【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る製造設備は、曲げプロセスにおける変形により、特に揺動曲げ又は振動曲げによって、シートから工作物を形成するために用いられる。この製造設備は、少なくとも以下の設備部分又はコンポーネントを有することができる:
−固定の機械フレーム、下方のクランプビーム及び上方のクランプビームを備えた曲げ機械を有し、その場合にクランプビームの少なくとも1つが、形成すべき工作物をクランプ保持するために、機械フレームに対して変位可能であり、
−少なくとも1つの下方のクランプジョウ及び、複数の第1の上方のクランプジョウと少なくとも1つの第1の上方のクランプジョウとからなる上方のクランプジョウセットを備えたクランプ工具を有する。クランプジョウの各々は、ベースボディを有しており、その場合に少なくとも1つの下方のクランプジョウが下方のクランプビームに保持されており、かつ上方のクランプジョウセットの上方のクランプジョウが上方のクランプビームに保持されている。少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウが、クランプビームの長手方向の延びの方向において第1の終端セクションに、そのベースボディに対して作業位置から引き抜き位置へ変位可能な第1のクランプジョウ部分を有し、その場合に引き抜き位置において上方のクランプジョウセットの長手寸法が、作業位置におけるよりも短く、かつ
−その場合に、上方のクランプビームが作業位置にある場合に、上方のクランプジョウセットによって、クランプビームの長手方向の延びの方向に整合する曲げエッジが形成され、かつ各第1の上方のクランプジョウによって、それぞれ曲げエッジの第1の部分曲げエッジが形成されており、かつ作業位置において、少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウによって、第2の部分曲げエッジが形成されており、
−曲げユニットを有し、その曲げユニットが曲げプロセスを実施するためにクランプ工具に対して変位可能であり、かつ
−少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウが、さらに、クランプビームの長手方向の延びの方向において第1の終端セクションから離隔して配置された、その第2の終端セクションに、作業位置から引き抜き位置へ変位可能な第2のクランプジョウ部分を有しており、かつ
−少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウのそれぞれ両側に、クランプビームの長手方向の延びの方向において、少なくとも1つの第1の上方のクランプジョウが配置されており、かつ
−第1の上方のクランプジョウが少なくとも、少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウとは逆向きの第1の終端領域に、それぞれ第1のホーンを有し、その第1のホーンが第1の上方のクランプジョウのそれぞれのベースボディを越えてクランプビームの長手方向の延びの方向に張り出すように形成されている。
【0008】
それによって得られる利点は、ベースボディに対して作業位置から引き抜き位置へ変位可能なクランプジョウ部分を両側に設けることによって、それぞれその両側に配置されている第1の上方のクランプジョウと、それらの間に配置されている第2の上方のクランプジョウとの間に変位間隙を形成できることにある。それによって、上方のクランプ工具のクランプ長さを簡単かつ迅速に様々な適用条件に適合させることが、可能となる。それぞれクランプジョウセットの外側の第1の上方のクランプジョウもそれぞれ付加的なホーンを有しているので、クランプ長さもしくは形成すべき曲げエッジの全長は、第1の上方のクランプビームを簡単に側方で追加し、あるいは除去することによって、行うことができる。第2のクランプジョウは、クランプビームに関して常に変化しない位置に留まる。形成すべき工作物のクランププロセスの開始前に、上方のクランプジョウセットが、その短縮された引き抜き位置へ変位され、かつさらにクランププロセスの開始前に、それに対して延長された、形成すべき工作物の内部の作業位置へ変位される。そのために、第2の上方のクランプジョウの近傍領域内に位置する第1の上方のクランプジョウが次のように、すなわち第2の上方のクランプジョウから、相対的に変位可能なクランプジョウ部分がその短縮された引き抜き位置からそれに対して各第された長さ寸法を有する作業位置へ変位できる距離だけ、変位される。曲げビームの長手方向の延びの方向に実施すべき変位運動は、たとえばスライド運動によって行うことができる。上方のクランプジョウセットがその作業位置にある場合に、個々の上方のクランプジョウはクランプビームの固定位置に保持することができ、かつ形成すべき工作物のクランププロセスを実施することができる。工作物のクランプが行われた場合に、曲げプロセスを開始することができる。すなわち最短かつ第2のクランプジョウに関して中央で実施される変位運動で充分である。
【0009】
さらに、クランプジョウ部分にそれぞれホーン形状に形成された突出部が形成されており、かつ引き抜き位置においてクランプジョウ部分によって、クランプビームの長手方向の延びの方向において第2の上方のクランプジョウの短縮された外側の長手寸法が定められると、効果的であり得る。それによって簡単に、作業位置においてクランプビームの長手方向の延びの方向にクランプジョウ部分の張り出しを得ることができる。クランプジョウ部分を相対的に変位させることにより、ホーン形状の突出部はそれぞれ、ベースボディの輪郭ラインの内部で、第2の上方のクランプジョウの両側に変位間隙を形成することができる程度に変位することができる。
【0010】
他の実施形態は、引き抜き位置において第2の上方のクランプジョウの短縮された外側の長さ寸法が、第2の上方のクランプジョウのベースボディの最大の長さに相当することを、特徴としている。したがって最大の変位距離を得るために、第2の上方のクランプジョウのそれぞれ両側に位置する第1の上方のクランプジョウを、第2の上方のクランプジョウのベースボディに直接添接させることが、可能である。
【0011】
他の可能な実施形態は、引き抜き位置において、少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウのそれぞれ両側に位置する第1の上方のクランプジョウが、それぞれ少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウのベースボディの方向に変位されている、という特徴を有している。したがってそれぞれクランプジョウセットの外側の端縁領域内に、引き抜きプロセスに必要な、工作物、特にそのアンダーカット、へ向いた間隙を形成することができる。
【0012】
他の形成において、第1の上方のクランプジョウの少なくとも1つは、少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウへ向いた、その第2の終端領域に、それぞれクランプビームの長手方向の延びの方向においてベースボディを越えて張りだす第2のホーンを有している。したがって第1の上方のクランプジョウのユニバーサル使用を得ることができる。すなわちそれによって、左と右の形態を設けることを省くことができる。というのはこのように形成された第1の上方のクランプジョウは、第2の上方のクランプジョウの左側にも右側にも使用することができるからである。
【0013】
他の実施形態は、上方のクランプジョウセットの少なくとも1つの第2のクランプジョウが、上方のクランプビームに関して場所固定の位置に配置されていることを、特徴としている。第2の上方のクランプジョウを場所固定で位置決めすることによって、それに相対変位可能なクランプジョウ部分を調節するためのエネルギを供給することは、同様に簡単に固定場所に位置決めして行うことができる。
【0014】
他の好ましい実施形態は、少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウが、上方のクランプジョウセットの中央領域内に配置されていることを、特徴としている。それによって第2の上方のクランプジョウの両側に配置される第1の上方のクランプジョウの対称の配置を行うことができる。
【0015】
さらに、上方のクランプジョウセットの上方のクランプジョウの数が次のように、すなわち作業位置において曲げエッジの全長が、第1の上方のクランプジョウの第1の部分曲げエッジの個々の長さと第2の上方のクランプジョウの第2の部分曲げエッジの長さとから形成される合計に相当し、かつこのように形成された合計が最大で、形成すべき工作物において支援すべきクランプ長さの長手寸法に相当するように、選択されていると、効果的であり得る。したがってほぼ又は完全につながったクランプ長さ及びその結果、実施すべき曲げプロセスのためのほぼ一貫した曲げエッジを提供することができる。
【0016】
他の代替的な実施形態は、作業位置と引き抜き位置において、上方のクランプジョウセットの上方のクランプジョウの数が、互いに等しいことを特徴としている。それによって、個々のクランプジョウを追加し、あるいは除去するような、付加的な操作プロセスを省くことができる。したがってさらに、作業位置と引き抜き位置との間の迅速な切替えを達成することもできる。
【0017】
他の可能な、場合によっては代替的な実施形態は、クランプ工具がさらに、下方のクランプジョウセットを有し、下方のクランプジョウセットが複数の第1の下方のクランプジョウと少なくとも1つの第2の下方のクランプジョウとを有し、かつ少なくとも1つの第2の下方のクランプジョウが両側の、クランプビームの長手方向の延びの方向に配置された、その第1と第2の終端セクションに、それぞれ作業位置から引き抜き位置へ変位可能な第1と第2のクランプジョウ部分を有するという、特徴を有している。したがって、下方のクランプジョウセットの領域内でも、様々な曲げプロセスへの個別の適合を、簡単に実施することが、可能である。
【0018】
他の形成においては、少なくとも1つの第2の下方のクランプジョウのそれぞれ両側に、クランプビームの長手方向の延びの方向に、少なくとも1つの第1の下方のクランプジョウが配置されている。それによってここでも、第2の下方のクランプジョウを、それぞれその隣に配置されている第1の下方のクランプジョウの間の中央に配置することができる。
【0019】
それとは関係なく、本発明の課題は、曲げプロセスにおける変形により、特に揺動曲げ又は振動曲げによって、シートから工作物を形成するための、製造設備のクランプ工具のクランプジョウセットの曲げエッジの全長を適合させる方法によっても、少なくとも以下のステップが実施されることによって、解決される:
−少なくとも1つの下方のクランプジョウ及び、複数の第1の上方のクランプジョウと少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウとを備えた上方のクランプジョウセットを有するクランプ工具を準備し、その場合にクランプジョウの各々が、ベースボディを有している。少なくとも1つの下方のクランプジョウが、下方のクランプビームに保持されており、かつ上方のクランプジョウセットの上方のクランプジョウは、上方のクランプビームに保持されている。少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウは、クランプビームの長手方向の延びの方向において第1の終端セクションに、そのベースボディに対して作業位置から引き抜き位置へ変位可能な第1のクランプジョウ部分を有しており、その場合に引き抜き位置においては、上方のクランプジョウセットの長さ寸法は、作業位置におけるよりも短く形成されており、かつ
−その場合に上方のクランプジョウが作業位置にある場合に、上方のクランプジョウセットによって、クランプビームの長手方向の延びの方向に整合する曲げエッジが形成される。第1の上方のクランプジョウの各々によって、それぞれ曲げエッジの第1の部分曲げエッジが形成され、かつ少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウによって、作業位置において、第2の部分曲げエッジが形成され、かつ
−曲げユニットを準備し、その曲げユニットが、曲げプロセスを実施するためにクランプ工具に対して変位可能であり、かつ
−少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウが、さらに、クランプビームの長手方向の延びの方向に、第1の終端セクションから離隔して配置された第2の終端セクションに、作業位置から引き抜き位置へ変位可能な第2のクランプジョウ部分を有しており、かつ
−少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウのそれぞれ両側に、クランプビームの長手方向の延びの方向に、少なくとも1つの第1の上方のクランプジョウが配置されており、かつ
−第1の上方のクランプジョウが少なくとも、少なくとも1つの第2のクランプジョウとは逆向きの、その第1の終端領域に、それぞれ第1のホーンを有しており、その第1のホーンが、クランプビームの長手方向の延びの方向にベースボディを越えて張りだすように形成されている。
【0020】
ここに述べた方法ステップにおいて、好ましくは、ベースボディに対して作業位置から引き抜き位置へ変位可能なクランプジョウ部分を両側に設けることによって、それぞれその両側に配置されている第1の上方のクランプジョウと、それらの間に配置された第2の上方のクランプジョウとの間に、変位間隙を形成することができる。それによって、上方の工具セットのクランプ長さを簡単かつ迅速に、様々な適用条件に適合させることが、可能になる。クランプジョウセットのそれぞれ外側で第1の上方のクランプジョウも、それぞれ付加的なホーンを有しているので、形成すべき曲げエッジのクランプ長さもしくは全長を、第1の上方のクランプジョウを側方で簡単に追加し、あるいは除去することによって、行うことができる。第2のクランプジョウは、クランプビームに関して常に変化しない位置に留まる。形成すべき工作物の曲げプロセスの開始前に、上方のクランプジョウセットがその短縮された引き抜き位置へ変位され、かつまだクランププロセスが開始される前に、それに対して延長された、形成すべき工作物の内部の作業位置へ変位される。そのために、第2の上方のクランプジョウの近傍領域内に位置する第1の上方のクランプジョウが、その第2の上方のクランプジョウから、相対的に変位可能なクランプジョウ部分がその短縮された引き抜き位置からそれに対してより大きい長手寸法を有する作業位置へ変位できる距離だけ、変位される。曲げビームの長手方向の延びの方向に実施すべき変位運動は、たとえばスライド運動によって行うことができる。上方のクランプビームセットがその作業位置にある場合に、個々の上方のクランプジョウは固定位置に位置決めしてクランプビームに保持することができ、かつ形成すべき工作物のクランププロセスを実施することができる。工作物のクランプが行われた場合に、曲げプロセスを開始することができる。すなわち最短かつ第2のクランプジョウに関して中央で実施される変位運動で、充分である。
【0021】
さらに好ましいやり方において、クランプジョウ部分はそれぞれホーン形状に形成された突出部によって形成されており、かつ引き抜き位置において、クランプジョウ部分によって、クランプビームの長手方向の延びの方向に、第2の上方のクランプジョウの短縮された外側の長手寸法が定められる。それによって簡単に、作業位置においてクランプビームの長手方向の延びの方向にクランプジョウ部分を張り出させることができる。クランプジョウ部分の相対変位によって、ホーン形状の突出部はそれぞれベースボディの輪郭ラインの内部で、第2の上方のクランプジョウの両側に変位間隙を形成することができる距離だけ、変位することができる。
【0022】
他の好ましいやり方は、引き抜き位置における第2の上方のクランプジョウの短縮された外側の長手寸法が、第2の上方のクランプジョウのベースボディの最大の長手寸法に相当することを、特徴としている。それによって、第2の上方のクランプジョウのそれぞれ両側に位置する第1の上方のクランプジョウが、最大の変位距離を得るために、第2の上方のクランプジョウのベースボディに直接添接することが、可能になる。
【0023】
また好ましいやり方において、引き抜き位置を形成するために、少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウのそれぞれ両側に位置する第1の上方のクランプジョウは、少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウのベースボディの方向へ変位される。したがってそれぞれクランプジョウセットの外側の端縁領域内に、工作物、特にそのアンダーカットへ向かって、引き抜きプロセスに必要な間隙を形成することができる。
【0024】
他のやり方は、第1の上方のクランプジョウの少なくとも1つが、少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウへ向いた、その第2の終端領域に、クランプビームの長手方向の延びの方向にベースボディを越えて張りだす第2のホーンを有していることを、特徴としている。それによって、第1の上方のクランプジョウのユニバーサルな使用を得ることができる。すなわちそれによって、左と右の形態を省くことができる。とうのは、このように形成された第1の上方のクランプジョウは、第2の上方のクランプジョウの左側にも、右側にも使用することができるからである。
【0025】
さらに好ましいやり方において、上方のクランプジョウセットの少なくとも1つの第2の上方のクランプジョウは、上方のクランプビームに関して固定の位置に配置される。第2の上方のクランプジョウを固定場所に位置決めすることによって、そのクランプジョウに、相対変位可能なクランプジョウ部分を変位させるためのエネルギを供給することは、同様に簡単に固定場所に位置決めして行うことができる。
【0026】
他の好ましいやり方は、上方のクランプジョウセットの上方のクランプジョウの数が、作業位置において曲げエッジの全長が、第1の上方のクランプジョウの第1の部分曲げエッジの個々の長さと、第2の上方のクランプジョウの第2の部分曲げエッジの長さとから形成される合計に相当するように、選択され、かつこのように形成される合計が最大で、形成すべき工作物において支援すべきクランプ長さの長手寸法に相当することを、特徴としている。したがってほぼ、あるいは完全につながったクランプ長さを、そしてその結果、実施すべき曲げプロセスのためのほぼ一貫した曲げエッジを提供することができる。
【0027】
本発明をさらによく理解するために、以下の図を用いて詳細に説明する。
図は、それぞれ著しく簡略化された図式的な表示である。