【実施例】
【0347】
以下の実施例は、本明細書中に開示した特定の実施形態を限定するものではなく、例示することを意図している。
次の実施例の合成に関する実験的詳細に使用される略語の一部を以下に規定する:hまたは時間=時間;min=分;mol=モル;mmol=ミリモル;M=モル;μM=マイクロモル;g=グラム;μg=マイクログラム;rtまたはRT=室温;L=リットル;mL=ミリリットル;wt=重量;Et
2O=ジエチルエーテル;THF=テトラヒドロフラン;DMSO=ジメチルスルホキシド;EtOAc=酢酸エチル;Et
3NまたはTEa=トリエチルアミン;i−Pr
2NEt、DIPEAまたはDIEA=ジイソプロピルエチルアミン;CH
2Cl
2またはDCM=塩化メチレン;CHCl
3=クロロホルム;CDCl
3=重水素化クロロホルム;CCl
4=四塩化炭素;MeOH=メタノール;EtOH=エタノール;DMF=ジメチルホルムアミド;BOC=t−ブトキシカルボニル;CBZ=ベンジルオキシカルボニル;TBS=t−ブチルジメチルシリル;TBSCl=t−ブチルジメチルシリルクロリド;TFA=トリフルオロ酢酸;DMAP=4−ジメチルアミノピリジン;NaN
3=アジ化ナトリウム;Na
2SO
4=硫酸ナトリウム;NaHCO
3=重炭酸ナトリウム;NaOH=水酸化ナトリウム;MgSO
4=硫酸マグネシウム;K
2CO
3=炭酸カリウム;KOH=水酸化カリウム;NH
4OH=水酸化アンモニウム;NH
4Cl=塩化アンモニウム;SiO
2=シリカ;Pd−C=パラジウム炭素;HCl=塩化水素または塩酸;NMM=N−メチルモルホリン;H
2=水素ガス;KF=フッ化カリウム;EDC−HCl=N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミドヒドロクロリド;MTBE=メチル−tert−ブチルエーテル;MeOH=メタノール;Ar=アルゴン;SiO
2=シリカ;RT=保持時間。
【0348】
さらに、本明細書中に開示した標的化リガンドとの使用に好適な、発現阻害オリゴマー化合物の例を、以下の実施例内のさまざまな表中に記載する。以下の表記を、本明細書中に開示した表中に記載する配列に関して修飾ヌクレオチドを示すのに使用する:
【0349】
N = 2’−OH(非修飾)リボヌクレオチド(fまたはd指示のない大文字)
n = 2’−OMe修飾ヌクレオチド
nf = 2’−フルオロ修飾ヌクレオチド
dN = 2’−デオキシヌクレオチド
N
UNA = 2’,3’−セコヌクレオチド模倣体(ロックされていない核酸塩基類似体)
N
LNA = ロックされたヌクレオチド
Nf
ANA = 2’−F−アラビノヌクレオチド
NM = 2’−メトキシエチルヌクレオチド
XまたはAb = 脱塩基リボース
R = リビトール
(invdN) = 反転デオキシリボヌクレオチド(3’−3’結合ヌクレオチド)
(invAb) = 反転脱塩基ヌクレオチド
(invX) = 反転脱塩基ヌクレオチド
(invn) = 反転2’−OMeヌクレオチド
s = ホスホロチオアート基結合ヌクレオチド
vpdN = ビニルホスホナートデオキシリボヌクレオチド
(3’OMen)= 3’−OMeヌクレオチド
(5Me−Nf)= 5’−Me,2’−フルオロヌクレオチド
cPrp = シクロプロピルホスホナート
本開示の化合物は、当業者に知られている合成化学技術を使用して作製できる。
【0350】
実施例1.標的化リガンド、ホスホラミダイト化合物、構造1005b、1004b、および1002bの合成
構造1005b、構造1004b、および構造1002bのホスホラミダイト含有化合物を、4−cis−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸(本明細書中では化合物8)を化合物、構造1005bを合成するのに使用した、4−trans−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸(本明細書中では化合物8a)を化合物、構造1004bを合成するのに使用した、および4−cis−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸と(本明細書中では化合物8)と4−trans−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸(本明細書中では化合物8a)の混合物を化合物、構造1002bを合成するのに使用したという相違のみで、以下の手順に従って合成した。
【0351】
1)2−アミノ−3−[4−({[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}メチル)フェニル]プロパン酸(化合物2)の調製
【化187】
[この文献は図面を表示できません]
【0352】
炭酸銅塩基(1.67グラム(g)、7.59mmol)を、水(100mL)中の1(7.00g、30.34mmol)の溶液にゆっくり加えた。得られた混合物を、溶解が観察されるまで80℃に加熱した。得られた濃紺色の溶液を、25〜30℃に冷まし、次に、水(10mL)中の溶液としての水酸化ナトリウム(1.21g、30.34mmol)で処理し、そしてそれが、アミノ酸−銅複合体の沈殿をもたらした。懸濁液を周囲温度にて1時間撹拌し、その後、THF(20mL)中のクロロギ酸ベンジル(6.21g、36.41mmol)の溶液を5分間にわたって滴下して処理した。混合物を、1〜2時間撹拌し、次に、濾過した。濡れたケーキを、EtOAc中で粉砕し、再度、濾過して、脱水するのを助けた。次に、青色の固形物を、200mLの水が入ったフラスコに加え、10mLの濃HClで処理した。スラリーを、18時間撹拌し、次に、濾過し、そして、水で洗浄し、白色の固形物として4.5gの化合物2を得た(45%の収率、95のAP)。R
T=5.8分。
【0353】
2)三酸(化合物3)の調製
【化188】
[この文献は図面を表示できません]
【0354】
1.5MのNaOH(100mL)中の2(6.00g、18.27mmol)のスラリーを、その時点で溶液が形成される60℃に加熱した。次に、溶液を、1.5MのNaOH(20mL)で溶解したブロモ酢酸(10.15g、73.20mmol)の溶液で処理した。溶液を、60℃にて2時間撹拌した(HPLCによると2=NMT5%)。反応が完了した時点で、溶液を、10℃に冷まし、そして、pH=1.7に達するまで、1MのHClを加えた。スラリーを2〜3時間静置し、その後、濾過し、そして、脱イオン水で洗浄した。固形物を真空で乾燥させて、3.01gの三酸3(50%、94のAP)を得た。R
T=6.94分。
【0355】
3)TFPエステル(化合物4)の調製
【化189】
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【0356】
DCM(50mL)中の3(3.00g、6.75mmol)と2,3,5,6−テトラフルオロフェノール(3.99g、24.30mmol)の溶液を10℃に冷やし、分割したN−(3−ジエチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミドヒドロクロリド(4.66g、24.30mmol)で5分間にわたり処理した。次に、溶液を、20分間にわたって周囲温度まで加温し、3時間撹拌した。完了後に(3<10のAP)、反応混合物を、飽和重炭酸ナトリウム(20mL)で洗浄し、続いて塩水(20mL)で洗浄し、そして、ロータリーエバポレターにより濃縮した。得られたオイルを、5−20%のEtOAc/ヘキサンの溶媒グラジエントを使用したフラッシュカラムにより精製して、無色のオイルとして2.6gの4を得た(40%、94のAP)。R
T=12.99分
【0357】
4)アミントシラート(化合物5)の調製
【化190】
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【0358】
適切な大きさの圧力反応器に、THFと、それに続く、CbZ保護アミン(1.0eq、NAGZ)とp−TsOH−H
2O(1.0当量)を充填する(10倍量)。溶液を窒素で3回脱気する。10%のPd/C(5.0wt%)を充填し、次に、窒素で3回脱気する。水素で3回脱気する。水素を40〜50psiの圧力まで充填する。20〜30℃にて3時間撹拌し、次に、窒素で3回脱気し、IPCアッセイようにサンプル抽出する(仕様≦0.5%のNAG−Z、仕様が満たされない場合には、40〜50psiのH
2下で1〜2時間撹拌し、その後、再アッセイする)。珪藻土を通して濾過して触媒を取り除き、THF(4倍量)で洗浄する。合わせた濾液を濃縮し、Ti≦40℃を維持しながら、減圧下で約2倍量まで洗浄する。DCM(3.8倍量)で希釈し、その後、2倍量まで再び濃縮する。DCM希釈と再濃縮を繰り返し、その後、DCM(3.8倍量)で希釈する。KF分析用にサンプル抽出する(仕様KF≦0.05%、KF仕様が満たされない場合には、濃度とDCMでの希釈を繰り返す)。KF仕様を満たした後、溶液を、白色の泡沫状固形物まで濃縮する。100%の未修正収率。p−TsOH−H
2Oの代わりにトリフルオロ酢酸を用いる類似反応もまた実施してもよく、互換的に使用できる。
【0359】
5)トリ−NAG(化合物6)の調製
【化191】
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【0360】
活性化エステル4(2.15g、2.41mmol)とアミントシラート5(4.10g、6.75mmol)を、ジクロロメタン(22mL)中に溶解し、10℃に冷やした。次に、溶液を、5分間にわたりトリエチルアミン(1.37g、13.54mmol)を滴下して処理し、その後、周囲温度まで加温し、そして、2時間保持した。反応混合物を、飽和重炭酸ナトリウム(10mL)と、それに続いて塩水(10mL)で洗浄した。溶液を、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、そして、ロータリーエバポレターにより濃縮して、無色のオイルを得た。検査後に、〜10%のデスアシル不純物をHPLCによって検出した。不純物を、未希釈の無水酢酸(90mL)とトリエチルアミン(6mL)中で1時間撹拌して、再アシル化した。次に、無水酢酸を減圧下で取り除き、得られたオイルを、ジクロロメタン中に再溶解し、そして、重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。溶液を、オイルまで濃縮し、そして、グラジエント溶出(2.5−25%のMeOH/DCM)を使用したフラッシュクロマトグラフィーを介して精製して、白色の固形物として1.98gの6を得た(47%、96のAP)。R
T=7.57分;デスアシル不純物=7.18分
【0361】
6)アミン塩(化合物7)の調製
【化192】
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【0362】
保護アミン6(1.98g、1.06mmol)とp−トルエンスルホン酸一水和物(202mg、1.06mmol)を、無水エタノール(30mL)中に溶解し、そして、窒素雰囲気下に置いた。フラスコに、5%のパラジウム炭素(198mg、0.106mmol)を加え、そして、そのフラスコを、真空下に置き、水素で数回逆充填した(back-filled)。ひとたび水素雰囲気下で、反応物を周囲温度にて撹拌すれば、4時間以内にまたはHPLCによって開始物質が検出されなくなるまで、完了されることがわかった。触媒を、セライトのベッドを通して濾過し、そして、濾液を、0.2ミクロンのメンブランフィルターに通して、微粒子を取り除いた。溶液を、減圧下で濃縮乾固して、灰色の固形物として2.01gの7を得た(100%、98のAP)。R
T=5.82;p−トルエンスルホン酸R
T=2.4および3.1分
【0363】
7)活性化リンカー(化合物9および9a)の調製
【化193】
[この文献は図面を表示できません]
【0364】
cis−4−ヒドロキシシクロヘキシルカルボン酸8(合成に関しては、構造1005)(4.00g、27.7mmol)と2,3,5,6−テトラフルオロフェノール(5.53g、33.3mmol)を、24mLのジクロロメタン中に溶解し、そして、0℃に冷やした。[先に述べたように、cis−4−ヒドロキシシクロヘキシルカルボン酸(化合物8)を、構造1005を処方するためのリンカーとして使用する一方で、trans−4ヒドロキシシクロヘキシルカルボン酸(化合物8b)は、cis−異性体と置換してもよく、そしてそれが、合成の残りのための同じ手順に従った、構造1004bの合成に通じる:
【0365】
【化194】
[この文献は図面を表示できません]
]。
【0366】
この溶液に、EDC−HCl(6.38g、33.3mmol)を加えた。溶液を、22℃まで加温し、そして、12時間撹拌した。反応を飽和NaHCO
3水溶液(50mL)でクエンチし、そして、層を分離した。有機層を、飽和塩水(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4を用いて乾燥させた。乾燥剤を濾過し、そして、溶液を、約20mLまで濃縮し、そしてそれは、ゆっくりと固まった(種晶が促進する)。固形物を、5%のMTBE/ヘキサン(50mL)でスラリー化し、そして、濾過して、69%の収率および95%の純度で5.6gの生成物9を得た。
【0367】
8)リンカー連結(化合物10の調製)
【化195】
[この文献は図面を表示できません]
【0368】
NAGアミン塩7(5.00g、2.88mmol)と2,3,5,6−テトラフルオロフェニルcis−4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボキシラート9(1.68g、5.77mmol)を、25mLのジクロロメタン中に溶解し、そして、0℃に冷やした。この溶液に、トリエチルアミン(1.60mL、11.55mmol)を加えた。溶液を、室温まで加温し、HPLCによって観察しながら、5時間撹拌した。反応を、飽和NaHCO
3水溶液(35mL)でクエンチし、そして、層を分離した。有機層を、飽和塩水(35mL)で洗浄し、そして、Na
2SO
4を用いて乾燥させた。乾燥剤を濾過し、そして、溶液を、グラジエント溶出(0−20%のMeOH/DCM)を使用したフラッシュクロマトグラフィーを介して濃縮および精製して、白色の固形物として3.90gの化合物10を与えた(80%)。R
T=6.16分。あるいは、次の実施例2に示すように、TFPエステルを使用せずにリンカーの直接連結を実施することもできる。
【0369】
9)化合物11の調製
【化196】
[この文献は図面を表示できません]
【0370】
化合物10(1.87g、1.11mmol)を、20mLのジクロロメタンと2−シアノエチル中に溶解し、そして、N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホラミダイト(0.84g、2.77mmol)を加えた。得られた溶液を5℃に冷ました。この溶液に、4,5−ジシアノイミジアゾール(0.026g、0.22mmol)を加えた。溶液を室温まで加温し、そして、1時間撹拌した。次に、変換の程度をHPLCによってチェックした(開始物質の2〜%の残留を示した)。追加の2−シアノエチル,N,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホラミダイト(0.14g、0.46mmol)を加え、そして、反応物を、さらに2.5時間撹拌した(著しい変化はHPLCでは観察されなかった)。反応を、飽和NaHCO
3水溶液(20mL)でクエンチし、そして、層を分離した。有機層を、NaHCO
3水溶液(20mL)、そして飽和塩水(2×20mL)で洗浄し、そして、Na
2SO
4を用いて乾燥させた。乾燥剤を濾過し、そして、溶液を濃縮して、白色の固形物として2.34gの化合物11を得た。
【0371】
100mgの未精製の11を、30分間、ジクロロメタン中の2%のトリエチルアミンでシリカゲル充填カラムを最初に溶出し、続いて、そのカラムに未精製の11を添加し、そして、グラジエント溶出(0−20%の2% トリエチルアミン:メタノール/2% トリエチルアミン:ジクロロメタン)を使用して精製することによるフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製した。最終生成物である化合物11(本明細書中に規定させる構造1005bの化学構造を有する)を2%のトリエチルアミン:ジクロロメタン(画分2)中に溶出して、80mgの白色の固形物を得た。
【0372】
図1は、化合物11(本明細書中の構造1005b)の
1H NMRスペクトルを示す。
図1Aは、先のステップ7に説明する代替合成に続く、化合物11のtrans異性体(本明細書中の構造1004b)の
1H NMRスペクトルを示す。
【0373】
実施例2.標的化リガンド、ホスホラミダイト含有化合物、構造1008bの合成
1)トリ−tert−ブチルN−[N−(ベンジルオキシカルボニル)−L−γ−グルタミル]−L−グルタミン酸(化合物14)の調製
【0374】
【化197】
[この文献は図面を表示できません]
【0375】
熱電対、磁気撹拌子、窒素入口、および粉末用漏斗を備えた、窒素でフラッシュした、250mLの3つ口平底フラスコに、12(10.00g、29.64mmol)を加え、続いて、THF(100mL、10vol.)を加えた。得られた溶液を、撹拌し、そして、N−メチルモルホリン(7.82mL、71.15mmol、2.4当量)を加えた(反応混合物のKF:163ppm)。
【0376】
粉末用漏斗をゴム隔壁に置き換え、そして、前記混合物を、氷浴を使用して0℃に冷却した。ポット温度を4.0℃未満に維持したまま、クロロギ酸イソブチル(iBuCOCl、3.85mL、4.05g、29.64mmol、1.0当量)を、シリンジによって、反応混合物に滴下して10分間かけて加えた。添加に続いて、その混合物をさらに40分間撹拌し、そして、前記隔壁を粉末用漏斗に置き換えた。前記反応混合物に、4.0℃未満のポット温度を維持しながら、15分間かけて13(8.767g、29.64mmol、1.0当量)を分割して加えた(発熱性の添加)。13の添加に続いて、氷浴および粉末用漏斗を取り外し、そして、残りの一連のステップ中、反応物を周囲温度に加温した。13の添加に続いて、透明で、無色の溶液を25分間静置した。
【0377】
反応物のサンプル(98μLを、5mLメスフラスコ内で5.0mLのACNに希釈)を、13の添加開始の40分後に採取し、そして、RP−HPLCによって変換パーセントに関して分析した。12の23%が残っていることがわかったので、反応の60分後に、追加のiBuCOCl(1.16mL、1.21g、30mol%)および13(2.63g、30mol%)を連続して加えた。サンプルがHPLCによって99%超の変換を示すまで、前記溶液をさらに60分間寝かせた。総反応時間は、13の最初の添加開始から2.5時間であった。
【0378】
前記反応液を、氷浴中で3℃に冷却した0.5MのHCl
(aq)(125mL)の撹拌溶液に注ぎ入れ、約5分間撹拌した。クエンチした反応混合物を酢酸エチル(100mL、10vol.;NMMの完全除去のために確実に水層が酸性であることをチェックする)で抽出し、層を分離し、有機相を塩水(100mL、10vol.)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、粗目フリット漏斗を介して500mLの平底フラスコ内に濾過し、そして、真空中で濃縮し、再度、粘度が高い無色のオイルを得た。前記オイルを、MTBE(100mL、10vol.)中に溶解し、そして、真空中で濃縮し、再度、粘度が高い無色のオイルを得た。
【0379】
撹拌したオイル(〜600rpm)に、ヘキサン(100mL、10vol.)を加えた。白色のもやが溶液中に現れ、その後それは、さらなる撹拌によって見えなくなった。種晶を加え、そして、その混合物を40分間撹拌し、その間に、白色結晶をゆっくり形成した。
【0380】
20分以内では、スラリーは撹拌を妨害できるくらい濃く、そして、追加のヘキサン(50mL、5vol.)を加えた。40分後に、スラリーを、粗目フリット漏斗を介して濾過し、ヘキサン(それぞれ〜10mL)で3回洗浄し、そして、1時間漏斗内で風乾し、微細な白色粉末(15.64g、91%)として14を得た。
図2Bは、化合物14に関する
1H NMRスペクトルを示す。
【0381】
1)N−[N−(ベンジルオキシカルボニル)−L−γ−グルタミル]−L−グルタミン酸(15)の調製
【0382】
【化198】
[この文献は図面を表示できません]
【0383】
オーバーヘッドスターラー、粉末用漏斗、熱電対、および加熱マントルを備えた、3000mLの3つ口平底フラスコに、3(72.57g、125.4mmol)およびギ酸(試薬用グレード、>95%、1.45L、20体積当量)を加えた。粉末用漏斗を、N
2入口を備えた栓で置き換え、そして、得られた溶液を、RP−HPLCによって観察しながら、45℃に加熱し、1時間撹拌した。2.0面積%未満のモノ−t−ブチルエステルが残っているとき、反応が完了したと考えた。
【0384】
反応物のサンプルをギ酸添加の60分後に採取し、そして、そのサンプルを、残っているモノ−t−ブチルエステルのパーセンテージに関してRP−HPLCによって分析した。前記分析は、90分後に1.8%のモノ−t−Buエステルが残っていることを示したので、反応物を室温に冷ました。
【0385】
反応物を、トルエンおよびアセトニトリル(ACN、それぞれ1500mL)で希釈し、そして、混合物を真空中で濃縮した。ギ酸を、1:1 ACN:トルエン(〜600mL)で、そして、ACN(それぞれ〜500mL)で2回、共沸により取り除いた。前記物質を高真空で一晩乾燥させて、白色の泡沫状固体化合物(54.3g、定量収量、254nmにて96.8面積%)を得た。
図2Cは、化合物15に関する
1H NMRスペクトルを示す。
【0386】
3)トリ−NAG−ビス−Glu−NHZ(化合物16)の調製
【化199】
[この文献は図面を表示できません]
【0387】
1リットルの平底フラスコに、NAG−アミンp−トシラート塩(5、59.19g、97.6mmol、4.13当量)およびZ−ビス−Glu三酸塩基(15、10.01g、23.6mmol補正純度、1.0当量)を加えた。前記混合物を、アセトニトリル(500mL;溶液のKF=1283ppm)中に溶解し、そして、真空中で濃縮して、共沸により水を取り除いた。残渣を、新しいアセトニトリル(400mL)中に溶解し、撹拌子を入れ、そして、熱電対を備えた、窒素フラッシュした1リットルの3つ口平底フラスコに移した。水分含量を、KF(257ppm)によって計測した。
【0388】
窒素下で撹拌した溶液に、粉末用漏斗を介してTBTU(28.20g、87.8mmol、3.7当量)を加えた。反応温度を25℃未満に維持したまま、DIPEA(34.0mL、25.2g、8.0当量)を、シリンジによって20分間かけて滴下して加えた(5℃の発熱を添加中に観察した)。混合物を、HPLCで観察しながら、DIPEA添加の開始から2時間撹拌した。78分時点の分析では、開始物質の完全な消費を示した。
【0389】
2時間後に、真空中で溶媒を取り除いた。得られた粘度の高いオイルを、ジクロロメタン(1000mL)中に溶解し、1.0NのHCl
(aq)(3×500mL)で洗浄し、NaHCO
3(aq)(3×500mL)で飽和状態にした。有機層を、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、そして、真空中で濃縮して、オフホワイト色の蝋質固形物(33.5g)を得た。
【0390】
フラッシュカラムクロマトグラフィーを、330gのISCO RediSep Rf Goldシリカカラムを使用したISCO CombiFlash自動化精製システムにより実施した。原料を、CHCl
3(〜200mL)中の溶液として添加した。溶出液A:CHCl
3;溶出液B:MeOHから成る勾配を成すグラジエントを利用し、合計36の画分を回収した(それぞれ250〜500mL)。生成物含有画分を濃縮し、18.75gの16(97.0%の純度)を得た。混合画分では12.2gの16(78.8%の純度)を得た。
図2Dは、化合物16に関する
1H NMRスペクトルを示す。
【0391】
4)トリ−NAG−ビス−Glu−NH
2(化合物17)の調製
【化200】
[この文献は図面を表示できません]
【0392】
撹拌子が入っている1000mLの3つ口平底フラスコにメタノール(200mL、13vol.)を充填した。撹拌溶媒に、化合物16(15.44g、9.02mmol補正純度)を加え、続いて、追加のメタノール(200mL、13vol.)とトリフルオロ酢酸(1.40mL、18.1mmol、2.0当量)を加えた。混合物を約10分間撹拌した。混合物に、10%のPd/C(50%湿量基準、1.547g、10% w/w)を加えた。ヘッドスペースを、水素ガス(バルーン)でフラッシュし、そして、混合物を、RP−HPLCで観察しながら、周囲温度にて2時間撹拌した。
【0393】
75分後に、反応物からサンプル抽出し(100μL)、そして、1mLシリンジフイルター(10mm、0.1μmのGHP膜)内で1:1アセトニトリル:H
2O(900μL)と混合した。HPLCクロマトグラムは、開始物質の残留がない、96面積%超の純度を示した。次に、反応混合物を、窒素でフラッシュし、セライトベッドを通して1000mLの清潔な平底フラスコ内に濾過した。反応器を、メタノール(50mL)とジクロロメタン(50mL)ですすぎ、そして、すすぎ液もまた濾過した。わずかに濁った濾液を、真空中で部分的に濃縮した。セライトベッドの追加のすすぎを、メタノール(50mL)とジクロロメタン(50mL)を使用して実施した;これらを、残渣と組み合わせて、0.2μmのGHPメンブランフィルターを通して別の1000mLの清潔な平底フラスコ内に濾過した。トルエン副産物を共沸により取り除けるように、膜をアセトニトリル(50mL)ですすいだ。溶液を真空中で濃縮して、オフホワイト色の泡沫状固形物として17(14.15g、HPLCにより97.3面積%純度)を得た。
図2Eは、化合物17に関する
1H NMRスペクトルを示す。
【0394】
5)トリ−NAG−ビス−Glu−NH−リンカー(化合物18)の調製
【化201】
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【0395】
磁気撹拌、熱電対、および窒素ブランケットを備えた500mLの3つ口平底フラスコに、17(93.7%純度、20.00g、11.4mmol)とジクロロメタン(150mL)を充填した。撹拌溶液に、cis−4−ヒドロキシシクロヘキサン−1−カルボン酸(1.730g、12.0mmol、1.05当量)を加え、続いて、TBTU(4.036g、12.6mmol、1.10当量)を加えた。溶液を、氷−塩水浴を使用して−9℃に冷やし、そして、内部温度を−5℃未満に維持しながら、DIPEA(6.97mL、5.17g、40.0mmol、3.5当量)を7分間にわたり滴下して加えた。1.7℃の発熱を添加中に観察した。DIPEAの添加が完了した時点で、反応物を−9℃にて90分間撹拌し、そしてその時点で、HPLC分析(方法B)は、17の完全な消費を示した。
【0396】
110分後に、反応を、飽和NH
4Cl
(aq)(400mL)の添加によってクエンチした。層を分離し、そして、水層をジクロロメタン(2x200mL)によって抽出した。合わせた有機層を、飽和NaHCO
3(aq)と塩水(400mL)の1:1混合物で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、真空中で約125mLまで濃縮した。少量のメタノールを、溶解性を確保するために使用した。得られたオイルを、撹拌MTBEが(1600mL)が入った3Lの平底フラスコに、細流で加え、白色の沈殿物を形成した。ジクロロメタン(〜20mL)とMTBE(〜200mL)を用いた起源フラスコのすすぎ液をスラリーに加え、次に、それを、1時間寝かせ(age)、その後、600mLの粗目ガラスフリット漏斗を通して真空濾過した。濡れたケーキを、漏斗内でMTBE(2×200mL)中に再スラリー化し、濾過し、そして、恒量まで高真空ラインにより乾燥させて、白色の粉末として未精製の18を得た(16.22g、86%の未修正収率)。
【0397】
未精製の18(17.16g、以前のロットと合わせた)を、330gのISCO RediSep Rf Goldシリカカラムを使用したISCO CombiFlash EZPrep自動化精製システムにより精製した。原料を、8%のMeOH/CH
2Cl
2(〜160mL)中の溶液として添加した。溶出液A:CH
2Cl
2;溶出液B:50%のMeOH:CH
2Cl
2のグラジエントを、33の画分を生じさせるのに利用した。生成物含有画分を濃縮して、10.13g(98.1%の純度、59%の回収率)の18を得た。混合画分を貯留して、追加の6.52g(86.1%の純度)の18を得、そしてそれを再精製できる。
図2Fは、化合物18に関する
1H NMRスペクトルを示す。
【0398】
6)標的化リガンド、ホスホラミダイト(化合物19)の調製
【化202】
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【0399】
化合物18(13.0g、7.87mmol)を、無水ジクロロメタン(195mL)中に溶解し、窒素雰囲気下に置いた。この混合物に、DIPEA(4.11mL、23.61mmol)と、無水ジクロロメタン(5mL)中の2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルクロロホスホロジアミダイト(2.45mL、11.02mmol)の溶液を、5分間にわたり滴下して加えた。反応混合物を、HPLCで観察しながら(<1%のSM残留)、室温にて1時間撹拌した。反応を、飽和NaHCO
3水溶液(150mL)でクエンチした。有機層を分離し、飽和NaHCO
3水溶液(1×150mL)、および塩水(1×150mL)で洗浄し、そして、Na
2SO
4を用いて乾燥させた。乾燥剤が濾過し、溶液を、シリカカラムをジクロロメタン(+1%のトリエチルアミン)で30分間最初に処理し、続いて、そのカラムに未精製の最終生成物、化合物19(本明細書中の構造1008の化学構造を有する)を添加し、そして、30分間にわたりグラジエント溶出(0−20% MeOH(+1%のTEA)/CH
2Cl
2(+1%のTEA))を使用して精製することによるフラッシュクロマトグラフィーを介して濃縮し、精製して、白色の固形物として11.1gの化合物19を得た(76%の収率、純度96.6%)。
【0400】
図2は、化合物19に関する
31P NMRスペクトルを示す。
図2Aは、化合物19に関する
1H NMRスペクトルを示す。
図2および
図2Aは共に、化合物19の構造(本明細書中の構造1008b)と一致する。
【0401】
実施例3.標的化リガンド、ホスホラミダイト含有化合物、構造1025の合成
1)化合物21の調製
【化203】
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【0402】
MeOH(350mL)中の化合物20(40g、221mmol、1.00eq)の溶液に、0〜5℃にて滴下してSOCl
2(52.5g、442mmol、32mL、2.00eq)を加えた。溶液を、60℃に加熱し、そして、16時間撹拌した。TLC(5滴のHOAcを伴ったDCM/MeOH=5/1、Rf=0.43)は、消費した開始材料を示し、およびLCMS(ET12452−6−P1A)は、形成された生成物を示した。混合物を減圧下で濃縮し、白色の固形物として未精製の化合物21(52.4g、未精製)を得た。
【0403】
1H NMR: (ET12452-6-p1c DMSO Bruker_B_400MHz) δ 9.45 (s, 1 H), 8.55 (br s, 3 H), 7.00 (br d, J = 8.0 Hz, 2 H), 6.72 (d, J = 8.0 Hz, 2 H), 4.17 (br s, 1 H), 3.67 (s, 3 H), 3.01 (qd, J = 14.2, 6.5 Hz, 2 H)
【0404】
2)化合物22の調製
【化204】
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【0405】
MeOH(230mL)中の化合物21(52.4g、226mmol、1.00eq)の溶液に、0℃にて滴下してTEA(68.7g、679mmol、94mL、3.00eq)、Boc
2O(59.2g、271mmol、62.4mL、1.20eq)を加え、その混合物を、0℃にて0.5時間撹拌し、その後、25℃にて16時間撹拌した。TLC(石油エーテル/EtOAc=1/1、Rf=0.80)は新しい主要スポットを示したので、大部分の開始材料が消費された。混合物を濃縮し、その後、シリカカラム(石油エーテル/EtOAc=1:1)によって精製して、白色の固形物として化合物22(57.4g、86%の収率)を得た。
【0406】
1H NMR: (ET12452-8-p1g CDCl3 Bruker_B_400MHz) δ 6.97 (d, J = 8.5 Hz, 2 H), 6.74 (br d, J = 8.0 Hz, 2 H), 5.65 (br s, 1 H), 5.01 (br d, J = 8.0 Hz, 1 H), 4.49 - 4.59 (m, 1 H), 3.72 (s, 3 H), 2.92 - 3.09 (m, 2 H), 1.43 (s, 9 H)。
【0407】
3)化合物23の調製
【化205】
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【0408】
アセトン(170mL)中に溶解した化合物22(35g、119mmol、1.00eq)の溶液に、K
2CO
3(21.3g、154mmol、1.30eq)とBnBr(24.3g、142mmol、16.9mL、1.20eq)を加え、その反応混合物を、還流温度(60℃)にて14時間加熱した。TLC(石油エーテル/EtOAc=3/1、Rf=0.80)は、開始材料が消費されたことおよび新しいスポットが形成されたことを示した。H
2O(500mL)を5℃にて混合物に加え、0.5時間撹拌し、その後、濾過し、H
2O(80mL
*3)で洗浄し、減圧下で乾燥させて、白色の固形物として化合物23(43g、88%の収率、93%の純度)を得た。
【0409】
1H NMR: (ET12452-9-p1a CDCl3 Bruker_B_400MHz) δ 7.31 - 7.46 (m, 5 H), 7.05 (d, J = 8.5 Hz, 2 H), 6.91 (d, J = 9.0 Hz, 2 H), 5.05 (s, 2 H), 4.97 (br d, J = 8.0 Hz, 1 H), 4.50 - 4.60 (m, 1 H), 3.72 (s, 3 H), 2.96 - 3.11 (m, 2 H), 1.43 (s, 9 H)
【0410】
4)化合物24の調製
【化206】
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【0411】
EtOAc(215mL)中の化合物23(43g、112mmol、1.00eq)の溶液に、HCl/EtOAc(4M、215mL、7.71eq)を滴下し加え、その混合物を25℃にて9時間撹拌した。TLC(石油エーテル/EtOAc=3/1、Rf=0.10)は、開始材料が消費されたことおよび新しいポットが形成されたことを示した。混合物を、濾過し、EtOAc(30mL
*3)で洗浄し、減圧下で乾燥させて、白色の固形物として化合物24(35g、97%の収率、99%の純度)を得た。
【0412】
1H NMR: (ET12452-12-p1a MeOD Varian_D_400MHz) δ 7.40 - 7.45 (m, 2 H), 7.34 - 7.39 (m, 2 H), 7.29 - 7.33 (m, 1 H), 7.17 (d, J = 8.8 Hz, 2 H), 7.00 (d, J = 8.8 Hz, 2 H), 5.09 (s, 2 H), 4.26 (dd, J = 7.3, 6.0 Hz, 1 H), 3.81 (s, 3 H), 3.07 - 3.23 (m, 2 H)
【0413】
5)化合物26の調製
【化207】
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【0414】
化合物24(15.5g、48.2mmol、1.00eq)を、CH
3CN(40mL)とNaOH(1.5M、70.6mL、2.20eq)中に溶解し、次に、化合物25(13.4g、96.3mmol、6.94mL、2.00eq)を15℃にて加えた、pHチェック:〜2.5。次に、4NのNaOHをpH=13まで加えた。溶液を70℃に加熱した。30分後、pHが6未満に下がり、4NのNaOH(pH11〜13)で再び調整した。追加の化合物25(6.69g、48.2mmol、3.47mL、1.00eq)を、分割して加え(二回)、その都度、pHを11〜13に調整した。混合物を70℃にて14時間加熱した。LCMS(ET12452−30−P1A、Rt=0.749分)は、生成物が形成されたことを示した。混合物を15℃に冷まし、次に、4NのHClでpH1に調整し、濾過し、そして、H
2O(80mL
*2)で洗浄し、乾燥させた。残渣を、THF(600mL)で溶解し、次に、ET12452−27、ET12452−19のバッチと共に6分の1に濃縮し、次に、DCM(500mL)と共に撹拌し、そして、濾過し、フイルターを乾燥させて、白色の固形物として化合物26(35.5g、87%の収率、97%の純度)を得た。
【0415】
1H NMR: (ET12452-30-p1r MeOD Varian_D_400MHz) δ 7.40 - 7.45 (m, 2 H), 7.36 (t, J = 7.4 Hz, 2 H), 7.27 - 7.32 (m, 1 H), 7.17 (d, J = 8.4 Hz, 2 H), 6.91 (d, J = 8.6 Hz, 2 H), 5.49 (s, 1 H), 5.05 (s, 2 H), 3.71 (t, J = 7.6 Hz, 1 H), 3.61 (s, 4 H), 3.07 (dd, J = 14.1, 7.5 Hz, 1 H), 2.86 - 2.96 (m, 1 H), 2.03 (s, 2 H)
【0416】
6)化合物27の調製
【化208】
[この文献は図面を表示できません]
【0417】
ピリジン(250mL)中の化合物26(15g、38.7mmol、1.00eq)、化合物26A(25.7g、155mmol、4.00eq)の溶液に、EDCI(29.7g、155mmol、4.00eq)を5℃にて加えた。混合物を30℃にて12時間撹拌した。LCMS(ET12452−59−P1A、Rt=1.053分)は、主として生成物を示した。混合物を、濃縮し、その後、DCM(200mL)で溶解し、飽和NaHCO
3(80mL
*4)、塩水(80mL
*2)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、そして、濃縮した。残渣を、シリカカラム(石油エーテル/EtOAc=3:1、Rf=0.75)によって精製し、化合物26Aを伴った生成物を得、その後、DCM(200mL)で溶解し、飽和NaHCO
3(80mL
*4)および塩水(80mL
*2)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、そして、濃縮して、オフホワイト色のゴムとして化合物27(19.8g、61%の収率)を得た。
【0418】
1H NMR: (ET12452-59-p1g CDCl3 Bruker_B_400MHz) δ 7.36 - 7.46 (m, 4 H), 7.30 - 7.35 (m, 1 H), 7.24 (d, J = 8.7 Hz, 2 H), 6.97 - 7.07 (m, 3 H), 6.94 (d, J = 8.7 Hz, 2 H), 5.05 (s, 2 H), 4.13 - 4.26 (m, 5 H), 3.25 (d, J = 7.5 Hz, 2 H), 2.06 (s, 1 H), 1.25 - 1.29 (m, 1 H)
【0419】
7)化合物27−2の調製
【化209】
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【0420】
化合物27−1(230g、1.53mol、205mL、1.00eq)を、N
2雰囲気下で乾燥DCM(1.6L)に溶解した。溶液を、氷浴で0℃に冷やし、そして、TEA(232g、2.3mol、318mL、1.50eq)を加えた。それに続いて、DCM(500mL)中のTosCl(233g、1.22mol、0.80eq)を、冷やした反応混合物に加えた。添加後に、溶液を、20℃まで加温し、そして、5時間撹拌した。TLC(石油エーテル/EtOAc=1:1、Rf=0.15)は、開始材料が消費されたことを示し、およびHPLC(ET12452−15−P1L、Rt=1.71分)は、2つのピークを示した。反応混合物を、0℃にてH
2O(500mL)の添加によってクエンチし、次に、2つの反応物を、CH
2Cl
2(800mL)で抽出した。合わせた有機層を、H
2O(1L)および塩水(1L)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、そして、濃縮した。残渣を、シリカカラム(石油エーテル/EtOAc=1:1)によって精製し、黄色のオイルとして化合物27−2(338g、36%の収率)を得た。
【0421】
1H NMR: (ET12452-15-p1z1 CDCl3 Bruker_B_400MHz) δ 7.79 (d, J = 8.0 Hz, 2 H), 7.34 (d, J = 8.5 Hz, 2 H), 4.12 - 4.19 (m, 2 H), 3.67 - 3.72 (m, 4 H), 3.60 (s, 4 H), 3.55 - 3.58 (m, 2 H), 2.44 (s, 3 H), 2.32 (s, 1 H)
【0422】
8)化合物27−3Aの調製
【化210】
[この文献は図面を表示できません]
【0423】
化合物27−3−1(230g、591mmol、1.00eq)を、20℃にてDCM(700mL)中に懸濁し、TMSOTf(197g、886mmol、160mL、1.50eq)をN
2下で加えた。混合物の色がピンク色に変化した。混合物を、50℃に加熱し、そして、1.5時間撹拌した。次に、反応混合物を、20℃に冷やし、そして、14時間撹拌した。TLC(DCM/MeOH=20:1、Rf=0.6)は、開始材料が消費されたことを示した。混合物を、0〜5℃にてNaHCO
3水溶液(600mL)中に注ぎ入れ、そして、15分間撹拌した。混合物の色が黄色に変化した。混合物を、DCM(500mL)で抽出し、NaHCO
3水溶液(500mL)、水(500mL
*2)および塩水(500mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、そして、濃縮して、茶色のオイルとして化合物27−3A(189g、92%の未精製の純度)を得た。
【0424】
1H NMR: (ET12452-28-p1c CDCl3 Varian_D_400MHz) δ 6.00 (d, J = 6.6 Hz, 1 H), 5.47 (t, J = 3.0 Hz, 1 H), 4.91 (dd, J = 7.5, 3.3 Hz, 1 H), 4.17 - 4.28 (m, 2 H), 4.08 - 4.14 (m, 1 H), 3.97 - 4.03 (m, 1 H), 2.13 (s, 3 H), 2.05 - 2.09 (m, 9 H)
【0425】
9)化合物27−4Aの調製
【化211】
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【0426】
DCM(1.5L)中の化合物27−3A(189g、574mmol、1.00eq)、化合物7−2(140g、460mmol、0.80eq)および4A MOLECULAR SIEVE(150g)の混合物に、N
2雰囲気下でTMSOTf(63.8g、287mmol、51.9mL、0.50eq)を加え、混合物を25℃にて8時間撹拌した。TLC(DCM/MeOH=20:1、Rf=0.46)は、開始材料が消費されたことを示し、およびLCMS(ET12452−35−P1A、Rt=0.76分)は、生成物が形成されたことを示した。混合物を、濾過して、シーブを取り除き、その後、冷NaHCO
3水溶液(1000mL)でクエンチし、DCMで抽出し(800mL
*2)、分離した有機層を飽和NaHCO
3(800mL)、H
2O(800mL
*2)および塩水(800mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、そして、濃縮した。次に、シリカカラム(DCM/MeOH=20:1)によって精製して、黄色のオイルとして化合物27−4A(285g、73%の収率)を得た。
【0427】
1H NMR: (ET12452-35-p1g CDCl3 Varian_D_400MHz) δ 7.81 (d, J = 8.4 Hz, 2 H), 7.37 (d, J = 8.2 Hz, 2 H), 6.30 (br d, J = 9.5 Hz, 1 H), 5.28 - 5.35 (m, 1 H), 5.08 (dd, J = 11.2, 3.3 Hz, 1 H), 4.81 (d, J = 8.6 Hz, 1 H), 4.09 - 4.29 (m, 5 H), 3.86 - 3.98 (m, 3 H), 3.68 - 3.81 (m, 3 H), 3.56 - 3.66 (m, 5 H), 2.46 (s, 3 H), 2.16 (s, 3 H), 2.04 (s, 3 H), 1.98 (s, 3 H), 1.95 (s, 3 H)
【0428】
10)化合物27−4の調製
【化212】
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【0429】
DMSO(1.4L)中の化合物27−4A(285g、450mmol、1.00eq)の溶液に、10℃にてNaN
3(38.1g、586mmol、1.30eq)を加え、そして、その混合物を60℃にて16時間撹拌した。LCMS(ET12452−37−P1A、Rt=0.67分)は、生成物が形成されたことおよび開始材料が消費されたことを示した。混合物を、H
2O(1500mL)中に注ぎ入れ、EtOAc(1L
*5)で抽出し、H
2O(800mL
*3)および塩水(
*800mL、3)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、および濃縮して、赤色のオイルとして化合物27−4(168g、未精製)を得た。
【0430】
1H NMR: (ET12452-37-p1c CDCl3 Bruker_B_400MHz) δ 6.12 (br d, J = 9.4 Hz, 1 H), 5.32 (d, J = 2.9 Hz, 1 H), 5.06 (dd, J = 11.3, 3.4 Hz, 1 H), 4.78 (d, J = 8.7 Hz, 1 H), 4.08 - 4.27 (m, 5 H), 3.82 - 3.94 (m, 3 H), 3.61 - 3.77 (m, 10 H), 3.45 - 3.50 (m, 2 H), 2.16 (s, 3 H), 2.05 (d, J = 1.5 Hz, 5 H), 1.99 (d, J = 4.5 Hz, 6 H), 1.26 (t, J = 7.2 Hz, 2 H)
【0431】
11)化合物27Aの調製
【化213】
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【0432】
EtOAc/MeOH(4:1)(640mL)中の化合物27−4(79g、156mmol、1.00eq)の溶液に、Pd(OH)
2/C(7.9g)を加え、その混合物を、H
2(30psi)雰囲気下で15℃にて4時間撹拌した。TLC(DCM/MeOH=20:1)は、開始材料が消費されたことを示し、およびLCMS(ET12452−53−P1C、Rt=2.55分)は、生成物が形成されたことを示した。2つの並行した反応を、セライトで濾過し、DCM(500mL
*5)およびMeOH(200mL
*3)で洗浄し、濃縮して、こげ茶色のオイルとして化合物27A(140g、未精製)を得た。
【0433】
1H NMR: (ET12452-53-p1c CDCl3 Varian_D_400MHz) δ 7.02 (br d, J = 9.3 Hz, 1 H), 5.29 - 5.34 (m, 1 H), 5.09 (dd, J = 11.2, 3.3 Hz, 1 H), 4.80 (d, J = 8.6 Hz, 1 H), 4.09 - 4.24 (m, 3 H), 3.82 - 3.95 (m, 3 H), 3.52 - 3.70 (m, 10 H), 2.91 (td, J = 5.2, 2.8 Hz, 1 H), 2.15 (s, 3 H), 2.05 (s, 4 H), 1.98 (d, J = 6.4 Hz, 6 H)
【0434】
12)化合物28の調製
【化214】
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【0435】
TEA(12.1g、119mmol、16.5mL、5.00eq)を、DCM(160mL)中の化合物27(19.8g、23.8mmol、1.00eq)と化合物27A(57g、119mmol、5.00eq)を含有する撹拌溶液に加えた。それを30℃にて16時間撹拌した。LCMS(ET12452−64−P1A、Rt=1.21分)は、生成物が形成したことを示した。DCM(100mL)で希釈し、そして、飽和NaHCO
3/飽和塩水(1:1、2×80mL)で洗浄した。有機層を、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、そして、濃縮して、茶色の固形物として未精製の生成物を得た。
【0436】
未精製の生成物を、Ac
2O(42mL)、CH
3CN(62.5mL)およびPy(82.3g、1.04mol、84mL、23.96eq)で溶解し、混合物を25℃にて12時間撹拌した。HPLC(ET12452−65−P1A、Rt=2.54分)は、ほとんど生成物を示した。CH
3CNを留去し、その後、DCM(400mL)で希釈し、そして、飽和NaHCO
3(100mL
*4)で洗浄した。有機層を、分離し、そして、0.1MのHCl/飽和塩水(1:1、100mL
*4)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、そして、濃縮した。残渣を、シリカカラム(DCM/MeOH=10:1、Rf=0.45)によって精製し、生成物を得、その後、p−HPLC(カラム:Phenomenex Gemini C18 250
*50mm
*10μm;移動相:[水(10mMのNH
4HCO
3)−ACN];B%:25%−55%、23分)によってさらに精製して、黄色の固形物としての化合物28(28.8g、58%の収率、98%の純度)を得た。
【0437】
1H NMR: (ET12452-65-p1j DMSO Varian_D_400MHz) δ 8.00 - 8.09 (m, 3 H), 7.81 (d, J = 9.0 Hz, 3 H), 7.29 - 7.45 (m, 5 H), 7.10 (d, J = 8.6 Hz, 2 H), 6.89 (d, J = 8.4 Hz, 2 H), 5.21 (d, J = 3.3 Hz, 3 H), 5.04 (s, 2 H), 4.97 (dd, J = 11.2, 3.3 Hz, 3 H), 4.54 (d, J = 8.4 Hz, 3 H), 4.02 (s, 9 H), 3.83 - 3.92 (m, 3 H), 3.73 - 3.81 (m, 3 H), 3.53 - 3.61 (m, 4 H), 3.44 - 3.52 (m, 17 H), 3.42 (br d, J = 4.4 Hz, 2 H), 3.35 - 3.40 (m, 6 H), 3.07 - 3.27 (m, 11 H), 2.74 - 2.87 (m, 2 H), 2.09 (s, 9 H), 1.99 (s, 10 H), 1.89 (s, 9 H), 1.77 (s, 9 H)
【0438】
13)化合物29の調製
【化215】
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【0439】
THF(250mL)中の化合物28(9.7g、5.48mmol、1.00eq)の溶液に、乾燥Pd/C(5.5g、5.48mmol)を加え、その混合物を、H
2雰囲気下(50psi)で40℃にて6.5時間撹拌した。TLC(DCM/MeOH=10:1、Rf=0.3)は、開始材料が消費されたことを示した。2つの並行反応物を、濾過し、THF(300mL
*4)およびDCM(200mL
*3)で洗浄し、そして、濃縮した。残渣を、ET12452−78のバッチを用いたp−HPLC(カラム:Phenomenex Gemini C18 250
*50mm
*10μm;移動相:[水(0.1%のTFA)−ACN];B%:15%−45%、20分)によって精製し、白色の固形物として化合物29(14g、63%の収率)を得た。
【0440】
1H NMR: (ET12452-80-p1j DMSO Varian_D_400MHz) δ 9.19 (s, 1 H), 7.99 - 8.10 (m, 3 H), 7.83 (d, J = 9.3 Hz, 3 H), 6.95 (d, J = 8.4 Hz, 2 H), 6.62 (d, J = 8.4 Hz, 2 H), 5.76 (s, 2 H), 5.21 (d, J = 3.3 Hz, 3 H), 4.97 (dd, J = 11.2, 3.3 Hz, 3 H), 4.54 (d, J = 8.6 Hz, 3 H), 4.03 (s, 9 H), 3.83 - 3.92 (m, 3 H), 3.73 - 3.81 (m, 3 H), 3.53 - 3.61 (m, 4 H), 3.44 - 3.52 (m, 16 H), 3.43 (br d, J = 4.4 Hz, 3 H), 3.36 - 3.39 (m, 3 H), 3.26 - 3.33 (m, 4 H), 3.05 - 3.24 (m, 9 H), 2.65 - 2.82 (m, 2 H), 2.10 (s, 9 H), 2.00 (s, 9 H), 1.89 (s, 9 H), 1.77 (s, 9 H)
【0441】
14)化合物30の調製
【化216】
[この文献は図面を表示できません]
【0442】
化合物29(8g、4.77mmol、1.00eq)を、DCM(65mL)で溶解し、そして、化合物29A(2.88g、9.54mmol、3mL、2.00eq)を加えた。得られた溶液を5℃に冷やした。この溶液に、2Hテトラゾール(0.45M、11.7mL、1.10eq)を加えた。溶液を、15℃まで加温し、そして、3.5時間撹拌した。TLC(DCM/MeOH=5:1、Rf=0.52)は、開始材料が消費されたことを示し、およびHPLC(ET12452−82−P1A、Rt=2.69分)は、生成物が形成されたことを示した。DCM(50mL)で希釈し、NaHCO
3(30mL)でクエンチし、その水溶液を、DCMで抽出し(30mL
*2)、合わせた有機層を飽和NaHCO
3(30mL
*2)、H
2O(30mL)および塩水(30mL
*2)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、そして、濃縮した。残渣を、DCM(30mL)で溶解し、その後、ヘキサン(150mL)を0℃にて滴下して加え、15分間撹拌し、その後、冷やし、有機層を注ぎ出し、そして、オイルを、DCM(30mL)で再び溶解し、ヘキサン(150mL)を滴下して加え、その手順を7回繰り返し、減圧下で乾燥させて、白色の固形物として化合物30(5.5g、55%の収率)を得た。
【0443】
1H NMR: (ET12452-83-p1b DMSO Varian_D_400MHz) δ 7.97 - 8.09 (m, 3 H), 7.78 (d, J = 9.3 Hz, 3 H), 7.06 (d, J = 8.2 Hz, 2 H), 6.86 (d, J = 8.2 Hz, 2 H), 5.73 (s, 2 H), 5.18 (d, J = 3.3 Hz, 3 H), 4.94 (dd, J = 11.1, 3.4 Hz, 3 H), 4.51 (d, J = 8.4 Hz, 3 H), 3.99 (s, 9 H), 3.79 - 3.89 (m, 4 H), 3.70 - 3.78 (m, 4 H), 3.59 - 3.69 (m, 2 H), 3.49 - 3.58 (m, 4 H), 3.44 (s, 16 H), 3.40 (br d, J = 4.2 Hz, 3 H), 3.32 - 3.37 (m, 5 H), 3.24 - 3.28 (m, 1 H), 3.05 - 3.22 (m, 9 H), 2.78 (br t, J = 5.8 Hz, 4 H), 2.07 (s, 9 H), 1.96 (s, 9 H), 1.86 (s, 9 H), 1.74 (s, 9 H), 1.15 (d, J = 6.8 Hz, 6 H), 1.09 (d, J = 6.8 Hz, 6 H)
図3は、化合物30(本明細書中の構造1025b)に関する
1H NMRスペクトルを示す。
実施例4:標的化リガンド、ホスホラミダイト含有化合物、構造1014bの合成
【0444】
1)化合物32の調製
【化217】
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【0445】
ACN(260.00mL)中の化合物31(24.71g、87.85mmol、1.00eq)、化合物31A、EDCI(39.07g、203.82mmol、2.32eq)、ピリジン(19.39g、245.11mmol、19.79mL、2.79eq)の溶液を、25℃にて2時間撹拌した。TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1/1、所望の生成物;Rf=0.7)は、所望の生成物が形成されたことを示した。混合物を、300mLのEtOAcに加え、NaHCO
3(100mL
*2)、100mLの塩水で洗浄し、Na
2SO
4を用いて乾燥させ、濾過し、そして、濃縮して、残渣を得た。未精製の生成物を、シリカカラム(石油エーテル/酢酸エチル=100/1〜3/1)で精製して、黄色のオイルとして化合物32(60.00g、79.25mmol、90.20%の収率、97.19%の純度)を得た。
【0446】
1H NMR: (ET12600-89-p1a DMSO Varian_D_400MHz) δ ppm 7.52 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.27-7.38 (m, 5H), 4.99 (s, 2H), 4.26-4.42 (m, 3H), 3.80-4.15 (m, 8H), 2.27 (br s, 2H), 1.78-1.88 (m, 1H), 1.66 (br dd, J = 14.4, 7.2 Hz, 1H), 1.37-1.41 (m, 35H)
【0447】
2)化合物33の調製
【化218】
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【0448】
ギ酸(800.00mL)中の化合物32(45.00g、61.15mmol、1.00eq)の溶液を、45℃にて6時間撹拌した。LCMS(et12600−90−p1a、MS=511)は、所望の生成物が形成されたことを示した。混合物を濃縮して、残渣を得た。残渣を1000mLのDCMで洗浄して、白色の固形物として化合物33(30.00g、54.71mmol、89.47%の収率、93.27%の純度)を得た。
【0449】
1H NMR: (ET12600-90-p1a DMSO Bruker_B_400MHz) δ 12.75 (br s, 3H), 7.53 (br d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.29-7.38 (m, 5H), 4.99 (d, J = 3.6 Hz, 2H), 4.27-4.38 (m, 2H), 4.12 (br s, 2H), 3.84-4.07 (m, 6H), 2.30 (br t, J = 7.2 Hz, 2 H), 2.07 (s, 1H), 1.59-1.88 (m, 2H), 1.39 (t, J = 5.6 Hz, 1H)
【0450】
3)化合物34の調製
【化219】
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【0451】
ACN(90mL)中の化合物33(15g、29.33mmol、1.00eq)、化合物33A(29.22g、175.98mmol、6.00eq)、ピリジン(11.60g、146.65mmol、11.84mL、5.00eq)の溶液に、EDCI(28.11g、146.65mmol、5.00eq)を加え、その後、その混合物を25℃1時間撹拌した。TLC(石油エーテル/酢酸エチル=3/1)は、所望の生成物が形成されたことを示した。混合物に500mLのDCMを加え、NaHCO
3(200mL
*2)、100mLの塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、そして、濃縮して、残渣を得た。シリカカラム(石油エーテル/酢酸エチル=4/1)で精製し、黄色の固形物としての化合物34(28g)を得た。
【0452】
4)化合物35の調製
【化220】
[この文献は図面を表示できません]
【0453】
DCM(140mL)中の化合物34(16.57g、15.01mmol、1eq)、化合物34Aの溶液に、TEA(9.12g、90.08mmol、12.49mL、6.00eq)を加え、その後、その混合物を25℃にて16時間撹拌した。LCMS(et12600−98−p1g)は、所望の生成物が形成されたことを示した。混合物を、200mLのDCMに注ぎ、100mLのNaHCO
3、100mLの塩水で洗浄し、Na
2SO
4を用いて乾燥させ、濾過し、そして、濃縮して、残渣を得た。調製用HPLC(カラム: Phenomenex Gemini C18 250
*50 10u;移動相:[水(10mMのNH
4HCO
3)−ACN];B%:15%−45%、20分)で精製して、黄色の固形物として化合物5(11g、4.65mmol、30.98%の収率、99.5%の純度)を得た。
【0454】
1H NMR: (ET12600-98-p1a1 DMSO Varian_D_400MHz) δ 8.65-8.71 (m, 1H), 8.51 (br s, 1H), 8.18-8.25 (m, 1H), 8.11 (br s, 1H), 7.80 (d, J = 8.8 Hz, 4H), 7.47 (br d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.28-7.40 (m, 5H), 5.75 (s, 4H), 5.22 (d, J = 3.2 Hz, 4H), 4.95-5.03 (m, 6H), 4.55 (d, J = 8.4 Hz, 4H), 3.98-4.06 (m, 15H), 3.88 (dt, J = 11.2, 8.8 Hz, 7H), 3.78 (dt, J=10, 5.2 Hz, 5H), 3.54-3.62 (m, 6H), 3.46-3.53 (m, 25H), 3.41 (q, J = 5.6 Hz, 9H), 3.23 (br dd, J = 11.6, 5.6 Hz, 8H), 2.10 (s, 12H), 2.00 (s, 12H), 1.89 (s, 12H), 1.77 (s, 12H)
【0455】
5)化合物36の調製
【化221】
[この文献は図面を表示できません]
【0456】
MeOH(10mL)中の化合物35(10g、4.25mmol、1eq)、TFA(484.52mg、4.25mmol、314.62μL、1eq)の溶液に、10%のPd(OH)
2/C(3.00g)を加え、その後、その混合物を、H
2(50Psi)下で20℃にて4時間撹拌した。LCMS(et12600−107−p1a、Rt=2.195)は、所望の生成物が形成されたことを示した。混合物を、濾過し、そして、濃縮して、黄色の固形物としての化合物36(3.60mmol、8g、84.84%の収率)を得た。
【0457】
1H NMR: (ET12600-107-p1a DMSO Varian_D_400MHz) δ 8.68 (br t, J = 5.2 Hz, 1H), 8.46 (br t, J = 5.2 Hz, 1H), 8.21-8.27 (m, 1H), 8.15 (br d, J = 5.6 Hz, 2H), 7.84 (br d, J = 9.2 Hz, 4H), 5.22 (d, J = 3.2 Hz, 4H), 4.98 (dd, J = 11.2, 3.2 Hz, 4H), 4.56 (d, J = 8.4 Hz, 4H), 4.24 (br s, 1H), 3.99-4.14 (m, 23H), 3.84-3.94 (m, 7H), 3.74-3.83 (m, 5H), 3.55-3.62 (m, 5H), 3.51 (s, 25H), 3.38-3.46 (m, 9H), 3.20-3.30 (m, 9H), 3.17 (d, J = 5.2 Hz, 14H), 2.11 (s, 12H), 2.00 (s, 13H), 1.89 (s, 12H), 1.78 (s, 12H)
【0458】
6)化合物37の調製
【化222】
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【0459】
バッチに関しては並行であった。DCM(6mL)中の化合物36(2g、857.18μmol、1.00eq、TFA)、化合物36A(626.23mg、2.14mmol、2.50eq)の溶液に、TEA(312.26mg、3.09mmol、427.75μL、3.60eq)を加え、その後、その混合物を25℃にて16時間撹拌した。LCMSは、所望の生成物が形成されたことを示した。すべての反応混合物を合わせ、200mLのDCM中に溶解し、30mLのNaHCO
3上に注ぎ、30mLの塩水で洗浄し、Na
2SO
4を用いて乾燥させ、濾過し、そして、濃縮して、残渣を得た。調製用HPLC(カラム: Phenomenex Gemini C18 250
*50 10u;移動相:[水(10mMのNH
4HCO
3)−ACN];B%:15%−45%、20分)で精製して、白色の固形物として化合物37(3.20mmol、7.5g、93.27%の収率)を得た。
【0460】
1H NMR: (ET12600-111-p1a DMSO Varian_D_400MHz) δ 8.66 (s, 1H), 8.51 (br s, 1H), 8.20 (s, 1H), 8.08 (s, 1H), 7.91 (br d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.80 (d, J=9.2 Hz, 4H), 5.22 (d, J =3.2 Hz, 4H), 4.98 (dd, J=11.2, 3.2 Hz, 4H), 4.55 (d, J = 8.4 Hz, 4H), 4.47 (br s, 1H), 4.30 (s, 1H), 4.25 (d, J = 3.2 Hz, 1H), 4.03 (s, 11H), 3.97 (br s, 2H), 3.84-3.92 (m, 7H), 3.73-3.82 (m, 6H), 3.55-3.62 (m, 5H), 3.47-3.54 (m, 24H), 3.41 (q, J = 5.6 Hz, 9H), 3.23 (br dd, J = 11.2, 5.6 Hz, 8H), 2.19 (br s, 1H), 2.10 (s, 12H), 2.00 (s, 13H), 1.89 (s, 12H), 1.77 (s, 13H), 1.61 (br s, 3H), 1.40 (br d, J=11.2 Hz, 4H)
【0461】
8)化合物38の調製
【化223】
[この文献は図面を表示できません]
【0462】
DCM(26.4mL)中の化合物37(4.4g、1.88mmol、1eq)および化合物37A(1.13g、3.75mmol、1.19mL、2eq)を加えた。得られた溶液を5℃に冷やした。この溶液に、2Hテトラゾール(0.45M、4.59mL、1.1eq)を加えた。溶液を20℃まで加温し、そして、2時間撹拌した。混合物を、100mLのDCM中に溶解し、20mLのNaHCO
3でクエンチし、DCM(50mL
*2)で抽出し、20mLのNaHCO
3、20mLの塩水で洗浄し、Na
2SO
4を用いて乾燥させ、濾過し、そして、濃縮して、残渣を得た。残渣を、DCM(25mL、0.2%のTEA)で溶解し、その後、ヘキサン(125mL、0.2%のTEA)を0℃にて滴下して加え、15分間撹拌し、その後、冷やし、有機層を注ぎ出し、そして、オイルをDCM(30mL)で再び溶解し、ヘキサン(150mL)を滴下して加え、手順を3回繰り返し、減圧下で乾燥させた。20mLのDCMを白色の固形物に加え、それを30℃にて減圧下で乾燥させて、白色の固形物として38(4.8g、1.83mmol、67.34%の収率、97.15%の純度)を得た。LCMS:[M−iPr
2N]
+/2、1222.8。
【0463】
1H NMR: (DMSO, Varian_400MHz) δ 8.67 (br s, 1H), 8.52 (br s, 1H), 8.20 (br s, 1H), 8.08 (br s, 1H), 7.98 (br d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.79 (br d, J=9.2 Hz, 4H), 5.21 (d, J=3.2 Hz, 4H), 4.98 (dd, J = 11.2, 3.2 Hz, 4H), 4.55 (d, J = 8.4 Hz, 4H), 4.47 (br s, 1H), 4.29 (br d, J = 17.6 Hz, 1H), 3.94-4.11 (m, 16H), 3.83-3.94 (m, 8H), 3.78 (br dd, J = 10.4, 5.2 Hz, 6H), 3.64-3.74 (m, 3H), 3.54-3.63 (m, 8H), 3.50 (br s, 26H), 3.36-3.44 (m, 9H), 3.14-3.29 (m, 9H), 2.75 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 2.15-2.27 (m, 4H), 2.10 (s, 13H), 2.00 (s, 13H), 1.82-1.95 (m, 15H), 1.77 (s, 14H), 1.59-1.73 (m, 4H), 1.45 (br d, J = 14.4Hz, 4H), 1.14 (d, J = 6.4 Hz, 12H)
【0464】
図4は、化合物38(本明細書中の構造1014b)に関する
1H NMRスペクトルを示す。
【0465】
実施例5:標的化リガンド、ホスホラミダイト化合物、構造1006bおよび1007bの合成
構造1006bおよび構造1007bのホスホラミダイト含有化合物を、4−cis−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸(本明細書中では化合物8)を構造1006bを合成するのに使用した、および4−trans−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸(本明細書中では化合物8a)を構造1007bを合成するのに使用したという相違のみで、以下の同じ手順に従って合成した。
【0466】
1)化合物41の調製
【化224】
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【0467】
ACN(3mL)中のZ−Glu−(OtBu)−OH39(445mg、1.32mmol)、ジ−tert−ブチルイミノジアセタート40(340mg、1.39mmol)、EDC(319mg、1.66mmol、1.23eq)およびPy(3eq、0.33mL)の溶液を、RTにて1時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、NaHCO
3(2×)で洗浄した。有機層を、MgSO
4で乾燥させ、そして、留去した。次に、未精製物を、DCM(5mL)中に溶解し、そして、TFA(5mL)を加えた。それを、RTにて16時間撹拌し、その後、留去した。フォーム/沈殿物が形成されるまで、酢酸エチルを加え、留去した4×。未精製の41を、TFP活性化ステップにそのまま使用した。Rt=3.78分、90%の純度。LCMS(ES、M/z):379.0[M+H]
+。
【0468】
2)化合物42の調製
【化225】
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【0469】
ACN(3.5mL)中の未精製の三酸41(〜1.30mmol)、TFP(7eq、9.10mmol、1.51g)、TEA(4eq、0.723mL)およびEDC(3.3eq、4.29mmol、0.82g)の溶液を、RTにて1時間撹拌し、DCM(250mL)で希釈し、飽和NaHCO
3(2×100mL)で洗浄した。有機相を、Na
2SO
4上で乾燥させ、濃縮し、そして、シリカカラムで精製した。生成物である活性化トリ−TFPエステルを、hex(5−20%)中のAcOEtで溶出して、微量のTFPと共に、550mgの生成物を得た。Rt=7.06分。
【0470】
TEA(400μL、2.9mmol)を、DCM(6mL)中のトリ−TFPエステル(540mg、0.642mmol)とGalNac−Peg
3−NH
2XTsOH(2.89mmol、1.88g)を含有した撹拌溶液に加えた。それを、RTにて16時間撹拌し、DCM(200mL)で希釈し、飽和NaHCO
3/飽和塩水(1:1、2×150mL)で洗浄した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥させて、留去して、白色の固形物が残った。固形物を、DCM中に溶解し、そして、シリカカラムで精製した。DCM(0−10%)中のMeOHを用いた溶出で、748mg、95.4%の純度および〜100mg、80%の純度のトリ−GalNAc42、36%の収率、2ステップ、を得た。LCMS(ES、M/z):1777.5[M]
+、Rt=4.67分。
【0471】
3)化合物43の調製
【化226】
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【0472】
10%のPd/C、活性化マトリックス(30mg)を、THF(4mL)とTFE(4mL)中のCbz保護アミン42(715mg、0.402mmol)とTsOH(74.5mg、0.402mmol)の溶液に加えた。次に、水素雰囲気(バルーン)を、水素での引き込み真空(pulling vacuum)および逆充填(back filling)によって構築した。それを、水素雰囲気下で24時間撹拌し、セライトを通して濾過し、DCM(2×10mL)で洗浄し、そして、留去して、白色の固形物としてアルコールCが残った。LCMS(ES、M/z):1644.2[M+H]
+、Rt=4.67分。
【0473】
脱保護中間体(0.4mmol)および4−cis−ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸のTFPエステル(350mg、1.20mmol)を、DCM(2.5mL)中に溶解し、そして、TEA(3.5eq、0.195mL)を加えた。それをRTにて16時間撹拌した。次に、それを、DCM(100mL)で希釈し、そして、飽和NaHCO
3/飽和塩水(1:1、100mL×2)で洗浄した。有機相を、Na
2SO
4上で乾燥させ、濃縮し、そして、シリカカラムで精製した。生成物を、DCM中のMeOH(2−20%)で溶出して、430mgの>95%の純度の43、61%の収率を得た。Rt=4.20分。LCMS:(ES、M/z):1771.26[M+H]
+。
【0474】
4)化合物44の調製
【化227】
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【0475】
2−シアノエチルN,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイト(1.5eq、110μL、0.343mmol)を、0℃にて無水DCM(2.4mL)中のアルコール43(405mg、0.229mmol、真空乾燥)とテトラゾール(0.50eq、0.25mL、0.112mmol、ACN中に0.45M)の撹拌溶液に加えた。それを、RTにて1時間撹拌し、そして、追加のテトラゾール(0.125ml)と2−シアノエチルN,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイト(0.10mL)を加えた。撹拌を30分間続け、次に、それを、DCM(200mL)で希釈し、そして、飽和NaHCO
3/飽和塩水(1:1、200mL)で洗浄した。有機層を、Na
2SO
4/MgSO
4上で乾燥させ、留去し、その後、無水DCMで溶解し、再び留去して、白色の固形物44、408mgが残った、HPLC純度92%、83%の収率。LCMS:(ES、M/z):1870.4[M−iPr
2N]
+。
図5は、化合物44に関する
1H NMRスペクトルを示す(本明細書中の構造1007b)。
【0476】
実施例6:標的化リガンド、ホスホラミダイト含有化合物、構造1027bの合成
1)化合物45の調製
【化228】
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【0477】
TEA(5.3mmol、0.735mL、4.00eq)を、DCM(9mL)中の化合物27(1.1g、1.32mmol、1.00eq)と化合物45A(3.20g、5.29mmol、4.00eq)を含有する撹拌溶液に加えた。それを30℃にて16時間撹拌した。LCMS(ET12452−64−P1A、Rt=1.21分)は、生成物が形成したことを示した。DCM(100mL)で希釈し、そして、飽和NaHCO
3/飽和塩水(1:1、2×80mL)で洗浄した。有機層を、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、そして、濃縮して、茶色の固形物として未精製の生成物を得た。
【0478】
未精製の生成物を、Ac
2O(3mL)、CH
3CN(6mL)およびPy(6mL)で溶解し、そして、混合物を25℃にて16時間撹拌した。CH
3CNを留去し、その後、それを、DCMで希釈し、そして、飽和NaHCO
3で4回洗浄した。有機層を、分離し、そして、0.1MのHCl/飽和塩水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、そして、濃縮した。残渣を、シリカカラム(DCM/MeOH=10:1、Rf=0.45)によって精製して、白色の固形物として生成物45(1.47g、68%の収率、96%の純度)を得た。
【0479】
4)化合物46の調製
【化229】
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【0480】
THF/TFE(1:1、5mL)中の化合物45(1.425g、0.871mmol、1.00eq)の溶液に、10%のPd/C(24mg)を加え、そして、その混合物をH
2雰囲気下で40℃にて30時間撹拌した。TLC(10:1、DCM/MeOH=Rf=0.3)は、開始材料が消費されたことを示した。それを、濾過し、THF(5mL×3)、DCM(5mL×3)で洗浄し、そして、濃縮した。残渣をシリカカラムで精製した。DCM/MeOHで溶出して、白色の固形物として化合物46(1.013g、75%の収率、95%の純度)を得た。LCMS:(ES、M/z):1547.5[M+H]
+。
【0481】
5)化合物47の調製
【化230】
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【0482】
化合物46(970mg、0.627mmol、1.00eq)をDCM(4.2mL)中に溶解し、そして、化合物46A(0.941mmol、0.298mL、1.5eq)を加えた。得られた溶液を5℃に冷やし、ジシアノイミダゾール(DCI)(23.1mg、0.188mmol、0.3eq)。溶液を、15℃まで加温し、そして、2時間撹拌した。TLC(5:1、DCM/MeOH=Rf=0.52)は、開始材料が消費されたことを示し、およびHPLCは、生成物が形成されたことを示した。それを、DCM(50mL)で希釈し、飽和NaHCO
3(30mL)、H
2O(30mL)および塩水(30mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、濾過し、そして、濃縮した。残渣を、DCM(2mL)で溶解し、ヘキサン(120mL)に加えた。白色の沈殿物を濾過して、白色の固形物として化合物47(0.975g、93%の収率、82%の収率)を得た。LCMS:(ES、M/z):1747.5[M+H]
+。
図6は、化合物47に関する
1H NMRスペクトルを示す(本明細書中の構造1027b)。
【0483】
実施例7.標的化リガンド、ホスホラミダイト含有化合物、構造1026bの合成
1)三酸49の調製
【化231】
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【0484】
1.5MのNaOH(100mL)中の4−ブロモ−アヒルリゾチームフェニルアラニンヒドロクロリド(5.0g、17.8mmol)の溶液に、ブロモ酢酸(8.17g、58.8mmol)を加えた。溶液を、1時間60℃に加熱し、そして、水酸化ナトリウムペレットの添加によってpHを12より高く維持した。完了時に、反応物を15℃に冷まし、pHを1.75〜2.00に調整し、そして、濾過可能な固形物が観察されるようになるまで、オイル状懸濁液を2時間寝かせた。固形物は、濾過し、水で数回洗浄して、白色の固形物(6.0g、93%の収率)の分離がもたらされた。
【0485】
2)ビアリール三酸50の調製
【化232】
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【0486】
アリールブロミド49(4.2g、11.6mmol)とボロン酸50(2.8g、12.2mmol)を、DMF/水(168mL)の1:1混合物中に溶解し、そして、10分間脱気した。その溶液を、炭酸カリウム(8.0g、116.2mmol)とPdCl2(dppf)(0.476g、0.6mmol)で処理し、そして、反応器を、窒素雰囲気下に置いて、5時間40℃に加熱した。完了時に、pHを12に調整し、そして、水相を2×(20mL)酢酸エチルで洗浄した。次に、pHを1.75〜2.00に調整し、そして、15℃に冷ました。得られた固形物を、濾過し、水で数回洗浄してすべての無機物を取り除いて、51(4.8g、89%の収率)を得た。
【0487】
1)トリ−TFPエステル52の調製
【化233】
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【0488】
ジクロロメタン(50mL)中の三酸51(5.0g、10.7mmol)とテトラフルオロフェノール(6.5g、38.8mmol)のスラリーを、0℃に冷やし、そして、EDCヒドロクロリド(7.45g、38.8mmol)で処理した。スラリーを、周囲温度まで暖め、そして、18時間撹拌した。反応完了時に、反応物を水で洗浄し、有機層を、オイルまで濃縮し、シリカカラムで精製して、TFPエステル52(1.63g、16%の収率)を得た。
【0489】
2)トリ−NAG保護アルコール54の調製
【化234】
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【0490】
ジクロロメタン(5mL)中のトリ−TFPエステル52(1.00g、1.10mmol)とNAGアミントシラート53(2.15g、3.33mmol)の溶液を、0℃に冷やし、そして、トリエチルアミン(0.66g、6.6mmol)で処理した。溶液を、2時間にわたり周囲温度まで加温した。完了時に、反応混合物を、水で洗浄し、オイルまで濃縮した。未精製のオイルを、無水酢酸(30mL)中に溶解し、そして、その溶液を、1mLのトリエチルアミンで処理した。3時間後に、有機層を高真空下で取り除き、オイル54(1.7g、85%の収率)を得た。
【0491】
3)フェノール55の調製
【化235】
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【0492】
ベンジル保護アルコール54(2.0g、1.08mmol)を、エタノール(23mL)中に溶解し、そして、窒素雰囲気下に置いた。溶液に、10%のPd/C(0.7g、30mol%)を加えた。スラリーを、周囲温度にて8時間撹拌し、そして、触媒をセライトパッドによって取り除いた。有機層を高真空下で取り除いて、白色の固形物55(1.4g、74%の収率)を得た。
【0493】
4)化合物56の調製
【化236】
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【0494】
ジクロロメタン(10mL)中のフェノール55(1.3g、0.74mmol)とホスホラミダイト試薬(0.364mg、1.11mmol)の溶液を、0℃に冷やし、そして、4,5−ジシアノイミダゾールで処理し、その後、2時間にわたって周囲温度まで加温した。完了時に、反応混合物を、飽和重炭酸ナトリウム(10mL)で、続いて、水(10mL)で洗浄し、そして、有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。有機層を減圧下で濃縮して、白色の固形物(1.4g、93%の収率)を得た。
【0495】
実施例7の化合物56は、本明細書中の構造1026bである。
実施例8.標的化リガンド、ホスホラミダイト含有化合物の物理特性
本明細書中に開示した剛性リンカー構造を有していない特定のGalNAcリガンドホスホラミダイト化合物は、多くの共通溶媒中でのゲル化傾向を示した。
【0496】
構造1008bの、同じ標的化部分(N−アセチル−ガラクトサミン)、テザー、および分岐点基を有するGalNAc構造の挙動を例示する写真を
図7に添付したが、本明細書中に開示した構造1008bの剛性リンカーの代わりにPEGリンカーを含む。PEGリンカー−GalNAcホスホラミダイト化合物を、モレキュラーシーブ上、0.1M希釈にて、ACN:DMFの3:1混合物中に12時間保持した。PEGリンカー−GalNAcは、この高度に極性の溶媒系中で顕著なゲル化を示す。このPEGリンカー−GalNAcホスホラミダイト化合物に関して、溶解性を維持するために、ACN:DMFの
1:1までの混合物を使用する必要がある。
【0497】
DMFなどの高度に極性の溶媒を必要とすることなく、アセトニトリル中に0.05Mで完全に溶解されるホスホラミダイト化合物、構造1008bを示す写真を、
図8に添付する。PEGリンカー−GalNAc構築物と異なって、構造1008bの剛性リンカーを含むホスホラミダイト化合物は、溶解性を維持するために高度に極性の溶媒の危険性がないか、またはそれを必要としない。より低い濃度にてボトル中で溶解されるにもかかわらず、これは、本明細書中に開示された剛性リンカーを含む構造が、オリゴヌクレオチド合成に典型的に使用される共通溶媒中により可溶性であり、かつ、ゲル化を予防するために高度に極性の溶媒の添加を必要としないことの例証となる。
【0498】
実施例9.標的化リガンド、ホスホラミダイト含有化合物の純度
実施例2で先に述べたように、
図2Aは、構造1008bのホスホラミダイト化合物の
31P NMRスペクトルを示す。
図2Aは、ホスホラミダイトの正しいシフトを表す単一ピークを示す。加水分解ピークを含めた他のピークは示されず、そしてそれは、高度に純粋な化合物を示す。
【0499】
図9は、PEGリンカー−GalNAc構造の
31P NMRスペクトルを示し、そしてそれは、別の方法では、構造1008bと同じ分岐点、テザー、および標的化部分を含む。それに関して
図9のスペクトルが得られたホスホラミダイトの化学構造は、
図9に示されている。
図9は複数の不純物ピークを示し、そしてそれは、加水分解された副産物が存在するように見えるピークを含む。
【0500】
実施例10.オリゴヌクレオチド組成合成
A.合成
RNAi剤を、オリゴヌクレオチド合成で使用される固相上のホスホラミダイト技術に従って合成された。スケールに応じて、MerMade96E(Bioautomation)またはMerMadel2(Bioautomation)を使用した。合成は、制御細孔ガラス(CPG、500Åまたは600Å、Prime Synthesis, Aston, PA, USAから得られる)からなる固体支持体上で行った。すべてのRNA、2’−修飾RNA、およびUNAホスホラミダイトは、Thermo Fisher Scientific(Milwaukee, WI, USA)から購入した。具体的には、以下の2’−O−メチルホスホラミダイトを使用した:(5’−O−ジメトキシトリチル−N6−(ベジゾイル)−2’−O−メチル−アデノシン−3’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノ)ホスホラミダイト、5’−O−ジメトキシ−トリチル−N4−(アセチル)−2’−O−メチル−シチジン−3’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノ)ホスホラミダイト、(5’−O−ジメトキシトリチル−N2−(イソブチリル)−2’−O−メチル−グアノシン−3’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノ)ホスホルアミダイト、および5’−O−ジメトキシトリチル−2’−O−メチル−ウリジン−3’−O−(2−シアノエチル−N,N−ジイソプロピルアミノ)ホスホラミダイト。標的化リガンド含有ホスホラミダイトを、無水ジクロロメタンまたは無水アセトニトリル(50mM)に溶解したが、他のすべてのアミダイトを無水アセトニトリル(50mM)に溶解し、そして、モレキュラーシーブ(3Å)を加えた。活性化剤溶液として5−ベンジルチオ−1H−テトラゾール(BTT、アセトニトリル中250mM)または5−エチルチオ−1H−テトラゾール(ETT、アセトニトリル中250mM)を使用した。カップリング時間は10分(RNA)、15分(標的化リガンド)、90秒(2’OMe)、および60秒(2’F)であった。ホスホロチオエート結合を導入するために、無水アセトニトリル中の3−フェニル1,2,4−ジチアゾリン−5−オン(POS、Poly Org, Inc., Leominster, MA, USAから入手した)の100mM溶液を使用した。
【0501】
B.支持体に結合したオリゴマーの切断と脱保護
固相合成の終了後、乾燥した固体支持体を、水中の40wt%メチルアミンと28%水酸化アンモニウム溶液(Aldrich)の1:1容量溶液で30℃で2時間処理した。溶液を蒸発させ、固体残渣を水で復元した(下記参照)。
【0502】
C.精製
未精製オリゴマーを、TKSgel SuperQ-5PW1 3uカラムおよびShimadzu LC-8システムを使用した陰イオン交換HPLCにより精製した。緩衝液Aは20mMのTris、5mMのEDTA、pH9.0であり、20%のアセトニトリルを含有し、緩衝液Bは緩衝液Aと同じであるが1.5Mの塩化ナトリウムを添加した。260nmにおけるUVトレースを記録した。適切な画分を貯留し、次に100mMの重炭酸アンモニウムpH6.7および20%のアセトニトリルから成る泳動バッファーと共に、セファデックスG‐25媒体を充填したGE Healthcare XK16/40カラムを使用したサイズ排除HPLCに流した。
【0503】
D.アニーリング
0.2×PBS(リン酸緩衝化生理食塩水、1×、Corning, Cellgro)中で等モルRNA溶液(センスおよびアンチセンス)を組み合わせることにより相補鎖を混合して、RNAi剤を形成した。この溶液を70℃のサーモミキサーに入れ、95℃に加熱し、95℃で5分間保持し、ゆっくりと室温まで冷却した。一部のRNAi剤を凍結乾燥し、−15〜−25℃で保存した。二本鎖濃度は、0.2×PBS中で紫外−可視分光計で溶液の吸光度を測定することにより決定した。次に260nmでの溶液の吸光度に変換係数および希釈率を掛けて、二本鎖濃度を決定した。特に断りのない限り、すべての変換係数は0.037mg/(mL・cm)であった。いくつかの実験では、変換係数を、実験的に決定された吸光係数から計算した。
【0504】
実施例11.野性型マウスにおける、F12発現阻害オリゴマー化合物を使用したGalNAc標的化リガンドの3’および5’センス鎖付着部位の比較
センス鎖の3’および5’末端の間のGalNAcリガンドの付着部位における差を評価するために、以下の表1に示した配列を有する、F12(本明細書中でF12 RNAi剤とも呼ばれる)に向けられた発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖RNAi剤)を調製した:
【0505】
表1.実施例11のF12発現阻害オリゴマー化合物(RNAi剤二本鎖)
【表1】
[この文献は図面を表示できません]
【0506】
上記の、表1では、以下の表記を使用する:
【0507】
(NAG15)=
【化237】
[この文献は図面を表示できません]
【0508】
(NAG18)=
【化238】
[この文献は図面を表示できません]
【0509】
F12 RNAi剤のそれぞれの鎖は、MerMade96E(登録商標)(Bioautomation)またはMerMade12(登録商標)(Bioautomation)のいずれかを使用したオリゴヌクレオチド合成に使用される固相におけるホスホラミダイト技術に従って合成し、そして、相補鎖を、本明細書中に一般的に実施例10に記載の方法に従って、0.2×PBS(ホスファート緩衝化生理食塩水、1×、Corning, Cellgro)中で等モルRNA溶液(センスおよびアンチセンス)を組み合わせることによって混合して、二本鎖を形成した。
【0510】
それぞれのGalNAcリガンド(すなわち、(NAG15)または(NAG18))に連結したF12 RNAi剤を、皮下(SC)注射のために当該技術分野で知られている医薬的に許容されるバッファーと組み合わせた。
【0511】
それぞれのGalNAcリガンド(すなわち、(NAG15)または(NAG18))に連結したF12 RNAi剤を、SC注射によって送達した。1日目に、生理食塩水、または緩衝化生理食塩水中の2種類のF12 RNAi剤(AD02803またはAD02807)のうちの一方の3mg/kg(mpk)の用量のいずれかを含む、200μl溶液/20gマウスのSC注射を、背部の肩間の弛んだ皮膚に投与した。1処置群あたり三(3)匹の野性型マウスが存在する。先に示したとおり、AD02803は、センス鎖の3’末端に取り付けられた(NAG15)を含むが、それに対して、AD2807は、センス鎖の5’末端に取り付けられた(NAG18)を含む。
【0512】
ノックダウンを観察するために、治療したマウスの血清サンプルを、8、15、22、および29日目に採取した。内部に発現したmF12 alphaLISA(登録商標)(Perkin Elmer)によって、血清中の循環マウスF12タンパク質(mF12)レベルを定量化することによって、ノックダウンを計測した。特定の採血日における発現を、それと同じ日付の生理食塩水対照群の平均に対して正規化した。
【0513】
図10はこの試験の結果を示す。最も低いとき(22日目)には、AD02803は、循環F12レベルの約70%の低減を示したが、それに対して、AD02807は、80%超の低減を示した。29日目にて、AD2807処置マウスと比較して、AD02803処置マウスがベースラインへのより早い復帰を示したので、該データはまたノックダウン効果の長さの差も示している。これらのデータは、センス鎖の5’末端におけるGalNAcリガンドの連結が、3’センス鎖における連結より優れていることを裏付けている。
【0514】
実施例12.野性型マウスにおける、F12発現阻害オリゴマー化合物を使用したGalNAc標的化リガンドの3’および5’センス鎖付着部位の更なる比較
二本鎖の発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖RNAi剤)のセンス鎖の3’および5’末端のGalNAcリガンドの付着部位を更に評価するために、以下の表3に示した配列を有する、F12に向けられた組成物を調製した:
【0515】
表2.実施例12のF12発現阻害オリゴマー化合物(RNAi剤二本鎖)
【表2】
[この文献は図面を表示できません]
【0516】
上記の、表2では、以下の表記を使用する:
【0517】
(NAG20)=
【化239】
[この文献は図面を表示できません]
【0518】
F12 RNAi剤のそれぞれの鎖は、MerMade96E(登録商標)(Bioautomation)またはMerMade12(登録商標)(Bioautomation)のいずれかを使用したオリゴヌクレオチド合成に使用される固相におけるホスホラミダイト技術に従って合成し、そして、相補鎖を、本明細書中に一般的に実施例10に記載の方法に従って、0.2×PBS(ホスファート緩衝化生理食塩水、1×、Corning, Cellgro)中で等モルRNA溶液(センスおよびアンチセンス)を組み合わせることによって混合して、二本鎖を形成した。
【0519】
それぞれのGalNAcリガンド(すなわち、(NAG20))に連結したF12 RNAi剤を、皮下(SC)注射のために当該技術分野で知られている医薬的に許容されるバッファーと組み合わせた。
【0520】
それぞれのGalNAcリガンド(すなわち、(NAG20))に連結したF12 RNAi剤を、SC注射によって送達した。1日目に、生理食塩水、または緩衝化生理食塩水中の2種類のF12 RNAi剤(AD02815またはAD02816)のうちの一方の3mg/kg(mpk)の用量のいずれかを含む、200μl溶液/20gマウスのSC注射を、背部の肩間の弛んだ皮膚に投与した。1処置群あたり三(3)匹の野性型マウスが存在する。表2で先に示したとおり、AD2815は、センス鎖の5’末端に取り付けられた(NAG20)を含むが、それに対して、AD02816は、センス鎖の3’末端に取り付けられた(NAG20)を含む。
【0521】
ノックダウンを観察するために、治療したマウスの血清サンプルを、8、15、22、および29日目に採取した。内部に発現したmF12 alphaLISA(登録商標)(Perkin Elmer)によって、血清中の循環マウスF12タンパク質(mF12)レベルを定量化することによって、ノックダウンを計測した。特定の採血日における発現を、それと同じ日付の生理食塩水対照群の平均に対して正規化した。
【0522】
図11はこの実験の結果を示す。最も低いとき(22日目)には、AD02816は、循環F12タンパク質レベルの約60%の低減を示したが、それに対して、AD02815は、79%の低減を示した。29日目において、AD02815処置マウスは、生理食塩水レベルから71%のノックダウンを示したが、それに対して、AD02816処置マウスは、40%のノックダウンを示す。これらのデータは、センス鎖の5’末端におけるGalNAcリガンドの連結を支持している。
【0523】
実施例13.Lp(a)トランスジェニック(Tg)マウスにおける、構造1003の標的化リガンドに連結したLp(a)発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖RNAi剤)
以下の表3に示した配列を有する、Lp(a)発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖Lp(a)RNAi剤)を調製した:
【0524】
表3.実施例13のLP(a)発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖RNAi剤)
【表3】
[この文献は図面を表示できません]
【0525】
上記の、表3では、以下の表記を使用する:
【0526】
(NAG25)=
【化240】
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【0527】
(NAG29)=
【化241】
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【0528】
(NAG29)は、本明細書中で構造1003によって表される化学構造を有する。
Lp(a) RNAi剤のそれぞれの鎖は、MerMade96E(登録商標)(Bioautomation)またはMerMade12(登録商標)(Bioautomation)のいずれかを使用したオリゴヌクレオチド合成に使用される固相におけるホスホラミダイト技術に従って合成し、そして、相補鎖を、本明細書中に一般的に実施例10に記載の方法に従って、0.2×PBS(ホスファート緩衝化生理食塩水、1×、Corning, Cellgro)中で等モルRNA溶液(センスおよびアンチセンス)を組み合わせることによって混合して、二本鎖を形成した。
【0529】
Lp(a)トランスジェニック(Tg)マウス(Frazer KA et al 1995, Nature Genetics 9:424-431)を、インビボにおいて複合化N−アセチル−ガラクトサミンリガンドを伴った二本鎖RNAi剤の有効性を評価するために使用した。このマウスは、5’および3’の追加配列を伴った(apo(a)タンパク質をコードする)完全なLPA遺伝子を含有するYAC含有からヒトapo(a)、ならびにヒトapoB−100を発現し、それによって、ヒト化Lp(a)粒子(これ以降「Lp(a)Tgマウス」とも呼ばれる)を産生する(Callow MJ et al 1994, PNAS 91:2130-2134)。
【0530】
それぞれのGalNAcリガンド(すなわち、(NAG25)または(NAG29))に連結したLp(a)RNAi剤を、皮下(SC)注射のために当該技術分野で知られている医薬的に許容されるバッファーと組み合わせた。
【0531】
センス鎖の5’末端にてそれぞれのGalNAcリガンド(すなわち、(NAG25)または(NAG29))に連結したLp(a)RNAi剤を、SC注射によって送達した。1日目に、生理食塩水、または緩衝化生理食塩水中のそれぞれのLp(a)RNAi剤(AD03547またはAD03549)のうちの一方の1mg/kg(mpk)の用量のいずれかを含む、200μl溶液/20gマウスのSC注射を、背部の肩間の弛んだ皮膚に投与した。1処置群あたり四(4)匹のLp(a)Tgマウスが存在する。
【0532】
処置マウスからの血清サンプルを、−1(投与前)、5、11、16、22、29、および36日目に採取した。血清中の循環Lp(a)粒子レベルを計算することによって、ノックダウンを測定した。Lp(a)粒子レベルを、製造業者の推奨に従って、Cobas(登録商標)Integra400(Roche Diagnostics)により計測した。正規化のために、ある時点での各動物に関するLp(a)レベルを、(この場合、−1日目における)その動物の投与前発現レベルで割って、「−1日目に対して正規化した」発現率を決定した。次に、生理食塩水対照群におけるすべてのマウスに関する平均「−1日目に対して正規化した」比によって個々の動物に関する「−1日目に対して正規化した」比率を割ることによって、特定の時点での発現を生理食塩水対照群に対して正規化した。これは、対照群における発現に対して正規化したそれぞれの時点に対する発現をもたらした。実験誤差を標準偏差として示す。
【0533】
結果を
図12に示す。AD03549(NAG25)は、最も低いとき(16日目)71%のノックダウンを示し、そして、AD03547(NAG29)は、最も低いとき(11日目)81%のノックダウンを示した。両トリガーは、最低の時点以降、36日目に26%未満のノックダウンを有する、類似した回復カーブを示した。これらのデータは、実施例13に示したGalNAcリガンドが、単回の1mg/kgの用量を用いたLp(a)Tgマウスにおいて、初期ノックダウン活性とノックダウンの持続性の両方で共通点があることを裏付けている。
【0534】
実施例14.構造1002および1004の標的化リガンドに連結したLp(a)発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖RNAi剤)の投与後のapo(a)トランスジェニック(Tg)マウスにおけるApo(a)ノックダウン
以下の表4に示した配列を有する、Lp(a)発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖Lp(a)RNAi剤)を調製した:
【0535】
表4.実施例14のLP(a)発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖RNAi剤)
【表4】
[この文献は図面を表示できません]
【0536】
先の表4では、以下の表記を使用する:
【0537】
(NAG28)=
【化242】
[この文献は図面を表示できません]
【0538】
(NAG30)=
【化243】
[この文献は図面を表示できません]
【0539】
さらに、(NAG25)は、先の実施例13に示したものと同じ構造を有する。(NAG28)は、本明細書中の構造1002に表される化学構造を有する。(NAG30)は、本明細書中の構造1004に表される化学構造を有する。(NAG28)は、cis−およびtrans−異性体の混合物を含む一方で、(NAG30)は、trans−異性体に排他的である。
【0540】
Lp(a) RNAi剤のそれぞれの鎖は、MerMade96E(登録商標)(Bioautomation)またはMerMade12(登録商標)(Bioautomation)のいずれかを使用したオリゴヌクレオチド合成に使用される固相におけるホスホラミダイト技術に従って合成し、そして、相補鎖を、本明細書中に一般的に実施例14に記載の方法に従って、0.2×PBS(ホスファート緩衝化生理食塩水、1×、Corning, Cellgro)中で等モルRNA溶液(センスおよびアンチセンス)を組み合わせることによって混合して、二本鎖を形成した。
【0541】
Apo(a)トランスジェニック(Tg)マウスを、インビボにおいて複合化N−アセチル−ガラクトサミンリガンドを伴った二本鎖RNAi剤の有効性を評価するために使用した。Apo(a)Tgマウス(Frazer KA et al 1995, Nature Genetics 9:424-431)は、5’および3’の両方の追加配列を伴った(apo(a)タンパク質をコードする)完全なLPA遺伝子を含有するYAC含有からヒトapo(a)(これ以降「apo(a)Tgマウス」とも呼ばれる)を産生する。
【0542】
それぞれのGalNAcリガンド(すなわち、(NAG25)、(NAG28)、または(NAG30))に連結したLp(a)RNAi剤を、皮下(SC)注射のために当該技術分野で知られている医薬的に許容されるバッファーと組み合わせた。
センス鎖の5’末端にてそれぞれのGalNAcリガンド(すなわち、(NAG25)、(NAG28)、または(NAG30))に連結したLp(a)RNAi剤を、SC注射によって送達した。1日目に、SC注射は、生理食塩水、または緩衝化生理食塩水中のRNAi剤(AD03536、AD03538、またはAD03540)の0.5mg/kg(mpk)の用量のいずれかを含む、200μl溶液/20gマウスを、背部の肩間の弛んだ皮膚に投与した。1処置群あたり三(3)匹のapo(a)Tgマウスが存在する。
【0543】
処置マウスからの血清サンプルを、−1(投与前)、8、15、22、および29日目に採取した。apo(a)のELISA(Abcam)を使用して、マウスからの血清をアッセイすることによって、ノックダウンを測定した。Lp(a)粒子レベルを、製造業者の推奨に従って、Cobas(登録商標)Integra400(Roche Diagnostics)により計測した。正規化のために、ある時点での各動物に関するLp(a)レベルを、(この場合、−1日目における)その動物の投与前発現レベルで割って、「−1日目に対して正規化した」発現率を決定した。次に、生理食塩水対照群におけるすべてのマウスに関する平均「−1日目に対して正規化した」比によって個々の動物に関する「−1日目に対して正規化した」比率を割ることによって、特定の時点での発現を生理食塩水対照群に対して正規化した。これは、対照群における発現に対して正規化したそれぞれの時点に対する発現をもたらした。実験誤差を、平均の標準誤差として示す。
【0544】
結果を
図13に示す。最も低いときは、試験したすべてのRNAiについて15日目であった。最も低いときでは、AD03536はapo(a)タンパク質の74%のノックダウンを示し、AD03538はapo(a)タンパク質の74%のノックダウンを示し、およびAD03540はapo(a)タンパク質の71%のノックダウンを示した。29日目に、たった16%のノックダウンを示したAD03536(NAG25含有)を除いて、すべてのRNAi剤が、apo(a)タンパク質レベルの>48%のノックダウンを示す。これらのデータは、NAG構造が初期ノックダウン活性に関して、29日目において数字的により優れたノックダウンを示すリンカー構造NAG28およびNAG30を含有するRNAi剤と同様に機能することを裏づけている。
【0545】
実施例15.構造1005および1008の標的化リガンドに連結したLp(a)発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖RNAi剤)の投与後のLp(a)トランスジェニック(Tg)マウスにおけるLp(a)ノックダウン
以下の表5に示した配列を有する、Lp(a)発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖Lp(a)RNAi剤)を調製した:
【0546】
表5.実施例15のLP(a)発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖RNAi剤)
【表5】
[この文献は図面を表示できません]
【0547】
先の表5では、以下の表記を使用する:
【0548】
(NAG31)=
【化244】
[この文献は図面を表示できません]
【0549】
(NAG37)=
【化245】
[この文献は図面を表示できません]
【0550】
さらに、(NAG25)は、先に実施例13に示したものと同じ構造である。
(NAG31)は、本明細書中の構造1005に表される化学構造を有する。(NAG37)は、本明細書中の構造1008に表される化学構造を有する。
Lp(a) RNAi剤のそれぞれの鎖は、MerMade96E(登録商標)(Bioautomation)またはMerMade12(登録商標)(Bioautomation)のいずれかを使用したオリゴヌクレオチド合成に使用される固相におけるホスホラミダイト技術に従って合成し、そして、相補鎖を、本明細書中に一般的に実施例10に記載の方法に従って、0.2×PBS(ホスファート緩衝化生理食塩水、1×、Corning, Cellgro)中で等モルRNA溶液(センスおよびアンチセンス)を組み合わせることによって混合して、二本鎖を形成した。
【0551】
Lp(a)Tgマウスを、インビボにおいて複合化N−アセチル−ガラクトサミンリガンドを伴った二本鎖RNAi剤の有効性を評価するために使用した。
それぞれのGalNAcリガンド(すなわち、(NAG25)、(NAG31)または(NAG37))に連結したLp(a)RNAi剤を、皮下(SC)注射のために当該技術分野で知られている医薬的に許容されるバッファーと組み合わせた。
それぞれのGalNAcリガンド(すなわち、(NAG25)、(NAG31)、または(NAG37))に連結したLp(a)RNAi剤を、SC注射によって送達した。1日目に、SC注射を、生理食塩水、または緩衝化生理食塩水中のRNAi剤(AD03536、AD03629またはAD04170)の3mg/kg(mpk)の用量のいずれかを、200μl溶液/20gマウスにて、背部の肩間の弛んだ皮膚に投与した。1処置群あたり四(4)匹のLp(a)Tgマウスが存在する。
【0552】
処置マウスからの血清サンプルを、−1(投与前)、8、15、22、29、および36日目に採取した。血清中の循環Lp(a)粒子レベルを計算することによって、ノックダウンを測定した。Lp(a)粒子レベルを、製造業者の推奨に従って、Cobas(登録商標)Integra400(Roche Diagnostics)により計測した。正規化のために、ある時点での各動物に関するLp(a)レベルを、(この場合、−1日目における)その動物の投与前発現レベルで割って、「−1日目に対して正規化した」発現率を決定した。次に、生理食塩水対照群におけるすべてのマウスに関する平均「−1日目に対して正規化した」比によって個々の動物に関する「−1日目に対して正規化した」比率を割ることによって、特定の時点での発現を生理食塩水対照群に対して正規化した。これは、対照群における発現に対して正規化したそれぞれの時点に対する発現をもたらした。実験誤差を標準偏差として示す。
【0553】
得られたデータを
図14に示す。AD03536は、最低のとき(15日目)Lp(a)レベルの95%のノックダウンを示し、そして、36日目に76%のノックダウンを維持した。AD03629は、最低のとき(8日目)Lp(a)レベルの97%のノックダウンを示し、そして、36日目に90%のノックダウンを維持した。AD04170は、最低のとき(8日目)Lp(a)レベルの97%のノックダウンを示し、そして、36日目に78%のノックダウンを維持した。
【0554】
実施例16:構造1005、1008、1025、および1027構造1003の標的化リガンドに連結したF12発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖RNAi剤)の投与後の、野生型マウスにおけるF12ノックダウン
GalNAc標的化リガンド(NAG25)[AD04162];(NAG37)[AD04623];(NAG31)[AD04512];(NAG33)[AD04650]または(NAG38)[AD04651]に、ホスホロチオアート連結によって5’末端にて結合した、F12発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖F12 RNAi剤)を調製した。それぞれ二本鎖RNAi剤が、F12を対象とした。
以下の表記は、GalNAc標的化リガンド構造について使用される:
【0555】
(NAG25)=
【化246】
[この文献は図面を表示できません]
【0556】
(NAG31)=
【化247】
[この文献は図面を表示できません]
【0557】
(NAG33)=
【化248】
[この文献は図面を表示できません]
【0558】
(NAG37)=
【化249】
[この文献は図面を表示できません]
【0559】
(NAG38)=
【化250】
[この文献は図面を表示できません]
【0560】
(NAG31)は、本明細書中の構造1005によって表される化学構造を有する。(NAG33)は、本明細書中の構造1025によって表される化学構造を有する。(NAG37)は、本明細書中の構造1008によって表される化学構造を有する。(NAG38)は、本明細書中の構造1027によって表される化学構造を有する。
配列および修飾パターンは、先に示したように、F12 RNAi剤のそれぞれのセンス鎖の5’末端に位置するGalNAc標的化リガンド構造に存在する組成物の相違のみで、AD04162、AD04623、AD04512、AD04650、およびAD04651に関して同一であった。
【0561】
F12 RNAi剤のそれぞれの鎖は、MerMade96E(登録商標)(Bioautomation)またはMerMade12(登録商標)(Bioautomation)のいずれかを使用したオリゴヌクレオチド合成に使用される固相におけるホスホラミダイト技術に従って合成し、そして、相補鎖を、本明細書中に一般的に実施例16に記載の方法に従って、0.2×PBS(ホスファート緩衝化生理食塩水、1×、Corning, Cellgro)中で等モルRNA溶液(センスおよびアンチセンス)を組み合わせることによって混合して、二本鎖を形成した。
【0562】
それぞれのGalNAc標的化リガンド(すなわち、(NAG25)、(NAG31)、(NAG33)、(NAG37)、または(NAG38))に結合したF12 RNAi剤を、皮下(SC)注射のために当該技術分野で知られている医薬的に許容されるバッファーと組み合わせた。
【0563】
それぞれのGalNAcリガンド(すなわち、(NAG25)、(NAG31)、(NAG33)、(NAG37)、または(NAG38))に連結されるF12 RNAi剤を、SC注射によって送達した。1日目に、生理食塩水、または緩衝化生理食塩水中の5種類の二本鎖(AD04162、AD04623、AD04512、AD04650、およびAD04651)のうちのいずれか1つの1mg/kg(mpk)の用量のいずれかを含む、200μl溶液/20gマウスのSC注射を、背部の肩間の弛んだ皮膚に投与した。1処置群あたり四(4)匹の野性型マウスが存在する。先に示したとおり、AD04162は構造(NAG25)を含み、AD04623は構造(NAG37)を含み、AD04512は構造(NAG31)を含み、AD04650は構造(NAG33)を含み、およびAD04651は構造(NAG38)を含む。すべてのGalNAc標的化リガンドが、それぞれの個別のRNAi剤のセンス鎖の5’末端に取り付けられる。
【0564】
ノックダウンを観察するために、治療したマウスの血清サンプルを、−1(投与前)、8、15および22日目に採取した。内部に発現したmF12 alphaLISA(登録商標)(Perkin Elmer)によって、血清中の循環マウスF12タンパク質(mF12)レベルを定量化することによって、ノックダウンを計測した。それぞれの時点における各動物のmF12レベルを、その動物における前処理発現レベルで割って、「投与前に対して正規化した」発現率を決定した。次に、個々の動物に関する「投与前日に対して正規化した」比率を、生理食塩水対照群のすべてのマウスの平均「投与前日に対して正規化した」比率で割ることによって、特定の時点における発現を、生理食塩水対照群に対して正規化した。これは、対照群の発現に対して正規化されたそれぞれの時点における発現をもたらした。実験誤差を標準偏差として示す。
【0565】
この試験からの結果を
図15に示す。最も低いときは、試験したすべてのRNAi剤で8日目であった。最低時には、AD04162はmF12の90%のノックダウンを示し、AD04623はmF12の94%のノックダウンを示し、AD04512はmF12の94%のノックダウンを示し、AD04650はmF12の92%のノックダウンを示し、およびAD04651はmF12の87%のノックダウンを示した。22日目にて、たった74%のノックダウンを示したAD04162(NAG25含有)を除いて、RNAi剤のすべてが、>82%のmF12レベルのノックダウンを示す。これらのデータは、NAG構造が初期ノックダウン活性に関して、22日目にて数字的により優れたmF12ノックダウンを示す本明細書中に開示した剛性リンカー構造またはリンカー置換部分(すなわち、NAG31、NAG33、NAG37、およびNAG38)を含有するRNAi剤と同様に機能することを裏づけている。
【0566】
実施例17.Lp(a)Tgマウスにおける、構造1004および1005の標的化リガンドに連結したLp(a)発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖RNAi剤)
以下の表6に示した配列を有する、Lp(a)発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖Lp(a)RNAi剤)を調製した:
【0567】
表6.実施例17のLP(a)発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖RNAi剤)
【表6】
[この文献は図面を表示できません]
【0568】
表6では、(NAG30)は、先の実施例14で示したのと同じ化学構造であり、および(NAG31)は、先に実施例15で示したのと同じ化学構造である。NAG30は、本明細書中の構造1004によって表される化学構造を有する。NAG31は、本明細書中の構造1005によって表される化学構造を有する。
【0569】
Lp(a) RNAi剤のそれぞれの鎖は、MerMade96E(登録商標)(Bioautomation)またはMerMade12(登録商標)(Bioautomation)のいずれかを使用したオリゴヌクレオチド合成に使用される固相におけるホスホラミダイト技術に従って合成し、そして、相補鎖を、本明細書中に一般的に実施例10に記載の方法に従って、0.2×PBS(ホスファート緩衝化生理食塩水、1×、Corning, Cellgro)中で等モルRNA溶液(センスおよびアンチセンス)を組み合わせることによって混合して、二本鎖を形成した。
【0570】
Lp(a)Tgマウスを、インビボにおいて複合化N−アセチル−ガラクトサミンリガンドを伴った二本鎖RNAi剤の有効性を評価するために使用した。
【0571】
それぞれのGalNAcリガンド(すなわち、NAG30またはNAG31)に連結したLp(a)RNAi剤を、皮下(SC)注射のために当該技術分野で知られている医薬的に許容されるバッファーと組み合わせた。
【0572】
センス鎖の5’末端にてそれぞれのGalNAcリガンド(すなわち、NAG30またはNAG31)に連結したLp(a)RNAi剤を、SC注射によって送達した。1日目に、生理食塩水、または緩衝化生理食塩水中のLp(a)RNAi剤(AD03629またはAD03540)のうちの一方の1mg/kg(mpk)の用量のいずれかを含む、200μl溶液/20gマウスのSC注射を、背部の肩間の弛んだ皮膚に投与した。1処置群あたり四(4)匹のLp(a)Tgマウスが存在する。
【0573】
処置マウスからの血清サンプルを、−1(投与前)、8、15、22、29、36および43日目に採取した。血清中の循環Lp(a)粒子レベルを計算することによって、ノックダウンを測定した。Lp(a)粒子レベルを、製造業者の推奨に従って、Cobas(登録商標)Integra400(Roche Diagnostics)により計測した。正規化のために、ある時点での各動物に関するLp(a)レベルを、(この場合、−1日目における)その動物の投与前発現レベルで割って、「−1日目に対して正規化した」発現率を決定した。次に、生理食塩水対照群におけるすべてのマウスに関する平均「−1日目に対して正規化した」比によって個々の動物に関する「−1日目に対して正規化した」比率を割ることによって、特定の時点での発現を生理食塩水対照群に対して正規化した。これは、対照群における発現に対して正規化したそれぞれの時点に対する発現をもたらした。実験誤差を標準偏差として示す。
【0574】
結果を
図16に示す。最も低いときは、試験した両RNAi剤について15日目であった。AD03629は、最も低いときでは、Lp(a)レベルの89%のノックダウンを示したが、一方で、AD03540は、最も低いときには、Lp(a)レベルの85%のノックダウンを示した。両RNAi剤とも、36日目までに類似の回復カーブを示した。しかしながら、43日目には、AD03540が、Lp(a)レベルの16%のノックダウンを示したのに対して、AD03629は、Lp(a)レベルの55%のノックダウンを示した。
【0575】
実施例18.構造1007、1025、および1026の標的化リガンドに連結したLp(a)発現阻害オリゴマー化合物の投与後のapo(a)TgマウスにおけるApo(a)ノックダウン
以下の表7に示した配列を有する、Lp(a)発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖RNAi剤)を調製した:
【0576】
表7.実施例18のLP(a)発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖RNAi剤)
【表7】
[この文献は図面を表示できません]
【0577】
先の表7では、以下の表記を使用する:
【0578】
(NAG33)=
【化251】
[この文献は図面を表示できません]
【0579】
(NAG34)=
【化252】
[この文献は図面を表示できません]
【0580】
(NAG35)=
【化253】
[この文献は図面を表示できません]
【0581】
(NAG33)は、本明細書中の構造1025によって表される化学構造を有する。(NAG34)は、本明細書中の構造1026によって表される化学構造を有する。(NAG35)は、本明細書中の構造1007によって表される化学構造を有する。
【0582】
Lp(a) RNAi剤のそれぞれの鎖は、MerMade96E(登録商標)(Bioautomation)またはMerMade12(登録商標)(Bioautomation)のいずれかを使用したオリゴヌクレオチド合成に使用される固相におけるホスホラミダイト技術に従って合成し、そして、相補鎖を、本明細書中に一般的に実施例18に記載の方法に従って、0.2×PBS(ホスファート緩衝化生理食塩水、1×、Corning, Cellgro)中で等モルRNA溶液(センスおよびアンチセンス)を組み合わせることによって混合して、二本鎖を形成した。
【0583】
Apo(a)トランスジェニック(Tg)マウスを、インビボにおいて複合化N−アセチル−ガラクトサミンリガンドを伴った二本鎖RNAi剤の有効性を評価するために使用した。
【0584】
それぞれのGalNAcリガンド(すなわち、NAG33、NAG34またはNAG35)に連結したLp(a)RNAi剤を、皮下(SC)注射のために当該技術分野で知られている医薬的に許容されるバッファーと組み合わせた。
それぞれのGalNAc標的化リガンド(すなわち、NAG33、NAG34またはNAG35)に連結したLp(a)RNAi剤を、SC注射によって投与した。1日目に、SC注射は、生理食塩水、または緩衝化生理食塩水中のRNAi剤(AD03721、AD03722、またはAD03723)の1mg/kg(mpk)の用量のいずれかを含む、200μl溶液/20gマウスを、背部の肩間の弛んだ皮膚に投与した。1処置群あたり三(3)匹のapo(a)Tgマウスが存在する。
【0585】
処置マウスからの血清サンプルを、−1(投与前)、8、15、22、および29日目に採取した。血清中の循環apo(a)タンパク質レベルをアッセイすることによってノックダウンを測定した。血清中のヒトapo(a)タンパク質レベルは、apo(a)のELISA(Abcam)を使用して、マウスからの血清をアッセイすることによって観察した。Lp(a)粒子レベルを、製造業者の推奨に従って、Cobas(登録商標)Integra400(Roche Diagnostics)により計測した。正規化のために、ある時点での各動物に関するLp(a)レベルを、(この場合、−1日目における)その動物の投与前発現レベルで割って、「−1日目に対して正規化した」発現率を決定した。次に、生理食塩水対照群におけるすべてのマウスに関する平均「−1日目に対して正規化した」比によって個々の動物に関する「−1日目に対して正規化した」比率を割ることによって、特定の時点での発現を生理食塩水対照群に対して正規化した。実験誤差を、平均の標準誤差として示す。
【0586】
得られたデータを
図17に示す。最も低いときは、試験したすべてのRNAi剤について15日目であった。AD03721は、最も低いときでは、apo(a)タンパク質レベルの91%のノックダウンを示し、およびAD03722は、最も低いときでは、apo(a)タンパク質レベルの81%のノックダウンを示し、そして一方、AD03723は、最も低いときでは、apo(a)タンパク質レベルの90%のノックダウンを示した。AD03721およびAD03722処置マウスの両方が、各時点にてほとんど同一のノックダウンを示し、その一方で、AD03723処置マウスは、試験した各時点にて数字的により低いノックダウンを示し、処理後のapo(a)タンパク質レベルの回復は、類似の軌跡を示した。例えば、29日目に、AD03721処置マウスはapo(a)レベルの76%のノックダウンを示し、AD03723処置マウスはapo(a)レベルの83%のノックダウンを示し、そして一方、AD03722処置マウスはapo(a)レベルの61%のノックダウンを示した。これらのデータは、構造NAG33およびNAG35を含有するRNAi剤が29日目に数字的により優れたノックダウンを示して、NAG33、NAG34およびNAG35構造すべてがノックダウン活性を示すことを裏づけている。
【0587】
実施例19.Lp(a)Tgマウスにおける、1mg/kgおよび3mg/kgにて投与される、構造1008の標的化リガンドに連結したLP(a)発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖RNAi剤)の用量応答
本明細書中に記載したLp(a)トランスジェニックマウスを、インビボにおいてN−アセチル−ガラクトサミンリガンドを結合した二本鎖RNAi剤の有効性を評価するのに使用した。実施例15で先に記載した、二本鎖ID:AD04170を有するLp(a)に対するRNAi剤を製造した。先に記載したように、Lp(a)二本鎖ID:AD04170は、センス鎖の5’末端にて取り付けられた(NAG37)標的化リガンド(構造1008)を含む。
【0588】
Lp(a) RNAi剤のそれぞれの鎖は、MerMade96E(登録商標)(Bioautomation)またはMerMade12(登録商標)(Bioautomation)のいずれかを使用したオリゴヌクレオチド合成に使用される固相におけるホスホラミダイト技術に従って合成し、そして、相補鎖を、本明細書中に一般的に実施例10に記載の方法に従って、0.2×PBS(ホスファート緩衝化生理食塩水、1×、Corning, Cellgro)中で等モルRNA溶液(センスおよびアンチセンス)を組み合わせることによって混合して、二本鎖を形成した。
【0589】
標的化リガンド構造1008に連結したLp(a)RNAi剤を、皮下(SC)注射のために当該技術分野で知られている医薬的に許容されるバッファーと組み合わせた。
【0590】
標的化リガンド構造1008に連結したLp(a)RNAi剤を、皮下(SC)注射によって投与した。1日目に、生理食塩水、または緩衝化生理食塩水中のRNAi剤の1mg/kg(mpk)または緩衝化生理食塩水中のRNAi剤の3mg/kg(mpk)のいずれかの用量を含む、200μl溶液/20gマウスのSC注射を、背部の肩間の弛んだ皮膚におこなった。
【0591】
対照血清(処理前)サンプルを、1日目に注射前のマウスから採取した。Lp(a)粒子レベルを、製造業者の推奨に従って、Cobas(登録商標)Integra400(Roche Diagnostics)により決定した。正規化のために、ある時点での各動物に関するLp(a)レベルを、(この場合、−1日目における)その動物の処理前発現レベルで割って、「−1日目に対して正規化した」発現率を決定した。次に、生理食塩水対照群におけるすべてのマウスに関する平均「−1日目に対して正規化した」比によって個々の動物に関する「−1日目に対して正規化した」比率を割ることによって、特定の時点での発現を生理食塩水対照群に対して正規化した。これは、対照群における発現に対して正規化したそれぞれの時点に対する発現をもたらした。実験誤差を標準偏差として示す。
【0592】
結果を
図18に示す。
図18に示すように、用量依存的相関は、全時点にわたってLp(a)RNAi剤に関して明らかである。
【0593】
実施例20:カニクイザルにおける、構造1003および1004の標的化リガンドに連結したLP(a)発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖RNAi剤)
以下の表8に示した配列を有する、Lp(a)発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖RNAi剤)を調製した:
【0594】
表8.実施例20のLp(a)発現阻害オリゴマー化合物(RNAi剤二本鎖)
【表8】
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【0595】
Lp(a)RNAi剤、AD03547は、実施例13に示したものと同じであり、かつ、(NAG29)に結合される。Lp(a)RNAi剤、AD3668は、(NAG30)に結合された。(NAG30)は、実施例14に示した化学構造を有する。(NAG29)は、本明細書中の構造1003によって表される。(NAG30)は、本明細書中の構造1004によって表される。
【0596】
Lp(a) RNAi剤のそれぞれの鎖は、MerMade96E(登録商標)(Bioautomation)またはMerMade12(登録商標)(Bioautomation)のいずれかを使用したオリゴヌクレオチド合成に使用される固相におけるホスホラミダイト技術に従って合成し、そして、相補鎖を、本明細書中に一般的に実施例10に記載の方法に従って、0.2×PBS(ホスファート緩衝化生理食塩水、1×、Corning, Cellgro)中で等モルRNA溶液(センスおよびアンチセンス)を組み合わせることによって混合して、二本鎖を形成した。
【0597】
構造1003または構造1004を有する本明細書中に開示した標的化リガンドに結合したLp(a)RNAi剤を、作製し、そして、皮下(SC)注射のために当該技術分野で知られている医薬的に許容されるバッファーと組み合わせた。
【0598】
対照血清(処理前)サンプルを、14、7、および1日目(投薬前)に注射前のカニクイザルから採取した。Lp(a)粒子レベルを、製造業者の推奨に従って、Cobas(登録商標)Integra400(Roche Diagnostics)により決定した。正規化のために、ある時点での各動物に関するLp(a)レベルを、(この場合、14、7、および1日目(投薬前)における)その動物の処理前発現レベルの平均で割って、「投与前に対して正規化した」発現率を決定した。
【0599】
1日目に、カニクイザルマカク(カニクイザル)霊長動物に、3mg/kgのLp(a)RNAi剤、AD03668またはLp(a)RNAi剤、AD03547のいずれかを、本明細書中に開示した標的化リガンドに連結したLp(a)RNAi剤を用いて、皮下注射した。1処置群あたり、二(2)匹のサルに投与した。
【0600】
結果を
図19に報告する。構造1003(AD03547)または構造1004(AD03668)のいずれかに結合したLp(a)RNAiトリガーは、カニクイザルにおいてノックダウンを示した。
【0601】
実施例21:カニクイザルにおける、構造1008の標的化リガンドに連結したF12発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖RNAi剤)
F12に合わせて異なる配列を有し、かつ、センス鎖の5’末端でGalNAc標的化リガンド構造1008[(NAG37)]に連結されたF12RNAi剤を、作製し、そして、皮下(SC)注射のために当該技術分野で知られている医薬的に許容されるバッファーに組み合わせた。
【0602】
1日目に、カニクイザルマカク(カニクイザル)霊長動物に、3mg/kgの、異なる配列構造および異なる修飾パターンを有する六(6)種類の異なるLp(a)RNAi剤:AD04623、AD04624、AD04625、AD04626、AD04627、またはAD04628のうちの1つを皮下に注射した。1処置群あたり二(2)匹のサルに投薬した。
【0603】
ノックダウンを観察するために、処置したカニクイザルからの血清サンプルを、−7日目および1日目(投与前)、ならびに8、15、および22日目に採取した。ノックダウンを、ヒトF12のELISAキット(Molecular Innovations)によって血清中の循環cyno F12タンパク質(cF12)レベルを定量化することによって計測した。それぞれの時点における各動物のcF12レベルを、その動物における発現の処置前レベル(−7日目と1日目の平均)で割って、「投与前に対して正規化した」発現率を決定した。実験誤差を標準偏差として示す。
【0604】
図20に結果を示す。AD04625およびAD04623が、計測した全時点にわたって最大のノックダウンを示して、NAG37(構造1008)に連結されたそれぞれF12 RNAi剤は、カニクイザルにおいてノックダウンを示した。
【0605】
実施例22:PiZトランスジェニックマウスにおける、構造1008の標的化リガンドに連結したα−1アンチトリプシン発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖RNAi剤)
インビボにおいてα−1アンチトリプシン(AAT)遺伝子に向けられたRNAi剤を評価するために、トランスジェニックPiZマウス・モデル(PiZマウス)を使用した。PiZマウスは、ヒトPiZ AAT変異対立遺伝子およびモデルヒトAATD(Carlson et al., Journal of Clinical Investigation 1989)を有する。
【0606】
以下の表9に示した配列を有する、AAT発現阻害オリゴマー化合物(二本鎖RNAi剤)を調製した:
【0607】
表9.実施例22のAAT発現阻害オリゴマー化合物(RNAi剤二本鎖)
【表9】
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【0608】
(NAG37)は、先の実施例16に示した化学構造を有する。
AAT RNAi剤を、医薬的に許容される生理食塩バッファー中で調製し、そして、AAT遺伝子発現のノックダウンを評価するために、PiZマウスには、背部の肩間の弛んだ皮膚内に、200μlの溶液/20gマウスの皮下(SC)注射によって投与した。各マウスのは、3mg/kg(mpk)のAD04463の単回SC投与量を与えた。3匹のマウスに、AAT RNAi剤を投与した(n=3)。
【0609】
血漿サンプルを、−1日目、1日目(投与前)、8日目、および15日目のAAT(Z−AAT)タンパク質レベルについて描図し、そして、分析した。AATレベルを、1日目(投与前)のAAT血漿レベルに対して正規化した。タンパク質レベルを、ELISAキットによって血漿中の循環ヒトZ−AATレベルを定量化することによって計測した。
【0610】
平均した正規化AAT(Z−AAT)レベルを
図21に示す。本明細書中の構造1008の標的化リガンドに連結したAAT RNAi剤は、PiZトランスジェニックマウスにおいてノックダウンを示した。
【0611】
他の実施形態
本発明を、その詳細な説明と併せて説明したが、前述の説明は例示を意図するものであり、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。他の態様、利点、および変更は、以下の請求項の範囲内である。