位置付けされている。実施形態において、光3は、Z方向に延在し物体サイドハーフレンズ140の焦点f(本開示中「焦点f」と呼ばれる)と交差するラインに向って物体サイドハーフレンズ140によって集束される。このような実施形態において、内向きミラー表面152は、焦点fに位置付けされ得る。光3は、内向きミラー表面152によって反射され、この内向きミラー表面152から光4として発散する。画像サイドハーフレンズ160は、内向きミラー表面152により反射されこの内向きミラー表面152から光4として発散する光3が内向き表面162上に入射するような形で、平面反射境界150との関係において位置付けされる。光4は、画像サイドハーフレンズ160を通って伝播し(光5)、この画像サイドハーフレンズにより光6として集束されて、クローキングアセンブリ10の画像サイド14で基準光学軸15の左側に画像「I」の一部分を提供する。
【0035】
外向き凸状表面144上に入射する光1は、光2として内向き表面142まで物体サイドハーフレンズ140を通って伝播する。光2は概して、平面反射境界150の内向きミラー表面152上の焦点fに対して物体サイドハーフレンズ140により光3として集束された後、光4として反射され画像サイドハーフレンズ160の内向き表面162上に発散する。光5は、画像サイドハーフレンズ160を通って外向き凸状表面164まで伝播する。画像サイドハーフレンズ160は、その原初の経路に対し平行に、光6として光5を集束して、クローキングアセンブリ10の画像サイド14に画像「I」の左側部分(基準光学軸15から−X方向)を形成する。したがって、基準光学軸15の左側(−X方向)の物体Oからの光1は画像サイドへと伝播して、物体−物体サイドハーフレンズ140−平面反射境界150−画像サイドハーフレンズ160−画像という光路を介して基準光学軸15の左側に画像Iを形成する。すなわち、基準光学軸15の左側(−X方向)の物体Oからの光1は、物体O−物体サイドハーフレンズ140の外向き凸状表面144−物体サイドハーフレンズ140の内向き表面142−平面反射境界150の内向きミラー表面152−画像サイドハーフレンズ160の内向き表面162−画像サイドハーフレンズ160の外向き凸状表面164−画像Iという光路を介して伝播する。
【0036】
組み合わせで、すなわち、クローキングアセンブリ10の物体サイド12の物体Oからの基準光学軸15の右側(+X方向)および左側(−X方向)の光は、物体−物体サイドハーフレンズ100、140−平面反射境界110、150−画像サイドハーフレンズ120、160−画像という光路を介して画像サイド14まで伝播する。すなわち、物体Oからの光1は、物体O−それぞれ物体サイドハーフレンズ100、140の外向き凸状表面104、144−それぞれ物体サイドハーフレンズ100、140の内向き表面102、142−それぞれ平面反射境界110、150の内向きミラー表面112、152−それぞれ画像サイドハーフレンズ120、160の内向き表面122、162−それぞれ画像サイドハーフレンズ120、160の外向き凸状表面124、164−画像Iという光路を介して伝播する。
【0037】
図1は、サイズが同じ、すなわち内向き表面102、122、142、162の長さが互いに等しく厚端部106、126、146、166の厚さが互いに等しい4つのハーフレンズ100、120、140、160を描いているものの、一部の実施形態においては、4つのハーフレンズ100、120、140、160は同じサイズではない。詳細には、図4は、異なるサイズのハーフレンズを備えたクローキングアセンブリ20を描いている。クローキングアセンブリ20は、物体サイド22、画像サイド24および4つのハーフレンズ200、220、240、260を含む。基準光学軸25の右側(+X方向)にある2つのハーフレンズ200、220は、以下でさらに詳述するように、基準光学軸25の左側(−X方向)にある2つのハーフレンズ240、260よりも小さい。ハーフレンズ200、240とハーフレンズ220、260の間に、被クローキング領域CRが位置付けされている。4つのハーフレンズ200、220、240、260の各々は、図に示されているX軸に沿った長さ、Y軸に沿った厚さおよびZ軸に沿った高さを有する。2つのハーフレンズ200、240は、物体「O」に面するようにクローキングアセンブリ20の物体サイド22に位置付けされてよく、本開示では物体サイドハーフレンズ200、240と呼ぶことができる。2つのハーフレンズ220、260は、クローキングアセンブリ20により形成された画像「I」を提供するようにクローキングアセンブリ20の画像サイド24に位置付けされてよく、本開示では画像サイドハーフレンズ220、260と呼ぶことができる。
【0038】
ハーフレンズ200、220、240、260は各々、内向き表面202、222、242、262および外向き凸状表面204、224、244、264をそれぞれ有している。同様に、ハーフレンズ200、220、240、260は各々、厚端部206、226、246、266および薄端部208、228、248、268をそれぞれ有している。内向き表面202、222、242、262および外向き凸状表面204、224、244、264は、厚端部206、226、246、266と薄端部208、228、248、268の間でそれぞれ延在する。
【0039】
図4に描かれているように、物体サイドハーフレンズ200の内向き表面202は、物体サイドハーフレンズ240の内向き表面242の長さより小さい長さ(X方向)を有していてよく、画像サイドハーフレンズ220の内向き表面222は、画像サイドハーフレンズ260の内向き表面262の長さよりも小さい長さを有していてよい。一変形形態において、または付加的に、物体サイドハーフレンズ200の厚端部206は、物体サイドハーフレンズ240の厚端部246の厚さより小さい厚さ(Y方向)を有していてよく、画像サイドハーフレンズ220の厚端部226は、画像サイドハーフレンズ260の厚端部266の厚さより小さい厚さを有していてよい。実施形態において、ハーフレンズ200、220、240、260は、ハーフ円柱レンズ200、220、240、260である(図2A)。他の実施形態において、ハーフレンズ200、220、240、260はハーフ非円柱レンズ200、220、240、260である(図3A)。さらに他の実施形態において、ハーフレンズ200、220、240、260はハーフ色消しレンズ200、220、240、260である(図3B)。同様に、ハーフレンズ200、220、240、260は、ハーフ円柱レンズ、ハーフ非円柱レンズおよび/またはハーフ色消しレンズの組み合わせであってよい。すなわち、ハーフレンズ200、220、240、260の1つ以上は、ハーフ円柱レンズ、ハーフ非円柱レンズ、またはハーフ色消しレンズであってよい。
【0040】
実施形態において、薄端部208、228、248、268は、物体サイド22から画像サイド24まで延在する基準光学軸25に対して近位にまたはこれに隣接して位置付けされている。このような実施形態において、厚端部206、226、246、266は、基準光学軸25に対して遠位に位置付けされるかまたは基準光学軸25から離隔されている。図4は、それぞれ物体サイドハーフレンズ200、240の薄端部208、248およびそれぞれ画像サイドハーフレンズ220、260の薄端部228、268を互いに接触して位置付けされた状態で描いているものの、薄端部208、248および/または薄端部228、268は、離隔された薄端部208、248および/または離隔された薄端部228、268の間にクローキングされていない領域または空隙(図示せず)が存在するような形で、X軸に沿って互いに離隔されていてよい、ということを理解すべきである。このような実施形態においては、クローキングされていない領域の上方(+Y方向)に位置付けされた物体Oの部分の画像が、クローキングアセンブリ20の画像サイド24に提供されることはない。
【0041】
基準光学軸25の右側(+X方向)で物体サイドハーフレンズ200と画像サイドハーフレンズ220の間に、平面反射境界210を位置付けすることができ、基準光学軸25の左側(−X方向)で物体サイドハーフレンズ240と画像サイドハーフレンズ260の間に平面反射境界250を位置付けすることができる。実施形態において、図4に描かれているように、平面反射境界210は、物体サイドハーフレンズ200の内向き表面202から画像サイドハーフレンズ220の内向き表面222まで延在し、平面反射境界250は、画像サイドハーフレンズ260の物体サイドハーフレンズ240の内向き表面242から画像サイドハーフレンズ260の内向き表面262まで延在する。他の実施形態においては、平面反射境界210は、物体サイドハーフレンズ200の内向き表面202から画像サイドハーフレンズ220の内向き表面222まで延在しなくてもよく、平面反射境界250は物体サイドハーフレンズ240の内向き表面242から画像サイドハーフレンズ260の内向き表面262まで延在しなくてもよい。このような実施形態において、平面反射境界210および/または平面反射境界250は、物体サイド22と画像サイド24を2等分しそれらの間に延在する2等分軸26上に位置付けされてよい。すなわち、平面反射境界210は、物体サイドハーフレンズ200の内向き表面202と画像サイドハーフレンズ220の内向き表面222の間で等しく間隔取りされてよく、平面反射境界250は、物体サイドハーフレンズ240の内向き表面242と画像サイドハーフレンズ260の内向き表面262の間で等しく間隔取りされてよい。平面反射境界210は、内向きミラー表面212を含んでいてよく、平面反射境界250は、内向きミラー表面252を含んでいてよい。内向きミラー表面212、252は、基準光学軸25に対して平行に配向されてよく、全方向フォトニック結晶またはミラーから製造可能である。
【0042】
平面反射境界210は、基準光学軸25の右側(+X方向)でクローキングアセンブリ20上に入射する物体Oからの光(図4中で矢印「1」として図示)が物体サイドハーフレンズ200を通って伝播し(図4に矢印「2」として図示)、内向きミラー表面212上に物体サイドハーフレンズ200により集束される(図4に矢印「3」として図示)ように、物体サイドハーフレンズ200との関係において位置付けされている。実施形態において、光3は、Z方向に延在し物体サイドハーフレンズ200の焦点f(本開示中「焦点f」と呼ばれる)と交差するラインに向って物体サイドハーフレンズ200によって集束される。このような実施形態において、内向きミラー表面212は、焦点fに位置付けされ得る。光3は、内向きミラー表面212によって反射され、この内向きミラー表面から発散する(図4に矢印「4」として図示)。画像サイドハーフレンズ220は、内向きミラー表面212により反射されこの内向きミラー表面から発散する光3が内向き表面222上に入射するような形で、平面反射境界210との関係において位置付けされる。光4は、画像サイドハーフレンズ220を通って伝播し(図4に矢印「5」として図示)、この画像サイドハーフレンズ220により集束され(図4に矢印「6」として図示)て、クローキングアセンブリ20の画像サイド24で基準光学軸25の右側に画像「I」の一部分を提供する。
【0043】
外向き凸状表面204上に入射する光1は、光2として内向き表面202まで物体サイドハーフレンズ200を通って伝播する。光2は概して、平面反射境界210の内向きミラー表面212上の焦点fに対して物体サイドハーフレンズ200により光3として集束された後、光4として反射され画像サイドハーフレンズ220の内向き表面222上に発散する。光5は、画像サイドハーフレンズ220を通って外向き凸状表面224まで伝播する。画像サイドハーフレンズ220は、その原初の経路に対し平行に、すなわち光1に対して平行に光5を集束して(図4に矢印「6」として図示)、クローキングアセンブリ20の画像サイド24に画像「I」の右側部分(基準光学軸25から+X方向)を形成する。したがって、基準光学軸25の右側(+X方向)の物体Oからの光1は画像サイドへと伝播して、物体−物体サイドハーフレンズ200−平面反射境界210−画像サイドハーフレンズ220−画像という光路を介して基準光学軸25の右側に画像Iを形成する。すなわち、基準光学軸25の右側(+X方向)の物体Oからの光1は、物体O−物体サイドハーフレンズ200の外向き凸状表面204−物体サイドハーフレンズ200の内向き表面202−平面反射境界210の内向きミラー表面212−画像サイドハーフレンズ220の内向き表面222−画像サイドハーフレンズ220の外向き凸状表面224−画像Iという光路を介して伝播する。
【0044】
平面反射境界250は、基準光学軸25の左側(−X方向)でクローキングアセンブリ20上に入射する物体Oからの光1が物体サイドハーフレンズ240を通って伝播し(光2’)、内向きミラー表面252上に光3’として物体サイドハーフレンズ240により集束されるように、物体サイドハーフレンズ240との関係において位置付けされている。実施形態において、光3’は、Z方向に延在し物体サイドハーフレンズ240の焦点f(本開示中「焦点f」と呼ばれる)と交差するラインに向って物体サイドハーフレンズ240によって集束される。このような実施形態において、内向きミラー表面252は、焦点fに位置付けされ得る。光3’は、内向きミラー表面252によって反射され、この内向きミラー表面252から光4’として発散する。画像サイドハーフレンズ260は、内向きミラー表面252により反射されこの内向きミラー表面252から光4’として発散する光3’が内向き表面262上に入射するような形で、平面反射境界250との関係において位置付けされる。光4’は、画像サイドハーフレンズ260を通って伝播し(光5’)、この画像サイドハーフレンズにより光6’として集束されて、クローキングアセンブリ20の画像サイド24で基準光学軸25の左側に画像「I」の一部分を提供する。
【0045】
外向き凸状表面244上に入射する光1は、光2’として内向き表面242まで物体サイドハーフレンズ240を通って伝播する。光2’は概して、平面反射境界250の内向きミラー表面252上の焦点fに対して物体サイドハーフレンズ240により光3’として集束された後、発散光4’として画像サイドハーフレンズ260の内向き表面262上に反射される。光5’は、画像サイドハーフレンズ260を通って外向き凸状表面264まで伝播する。画像サイドハーフレンズ260は、その原初の経路に対し平行に、光6’として光5’を集束させて、クローキングアセンブリ20の画像サイド24に画像「I」の左側部分(基準光学軸25から−X方向)を形成する。したがって、基準光学軸25の左側(−X方向)の物体Oからの光1は画像サイドへと伝播して、物体−物体サイドハーフレンズ240−平面反射境界250−画像サイドハーフレンズ260−画像という光路を介して基準光学軸25の左側に画像Iを形成する。すなわち、基準光学軸25の左側(−X方向)の物体Oからの光1は、物体O−物体サイドハーフレンズ240の外向き凸状表面244−物体サイドハーフレンズ240の内向き表面242−平面反射境界250の内向きミラー表面252−画像サイドハーフレンズ260の内向き表面262−画像サイドハーフレンズ260の外向き凸状表面264−画像Iという光路を介して伝播する。
【0046】
組み合わせで、すなわち、クローキングアセンブリ20の物体サイド22の物体Oからの基準光学軸25の右側(+X方向)および左側(−X方向)の光は、物体−物体サイドハーフレンズ200、240−平面反射境界210、250−画像サイドハーフレンズ220、260−画像という光路を介して画像サイド24まで伝播する。すなわち、物体Oからの光は、物体O−それぞれ物体サイドハーフレンズ200、240の外向き凸状表面204、244−それぞれ物体サイドハーフレンズ200、240の内向き表面202、242−それぞれ平面反射境界210、250の内向きミラー表面212、252−それぞれ画像サイドハーフレンズ220、260の内向き表面222、262−それぞれ画像サイドハーフレンズ220、260の外向き凸状表面224、264−画像Iという光路を介して伝播する。
【0047】
ここで図1、5および6を参照すると、図1に関連して論述された実施形態に係るクローキングデバイスの頂面斜視図および側面図が、それぞれ図5および6に示されている。具体的には、図5は、クローキングデバイス10の被クローキング領域CR内部の支柱「C」の形をした部材および+Y方向でクローキングアセンブリ10の物体サイド12の支柱Cの後ろに位置設定された自動車「A」の頂面斜視図である。支柱Cは、クローキングデバイスの高さhよりも大きいZ方向の高さ寸法(+Z方向に増大した高さ)を有する(図6)。図6は、図1に示されたクローキングアセンブリ10の+Y方向から見た側面図であり、+Y方向でクローキングアセンブリ10を見ている観察者にとって、被クローキング領域内部にある支柱Cの部分が視認不能であり、+Y方向で支柱Cの後ろに位置設定された自動車Aが視認可能であるということを示している。したがって、クローキングアセンブリ10の画像サイド14を見ている観察者には、被クローキング領域内部に位置付けされた支柱Cが視認できず、画像サイド14を見ている観察者には自動車Aが視認できる。図5および6中の支柱Cは内向き表面(例えばクローキングアセンブリ10の内向き表面102、122、142、162)から分離したものである、すなわち支柱Cはクローキングアセンブリ10とは別個の物体であるものの、支柱Cは構造的にクローキングアセンブリ10の一部を成し、ハーフレンズの内向き表面を提供するかまたはこれと同等である外部表面を有することもできるということを認識すべきである。
【0048】
図7を参照すると、クローキングデバイスによりクローキングされているビークルのAピラーの実施形態が示されている。詳細には、図7は、ビークルVのAピラーPの一部分をクローキングする本開示中に記載されているクローキングデバイス19を示す。AピラーPの一部分は、クローキングデバイス19の被クローキング領域(図示せず)の内部に位置付けされており、AピラーPの一部分はクローキングデバイスを超えて延在し、トリムTでカバーされている。クローキングデバイス19の物体サイドでビークルVの外側に例示されているのは、歩行者の形をした標的物体「O」である。歩行者Oの一部分は、ビークルVのサイドウィンドウを通して視認でき、歩行者の一部分は、クローキングデバイス19によりクローキングされたAピラーPを「通して」視認可能である。クローキングデバイス19は、歩行者Oから反射された光を、クローキングデバイス19の被クローキング領域の内部に位置付けされたAピラーPの周りに方向変換し、歩行者Oの方を見ているビークルVの乗員にとって視認可能である歩行者Oの画像Iをクローキングデバイス19の画像サイドでビークルの内部に形成する。したがって、歩行者Oからの光は、AピラーPを通過したようにみえ、典型的にAピラーPが作り出す死角は、AピラーPがクローキングデバイス19の被クローキング領域の内部に位置付けされていない場合ほど存在しない。実施形態において、AピラーP自体は、被クローキング領域として役立つ。すなわちAピラーPは、歩行者からの光をAピラーPの周りに方向変換するのを補助する1つ以上の内向き表面を備えた外部表面を有する。クローキングデバイス19を用いたAピラーPのクローキングおよびAピラーPによって生成される死角の迂回は、メタマテリアル、ビデオ画像、カメラ、最新の電子工学などを使用することなく実施される、ということを認識すべきである。
【0049】
実施例
ここで図8A〜8Fを参照すると、クローキングアセンブリ10の物体サイド12に位置付けされたエンブレムの形をした物体の、市販ソフトウェアプログラム(Zemax OpticStudio)を用いてシミュレートされた画像サイド14から見た画像が描かれている。物体サイドハーフレンズ100、140および画像サイドハーフレンズ120、160は、Thorlabs製の市販のAYL5040−Aのハーフレンズであった。物体サイドハーフレンズ100、140および画像サイドハーフレンズ120、160は、40mmの焦点距離、50mmの高さhおよび50mmの長さlを有していた。外向き凸状表面104、124、144、164は、反射防止コーティングが施されていた。全デバイス部域と隠ぺい領域の縦横比は、それぞれ0.60および0.83であり、クローキング比(すなわち隠ぺい領域/総デバイス部域)は約36%であった。図8Aは、基準光学軸15と+Y方向からのクローキングアセンブリ10の視角の間の不整合が全く無い状態(0°)の物体の画像を描く。すなわち、本開示で使用されている「不整合」なる用語は、クローキングアセンブリの基準光学軸と、図中で+Y方向により描かれている画像サイドからクローキングアセンブリを見る観察者の視線とで画定される角度(本開示中では「視角」とも呼ばれる)を意味する。図8Bは、基準光学軸15とクローキングアセンブリ10の視角の間に1°の不整合を有する物体の画像を描く。図8Cは、基準光学軸15とクローキングアセンブリ10の視角の間に2°の不整合を有する物体の画像を描く。図8Dは、基準光学軸15とクローキングアセンブリ10の視角の間に3°の不整合を有する物体の画像を描く。図8Eは、基準光学軸15とクローキングアセンブリ10の視角の間に4°の不整合を有する物体の画像を描く。図8Fは、基準光学軸15とクローキングアセンブリ10の視角の間に5°の不整合を有する物体の画像を描く。図8A〜8F中の画像により示されるように、クローキングアセンブリ10の物体サイド12の物体の画像は、最大5°の不整合で明確に見ることができる。
【0050】
本開示中に記載のクローキングデバイスは、ビークルの内部から見た場合のビークル部材、例えばビークルAピラー、Bピラー、Cピラー、Dピラーなどをクローキングし、ビークル部材がもたらす死角を迂回するために使用され得る。「物体」、「部材」および「品目」なる用語は、互換的に、光を反射するかまたは光を透過する視覚的物体または画像(2Dまたは3D)を意味し、「〜からの光」なる用語は、「〜から反射された光」または「〜から透過された光」を意味することができる。「概して」、「おおよそ」および「約」なる用語は、本開示では、いずれかの定量的比較、値、測定または他の表現に起因する可能性のある固有の不確実性度を表わすために使用され得る。これらの用語は、本開示においては同様に、問題となっている主題の基本的機能の変化を結果としてもたらすことなく定量的表現が定められた基準から変動し得る度合いを表わすためにも使用される。
【0051】
図中に開示され描かれている実施形態は、4つのレンズおよび2つの平面反射境界と境を接する被クローキング領域を備えたクローキングアセンブリを描いているものの、2つのハーフレンズおよび1つの平面反射境界と境を接する被クローキング領域を備えたクローキングアセンブリも提供される。例えば、非限定的に、被クローキング領域は、物体サイドハーフレンズ、平面反射境界および画像サイド曲線CR境界の間で境を接していてもよい。
【0052】
本開示中で使用されている方向用語、例えば上、下、右、左、前、後、頂部、底部、垂直、水平などは、描画された通りの図を基準としているにすぎず、別段の規定の無いかぎり絶対的配向を暗示するように意図されていない。
【0053】
本開示中では特定の実施形態が例示され説明されてきたが、請求対象の主題の精神および範囲から逸脱することなく、さまざまな他の変更および修正を加えることができるということを理解すべきである。その上、本開示中では、請求対象の主題のさまざまな態様が説明されてきたが、このような態様を組み合わせで使用する必要はない。したがって、添付の特許請求の範囲は請求対象の主題の範囲内に入るこのような変更および修正の全てを網羅することが意図されている。
【0054】
[例1]
クローキングデバイスであって、
物体サイド、画像サイド、前記物体サイドと前記画像サイドの間の被クローキング領域、および前記物体サイドから前記画像サイドまで延在する基準光学軸と、
物体サイドハーフレンズおよび画像サイドハーフレンズであって、各々が内向き表面、外向き凸状表面、厚端部および薄端部を含み、前記内向き表面および前記外向き凸状表面が前記厚端部と前記薄端部の間に延在している、物体サイドハーフレンズおよび画像サイドハーフレンズと、
前記物体サイドハーフレンズと前記画像サイドハーフレンズの間に位置付けされた平面反射境界であって、前記基準光学軸と平行に配向された内向きミラー表面を含む、平面反射境界と、
を含み、
前記クローキングデバイスの前記物体サイドに位置付けされ前記被クローキング領域により視認不能化された物体からの光が、前記物体サイドハーフレンズ、前記平面反射境界および前記画像サイドハーフレンズにより前記被クローキング領域の周りに方向変換されて前記クローキングデバイスの前記画像サイドに前記物体の画像を形成し、こうして前記物体からの前記光が前記被クローキング領域を通過したようにみえる、
クローキングデバイス。
[例2]
前記物体サイドハーフレンズおよび前記画像サイドハーフレンズの前記薄端部が、前記基準光学軸に対して近位に位置付けされ、前記物体サイドハーフレンズおよび前記画像サイドハーフレンズの前記厚端部が、前記基準光学軸に対して遠位に位置付けされている、例1に記載のクローキングデバイス。
[例3]
前記平面反射境界の前記内向きミラー表面が、前記物体サイドハーフレンズの焦点に位置付けされている、例1に記載のクローキングデバイス。
[例4]
前記物体サイドハーフレンズは、前記クローキングデバイスの前記物体サイドに位置付けされた前記物体からの光を前記平面反射境界の前記内向きミラー表面上に集束させるように配向されており、前記平面反射境界の前記内向きミラー表面は、前記物体サイドハーフレンズからの光を前記画像サイドハーフレンズに反射するように配向されており、前記平面反射境界の前記内向きミラー表面から反射された光は発散光であり、前記画像サイドハーフレンズは、前記平面反射境界の前記内向きミラー表面からの前記発散光を集束させて前記クローキングデバイスの前記画像サイドに前記物体の前記画像を形成するように配向されている、例1に記載のクローキングデバイス。
[例5]
前記物体サイドハーフレンズおよび前記画像サイドハーフレンズが、円柱ハーフレンズ、非円柱ハーフレンズおよび色消しハーフレンズからなる群の中から選択される、例1に記載のクローキングデバイス。
[例6]
前記物体サイドハーフレンズは物体サイドハーフレンズ対を含み、前記物体サイドハーフレンズ対の一方の物体サイドハーフレンズは前記基準光学軸の一方の側に位置付けされ、前記物体サイドハーフレンズ対の他方の物体サイドハーフレンズが前記基準光学軸の他方の側に位置付けされており、
前記物体サイドハーフレンズ対の各物体サイドハーフレンズは、内向き表面、外向き凸状表面、厚端部および薄端部サイドを含み、前記内向き表面および前記外向き凸状表面は前記厚端部と前記薄端部の間に延在しており、
前記物体サイドハーフレンズ対の各物体サイドハーフレンズの前記薄端部は、前記基準光学軸に対し近位に位置付けされ、前記物体サイドハーフレンズ対の各物体サイドハーフレンズの前記厚端部は、前記基準光学軸に対し遠位に位置付けされており、
前記画像サイドハーフレンズは画像サイドハーフレンズ対を含み、前記画像サイドハーフレンズ対の一方の画像サイドハーフレンズは前記基準光学軸の一方の側に位置付けされ、前記画像サイドハーフレンズの他方の画像サイドハーフレンズは前記基準光学軸の他方の側に位置付けされており、
前記画像サイドハーフレンズ対の各画像サイドハーフレンズは、内向き表面、外向き凸状表面、厚端部および薄端部を含み、前記内向き表面および前記外向き凸状表面は前記厚端部と前記薄端部の間に延在しており、
前記画像サイドハーフレンズ対の各画像サイドハーフレンズの前記薄端部は、前記基準光学軸に対し近位に位置付けされ、前記画像サイドハーフレンズ対の各画像サイドハーフレンズの前記厚端部は、前記基準光学軸に対し遠位に位置付けされており、
前記平面反射境界は、平面反射境界対を含み、前記平面反射境界対の一方の平面反射境界は、前記基準光学軸の一方の側に位置付けされた前記物体サイドハーフレンズと前記画像サイドハーフレンズの間に位置付けされており、前記平面反射境界対の他方の平面反射境界は、前記基準光学軸の前記他方の側に位置付けされた前記物体サイドハーフレンズと前記画像サイドハーフレンズの間に位置付けされており、
前記平面反射境界対の各平面反射境界は、前記基準光学軸と平行に配向された内向きミラー表面を含み、
前記クローキングデバイスの前記物体サイドに位置付けされ前記被クローキング領域により視認不能化された物体からの前記光が、前記物体サイドハーフレンズ対、平面反射境界対および画像サイドハーフレンズ対により前記被クローキング領域の周りに方向変換されて前記クローキングデバイスの画像サイドに前記物体の画像を形成し、こうして前記物体からの前記光が前記被クローキング領域を通過したようにみえる、
例1に記載のクローキングデバイス。
[例7]
前記物体サイドハーフレンズ対の前記厚端部の厚さが互いに等しい、例6に記載のクローキングデバイス。
[例8]
前記物体サイドハーフレンズ対の前記厚端部の厚さが互いに等しくない、例6に記載のクローキングデバイス。
[例9]
クローキングデバイスアセンブリであって、
物体サイド、画像サイド、被クローキング領域、前記被クローキング領域内部に位置付けされた被クローキング部材、および前記物体サイドから前記画像サイドまで延在する基準光学軸と、
物体サイドハーフレンズ対であって、各物体サイドハーフレンズが内向き表面および外向き凸状表面を含み、前記物体サイドハーフレンズ対の一方の物体サイドハーフレンズが前記基準光学軸の一方の側に位置付けされ、前記物体サイドハーフレンズ対の他方の物体サイドハーフレンズが前記基準光学軸の他方の側に位置付けされている、物体サイドハーフレンズ対と、
サイドハーフレンズ対であって、各画像サイドハーフレンズが内向き表面および外向き凸状表面を含み、前記画像サイドハーフレンズ対の一方の画像サイドハーフレンズが前記基準光学軸の一方の側に位置付けされ、前記画像サイドハーフレンズ対の他方の画像サイドハーフレンズが前記基準光学軸の他方の側に位置付けされている、画像サイドハーフレンズ対と、
平面反射境界対であって、各平面反射境界が前記基準光学軸に対して平行に配向された内向きミラー表面を含み、前記平面反射境界対の一方の平面反射境界が、前記基準光学軸の前記一方の側に位置付けされた前記物体サイドハーフレンズと前記画像サイドハーフレンズの間に位置付けされ、前記平面反射境界対の他方の平面反射境界が、前記基準光学軸の前記他方の側に位置付けされた前記物体サイドハーフレンズと前記画像サイドハーフレンズの間に位置付けされている、平面反射境界対と、
を含み、
前記物体サイドハーフレンズ対および前記画像サイドハーフレンズ対が、円柱ハーフレンズ、非円柱ハーフレンズおよび色消しハーフレンズからなる群の中から選択されており、
前記クローキングデバイスアセンブリの前記物体サイドに位置付けされ前記被クローキング領域により視認不能化された物体からの光が、前記物体サイドハーフレンズ対、前記平面反射境界対および前記画像サイドハーフレンズ対により前記被クローキング部材の周りに方向変換されて前記クローキングデバイスアセンブリの前記画像サイドに前記物体の画像を形成し、こうして前記物体からの前記光が前記被クローキング領域を通過したようにみえる、
クローキングデバイスアセンブリ。
[例10]
前記物体サイドハーフレンズ対の各物体サイドハーフレンズおよび前記画像サイドハーフレンズ対の各画像サイドハーフレンズが、厚端部および薄端部を含み、前記物体サイドハーフレンズ対の各物体サイドハーフレンズおよび前記画像サイドハーフレンズ対の各画像サイドハーフレンズの内向き表面および外向き凸状表面が前記厚端部と前記薄端部の間に延在する、例9に記載のクローキングデバイス。
[例11]
前記物体サイドハーフレンズ対の各物体サイドハーフレンズおよび前記画像サイドハーフレンズ対の各画像サイドハーフレンズの薄端部が、前記基準光学軸に対し近位に位置付けされ、前記厚端部の各々が、前記基準光学軸に対し遠位に位置付けされている、例10に記載のクローキングデバイスアセンブリ。
[例12]
前記物体サイドハーフレンズ対の各物体サイドハーフレンズの前記厚端部の厚さが互いに等しく、前記画像サイドハーフレンズ対の各画像サイドハーフレンズの前記厚端部の厚さが互いに等しい、例10に記載のクローキングデバイスアセンブリ。
[例13]
前記物体サイドハーフレンズ対の各物体サイドハーフレンズの前記厚端部の厚さが互いに等しくなく、前記画像サイドハーフレンズ対の各画像サイドハーフレンズの前記厚端部の厚さが互いに等しくない、例10に記載のクローキングデバイスアセンブリ。
[例14]
前記平面反射境界対の前記内向きミラー表面の対が、前記画像サイドハーフレンズ対の焦点に位置付けされている、例9に記載のクローキングデバイスアセンブリ。
[例15]
前記クローキングデバイスの前記物体サイドに位置付けされた前記物体からの前記光が、物体−前記物体サイドハーフレンズ対の外向き凸状表面−前記物体サイドハーフレンズ対の内向き表面−前記平面反射境界対の内向きミラー表面−前記画像サイドハーフレンズ対の内向き表面−前記画像サイドハーフレンズ対の外向き凸状表面−画像という光路を介し、前記画像サイドまで伝播して前記画像を形成する、例9に記載のクローキングデバイスアセンブリ。
[例16]
ビークルであって、
Aピラーと、
前記Aピラー上に位置付けされたクローキングデバイスであって、
前記クローキングデバイスが、物体サイド、画像サイド、被クローキング領域、および前記物体サイドから前記画像サイドまで延在する基準光学軸を含み、前記Aピラーが前記被クローキング領域内に位置付けされ、前記物体サイドが前記ビークルの外部に位置付けされ、前記画像サイドが前記ビークルの内部に位置付けされ、
前記クローキングデバイスが更に、物体サイドハーフレンズおよび画像サイドハーフレンズであって、各々が内向き表面、外向き凸状表面、厚端部および薄端部を含み、前記内向き表面および前記外向き凸状表面が前記厚端部と前記薄端部の間に延在している、物体サイドハーフレンズおよび画像サイドハーフレンズを含み、
前記クローキングデバイスが更に、前記物体サイドハーフレンズと前記画像サイドハーフレンズの間に位置付けされた平面反射境界であって、前記基準光学軸と平行に配向された内向きミラー表面を含む、平面反射境界を含む、
クローキングデバイスと、
を含み、
前記クローキングデバイスの物体サイドに位置付けされ前記被クローキング領域により視認不能化された物体からの光が、前記物体サイドハーフレンズを通る前記平面反射境界への前記光の伝播と、前記平面反射境界による前記画像サイドハーフレンズ上への前記物体サイドハーフレンズからの光の反射と、前記平面反射境界からの前記光の前記画像サイドハーフレンズを通る伝播と、を介して、前記Aピラーの周りに方向変換されて前記クローキングデバイスの画像サイドに前記物体の画像を形成し、こうして前記物体からの前記光が前記被クローキング領域を通過したようにみえる、
ビークル。
[例17]
前記物体サイドハーフレンズおよび画像サイドハーフレンズの前記薄端部が、前記基準光学軸に対して近位に位置付けされ、前記物体サイドおよび画像サイドハーフレンズの前記厚端部が、前記基準光学軸に対して遠位に位置付けされている、例16に記載のビークル。
[例18]
前記平面反射境界の前記内向きミラー表面が、前記物体サイドハーフレンズの焦点に位置付けされている、例16に記載のビークル。
[例19]
前記物体サイドハーフレンズの前記厚端部の厚さが、前記画像サイドハーフレンズの前記厚端部の厚さに等しい、例16に記載のビークル。
[例20]
前記物体サイドハーフレンズの前記厚端部の厚さが前記画像サイドハーフレンズの前記厚端部の厚さに等しくない、例16に記載のビークル。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F