(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
工程d)中に、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩が、25℃以下の温度の低温条件下で、任意選択的に、塩素化溶媒及び芳香族溶媒から選ばれる有機溶媒S3中で結晶化され、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩が、任意選択的に、濾過によって回収される、請求項1から10の何れか一項に記載の方法。
工程d)中に、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩が、25℃以下の温度の低温条件下で、任意選択的に、ジクロロメタン及びトルエンから選ばれる有機溶媒S3中で結晶化され、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩が、任意選択的に、濾過によって回収される、請求項1から10の何れか一項に記載の方法。
− 前記組成物Cの総質量に対して、8から45質量ppmの間、9から45質量ppmの間、10から45質量ppmの間、11から45質量ppmの間、12から45質量ppmの間、13から45質量ppmの間、14から45質量ppmの間、15から45質量ppmの間、16から45質量ppmの間、17から45質量ppmの間、18から45質量ppmの間、19から45質量ppmの間、20から45質量ppmの間、21から45質量ppmの間、22から45質量ppmの間、23から45質量ppmの間、24から45質量ppmの間、25から45質量ppmの間、26から45質量ppmの間、27から45質量ppmの間、28から45質量ppmの間、29から45質量ppmの間、30から45質量ppmの間、又は30から40質量ppmの間の質量含有率の水、
− 前記組成物Cの総質量に対して、5から200質量ppmの間、5から160質量ppmの間、5から150質量ppmの間、5から140質量ppmの間、5から130質量ppmの間、5から120質量ppmの間、5から110質量ppmの間、5から100質量ppmの間、5から80質量ppmの間、8から200質量ppmの間、8から160質量ppmの間、8から150質量ppmの間、8から140質量ppmの間、8から130質量ppmの間、8から120質量ppmの間、8から110質量ppmの間、8から100質量ppmの間、8から80質量ppmの間、10から160質量ppmの間、10から150質量ppmの間、10から140質量ppmの間、10から130質量ppmの間、10から120質量ppmの間、10から110質量ppmの間、10から100質量ppmの間、10から80質量ppmの間、15から160質量ppmの間、15から150質量ppmの間、15から140質量ppmの間、15から130質量ppmの間、15から120質量ppmの間、15から110質量ppmの間、15から100質量ppmの間、15から80質量ppmの間、20から200質量ppmの間、20から160質量ppmの間、20から150質量ppmの間、20から140質量ppmの間、20から130質量ppmの間、20から120質量ppmの間、20から110質量ppmの間、20から100質量ppmの間、20から80質量ppmの間、25から160質量ppmの間、25から150質量ppmの間、25から140質量ppmの間、25から130質量ppmの間、25から120質量ppmの間、25から110質量ppmの間、25から100質量ppmの間、又は25から80質量ppmの間の質量含有率の硫酸イオン、並びに
− 50重量ppm以下の質量含有率のCl−、
− 200ppm以下の質量含有率のF−、
− 200ppm以下の質量含有率のLiFSO3、
− 200ppm以下の質量含有率のFSO2NH2、
− 50ppm以下の質量含有率のCO32−、
− 50ppm以下の質量含有率のClO3−、
− 50ppm以下の質量含有率のClO4−、
− 50ppm以下の質量含有率のNO2−、
− 50ppm以下の質量含有率のNO3−、
− 40ppm以下の質量含有率のSi、
− 10ppm以下の質量含有率のMg、
− 10ppm以下の質量含有率のFe、
− 10ppm以下の質量含有率のCa、
− 10ppm以下の質量含有率のPb、
− 10ppm以下の質量含有率のCu、
− 10ppm以下の質量含有率のCr、
− 10ppm以下の質量含有率のNi、
− 10ppm以下の質量含有率のAl、
− 10ppm以下の質量含有率のZn、及び
− 10ppm以下の質量含有率のNa
を含む、請求項16から19の何れか一項に記載の組成物C。
【発明の概要】
【0011】
本発明は、有機溶媒S1に溶解しているリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩を乾燥及び精製するための方法であって、以下の工程:
a)脱イオン水を添加して、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩を溶解及び抽出し、前記塩の水溶液を形成する工程、
a’)任意選択的に、前記水溶液を濃縮する工程、
b)水と共沸混合物を形成する有機溶媒S2を用いて、前記水溶液からリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩を抽出する工程であって、少なくとも1回繰り返される、工程、
c)前記有機溶媒S2及び水を蒸発させることによって、前記リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩を濃縮する工程、並びに
d)任意選択的に、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩を結晶化する工程
を含む、方法に関する。
【0012】
本発明の文脈においては、「ビス(フルオロスルホニル)イミドのリチウム塩」、「リチウムビス(スルホニル)イミド」、「LiFSI」、「LiN(FSO
2)
2」、「リチウムビス(スルホニル)イミド」、及び「リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド」という用語は、同等に使用される。
【0013】
本発明の文脈においては、「ppm」という用語は、重量基準のppmとして理解される。
【0014】
本発明の文脈においては、「40重量ppm未満又はそれに等しい水含有率を有する塩」という用語は、例えば、塩であって、前記塩の総重量に対して40重量ppm未満又はそれに等しい水含有率を有する、塩を意味する。
【0015】
リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩の開始溶液は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩の任意の合成であって、特に、以下の工程:
i)ビス(クロロスルホニル)イミドを合成する工程、
ii)ビス(クロロスルホニル)イミドをビス(フルオロスルホニル)イミドへとフッ素化する工程、
iii)ビス(フルオロスルホニル)イミドを中和することによって、ビス(フルオロスルホニル)イミドのアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩を調製する工程、
iv)カチオン交換して、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩を得る工程
を含む、合成に由来してもよい。
【0016】
これらの工程の終了時に、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩は、好ましくは、有機溶媒(特に、溶媒S1に対応する)に溶解している状態で、溶液の総質量に対して5質量%から50質量%の間の質量濃度で得られる。
【0017】
そのような方法については、例えば、国際公開第2015/158979号に記載されている。
【0018】
一実施態様によれば、上述の有機溶媒S1は、エステル、ニトリル、エーテル、塩素化溶媒及び芳香族溶媒、並びにそれらの混合物で構成される群から選ばれる。好ましくは、溶媒S1は、ジクロロメタン、酢酸エチル、酢酸ブチル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル及びジエチルエーテル、並びにそれらの混合物から選ばれる。好ましくは、有機溶媒S1は、酢酸ブチルである。
【0019】
本発明によれば、有機溶媒S1及び有機溶媒S2は、同一であってもよく、又は異なっていてもよい。
【0020】
好ましくは、有機溶媒S1及び有機溶媒S2は同一である。
【0021】
一実施態様によれば、有機溶媒S1中のLiFSIの質量含有率は、溶液の総質量に対して、5質量%から55質量%の間、好ましくは5質量%から50質量%の間、優先的には10質量%から55質量%の間、有利なことには10質量%から50質量%の間、例えば10質量%から40質量%の間、特に15質量%から40質量%の間、優先的には25質量%から35質量%の間である。
【0022】
一実施態様によれば、本発明による精製及び乾燥方法の工程a)は、例えば先行する合成工程中に得られた、上述の有機溶媒S1中のLiFSIの溶液に対して脱イオン水を添加して、水(水性相)中への前記塩の溶解及び前記塩の抽出を可能にすることを含む。
【0023】
抽出は、任意の公知の抽出手段を介して行うことができる。抽出は、典型的には、水性相(この場合、前記塩の水溶液)及び有機相の分離であり得る。
【0024】
本発明によれば、方法の工程a)は、少なくとも1回繰り返されてもよい。
【0025】
本発明の乾燥及び精製工程は、脱イオン水による1回又は複数の抽出、例えば3回の抽出を含んでもよい。1回目の抽出では、開始溶液の質量の2分の1に相当する量の脱イオン水を添加してもよく、その後、2回目の抽出中には、開始溶液の質量の約3分の1に等しい量を、次いで3回目の抽出中には、開始溶液の質量の約4分の1に等しい量を添加してもよい。
【0026】
好ましい実施態様によれば、工程a)は、脱イオン水の質量が、有機溶媒S1中のLiFSIの開始溶液の質量の3分の1超又はそれに等しく、好ましくは2分の1超又はそれに等しいようなものである(単回抽出の場合、又は工程a)が少なくとも1回繰り返される場合に限り、1回目の抽出に関して)。
【0027】
本発明による方法は、開始溶液の溶媒S1の体積の3分の1超又はそれに等しい、好ましくは2分の1超又はそれに等しい体積の脱イオン水を、工程a)において添加することを含んでもよい。
【0028】
抽出が複数回行われる場合(工程a)が繰り返される場合)、抽出された水性相は一緒にプールされて、単一の水性相を形成する。
【0029】
工程a)は、有利なことには、別個である、水性相及び有機相の生成を可能にする。したがって、工程b)は、有利なことには、工程a)において抽出された水溶液(単一の水性相、又は工程a)が繰り返される場合にはプールされた複数の水性相)に対して行われる。
【0030】
好ましくは、本発明による方法においては、工程a)において抽出された水溶液から分離された有機相(一又は複数)(有機溶媒S1及びLiFSIを含む)は、方法の後続の工程b)からd)に再導入されない。特に、それらの有機相が後に、工程b)中に抽出された有機相(有機溶媒S2を含む)とともにプールされることはない。
【0031】
工程a)の終了時に、特に、LiFSIの水溶液が得られる。
【0032】
一実施態様によれば、水溶液中のLiFSIの質量含有率は、溶液の総質量に対して、5%から35%の間、好ましくは10%から25%の間である。
【0033】
本発明による乾燥及び精製方法は、好ましくは、LiFSIの水溶液であって、溶液の総質量に対して、20%から80%の間、特に25%から75%の間、好ましくは25%から70%の間、有利なことには30%から65%の間の質量含有率のLiFSIを含む、水溶液を得るために、工程a)と工程b)の間に濃縮工程a’)を含んでもよい。濃縮工程は、減圧下、50mbar absより低い(好ましくは、30mbar absより低い)圧力において、特に、25℃から60℃の間、例えば40℃の温度で、ロータリーエバポレーターを用いて行われてもよい。
【0034】
好ましくは、本発明による乾燥及び精製方法は、工程a’)を含む。工程a)の終了時に得られた水溶液の濃縮a’)の後、LiFSIの濃縮水溶液が得られる。
【0035】
次いで、工程a)、又は任意選択的な濃縮工程a’)又は別の任意選択的な中間工程の終了時に得られた水溶液中に含有されるLiFSIは、水と共沸混合物を形成する有機溶媒S2を用いた抽出によって回収され得る(工程b))。本発明による方法の工程b)は、特に、抽出後に、LiFSIを含有する、水で飽和された有機相(これは、有機溶媒S2中のLiFSIの溶液であり、前記溶液は水で飽和されている)をもたらす。
【0036】
抽出は、典型的には、水性相及び有機相(この場合、溶媒S2中のLiFSIの溶液)の分離を可能にする。
【0037】
工程b)は、有利なことには、別個である、水性相及び有機相の生成を可能にする。
【0038】
脱イオン水中に溶解したLiFSI塩を抽出するための溶媒S2は、有利なことには、
・LiFSI塩にとって良好な溶媒、すなわち、LiFSIが、LiFSIプラス溶媒の合計の総重量に対して、10重量%超若しくはそれに等しい溶解度を有し得るもの、及び/又は
・水に対してやや溶けにくいもの、すなわち、溶媒プラス水の合計の総重量に対して、1重量%未満若しくはそれに等しい溶解度を有するもの
である。
【0039】
一実施態様によれば、有機溶媒S2は、エステル、ニトリル、エーテル、塩素化溶媒及び芳香族溶媒、並びにそれらの混合物で構成される群から選ばれる。好ましくは、溶媒S2は、エーテル及びエステル、並びにそれらの混合物から選ばれる。例えば、メチルt−ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル及びジエチルエーテル、並びにそれらの混合物を挙げることができる。好ましくは、溶媒S2は、メチルt−ブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、酢酸エチル、酢酸プロピル及び酢酸ブチル、並びにそれらの混合物から選ばれる。
【0040】
好ましくは、有機溶媒S2は、酢酸ブチルである。
【0041】
抽出工程b)は、少なくとも1回、好ましくは1回から10回、特に4回繰り返される。次いで、有機相は、工程c)の前に単一の相へとプールされ得る。
【0042】
好ましくは、本発明による方法においては、工程b)中に抽出された有機相が、工程a)中に得られた有機相(一又は複数)とともにプールされることはない。
【0043】
それぞれの抽出に関して、使用される有機溶媒S2の質量の量は、水性相の質量の1/6倍から1倍の間の範囲であり得る。好ましくは、工程b)の抽出中の有機溶媒S2/水の質量比は、1/6から1/1の範囲であり、抽出回数は、特に、2回から10回の範囲である。
【0044】
好ましくは、抽出工程b)中に、有機溶媒S2は、工程a)(又は任意選択的な工程a’))の終了時に得られた水溶液に対して添加される。
【0045】
一実施態様によれば、有機相に溶解しているLiFSIの質量含有率は、溶液の総質量に対して、5質量%から35質量%の間、好ましくは10質量%から25質量%の間である。
【0046】
本発明による乾燥及び精製方法は、好ましくは、有機溶媒S2中のLiFSIの溶液であって、溶液の総質量に対して、20質量%から60質量%の間、好ましくは30質量%から50質量%の間の質量含有率のLiFSIを含む、溶液を得るために、工程b)と工程c)の間に濃縮工程c’)(予備濃縮)を含んでもよい。
【0047】
予備濃縮工程c’)は、25℃から60℃、好ましくは25℃から45℃の範囲の温度で、任意選択的に、減圧下、例えば50mbar absより低い圧力、特に30mbar absより低い圧力において行われてもよい。
【0048】
予備濃縮工程c’)は、減圧下、とりわけ40℃で、30mbar absより低い圧力において、ロータリーエバポレーターを用いて行われてもよい。
【0049】
一実施態様によれば、本発明による方法の工程c)は、(とりわけ、工程b)又は任意選択的な工程c’)の終了時に得られた)有機溶媒S2中のLiFSIの溶液を濃縮することで構成される。
【0050】
一実施態様によれば、濃縮工程c)は、有利なことには、LiFSIの分解を促進する高い温度を回避するように、減圧下、好ましくは200mbar absから0.5mbar absの間の圧力において、例えば2分から48時間の間、好ましくは5分から24時間の間、特に10分から2時間の間、行われる。例えば1000gの溶媒S2中のLiFSI溶液を濃縮するには、工程c)の持続期間は、とりわけ、45分から1時間15分の間である。濃縮工程の温度範囲は、30℃から100℃の間、好ましくは40℃から90℃の間であってもよい。
【0051】
特に、本発明による乾燥及び精製方法は、工程c)中に、工程b)の終了時に形成された有機相が、プールされ、30℃から100℃の間、好ましくは40℃から90℃の間の温度、及び200mbar absから0.5mbar absの間の圧力で蒸発させることによって濃縮されるようなものである。
【0052】
溶媒を蒸発させることによって濃縮するための任意の装置、特に、有利なことにはLiFSI塩の分解のリスクを低減するために、濃縮工程の持続期間を低減することを可能とする任意の装置を、使用することができる。例えば、ロータリーエバポレーター、薄膜式(「スクレイプトフィルム」としても公知である)エバポレーター、又は濃縮を可能にする任意の他の装置を挙げることができる。
【0053】
薄層式エバポレーターの中でも、とりわけ、Buss SMS Ganzler ex Luwa AG社、UIC GmbH社、又はVTA Process社によって販売されている薄層式エバポレーターを挙げることができる。
【0054】
好ましい実施態様によれば、濃縮工程c)は、減圧下、とりわけ30mbar abs未満の圧力で、薄膜式エバポレーターにおいて、90℃の特定の温度で、1時間の時間、とりわけ150gの溶液を濃縮するために行われる。
【0055】
本発明による乾燥及び精製方法は、有利なことには、45重量ppm未満又はそれに等しい、好ましくは40重量ppm未満又はそれに等しい水含有率を有するLiFSI塩を得ることを可能とする。本発明による方法は、有利なことには、Liイオン電池用の電解質における用途と適合性であるLiFSI塩の生成を可能にする。
【0056】
一実施態様によれば、水/溶媒共沸混合物は、概して、溶媒S2単独の沸点よりも低い沸点を有するため、これにより、有利なことには、LiFSI塩が分解される可能性を回避又は低減することが可能となる。本発明による方法において形成される水/溶媒共沸混合物は、有利なことには、水を取り除くことを可能とする。
【0057】
本発明によれば、上述の工程c)の終了時に、LiFSIは、固体形態、特に結晶形態、又は濃縮溶液の形態で得ることができ、濃縮溶液は、10重量%未満、好ましくは5重量%未満の残留溶媒を含む。
【0058】
一実施態様によれば、本発明による方法はまた、上述の工程c)の終了時に得られたリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩を結晶化する工程d)も含む。
【0059】
好ましくは、工程d)中に、LiFSIは、とりわけ25℃未満又はそれに等しい温度の低温条件下で結晶化される。
【0060】
好ましくは、LiFSIを結晶化する工程d)は、塩素化溶媒、例えばジクロロメタン及び芳香族溶媒、例えばトルエンから選ばれる有機溶媒S3(結晶化溶媒)中において、特に25℃未満又はそれに等しい温度で行われる。好ましくは、工程d)の終了時に結晶化されたLiFSIは、濾過によって回収される。
【0061】
好ましい実施態様によれば、本発明による方法は、工程a)と上述の工程c)との間に、濾過工程、特に、0.1から10μmの間のサイズを有する分子を濾過する工程を含まない。
【0062】
本発明による方法は、方法の上述の工程の間に中間工程を含んでもよい。好ましくは、方法は、上述の工程の間に中間工程を含まない。
【0063】
一実施態様によれば、有機溶媒S1に溶解しているリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩を乾燥及び精製するための方法は、以下の4つの工程:
a)有機溶媒S1中のLiFSIの溶液に対して脱イオン水を添加して、水中へのLiFSI塩の抽出を可能にする工程であって、好ましくは少なくとも1回繰り返される、工程、
a’)任意選択的に、前記水溶液を濃縮する工程、
b)水と共沸混合物を形成する有機溶媒S2を使用して、前記LiFSI塩を抽出する工程、
c)前記有機溶媒S2を、特に、共沸混合物である溶媒S2/水の存在に起因して、水を溶媒と同調させながら蒸発させることによって、LiFSIを濃縮する工程、及び
d)ビス(フルオロスルホニル)イミド塩を結晶化する工程
を含む。
【0064】
一実施態様によれば、本発明による乾燥及び精製方法は、以下の工程:
a)有機溶媒S1、とりわけ酢酸ブチル中のLiFSIの溶液に対して脱イオン水を添加して、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩を溶解及び抽出し、前記塩の水溶液を形成する工程であって、この工程は、好ましくは少なくとも1回繰り返され、
有機溶媒S1中のLiFSIの質量含有率が、特に、5%から55%の間である、工程、
a’)任意選択的に、工程a)の終了時に得られた溶液を濃縮して、20%から80%の間、好ましくは30%から65%の間のLiFSI含有率を有するLiFSIの水溶液を得る工程、
b)水と共沸混合物を形成する有機溶媒S2を用いて、前記水溶液からリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩を抽出する工程であって、少なくとも1回繰り返される、工程、
c’)任意選択的に、工程b)の終了時に得られた有機溶液を濃縮して、20%から60%の間のLiFSIの質量含有率を有する有機溶液を得る工程、
c)30℃から100℃の間、好ましくは40℃から90℃の間の温度、及び200mbar absから0.5mbar absの間の圧力で、前記有機溶媒S2及び水を蒸発させることによって、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩を濃縮する工程、
d)任意選択的に、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩を、塩素化溶媒、例えばジクロロメタン及び芳香族溶媒、例えばトルエンから選ばれる有機溶媒S3中において、25℃未満又はそれに等しい温度で結晶化する工程、
d’)任意選択的に、濾過してLiFSIを回収する工程
を含む。
【0065】
一実施態様によれば、本発明による乾燥及び精製方法は、以下の工程:
a)有機溶媒S1、とりわけ酢酸ブチル中のLiFSIの溶液に対して脱イオン水を添加して、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩を溶解及び抽出し、前記塩の水溶液を形成する工程であって、この工程は、好ましくは少なくとも1回繰り返され、
有機溶媒S1中のLiFSIの質量含有率が、特に、5%から55%の間である、工程、
a’)工程a)の終了時に得られた溶液を、とりわけ40℃、及び30mbar abs未満又はそれに等しい圧力で濃縮して、20%から80%の間、好ましくは30%から65%の間のLiFSI含有率を有するLiFSIの水溶液を得る工程、
b)水と共沸混合物を形成する有機溶媒S2を用いて、前記水溶液からリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩を抽出する工程であって、少なくとも1回繰り返される、工程、
c)30℃から100℃の間、好ましくは40℃から90℃の間の温度、及び200mbar absから0.5mbar absの間の圧力で、前記有機溶媒S2及び水を蒸発させることによって、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩を濃縮する工程、
d)リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩を、塩素化溶媒、例えばジクロロメタン及び芳香族溶媒、例えばトルエンから選ばれる有機溶媒S3中において、25℃未満又はそれに等しい温度で結晶化する工程、
d’)濾過してLiFSIを回収する工程
を含む。
【0066】
本発明による方法は、LiFSIであって、有利なことには、前記LiFSIの総質量に対して45質量ppm未満又はそれに等しい、特に40質量ppm未満又はそれに等しい水含有率を有する、LiFSIを得ることを可能とする。
【0067】
好ましくは、本発明による方法は、LiFSIであって、前記塩の総質量に対して、例えば5から45質量ppmの間、8から45質量ppmの間、9から45質量ppmの間、10から45質量ppmの間、12から45質量ppmの間、15から45質量ppmの間、20から45質量ppmの間、25から45質量ppmの間、30から45質量ppmの間、5から40の間、8から40質量ppmの間、9から40の間、10から40質量ppmの間、12から40質量ppmの間、15から40質量ppmの間、20から40質量ppmの間、25から40質量ppmの間、又は30から40質量ppmの間の質量割合の水を有する、LiFSIをもたらす。
【0068】
好ましくは、本発明による方法は、LiFSI塩であって、硫酸イオンの質量割合が、前記塩の総質量に対して、例えば200質量ppm未満若しくはそれに等しい、160質量ppm未満若しくはそれに等しい、150質量ppm未満若しくはそれに等しい、130質量ppm未満若しくはそれに等しい、120質量ppm未満若しくはそれに等しい、110質量ppm未満若しくはそれに等しい、100質量ppm未満若しくはそれに等しい、又は90質量ppm未満若しくはそれに等しい、LiFSI塩をもたらす。
【0069】
好ましくは、本発明による方法は、LiFSI塩であって、硫酸イオンの質量割合が、前記塩の総質量に対して、例えば5から200質量ppmの間、5から160質量ppmの間、5から150質量ppmの間、5から140質量ppmの間、5から130質量ppmの間、5から120質量ppmの間、5から110質量ppmの間、5から100質量ppmの間、5から80質量ppmの間、8から200質量ppmの間、8から160質量ppmの間、8から150質量ppmの間、8から140質量ppmの間、8から130質量ppmの間、8から120質量ppmの間、8から110質量ppmの間、8から100質量ppmの間、8から80質量ppmの間、10から160質量ppmの間、10から150質量ppmの間、10から140質量ppmの間、10から130質量ppmの間、10から120質量ppmの間、10から110質量ppmの間、10から100質量ppmの間、10から80質量ppmの間、15から160質量ppmの間、15から150質量ppmの間、15から140質量ppmの間、15から130質量ppmの間、15から120質量ppmの間、15から110質量ppmの間、15から100質量ppmの間、15から80質量ppmの間、20から200質量ppmの間、20から160質量ppmの間、20から150質量ppmの間、20から140質量ppmの間、20から130質量ppmの間、20から120質量ppmの間、20から110質量ppmの間、20から100質量ppmの間、20から80質量ppmの間、25から160質量ppmの間、25から150質量ppmの間、25から140質量ppmの間、25から130質量ppmの間、25から120質量ppmの間、25から110質量ppmの間、25から100質量ppmの間、又は25から80質量ppmの間である、LiFSI塩をもたらす。
【0070】
有利なことには、本発明による方法は、LiFSI塩であって、Cl
−の質量含有率が、前記塩の総質量に対して、50質量ppm未満又はそれに等しい、優先的には40質量ppm未満又はそれに等しい、LiFSI塩をもたらす。
【0071】
本発明による方法は、有利なことには、他の不純物の質量含有率が以下の通り:F
−≦200ppm(好ましくは≦50ppm)、FSO
3Li
−≦200ppm、FSO
2NH
2≦200ppm、CO
32−≦50ppm、ClO
3−≦50ppm、ClO
4−≦50ppm、NO
2−≦50ppm、NO
3−≦50ppm、Si≦40ppm、Mg≦10ppm、Fe≦10ppm、Ca≦10ppm、Pb≦10ppm、Cu≦10ppm、Cr≦10ppm、Ni≦10ppm、Al≦10ppm、Zn≦10ppm、及びNa≦10ppmである、LiFSIを得ることを可能とする。
【0072】
一実施態様によれば、本発明による方法は、有利なことには、LiFSI塩であって、
− 45ppm未満又はそれに等しい、好ましくは40ppm未満又はそれに等しい、好ましくは5から40ppmの間、好ましくは8から40ppmの間、特に10から40ppmの間、優先的には12から40ppmの間、例えば15から40ppmの間、とりわけ20から40ppmの間、有利なことには25から40ppmの間、さらにより有利なことには30から40ppmの間の質量含有率の水、
− 200ppm未満又はそれに等しい、特に160ppm未満又はそれに等しい、例えば150ppm未満又はそれに等しい、特に130ppm未満又はそれに等しい、優先的には120ppm未満又はそれに等しい、なおもより優先的には100ppm未満又はそれに等しい質量含有率の硫酸イオン、
− 50ppm未満又はそれに等しい質量含有率のCl
−、
− 200ppm未満又はそれに等しい、好ましくは50ppm未満又はそれに等しい質量含有率のF
−、
− 200ppm未満又はそれに等しい質量含有率のLiFSO
3、
− 200ppm未満又はそれに等しい質量含有率のFSO
2NH
2、
− 50ppm未満又はそれに等しい質量含有率のCO
32−、
− 50ppm未満又はそれに等しい質量含有率のClO
3−、
− 50ppm未満又はそれに等しい質量含有率のClO
4−、
− 50ppm未満又はそれに等しい質量含有率のNO
2−、
− 50ppm未満又はそれに等しい質量含有率のNO
3−、
− 40ppm未満又はそれに等しい質量含有率のSi、
− 10ppm未満又はそれに等しい質量含有率のMg、
− 10ppm未満又はそれに等しい質量含有率のFe、
− 10ppm未満又はそれに等しい質量含有率のCa、
− 10ppm未満又はそれに等しい質量含有率のPb、
− 10ppm未満又はそれに等しい質量含有率のCu、
− 10ppm未満又はそれに等しい質量含有率のCr、
− 10ppm未満又はそれに等しい質量含有率のNi、
− 10ppm未満又はそれに等しい質量含有率のAl、
− 10ppm未満又はそれに等しい質量含有率のZn、及び
− 10ppm未満又はそれに等しい質量含有率のNa
を含む、LiFSI塩をもたらす。
【0073】
本発明の方法に従って得られたLiFSI塩は、有利なことには、Liイオン電池の電解質における使用にとって好適である。
【0074】
本発明はまた、先に記載されたような精製及び乾燥方法によって得ることができるLiFSI塩、並びにLiイオン電池の電解質におけるそれらの使用にも関する。
【0075】
本発明はまた、上述の工程i)からiv)に加えて、本発明による乾燥及び精製方法の工程a)からd)を含む、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩を製造するための方法にも関する。
【0076】
第2の態様によれば、本発明は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩を調製するための方法であって、上述の乾燥及び精製方法の工程a)からd)の上流に、以下の工程i)からiv):
i)ビス(クロロスルホニル)イミドを合成する工程、
ii)ビス(クロロスルホニル)イミドをビス(フルオロスルホニル)イミドへとフッ素化する工程、
iii)ビス(フルオロスルホニル)イミドを中和することによって、ビス(フルオロスルホニル)イミドのアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩を調製する工程、
iv)カチオン交換して、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩を得る工程
を含む、方法に関する。
【0077】
一実施態様によれば、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩は、下に記載されるように調製される。
【0078】
一実施態様によれば、本発明は、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩を調製するための方法であって、以下の工程:
i)スルファミン酸からビス(クロロスルホニル)イミドを合成する工程、
ii)ビス(クロロスルホニル)イミドをビス(フルオロスルホニル)イミドへとフッ素化する工程、
iii)特に、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の炭酸塩、及びアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物から選ばれる塩基の水溶液を使用した、ビス(フルオロスルホニル)イミドの中和によって、ビス(フルオロスルホニル)イミドのアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩を調製する工程、
iv)カチオン交換して、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩を得る工程、
v)上に記載されるような工程a)からd)を含む、本発明による上述の乾燥及び精製方法
を含む、方法に関する。
【0079】
本発明によるリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩を調製するための方法は、有利なことには、LiFSI塩であって、前記塩の総質量に対して、45質量ppm未満又はそれに等しい、好ましくは40質量ppm未満又はそれに等しい質量含有率の水を有する、LiFSI塩をもたらす。
【0080】
工程i):ビス(クロロスルホニル)イミドの合成
2つのクロロスルホニル基を含有する化合物(A)(ビス(クロロスルホニル)イミド)は、スルファミン酸から、特に、以下のスキームに従って調製することができる。
【0081】
一実施態様によれば、反応温度は、30℃から150℃の間である。
【0082】
一実施態様によれば、反応時間は、1時間から7日の間である。
【0083】
一実施態様によれば、反応は、1bar absから7bar absの間の圧力で行われてもよい。
【0084】
一実施態様によれば、試薬は、クロロスルホン酸(ClSO
3H)、並びに塩化チオニル(SOCl
2)、塩化オキサリル(COCl)
2、五塩化リン(PCl
5)、三塩化ホスホニル(PCl
3)、三塩化ホスホリル(POCl
3)及びそれらの混合物から選ばれる塩素化剤であってもよい。
【0085】
本発明によれば、反応を加速させるために、第三級アミン、例えばメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルメチルアミンなど、ピリジン、及び2,6−ルチジンから選ばれる触媒を添加してもよい。
【0086】
一実施態様によれば、クロロスルホン酸とスルファミン酸の間のモル比は、1から5の間である。
【0087】
一実施態様によれば、塩素化剤とスルファミン酸の間のモル比は、2から5の間である。
【0088】
一実施態様によれば、試薬は、スルファミン酸、及び硫酸又は発煙硫酸、並びに塩化チオニル(SOCl
2)、塩化オキサリル(COCl)
2、五塩化リン(PCl
5)、三塩化ホスホニル(PCl
3)、三塩化ホスホリル(POCl
3)及びそれらの混合物から選ばれる塩素化剤であってもよい。反応を加速させるために、第三級アミン、例えばメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルメチルアミンなど、ピリジン、及び2,6−ルチジンから選ばれる触媒を添加してもよい。一実施態様によれば、硫酸(又は発煙硫酸)とスルファミン酸の間のモル比は、0.7から5の間である。一実施態様によれば、塩素化剤とスルファミン酸の間のモル比は、3から10の間である。
【0089】
工程ii):ビス(クロロスルホニル)イミドのビス(フルオロスルホニル)イミドへのフッ素化
LiFSI塩を調製するための方法は、とりわけ上述の工程i)の終了時に得られた式(A)の化合物を、少なくとも1種の有機溶媒中において、無水フッ化水素酸と反応させる、少なくとも1つの工程を含んでもよい。
【0090】
工程ii)は、とりわけ、化合物(A)の下に記載されるような化合物(B)へのフッ素化を可能にする。
【0091】
本発明による無水フッ化水素酸によるフッ素化工程は、以下の通りに概略的に表すことができる。
【0092】
好ましくは、上述の工程ii)において使用される溶媒は、1から70の間、有利なことには5から65の間のドナー数を特に有する有機溶媒である。溶媒のドナー数は−ΔHを表し、ΔHは、溶媒と五塩化アンチモンの間の相互作用のエンタルピーである(Journal of Solution Chemistry、第13巻、9号、1984)。とりわけ挙げることができる有機溶媒には、エステル、ニトリル又はジニトリル、エーテル又はジエーテル、アミン、及びホスフィンが含まれる。これらの組み合わせもまた、有機溶媒として使用することができる。
【0093】
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトニトリル、プロピオニトリル、イソブチロニトリル、グルタロニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、ピリジン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、ジエチルイソプロピルホスフィン、及びそれらの混合物が、溶媒としての使用にとって好適であり得る。
【0094】
好ましくは、溶媒は、水に対して可溶性の有機溶媒である。
【0095】
好ましくは、有機溶媒はジオキサンである。
【0096】
無水フッ化水素酸との反応工程は、0℃と、使用される溶媒又は溶媒混合物の沸点との間の温度Tで行うことができる。有利なことには、この温度は、5℃と、溶媒又は溶媒混合物の沸点との間である。
【0097】
無水フッ化水素酸との反応工程は、好ましくは0から16bar absの間の圧力Pで行うことができる。
【0098】
この工程は、好ましくは、無水HFとの反応の工程の前に、溶媒又は溶媒混合物中に式(A)の化合物を溶解させることによって行われる。
【0099】
式(A)の化合物と、溶媒又は溶媒混合物の間の質量比は、好ましくは0.001から10であり、有利なことには0.005から5である。
【0100】
一実施態様によれば、HFは、好ましくはガス形態で反応媒体中に導入される。
【0101】
HFと、使用される式(A)の化合物の間のモル比xは、好ましくは2から10の間であり、有利なことには2から5の間である。
【0102】
HFとの反応の工程は、閉鎖媒体において行われてもよく、又は開放媒体において行われてもよく、好ましくは、工程iii)は開放媒体において行われ、HClがガス形態で放出される。
【0103】
ドナー溶媒の使用は、特に、溶媒−HF複合体の形成を可能にするため、フッ素原子の求核性を増進する。そのような複合体の使用は、有利なことには、式(A)の化合物の穏やかなフッ素化を可能にするため、偽性切断反応を回避する。
【0104】
工程iii):ビス(フルオロスルホニル)イミドの中和による、ビス(フルオロスルホニル)イミド塩の調製
一実施態様によれば、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩を調製するための方法は、フッ素化工程ii)の終了時に、中和工程(工程iii))を含む。
【0105】
一実施態様によれば、中和工程は、式MCO
3・nH
2Oのアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の炭酸塩、又はアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物、MOH・nH
2O(Mは、一価のアルカリ金属又はアルカリ土類金属カチオン)から選ばれる塩基の水溶液を使用して行われる。好ましくは、MOHは、NaOH、KOH、RbOH、又はCsOHを表す。好ましくは、MCO
3は、Na
2CO
3、K
2CO
3、Rb
2CO
3、又はCs
2CO
3を表す。
【0107】
好ましくは、使用される塩基は、リチウムを含む塩基ではない。好ましくは、使用される塩基は、カリウムを含む。
【0108】
上述の工程iii)は、とりわけ、以下のスキームに従って行われる。
【0109】
好ましくは、中和工程は、pHが4超である(C)の溶液をもたらす。
【0110】
特に、溶媒中に溶解している残留HF及び/又は残留HClが、上に記載される塩基と反応して、それぞれ、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属のフッ化物MF(又はフッ化物MFの混合物)、又はアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の塩化物MCl(又は塩化物MClの混合物)を形成する。中和反応は、例えば、選ばれた塩基の水溶液を添加することによって行われ得る。塩基/化合物(B)のモル比は、例えば、塩基が水酸化物である場合は1から5であってもよく、又は塩基が炭酸塩である場合は0.5から5(又は2から10)であってもよい。反応温度は、例えば、−10℃から40℃の間であってもよい。
【0111】
本発明によれば、化合物(C)を含む水溶液は、次いで、濾過され得る。
【0112】
アルカリ金属又はアルカリ土類金属の性質に応じて、生成物(C)は、濾液中に存在してもよく、又は濾過された固体中に存在してもよい。アルカリ金属又はアルカリ土類金属のフッ化物は、とりわけ、濾過された固体中に存在するが、濾液中においても見出され得る。
【0113】
生成物(C)が主としてどこに見出されるかに応じて、生成物(C)を回収するための2つの異なる工程:工程R1又は工程R2が、工程iii)の終了時に使用され得る。
【0114】
第1の回収方法(工程R1)によれば、生成物(C)が主として水性相(濾液)中に含有されている場合、水性相を、以下のファミリー:エステル、ニトリル、エーテル、塩素化溶媒、芳香族溶媒、及びそれらの混合物から選ばれる有機溶媒を用いて抽出することができる。好ましくは、有機溶媒は、ジクロロメタン、酢酸エチル、酢酸ブチル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル及びジエチルエーテル、並びにそれらの混合物から選ばれる。特に、有機溶媒は酢酸ブチルである。
【0115】
それぞれの抽出に関して、使用される有機溶媒の質量の量は、水性相の質量の1/6倍から1倍の間の範囲であり得る。抽出回数は、2回から10回の間であり得る。好ましくは、抽出の結果として得られる有機相は、5質量%から50質量%の範囲の質量含有率のビス(フルオロスルホニル)イミド塩を有する。次いで、有機相は、5質量%から55質量%の間、好ましくは10質量%から50質量%の間のビス(フルオロスルホニル)イミド塩濃度に到達するように濃縮されてもよく、前記濃縮は、可能性としては、当業者に公知の任意の蒸発手段によって達成される。
【0116】
第2の回収方法(工程R2)によれば、生成物(C)が主にケーキ(濾過された固体)中に含有されている場合、以下のファミリー:エステル、ニトリル、エーテル、塩素化溶媒、芳香族溶媒、及びそれらの混合物から選ばれる有機溶媒を用いてケーキを洗浄することによって、生成物(C)を回収することができる。好ましくは、有機溶媒は、ジクロロメタン、酢酸エチル、酢酸ブチル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル及びジエチルエーテル、並びにそれらの混合物から選ばれる。特に、有機溶媒は酢酸ブチルである。
【0117】
使用される有機溶媒の質量の量は、ケーキの重量の1倍から10倍の間の範囲であり得る。洗浄を目的とした有機溶媒の総量は、とりわけ、生成物(C)の溶解を最適化する目的のために、単一のポーションで使用されてもよく、又はいくつかのポーションで使用されてもよい。好ましくは、抽出の結果として得られる有機相は、5質量%から50質量%の範囲の質量含有率のLiFSI塩を有する。次いで、有機相は、5質量%から55質量%の間、好ましくは10質量%から50質量%の間のビス(フルオロスルホニル)イミド塩濃度に到達するように濃縮されてもよく、前記濃縮は、可能性としては、当業者に公知の任意の蒸発手段によって達成される。
【0118】
好ましくは、化合物(C)は、M=Kであるようなものである。
【0119】
工程iv):リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩を得るためのカチオン交換
最終的なカチオン交換工程は、例えば、以下のスキームに従って行うことができる。
式中、M
1=Liであり、Xは、フッ化物イオン、塩化物イオン、炭酸イオン、水酸化物イオン、硫酸イオン、塩素酸イオン、過塩素酸イオン、亜硝酸イオン、又は硝酸イオンであり得る。
【0120】
塩M
1Xは、以下のファミリー:アルコール、ニトリル、及びカーボネートから選ばれる極性有機溶媒中に溶解され得る。とりわけ挙げることができる例には、メタノール、エタノール、アセトニトリル、炭酸ジメチル、及び炭酸エチルメチルが含まれる。この溶液は、以下のファミリー:エステル、ニトリル、エーテル、塩素化溶媒、芳香族溶媒、及びそれらの混合物から選ばれる有機溶媒中の生成物(C)の溶液中に注ぎ込まれてもよい。好ましくは、溶媒は、ジクロロメタン、酢酸エチル、酢酸ブチル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル及びジエチルエーテル、並びにそれらの混合物から選ばれる。好ましくは、溶媒は酢酸ブチルである。
【0121】
生成物(C)のM
1Xに対するモル比は変動する場合があり、それは、少なくとも1に等しく、5未満であり得る。好ましくはモル比、(C)/M
1Xは、1.2から2の間である。
【0122】
反応媒体は、1から24時間の間、例えば0から50℃の間の温度で、撹拌しながら放置してもよい。反応の最後に、沈殿した、形成されたMXを取り除くために、反応媒体を濾過してもよい。次いで、90℃未満又はそれに等しい沸点を有する塩M
1Xのための溶媒を取り除くために、濾液を濃縮してもよい。次いで、MXの沈殿物が再度形成される場合があり、濾過によって取り除いてもよい。この精製の手段によって、不純物Mの生成物(D)に対する相対的質量含有率は、有利なことには、500ppm未満又はそれに等しい。
【0123】
第1の実施態様によれば、濾過(一又は複数)後に得られた生成物(D)の溶液は、薄膜式エバポレーター、アトマイザー、ロータリーエバポレーター、又は溶媒を蒸発させるための任意の他の装置を用いて蒸発される。
【0124】
次いで、化合物(D)は、上に記載された本発明による精製及び乾燥方法であって、とりわけ、以下の工程:
a)脱イオン水を添加して、化合物(D)(リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩)の水溶液を形成する工程、
a’)任意選択的に、前記水溶液を濃縮する工程、
b)水と共沸混合物を形成する有機溶媒S2を使用して、前記水溶液からリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩を抽出する工程であって、少なくとも1回繰り返される、工程、
c)前記有機溶媒S2及び水を蒸発させることによって、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩を濃縮する工程、並びに
d)任意選択的に、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩を結晶化する工程
を含む、方法に供されてもよい。
【0125】
本発明の方法に従って精製された生成物(D)は、有利なことには、白色粉末の形態である。
【0126】
本発明はまた、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩であって、前記塩の総質量に対して、5から45質量ppmの間、好ましくは5から40質量ppmの間の質量含有率の水を含む、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩にも関する。
【0127】
本発明はまた、組成物Cであって、
− 組成物の総重量に対して、少なくとも99.80重量%、好ましくは少なくとも99.85重量%、有利なことには少なくとも99.90重量%、優先的には少なくとも99.95重量%のリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩(LiFSI)、及び
− 組成物Cの総質量に対して、5質量ppmから45質量ppmの間、好ましくは5から40質量ppmの間の水
を含む、組成物Cにも関する。
【0128】
本発明によるLiFSI塩においては(又は本発明による組成物Cにおいては)、水の質量割合は、前記塩の総質量に対して(又はそれぞれ、組成物Cの総質量に対して)、例えば8から45質量ppmの間、9から45質量ppmの間、10から45質量ppmの間、11から45質量ppmの間、12から45質量ppmの間、13から45質量ppmの間、14から45質量ppmの間、15から45質量ppmの間、16から45質量ppmの間、17から45質量ppmの間、18から45質量ppmの間、19から45質量ppmの間、20から45質量ppmの間、21から45質量ppmの間、22から45質量ppmの間、23から45質量ppmの間、24から45質量ppmの間、25から45質量ppmの間、26から45質量ppmの間、27から45質量ppmの間、28から45質量ppmの間、29から45質量ppmの間、30から45質量ppmの間、8から40質量ppmの間、9から40質量ppmの間、10から40質量ppmの間、11から40質量ppmの間、12から40質量ppmの間、13から40質量ppmの間、14から40質量ppmの間、15から40質量ppmの間、16から40質量ppmの間、17から40質量ppmの間、18から40質量ppmの間、19から40質量ppmの間、20から40質量ppmの間、21から40質量ppmの間、22から40質量ppmの間、23から40質量ppmの間、24から40質量ppmの間、25から40質量ppmの間、26から40質量ppmの間、27から40質量ppmの間、28から40質量ppmの間、29から40質量ppmの間、又は30から40質量ppmの間であり得る。
【0129】
本発明によるLiFSI塩においては(又は本発明による組成物Cにおいては)、硫酸イオンの質量割合は、前記塩の総質量に対して(又はそれぞれ、組成物Cの総質量に対して)、例えば200質量ppm未満若しくはそれに等しい、160質量ppm未満若しくはそれに等しい、150質量ppm未満若しくはそれに等しい、130質量ppm未満若しくはそれに等しい、120質量ppm未満若しくはそれに等しい、110質量ppm未満若しくはそれに等しい、100質量ppm未満若しくはそれに等しい、又は90質量ppm未満若しくはそれに等しい。
【0130】
本発明によるLiFSI塩においては(又は本発明による組成物Cにおいては)、硫酸イオンの質量割合は、前記塩の総質量に対して(又はそれぞれ、組成物Cの総質量に対して)、例えば5から200質量ppmの間、5から160質量ppmの間、5から150質量ppmの間、5から140質量ppmの間、5から130質量ppmの間、5から120質量ppmの間、5から110質量ppmの間、5から100質量ppmの間、5から80質量ppmの間、8から200質量ppmの間、8から160質量ppmの間、8から150質量ppmの間、8から140質量ppmの間、8から130質量ppmの間、8から120質量ppmの間、8から110質量ppmの間、8から100質量ppmの間、8から80質量ppmの間、10から160質量ppmの間、10から150質量ppmの間、10から140質量ppmの間、10から130質量ppmの間、10から120質量ppmの間、10から110質量ppmの間、10から100質量ppmの間、10から80質量ppmの間、15から160質量ppmの間、15から150質量ppmの間、15から140質量ppmの間、15から130質量ppmの間、15から120質量ppmの間、15から110質量ppmの間、15から100質量ppmの間、15から80質量ppmの間、20から200質量ppmの間、20から160質量ppmの間、20から150質量ppmの間、20から140質量ppmの間、20から130質量ppmの間、20から120質量ppmの間、20から110質量ppmの間、20から100質量ppmの間、20から80質量ppmの間、25から160質量ppmの間、25から150質量ppmの間、25から140質量ppmの間、25から130質量ppmの間、25から120質量ppmの間、25から110質量ppmの間、25から100質量ppmの間、又は25から80質量ppmの間であってもよい。
【0131】
一実施態様によれば、LiFSI塩(又は本発明による組成物C)は、前記塩の総重量に対して(又はそれぞれ、組成物Cの総重量に対して)、50重量ppm未満又はそれに等しい含有率のCl
−イオンを有する。
【0132】
特に、本発明によるLiFSI塩(又は本発明による組成物C)は、以下の不純物:F
−≦200ppm(好ましくは、≦50ppm)、FSO
3Li≦200ppm、FSO
2NH
2≦200ppm、CO
32−≦50ppm、ClO
3−≦50ppm、ClO
4−≦50ppm、NO
2−≦50ppm、NO
3−≦50ppm、Si≦40ppm、Mg≦10ppm、Fe≦10ppm、Ca≦10ppm、Pb≦10ppm、Cu≦10ppm、Cr≦10ppm、Ni≦10ppm、Al≦10ppm、Zn≦10ppm、及びNa≦10ppmを含む。
【0133】
好ましい実施態様によれば、本発明によるLiFSI(又は本発明による組成物C)は、
− 前記塩の総質量に対して(又はそれぞれ、組成物Cの総質量に対して)、5から45質量ppmの間、特に、例えば8から45質量ppmの間、9から45質量ppmの間、10から45質量ppmの間、11から45質量ppmの間、12から45質量ppmの間、13から45質量ppmの間、14から45質量ppmの間、15から45質量ppmの間、16から45質量ppmの間、17から45質量ppmの間、18から45質量ppmの間、19から45質量ppmの間、20から45質量ppmの間、21から45質量ppmの間、22から45質量ppmの間、23から45の間、24から45質量ppmの間、25から45の間、26から45質量ppmの間、27から45質量ppmの間、28から45質量ppmの間、29から45質量ppmの間、30から45質量ppmの間、又は30から40質量ppmの間の質量含有率の水、
− 前記塩の総質量に対して(又はそれぞれ、組成物Cの総質量に対して)、200質量ppm未満又はそれに等しい、例えば5から200質量ppmの間、5から160質量ppmの間、5から150質量ppmの間、5から140質量ppmの間、5から130質量ppmの間、5から120質量ppmの間、5から110質量ppmの間、5から100質量ppmの間、5から80質量ppmの間、8から200質量ppmの間、8から160質量ppmの間、8から150質量ppmの間、8から140質量ppmの間、8から130質量ppmの間、8から120質量ppmの間、8から110質量ppmの間、8から100質量ppmの間、8から80質量ppmの間、10から160質量ppmの間、10から150質量ppmの間、10から140質量ppmの間、10から130質量ppmの間、10から120質量ppmの間、10から110質量ppmの間、10から100質量ppmの間、10から80質量ppmの間、15から160質量ppmの間、15から150質量ppmの間、15から140質量ppmの間、15から130質量ppmの間、15から120質量ppmの間、15から110質量ppmの間、15から100質量ppmの間、15から80質量ppmの間、20から200質量ppmの間、20から160質量ppmの間、20から150質量ppmの間、20から140質量ppmの間、20から130質量ppmの間、20から120質量ppmの間、20から110質量ppmの間、20から100質量ppmの間、20から80質量ppmの間、25から160質量ppmの間、25から150質量ppmの間、25から140質量ppmの間、25から130質量ppmの間、25から120質量ppmの間、25から110質量ppmの間、25から100質量ppmの間、又は25から80質量ppmの間の質量含有率の硫酸イオン、並びに
− 50重量ppm未満又はそれに等しい質量含有率のCl
−、
− 200ppm未満又はそれに等しい、好ましくは50ppm未満又はそれに等しい質量含有率のF
−、
− 200ppm未満又はそれに等しい質量含有率のFSO
3Li、
− 200ppm未満又はそれに等しい質量含有率のFSO
2NH
2、
− 50ppm未満又はそれに等しい質量含有率のCO
32−、
− 50ppm未満又はそれに等しい質量含有率のClO
3−、
− 50ppm未満又はそれに等しい質量含有率のClO
4−、
− 50ppm未満又はそれに等しい質量含有率のNO
2−、
− 50ppm未満又はそれに等しい質量含有率のNO
3−、
− 40ppm未満又はそれに等しい質量含有率のSi、
− 10ppm未満又はそれに等しい質量含有率のMg、
− 10ppm未満又はそれに等しい質量含有率のFe、
− 10ppm未満又はそれに等しい質量含有率のCa、
− 10ppm未満又はそれに等しい質量含有率のPb、
− 10ppm未満又はそれに等しい質量含有率のCu、
− 10ppm未満又はそれに等しい質量含有率のCr、
− 10ppm未満又はそれに等しい質量含有率のNi、
− 10ppm未満又はそれに等しい質量含有率のAl、
− 10ppm未満又はそれに等しい質量含有率のZn、及び
− 10ppm未満又はそれに等しい質量含有率のNa
を含む。
【0134】
本発明はまた、Liイオン電池、とりわけLiイオン電池の電解質における、本発明によるLiFSI塩(又は本発明による組成物C)の使用にも関する。
【0135】
特に、本発明によるLiFSI塩(又は本発明による組成物C)は、モバイルデバイス(例えば携帯電話、カメラ、タブレット又はラップトップコンピューター)若しくは電気自動車のLiイオン電池において、又は再生可能エネルギー(例えば、光起電力又は風力エネルギーなど)を貯蔵するために使用することができる。
【0136】
LiFSI塩(又は本発明による組成物C)は、とりわけ、「ポケット」式の電池(「パウチ型電池」としても公知である)において使用することができる。
【0137】
LiFSI塩(又は本発明による組成物C)は、有利なことには、高温又は低温での用途において使用することができる。
【0138】
本発明によるLiFSI塩(又は本発明による組成物C)は、有利なことには、以下の利点:
− 電池の短絡、発火、又は爆発のリスクの低減、
− より長い有効寿命、
− 充電サイクルの回数の増加、
− 電池の構成要素、例えばAl集電体などの腐食の低減又はさらには排除、
− 電池、とりわけ「ポケット」式のフレキシブル電池(「パウチ型電池」として公知である)の膨張のリスクの低減、
− 高温及び/又は低温に対する良好な耐性
のうちの少なくとも1つを有する。
【0139】
本発明の文脈においては、「xからyの間」又は「xからyの範囲」という用語は、両方の限界値x及びyが含まれる範囲を意味する。例えば、「30から100℃の間」の温度は、とりわけ、30℃及び100℃という値を包含する。
【0140】
上に記載したすべての実施態様は、互いと組み合わせてもよい。特に、本発明の方法の任意の工程のそれぞれの実施態様は、別の特定の実施態様と組み合わせることができる。
【0141】
本発明について、後に続く実施例によって例証するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0142】
実施例1: 本発明による方法によって調製されたリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩の精製、及びそれにおける不純物の含有率の分析
リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩中に存在する様々な不純物について分析した。得られた結果を下に提示する。
【0143】
酢酸ブチル中のLiFSIの溶液の精製
830gの酢酸ブチル中に166gのLiFSI(これは、例えば、国際公開第2015/158979号に記載されている方法に従って得ることができる)を含有する溶液を取得する。この溶液を、真空下(圧力<30mbar abs)で40℃に加熱されたロータリーエバポレーターにおいて濃縮する。固形物量が34質量%である溶液が得られる。含有されるLiFSIの水抽出を3回行う(濃縮溶液(34質量%の固形物量)の質量に対して1/2の質量の水を添加し、次いで、濃縮溶液(34質量%の固形物量)の質量に対して1/3の質量の水を添加し、次いで、濃縮溶液(34質量%の固形物量)の質量に対して1/4の質量の水を添加する)。水性相をプールし(固形物量は18質量%である)、40℃の真空下(P<30mbar abs)で蒸発させることによって濃縮して、固形物量が32質量%である溶液を得る。LiFSIの回収収率は73%である。次いで、水中に溶解しているLiFSIを、水溶液の質量の1/4の酢酸ブチルにおける4回の連続抽出によって再抽出する。酢酸ブチル中のLiFSIの溶液が得られる(固形物量は約12%である)。LiFSIの抽出収率は62%である。
【0144】
LiFSIの乾燥
溶媒相抽出物をプールし、まず、減圧下(P<30mbar abs)で、40℃のロータリーエバポレーターにおいて濃縮する。固形物量が42%であるLiFSIの溶液が得られる。最終的な濃縮を、90℃の、0.04m
2の内部表面積を有する(Luwaタイプの)薄膜式エバポレーターにおいて、5mbar absの圧力下、1時間11分の時間、行う。低温になると結晶化した72gのLiFSIを得て、濾過によって回収し、その分析を下に提供する。
【0145】
Li、Na、及び提供されるリストの痕跡元素を定量化するためのサンプリング:
上に記載した方法に従って得られたリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド塩のサンプルを、超純水中に溶解させる。2つの希釈液:Na並びに痕跡量の元素、Ag、Al、As、Ba、Si、Cd、Co、Cr、Cu、Ni、Pb、Sb、Se、Sn、Sr、Ti及びZnの決定のための1g/l、並びにリチウムの分析のための0.1g/lを使用した。
【0146】
パノラマ式定性分析:
痕跡量の元素の「パノラマ式」半定量分析のために適用されるICP−AES(誘導結合プラズマ分光法)条件は:
− プラズマソースの出力パワー:1150W
− 噴霧ガスの流速:0.7L/分
− 冷却速度=16L/分
− トーチの高さ:12mm
− ポンプ速度:50rpm
− スペクトルバンド幅:7pmから200nm、ピクセル当たり3.5nm
− 波長範囲:167nmから847nm
である。
【0147】
Li、Naを測定するためのICP−AES定量化方法は、5つの較正点を使用した。ICP−AESデータは、ICAP 6500分光計(Thermo Electronics社)において得られる。
【0148】
痕跡量の元素、Ag、Al、As、Ba、Si、Cd、Co、Cr、Cu、Ni、Pb、Sb、Se、Sn、Sr、Ti、Znの分析の場合、半定量的方法は、2つの較正点に基づく。
【0149】
これら2つの方法のために、サンプリングを、マトリックス効果を最小化するためにサンプル自体に標準を添加することによって行う。
【0150】
ICP−AESは、元素Li及びNaの測定にとっては、水溶液におけるカチオンクロマトグラフィーよりも好ましい。
【0151】
イオンクロマトグラフィー(IC)におけるアニオンの分析のための条件は、以下の通り:
− Thermo ICS 5000 DUALマシン、
− AS16−HCカラム、
− 流速、1ml/分、
− 溶離液、20mmol/lのアイソクラチックKOH、
− 伝導度検出、
− 印加電流が50mAの、ASRS 4mmサプレッサー、
− 存在するアニオン種にとって必要とされる感受性に応じた、5g/l及び10g/lのLiFSI溶液25μlの注入、
− 0.1mg/lから最大25mg/lまでの範囲の5種の合成溶液による、それぞれのアニオン種の較正
である。
【0152】
1H及び
19F NMRにおける、例えばFSO
3Li及びFSO
2NH
2などのフッ素化種に関するNMR分析条件は、以下の通りである。
【0153】
機器:NMRスペクトル及び定量化は、Bruker AV 400分光計において、
19Fでは376.47MHzで、BBFO
+タイプの5mmプローブにおいて行った。
【0154】
サンプリング:サンプルを、DMSO−d6中に溶解させる(0.6ml中約30mg)。フッ化物を検出する場合又は望ましくないフッ化物の存在を確認する働きをするLiFを添加する場合、LiFのDMSOに対する不溶性に起因して、使用される溶媒はD
2Oである。
【0155】
定量化:フッ素−19 NMR(
19F NMR)における相対的定量化を、シグナルに寄与するフッ素の数で加重した、フッ素化種に関するシグナルの積分によって行う。これは、当業者には周知の方法である。
【0156】
19F NMRにおける絶対的定量化を、当業者には周知である方法に従って、サンプルを含有するチューブに対してα,α,α−トリフルオロトルエン(TFT、Aldrich社)を用量添加し、アッセイされるべきフッ素化種に関するシグナルを、この内部標準のCF
3のものと比較して積分することによって行う。種の定量限界は、ppmのおよそ50分の1である。
【0157】
水含有率:860 KF Thermoprep(Metrohm社の機器)に連結された684 KFクーロメーターにおいて、カールフィッシャーアッセイによって行われる。
【0158】
LiFSIの固体サンプルをグローブボックスに移して、好適なThermoprepボトルに入れる。これを50℃で30分間加熱した後、KF滴定装置のアッセイセル内に導入する。
得られた結果を表Iに提示する。
【0159】
本発明による精製及び乾燥方法は、有利なことには、低含有率、すなわち40ppm未満又はそれに等しい残留水分、及び低含有率の不純物を有するLiFSI塩を得ることを可能とする。例えば、硫酸イオン含有率は100ppm未満であり、とりわけ80ppmである。