(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記モータが、前記突出部を前記ロック状態に位置付けるために前記出力軸配列体を第1回転方向へ回転するように作動されるように構成され、前記モータが、前記突出部を前記アンロック状態に位置付けるために前記第1回転方向と反対の第2回転方向へ前記出力軸配列体を回転するように作動されるように構成される、請求項2に記載の電子ラッチ組立体。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明について、本明細書において具体的な実施形態を参照して図示し説明するが、本発明は、示される詳細に限定されるものではない。むしろ、本発明から逸脱することなく請求項の同等物の範囲内で前記詳細に様々な修正を加えることができる。
【0013】
本明細書において使用する場合、「近位」及び「遠位」は、ラッチボルト開口部に対する位置又は方向を意味する。例えば、特定の構成要素の近位部分は、ラッチボルト開口部9に近い方の部分であり、遠位部分はラッチボルト開口部9から遠い方の部分である。さらに、近位方向は、ラッチボルト開口部9へ向かう方向であり、遠位方向は、ラッチボルト開口部9から離れる方向である。
【0014】
図1〜3は、本発明の代表的実施形態に従ったラッチ組立体10の斜視図であり、組み立て済みで示される。ラッチ組立体10は、概略的に、ベース部分12と蓋部分14と1つ又は複数のバッテリ17が設置されているバッテリコンパートメントを見えないようにするための取外し可能カバー16と、を含むハウジング囲繞体11を含む。又は、ラッチ組立体10は有線とすることができ、バッテリ17を省略できる。ベース部分12、蓋部分14及び取外し可能カバー16は、締結具によって一緒に取り付けられる。ハウジング囲繞体11のこれらの構成要素は、例えば金属又はプラスチックから形成できる。
【0015】
ラッチ組立体10は、静止ドア開口部(図示せず)と選択的に噛み合うために可動ドア(図示せず)に固定するか又はその逆とすることができる。単純化のために、以下において、ラッチ組立体10は、可動ドアに永久的に固定され、ラッチ組立体10は、静止ドア開口部の開口と選択的に噛み合うと、想定する。
【0016】
ベース部分12及び蓋部分14は、一緒に、中にラッチ組立体10の内部構成要素が配置される中空内部空間を形成する。ベース部分12の詳細を
図6A〜6Gに示す。ベース部分12は、概略的に、ラッチ組立体10の個々の内部構成要素の多くを取り付ける又は着座する面(57及び59など)を含む。ベース部分12は、一体成形要素とするか、又は一緒に固定される複数構成要素から構成できる。
【0017】
ハウジング囲繞体11の中空内部空間内に配置される内部構成要素の3つ、即ち品目13、15及び19は、
図1〜3に示すように、ハウジング囲繞体の外部に少なくとも部分的に延びる。
【0018】
特に、バネ式ラッチボルト13のボルト部分20は、例えば、静止ドア開口部(図示せず)に選択的に係合するためにハウジング囲繞体11の側面に形成された開口部9を貫通して延びる。ラッチボルト13は、
図1に示す伸張位置と
図2に示す後退位置との間で移動可能である。伸張位置の時、ボルト部分20は、ドア開口部に係合でき、後退位置の時、ボルト部分20は、ドア開口部に係合しない。
【0019】
バネ式レバー15は、例えば、静止ドア開口部と選択的に係合するためにハウジング囲繞体11の同じ側面に形成された別の開口部を貫通して延びる。レバー15は、ドア(図示せず)をドア開口部(図示せず)から離れる方向へ付勢するように構成される。作動時に、ドア(ラッチ組立体10が取り付けられる)の閉鎖位置から始まり、
図2に示す後退位置へラッチボルト13を移動すると、レバー15は、
図1に示す圧縮位置から
図2に示す拡張休止位置へ移動し、それによって、ドア(並びにラッチ組立体10全体)をドア開口部から押し離して、最終使用者が手動で介入することなく、ドアを自動的に開く。
【0020】
制御スイッチ19は、ラッチ組立体10を手動で操作するために、ハウジング囲繞体11の外面に設置される。
【0021】
図4及び5は、ラッチ組立体10の内部構成要素を明らかにするために部分的に分解されて示されたラッチ組立体10の付加的図である。
図4においては、蓋14が省略され、
図5においては、蓋14及びカバー16が省略される。印刷回路板(PCB)18はベース部分12の内壁に取り付けられる。ラッチ組立体10の電子構成要素のほとんど(全てでは無くても)は、PCB18に取り付けられる。
【0022】
次に、バネ式ラッチボルト13の動きの制御に関連する構成要素を参照すると、ラッチボルト13の端部は、ベース部分12の開口部9を貫通して移動可能に配置される。ラッチボルト13は、伸張位置(
図4)と後退位置(
図5)との間を軸方向へ並進する。ラッチボルト13は、例えば従来のドア開口部と係合するために傾斜面を有するボルト部分20を含む。長方形ケージ要素21(ボルト部分20と一体的に形成される)は、ハウジング囲繞体11の内部に配置される。ケージ要素21は、電動アクチュエータ組立体のいくつかの構成要素を取り囲む。
【0023】
圧縮バネ24は、ベース部分12の内面から延びるボス26(
図6A及び6Eも参照)とラッチボルト13の内向き面から延びるポスト28(
図7A及び7Gも参照)との間に取り付けられる。ボス26は、ベース部分12に移動不能に固定されるのに対して、ラッチボルト13は、ベース部分12に対して並進できる。したがって、バネ24は、ラッチボルト13を
図4に示す伸張位置へ向かって付勢するように構成される。
【0024】
電動アクチュエータ組立体は、ラッチボルト13をロックし、アンロックし、バネ24の付勢力に抵抗して移動するように構成される。電動アクチュエータ組立体は、概略的に、電動モータ22と、減速歯車システム23と、出力カム30と、駆動カム33と、を含む。図示する実施形態において、モータ22の出力軸(図示せず)は、モータ22にエネルギーが与えられたときモータが減速歯車システム23に起動力又は入力トルクを与えるように、減速歯車システム23に係合される。モータ22によって与えられた起動力又は入力トルクは、回転力であり、減速歯車システム23の歯車(図示せず)に回転を与える。減速歯車システムの作動及び減速歯車システムとモータの出力軸との間の相互接続は、周知なので、詳細には論じない。モータの出力軸は、モータがエネルギーを与えられることに応答して回転し、それによって、減速歯車システム23の出力軸(図示せず)を回転させる。減速歯車システムとは、モータの出力軸が減速歯車システム23の出力軸の回転のたびにその数倍又はそれ以上回転しなければならないことを意味する。この配列体は、モータのトルク出力を増大し、したがって、ラッチボルト13の適切な作動のために必要とされるモータ22のサイズを減少できる。減速歯車システム23は、所望の場合には省略できる。
【0025】
図4、
図5及び
図8A〜8Gを参照すると、減速歯車システム23の出力軸は、その遠位端にカム面を有する出力カム30に接続される。出力カム30の詳細図を
図8A〜8Gに示す。出力カム30は、その近位端において軸方向へ延びる中央軸部分34を含む、変動する直径を持つ実質的な円筒体である。軸部分34は、ラッチ組立体10の正常な作動において軸部分34が減速歯車システム23とユニットとして回転するように、減速歯車システム23の出力軸を受け入れるように構成される受容部39を含む。例えば、受容部39と減速歯車システムの出力軸は、受容部39と減速歯車システム23の出力軸との間に相対的回転が生じないように噛み合う非円形断面を持つことができる。
【0026】
モータ26の出力軸、減速歯車システム23、出力カム30及び駆動カム33は、本明細書において出力軸配列体と呼ぶ場合がある。
【0027】
図5及び
図14に示すように、2つの突出部36A及び36B(個別に又はまとめて突出部36と呼ぶ)は、翼の形に、軸部分34の両側から半径方向外向きに延びる。突出部36は、軸部分34の円周に沿って約180°均等に離間する。各突出部36は、軸部分34の円周の周りで約45°の半径幅を有する。
図14に示すように、突出部36は、PCB18上のモータ制御センサ38と境界を接するように構成される。モータ制御センサ38は、突出部36の1つの有無を感知する。言い換えると、突出部36が直接センサ38に隣接するとき、センサ38は、突出部36の存在を記録し、そうでなければ、突出部36の不在を記録する。モータ制御センサ38は、例えば光通過センサ(optical pass through sensor)(図示)、光スイッチ、磁気スイッチ又は機械的スイッチとすることができる。
【0028】
出力カム30は、その遠位端に傾斜カム面を含む。特に、遠位端の1対の傾斜路40は、各々、出力カム30の中心軸線の周りで約150°の螺旋経路に沿って延びる。各傾斜路40は、出力カム30の回転軸線の周りに螺旋状に配列されるカム面を含む。出力カム30の回転軸線に対して直角に延びる平坦な水平のランディング面が、各傾斜路40の頂点43に形成される。出力カム30の回転軸線に対して直角に延びる別の平坦な水平のランディング面が、各傾斜路40の基部45に形成される。出力カム30の回転軸線に対して平行に延びる平坦な垂直面41が、一方の傾斜路40の頂点43を他方の傾斜路40の基部45と接続する。傾斜路40の傾斜面は、同じ回転方向へ上昇する。
【0029】
図4、
図5及び
図9A〜9Gを参照すると、出力カム30は、駆動カム33に選択的に係合するように構成される。駆動カム33の詳細図を
図9A〜9Gに示す。駆動カム33は、その近位端に出力カム30の傾斜路40と実質的に同様の1対の傾斜路44を含む実質的な円形体を備える。特に、各傾斜路44は、駆動カム33の回転軸線の周りに螺旋状に配列されたカム面を含む。駆動カム33の回転軸線に対して直角に延びる平坦な水平のランディング面が、各傾斜路44の頂点49に形成される。駆動カム33の回転軸線に対して直角に延びる別の平坦な水平ランディング面が、各傾斜路44の基部47に形成される。駆動カム33の回転軸線に対して平行に延びる平坦な垂直面46が、一方の傾斜路44の頂点49を他方の傾斜路44の基部47と接続する。傾斜路44の傾斜面は、同じ回転方向へ上昇する。
【0030】
図4に示すラッチボルト13の伸張位置において、傾斜路44は、(i)各傾斜路40の頂点43が各傾斜路44の基部47に着座し、(ii)各傾斜路44の頂点49が各傾斜路40の基部45に着座し、かつ(iii)各傾斜路40の平坦な垂直面が各傾斜路44の平坦な垂直面46に接して位置付けられるように、傾斜路40とインターロックする。
図5に示すラッチボルト13の後退位置において、各傾斜路44の頂点49は、各傾斜路40の頂点43に接して位置付けられ、傾斜路40及び44の傾斜面は、相互に外れる。
【0031】
駆動カム33は、ケージ要素21から延びる円形ポスト51(
図7A)を受け入れる円形受容部48(
図9D)を有する。駆動カム33は、ポスト51の周りで限定された範囲で回転できる。駆動カム33は、ラッチボルト13のケージ要素21と一緒に限定された範囲で軸方向へ並進できる。駆動カム33は、ケージ要素21のフランジ56とケージ要素21の遠位内面との間に挟まれるので、ケージ要素21に対して並進できない。
図13A〜13Cに示すように、駆動カム33の円形体は、半径方向に、ベース部分12形成される半円形凹部57と蓋部分14に形成される相補的な半円形凹部との間に挟まれる。駆動カム33、ベース部分12及び蓋部分14の間の滑り嵌めによって、駆動カム33は、
図10〜12に関連して更に詳しく説明するように、ベース部分12及び蓋部分14に対して限定された回転及び並進が可能である。
【0032】
駆動カム33は、駆動カム33の頂点49から半径方向外向きに延びる翼の形の2つの突出部55A及び55B(個別に又はまとめて突出部55と呼ぶ)を有する。突出部55は、駆動カム33の円周に沿って約180°離間する。上述のように、駆動カム33は、限定された範囲で並進できかつ限定された範囲で回転できる。突出部55は、以下で説明するように、ラッチボルト13を選択的にロック及びアンロックするために、回転及び並進の両方を制限するように構成される。
【0033】
図13A〜13Cは、駆動カム33とハウジング囲繞体11との間の相互作用を示す。駆動カム33は、突出部55がベース部分12及び/又は蓋部分14の面を圧して、駆動カム33のそれ以上の回転を防止するまで、右回り又は左回りに回転できる。駆動カム33は、又、突出部55Aがベース部分12のストッパ面59を圧しかつ突出部55Bが蓋部分14のストッパ面62を圧するまで、ベース部分12及び蓋部分14の滑動面57(
図6Aも参照)に沿って遠位方向へ並進できる。突出部55A及び55Bがそれぞれストッパ面59及び62を圧すると、ラッチボルト13は遠位方向へ並進できない。
【0034】
図15は、ラッチボルト13と位置センサ63との間の相互作用を示す詳細図である。ラッチ組立体10は、ラッチボルト13が伸張位置にあるか後退位置にあるかを測定するためにラッチボルト13の位置を監視するように構成される。特に、ラッチボルト13のケージ要素21は、
図14に示すようにPCB18上の位置センサ63と通信する突出するケージ面61を含む。位置センサ63は、突出ケージ面61の有無を感知する。
図5に示すようにラッチボルト13が後退位置に維持されるとき、位置センサ63は、突出ケージ面61の存在を感知する。ラッチボルト13が
図4に示されるように伸張位置に維持されるとき、位置センサ63は、突出ケージ面61の存在を感知しない。位置センサ63は、例えば光通過センサ(図示)、光スイッチ、磁気スイッチ又は機械的スイッチとすることができる。
【0035】
上記で説明するように、ラッチ組立体10は、ドアが係合するドア開口部(図示せず)から離れる方向へドア(図示せず)及びラッチ組立体10を付勢するように構成されるバネ式レバー15を含む。レバー15は、レバーを
図2及び4の矢印方向へ付勢するように構成される捩じりバネ64を含む。ドアの閉鎖位置から始めて、ラッチボルト13が
図2に示す後退位置へ動かされると、レバー15は、捩じりバネ64の力で
図1に示す圧縮位置から
図2に示す拡張位置へ移動し、それによって、ドア(並びにラッチ組立体10)をドア開口部から離れる方向へ押して、最終使用者の手が介入することなく自動的にドアを開く。
【0036】
ラッチ組立体は、ドアが開いているか閉まっているかを測定するためにレバー15の位置を監視するように構成される。特に、レバー15は、
図16A及び16Bに示すようにPCB18上のリードスイッチ66と通信する埋込み希土類磁石65を含む。言い換えると、リードスイッチ66は、技術上周知のように、磁石65の磁場を感知する。リードスイッチ66は、磁石65の有無を感知する。レバー15が
図16Aに示す圧縮位置に維持されるとき即ちドアが閉鎖されているとき、リードスイッチは、磁石65の存在を感知する。レバー15が
図16Bに示す伸張位置に維持されるとき即ちドアが開放されているとき、リードスイッチ66は磁石65の存在を感知しない。レバー15の位置を監視するその他の装置が想定される。例えば、リードスイッチ66を光通過センサ、光スイッチ又は機械的スイッチと交換できる。
【0037】
ラッチ組立体10は、ラッチ組立体10の作動を監視及び制御するために少なくともモータ22、リードスイッチ66、位置センサ63及びモータ制御センサ38と通信する、PCB18上に取り付けられたコントローラ68を含む。
【0038】
PCB18は、ラッチ組立体10との無線送受信を可能にするためにコントローラ68に接続される受信器及び送信器も含む。例えば、コントローラ68は、センサ及びスイッチ38、63及び66の様々な状態に基づいて、ラッチ組立体10のロック、アンロック、ラッチ及びアンラッチ状態並びにラッチ組立体10に接続されるドアの開放及び閉鎖状態に関する情報を送信できる。この情報を用いて、使用者は、ドアが開いているか閉じているかを判定でき、又は、使用者は、ラッチ組立体10を視覚的に現場で検査する必要なく、ラッチ組立体がアンラッチ、ロック又はアンロックされているかを判定できる。又、ラッチ組立体10は、受信器及び送信器を用いて遠隔的に制御できる。例えば、使用者は、ラッチ組立体10にドアを開放するよう又はラッチ組立体10をアンロックまたはロックするように遠隔的に命令を与えることができる。ラッチ組立体10との送受信は無線、有線、ウェブベース及び/又はクラウドベースとするか、又は当業者には既知の他の従来の通信方法とすることができる。
【0039】
本明細書において、以下で、
図10〜12に従ったラッチ組立体10を操作するための1つの代表的な方法を説明する。代表的な方法は、特定のステップ又は順序に限定されず、図示する又は説明するものから変更できる。
【0040】
図10〜12は、
図10に示すロック状態から
図11に示すアンロック状態及び
図12に示すアンラッチ状態へ移動するラッチ組立体10を示す。この操作方法を説明のために、ラッチ組立体10は
図10に示すロック状態から始まり、ラッチ組立体10は可動ドア(図示せず)に固着されると、仮定する。ラッチ組立体10は、任意の状態から開始でき、ラッチ組立体は必ずしもドアに取り付けられないことが分かるはずである。
【表1】
【0041】
図10に示すロック状態において、ラッチ組立体10のラッチボルト13は、静止ドア開口部の開口においてラッチされロックされており、レバー15は、捩じりバネ64が圧縮状態に維持されるようにドア開口部を圧して付勢される。ロック状態において、出力カム33の突出部55A及び55Bは
図13A〜13Cを参照して説明したようにそれぞれストッパ面59及び62を圧するので、ドアを開けることはできず、ラッチボルト13を遠位方向(
図12の矢印)へ並進することもできない。
【0042】
図10、
図16A、
図17A(a)及び
図17A(c)に示すラッチ組立体10のロック状態において、リードスイッチ66は、
図16Aに示すように、レバー15の存在を感知するので、‘
ON’である。モータ制御センサ38は、
図17A(a)に示すように(突出部36Aの先端縁はセンサ38の感知エリアを僅かに越える)突出部36Aを感知しないので、‘OFF’である。位置センサ63は、
図17A(c)に示す位置にあるケージ面61の存在を感知しないので、‘OFF’である。ラッチボルト13(その上にケージ面61が形成される)も、まだ移動していない。センサ及びスイッチは、その特定の‘ON’及び‘OFF’状態を、PCB18を介してコントローラ68に通信する。
【0043】
上記で説明し
図10に示すラッチ組立体10のロック状態から始まって、ラッチ組立体10は、
図11に示されるアンロック状態へ動くように操作される。特に、コントローラ68は、出力カム30を右回り方向へ回転するためにモータ22へ信号を送る(
図10A及び17Aにおいて右回り矢印が示される)。出力カム33が回転するとき、出力カム30の傾斜面40は、駆動カム33の傾斜面44と係合して、同時に駆動カム33を右回り方向へ回転させる。
【0044】
出力カム33の突出部55A及び55Bとそれぞれストッパ面59及び62との間の係合により、出力カム30が回転するとき、駆動カム33はまだ軸方向へ並進できない。しかし、駆動カム33が最初に右回りに45°回転すると、出力カム33の突出部55A及び55Bは、半径方向へそれぞれストッパ面59及び62から離間する。言い換えると、駆動カム33の突出部55A及び55Bは、
図13Bに示すロック位置から
図13Aに示すアンロック位置へ移動する。駆動カム33が最初に45°右回り方向へ回転すると、モータ制御センサ38は、突出部36Aを感知するので、‘ON’である。
【0045】
図13Aに示すアンロック位置に到達すると、突出部55A及び55Bが蓋部分14及びベース部分12の面を圧するので、駆動カム33は、右回り方向へそれ以上回転できない。駆動カム33のアンロック位置において、ラッチボルト13は、もはやロック状態にはない。又、駆動カム33のアンロック状態においては、ラッチボルト13及び駆動カム33を遠位方向へ手動で移動できる。
【0046】
駆動カム33が右回りに45°回転した後、リードスイッチ66は、レバー15の存在を感知するので、 ‘ON’のままである。レバー15はまだ
図16Aに示す伸張位置から移動していない。モータ制御センサ38は、もはや突出部36の後端縁の存在を感知しないので‘OFF’である。位置センサ63は、ケージ面61(まだ
図17A(c)に示す位置にある)の存在を感知しないので、 ‘OFF’のままである。
【表2】
【0047】
モータ22は、ラッチボルト13がアンロックされた後休止しない。モータ22は、ラッチボルト13がアンラッチされるまで引き続き出力カム30を右回り方向へ回転させる。コントローラ68は、更に135°右回りに出力カム30を回転させる(即ち合計で180°右回りに回転させる)ようにモータ22へ信号を送り続けて、ラッチ組立体10を
図11に示すアンロック状態から
図12に示すアンラッチ状態へ移動させる。
【0048】
特に、出力カム30が追加の135°右回りに回転するとき、出力カム30の傾斜面40は、駆動カム33の傾斜面44に沿って乗り、
図12に示すように、各傾斜路44の頂点49が各傾斜路40の頂点43を圧して、傾斜路40及び44の傾斜面が相互に完全に外れるまで、遠位方向へ駆動カム33(上述のように、右回り方向へそれ以上回転できない)を並進させる。駆動カム33が遠位方向へ並進するとき、駆動カムは、ラッチボルト13を遠位方向へ押し、それによって、ラッチボルト13のボルト部分20を開口部9から引き込ませる。
【0049】
ラッチボルト13のボルト部分20が開口部9から引っ込むと、バネ式レバー15は、バネの力を受けて自動的に前方へ跳ねて、ドア(ラッチ組立体10が固定的に取り付けられている)をドア開口部から離れる方向へ移動させる。言い換えると、レバー15は、
図16Aに示す位置から
図16Bに示す位置へ移動する。これでドア(図示せず)は開いている。
【0050】
出力カム30が追加の135°右回りに回転するとき、モータ制御センサ38は、センサ38が
図17A(b)に示すように突出部36Bの先端縁を感知すると、‘ON’状態へ戻る。センサ38が‘ON’状態へ戻ったら、コントローラ68は、直ちにモータ22を非活動化する。モータ22は、必ずしも180°の設定角度全体を回転するようにプログラムされず、モータ22は、モータ制御センサ38によってコントローラ68へ送る信号に基づいて制御される。コントローラ68は、センサ38によって通信されるON及びOFF状態のシーケンスを追跡する。
【0051】
ラッチ組立体10がアンラッチ状態になったら、リードスイッチ66は、
図16Bに示すように、もはやレバー15に埋め込まれた磁石の存在を感知しないので、‘OFF’である。上述のように、モータ制御センサ38は、
図17A(b)に示すように突出部36Bの先端縁を感知するので‘ON’である。位置センサ63も、
図17A(d)に示すようにケージ面61の存在を感知するので、‘ON’である。
【表3】
【0052】
このときドアは開放されており、ドアが再び閉鎖されたときラッチボルト13がドア開口部の開口と再係合できるように、ラッチボルト13は、
図11に示すアンロック・伸張状態に戻されなければならない。このために、リードスイッチ66が‘OFF’状態(即ちラッチ組立体10がアンラッチ状態であることを示す)に切り替わってから設定された時間(たちえば2秒)が経過した後、コントローラ68は、自動的に、右回り方向へ約45°出力カム30を回転させるようにモータ22へ信号を送って、ラッチ組立体10を
図12に示すアンラッチ状態から
図11に示すアンロック状態へ戻す。出力カム30は、
図17Bにおいて示すようにセンサ38が突出部36Bの後端縁を感知しなくなるまで、約45°右回り方向へ回される。この時点で、センサ38は、‘OFF’状態へ戻り、コントローラ68は、直ちにモータ22を非活動化する。
【0053】
出力カム30の右回り回転の過程で、カム30の頂点43は、カム30の垂直面41がカム33の垂直面と円周方向においてぴったり合う(register)まで、カム33の頂点49に沿って滑動する。この段階で、駆動カム33が回転しないことが分かるはずである。カム30及び33の面41と46がぴったりと合うと、バネ24は、
図11に示すようにカム30及び33の傾斜路40及び44がそれぞれ相互に再係合するまで、ラッチボルト13及びそのケージ21が近位方向へ駆動カム33を並進させるようにする。ラッチボルト13が近位方向に並進するとき、ボルト部分20は、ベース部分12の開口部9から延びる。ラッチボルト13は、この時点で、ドア開口部の開口と係合する準備ができている。
【0054】
リードスイッチ66は、
図16Bに示すように(ドアが閉鎖されていないと仮定している)レバー15に埋め込まれた磁石65の存在を感知しないので‘OFF’のままである。位置センサ63は、ケージ面61(
図17A(c)に示す伸張位置にある)の存在を感知しないので‘OFF’状態へ戻る。
【0055】
上述の2秒の遅延の代わりに、使用者が、ラッチ組立体10をリセットするよう要求されるようにできる。
【表4】
【0056】
最終使用者は、その後、ラッチ組立体10が取り付けられているドアを手で閉める。ボルト部分20がドア開口部に沿って滑動するとき、ラッチボルト13及び駆動カム33はバネ力に対抗して遠位方向へ並進する。この時点で、位置センサ63は、ケージ面61(このとき
図17A(d)に示す後退位置にある)の存在を感知するので‘ON’状態に短時間戻る。その後すぐに、ボルト部分20が完全にドア開口部の開口とぴったり合うと、ボルト部分20は、バネ24の力で開口の中へ跳ね返り、ラッチボルト13及び駆動カム33は、近位方向へ並進し、
図11に示すラッチ状態になる。この時点で、位置センサ63は、ケージ面61(このとき
図17A(c)に示す伸張位置にある)の存在を感知しないので、‘OFF’状態へ戻る。
【0057】
最終使用者がドアを閉めるとき、レバー15は、ドア開口部と接触し、最終使用者は、レバー15のバネ力に抵抗してドアを押して閉める。ドアが閉じられたら、レバー15は、
図16Aに示す伸張状態へ戻り、リードスイッチ66は、レバー15内の磁気の存在を感知するので‘ON’状態へ戻る。カム30もカム33もこの段階において回転しないことが分かるはずである。
【表5】
【0058】
ドアがラッチされ閉鎖されると、無認可の使用者が、手でボルト部分20を
図12に示すアンラッチ状態へ動かして、ドアが開くようにすることによって、ラッチ組立体10に不正に干渉する可能性が存在する。そのため、ラッチ組立体10は、
図10及び
図13Bに示すロック状態へ自動的に移動するようにされる。
【0059】
図11に示す閉鎖状態から始めて、第4段階において上記で説明したようにリードスイッチ66が‘ON’状態へ戻ってから設定時間(例えば2秒)が経過した後、コントローラ68は、自動的に、左回り方向へ出力カム30を回転させるためにモータ22へ信号を送って、ラッチ組立体10を
図11に示すアンロック状態から
図10に示すロック状態へ移動させる。出力カム30が左回り方向へ回転するとき、カム30の垂直面41は、突出部36Bが
図17Bに示す位置から
図17Dに示す位置へ移動してセンサ38が突出部36Bの後端縁を感知しなくなるまで、駆動カム33の垂直面46を左回り方向へ約45°回転させる。この時点で、センサ38は、‘OFF’状態へ戻り、コントローラ68は、直ちにモータ22を非活動化する。
【0060】
上述の遅延の代わりに、使用者は、ロックするようにラッチ組立体10に命令を与えることができる。
【0061】
駆動カム33の左回転は、
図13Bに示すように、出力カム33の突出部55A及び55Bをそれぞれストッパ面59及び62に圧迫させ、それによって、ラッチボルト13及び駆動カム33の遠位方向の並進を防止する。ラッチボルト13は、それによって、
図10に示すロック状態に維持される。
【0062】
図10に示すロック状態において、ラッチ組立体10のラッチボルト13は、静止ドア開口部の開口にラッチされロックされて、レバー15は、捩じりバネ64が圧縮状態に維持されるようにドア開口部を圧して付勢される。ロック状態において、ドアは開放できず、出力カム33の突出部55Aおよび55Bは
図13A〜13Cを参照して説明するようにそれぞれストッパ面59及び62を圧するので、ラッチボルト13を遠位方向(
図12の矢印)へ並進できない。
【0063】
図10に示すラッチ組立体10のロック状態において、リードスイッチ66は、レバー15の存在を感知するので、‘ON’である。モータ制御センサ38は、
図17Dに示すように突出部36を感知しないので‘OFF’である。位置センサ63は、
図17A(c)に示す位置にあるケージ面61の存在を感知しないので、‘OFF’である。
【0064】
本発明について、具体的な実施形態を図示し具体的な実施形態を参照して説明するが、本発明は示される詳細に限定されるものではない。むしろ、本発明から逸脱することなく、請求項の同等物の範囲内で様々な修正を細部に加えることができる。