特許第6989492号(P6989492)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6989492低い製造コスト及び半径方向負荷低減のためのボリュートデザイン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6989492
(24)【登録日】2021年12月6日
(45)【発行日】2022年1月5日
(54)【発明の名称】低い製造コスト及び半径方向負荷低減のためのボリュートデザイン
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/44 20060101AFI20211220BHJP
【FI】
   F04D29/44 D
   F04D29/44 U
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-511735(P2018-511735)
(86)(22)【出願日】2016年9月6日
(65)【公表番号】特表2018-526573(P2018-526573A)
(43)【公表日】2018年9月13日
(86)【国際出願番号】US2016050412
(87)【国際公開番号】WO2017041099
(87)【国際公開日】20170309
【審査請求日】2019年8月27日
(31)【優先権主張番号】62/213,739
(32)【優先日】2015年9月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516039413
【氏名又は名称】フルイド ハンドリング リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ポール ジェイ.ルジカ
【審査官】 岸 智章
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭54−175006(JP,U)
【文献】 中国実用新案第203939774(CN,U)
【文献】 特開2001−295791(JP,A)
【文献】 特開2008−280939(JP,A)
【文献】 特開平11−166499(JP,A)
【文献】 特開2006−307830(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターボ形ポンプ用のボリュートであって、
ボリュート壁と、
圧送される流体を受容するポンプ吸込口と、
圧送される流体を提供するポンプ吐出口と、
前記ボリュート壁上に構成されて、前記ボリュートにおける二重ボリュートを形成するケーシングベーンであって、該ケーシングベーンは、前記ポンプ吐出口から最遠の上側巻き始め部であって、上側巻き始め部喉部面積と、該上側巻き始め部のための通路の端部とを画成する上側巻き始め部を備えて構成され、また、前記ポンプ吐出口に最も近い下側巻き始め部であって、下側巻き始め部喉部面積と、該下側巻き始め部のための通路の対応する端部とを画成する下側巻き始め部も備えて構成され、前記流体は、該ボリュート内で前記上側巻き始め部から前記下側巻き始め部へ至り前記ポンプ吐出口から出る方向で流れ、前記上側巻き始め部は前記ポンプ吸込口に関する上側巻き始め部軸線上に形成され、前記下側巻き始め部は前記ポンプ吸込口に関する下側巻き始め部軸線上に形成され、前記上側巻き始め部軸線と前記下側巻き始め部軸線は、前記ポンプ吸込口に対する半径方向分離で且つ該ボリュート内で前記上側巻き始め部から前記下側巻き始め部へ至り前記ポンプ吐出口から流れ出る前記流体の方向で、実質的に180°未満の角度αで半径方向が変位させられる、ケーシングベーンと、
を備えており、
前記上側巻き始め部喉部面積は、該上側巻き始め部喉部面積及び前記下側巻き始め部喉部面積が、圧送される流体の角度的掃引距離に応じて、前記上側巻き始め部及び前記下側巻き始め部の両方において実質的に等しい流速を提供する様に、前記下側巻き始め部喉部面積より大きく且つ不等に寸法決定され、且つ、
前記上側巻き始め部のための通路の端部は、前記ポンプ吐出口における前記上側及び下側の巻き始め部の通路面積が、その中で圧送される流体の異なる流量の関数としてバランスされる様に、且つ、前記上側及び下側の巻き始め部通路面積に結び付けられた端部から圧送される流体が、実質的に等しい速度を以て前記ポンプ吐出口において合流する様に、前記下側巻き始め部のための通路の対応する端部の対応する下側巻き始め部通路面積より大きく且つ不等の上側巻き始め部通路面積を以て寸法決定され
該ボリュートは、インペラベーンを備えたインペラであって、該ボリュート又はケーシング内において前記二重ボリュートの一方内に配置されるインペラを有する二重渦巻ポンプの一部分を形成し、
前記角度αは108°と110°との間の範囲内にある、
ボリュート。
【請求項2】
ターボ形ポンプ用のボリュートであって、
ボリュート壁と、
圧送される流体を受容するポンプ吸込口と、
圧送される流体を提供するポンプ吐出口と、
前記ボリュート壁上に構成されて、前記ボリュートにおける二重ボリュートを形成するケーシングベーンであって、該ケーシングベーンは、前記ポンプ吐出口から最遠の上側巻き始め部であって、上側巻き始め部喉部面積と、該上側巻き始め部のための通路の端部とを画成する上側巻き始め部を備えて構成され、また、前記ポンプ吐出口に最も近い下側巻き始め部であって、下側巻き始め部喉部面積と、該下側巻き始め部のための通路の対応する端部とを画成する下側巻き始め部も備えて構成される、ケーシングベーンと、
を備えており、
前記上側巻き始め部喉部面積は、該上側巻き始め部喉部面積及び前記下側巻き始め部喉部面積が、圧送される流体の角度的掃引距離に応じて、前記上側巻き始め部及び前記下側巻き始め部の両方において実質的に等しい流速を提供する様に、前記下側巻き始め部喉部面積より大きく且つ不等に寸法決定され、且つ、
前記上側巻き始め部のための通路の端部は、前記ポンプ吐出口における前記上側及び下側の巻き始め部の通路面積が、その中で圧送される流体の異なる流量の関数としてバランスされる様に、且つ、前記上側及び下側の巻き始め部通路面積に結び付けられた端部から圧送される流体が、実質的に等しい速度を以て前記ポンプ吐出口において合流する様に、前記下側巻き始め部のための通路の対応する端部の対応する下側巻き始め部通路面積より大きく且つ不等の上側巻き始め部通路面積を以て寸法決定され、
該ボリュートは、インペラベーンを備えたインペラであって、該ボリュート又はケーシング内において前記二重ボリュートの一方内に配置されるインペラを有する二重渦巻ポンプの一部分を形成し、
前記上側巻き始め部及び前記下側巻き始め部は、108°と110°との間の範囲内の角度αで半径方向が変位させられる、ボリュート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に関する相互参照
本出願は、2015年9月3日に出願された仮特許出願第62/213,739号の特典を主張するものであり、前記出願は言及したことによりその全体が本明細書中に援用される。
本発明は、ポンプ用のボリュートに関し、更に詳細には、優れたボリュートデザインを有するポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、符号iにより表されたポンプ吸込口と、符号oにより表されたポンプ吐出口もしくは流出口とを備えたボリュート壁Vwallを有する通常の又は従来型の二重ボリュートVpaを示している。従来型の二重ボリュートVpaは、例えば図1に示されたものと一致して、自身内に形成されたケーシングベーンCVpaを含み、これは、ボリュート壁Vwallの両側で、半径が約180°だけ離間して分離されて、軸線Ac1,c2上に配置された下側巻き始め部c1及び上側巻き始め部c2を有している。図1において、0°、90°、180°、270°の半径方向角度は、基準となる角度的な半径方向座標系を読者に提供すべく示されている。図1はまた、インペラの外周ベーン表面を表す円形破線Ivも含んでいる。図1はまた、下側巻き始め部喉部面積として円で囲まれた参照符号1、上側巻き始め部喉部面積として円で囲まれた参照符号2、下側巻き始め部c1のための通路の端部として円で囲まれた参照符号3、及び上側巻き始め部c2のための通路の端部として円で囲まれた参照符号4も示している。図1において、従来の二重ボリュートVpaに関して、1及び2と符号が付された面積は等しく、且つ、これらの下側及び上側の巻き始め部c1及びc2は事実上、半径方向に対向して配置される。
【0003】
先行技術において、且つ図1に示されたものと一致して、通常の二重ボリュートVpaは、典型的に、夫々1及び2と符号が付された等しい断面積の180°にて対向されたケーシング巻き始め部c1及びc2を利用する。換言すると、図1は、従来の二重ボリュートVに対し、ケーシングベーンCVpaの巻き始め部c1及びc2とボリュート壁Vwallとの間に形成されて1及び2と符号が付された断面積は、実質的に等しく、且つ付随する巻き始め部c1及びc2は半径方向にほぼ対向されることを示している。夫々、1及び2と符号が付されたこれらの実質的に等しい断面積は、巻き始め部c1及びc2の最も遠い半径方向縁部から、ボリュートVpaの垂直壁Vwallの隣接部分まで測定された最小面積であると理解される。この断面積はケーシング喉部面積として知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、図1に示されたものなどのように、公知のボリュートデザインVpaの一つの欠点は、対向するケーシング舌部の発生が、ポンプ吐出口oから最遠の巻き始め部、そうでなければ上側巻き始め部c2として知られた巻き始め部のための長い通路長という結果になることである。この長い長さは、ケーシングに複雑さを加えると共に、鋳造物を適切に清浄化する上での困難さを高める。これは、付加的なコストという結果になり、適切に鋳造かつ清浄化されなければポンプ性能の損失という結果になる。
【0005】
このことに鑑みると、更に良好な二重ボリュートデザインに対する要望が在る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ターボ形ポンプの作動流範囲に亙り優れた圧力バランスを確立することにより、インペラ上の半径方向負荷を低減する新規なボリュートデザインを提供する。
【0007】
一例として、幾つかの実施例に依ると、本発明は、従来型の公知の二重ボリュート(図1参照)におけるのと同様に等しく配分されたのではないボリュートによって要求される全喉部断面積により特徴付けられ得る。これらの等しい断面積により制御される速度も等しい、と言うのもポンプ流の半分が各通路を通過するからである。上側巻き始め部の喉部断面積は、吐出口に最も近い巻き始め部からボリュート中心線に沿って測定された角度的掃引距離(angular sweep)の関数として増大される。角度的掃引距離の結果として、この通路における流量は、従来のボリュート(例えば図1参照)のそれよりも大きい。逆に、ポンプ吐出口に最も近い巻き始め部、すなわち下側巻き始め部の喉部面積は、上側から下側の巻き始め部への角度的掃引距離の関数として減少され、この通路における流量は減少される。本発明において、これらの等しくない断面積は、上側及び下側の巻き始め部の両方において、概ね等しい速度を提供し続ける。
【0008】
ポンプ吐出口における2つの通路の面積もまた、これら2つの通路内における異なる流量の関数としてバランスされる。
【0009】
例えば、これらの2つの通路の端部がポンプ吐出口において合流する箇所のような、これらの通路の端部における速度が実質的に等しい、ということも確立される。実際、本発明に係る解決策は、ポンプ吐出口から最も遠くに離間された上側巻き始め部の通路の長さを減少させて、それに結び付けられた通路のサイズを増大させる。
【0010】
これらの特徴はいずれも、鋳造品質を向上させ、鋳造欠陥の可能性を低下させる一方で、依然として、ポンプの動作範囲の全体に亙り圧力バランスを提供し、結果として生じる半径方向負荷を低減する。
【0011】
加えて、ケーシングを通しての損失は、より短い通路に起因する流体摩擦の減少と、ポンプ吐出口における2つの通路の速度をより良く一致させる機能との結果として、減少される。実際、本発明は、鋳造されたボリュートのコストを低減し且つその品質を向上させる。
【0012】
更に、ボリュートが2つの半体において形成される分割ケースポンプの場合、上側半体は、巻き始め部と、その中に含まれる通路の部分とを有しないので、相当に簡素化されることから、中子のコストが低減され、ケーシング半体を製造するために必要とされる清浄化及び型製作が簡素化され、鋳造物を作製するコストが低減される。
【0013】
特定実施例:
幾つかの実施例に依れば、本発明は、例えば、以下の特徴部を有する二重渦巻ポンプのようなポンプ用のボリュートを含むか、又はその形態を取り得る:
ボリュート壁;
圧送される流体を受容するポンプ吸込口;
圧送される流体を提供するポンプ吐出口;及び
ボリュート壁上に構成されたケーシングベーン。
【0014】
ケーシングベーンは、ボリュートにおける二重ボリュートを形成すべく構成され、該ケーシングベーンは、ポンプ吐出口から最遠の上側巻き始め部であって、上側巻き始め部喉部面積と、該上側巻き始め部のための通路の端部とを画成する上側巻き始め部を備えて構成され、また、ポンプ吐出口に最も近い下側巻き始め部であって、下側巻き始め部喉部と、該下側巻き始め部のための通路の対応する端部とを画成する下側巻き始め部も備えて構成され得る。
【0015】
上側巻き始め部喉部面積は、該上側巻き始め部喉部面積及び下側巻き始め部喉部面積が、圧送される流体の角度的掃引距離に応じて、上側巻き始め部及び下側巻き始め部の両方において実質的に等しい流速を提供する様に、下側巻き始め部喉部面積より大きく且つ不等に寸法決定され得る。
【0016】
上側巻き始め部のための通路の端部は、ポンプ吐出口における上側及び下側の巻き始め部の通路面積が、その中で圧送される流体の異なる流量の関数としてバランスされる様に、且つ、上側及び下側の巻き始め部通路面積に結び付けられた端部から圧送される流体が、実質的に等しい速度を以てポンプ吐出口において合流する様に、下側巻き始め部のための通路の対応する端部の対応する下側巻き始め部通路面積より大きく且つ不等の上側巻き始め部通路面積を以て寸法決定され得る。
【0017】
幾つかの実施例に依ると、上側巻き始め部及び下側巻き始め部は、約108°と約110°との間の範囲内の角度αで半径方向が変位させられ得る。
【0018】
例えば、本明細書中に示されたものと一致して、上側巻き始め部及び下側巻き始め部は、実質的に180°未満の角度αで半径方向が変位させられ得る実施例も想起される。
【0019】
例えば、同様に本明細書中に示されたものと一致して、上側巻き始め部及び下側巻き始め部は、90°と120°との間の範囲内の角度αで半径方向が変位させられ得る実施例も想起される。
【0020】
ボリュートは、例えば、インペラベーンを有するインペラであって、ケーシング内において二重ボリュートの一方内に配置されるインペラを含み得る二重渦巻ポンプの一部分として構成され得る。
【0021】
実際、本発明に対し、上側及び下側のケーシング喉部の両方の総計は、図1における従来の二重ボリュートのそれと同様であるが、半径方向掃引(radial sweep)の開先角度のとおりに配分される。
【0022】
喉部においては、同様の速度が維持されるが、必ずしも等しくはない。インペラに対して作用する正味の半径方向負荷は、ボリュート内における速度及び圧力のバランスの維持により低減される。出口面積もまた、流量の比率にて配分されると共に、ポンプ吐出口における通路の端部において等しい速度を提供すべく制御される。
【0023】
必ずしも縮尺通りには描かれていない図面は、以下の図を含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本技術分野において公知の、ポンプ用のボリュートを示す図である。
図2】本発明の幾つかの実施例に係る、ポンプ用の新規で改良されたボリュートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図2:基本的発明
図2は、例えば、二重渦巻ポンプのようなポンプ(不図示)に関して構成するためのボリュートVIの形態において本発明を示している。ボリュートVIは、以下の特徴部の一つ以上を含み得る:
ボリュート壁Vwall
圧送される流体を受容する(内部への)ポンプ吸込口i;
圧送される流体を提供する(外部への)ポンプ吐出口o;及び
ケーシングベーンCVI
【0026】
ケーシングベーンCVIは、ボリュート壁Vwall上に形成されて、ボリュートVIに二重ボリュートを形成すると共に、該ベーンは、ポンプ吐出口oから最遠の上側巻き始め部Cを備えて構成され、(円内で)2'と符号が付された上側巻き始め部喉部面積と、上側巻き始め部Cのための通路の端部4'(円内の)とを画成しており、また、該ベーンは、ポンプ吐出口oに最も近い下側巻き始め部Cも備えて構成され、(円内で)1'と符号が付された下側巻き始め部喉部と、下側巻き始め部Cのための通路の対応する端部3'(円内の)とを画成している。
【0027】
(円内で)2'と符号が付された上側巻き始め部喉部面積は、(円内で)2'と符号が付された該上側巻き始め部喉部面積及び(円内で)1'と符号が付された下側巻き始め部喉部面積が、圧送される流体の角度的掃引距離に応じて、上側巻き始め部C及び下側巻き始め部Cの両方における実質的に等しい流速を提供する様に、(円内で)1'と符号が付された下側巻き始め部喉部面積より大きく且つ不等に寸法決定され得る。
【0028】
上側巻き始め部Cのための通路の端部4'は、ポンプ吐出口における上側及び下側の巻き始め部の通路面積が、その中で圧送される流体の異なる流量の関数としてバランスされる様に、且つ、(夫々の円内で)3'、4'と符号が付された上側及び下側の巻き始め部通路面積に結び付けられた端部から圧送される流体が、実質的に等しい速度を以てポンプ吐出口oにおいて合流する様に、下側巻き始め部Cのための通路の対応する端部の(円内で)3'と符号が付された対応する下側巻き始め部通路面積より大きく且つ不等の上側巻き始め部通路面積を以て寸法決定され得る。
【0029】
図2において、上側巻き始め部C及び下側巻き始め部Cは、約108°と約110°との間の範囲内の角度αで半径方向が変位させられて示される。
【0030】
角度α:
更に、実質的に180°未満の角度αで半径方向が変位させられた上側巻き始め部C及び下側巻き始め部Cを使用することから、(夫々の円内で)3'、4'と符号が付された上側及び下側の巻き始め部通路面積に結び付けられた端部から圧送される流体が、実質的に等しい速度でポンプ吐出口oにおいて合流する実施例が想起されると共に、本発明の範囲に含まれることが意図される。更に、100°と120°との間の範囲内の角度αで半径方向が変位させられた上側巻き始め部C及び下側巻き始め部Cを使用することから、(夫々の円内で)3'、4'と符号が付された上側及び下側の巻き始め部通路面積に結び付けられた端部から圧送される流体が、実質的に等しい速度でポンプ吐出口oにおいて合流するという実施例が想起されると共に、本発明の範囲に含まれることが意図される。換言すると、本発明の範囲は、例えば、約108°と約110°との間の範囲内の任意の特定の角度αで半径方向が変位させられてはいないが、(夫々の円内で)3'、4'と符号が付された上側及び下側の巻き始め部通路面積に結び付けられた端部から圧送される流体が、実質的に等しい速度でポンプ吐出口oにおいて合流するように、正反対に対向することなく半径方向が変位させられた上側巻き始め部C及び下側巻き始め部Cを有する実施例を含むことが意図される。
【0031】
用途:
一例として、本発明の可能な用途は、以下のものを包含し得る:
ポンプ、
ファン、
ブロワ、及び
圧縮器。
【0032】
発明の範囲:
そして更に、本明細書中にて示され且つ記述された実施例は、例示的にのみ提供されるものであり、発明の範囲は、本明細書中に含まれたこれらの部材又は要素の特定の構成、次元性、及び/又はデザインの詳細に限定されることは意図されない。換言すると、当業者であれば、これらの実施例に対しては、結果的な実施例が、本明細書中に開示された実施例とは異なるが依然として本発明の全体的な精神内に収まる如く、デザインの変更が為され得ることを理解し得よう。
【0033】
本明細書において別に述べられるのでなければ、本明細書中で特定の実施例に関して記述された特徴、特性、代替例又は改変例はいずれも、本明細書中に記述された任意の他の実施例と共に適用され、使用され、又は取入れられ得ることを理解すべきである。同様に、本明細書における図は縮尺通りには描かれていない。
【0034】
本発明は、その好適な実施例に関して記述かつ図示されてきたが、それらにおいて及びそれらに対しては、本発明の精神及び範囲から逸脱せずに、上述の及び種々の他の付加及び省略がなされ得る。
図1
図2