(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記細長い溝が、溝内において、前記第一ランナー又は第二ランナーの長さに垂直な少なくとも1個の抵抗部材を有している、請求項1〜7のいずれか一項に記載の耐震壁構造体。
前記細長い溝が、溝内において、前記第一ランナー又は前記第二ランナーの長さに垂直な少なくとも一個の抵抗部材をさらに有している、請求項12に記載の耐震壁構造体。
以下を含んでいる、特殊化されたランナーの設置を必要とすることなく地震条件時に建築板材の水平の動きを促進させる請求項1に係る耐震壁構造体を組み立てるための方法:
前記第一ランナー及び前記第二ランナーを提供すること;
少なくとも1つの第三固定部材を使用して、天井又は床に前記第一ランナー及び前記第二ランナーを固定すること;
1以上のスタッドを、前記スタッドの一方の末端を前記第一ランナーに配置し、かつ、前記スタッドの他方の末端を前記第二ランナーに配置することによって、前記ランナーに滑り込ませること;
前記耐震挿入体を、前記スタッドの間で、前記第一ランナー及び/又は前記第二ランナーに配置すること;
前記耐震挿入体を、前記第一固定部材を通じて、前記第一ランナー又は前記第二ランナーに固定すること;並びに
少なくとも1つの第二固定部材を介して、前記耐震挿入体の両側若しくはいずれかの側に、建築板材を取り付けること。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ランナーに配置される耐震挿入体を有している耐震壁構造体を、開示する。そのような構造体は、有利である。なぜならば、そのような構造体は、特殊化されたランナーの設置を必要とすることなく、耐震壁、天井、及びその他の建築要素の組み立てを可能とするからである。耐震挿入体は、さらに、1以上の細長い溝を有している。本発明の耐震挿入体は、この細長い溝によって促されて、ランナーに対して動き、そのようにして、構造体壁に、耐震性が提供される。ランナーと、建物の隣接表面との間の接続は、可動的である必要はなく、かつ、従来のランナー又はチャンネルを使用することができる。そのような特徴は、有利であり、なぜならば、設置の容易さの増加に伴って、構造体要素の設置のコストが低減されうるからである。
【0014】
さらには、耐震壁構造体の動きが、ランナーに対する耐震挿入体の動きによって制御されることが、有利でありうる。なぜならば、そのような実施態様では、上述の動きが、細長い溝の長さ、及びランナーと耐震挿入体との間の摩擦によって決定されるからである。本発明のこの実施態様では、耐震挿入体及びランナーが、使用者によって選択される材料から組み立てられ、したがって、これら2者の間の摩擦の程度を選択することができ、それにより使用者によって規定されるパラメータの範囲内であるようにする。このことは、他のシステムにおいては当てはまらないと考えられ、他のシステムでは、耐震構造体は、事前に設置される構成要素、例えば建物のコンクリート構造体に対して移動し、又はそれに対してスライドする。
【0015】
1つの実施態様では、耐震壁が、荷重非保持型である。本発明のそのような実施態様は、好適でありうる。なぜならば、これによって、内側壁、天井、及びその他の空間分割構造要素を組み立てることが可能となり得るからである。
【0016】
可能な場合には常に、同一の符号が、同一又は類似の部品に言及するために、図面にわたって使用されるであろう。
図1は、例示的なランナー1及び例示的な耐震挿入体2を説明している。本発明のこの実施態様では、耐震挿入体2が、第一固定部材3を介して、ランナー1の内側に配置されている。第一固定部材3が、さらに、隣接表面4、最も慣用的には天井若しくは床に対する位置に、ランナー1を固定又は保持している。本発明のこの実施態様では、耐震挿入体2が、U形状の部材であり、ランナー1の内側に適合するサイズにされている。U形状の耐震挿入体2は、ランナー1内において良好に動くことができ、一方で、建築板材を容易に接続することができる表面を提供する。
【0017】
ランナー1内において耐震挿入体2を配置又は位置決めするために使用される第一固定部材3を、細長い溝5を通して、耐震挿入体2に挿入する。細長い溝5は、ランナー1の長さ方向長に実質的に平行に配置されている。耐震挿入体2における細長い溝5の使用は、地震に関連する動きに対応した、ランナー1の長さ方向長に沿った耐震挿入体2の動きを可能とする。したがって、ランナー1の長さ方向長に沿って耐震挿入体2が経験しうる移動の度合いは、細長い溝5の長さによって制限されうる。
図1で描写される本発明の実施態様では、細長い溝5は、60mmの長さを有しているが、少なくとも20mmと100mmの間の長さが想定される。
【0018】
追加的に、
図1は、建築板材6、この実施態様ではしっくい板材パネルの、第二固定部材7を介した耐震挿入体2への固定又は取り付けを描写している。本発明のこの実施態様では、第二固定部材7によって、建築板材6が、耐震挿入体2に取り付けられており、建築板材6が、ランナー1の外側において、耐震挿入体2に対する適切な位置に保持されている。したがって、この実施態様では、建築板材6は、ランナー1に対して固定された位置に保持されてはおらず、その代わりに、耐震挿入体2の動きに付随して、ランナー1の長さに沿って長さ方向に動くことができる。本発明のそのような実施態様は有利でありうる。なぜならば、地震の間における耐震構造体要素への損傷を防ぐために必要な、建築板材6と耐震挿入体2との間のしっかりとした接続を、第二固定部材7が、提供しうるからである。
【0019】
本発明の1つの実施態様では、耐震挿入体2が、好ましくは、実質的にランナー1内に位置しうる。1つの別の実施態様では、耐震挿入体2が、ランナー1よりも上に延在している。そのような実施態様は、好適でありえる。なぜならば、耐震挿入体2がランナー1内で動くことができる能力を、耐震挿入体2とランナー1との間の摩擦によって実質的に制御しうるからである。この材料パラメータは、耐震壁構造体の設置時に、使用者が、制御又は選択することができ、したがって、ランナー1に対する耐震挿入体2の動きを引き起こすのに必要な地震の強度にわたるカスタマイズが可能となりうる。そのような実施態様もまた、好適であり得る。なぜならば、それは、任意の隣接表面の材料又は仕上げにおける差異が、特定の領域において耐震構造体システムの移動性に影響を与えることを防止しうるからである。
【0020】
本発明のこの実施態様では、第一固定部材3が、ねじであるが、ボルト及び他の固定方法の使用もまた、想定される。ここでは、細長い溝5が、第一固定部材3よりも幅広いが、しかしながら、第一固定部材3を形成しているねじの頭は、細長い溝5よりも幅広い。このようにして、耐震挿入体2は、細長い溝5の制限の範囲内で、ランナー1の長さに沿って長さ方向に移動することができるが、第一固定部材3を形成しているねじの頭によって、ランナー1と連絡しつつ保持される。
【0021】
1つの実施態様では、第二固定部材7が、ねじを含んでいてよい。1つの他の実施態様では、第二固定部材7が、ボルトを含んでいてよい。別の実施態様では、第二固定部材7が、くぎを含んでいてよい。さらに別の実施態様では、建築板材6を、接着性物質又は接着剤(グルー)を使用して耐震挿入体2に接続してよい。
【0022】
本開示の配置においては、建築板材6が、ランナー1に可動的に接続されており、地震に関連する地面の動きとともに動くその能力を低減することなく、構造体要素の復元力を、潜在的に向上させる。追加的に、耐震挿入体2を天井と連絡させて使用することは、耐震構造体システムの動きにわたる制御を増加することを可能にし得る。このときには、この動きを、細長い溝5の長さ、及び耐震挿入体と天井との間の摩擦の程度によって、追加的に制御することができる。
【0023】
図2は、ランナー1への耐震挿入体2の接続を、比較的詳細に説明している。
図2は、
図1のランナー1、耐震挿入体2、第一固定部材3、隣接表面4、及び細長い溝5を描写しており、かつ、第三固定部材8の使用も描写している。第三固定部材8は、隣接表面4に対する適切な位置にランナー1を固定するために使用されており、耐震挿入体2にある細長い溝5を通して挿入されてはいない点で、第三固定部材8は、第一固定部材3と異なっている。そのため、第三固定部材8は、耐震挿入体2又は建築板材6の動きとは関連しておらず、かつ、ランナー1と隣接表面4との間の強固な固定を提供している。
【0024】
本発明のこの実施多様では、第三固定部材8が、ねじであるが、しかしながら、ボルト、アンカーブロック、及び他の固定手段も、別個に又は組み合わせて、代替物として想定される。1つの他の実施態様では、第三固定部材8が、ランナーの端部の近位に位置していることができる。別の実施態様では、第三固定部材8が、
図4において示されるような第一ランナー9及び第二ランナー11の端部に位置していることができる。そのような実施態様は、好適であり得る。なぜならば、第三固定部材8は、地震の間に、潜在的に隣接表面から持ち上げられることによって又は引き離されることによって、不具合を起こしやすい可能性があるからである。
【0025】
さらに別の実施態様では、第三固定部材8が、第一ランナー9及び第二ランナー11の長さに沿って規則的に間隔をあけて配置されていてよい。そのような実施態様は、好適であり得る。なぜならば、それは、第一ランナー9及び第二ランナー11が、実質的にその長さに沿って、隣接表面にしっかりと取り付けられていることを確保しうるからである。
【0026】
他の実施態様においては、テクスチャ加工されている、くぼみを施されている、又は畝模様があるというように記述されうる材料から、ランナー1が、組み立てられている。1つの他の実施態様では、ランナー1が、金属チャンネルである。1つの他の実施態様では、ランナー1が、木製チャンネルである。1つの他の実施態様では、ランナー1が、プラスチックのチャンネルである。好ましくは、チャンネルは、U形状の断面を有している。さらに別の実施態様では、U形状の断面が金属である。
【0027】
1つの実施態様では、耐震挿入体2が、金属からできている。1つの特定の実施態様では、耐震挿入体2が、スチール鋼からできており、なぜならば、スチール鋼は、容易に使用することができる低価格の材料だからである。さらには、スチール鋼の耐震挿入体2が、ランナー1内において容易に動くことができるなめらかで低摩擦の表面を有していてよく、耐震構造体システムが地震の間の損傷に抵抗することが可能となる。
【0028】
1つの別の実施態様では、耐震挿入体2が、テクスチャ加工された表面を有していてよい。テクスチャ加工された表面は、耐震挿入体2の強度を向上させることができ、地震の間における損傷に対する向上した耐性が、耐震壁構造体に提供される。テクスチャ加工された表面は、また、耐震挿入体2に、追加的な剛性を提供することができ、それにより、建築板材6を、第一固定部材3を使用して、耐震挿入体2に比較的容易に固定することができるようになる。
【0029】
テクスチャ加工された表面は、畝、谷間、へこみ、起伏、若しくはくぼみのうちのいずれか1つ、又はそれらの組み合わせを有していてよい。1つの実施態様では、テクスチャを、挿入体の形成時に、耐震挿入体2の表面に導入してよい。1つの他の実施態様では、テクスチャを、耐震挿入体2の形成の後に、その表面に機械加工してよい。
【0030】
1つの実施態様では、細長い溝5が、ランナー1の長さ方向長と実質的に平行に位置している。1つの他の実施態様では、細長い溝5が、第一固定部材3の直径よりも大きい幅を有していてよい。1つの他の実施態様では、細長い溝5が、第一固定部材3の直径よりも少なくとも1mm大きい幅を有していてよい。代替的な実施態様では、細長い溝5が、第一固定部材3の直径よりも、少なくとも3mm、又は少なくとも5mm大きい幅を有していてよい。第一固定部材3の直径よりも大きい幅を有している細長い溝5の使用が、好適であり得る。なぜならば、それは、地震に関連する地面の動きの間における、耐震挿入体2の動き及び取り付けられた建築板材6の動きに対する、いかなる抵抗をも低減しうるからである。
【0031】
1つの他の実施態様では、細長い溝5が、20mmと100mmの間の長さを有していてよい。1つの他の実施態様では、細長い溝5が、60mmの長さを有していてよい。1つの他の実施態様では、細長い溝5が、40mmと80mmの間の長さを有していてよい。そのような長さの使用は、好適であり得る。なぜならば、これにより、耐震壁構造体の十分な移動が可能となり、それにより、耐震壁構造体が、地震に関連する地面の動きの間の損傷に抵抗しうるようになるからである。好ましくは、細長い溝5の長さを、耐震壁構造体が挿入されている建物の許容可能な階間変位に対応するように、選択してよい。
【0032】
本発明のいくつかの実施態様では、細長い溝5が、(
図5A〜5Eで示される)少なくとも1個の抵抗部材14を有していてよい。本発明のそのような実施態様では、細長い溝5における少なくとも1個の抵抗部材14の包含によって、任意の特定の地震の間にランナー1に対して耐震挿入体2が動きうる範囲にわたる、追加的なレベルの制御を、提供し得る。そのようにして、耐震壁構造体の反応を、任意の地震の深刻度に対して適切になるように適合させることができる。1つの実施態様では、抵抗部材14を、細長い溝5の長軸に実質的に垂直に位置させてよい。1つの他の実施態様では、抵抗部材14が、細長い溝5を横切って延在している抵抗材料片を含んでいてよい。1つの他の実施態様では、抵抗部材14が、細長い溝5の成形された端部を有していてよい。さらに別の実施態様では、抵抗部材14が、細長い溝5の長さにわたって少なくとも1個のへこみ15を有していてよい。
【0033】
図3は、部分的に組み上げられた壁構造体を描写している。
図3では、第一ランナー9が、床表面10に接続されており、かつ、第二ランナー11が、天井表面12に接続されている。耐震挿入体2が、
図2で説明されるようにして、第一ランナー9及び第二ランナー11それぞれに配置されており、かつ、それぞれの耐震挿入体2が、複数の第二固定部材7を介して、建築板材6に接続されている。本発明のこの実施態様では、建築板材6が、2つの表面10と12の間でしっかりと保持されているが、地震に関連する動きに反応して、第一及び第二ランナー9及び11に沿って、長さ方向に動くことができる。
【0034】
一つの実施態様では、第一ランナー9及び第二ランナー11が、互いに対して実質的に対向している。そのような実施態様は、好適であり得る。なぜならば、それは、耐震壁及び天井の建設を容易にしうるからである。1つの別の実施態様では、建築板材6の端部が、第一ランナー9又は第二ランナー11の実質的に外側に位置している。そのような実施態様では、建築板材6が、第一ランナー9及び第二ランナー11を隠すことができ、それにより、建築板材6が、隣接表面に隣接しうるようになっている。この場合には、耐震壁構造体の美観を向上させることができ、かつ、インテリアデザイン計画への耐震挿入体2の統合を、比較的容易に達成することができる。
【0035】
1つの実施態様では、耐震壁構造体が、建築板材6に接続している少なくとも1個の支柱13をさらに有していることが好適であり得る。そのような実施態様は、好適であり得る。なぜならば、それは、支柱13によって接続されている耐震壁構造体を使用して、比較的大きい壁、天井又は他の建築要素の建設を可能としうるからである。
【0036】
本発明のいくつかの実施態様では、上述の支柱13の末端が上述の第一ランナー9又は上述の第二ランナー11とともに、実質的に配置されていることが好適であり得る。本発明のそのような実施態様では、支柱13が、地震に反応して、建築板材6とともに自由に動くことができ、潜在的に、耐震壁構造体へのいかなる損傷も低減される。そのような実施態様もまた、有利であり得る。なぜならば、支柱13の末端と第一ランナー9又は第二ランナー11との間の摩擦を、支柱13並びにランナー9及び11の両方に関する材料の選択を介して、使用者が、制御することができるからである。別の実施態様では、支柱13が、ランナーへの固定された接続を有していなくてよい。さらに別の実施態様では、支柱13が、壁スタッドである。
【0037】
1つの実施態様では、建築板材6が、高い重量パーセントのガラス繊維及びスターチを両方有している石こうパネルであってよい。別の実施態様では、建築板材6が、セメント質の又は木に基づいている板材であってよいが、他の材料の使用もまた想定される。セメント質の板材としては、限定するわけではないが、石こう、ポートランドセメント、アルミン酸カルシウム、オキシ塩化マグネシウム、リン酸マグネシウム、及びそれらの混合物を含有しているものが挙げられる。
【0038】
石こうに基づいている板材が、しっくい板材タイプの構造体であり、かつ、紙、ガラス繊維又は他のライナーによって上塗りされていてよいということも、想定される。さらには、石こうに基づいている建築板材が、石こう繊維又は類似の構造体であってよい。1つの他の実施態様では、建築板材6が、繊維セメントを含んでいてよい。本発明のそのような実施態様は、好適であり得る。なぜならば、建築板材は、容易に入手可能であり、かつ、これを多くの形状へと成形して、壁、天井、及び多様な形状のその他の空間分割構造体要素を、提供しうるからである。
【0039】
1つの他の実施態様では、建築板材6が、補強されていてよい。本発明のそのような実施態様は、好適であり得る。なぜならば、建築板材のラッキング耐性が向上しうるからである。さらに別の実施態様では、建築板材6が、ポリマー製のバインダ及び複数の繊維を含んでいてよい。そのような特徴は好適であり得る。なぜならば、それは、建築板材に補強を提供しうるからである。好ましくは、上述の複数の繊維が、ガラス繊維、合成ポリマー繊維、又は天然繊維を、別個に、又は組み合わせて、含んでいてよい。
【0040】
1つの他の実施態様では、上述のポリマー製のバインダ及び上述の複数の繊維が、合計して、建築板材6の1重量%よりも多い。本発明のそのような実施態様は、好適であり得る。なぜならば、それは、建築板材6の強度を向上させうるからである。好ましくは、ポリマー性バインダが、建築板材6の1重量%よりも多くてよい。好ましくは、繊維が、建築板材6の1重量%よりも多くてよい。1つの実施態様では、ポリマー製のバインダが、スターチを含んでいてよい。1つの他の実施態様では、ポリマー性バインダが、ポリビニルアセテートに限定されない合成材料を含んでいてよい。さらに別の実施態様では、建築板材6が、Habito(登録されている商標)板材を含んでいてよい。
【0041】
図4は、耐震で荷重非保持型の壁100を概略的に説明している。本発明のこの実施態様では、建築板材6が、第一ランナー9及び第二ランナー11の内側に配置されている耐震挿入体2とともに適切な位置に保持されており、スタッド13と接続されている。そのようにして、
図4において描写されている荷重非保持型壁100を形成している建築板材6が、スタッド13によって互いに対する位置を保持して、地震に反応して一緒に動くことができる。建築板材6は、ランナーに沿って長さ方向に一緒に動くことができる。なぜならば、本発明のこの実施態様では、建築板材6が、耐震挿入体2及び第一固定部材3の使用を介して、第一ランナー9及び第二ランナー11内に配置されているからである。本発明のこの実施態様では、物品、例えばテレビ及びコンピュータスクリーンを支持するのに十分な安定性、及び、地震時に損傷に抵抗するのに十分な可動性の両方を有している壁100が、提供される。
【0042】
図5A〜
図5Eは、耐震挿入体2の細長い溝5の種々の実施態様を概略的に説明している。細長い溝5の1つの実施態様では、抵抗部材14が、
図5Aにおいて示されているように、細長い溝5の長軸に対して大まかに垂直に配置されている。これらの抵抗部材14は、細長い溝5内における第一固定部材3の動きに対する抵抗又は妨害を提供し、それにより、耐震挿入体2が、周囲構造の大きな動き、例えば地震に関連した動きに反応したときにのみ、ランナー1に対して動くようにしている。
【0043】
図5Bにおいて描写されている本発明の1つの他の実施態様では、抵抗部材14が、中央へこみ15を有しており、ここにおいて、抵抗部材14が弱められており、それにより、地震に関連する地面の動きによってランナー1に対する耐震挿入体2の動きが引き起こされた場合に、抵抗部材14が破壊されうるように又は変形しうるようになっている。
【0044】
図5Cにおいて描写されている本発明の1つの他の実施態様では、抵抗部材14が、第一固定部材3に向いている方向に中央へこみ15を有しており、ここにおいて、抵抗部材14が弱められており、それにより、地震に関連する地面の動きによってランナー1に対する耐震挿入体2の動きが引き起こされた場合に、抵抗部材14が破壊されうるように又は変形しうるようになっている。
【0045】
図5Dにおいて描写されている本発明の1つの他の実施態様では、抵抗部材14が、第一固定部材3とは逆の方向に中央へこみ15を有しており、ここにおいて、抵抗部材14が弱められており、それにより、地震に関連する地面の動きによってランナー1に対する耐震挿入体2の動きが引き起こされた場合に、抵抗部材14が破壊されうるように又は変形しうるようになっている。
【0046】
図5Eにおいて描写されている本発明の1つの他の実施態様では、抵抗部材14が、抵抗部材14の末端の方にへこみ15を有しており、ここにおいて、抵抗部材14が弱められており、それにより、地震に関連する地面の動きによってランナー1に対する耐震挿入体2の動きが引き起こされた場合に、抵抗部材14が破壊されうるように又は変形しうるようになっている。
【0047】
ひとたび、抵抗部材14が破壊され又は変形されると、第一固定部材3が、抵抗部材14の位置を過ぎて動くことができ、耐震挿入体2がランナー1内において比較的広い範囲で動くことが可能となる。
【0048】
本発明の種々の実施態様では、抵抗部材14が、スチール鋼を含んでいる。さらには、これらの実施態様では、抵抗部材14が、耐震挿入体2と、連続的で単一な部分を形成している。
【0049】
ボルトの動きのもとで、耐震挿入体2の変形挙動、及び、へこみ15を有している又は有していない抵抗部材14の効果を理解するために、シミュレーション及び数値分析を行った。耐震挿入体2を、耐震挿入体2に提供されている第一固定部材3を通じて、コンクリート壁チャンネルに固定した。石こう板材を、2個の第二固定部材7を使用することによって、耐震挿入体2に取り付けた。振動の間にわたって、耐震挿入体2は、第一固定部材が耐震挿入体2内で動くことを可能にすることによって、石こう板材が一方向配置で動くことを可能にする。
【0050】
耐震挿入体2における有限要素分析を、耐震挿入体2のたわみ分析、及び耐震挿入体2の可塑性変形動作への抵抗部材14の影響によって決定した。耐震挿入体2のたわみ分析を行って、細長い溝5における抵抗部材14の提供が、ねじりの間の耐震挿入体2におけるたわみを低減できるかどうかについて評価した。耐震挿入体2に建築板材6を設置することによって、耐震挿入体2の第一及び第二脚部の曲がりが引き起こされることが見いだされた。ここで、曲がりを低減するために、耐震挿入体2の細長い溝5に抵抗部材14を導入した。抵抗部材14を有している耐震挿入体2、及び抵抗部材14を有していない耐震挿入体2のシミュレーション結果を、
図6に描写する。抵抗部材14が存在すると耐震挿入体2の第一及び第二脚部の内向きの変位が低減されることが、観察された。
【0051】
抵抗部材14は、第一固定部材3の動きに関する障害として働く。抵抗部材14の長さに沿った種々の位置にへこみ15を有している抵抗部材14を提供することの影響を理解するために、下記のシミュレーションを行った:
へこみ15を有していない抵抗部材14の分析
抵抗部材14のコーナー(耐震挿入体の側)にへこみ15を有している抵抗部材14の分析
抵抗部材14の中央(耐震挿入体の側)にへこみ15を有している抵抗部材14の分析
抵抗部材14の中央(抵抗部材の反対側)にへこみ15を有している抵抗部材14の分析
抵抗部材14の中央(両側)にへこみを15有している抵抗部材14の分析。
【0052】
種々の位置にへこみ15を有している抵抗部材14のシミュレーション結果を、
図7に示した。結果が示していたのは、両側に中央へこみ15を有している抵抗部材14が、他のすべての位置と比較した場合に、より良好な結果を提供することである。グラフは、へこみ15のすべての種々の位置に関しての、力対変位のシミュレーション結果を示している。
【0053】
図8に関して、耐震壁の建設の方法200のためのフローチャートを、説明する。実施態様において、
図3及び
図4の耐震壁を、方法200の工程210〜260を実施することによって、形成してよい。しかしながら、本開示の範囲から逸脱することなく、他の適切なツールを使用して方法200を実施することを検討することもできる。
【0054】
工程210では、第一ランナー9及び第二ランナー11を、表面に隣接させて提供する。1つの実施態様では、第一ランナー9及び第二ランナー11を、それぞれ、壁及び天井表面に隣接させて提供する。1つの他の実施態様では、第一ランナー9及び第二ランナー11を、水平の平面において、互いに対向して提供してもよい。
【0055】
工程220では、第一ランナー9及び第二ランナー11を、第三固定部材を使用して、隣接表面に固定する。
【0056】
工程230では、1以上のスタッドを、スタッドの一方の末端を第一ランナー9に、かつスタッドの他方の末端を第二ランナー11に配置することによって、第一ランナー9及び第二ランナー11の長さに沿って、滑り込ませる。1つの実施態様では、スタッドの数が、構造体壁の長さに依存する。
【0057】
工程240では、耐震挿入体2を、スタッドの間で、第一ランナー9及び第二ランナー11に配置する。1つの実施態様では、耐震挿入体2の数が、ランナーに配置されるスタッドの数に依存する。1つの実施態様では、耐震挿入体2が、ランナーにおいて、スタッドと交互になっている。
【0058】
工程250では、耐震挿入体2を、第一固定部材3を通じて、第一ランナー9及び第二ランナー11に固定する。
【0059】
工程260では、建築板材6を、少なくとも1個の第二固定部材7を介して、耐震挿入体2の両側又はいずれかの側に取り付ける。
【0060】
1つの実施態様では、建築板材6が、第一ランナー9及び第二ランナー11に対して固定された位置に保持されていない。1つの他の実施態様では、建築板材6が、地震時に、耐震挿入体2の動きとともに、第一ランナー9及び第二ランナー11の長さに沿って、長さ方向に動く。
【実施例】
【0061】
〈実施例1〉
〈耐震壁の耐震試験:実寸試験設定〉
本発明の方法に従って、耐震壁を組み立てた。耐震壁は、ランナーに固定されている耐震挿入体、及び耐震挿入体に固定されている建築板材を有している。
【0062】
試験壁は、おおよそ、高さ2.4m及び長さ4.8mであった。この壁を、寸法0.2×0.2×2.5mのコンクリートの反力梁にわたって設置した。荷重梁/スプレッダー梁を、壁の上に提供して、均一なせん断の適用を可能にした。このスプレッダー梁は、100mm間隔をあけた2個のISMC150チャンネル[5]からできており、これらの間にコンクリートブロックを固定して、それによって、実際の現場条件に類似する条件を模擬した。8mmΦのHiltiボルト(Sleeve Anchor HLC 8×40/10)によって、壁パネルの上部トラックを、スプレッダー梁に取り付け、かつ、底部トラックを、反力梁に取り付けた。
【0063】
上部における、壁の横方向の面外動作を抑制するために、20mmの厚みのプレートを有している2個のT字型ブラケットを、スプレッダー梁における2個のISMCの間の22mmの隙間に挿入した。T字ブラケットを、荷重フレームの上部においてISMB250[5]梁のウェブに接続した。次に、それを、反力フレームの垂直部材の面に接続した。反力梁及びスプレッダー梁のフランジに板材端部が保持されることを回避するために、かつ、板材の自由な動きを可能にするために、荷重フレームの上部及び底部において、板材と梁との間に10mmの隙間を確保した。スプレッダー梁を、作動装置に接続した。面内せん断荷重を、プログラム可能なサーボ水力作動装置(MTS System Corporation)を使用して、スプレッダー梁を通して適用した。作動装置の荷重運搬能力は350kNで、変位範囲は+/−250mmであった。
【0064】
線形可変差動変圧器(LVDT)を使用して、垂直及び水平変位を計測した。すべてのLVDTを、データ記録器に接続して、事前に規定されたレートで、自動データ取得を行った。
【0065】
すべての実験を、変位制御モードのみで行った。変位を入力として、MTSデータ取得システムを同時に使用して、作動装置荷重セルを通じて、荷重を計測した。検体におけるLVDT測定値を、作動装置の入力変位及び荷重と同期させるために、作動装置ラムの上部に、参照荷重セルを配置した。
【0066】
壁要素の耐震試験のためのASTM規格(単調試験のためのASTM E564[6]及びサイクル試験のためのASTM E2126[7])に従って、この試験を行った。この規格は、水平力抵抗システムの垂直要素のせん断剛性、せん断強度、及び延性の評価のための3つの荷重プロトコルに及んでおり、疑似静的サイクル(逆)荷重条件下での、適用可能なせん断接続及び押下げ接続を含んでいる。地震はランダムな振動であり、実際の荷重を完全に再現できる、特有のサイクル性変位又は荷重履歴は存在しなかった。これらの荷重プロトコルは、弾性及び非弾性サイクル特性、並びに地震荷重において予期された典型的な故障モードを十分に記述するデータを生成することが意図されていた。
【0067】
図9は、耐震試験結果のグラフ表示を提供している。標準石こう板材、単層;標準石こう板材、耐震挿入体を有している単層;及び、Habito板材、単層;でできている壁の結果を提供する。結果を、表1においても一覧にしている。
【0068】
【表1】
【0069】
図9は、さらに、プロットにおいて〜6kNのところに水平の線を示しており、これは、すべての主要な標準建築法令要件の力要件に合格するための、試験壁(2.4m×4.8m、重量〜250kg)に関する最小限の力性能を示している。変位要件は、種々の建築法令に関して比較的多様であり、例えば、Eurocodeに関しては、要求される変位性能は、24mm〜36mmであり、かつ、アメリカの法令ASCEに関しては、要件は、36mm〜60mmである。完全な法令適合性を有しているグローバル壁システムに関しては、壁の強度は、6kNを超えていなければならず、かつ、変位性能が、60mmを超えていなければならない。
【0070】
標準石こう板材壁は、調査されているすべての主要な建築法令の力要件に合格することができる。しかしながら、これは、完全な変位要件を得るための柔軟性を有していない。Habito板材を有している壁は、標準壁と比較して比較的高い力性能を有していることが分かったが、変位性能においては、大幅な上昇はなかった。耐震挿入体を有している標準板材は、要求される追加的な柔軟性を示しており、(溝のサイズ=60mmで)80mmまでの変位を引き受けることができた。しかしながら、この耐震挿入体を理由として、壁の荷重性能が、減少していたが、それでも、力要件よりも上であった。
【0071】
別の実施態様では、壁の荷重性能を維持するための高強度及び要求される柔軟性を有するであろう、耐震挿入体を有しているHabito板材を使用することができる。
【0072】
耐震挿入体を有しているHabito板材壁の性能を、壁の実験室設定において行い、ユニバーサル試験機械において試験した。この実験室規模の試験設定は、壁システムの小さい断片(寸法0.25m×0.25m、板材が、内側で金属枠に取り付けられている)を(地震荷重下における仕切り壁の性能を決定する重要な因子である)面内せん断において試験することを可能とし、現実の壁システムに類似する故障モード及び他の性能を生成することが示されていた。屋内で上記の設定を使用することで、規模の縮小を行うことが可能となり、かつ、壁システムの耐震性能のパラメトリック調査を行うことが可能となった。
【0073】
表2は、上述の試験手順からの結果を提供する。
図10は、実験室規模の試験設定における、力−変位試験結果を説明している。耐震挿入体を有しているHabito板材システムは、標準板材と比較して、比較的高い変位に耐え(90mm対64mm)、これと相まって、高い強度があり(1900N対1300N)、したがって、強度及び柔軟性の最適な値を有している「最善の解決策」を提示した。
【0074】
【表2】
【0075】
全体的な記述又は実施例において上述されている作業のすべてが、必要とされるわけではないこと、特定の作業の一部は、必要ではないことがあり得ること、及び、記載されているものに加えて、1以上の追加的な作業が実行されうることに、留意すべきである。さらには、挙げられている作業の順番は、必ずしも、それらが実行される順番ではない。
【0076】
利点、他の有利な点、及び課題に対する解決策を、特定の実施態様に関して、上に記載した。しかしながら、利点、有利な点、課題に対する解決策、及び、任意の利点、有利な点、又は解決策を引き起こしうる若しくは比較的顕著になり得るすべての(1又は複数の)特徴を、いずれかの若しくはすべての請求項の、重要な、要求される、又は必須の特徴として解釈するべきではない。
【0077】
本記載で記述されている明細書及び実施態様の説明は、様々な実施態様の構造の一般的な理解を提供することを意図したものである。明細書及び説明は、本記載で記載されている構造又は方法を使用する装置及びシステムのすべての要素及び特徴を徹底的かつ包括的に記載したものとしての役割を果たすことは意図されていない。明確性のために別個の実施態様に関して本記載で記述されている特定の特徴を、単一の実施態様において組み合わせて提供することもできる。逆に、簡潔性のために単一の実施態様に関して記載されている種々の特徴を、別個に、又はサブコンビネーションにおいて提供してもよい。さらには、範囲で表現されている値への言及は、その範囲内のあらゆる値を含んでいる。多くの他の実施多様が、この明細書を読んだ後にのみ、当業者に明らかとなりうる。他の実施態様を、使用し、かつ本開示から派生させることができ、それによって、構造置換、論理置換、又は他の変更を、本開示の範囲から逸脱することなく、行うことができる。したがって、本開示は、制限的というよりは、説明的なものとしてみなされるべきである。
【0078】
図との組み合わせての記述は、本記載に開示の教示の理解を助けるために提供されており、教示の記述を助けるために提供されており、かつ、教示の範囲又は適用性における制限として解釈されるべきではない。しかしながら、他の教示を、この応用において使用することは、確実に可能である。
【0079】
本記載で使用されているように、用語「含む」、「含んでいる」、「包含する」、「包含している」、「有する」、「有している」又はそれらの任意の他のバリエーションは、非制限的な包含を対象とすることが意図されている。例えば、一連の特徴を含んでいる方法、物品、装置は、必ずしも、それらの特徴にのみ限定されず、明示的に挙げられていない他の特徴、又はそのような方法、物品若しくは装置に固有の他の特徴を包含しうる。さらには、明示的にそうではないことが述べられていない限り、「又は」は、包含的な又はであり、排他的な又はではない。例えば、A又はBという条件は、以下のうちの任意の1つによって満たされる:Aが正で(又は存在しており)かつBが偽(又は存在していない)、Aが偽で(又は存在していない)かつBが正(又は存在している)、及び、A及びBの両方が正(又は存在している)。
【0080】
また、「a」又は「an」の使用は、本記載で記述されている要素及び構成要素を記述するために用いられている。これは、便宜のためにのみ行われており、本発明の範囲の一般的な意義を提供するために行われている。そうではないことを意味していることが明らかでない限りは、この記述は、1つ又は少なくとも1つを包含しているものとして読まれるべきであり、かつ、単数形は、複数形も包含しており、逆もまたしかりである。例えば、単一の物が本記載で記述されているときに、単一の物の代わりに、1よりも多い物を使用してよい。同様に、本記載で1よりも多い物が記述されているところでは、1よりも多いその物を、単一の物で置き換えることができる。
【0081】
別段の規定がない限り、本記載で使用されているすべての技術用語及び科学用語は、この発明が属する技術分野における通常の技術の一つによって慣用的に理解されるものと同じ意味を有している。材料、方法、及び実施例は、説明的なものであり、制限的であることは意図されていない。特定の材料、及び方法の行為に関する一定の詳細が記載されていない範囲に関しては、そのような詳細は、慣用的なアプローチを含んでよく、慣用的なアプローチは、製造技術分野の範囲内における参考図書及び他の情報源において見出すことができる。
【0082】
本開示の側面が、上述の実施態様との関連において特には示されかつ記述されている一方で、当業者は、開示されているものの精神及び範囲から逸脱することなく、開示の機械、システム及び方法の変更によって、多様な追加的な実施態様を考えることができるということを、理解するであろう。そのような実施態様は、請求項及びそれと等価な任意のものに基づいて決定される通りの本開示の範囲内に包含されるということが、理解されるべきである。
本開示は、以下の態様を含む:
〈態様1〉
以下を含んでいる、耐震壁構造体:
第一ランナー;
第二ランナー;及び
前記第一ランナー又は前記第二ランナー内に提供されている、少なくとも1個の耐震挿入体;
ここで、前記耐震挿入体が、少なくとも1個の細長い溝を有しており、前記細長い溝を通過している少なくとも1個の第一固定部材を介して、前記第一ランナー又は前記第二ランナーと連絡して保持されており、かつ
ここで、前記耐震挿入体が、前記耐震挿入体の両側又はいずれかの側において、少なくとも1個の第二固定部材を介して、建築板材に接続されている。
〈態様2〉
前記第一ランナーが、床に提供されており、かつ、前記第二ランナーが、天井に提供されている、態様1に記載の耐震壁構造体。
〈態様3〉
前記第一及び前記第二ランナーが、金属、木又はプラスチックのうちの1つからできているチャンネルを含んでいる、態様1又は2に記載の耐震壁構造体。
〈態様4〉
前記細長い溝の長軸が、前記第一ランナー又は前記第二ランナーの長さ方向長に実質的に平行に配置されている、態様1〜3のいずれか一項に記載の耐震壁構造体。
〈態様5〉
前記耐震挿入体が、対応する前記ランナーの形状に従った形状を有しており、かつ、実質的に、前記第一ランナー又は前記第二ランナー内に位置している、態様1〜4のいずれか一項に記載の耐震壁構造体。
〈態様6〉
前記耐震挿入体が、前記第一ランナー及び前記第二ランナーを超えて上に延在している、態様1〜5のいずれか一項に記載の耐震壁構造体。
〈態様7〉
前記細長い溝が、前記第一固定部材の直径よりも大きい幅を有している、態様1〜6のいずれか一項に記載の耐震壁構造体。
〈態様8〉
前記細長い溝が、前記ランナーの長さに垂直な少なくとも1個の抵抗部材を有している、態様1〜7のいずれか一項に記載の耐震壁構造体。
〈態様9〉
前記建築板材に接続されている少なくとも1個の支柱をさらに有している、態様1〜8のいずれか一項に記載の耐震壁構造体。
〈態様10〉
前記支柱の末端が、実質的に、前記第一ランナー又は前記第二ランナーの中に配置されている、態様9に記載の耐震壁構造体。
〈態様11〉
少なくとも1個の前記支柱が、壁スタッドを含んでいる、態様9又は10に記載の耐震壁構造体。
〈態様12〉
隣接表面に前記第一ランナー又は前記第二ランナーを接続している少なくとも1個の第三固定部材をさらに有している、態様1〜11のいずれか一項に記載の耐震壁構造体。
〈態様13〉
前記建築板材が、石こう又はセメント若しくは繊維セメントを含んでいる、態様1〜12のいずれか一項に記載の耐震壁構造体。
〈態様14〉
前記建築板材が、補強されている、態様1〜13のいずれか一項に記載の耐震壁構造体。
〈態様15〉
前記建築板材が、ポリマー性バインダ及び複数の繊維を有している、態様1〜14のいずれか一項に記載の耐震壁構造体。
〈態様16〉
前記ポリマー性バインダ及び前記複数の繊維が、合計で、前記建築板材の1重量%よりも多い、態様15に記載の耐震壁構造体。
〈態様17〉
前記ポリマー性バインダが、前記建築板材の1重量%よりも多い、態様15又は16に記載の耐震壁構造体。
〈態様18〉
前記複数の繊維が、前記建築板材の1重量%よりも多い、態様15〜17のいずれか一項に記載の耐震壁構造体。
〈態様19〉
前記ポリマー性バインダが、スターチ又はポリビニルアセテートを含んでいる、態様15〜18のいずれか一項に記載の耐震壁構造体。
〈態様20〉
前記建築板材の端部が、前記第一ランナー又は前記第二ランナーの実質的に外側に位置している、態様1〜19のいずれか一項に記載の耐震壁構造体。
〈態様21〉
前記第一ランナー及び前記第二ランナーを、水平の平面内において、間隔を空けて配置しうる、態様1〜20のいずれか一項に記載の耐震壁構造体。
〈態様22〉
以下を含んでいる耐震挿入体:
第一脚部;
第二脚部;及び
基部、
ここで、前記第一及び第二脚部が、前記基部から垂直に延在しており、
ここで、前記基部が、少なくとも1個の第一固定部材を受け入れるための少なくとも1個の細長い溝をさらに含んでいる。
〈態様23〉
前記第一脚部及び前記第二脚部が、少なくとも1個の第二固定部材を使用して、両側又はいずれかの側において建築板材に接続されているように、構成されている、態様22に記載の耐震挿入体。
〈態様24〉
壁構造体のランナー内に配置されているように、構成されている、態様22に記載の耐震挿入体。
〈態様25〉
前記第一脚部及び前記第二脚部が、前記ランナーの高さよりも大きい高さを有している、態様22に記載の耐震挿入体。
〈態様26〉
前記細長い溝の長軸が、前記ランナーの長さ方向長に実質的に平行に位置している、態様22に記載の耐震挿入体。
〈態様27〉
前記細長い溝が、前記第一固定部材の直径よりも大きい幅を有している、態様22に記載の耐震挿入体。
〈態様28〉
前記細長い溝が、20mmと100mmの間の長さを有している、態様22に記載の耐震挿入体。
〈態様29〉
前記細長い溝が、前記第一ランナー又は前記第二ランナーの長さに垂直な少なくとも一個の抵抗部材をさらに有している、態様22に記載の耐震挿入体。
〈態様30〉
前記抵抗部材が、その長さに沿って、少なくとも1個のへこみを有している、態様29に記載の耐震挿入体。
〈態様31〉
前記へこみが、前記細長い溝の中央又は1つの末端の方に位置しうる、態様30に記載の耐震挿入体。
〈態様32〉
テクスチャ加工された表面を有している、態様22に記載の耐震挿入体。
〈態様33〉
断面において実質的にU形状の部材である、態様22に記載の耐震挿入体。
〈態様34〉
金属を含んでいる、態様22に記載の耐震挿入体。
〈態様35〉
以下を含んでいる、耐震壁を組み立てるための方法:
第一ランナー及び第二ランナーを提供すること;
少なくとも1個の第三固定部材を使用して、隣接表面に前記第一ランナー及び前記第二ランナーを固定すること;
1以上のスタッドを、前記スタッドの一方の末端を前記第一ランナーに配置し、かつ、前記スタッドの他方の末端を前記第二ランナーに配置することによって、前記ランナーに滑り込ませること;
態様22に記載の耐震挿入体を、前記スタッドの間で、前記第一ランナー及び/又は前記第二ランナーに配置すること;
態様22に記載の耐震挿入体を、前記第一固定部材を通じて、前記第一ランナー及び前記第二ランナーに固定すること;並びに
少なくとも1個の第二固定部材を介して、態様22に記載の耐震挿入体の両側若しくはいずれかの側に、建築板材を取り付けること。
〈態様36〉
前記建築板材が、前記第一及び前記第二ランナーに対して固定された位置で保持されていない、態様35に記載の方法。
〈態様37〉
前記建築板材が、地震時に、前記耐震挿入体の動きに付随して、前記第一及び前記第二ランナーの長さに沿って長さ方向に動く、態様35に記載の方法。