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特許6989613クランプ工具を有する製造設備及びクランプ工具の曲げエッジの全長を適合させる方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6989613
(24)【登録日】2021年12月6日
(45)【発行日】2022年1月5日
(54)【発明の名称】クランプ工具を有する製造設備及びクランプ工具の曲げエッジの全長を適合させる方法
(51)【国際特許分類】
   B21D 5/04 20060101AFI20211220BHJP
   B21D 43/10 20060101ALI20211220BHJP
   B23Q 3/06 20060101ALI20211220BHJP
【FI】
   B21D5/04 J
   B21D43/10 A
   B23Q3/06 301K
   B23Q3/06 301C
【請求項の数】18
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2019-549611(P2019-549611)
(86)(22)【出願日】2017年12月4日
(65)【公表番号】特表2019-536637(P2019-536637A)
(43)【公表日】2019年12月19日
(86)【国際出願番号】AT2017060322
(87)【国際公開番号】WO2018102842
(87)【国際公開日】20180614
【審査請求日】2020年10月13日
(31)【優先権主張番号】A51105/2016
(32)【優先日】2016年12月6日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】509296085
【氏名又は名称】トルンプ マシーネン オーストリア ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル アウツィンガー
【審査官】 石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−117865(JP,A)
【文献】 特表2002−500566(JP,A)
【文献】 特表平10−507689(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第01797973(EP,A1)
【文献】 特開平03−066415(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 5/04
B21D 43/10
B23Q 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
曲げプロセスにおける変形により、特に揺動曲げ又は振動曲げによって、シートから工作物(2)を形成する製造設備(1)であって、
−固定の機械フレーム(7)、下方のクランプビーム(13)及び上方のクランプビーム(16)を備えた曲げ機械(3)を有し、その場合にクランプビーム(13、16)の少なくとも1つが、形成すべき工作物(2)をクランプ保持するために、機械フレーム(7)に対して変位可能であり、
−少なくとも1つの下方のクランプジョウ(5)及び、複数の第1の上方のクランプジョウ(6A)と少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウ(6B)とからなる上方のクランプジョウセット(43)を備えたクランプ工具(4)を有し、クランプジョウ(5、6)の各々がベースボディを有し、その場合に少なくとも1つの下方のクランプジョウ(5)が下方のクランプビーム(13)に保持されており、かつ上方のクランプジョウセット(43)の上方のクランプジョウ(6A、6B)が上方のクランプビーム(16)に保持されており、かつその場合に少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウ(6B)がクランプビーム(13、16)の長手方向の延びの方向において第1の終端セクション(46)に、そのベースボディに対して作業位置から引き抜き位置へ変位可能な第1のクランプジョウ部分(47)を有し、その場合に引き抜き位置において上方のクランプジョウセット(43)の長手方向の延びが、作業位置におけるよりも短く、かつ
−その場合に、上方のクランプビーム(6A、6B)が作業位置にある場合に、上方のクランプビームセット(43)によって、クランプビーム(13、16)の長手方向の延びの方向に整合する曲げエッジ(45)が形成されており、かつ各第1の上方のクランプジョウ(6A)によってそれぞれ曲げエッジ(45)の第1の部分曲げエッジ(53)が形成されており、かつ作業位置において少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウ(6B)によって第2の部分曲げエッジ(54)が形成されており、かつ
−曲げユニット(35)を有し、前記曲げユニット(35)が曲げプロセスを実施するためにクランプ工具(4)に対して変位可能である、
ものにおいて、
−少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウ(6B)が、さらに、クランプビーム(13、16)の長手方向の延びの方向において第1の終端セクション(46)から離隔して配置された第2の終端セクション(48)に、作業位置から引き抜き位置へ変位可能な第2のクランプジョウ部分(49)を有しており、
−クランプビーム(13、16)の長手方向の延びの方向において、少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウ(6B)のそれぞれ両側に、少なくとも1つの第1の上方のクランプジョウ(6A)が配置されており、かつ
−第1の上方のクランプジョウ(6A)が少なくとも、少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウ(6B)とは逆を向いた、その第1の終端領域(51)に、それぞれ第1のホーン(52)を有し、前記第1のホーン(52)が、第1の上方のクランプジョウ(6A)のそれぞれのベースボディを越えてクランプビーム(13、16)の長手方向の延びの方向に張り出すように形成されている、
ことを特徴とする製造設備。
【請求項2】
クランプジョウ部分(47、49)に、それぞれホーン形状に形成された突出部(50)が形成されており、かつ引き抜き位置においてクランプジョウ部分(47、49)によって、クランプビーム(13、16)の長手方向の延びの方向に、第2の上方のクランプジョウ(6B)の短縮された外側の長手寸法が定められている、ことを特徴とする請求項1に記載の製造設備(1)。
【請求項3】
引き抜き位置における第2の上方のクランプジョウ(6B)の短縮された外側の長手寸法が、第2の上方のクランプジョウ(6B)のベースボディの最大の長さに相当する、ことを特徴とする請求項2に記載の製造設備(1)。
【請求項4】
引き抜き位置において、少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウ(6B)のそれぞれ両側に位置する第1の上方のクランプジョウ(6A)が、それぞれ少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウ(6B)のベースボディの方向へ変位されている、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の製造設備(1)。
【請求項5】
第1の上方のクランプジョウ(6A)の少なくとも1つが、少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウ(6B)へ向いた、その第2の終端領域(55)に、それぞれクランプビーム(13、16)の長手方向の延びの方向にベースボディを越えて張り出す第2のホーン(56)を有している、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の製造設備(1)。
【請求項6】
上方のクランプジョウセット(43)の少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウ(6B)が、上方のクランプビーム(16)に関して固定の位置に配置されている、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の製造設備(1)。
【請求項7】
少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウ(6B)が、上方のクランプジョウセット(43)の中央領域内に配置されている、ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の製造設備(1)。
【請求項8】
上方のクランプジョウセット(43)の上方のクランプジョウ(6A、6B)の数が、作業位置において曲げエッジ(45)の全長が、第1の上方のクランプジョウ(6A)の第1の部分曲げエッジ(53)の個々の長さに第2の上方のクランプジョウ(6B)の第2の部分曲げエッジ(54)の長さを加えたものから形成される合計に相当するように、選択されており、かつこのように形成された合計が最大で、形成すべき工作物(2)において支持すべきクランプ長さの長手寸法に相当する、ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の製造設備(1)。
【請求項9】
作業位置と引き抜き位置とにおいて、上方のクランプジョウセット(43)の上方のクランプジョウ(6A、6B)の数が、互いに対して等しい、ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の製造設備(1)。
【請求項10】
クランプ工具(4)が、さらに、下方のクランプジョウセット(44)を有しており、下方のクランプジョウセット(44)が複数の第1の下方のクランプジョウ(5A)と少なくとも1つの第2の下方のクランプジョウ(5B)を有しており、かつ
少なくとも1つの第2の下方のクランプジョウ(5B)が両側の、クランプビーム(13、16)の長手方向の延びの方向に配置されたその第1と第2の終端セクション(46、48)に、それぞれ作業位置から引き抜き位置へ変位可能な第1と第2のクランプジョウ部分(47、49)を有している、
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の製造設備(1)。
【請求項11】
少なくとも1つの第2の下方のクランプジョウ(5B)の両側に、クランプビーム(13、16)の長手方向の延びの方向に、少なくとも1つの第1の下方のクランプジョウ(5A)が配置されている、ことを特徴とする請求項10に記載の製造設備(1)。
【請求項12】
曲げプロセスにおける変形により、特に揺動曲げ又は振動曲げによって、特に請求項1から11のいずれか1項に記載の製造設備(1)を使用して、シートから工作物(2)を形成する製造設備(1)のクランプ工具(4)のクランプジョウセット(43、44)の曲げエッジ(45)の全長を、適合させる方法であって、その場合に方法が以下のステップ、すなわち、
−固定の機械フレーム(7)、下方のクランプビーム(13)及び上方のクランプビーム(16)を有する曲げ機械(3)を準備するステップであって、クランプビーム(13、16)の少なくとも1つが、形成すべき工作物(2)を締めつけ保持するために、機械フレーム(7)に対して変位可能である、曲げ機械(3)を準備するステップと、
−少なくとも1つの下方のクランプジョウ(5)及び、複数の第1の上方のクランプジョウ(6A)と少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウ(6B)とを備えた上方のクランプジョウセット(43)を有するクランプ工具(4)を準備するステップであって、各クランプジョウ(5、6)がベースボディを有し、かつその場合に少なくとも1つの下方のクランプジョウ(5)が下方のクランプビーム(13)に保持されており、かつ上方のクランプジョウセット(43)の上方のクランプジョウ(6A、6B)が上方のクランプビーム(16)に保持されており、かつその場合に少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウ(6B)がクランプビーム(13、16)の長手方向の延びの方向において、第1の終端セクション(46)にそのベースボディに対して作業位置から引き抜き位置へ変位可能な第1のクランプジョウ部分(47)を有し、その場合に引き抜き位置においては、上方のクランプジョウセット(43)の長さ寸法が、作業位置におけるよりも短く形成されている、クランプ工具(4)を準備するステップと、を有し、
−上方のクランプジョウ(6A、6B)が作業位置にある場合に、上方のクランプジョウセット(43)によって、クランプビーム(13、16)の長手方向の延びの方向に整合する曲げエッジ(45)が形成され、かつその場合に各第1の上方のクランプジョウ(6A)によって、それぞれ曲げエッジ(45)の第1の部分曲げエッジ(53)が形成され、かつ作業位置における少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウ(6B)によって第2の部分曲げエッジ(54)が形成され、さらに、
−曲げユニット(35)を準備するステップであって、前記曲げユニット(35)が曲げプロセスを実施するためにクランプ工具(4)に対して変位可能である、曲げユニット(35)を準備するステップと、を有するものにおいて、
−少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウ(6B)がさらに、クランプビーム(13、16)の長手方向の延びの方向において第1の終端セクション(46)から離隔して配置された、その第2の終端セクション(48)に、作業位置から引き抜き位置へ変位可能な第2のクランプジョウ部分(49)を有し、
−少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウ(6B)のそれぞれ両側に、クランプビーム(13、16)の長手方向の延びの方向に、少なくとも1つの第1の上方のクランプジョウ(6A)が配置されており、かつ
−第1の上方のクランプジョウ(6A)が少なくとも、少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウ(6B)とは逆の、その第1の終端領域(51)にそれぞれ第1のホーン(52)を有しており、前記第1のホーン(52)が第1の上方のクランプジョウ(6A)のベースボディを越えてクランプビーム(13、16)の長手方向の延びの方向に張り出すように形成されている、
ことを特徴とする方法。
【請求項13】
クランプジョウ部分(47、49)にそれぞれホーン形状に形成された突出部(50)が形成されており、かつ引き抜き位置におけるクランプジョウ部分(47、49)によって、クランプビーム(13、16)の長手方向の延びの方向における第2の上方のクランプジョウ(6B)の短縮された外側の長手寸法が定められる、ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
引き抜き位置における第2の上方のクランプジョウ(6B)の短縮された外側の長手寸法が、第2の上方のクランプジョウ(6B)のベースボディの最大の長さに相当する、ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
引き抜き位置を形成するために、少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウ(6B)のそれぞれ両側に位置する第1の上方のクランプジョウ(6A)が、それぞれ少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウ(6B)のベースボディの方向へ変位されている、ことを特徴とする請求項12から14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
第1の上方のクランプジョウ(6A)の少なくとも1つのものの、少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウ(6B)へ向いた第2の終端領域(55)に、それぞれクランプビーム(13、16)の長手方向の延びの方向にベースボディを越えて張り出す第2のホーン(56)が設けられている、ことを特徴とする請求項12から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
上方のクランプジョウセット(43)の少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウ(6B)が、上方のクランプビーム(16)に関して固定の位置に配置されている、ことを特徴とする請求項12から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
上方のクランプジョウセット(43)の上方のクランプジョウ(6A、6B)の数が次のように、すなわち作業位置において曲げエッジ(45)の全長が、第1の上方のクランプジョウ(6A)の第1の部分曲げエッジ(53)の個々の長さに第2の上方のクランプジョウ(6B)の第2の部分曲げエッジ(54)の長さを足して形成される合計に相当するように、選択されており、かつそのように形成された合計が最大で、形成すべき工作物(2)において支援すべきクランプ長さの長手寸法に相当する、ことを特徴とする請求項12から17のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、曲げプロセスにおける変形により、特に揺動曲げ又は振動曲げによってシートから工作物を形成するための製造設備に関する。しかし本発明は、さらに、曲げプロセスにおける変形により、特に揺動曲げ又は振動曲げによって、シートから工作物を形成する製造設備のクランプジョウセットの曲げエッジの全長を適合させる方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
この種概念に基づいて形成された曲げ機械が、特許文献1(独国特許出願公開第19635106(A1)号明細書)から知られている。曲げ機械は、1つの曲げ側面及び工作物を挟持するための第1と第2のクランプ側面を有している。クランプ側面の1つは、クランプ工具セットの選択可能に配置された第1と第2のクランプ工具セグメントを有している。クランプ工具セットの両側には、それぞれ第2のクランプ工具セグメントが配置されており、その第2のクランプ工具セグメントがクランプ工具セットに対して締めつけ位置から進入位置へ変位可能なソール部分を有している。その場合に欠点があって、クランプ長さもしくはクランプ工具セットによって形成される曲げエッジを適合させるために、外側に配置された2つの第2のクランプ工具セグメントの間にある第1のクランプ工具セグメントの各々をクランプ工具セットから取り出し、あるいは挿入しなければならない。その場合には大体において、多大な組み替えの手間を実施しなければならない。
【0003】
種概念に基づいて形成された他の曲げ機械が、特許文献2(国際公開第98/53929(A1)号)から知られている。この曲げ機械は、1つの曲げ側面と、工作物を挟持するための第1と第2のクランプ側面を有している。クランプ側面の1つは、同様にクランプ工具セットの選択可能に配置された第1と第2のクランプ工具セグメントを有している。それぞれ外側に配置されている第2のクランプ工具セグメントは、それぞれそのベースボディに対して締めつけ位置から進入位置へ変位可能なソール部分を有している。ここでも欠点があって、クランプ長さもしくはクランプ工具セットによって形成される曲げエッジを適合させるために、外側に配置された2つの第2のクランプ工具部材の間に位置する第1のクランプ工具部材の各々をクランプ工具セットから取り出し、あるいは挿入しなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開第19635106(A1)号明細書
【特許文献2】国際公開第98/53929(A1)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、従来技術の欠点を克服して、ユーザーが様々な要請のためにクランプジョウセットを簡単かつ迅速な組み合わせることができる、製造設備及び方法を提供することである。
【0006】
この課題は、請求項に記載の製造設備及び方法によって解決される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る製造設備は、曲げプロセスにおける変形により、特に揺動曲げ又は振動曲げによって、シートから工作物を形成するために用いられる。この製造設備は、少なくとも以下の設備部分又はコンポーネントを有することができる:
−固定の機械フレーム、下方のクランプビーム及び上方のクランプビームを備えた曲げ機械を有し、その場合にクランプビームの少なくとも1つが、形成すべき工作物をクランプ保持するために、機械フレームに対して変位可能であり、
−少なくとも1つの下方のクランプジョウ及び、複数の第1の上方のクランプジョウと少なくとも1つの第1の上方のクランプジョウとからなる上方のクランプジョウセットを備えたクランプ工具を有する。クランプジョウの各々は、ベースボディを有しており、その場合に少なくとも1つの下方のクランプジョウが下方のクランプビームに保持されており、かつ上方のクランプジョウセットの上方のクランプジョウが上方のクランプビームに保持されている。少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウが、クランプビームの長手方向の延びの方向において第1の終端セクションに、そのベースボディに対して作業位置から引き抜き位置へ変位可能な第1のクランプジョウ部分を有し、その場合に引き抜き位置において上方のクランプジョウセットの長手寸法が、作業位置におけるよりも短く、かつ
−その場合に、上方のクランプビームが作業位置にある場合に、上方のクランプジョウセットによって、クランプビームの長手方向の延びの方向に整合する曲げエッジが形成され、かつ各第1の上方のクランプジョウによって、それぞれ曲げエッジの第1の部分曲げエッジが形成されており、かつ作業位置において、少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウによって、第2の部分曲げエッジが形成されており、
−曲げユニットを有し、その曲げユニットが曲げプロセスを実施するためにクランプ工具に対して変位可能であり、かつ
−少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウが、さらに、クランプビームの長手方向の延びの方向において第1の終端セクションから離隔して配置された、その第2の終端セクションに、作業位置から引き抜き位置へ変位可能な第2のクランプジョウ部分を有しており、かつ
−少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウのそれぞれ両側に、クランプビームの長手方向の延びの方向において、少なくとも1つの第1の上方のクランプジョウが配置されており、かつ
−第1の上方のクランプジョウが少なくとも、少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウとは逆向きの第1の終端領域に、それぞれ第1のホーンを有し、その第1のホーンが第1の上方のクランプジョウのそれぞれのベースボディを越えてクランプビームの長手方向の延びの方向に張り出すように形成されている。
【0008】
それによって得られる利点は、ベースボディに対して作業位置から引き抜き位置へ変位可能なクランプジョウ部分を両側に設けることによって、それぞれその両側に配置されている第1の上方のクランプジョウと、それらの間に配置されている第2の上方のクランプジョウとの間に変位間隙を形成できることにある。それによって、上方のクランプ工具のクランプ長さを簡単かつ迅速に様々な適用条件に適合させることが、可能となる。それぞれクランプジョウセットの外側の第1の上方のクランプジョウもそれぞれ付加的なホーンを有しているので、クランプ長さもしくは形成すべき曲げエッジの全長は、第1の上方のクランプビームを簡単に側方で追加し、あるいは除去することによって、行うことができる。第2のクランプジョウは、クランプビームに関して常に変化しない位置に留まる。形成すべき工作物のクランププロセスの開始前に、上方のクランプジョウセットが、その短縮された引き抜き位置へ変位され、かつさらにクランププロセスの開始前に、それに対して延長された、形成すべき工作物の内部の作業位置へ変位される。そのために、第2の上方のクランプジョウの近傍領域内に位置する第1の上方のクランプジョウが次のように、すなわち第2の上方のクランプジョウから、相対的に変位可能なクランプジョウ部分がその短縮された引き抜き位置からそれに対して各第された長さ寸法を有する作業位置へ変位できる距離だけ、変位される。曲げビームの長手方向の延びの方向に実施すべき変位運動は、たとえばスライド運動によって行うことができる。上方のクランプジョウセットがその作業位置にある場合に、個々の上方のクランプジョウはクランプビームの固定位置に保持することができ、かつ形成すべき工作物のクランププロセスを実施することができる。工作物のクランプが行われた場合に、曲げプロセスを開始することができる。すなわち最短かつ第2のクランプジョウに関して中央で実施される変位運動で充分である。
【0009】
さらに、クランプジョウ部分にそれぞれホーン形状に形成された突出部が形成されており、かつ引き抜き位置においてクランプジョウ部分によって、クランプビームの長手方向の延びの方向において第2の上方のクランプジョウの短縮された外側の長手寸法が定められると、効果的であり得る。それによって簡単に、作業位置においてクランプビームの長手方向の延びの方向にクランプジョウ部分の張り出しを得ることができる。クランプジョウ部分を相対的に変位させることにより、ホーン形状の突出部はそれぞれ、ベースボディの輪郭ラインの内部で、第2の上方のクランプジョウの両側に変位間隙を形成することができる程度に変位することができる。
【0010】
他の実施形態は、引き抜き位置において第2の上方のクランプジョウの短縮された外側の長さ寸法が、第2の上方のクランプジョウのベースボディの最大の長さに相当することを、特徴としている。したがって最大の変位距離を得るために、第2の上方のクランプジョウのそれぞれ両側に位置する第1の上方のクランプジョウを、第2の上方のクランプジョウのベースボディに直接添接させることが、可能である。
【0011】
他の可能な実施形態は、引き抜き位置において、少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウのそれぞれ両側に位置する第1の上方のクランプジョウが、それぞれ少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウのベースボディの方向に変位されている、という特徴を有している。したがってそれぞれクランプジョウセットの外側の端縁領域内に、引き抜きプロセスに必要な、工作物、特にそのアンダーカット、へ向いた間隙を形成することができる。
【0012】
他の形成において、第1の上方のクランプジョウの少なくとも1つは、少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウへ向いた、その第2の終端領域に、それぞれクランプビームの長手方向の延びの方向においてベースボディを越えて張りだす第2のホーンを有している。したがって第1の上方のクランプジョウのユニバーサル使用を得ることができる。すなわちそれによって、左と右の形態を設けることを省くことができる。というのはこのように形成された第1の上方のクランプジョウは、第2の上方のクランプジョウの左側にも右側にも使用することができるからである。
【0013】
他の実施形態は、上方のクランプジョウセットの少なくとも1つの第2のクランプジョウが、上方のクランプビームに関して場所固定の位置に配置されていることを、特徴としている。第2の上方のクランプジョウを場所固定で位置決めすることによって、それに相対変位可能なクランプジョウ部分を調節するためのエネルギを供給することは、同様に簡単に固定場所に位置決めして行うことができる。
【0014】
他の好ましい実施形態は、少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウが、上方のクランプジョウセットの中央領域内に配置されていることを、特徴としている。それによって第2の上方のクランプジョウの両側に配置される第1の上方のクランプジョウの対称の配置を行うことができる。
【0015】
さらに、上方のクランプジョウセットの上方のクランプジョウの数が次のように、すなわち作業位置において曲げエッジの全長が、第1の上方のクランプジョウの第1の部分曲げエッジの個々の長さと第2の上方のクランプジョウの第2の部分曲げエッジの長さとから形成される合計に相当し、かつこのように形成された合計が最大で、形成すべき工作物において支援すべきクランプ長さの長手寸法に相当するように、選択されていると、効果的であり得る。したがってほぼ又は完全につながったクランプ長さ及びその結果、実施すべき曲げプロセスのためのほぼ一貫した曲げエッジを提供することができる。
【0016】
他の代替的な実施形態は、作業位置と引き抜き位置において、上方のクランプジョウセットの上方のクランプジョウの数が、互いに等しいことを特徴としている。それによって、個々のクランプジョウを追加し、あるいは除去するような、付加的な操作プロセスを省くことができる。したがってさらに、作業位置と引き抜き位置との間の迅速な切替えを達成することもできる。
【0017】
他の可能な、場合によっては代替的な実施形態は、クランプ工具がさらに、下方のクランプジョウセットを有し、下方のクランプジョウセットが複数の第1の下方のクランプジョウと少なくとも1つの第2の下方のクランプジョウとを有し、かつ少なくとも1つの第2の下方のクランプジョウが両側の、クランプビームの長手方向の延びの方向に配置された、その第1と第2の終端セクションに、それぞれ作業位置から引き抜き位置へ変位可能な第1と第2のクランプジョウ部分を有するという、特徴を有している。したがって、下方のクランプジョウセットの領域内でも、様々な曲げプロセスへの個別の適合を、簡単に実施することが、可能である。
【0018】
他の形成においては、少なくとも1つの第2の下方のクランプジョウのそれぞれ両側に、クランプビームの長手方向の延びの方向に、少なくとも1つの第1の下方のクランプジョウが配置されている。それによってここでも、第2の下方のクランプジョウを、それぞれその隣に配置されている第1の下方のクランプジョウの間の中央に配置することができる。
【0019】
それとは関係なく、本発明の課題は、曲げプロセスにおける変形により、特に揺動曲げ又は振動曲げによって、シートから工作物を形成するための、製造設備のクランプ工具のクランプジョウセットの曲げエッジの全長を適合させる方法によっても、少なくとも以下のステップが実施されることによって、解決される:
−少なくとも1つの下方のクランプジョウ及び、複数の第1の上方のクランプジョウと少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウとを備えた上方のクランプジョウセットを有するクランプ工具を準備し、その場合にクランプジョウの各々が、ベースボディを有している。少なくとも1つの下方のクランプジョウが、下方のクランプビームに保持されており、かつ上方のクランプジョウセットの上方のクランプジョウは、上方のクランプビームに保持されている。少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウは、クランプビームの長手方向の延びの方向において第1の終端セクションに、そのベースボディに対して作業位置から引き抜き位置へ変位可能な第1のクランプジョウ部分を有しており、その場合に引き抜き位置においては、上方のクランプジョウセットの長さ寸法は、作業位置におけるよりも短く形成されており、かつ
−その場合に上方のクランプジョウが作業位置にある場合に、上方のクランプジョウセットによって、クランプビームの長手方向の延びの方向に整合する曲げエッジが形成される。第1の上方のクランプジョウの各々によって、それぞれ曲げエッジの第1の部分曲げエッジが形成され、かつ少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウによって、作業位置において、第2の部分曲げエッジが形成され、かつ
−曲げユニットを準備し、その曲げユニットが、曲げプロセスを実施するためにクランプ工具に対して変位可能であり、かつ
−少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウが、さらに、クランプビームの長手方向の延びの方向に、第1の終端セクションから離隔して配置された第2の終端セクションに、作業位置から引き抜き位置へ変位可能な第2のクランプジョウ部分を有しており、かつ
−少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウのそれぞれ両側に、クランプビームの長手方向の延びの方向に、少なくとも1つの第1の上方のクランプジョウが配置されており、かつ
−第1の上方のクランプジョウが少なくとも、少なくとも1つの第2のクランプジョウとは逆向きの、その第1の終端領域に、それぞれ第1のホーンを有しており、その第1のホーンが、クランプビームの長手方向の延びの方向にベースボディを越えて張りだすように形成されている。
【0020】
ここに述べた方法ステップにおいて、好ましくは、ベースボディに対して作業位置から引き抜き位置へ変位可能なクランプジョウ部分を両側に設けることによって、それぞれその両側に配置されている第1の上方のクランプジョウと、それらの間に配置された第2の上方のクランプジョウとの間に、変位間隙を形成することができる。それによって、上方の工具セットのクランプ長さを簡単かつ迅速に、様々な適用条件に適合させることが、可能になる。クランプジョウセットのそれぞれ外側で第1の上方のクランプジョウも、それぞれ付加的なホーンを有しているので、形成すべき曲げエッジのクランプ長さもしくは全長を、第1の上方のクランプジョウを側方で簡単に追加し、あるいは除去することによって、行うことができる。第2のクランプジョウは、クランプビームに関して常に変化しない位置に留まる。形成すべき工作物の曲げプロセスの開始前に、上方のクランプジョウセットがその短縮された引き抜き位置へ変位され、かつまだクランププロセスが開始される前に、それに対して延長された、形成すべき工作物の内部の作業位置へ変位される。そのために、第2の上方のクランプジョウの近傍領域内に位置する第1の上方のクランプジョウが、その第2の上方のクランプジョウから、相対的に変位可能なクランプジョウ部分がその短縮された引き抜き位置からそれに対してより大きい長手寸法を有する作業位置へ変位できる距離だけ、変位される。曲げビームの長手方向の延びの方向に実施すべき変位運動は、たとえばスライド運動によって行うことができる。上方のクランプビームセットがその作業位置にある場合に、個々の上方のクランプジョウは固定位置に位置決めしてクランプビームに保持することができ、かつ形成すべき工作物のクランププロセスを実施することができる。工作物のクランプが行われた場合に、曲げプロセスを開始することができる。すなわち最短かつ第2のクランプジョウに関して中央で実施される変位運動で、充分である。
【0021】
さらに好ましいやり方において、クランプジョウ部分はそれぞれホーン形状に形成された突出部によって形成されており、かつ引き抜き位置において、クランプジョウ部分によって、クランプビームの長手方向の延びの方向に、第2の上方のクランプジョウの短縮された外側の長手寸法が定められる。それによって簡単に、作業位置においてクランプビームの長手方向の延びの方向にクランプジョウ部分を張り出させることができる。クランプジョウ部分の相対変位によって、ホーン形状の突出部はそれぞれベースボディの輪郭ラインの内部で、第2の上方のクランプジョウの両側に変位間隙を形成することができる距離だけ、変位することができる。
【0022】
他の好ましいやり方は、引き抜き位置における第2の上方のクランプジョウの短縮された外側の長手寸法が、第2の上方のクランプジョウのベースボディの最大の長手寸法に相当することを、特徴としている。それによって、第2の上方のクランプジョウのそれぞれ両側に位置する第1の上方のクランプジョウが、最大の変位距離を得るために、第2の上方のクランプジョウのベースボディに直接添接することが、可能になる。
【0023】
また好ましいやり方において、引き抜き位置を形成するために、少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウのそれぞれ両側に位置する第1の上方のクランプジョウは、少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウのベースボディの方向へ変位される。したがってそれぞれクランプジョウセットの外側の端縁領域内に、工作物、特にそのアンダーカットへ向かって、引き抜きプロセスに必要な間隙を形成することができる。
【0024】
他のやり方は、第1の上方のクランプジョウの少なくとも1つが、少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウへ向いた、その第2の終端領域に、クランプビームの長手方向の延びの方向にベースボディを越えて張りだす第2のホーンを有していることを、特徴としている。それによって、第1の上方のクランプジョウのユニバーサルな使用を得ることができる。すなわちそれによって、左と右の形態を省くことができる。とうのは、このように形成された第1の上方のクランプジョウは、第2の上方のクランプジョウの左側にも、右側にも使用することができるからである。
【0025】
さらに好ましいやり方において、上方のクランプジョウセットの少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウは、上方のクランプビームに関して固定の位置に配置される。第2の上方のクランプジョウを固定場所に位置決めすることによって、そのクランプジョウに、相対変位可能なクランプジョウ部分を変位させるためのエネルギを供給することは、同様に簡単に固定場所に位置決めして行うことができる。
【0026】
他の好ましいやり方は、上方のクランプジョウセットの上方のクランプジョウの数が、作業位置において曲げエッジの全長が、第1の上方のクランプジョウの第1の部分曲げエッジの個々の長さと、第2の上方のクランプジョウの第2の部分曲げエッジの長さとから形成される合計に相当するように、選択され、かつこのように形成される合計が最大で、形成すべき工作物において支援すべきクランプ長さの長手寸法に相当することを、特徴としている。したがってほぼ、あるいは完全につながったクランプ長さを、そしてその結果、実施すべき曲げプロセスのためのほぼ一貫した曲げエッジを提供することができる。
【0027】
本発明をさらによく理解するために、以下の図を用いて詳細に説明する。
図は、それぞれ著しく簡略化された図式的な表示である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】曲げ機械及び離隔した載置テーブルと離隔した操作装置を有する製造設備を示す正面図である。
図2】載置テーブルと操作装置を有する、図1に示す製造設備を示す側面図である。
図3】製造設備の上方のクランプジョウセットをその作業位置で示す正面図である。
図4図3に示す上方のクランプジョウセットをその短縮された引き抜き位置において示す正面図である。
図5】下方のクランプジョウセットの可能な代替的形成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
最初に記録しておくが、異なるように記載される実施形態において、同一の部分には同一の参照符号ないし同一の構成部分名称が設けられており、その場合に説明全体に含まれる開示は、同一の参照符号ないし同一の構成部分名称を有する同一の部分へ意味に従って移し替えることができる。また、説明内で選択される、たとえば上、下、側方などのような位置記載は、直接説明され、かつ示される図に関するものであって、この位置記載は位置が変化した場合には意味に従って新しい位置へ移し替えられる。
【0030】
その場合に「特に」という表現は、以下においては、対象又は方法ステップの可能な特殊な形態又はより詳細な特殊化と考えることができるが、必ずしもその必然的な好ましい実施形態又はやり方を示すものではない。
【0031】
図1から5には、製造設備1がその構成部分及び構成部分コンポーネントと共に示されており、その場合に図のいくつかおいて製造設備1の全体像がみられ、かつ他の図においてはその詳細が詳しく図示されている。
【0032】
図1と2には、製造設備1が著しく簡略化された表示で示されており、製造設備はこの場合において特に、シートから形成すべき工作物2を揺動曲げ又は振動曲げするように形成されている。原材料として、多くは金属材料が使用され、その金属材料は変形されていない状態においてフラット材料又はフラット部材と称することができる。揺動曲げ又は振動曲げする場合に、加工すべきシート又は加工すべき工作物2はクランプジョウ5、6によって締めつけ保持されて、後に簡単に説明する、曲げ工具37を有する専用の曲げユニット35によって屈曲される。
【0033】
曲げ領域の少なくとも1つの端部にアンダーカットを有する、加工すべきシート又は形成すべき工作物2を締めつけ保持するためには、クランプジョウ5、6の部分セクションを変位可能に形成し、あるいはまたクランプジョウ5、6の少なくとも1つ自体を変位可能に保持し、あるいは位置決めすることが、必要である。好ましくは上方のクランプジョウ6を、クランプジョウ5、6の領域内に位置する側方のアンダーカット内へ移動させ、次にまたアンダーカットから出るように変位させるために、クランプジョウ5、6の少なくとも1つに、後でさらに詳細に説明するように、変位可能なクランプジョウ部分が形成される。工作物2の左側と右側のアンダーカットが、図1に簡単に示唆されている。
【0034】
この場合において曲げるために使用される、後述する製造設備1は曲げ機械3、特に揺動曲げ機械を有しており、同機械は、シートから形成すべき工作物2又は作業部分を互いに対して変位可能なクランプ工具4の間に締めつけ保持するように、形成されている。クランプ工具4は、この実施例において、少なくとも1つの下方のクランプジョウ5、しかし好ましくは大体において複数の下方のクランプジョウ5と、それと協働する少なくとも1つの上方のクランプジョウ6、しかし好ましくは大体において複数の上方のクランプジョウ6とを有している。1つ又は複数の下方のクランプジョウ5は、下側面の一部と、そして1つ又は複数の上方のクランプジョウ6は、上側面の一部と称することもできる。さらに、下方のクランプジョウ5は1つの片からつながって形成することもできる。
【0035】
この種の曲げ機械3においては、座標系として原則的に「X」方向と称されるのは、水平平面内かつクランプジョウ5、6の長手方向の延びに関して垂直の方位で延びる方向である。したがってこれは、供給方向又は取り出し方法にも相当する方向である。「Y」方向は垂直方向であって、したがってそれはクランプジョウ5、6の高さ方向に、かつさらに水平方向に対して垂直の方向に延びる。そして、「Z」方向は、長手方向もしくはクランプジョウ5、6の長手方向の延びの方向に延びる方向である。したがって後にさらにクランプジョウ5、6の少なくとも1つによって定められる曲げエッジ45の長手方向の延びも、「Z」方向に延びるように方向づけされている。
【0036】
図1からよく読み取れるように、複数の上方のクランプジョウ6が設けられており、その場合にさらに、少なくとも1つの第1の上方のクランプジョウ6Aと少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウ6Bの間で区別される。少なくとも2つの片、しかし好ましくは複数の第1の上方のクランプジョウ6Aが設けられており、それらはそれぞれ第2の上方のクランプジョウ6Bに関して互いに対向して配置されている。互いに対向して配置された側は、「Z」方向における第2の上方のクランプジョウ6Bの長手方向の延びに関する。
【0037】
その場合に少なくとも1つの上方のクランプジョウ6は、曲げ機械3において形成すべき工作物2の上方に配置されており、かつそこにしかるべく保持され、特にクランプされている。少なくとも1つの下方のクランプジョウ5も、曲げ機械3に保持され、特にクランプされている。
【0038】
曲げ機械3の機械フレーム7は、たとえば底プレート8から垂直に立ち上がるように、互いに対して離隔し、かつ互いに対して平行に方向づけされた側壁9、10を有している。これらは好ましくは、たとえばシート成形部分から形成された、中実の横結合部11によって底プレート8から離隔した終端領域において互いに結合されている。機械フレーム7は、大体において、好ましくは平坦なホール床上に固定された、曲げ機械3の中実の構成部分である。ここに示す形状は、他の可能な多数の形成の例としてのみ選択されたものである。
【0039】
側壁9、10は、工作物2を変形させるための自由空間を形成するために、好ましくはほぼC字形状に形成することができ、その場合に側壁9、10の底近傍の脚部のフロント端面12に、特に底プレート8上に立ち上がる、固定の下方のクランプビーム13が固定されている。好ましくは固定位置に配置された、この固定の下方のクランプビーム13は、クランプテーブル又は下側面とも称することができ、それにクランプ工具4の一部が配置され、かつそれに保持されている。
【0040】
フロント端面14において、底プレート8から離隔した脚部のクランプビームガイド15内に、下方のクランプビーム13に対して変位可能に案内されて上方のクランプビーム16、特にプレスビームが支承されている。クランプビームガイド15は、様々な実施形態において、大体はリニアガイドとして形成されている。上方のクランプビーム16は、上側面と称することもできるが、それは機械フレーム7に対して変位可能に機械フレームに接して案内されている。2つのクランプビーム13、16の互いに対向し、互いに向き合い、かつ互いに対して平行に延びる端面17、18上に、1つのクランプ工具4又は複数のクランプ工具4を装着するためのクランプジョウ収容部19、20を配置することができる。1つ又は複数のクランプ工具4は、詳しく図示されないアダプタを介在させて、クランプジョウ収容部19、20に保持することもできる。さらに、クランプジョウ5、6の少なくとも1つをそれぞれのクランプビーム13、16に関して「Z」方向に摺動可能かつあらかじめ定められた位置においてこれらのクランプビームに締めつけ保持することが、可能である。
【0041】
図示される曲げ機械3は、変位可能な上方のクランプビーム16、すなわちプレスビームのための駆動配置12として、少なくとも1つの好ましくは電気エネルギによって駆動される少なくとも1つの駆動手段22を有しており、その駆動手段は、エネルギ網23から給電される制御装置24とケーブル接続することができる。制御装置24とケーブル接続された入力端末24を介して、たとえば曲げ機械3の駆動を制御することができる。
【0042】
駆動手段は、好ましくは、一般的に知られているような、電動駆動されるスピンドルドライブ26であって、そのスピンドルドライブによって、プレスビームによって形成されるクランプビーム16を可逆的に操作移動させるための操作手段27がこのプレスビームと、たとえば駆動接続されている。しかしまた、従来技術から知られた、たとえばシリンダ−ピストン配置、ステッピングモータ、ギアラックドライブなどのような、他の既知の駆動手段22を使用することもできる。
【0043】
この種の曲げ機械3を駆動するために必要な、たとえば安全装置、ストッパ配置及び/又はコントロール装置のような、これ以上の詳細は、この記述において、記述が不必要に長くなるのを回避するために、省かれる。
【0044】
さらにここでは、2つのクランプビーム13、16、特にその工具収容部19、20もしくはそれに保持されたクランプ工具4の1つ又は複数の下方と上方のクランプジョウ5、6が、クランプビーム13、16の長手方向に観察する場合に、その間に延びる変位平面又は機械平面28を定めることが、簡単に示されている。変位平面又は機械平面28は、好ましくはクランプビーム13、16もしくはそれに配置されているクランプジョウ収容部19、20に関して中央に延びている。この実施例において、垂直に方向づけされた平面である。変位平面又は機械平面28は、垂直に方向づけされた曲げ工具37のための参照平面と称することもできる。しかし機械平面28は、場合によっては曲げユニット35の曲げ工具37のための基準平面もしくは参照平面を形成することもできる。
【0045】
2つのクランプジョウ5、6は、それぞれ互いに向き合う端部の間にクランプ領域29を形成する。2つのクランプジョウ5、6の互いに向き合う下方と上方のクランプ面30、31は、変位面又は機械平面28に関して好ましくは直角に方向づけされている。これらのクランプ面30、31は、曲げプロセスを実施するためにシートをそれぞれその材厚に応じて2つのクランプジョウ5、6の間の固定位置に位置決めして締めつけ保持するために、用いられる。
【0046】
付加的な載置テーブル32の、載置平面33を定める載置面は、好ましくは曲げ機械3の前側の領域内に配置することができ、その領域が図2に簡単に示唆されている。載置テーブル32は、設けることができるが、必ずしも設ける必要はない。
【0047】
載置平面33は、支持平面と称することもできる。なおその場合に、載置平面は全面で形成する必要はなく、加工すべきシートの供給方向に並べて及び/又は相前後して配置された複数の載置部分面から形成することもできる。載置平面33によって定められる載置面は、好ましくは少なくとも1つの下方のクランプジョウ5の下方のクランプ面30と同じ平面内に配置されている。これは、シートが大面積である場合に、特にシートが薄い場合に不用意な屈曲を回避するために、曲げ機械3の供給領域内で付加的な支持部として用いることができる。
【0048】
その場合に曲げ領域34は、大体において平面的に存在する、まだ変形されていないシートから、少なくとも1つの付加的な折曲又は屈曲が形成されることにより、形成すべき工作物2を形成するため、あるいはすでに予備変形されている工作物2をさらに加工するために、用いられる領域である。
【0049】
その場合に曲げ領域34は、大体においてクランプビーム13、16の機械平面28から離隔しており、かつ少なくとも1つのクランプジョウ5、6の、しかし好ましくは2つのクランプジョウ5、6の互いに向き合う終端部分によって形成される。この実施例において、曲げ領域34は、クランプビーム13,16の載置テーブル32とは、あるいは詳しく図示されない操作者とは逆の側に配置されている。したがって曲げ領域34は、機械フレーム7の内部に延びるように配置されている。
【0050】
曲げ領域34は、形成すべき工作物2に少なくとも1つの、好ましくは直線的に延びる曲げラインを形成し、その場合に曲げ領域34の両側に、曲げプロセスの実施によってそれぞれ脚部が形成される。工作物2の脚部の1つは、クランプジョウ5、6の2つのクランプ面30、31の間の締めつけ位置に保持され、その場合に少なくとも1つの他の脚部がクランプ面30、31の外部に配置されている。工作物2のそれぞれ所望の、もしくは形成すべき幾何学配置に応じて、2つの脚部がそれらの間に曲げ角度を形成する。この曲げ角度は、曲げラインに関して垂直に方向づけされた参照平面内で測定される。好ましくはさらに、参照平面自体は、機械平面28に関してそれに対して垂直の方向に延びるように方向づけされている。
【0051】
その場合に述べておくが、曲げ機械3の機械フレーム7はきわめて簡単に示されているだけであって、その場合に、それとは異なる実施形態を使用することも可能である。すなわちたとえば機械フレーム7もしくは機械ボディに、自由なスタンド通路を形成することができる。この場合においてクランプジョウ収容部19、20は、側壁9、10もしくはサイド部分の間に収容することができる。機械フレーム7もしくは機械ボディの他の形態においては、自由なスタンド通路は不可能であり、それによってクランプジョウ収容部19、20は側壁9、10もしくはサイド部分の間に収容することはできない。
【0052】
製造設備1の曲げ機械3は、曲げプロセスを実施するために、さらに曲げユニット35も有しており、その曲げユニットは折曲ユニット又は変形ユニットと称することもできる。これが図2に簡単に示唆されており、かつそれぞれ実施すべき曲げプロセスに応じて機械フレーム7に関してそれに対して変位させることができる。見やすくするために、図1においては曲げユニット35及びそのコンポーネントの表示は省かれている。
【0053】
その場合にクランプジョウ5、6の間に前もって位置決めされて締めつけ保持された、工作物2を形成するためのシートは、曲げプロセスによって、特にフラット部分を残りのフラット部分に対して折り返すことによって、曲げ領域34を形成する曲げラインに沿って変形し、特に折り曲げることができる。
【0054】
工作物2を形成するために、クランプジョウ5、6の間に締めつけ保持されたシートの、それぞれ実施すべき曲げ又は折曲に応じて、少なくとも1つの下方のクランプジョウ5又は少なくとも1つの上方のクランプジョウ6が折曲領域とそれに伴って曲げ領域34を形成する。すなわち少なくとも1つの下方のクランプジョウ5が第1の変形エッジを形成し、あるいはそれを有する。少なくとも1つの上方のクランプジョウ6が第2の変形エッジを形成し、あるいはそれを有する。
【0055】
クランプジョウ5、6の上述した2つのクランプ面30、31は、互いに添接した位置において、形成すべき工作物2のための工作物載置平面36を定める。好ましくは工作物載置平面36は、垂直の方向に見て、載置テーブル32によって定められる載置平面33と同じ高さに配置されている。2つの平面は、好ましくは互いに対して平面平行に延びるように方向づけされ、かつ共通の平面内に配置されている。
【0056】
曲げユニット35は、1つ又は複数の曲げ工具37を有することができ、それは、曲げビーム38の詳しい符号をもたない工具支持体に配置し、特にそれに保持することができる。曲げビーム38は、詳しく図示されない曲げビームガイドに接して、図2に双方向矢印で示唆されるように、曲げビームドライブによって機械フレーム7に関して変位可能である。この実施例において、曲げビーム38のメイン変位方向は、垂直方向かつ主として、垂直に延びるように方向づけされた機械平面28に関して平行に延びている。これは、上述した「Y」方向の方向における変位に相当する。付加的にさらに、曲げプロセスの最後においてクランプジョウ5、6へ向かう方向に曲げビーム38によって最小の変位を行うことができ、それは「X」方向における変位に相当する。したがってわずかな曲げすぎを得ることができ、それによってその後弾性復帰に基づいて負荷が除かれた後に、正しい曲げ角度を維持することができる。
【0057】
さらに製造設備1は、曲げ機械3のフロント領域もしくは操作領域内に、シート又は形成すべき工作物2の通常の操作のための少なくとも1つの、簡単に示唆するマニピュレータ40を備えた操作装置39も有することができる。シート又はそれからっ形成すべき工作物2の操作は、載置テーブル32の領域内で好ましくはマニピュレータ40によって行われ、そのマニピュレータのうちの、マニピュレータアームの一部に設けられた第1の保持部材41のみが示されている。1つの第1の保持部材41又は複数の第1の保持部材41は、吸引部材として、かつ/又は磁石として形成することができ、それを用いてシートの、載置テーブル32の載置平面33とは逆の側を保持して、次にクランプ工具4に対して移動させ、かつ曲げ領域34に関して位置決めして方向づけすることができる。しかしまた、第1の保持部材41を協働する把持フィンガーを有する把持器として形成し、場合によっては載置テーブル32を省くことも、可能である。
【0058】
それぞれ実施すべきシートの曲げ方向に応じて、下方の曲げ工具37か、あるいは上方の曲げ工具37がそれぞれ、少なくとも1つの下方のクランプジョウ5と、あるいは少なくとも1つの上方のクランプジョウ6と協働する作業エッジ42を形成する。
【0059】
図1にはさらに、上方のクランプジョウ6Aの複数のものが「Z」方向に互いに並べて配置されており、かつ付加的に上方のクランプジョウ収容部20内で「Z」方向に変位可能に保持できることが、簡単に示されている。その場合に変位は、好ましくは曲げ領域34の長手方向の延びの方向に行われる。上方のクランプジョウ6Aの少なくとも個々のものの相対的な長手方向変位は、専用の、しかし詳しく図示されない変位配置によって、かつ/又はマニピュレータ40によっても行うこと、又は実施することができる。その場合に述べておくが、以下で詳しく説明する、複数の上方のクランプジョウ6Aと少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウ6Bとからなる上方の工具セット43の形成は、複数の下方のクランプジョウ5を有する下方の工具セット44においても、それと同様に適用することができる。すなわち上方の工具セット43のみか、あるいは下方の工具セット44のみを、そのように形成することができる。しかしまた、上方の工具セット43も、下方の工具セット44も、以下でさらに詳しく説明する実施形態に示すように形成することも、可能である。
【0060】
個々のクランプジョウ5、6の各々は、詳しく説明されないベースボディを有している。ベースボディの各々は、一般的な従来技術からすでに知られているように、クランプビーム13、16の1つの保持し、かつ固定するように、形成し、あるいは用いることができる。
【0061】
この実施例においては、さらに、少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウ6Bがクランプビーム13、16の長手方向の延びの方向においてその第1の終端セクション46に、そのベースボディに対して作動位置から引き抜き位置へ変位可能な第1のクランプジョウ部分47を有していることが、示唆されている。さらに少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウ6Bが、クランプビーム13、16の長手方向の延びの方向において第1の終端セクション46から離隔して配置された、その第2の終端部分48に、同様に作業位置から引き抜き位置へ変位可能な第2のクランプジョウ部分49を有することができる。
【0062】
第2の上方のクランプジョウ6Bのクランプジョウ部分47、49に、それぞれホーン形状に形成された突出部50が形成されている。突出部50の各々は、作業位置において、第2の上方のクランプジョウ6Bのベースボディとは逆の側もしくは方向に、それぞれベースボディを越えてホーンとして張りだす。クランプジョウ部分47、49が引き抜き位置にある場合に、クランプビーム13、16の長手方向の延びの方向において、第2の上方のクランプジョウ6Bの短縮された外側の長手寸法が形成される。好ましくは引き抜き位置における短縮された外側の長手寸法は、第2の上方のクランプジョウ6Bのベースボディの最大の長さに相当する。したがってクランプジョウ部分47、49がベースボディを越えて側方へ張り出すことを、回避することができる。
【0063】
さらに、少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウ6Bのそれぞれ両側に、クランプビーム13、16の長手方向の延びの方向に、少なくとも1つの第1の上方のクランプジョウ6Aが配置されている。それぞれ長手方向の延びの方向において外側に位置する第1の上方のクランプジョウ6Aを、締めつけ保持するために上述した工作物2のアンダーカット内へ挿入することができるようにするために、第1の上方のクランプジョウ6Aは、少なくともその、少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウ6Bとは逆の第1の終端領域51に、それぞれ第1のホーン52を有している。第1のホーン52の各々は、第2の上方のクランプジョウ6Aのそれぞれのベースボディを越えてクランプビーム13、16の長手方向の延びの方向に張り出すように形成されている。
【0064】
引き抜き位置において、上方のクランプジョウセット43の長手寸法全体は、作業位置におけるよりも短い。したがって作業位置においては、工作物2によって形成される少なくとも1つのアンダーカットの領域内においても、充分なクランプ作用と曲げエッジ45を形成することができる。
【0065】
上方のクランプジョウセット43の曲げエッジ45全体は、作業位置におけるクランプビーム13、16の長手方向の延びの方向において、上方のクランプジョウ6A、6Bによって形成されている。好ましくは整合してつながって形成されている曲げエッジ45が選択される。すなわち各第1の上方のクランプジョウ6Aによって、それぞれ第1の部分曲げエッジ53が形成される。さらに、作業位置において、少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウ6Bによって、第2の部分曲げエッジ54が形成される。第2の部分曲げエッジ54の長手寸法は、クランプジョウ部分47、49の部分長さと、少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウ6Bのベースボディの部分長さとから構成される。
【0066】
図3と4においては、図1と2における表示に基づいて、上方のクランプジョウセット43が単独で示されている。これは、それぞれそのベースボディの側方に変位可能に配置されたクランプジョウ部分47、49を備えた、少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウ6Bを有している。図3において、クランプジョウ部分47、49は作業位置で示されている。各側に、それぞれ側方隣かつそれに連続して、2つの片の第1の上方のクランプジョウ6Aが配置されている。好ましくは、上方のクランプジョウセット43においては、1つの片の第2のクランプジョウ6Bのみが使用される。したがって第2の上方のクランプジョウ6Bは、上方のクランプビーム16に関して常に固定位置に配置することができる。
【0067】
この配置において、少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウ6Bは、上方のクランプジョウセット43の中央領域に配置されている。さらに、上方のクランプジョウセット43の少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウ6Bは、上方のクランプビーム16に関して場所固定の位置に配置することができる。これによって利点が得られ、曲げプロセスに必要な曲げエッジ45の全体長さを適合させる場合に、第2の上方のクランプジョウ6Bは常に固定位置に留まることができ、それぞれ側方隣にある第1の上方のクランプジョウ6Aのみを、それぞれ必要な長さと数で配置することができる。第2の上方のクランプジョウ6Bを中央の固定位置に配置することによって、作業位置から引き抜き位置への、そしてその逆の、クランプジョウ部分47、49の変位プロセスを実施するために、第2の上方のクランプジョウ6Bにエネルギを供給することも、曲げ機械3においてより簡単に行うことができる。
【0068】
すなわち上方のクランプジョウセット43の上方のクランプジョウ6A、6Bの数は、作業位置において曲げエッジ45の全長が、第1の上方のクランプジョウ6Aの第1の部分曲げエッジ53の個々の長さと、第2の上方のクランプジョウ6Bの第2の部分曲げエッジ54の長さから形成される合計に相当するように、選択することができる。その場合に形成される合計は、最大で、形成すべき工作物2において支援すべきクランプ長さ又は形成すべき工作物2において形成すべき曲げの長さ寸法に、相当する。工作物2は、図3と4の両方において破線で示唆されている。
【0069】
第2の上方のクランプジョウ6Bが常に中央に位置決めされて配置されることにより、その側方隣にある上方の第1のクランプジョウ6Aは、その数とその部分長さにおいて、形成すべきクランプ長さと曲げエッジ45に従って簡単に設けることができ、かつ曲げ機械3において上方のクランプジョウセット43としてまとめることができる。これは、第1の上方のクランプジョウ6Aを側方にスライドさせ、かつ/又は追加し、かつ/又は除去することによって行うことができる。
【0070】
外側の2つの上方のクランプジョウ6Aにおいて、さらに、これらが少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウ6Bへ向いた第2の終端領域55に、それぞれクランプビーム13、16の長手方向の延びの方向において、第1の上方のクランプジョウ6Aのベースボディを越えて張りだす第2のホーン56を有することができることが、破線で示唆されている。第2のホーン56は、第1の上方のクランプジョウ6Aの1つに、あるいはすべてにおいて、設けることができる。
【0071】
さらに、上方のクランプジョウセット43の上方のクランプジョウ6A、6Bの数は、作業位置と引き抜き位置において互いに等しくすべきである。
【0072】
図4には、上方のクランプジョウ6A、6Bを有する上方のクランプジョウセット4の短縮された引き抜き位置が示されている。第2の上方のクランプジョウ6Bのベースボディの側方に配置された2つのクランプジョウ部分47、49は、ベースボディに対して変位されているので、上方のクランプジョウセット43の短縮された外側の長さ寸法を得ることができる。
【0073】
第2の上方のクランプジョウ6Bのそれぞれ直接側方隣に位置する、第1の上方のクランプジョウ6Aのベースボディの間に間隙が形成されるので、それぞれその隣に配置されているすべての第1の上方のクランプジョウ6Aが、少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウ6Bのベースボディの方向へ変位することができる。
【0074】
この変位プロセスを実施する前に、大体において、上方と下方のクランプジョウ5、6の間のクランプ作用を緩めて、クランプジョウ5、6のいずれかから工作物2へ損傷が伝達されないようにしなければならない。それ以上変位する場合、特に上方のクランプビーム16が持ち上がる場合に、クランプジョウ部分47、49がその作業位置からそれに対して短縮された抜き出し位置へ変位される。ガイド配置、可能な変位ドライブ及びそのエネルギ供給は、見やすくするために省かれている。このように生じた、上方のクランプジョウ6Bのベースボディの側方隣に形成された間隙内へ、それぞれ両側にある第1の上方のクランプジョウ6Aも、第2の上方のクランプジョウ6Bの方向へ変位される。したがって上方のクランプジョウセット43のそれぞれもっとも外側の端縁領域内で、工作物2から衝突なしで変位することが可能になる。
【0075】
さらに、下方のクランプジョウセット44を、上方のクランプジョウセット43について説明したのと同様に形成し、可変にまとめることも、可能である。これが、図5に簡単に示されている。
【0076】
その場合にクランプ工具4は、下方のクランプジョウセット44を有している。下方のクランプジョウセット44は、複数の第1のクランプジョウ5Aと少なくとも1つの第2の下方のクランプジョウ5Bとを有している。少なくとも1つの第2の下方のクランプジョウ5Bは、両側の、クランプビーム13、16の長手方向の延びの方向に配置されたその第1と第2の終端セクション57、58に、それぞれ作業位置から引き抜き位置へ変位可能な第1と第2のクランプジョウ部分47、49を有している。クランプジョウ部分47、49は、すでに説明されたクランプジョウ部分と同様に形成することができる。
【0077】
ここでも、クランプビーム13、16の長手方向の延びの方向において、少なくとも1つの第2の下方のクランプ部分5Bのそれぞれ両側に、少なくとも1つの第1のクランプジョウ5Aが配置されている。上述した第1のホーン52及び、場合によっては第2のホーン56も、同様に設けることができる。
【0078】
クランプジョウ部分47、49の変位は、従来技術から知られた方法と技術に基づいて行うことができる。すなわち組み合わされた軸方向変位と揺動運動を実施することができる。図3に矢印で示唆されるように、線形の斜め変位も考えられる。
【0079】
クランプジョウ部分47、49を共通に作動させ、かつ、すべて堅固なホーン52を有する第1のクランプジョウ5A、6Aを効果的にスライド移動させることによって、ホーン工具としての可動のクランプジョウ部分47、49を有する第2のクランプジョウ5B、6Bが中央位置にあるにもかかわらず、ボックスから引き抜くことが可能である。第1のクランプジョウ5A、6Aは、好ましくは標準工具として形成されている。
【0080】
ホーン又は突出部50を有するクランプジョウ部分47、49は、それぞれ第2のクランプジョウ5B、6Bと共に中央位置にあり、そこで位置変化がないこと、かつ/又は短い位置変化のみであることに基づいて、直接エネルギを供給することができる。それによって、第2のクランプジョウ5B、6Bに、工具交換なしで済む能動化手段を設けることが、可能である。
【0081】
第1のクランプジョウ5A、6A、特に上方のクランプジョウセット43の、クランプに関与し、したがってボックスとして形成された工作物2の内部に配置されている第1のクランプジョウは、クランプビーム16の上昇運動及び第2のクランプジョウ5B、6Bの能動化と共通に内側へスライドされる。
【0082】
実施例は、可能な実施変形例を示しており、その場合にここに記録しておくが、本発明は具体的に示された実施変形例に限定されるものではなく、むしろ個々の実施変形例を互いに様々に組み合わせることも可能であり、これらの変形可能性はこの発明による技術的に取り扱うための教示に基づいて、この技術分野で活動する当業者の裁量の範囲内にある。
【0083】
保護領域は、請求項によって定められている。しかし明細書と図面は、請求項を解釈するために利用すべきである。図示され、かつ説明された様々な実施例の個別特徴又は特徴の組合せは、それ自体自立した進歩的解決を表すことができる。自立した進歩的解決の基礎となる課題は、明細書から読みとることができる。
【0084】
最後に形式的に指摘しておくが、構造を理解しやすくするために、部材は一部縮尺どおりではなく、かつ/又は拡大及び/又は縮小して示されている。
【符号の説明】
【0085】
1 製造設備
2 工作物
3 曲げ機械
4 クランプ工具
5 下方のクランプジョウ
6 上方のクランプジョウ
7 機械フレーム
8 底プレート
9 側壁
10 側壁
11 横結合部材
12 フロント端面
13 下方のクランプビーム
14 フロント端面
15 クランプビームガイド
16 上方のクランプビーム
17 端面
18 端面
19 クランプビーム収容部
20 クランプビーム収容部
21 駆動配置
22 駆動手段
23 エネルギ網
24 制御装置
25 入力端末
26 スピンドルドライブ
27 操作手段
28 機械平面
29 クランプ領域
30 下方のクランプ面
31 上方のクランプ面
32 載置テーブル
33 載置平面
34 曲げ領域
35 曲げユニット
36 工作物載置平面
37 曲げ工具
38 曲げビーム
39 操作装置
40 マニピュレータ
41 保持部材
42 作業エッジ
43 上方のクランプジョウセット
44 下方のクランプジョウセット
45 曲げエッジ
46 第1の終端セクション
47 第1のクランプジョウ部分
48 第2の終端セクション
49 第2のクランプジョウ部分
50 突出部
51 第1の終端領域
52 第1のホーン
53 第1の部分曲げエッジ
54 第2の部分曲げエッジ
55 第2の終端領域
56 第2のホーン
57 第1の終端セクション
58 第2の終端セクション
図1
図2
図3
図4
図5