(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の電池セル・ユニットは、実質的に5%以上の電荷蓄積容量の差を持つ、少なくとも2つの電池セル・ユニットを備える、請求項1から12までのいずれか一項に記載の電池システム。
第1のスイッチ組立体は、1つ又は複数の対応する電池ユニットを制御するように構成され、前記第1のスイッチ組立体は、前記コントローラのうちの少なくとも1つから制御信号を受信するように構成されたゲート駆動電子回路を備え、
前記ゲート駆動電子回路は、前記1つ又は複数の対応する電池セル・ユニットによって少なくとも部分的に給電される、
請求項1から15までのいずれか一項に記載の電池システム。
2つ以上の、請求項1から22までのいずれか一項に記載の電池システムを備える電池パック・システムであって、前記2つ以上の電池システムは、電気的に並列に接続され、前記電池パック・システムは、前記電池システムのそれぞれの前記システム出力を調節するよう構成されている、電池パック・システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、1つ又は複数の上記欠点又は問題を克服又は改善するか、或いは少なくとも消費者に有用な選択肢を提供する、電池システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、
直列に接続された複数の電池セル・ユニットと、
1つ又は複数のスイッチ組立体と、
1つ以上の制御パラメータを決定し、当該制御パラメータに基づいてスイッチ組立体を制御する2つ以上のコントローラとを備え、
2つ以上のコントローラは、選択的に
いずれか1つの電池セル・ユニットを、複数の電池セル・ユニットからの他の任意の電池セル・ユニットと接続されている状態から切断し、または
いずれか1つの電池セル・ユニットを、複数の電池セル・ユニットからの他の任意の電池セル・ユニットと電気的に直列に接続することにより、
制御可能な電圧プロファイルを持つシステム出力を供給するようになり、
2つ以上のコントローラは、同期された動作をするよう構成されている、電池システムが提供される。
一実施例によれば、コントローラは、スイッチ組立体を制御して、
第一の電池セル・ユニットと第二の電池セル・ユニットとは電気的に直列に接続されて、第三の電池セル・ユニットには接続されていない第一の状態と
第一の電池セル・ユニットと第三の電池セル・ユニットとは電気的に直列に接続されて、第二の電池セル・ユニットには接続されていない第二の状態と
第二の電池セル・ユニットと第三の電池セル・ユニットとは電気的に直列に接続されて、第一の電池セル・ユニットには接続されていない第三の状態と
を選択的に許可する、電池システムが提供される。
【0010】
コントローラのうちの少なくとも1つは、2つ以上のコントローラの時間同期のための同期信号を生成するよう構成され得る。
【0011】
電池システムは、2つ以上のコントローラ間で時間同期信号を通信するための専用同期線をさらに備えることができる。
【0012】
出力電圧プロファイルは、DC又は整流されたDC出力であってもよい。或いは、出力電圧プロファイルはAC出力であってもよい。
【0013】
電池システムは、システム出力を制御するための出力モジュールをさらに備えることができ、ここで出力モジュールは、接続された電池セル・ユニットをシステム出力に選択的に接続又は切断するための1つ又は複数の出力スイッチを備える。
【0014】
電池システムは、出力電圧を平滑化するために、システム出力にコンデンサをさらに備えることができる。さらに、電池システムは、出力電流を平滑化するために、システム出力にインダクタをさらに備えることができる。
【0015】
電池システムは、1つ又は複数の電池セル・モジュールを備えることができ、各電池セル・モジュールは、電池セル・ユニットを備えることができ、各電池セル・ユニットは、1つ又は複数の電池セルを備えることができる。一実施例では、各電池セル・モジュールの出力は、その対応する電池セル・ユニットの出力に等しくてもよい。
【0016】
複数の電池セル・ユニットは、事前に使用された、及び/又はさもなければかなりの量だけ電荷蓄積容量が異なる、2つ以上の電池セル・ユニットを備えることができる。この量は、場合によっては5%以上の電荷蓄積容量の差であり得る。
【0017】
各電池セル・モジュールは、対応する電池セル・ユニットを接続又は切断(若しくはバイパス)するためのスイッチ組立体を備えることができる。スイッチ組立体は、対応する電池セル・ユニットを接続するための第1のスイッチと、対応する電池セル・ユニットを切断するための第2のスイッチとを備えることができる。
【0018】
制御パラメータの1つには、電池セル・ユニットのそれぞれの時間シフトが含まれ得る。時間シフトは、それぞれの電池セル・ユニットを、複数の電池セル・ユニットの中の1つ又は複数の他の電池セル・ユニットと電気的に直列に接続する時間を決定することができる。
【0019】
制御パラメータの1つには、電池セル・ユニットのそれぞれのデューティ・サイクルが含まれ得る。デューティ・サイクルは、それが複数の電池セル・ユニットの中の他の1つ又は複数の電池セル・ユニットと電気的に直列に接続されたときに、それぞれの電池セル・ユニットの電気的接続を維持する時間の割合を決定することができる。
【0020】
制御パラメータには、それぞれのセル・ユニットの電圧測定値に基づいてコントローラの1つによって決定された、電池セル・ユニットごとのデューティ・サイクルが含まれ得る。デューティ・サイクルは、各電池セル・ユニットが動作中に接続される時間の割合を決定することができる。セル・ユニットのデューティ・サイクルの総和と、100%のデューティ・サイクルとの間の比率は、電池システム出力電圧と電池システム内の電池セル・ユニットの平均電圧との間の比率に比例してもよい。一実施例では、セル・ユニットのデューティ・サイクルの総和と、100%のデューティ・サイクルとの間の比率は、電池システム出力電圧と、それぞれの電池セル・ユニットの平均電圧との間の比率に等しくてもよい。ある実施例では、セル・ユニットのデューティ・サイクルの総和と、電池セル・ユニットごとのデューティ・サイクルとの間の比率は、電池システムの出力電圧と、それぞれの電池セル・ユニットの平均電圧との間の比率に等しいか、又はそれに等しい値にスケーリングされてもよい。
【0021】
一実施例では、電池セル・モジュールごとのデューティ・サイクル(D)は、それぞれ放電及び充電に関する以下の2つの式に基づいて計算され得る。
【数1】
ここで、
D
x,chargeは、充電中の電池セル・ユニット「x」のデューティ・サイクルである。
D
x,dischargeは、放電中の電池セル・ユニット「x」のデューティ・サイクルである。
「Cap」は、所与の電池セル・ユニットが完全に充電されたときに蓄積することができる、アンペア − 時間単位の総容量であり、たとえば時折、電池セル・ユニットを完全に充電及び完全に放電し、電池セル・ユニットが完全充電状態と完全放電状態との間の、電池セル・ユニットの遷移の期間にわたって供給することができた電荷量を測定することにより決定される。
C
Xは、セル・ユニット「x」の、アンペア − 時単位の蓄積された電荷の現在のレベルである。
Xは、電池セル・ユニット「x」に割り当てられた数値である(上式で、各電池セル・ユニットに、1からNまでの番号が割り当てられる)。
Nは、電池システム内の電池セル・ユニットの総数である。
Yは、一時的又は永続的に使用が無効になっている特定の電池セル・ユニットの指標「x」の集まりである。
Zは、任意の所与の時点での、接続する必要がある電池セル・ユニットの数である。且つ
α及びβは、方程式における総和に使用される変数である。
【0022】
ある実施例では、電池セル・ユニットごとのデューティ・サイクル(D)は、それぞれの電池セル・ユニットの現在の電圧、及び電池システム内の複数の他の電池セル・ユニットのうちの1つ又は複数の現在の電圧、並びに/或いは測定された、又は所定の電池システムの出力電流又は電圧に依存し得る。
【0023】
さらに詳述すると、電池セル・ユニットごとのデューティ・サイクル(D)は、特定の電池セル・ユニットの電荷レベルC
x、電池システムの総電荷レベルC
tot、及び任意の所与の時間に同時に接続される電池セル・ユニットの数Zに基づいて計算され得る。
【0024】
ある実施例では、システムは、所望の出力プロファイルを提供するために、それに応じてデューティ・サイクル値を拡大又は縮小することができる。一実例では、システムは、1を超えるデューティ・サイクル値を縮小し、1未満のデューティ・サイクル値を拡大する場合がある。
【0025】
ある実施例では、システムは、標準又は所定の範囲を超える性能パラメータを持つ電池セル・ユニットを検出し、検出された電池セル・ユニットを切断することができる。性能パラメータには、電圧及び/又は電流出力、温度などが含まれ得る。
【0026】
制御パラメータにはさらに、電池セル・ユニットごとの時間シフト値が含まれ得る。時間シフト値を、コントローラの1つによって、電池システム内の電池セル・ユニットの総数及び/又は所望の電池システムの出力電圧に基づいて計算することができる。時間シフト値は、それぞれの電池セル・ユニットのデューティ・サイクルの開始の、周期ごとの時間オフセットを決定することができる。より具体的には、時間シフト値は、電池セル・ユニットのそれぞれの制御基準周期の開始を決定することができる。言い換えれば、時間シフト値は、デューティ・サイクルに基づいて、いつそれぞれの電池セル・ユニットをオン及びオフに切り替えるかを決定することができる。
【0027】
一実施例では、電池セル・ユニットごとの時間シフト(T)を、以下の式に基づいて計算することができる。
【数2】
ここで、
T
xは、電池セル・ユニット「x」の時間シフトである。
T
Dは、デューティ・サイクルの周期、つまり
【数3】
であり、ここでfは、電池システムの制御周波数である。
Xは、電池セル・ユニット「x」に割り当てられた数値である(上式で、各電池セルに、1からNまでの番号が割り当てられる)。且つ
Nは、電池システム内の電池セル・ユニットの総数である。
【0028】
他の実施例では、時間シフト値を、反復的に決定することができる。たとえば、第1の電池セル・ユニットの時間シフト値は0であってもよく、第2の電池セル・ユニットの時間シフト値は、第1の電池セル・ユニットの時間シフトに第1の電池セル・ユニットのデューティ・サイクルを加えたものであってもよい、などである。
【0029】
電池システムは、任意の好適な制御基準周波数を使用することができる。一実施例では、電池システムは高周波動作を使用する。より具体的には、制御周波数は0.1Hzから10kHzの間であり得る。ある実施例では、制御周波数は40Hz未満であり得る。ある実施例では、制御周波数は70Hzを超え得る。
【0030】
ある実施例では、制御パラメータには、所定の出力を供給するための、任意の所与の時間に直列に接続されるべき電池セル・ユニットの数が含まれ得る。一実例では、電池システムの出力がDC波形となることができ、すべての電池セル・ユニットの現在の電圧が同じ場合、任意の所与の時間に直列に接続されるべき電池セル・ユニットの数zは、以下の式を使用して計算することができる。
【数4】
ここで、
zは、任意の所与の時点での、直列に接続されるべき電池セル・ユニットの数である。
V
outは、電池システムの所定の目標出力電圧である。且つ
V
cell,xは、電池システムの電池セル・ユニットの電圧である。
【0031】
システム出力電圧プロファイルは、定電圧(DC)、繰り返し振動電圧(AC)、整流された振動電圧波形、又は他の任意の波形であり得る。
【0032】
ある実施例では、システム出力電圧は、ユーザが定義する値であり得る。他の実施例では、所定の出力は、電池システムによって給電されるべき、又は電池システムに電力を供給する、電気式デバイス又は機器の入力であり得る。
【0033】
ある実施例では、電池システムは、出力を平滑化するための出力フィルタを備えることができる。任意の好適な出力フィルタを、使用することができる。一実施例では、出力フィルタはLC回路である。
【0034】
電池システムは、電池システムの出力電流を測定する電流センサをさらに備えることができる。ある実施例では、電池システムは、たとえば電池システムの出力電圧又は出力電流の制限などの動作要件を満たすために、電池システムの出力を選択的に接続又は切断する、1つ又は複数の出力スイッチを備えることができる。
【0035】
各電池セル・ユニットを、それぞれのコントローラによって制御することができる。或いは、2つ以上の電池セル・ユニットが、共有されるコントローラによって制御される。一実施例では、コントローラのうちの少なくとも1つは、1つ又は複数の他のコントローラのための制御信号を生成する、中央コントローラである。
【0036】
一実施例では、コントローラの1つは中央コントローラであり、各電池セル・ユニットは、中央コントローラと通信し、スイッチ組立体を制御する、分散化されたセル・ユニットのコントローラに結合される。具体的には、各電池セル・モジュールは、電池セル・ユニット、電池セル・ユニットをシステムに接続又は切断するスイッチ組立体、及びスイッチ組立体を制御し中央コントローラと通信するセル・ユニットのコントローラを備えることができる。この実施例では、電池システムは、中央コントローラを電池セル・モジュールに結合するための、共有されるケーブルを備えることができる。特に、中央コントローラに接続する単一の制御通信線は、各セル・ユニットのコントローラに接続され、中央コントローラとセル・ユニットのコントローラとの間で、一方向又は多方向の通信を伝送することができる。さらに、中央コントローラへの単一の時間信号線接続部は、各セル・ユニットのコントローラに接続され、単一の時間信号を、任意の1つのコントローラから多数の他のコントローラに送信することができ、ここで信号は、中央コントローラとセル・ユニットのコントローラとの時間同期に使用される。
【0037】
ある実施例では、システムは、集中構成又は準集中構成であり得る。具体的には、集中構成は、中央コントローラを複数の電池セル・ユニット用スイッチ組立体に接続する専用ケーブルを使って、セル・ユニット用スイッチ組立体を直接制御する中央コントローラを備えることができる。
【0038】
準集中構成は、電池セル・ユニットの群又は集団、及び電池セル・ユニットのそれぞれの群又は集団に接続された個々の制御線を具備するただ一つの中央コントローラを備えることができる。電池セル・ユニットのそれぞれの群又は集団は、単一の集団コントローラを共有することができる。
【0039】
各電池セル・ユニットは、1つ又は複数の電池セルを備えることができ、動作中に、電池セル・ユニットを電池システムに選択的に接続する、又は電池セル・ユニットを電池システムから選択的に切断するように、スイッチ組立体に接続され得る。各スイッチ組立体は、1つ又は複数のスイッチング要素(MOSFET、2極スイッチを含む電気機械式接触器など)を備えることができる。一実施例では、1つ又は複数のスイッチ組立体はそれぞれ、最大2つのスイッチング要素を備える。各スイッチ組立体を、電気的絶縁を組み込むことができる、単一の制御信号を使用して制御することができる。電気的絶縁は、光絶縁体、絶縁トランス、又は他の絶縁手段によって実現され得る。ある実施例では、スイッチ組立体を、電池セル・ユニットのコントローラに接続することができる。
【0040】
一実施例では、少なくとも1つのスイッチ組立体は、
コントローラのうちの少なくとも1つから制御信号を受信し、少なくとも1つのスイッチ組立体をコントローラから絶縁する1つ又は複数の絶縁要素を具備する、ゲート駆動電子回路と、
直列に接続された電池セル・ユニット間の直接的な電気経路を流れる電流を伝導する、1つ又は複数のスイッチング要素と
を備え、
ここで絶縁要素の数は、スイッチング要素の数よりも少ない。ゲート駆動電子回路には、光カプラが含まれ得る。
【0041】
一実施例では、第1のスイッチ組立体は、1つ又は複数の対応する電池セル・ユニットを制御するように構成され得る。第1のスイッチ組立体は、コントローラのうちの少なくとも1つから制御信号を受信するゲート駆動電子回路を備える。ゲート駆動電子回路に、1つ又は複数の対応する電池セル・ユニットによって少なくとも部分的に給電することができる。
【0042】
ある実施例では、各電池セル・ユニットは、個々の電池セル・ユニットと、並列接続されたセルのブロックとの組合せを備えることができる。本明細書では、「電池セル・ユニット」又は「セル・ユニット」という用語は、1つの個々の電池セル若しくは並列接続されたセルのブロック、多数の個々の電池セル若しくは並列セルのブロック、又は直列に接続されたその混合を指すことができ、また同様の論法が、複数形など、そうした用語の変形例に適用される。この用語はまた、ヒューズ、抵抗器、又はインダクタなどの1つ又は複数の回路部品が個々のセルと直列及び/又は並列に接続される、並列又は直列に接続されたセルのブロックを指すこともできる。
【0043】
一実施例では、中央コントローラを、1つ又は複数の電池セル・ユニットによって給電することができる。さらに各セル・ユニットのコントローラを、その各電池セル・ユニットによって給電することができる。
【0044】
電池システムは、電池システムの出力での直流信号を交流に変換する、AC/DCコンバータをさらに備えることができる。電池システムは、インバータをさらに備えることができる。電池システムの出力は、インバータの入力に必要な、特定のDC出力電圧プロファイルを供給することができる。
【0045】
電池システムは、整流された正弦波出力信号を完全な正弦波出力信号に変換する、Hブリッジ回路をさらに備えることができる。
【0046】
任意選択で、電池システムは、トランスをさらに備えることができる。トランスは、システムの出力での電圧振幅を変更することができる。
【0047】
本発明の別の態様によれば、2つ以上の上記の電池システムを備える電池パック・システムが提供され、ここで電池システムは、互いに並列に接続される。一実施例では、電池パック・システムは、各電池システムの出力電圧プロファイルを制御することによって、各電池システムの電力の寄与を制御する。各電池システムの出力電圧プロファイルは、DC電圧であり得る。
【0048】
複数のエネルギー貯蔵セル・ユニットと、
動作可能に構成された1つ又は複数のスイッチ組立体であって、選択的に
複数のエネルギー貯蔵セル・ユニットからのエネルギー貯蔵セル・ユニットのいずれか1つを、複数のエネルギー貯蔵セル・ユニットからの他の任意のエネルギー貯蔵セル・ユニットと電気的に直列に接続し、そして
エネルギー貯蔵セル・ユニットのいずれか1つを、複数のエネルギー貯蔵セル・ユニットからの他の任意のエネルギー貯蔵セル・ユニットと接続されている状態から切断し、ここでスイッチ組立体は、1組の制御パラメータに基づいてエネルギー貯蔵セル・ユニットを選択的に接続及び切断するよう構成される、
スイッチ組立体と、
1組の制御パラメータを決定し、制御可能な電圧プロファイルを持つシステム出力を供給するようにスイッチ組立体を制御する、2つ以上のコントローラであって、同期された動作をするよう構成されている2つ以上のコントローラと
を備える、エネルギー貯蔵システムが
本願明細書には開示もされている。
【0049】
エネルギー貯蔵ユニットには、電池セル・ユニット、キャパシタ、スーパーキャパシタなど、及び/又はその任意の組合せが含まれ得る。
【0050】
本発明のさらなる態様によれば、
上述したような電池システムを制御する方法が提供される。
【0051】
次に、本発明がより容易に理解され、実施され得るようにするために、添付図面を参照しながら、単なる実例として、本発明の1つ又は複数の好ましい実施例を説明することにする。
【発明を実施するための形態】
【0053】
図1及び
図2に示すように、電池システム100は、複数の電池セル・モジュール102、電池セル・モジュール102の動作を制御する中央コントローラ104、及び電池セル・モジュール102からの出力を測定及び検証する、且つ/又は出力を処理して、所望の出力電圧プロファイルを提供する、出力モジュール106を備える。出力プロファイルは、ユーザ入力、又は電池システム100によって給電されるべきデバイス又は機器の電圧要件に基づいて決定され得る。
【0054】
中央コントローラ104は、各電池セル・モジュール102の現在の電圧、最大充電電圧、及び最小放電電圧などの、電池セル・モジュール102から読み出された入力パラメータ、並びに電池システム100全体の電圧値に基づいて、電池セル・モジュール102を制御する1組の制御パラメータを決定するマイクロコントローラを備える。制御パラメータは、各電池セル・モジュール102が、任意の所与の時点でいつ、どのように動作するかを決定する。具体的には、制御パラメータには、以下でさらに詳細に説明するように、デューティ・サイクル及び時間シフトが含まれる。
【0055】
各電池セル・モジュール102は、中央コントローラ104と通信するためのセル用マイクロコントローラ108を備える。任意の好適な通信プロトコルを、使用することができる。一実施例では、中央コントローラ104は、I2Cプロトコルを使用して、各電池セル・モジュール102上のセル用マイクロコントローラ108並びに出力モジュール106と通信する。
【0056】
各電池セル・モジュール102は、電池セル・ユニット110及びスイッチ組立体112をさらに備える。スイッチ組立体112は、電池セル・ユニット110を選択的に接続又は切断(又はバイパス)するためのトランジスタ114と、トランジスタ114を制御するスイッチ制御回路(
図4及び
図5)とを備える。一実施例では、スイッチ組立体112ごとに2つのパワー・トランジスタ(すなわちMOSFET)が使用され、一方のMOSFETは電池セル・ユニット110を接続し、もう一方は電池セル・ユニット110を切断する、たとえば「ハーフブリッジ」回路構成である。接続されたすべての電池セル・モジュール102の出力は、電気的に直列に接続される。スイッチ組立体及びセル・ユニットのいくつかのさらなる実例の構成は、PCT出願番号PCT/AU2016/050917に記載され、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0057】
この実施例では、出力モジュール106は、出力マイクロコントローラ116と、バックツーバックのNMOS MOSFETであり得る1組の出力スイッチ106とを備える。
図2でより明確に示すように、出力モジュール106はさらに2つの電圧センサ119、121を備える。第1の電圧センサ119は、電池セル・モジュール102の積算電圧出力端子125と並列に接続される。第2の電圧センサは、電池システム100の積算出力端子127と並列に接続される。出力モジュールは、電池セル・モジュール102と直列に接続された電流センサ123をさらに備える。電圧センサ119、121及び電流センサ123を使用して、電池システムの性能を測定し、電池システムの診断を行うことができる。出力スイッチは、電池システムの故障の処理、並びに/或いは電池システム及び/又は出力に取り付けられた電気式デバイスの保護を実現することができる。
【0058】
代替形態の出力モジュール107を、
図3に示す。この実施例では、出力モジュール107は、1組の出力スイッチ125、1つ又は複数の電圧及び電流測定センサ(図示せず)を備え、且つ電池セル・モジュール102の積算された電圧及び電流出力を平滑化するLCフィルタ118をさらに備える。LCフィルタ118を使用して、電池セル・ユニット110の切替で生じる電圧変動及び/又は電流スパイクを低減することにより、電池システム出力のさらなる安定化がもたらされる。出力マイクロコントローラ116は、中央コントローラ104と通信し、センサ及びトランジスタ125とインタフェースをとる。トランジスタ125を使用して、中央コントローラ104によってそうするように指示されたとき、又は出力モジュール107上のセンサが予想された動作閾値を超える電流若しくは電圧を示すとき、電池システム100全体を電気式デバイス又は機器(図示せず)から切断することができる。
【0059】
図1に示す実施例では、電池システム100は、モジュールの物理的レイアウトに従って構成される。モジュールの物理的レイアウトにおいて、各電池セル・モジュール102は、個別の回路基板上にある。これは、状況によっては、たとえば、モジュール102ごとのセル・ユニット110が、共有される回路基板を損傷する可能性のある何らかの相対的な物理的動きを受ける可能性がある場合に、有益である。また、電池システム100内に備えることができる電池セル・ユニット110の総数は、共有される基板上のスイッチ・インタフェースの数によって固定されず、それにより、
図1に示す専用回路を備えた電池セル・モジュール102を単に追加又は取り外すことによりパックのサイズを変更することができることは、異なる数の電池セル・ユニット110に対応するために共有される回路基板の再設計が必要となるよりも有利である。
【0060】
電池システム100のモジュールの物理的レイアウトにおいて、システム部品間の通信は、モジュール制御線122を介して実行される。さらに詳述すると、各電池セル・モジュール102は、中央コントローラ104から1つ又は複数の専用且つ固有の制御信号を受信するのではなく、各電池セル・モジュール102が、同じ1組の制御線122に接続され、中央コントローラ104から同じ制御信号を受信する。制御信号は、どの電池セル・モジュール102がアドレス指定されているかの情報を含むため、所与のメッセージは、すべてのモジュールではなく、1つ又は複数の特定の電池セル・モジュール102にのみ作用される。モジュール式制御の利点は、中央コントローラ104から各セル・モジュール102まで「蜘蛛状の」構成で走る、1組の独立した制御線を備えるのではなく、中央コントローラ104が、すべての電池セル・モジュール102が接続する1組の制御線122を提供するだけでよいことである(すなわち、中央コントローラ104を電池セル・モジュール102に接続する「線状の」制御線の構成を可能にする)。電池システム100のモジュール式の制御は、たとえば、
図1に示すレイアウトの下端で電池セル・モジュール102を単に追加又は取り外すことにより、ケーブル配線要件を低減し、電池セル・モジュール102の数が容易に変えられることを可能にする。
【0061】
図1の概略図は、モジュールの制御線122が、SYNC、すなわち同期線124、SDA、すなわちデータ線126(I2C通信用)、及びSCL、すなわちクロック線128(I2C通信用)を備えることを示す。
【0062】
同期線124を使って、中央コントローラ104から電池セル・モジュール102に時間信号を送信し、電池セル・モジュール102が電池セル・モジュールのそれぞれの制御タイミングを、それに応じて厳密に同期させることを可能にする。高周波の制御環境では、すべての電池セル・モジュール102は、電池セル・モジュールのそれぞれのスイッチ組立体112を極めて適切にタイミングを合わせるやり方で動作させる必要がある。多くの場合、タイミング精度要件は、セルのマイクロコントローラ108の標準クロックで許容される誤差よりも厳密であり、同期線124からの同期信号により、セル・モジュール102は、より高いタイミング精度で動作することができる。
【0063】
データ線126を使用して、中央コントローラ104から各電池セル・モジュール102にデューティ・サイクル及び時間シフト値を送り、そして各電池セル・モジュール102から中央コントローラ104に測定された電圧及び温度センサ値を送る。デューティ・サイクル及び時間シフト値は、各モジュール102のスイッチ組立体112がどのように動作するかを決定する。これを以下で、さらに詳細に説明する。
【0064】
I2C通信に従って、セルのマイクロコントローラ108は、クロック信号を使用して、中央コントローラ104から受信したデータを解読する。
【0065】
電池システム100の代替形態のハードウェア構成を、
図19から
図23を参照して以下でさらに詳細に説明する。
【0066】
次に
図4では、本発明の一実施例による電池セル・モジュール102の回路レイアウトを示す。セル・ユニットは、セルのマイクロコントローラ108と、電池セル・ユニット110と、スイッチ組立体112とを備える。スイッチ組立体112は、4つのトランジスタ114a、114b、114c、114dと、電圧センサと、任意選択で温度センサ(図示せず)とを備える。また、絶縁用電子回路132(たとえば光カプラ)を具備するゲート駆動回路130も備える。
【0067】
動作中、セルのマイクロコントローラ108は、電圧センサが読み取るセンサ入力を受信し、中央コントローラ104と通信し、センサ読取値に基づく制御信号を受信する。制御信号は、セルのマイクロコントローラ108によって解読され、絶縁用電子回路132を介してゲート駆動回路130を駆動するために使用される。絶縁用電子回路132により、セルのマイクロコントローラ108(アースに電気的に結合され、高電圧に耐えることができない)が、駆動回路132及び電池セル・ユニット110(多くのセル・ユニットが直列に接続された場合、電池パック内は高電圧であり得る)と、インタフェースをとることができる。
【0068】
ゲート駆動回路132は、それを通ってセルのマイクロコントローラ108がパワー・トランジスタ114を制御する、電子部品の集まりを備える。駆動回路132は、必要に応じて信号を適切な電圧及び電流に変換してトランジスタ114を駆動し(たとえば、MOSFETは通常、十分に高い電圧で大きい電流を供給する信号を受信すると、より良好に動作する)、且つ電池セル・ユニットに望ましからざる回路の短絡をもたらすであろう、トランジスタ114が同時に閉じることが決して確実に起こらないようにする。
【0069】
図4に示す、下側のパワー・トランジスタ114aはNMOSであり、パワー・トランジスタ114aが導通するとき、セル・ユニット110を切断する役割を持つ。上側のパワー・トランジスタ114cはPMOSであり、パワー・トランジスタ114cが導通するとき、セル・ユニット110を含める役割を持つ。1つのNMOS及び1つのPMOSトランジスタを使用することは、両方のパワー・トランジスタ114a、114cにわたって共有される所与の入力信号(HIGH又はLOW)が、常に一方のトランジスタをオンにし、他方をオフにして、それによりセルの回路短絡を回避することを意味する。入力信号が変化すると(HIGHからLOW、又はその逆)、抵抗134により、パワー・トランジスタ114の一方が他方よりも大きい制御ゲート電流を受け、1つのトランジスタを、次のトランジスタが導通を開始する前に導通を停止させることになる。この実施例では、2つのゲート・トランジスタ114b(NMOS)及び114d(PMOS)、並びに結合される抵抗器(136及び138)を使用して、絶縁用電子回路132が提供する低電流信号を受信し、低電流信号を、パワー・トランジスタ114を駆動するのに十分な大電流であり得る信号に変換する。
【0070】
2つのノード140、142、及び結合される分圧抵抗器144、146、148、150を使用して、電圧を測定する。この実施例では、パワー・トランジスタ114のゲート駆動電圧を、それぞれの電池セル・ユニット110によって提供される電圧よりも高くするための取組みはなされない。これは、電池セル・ユニットの電圧範囲を考慮して、パワー・トランジスタ114を慎重に選択する必要があることを意味する。
【0071】
図4に示すこの実施例の利点は、専用の駆動回路及び電圧コンバータのコストを省くことである。ゲート駆動回路130はただ1つの絶縁要素を備え、さらにコストを低減する。しかし、高電力トランジスタのゲート電圧が不足するため、使用に適したパワー・トランジスタの選択が限定されることがわかる。さらに、ゲート・トランジスタ114b、114dは、それぞれの電池セル・ユニット110によって直接給電される。ある実施例では、ゲート・トランジスタ114b、114dを、それぞれの電池セル・ユニット110によって部分的に給電することができる。
【0072】
ここで
図5を参照して、本発明の別の実施例による電池セル・モジュール102’を示す。2つのNMOSパワー・トランジスタ144a、144bをそれぞれ使用して、電池セル・ユニット110を接続又は切断する。各パワー・トランジスタ144は、信号を絶縁し、トランジスタ144を駆動するのに好適な大電流の性能を備える、専用の電子ハイサイド駆動回路148、150に接続されている。追加のDC − DC電圧コンバータ152を使用して、トランジスタ144を駆動するのに好適な高電圧の性能を持つハイサイド駆動回路148、150を実現する。DC − DC電圧コンバータ152は、電池セル・ユニット110からその正及び負の電力入力を受け取る。セルのマイクロコントローラ154は、2つのハイサイド駆動回路148、150を制御し、電池セル・ユニットの回路短絡の可能性を回避するために、パワー・トランジスタ144の一方が、他方が導通を開始する前に確実に導通を停止するよう作用する。2つのハイサイド駆動回路148、150は、DC − DC電圧コンバータから、従って間接的に電池セル・ユニット110から、駆動電圧入力を介してその電力を受け取る。
【0073】
この実施例の利点には、広範囲のゲート電圧を持つ広範囲のパワー・トランジスタを使用できることが含まれる。しかし、この実施例は、ハイサイド・ドライバ148、150及び電圧コンバータ152のコスト増加を伴うことがわかる。
【0074】
次に
図6では、電池セル・モジュール102を制御するためのデューティ・サイクル及び時間シフトを含む1組の制御パラメータを決定することにより、電池システム100を動作させる方法200を示す。
【0075】
ステップ202で、中央コントローラ104は、各電池セル・モジュール102からの電圧及び予測される電流(potentially current)の測定値を含む入力204を読み出し、各電池セル・モジュール102の現在の電荷レベルを推定する。
【0076】
ステップ206で、中央コントローラ104は、所望の又は所定の出力に関する入力208を受信して、電池システム100に求められる出力又は目標出力を決定する。論じたように、出力は、ユーザ入力値、又は電池システム100によって給電されるべきデバイス又は機器の電圧要件に基づくことができる。
【0077】
中央コントローラ104が、目標出力及び同時に接続されるべき結合されるセル・ユニットの総数を計算するやり方を、以下の実例を用いて説明することにする。
【0078】
この実例では、電池システムは、直列に接続された100個の電池セル・モジュール102を備え、各セル・モジュール102は、完全充電時に4.2V、完全放電時に2.7Vの電圧を供給することができる電池セル・ユニット110を備える。この実例では、電池システム100は、すべての電池セル・ユニット110が完全に充電された状態で開始した。電池システムは、260〜280Vの狭い範囲内で電池システムのDC出力電圧を供給しながら、放電することができる。
【0079】
この実例では、電池システムの出力がDC波形となることができ、すべての電池セル・ユニットの現在の電圧が同じ場合、同時に直列に接続されるべき電池セル・ユニットの数zは、以下の式を使用して計算することができる。
【数5】
ここで、
zは、任意の所与の時点での、直列に接続されるべき電池セル・ユニットの数である。
V
outは、電池システムの目標出力電圧である。且つ
V
cellは、電池システムの電池セル・ユニットの電圧である。
【0080】
従って、約270Vの安定した出力電圧を供給するために、最初に64個の電池が同時に直列に接続される(64×4.2V=270V)。放電全体を通して、セル電圧が低下すると、コントローラ104は、同時に直列に接続される電池の数を徐々に増やすようになる。最終的に、電池セル・ユニット110が完全な放電に近づくと、100個のセル・ユニット110すべてが接続されて270V(100×2.7V=270V)の出力を供給することになる。
【0081】
同様に、必要な電圧が、完全放電時のすべてのセル・ユニット110の最小電圧の合計よりも低い場合に特に好適な、他の電池出力値を選択することができる。こうした場合、すべてのセル・ユニット110が完全に放電するとき、すべてのセル・ユニット110がシステム100に接続されるわけではない。
【0082】
この実例において、放電中に同時に接続されるセル・ユニットの数を計算するために使用される上記の式は、充電中に同時に接続されるセル・ユニットの数を計算するためにも等しく使用され得る。その場合、電池システムの目標出力電圧は、電池の外部充電電圧である。
【0083】
ステップ210で、中央コントローラ104は、ステップ202で読み出された、測定された入力値204に基づいて、電池セル・ユニット110ごとのデューティ・サイクル値を計算する。デューティ・サイクルは、スイッチ組立体112が動作中にそれぞれの電池セル・ユニット110を電池システム100に接続する時間の長さ又は割合を定義する。
【0084】
ステップ212で、中央コントローラ104は、電池セル・ユニット110ごとの時間シフト値を計算し、必要に応じてステップ202、206で得られた入力値204、208に基づいて、ステップ210で計算されたデューティ・サイクル値をスケーリングする。時間シフトは、特定の電池セル・モジュール102のためのデューティ・サイクルを、いつ開始するかを制御するために使用される変数である。たとえば、1Hzのシステム・デューティ・サイクル周波数で、電池セル・モジュール102が50%のデューティ・サイクル値を持って動作する電池システム100では、関連するスイッチ組立体112は、t=0で、関連する電池セル・ユニット110を出力に接続することができ、t=0.5sで、関連する電池セル・ユニット110を切断することができる。t=1sで、1Hzの周波数であるため、サイクルが繰り返されることになる。しかし、電池セル・モジュール102は別法として、t=0で接続され、t=0.25sで切断され、再びt=0.75sで接続される。時間シフトは、各電池セル・モジュール102の接続されるデューティ・サイクルがいつ起こるかを制御して、目標の電池システム出力を供給する。
【0085】
中央コントローラ104が、電池セル・モジュール102ごとのデューティ・サイクル及び時間シフトを計算するやり方を、以下の実例を用いて説明することにする。
【0086】
この実例では、電池システム100は、充電されるべき7つの電池セル・モジュール102を備える。この実例では、電池システムの目標出力は、電池セル・ユニット110の平均電圧出力の3倍である。話を簡単にするために、各セル・モジュール102は、以下の表に列挙されているように、「高」又は「低」のいずれかを保持することができる最大電荷容量を持つ。「高」容量を持つ各セル・モジュール102は、1.5Ahの電荷を保持することができ、一方「低」容量レベルを持つ各セル・モジュール102は、1Ahの電荷を保持することができる。さらに、この実例では、すべての電池セルが完全に放電された状態で開始され、すべての電池の電圧は同じである。
【0087】
【表1】
しかし実際には、電池システム100は、多くの相異なる最大電荷蓄積容量、開始するための電荷レベル、及び電圧レベルを持ち得ることを理解されたい。
【0088】
この実例では、中央コントローラは、以下の式を使用してセル・モジュール102の充電デューティ・サイクルを計算する。
【数6】
ここで、
D
x,chargeは、充電中の電池セル・ユニット「x」のデューティ・サイクルである。
「Cap」は、所与の電池セル・ユニット110が完全に充電されたときに蓄積することができる総容量であり、たとえば時折、電池セル・ユニットを完全に充電及び完全に放電し、電池セル・ユニットが完全充電状態と完全放電状態との間の遷移の期間にわたって供給することができた電荷量を測定することにより決定される。
C
Xは、セル・ユニット「x」の現在の電荷レベルである。
Xは、電池セル・ユニット「x」110に割り当てられた数値である(上式で、各電池セル・ユニットに、1からNまでの番号が割り当てられる)。
Nは、電池システム100内の電池セル・ユニット110の総数である。
Yは、一時的又は永続的に使用が無効になっている特定の電池セル・ユニットの指標「x」の集まりである。
Zは、任意の所与の時点での、接続する必要がある電池セル・ユニット110の数である。且つ
α及びβは、方程式における総和に使用される変数である。
【0089】
上記の式は、電池セル・モジュール102ごとに0と1との(又は0%と100%との)間のデューティ・サイクル値を与え、所与の電池セル・ユニット110がスイッチ組立体112を介してシステム100に接続される時間の割合を示す。
【0090】
この実例では、デューティ・サイクルの式に基づいて、「高」電荷の各セル・ユニットは、50%のデューティ・サイクルを受信し、「低」荷電の各セル・ユニットは33.3%のデューティ・サイクルを受信する。すべてのデューティ・サイクル値の合計(D
total)は、以下のように計算される。
【数7】
【0091】
D
totalは100%のデューティ・サイクルの約3倍であり、したがってZで所望のセルの数と一致するため、スケーリングは不要である。しかし、D
totalが300%より大きいか又はより小さい場合、中央コントローラ104は、300%のD
totalが実現されるようにデューティ・サイクル値をスケーリングするためのスケーリング係数Sを計算することができる。次いで、中央コントローラ104は、スケーリングされたデューティ・サイクル値に従って各電池セル・モジュール102を制御することになる。
【0092】
ステップ212のように、中央コントローラ104は次に、電池セル・ユニット110ごとにシフト値を計算する。論じたように、時間シフトは、所与の電池システムのデューティ・サイクル中に、電池セル・ユニットがいつ切断された状態から接続された状態に移行するかを定義する。
【0093】
この実施例では、有効な第1のセル・ユニット110には時間シフト(T
1)がない。
T
1=0
【0094】
後に続くセル・ユニットごとの時間シフト(T
x)は、前のセル・ユニット110の時間シフト値(T
x−1)に前のセル・ユニット110のデューティ・サイクル値(D
x−1)を加えた値であるがただし、1以下である。
T
x=T
x−1+D
x−1−floor(T
x−1+D
x−1)
【0095】
上記のデューティ・サイクル及び時間シフト値から得られるセル・ユニットの挙動を、
図7に見ることができる。この図において、x軸は、システム・デューティ・サイクルで表した、測定された時間を示す。この場合、1つのシステム・デューティ・サイクルは、各セル・ユニット110が一度オンに切り替えられ、そして一度オフに切り替えられた時間を表す。y軸は、電池セル・ユニット110が出力に接続されているか切断されているかを示す。たとえば、システム・デューティ・サイクルの開始時(時間=0%)に、セル・ユニット1、3、及び5が接続され、他のすべてのセル・ユニットは切断されていることがわかる。あらゆる時点で、3つのセル・ユニットが接続されており、それによって、所望の各セル・ユニット110の平均出力電圧の約3倍の合計出力値が供給されることになる。サイクルは連続的に繰り返されるため、セル・ユニット3を含む一部のセル・ユニットは、1つのデューティ・サイクルの終わり近くで始まり、次のデューティ・サイクルに続く。動作中、中央コントローラによって新しいデューティ・サイクル値が計算されて割り当てられるまで、セル・ユニットの挙動は何度も繰り返され、新しいデューティ・サイクル値の割当によってセル・モジュール102の切替の挙動に変化がもたらされる。
【0096】
上記の実例では、中央コントローラ104は、特定の時点で接続されるべきセル・ユニットの数を選択することによって、システム100の総出力を制御するように、電池セル・モジュール102を制御することができる。上記の実例では、3つのセル・ユニットが同時に使用されるが、他の実例では、より少ない又はより多くのセル・ユニットを同時に使用して、より高い出力電圧を供給することができる。
【0097】
代替の実施例では、中央コントローラ104は、ステップ210で、以下の式に基づいて各電池セル・ユニット110のデューティ・サイクルを計算することができる。
【数8】
ここで、
D
xは、電池セル・ユニット「x」のデューティ・サイクルである。
V
tは、各電池セル・ユニット「x」内の電池セルの現在の電圧である。
V
minは、電池セル・ユニット「x」の電池セルの最小許容電圧である(たとえば、電池セルが完全に放電されたとき)。且つ
V
chargeは、電池セル・ユニット「x」の電池セルが完全に充電されたときの、電池セルの電圧である。
【0098】
現在のセル電圧は、蓄積された電荷に関連するため、上記のデューティ・サイクル計算は、蓄積電荷量が相異なる電池セル・ユニット110に、相異なるデューティ・サイクルを与えることになる。
【0099】
ある実施例では、中央コントローラ104は、ステップ2012で、以下の式に基づいて時間シフトを計算することができる。
【数9】
ここで、
T
xは、電池セル・ユニット「x」の時間シフト値である。
T
Dは、デューティ・サイクルの周期、つまり
【数10】
であり、ここでfは、電池システムの制御周波数である。
Xは、電池セル・ユニット「x」に割り当てられた数値である(上式で、各電池セルに、1からNまでの番号が割り当てられる)。且つ
Nは、電池システム内の電池セル・ユニットの総数である。
【0100】
この式により、電池セル・モジュール102の時間シフト値は、0からT
Dの間の等間隔の値という結果になる。従って電池セル・ユニット112は、千鳥状に次々に接続されるようになり、特定のデューティ・サイクルに対して望ましい電圧出力プロファイルをもたらす。
【0101】
ステップ214で、中央コントローラ104は、入力208から得られた値と一致する所望の出力を供給するために、制御信号をセルのマイクロコントローラ108及び出力マイクロコントローラ116に発行して、各電池セル・モジュール102及び出力モジュール106の動作を制御する。
【0102】
次に、電池システム100が、所望の電圧出力を供給するように制御するさらなる方法250を、
図8を参照して説明することにする。
【0103】
ステップ252で、システム100は、各電池セル・ユニット110に現在蓄積されている電荷レベルであるC
Xを判断する。C
Xのこの値は、たとえば、測定されたセル電圧をルックアップ・テーブル又はセル電圧の関数と比較し、電荷及び温度を含む特定の条件下での残存容量の関係を考慮して、並びに/或いは時間の経過と共に各電池セルに入った、且つ/又は各電池セルを出た電荷量を測定することによって判断される。
【0104】
ステップ254で、システム100は、所望の出力電圧を供給するために同時に接続されるべきセル・ユニットの総数を決定する。
【0105】
ステップ256で、セルのマイクロコントローラ108は、その各セル・ユニット110の性能パラメータをチェックする。こうした性能パラメータの中には、温度、出力電圧、電流などが含まれ得る。各セル・ユニット110が標準又は所定の範囲を超える性能パラメータを持つ場合、マイクロコントローラ108は、その各セル・ユニット102が現在の動作サイクル内に切断されるべきであることを中央コントローラ104に通知する。システム100は、切断されたセル・ユニット110を、非活動状態のセル・ユニット110としてマークづけする。後に続くサイクルにおいて、性能パラメータの値が標準又は所定の範囲内にあると判断された場合、セルのマイクロコントローラ108は、現在の動作サイクルで使用するために各セル・ユニット110を接続できることを中央コントローラ104に通知する。システム100は、接続されたセル・ユニット110を、活動状態の電池セル・ユニット110としてマークづけする。
【0106】
ステップ258で、システム100は、セル・ユニット110「x」ごとの、放電デューティ・サイクルD
x,discharge(たとえば、電池システム100が負荷に電力供給しているとき)及び充電デューティ・サイクルD
x,charge(たとえば、電池システム100が外部電源によって充電されているとき)を、以下の2つの式に従って決定する。
【0107】
システム100が負荷に電力を供給し放電している場合、放電中の特定のセル・ユニットxのデューティ・サイクルは、以下で計算される。
【数11】
ここで、
D
x,dischargeは、放電中の電池セル・ユニット「x」のデューティ・サイクルである。
C
Xは、セル・ユニット「x」の現在の電荷レベルである(ステップ252で計算される)。
Xは、電池セル・ユニット「x」110に割り当てられた数値である(上式で、各電池セル・ユニットに、1からNまでの番号が割り当てられる)。且つ
Nは、電池システム100内の電池セル・ユニット110の総数である。
Yは、一時的又は永続的に使用が無効になっている特定の電池セル・ユニットの指標「x」の集まりである(ステップ256で決定される)。
Zは、任意の所与の時点での、接続する必要がある電池セル・ユニット110の数である(ステップ254で計算される)。
α及びβは、等式における総和に使用される変数である。
式1において、
【数12】
は、放電中のすべての電池セル・ユニット110に存在する総容量である。
【数13】
は、任意の所与の理由で使用できないすべてのセル・ユニット110、たとえば、セルをその安全な電圧又は温度動作領域内に保つため、且つ/又はステップ256で決定された過度の劣化からセルを保護するために除外されたセルの容量である。従って、すべてのセル・ユニット110の総容量から使用できないセル・ユニット110の総容量を引くと、利用可能なセル・ユニット110の総容量(「総利用可能容量」)が得られる。
【0108】
式1は次いで、各セル・ユニットxの容量を総利用可能容量で除算し、その結果得られる項
【数14】
は、総放電のうちの何パーセント、個々のセルが最適な放電に貢献する必要があるかを特定する。最後に、これをオン時間のデューティ・サイクルに変換するには、許容可能な出力電圧を供給するために直列に接続する必要があるセル・ユニット110の数を乗算する必要がある。
【0109】
システム100が負荷に電力を供給しておらず充電している場合、充電中の特定のセル・ユニットxのデューティ・サイクルは、以下で計算される。
【数15】
ここで、
「Cap」は、所与の電池セル・ユニット110が完全に充電されたときに蓄積することができる総容量であり、たとえば時折、電池セル・ユニットを完全に充電及び完全に放電し、電池セル・ユニットが完全充電状態と完全放電状態との間の遷移の期間にわたって供給することができた電荷量を測定することにより決定される。
【0110】
他のすべての項の意味は、放電の方程式に関するものと同じである。
【0111】
クエリのステップ260で、システム100は、電池セル・ユニット110のいずれかのデューティ・サイクルが1、すなわち100%を超えるかどうかを判断する。システム100内の電池セル・ユニット110のいずれか1つ又は複数が100%を超えるデューティ・サイクル値を持つ場合、方法250はステップ262に進む。そうでない場合、方法250はステップ264に進む。
【0112】
デューティ・サイクルの計算値は、たとえば、放電している電池システムが、放電時に他の電池セル・ユニットよりもかなり多量の蓄積された電荷量を保持する1つの所与の電池セル・ユニットを備えるとき、1を超える場合がある。同様に、1を超えることはまた充電中に、1つのセルが他のセルと同じ量の蓄積された電荷を持つが、かなり大きい容量である時に、起こる場合がある。こうした場合、どんな電池セル・ユニット110も100%を超えるデューティ・サイクルで動作させることは不可能なため、システム100は、100%未満のデューティ・サイクルを持つその電池セル・ユニット110のデューティ・サイクル値を拡大して、所望の出力に可能な限り近い出力を実現するように、電池セル・ユニット110のそれぞれの出力要件を均等化する。場合によっては、これは不可能な場合がある。たとえば、それぞれ6Vの出力を持つ3つの活動状態の電池セル・ユニット110を使って、24Vの出力を供給することは不可能である。この場合、システム100は、可能な限り最も近い出力を供給するように指示され得るか、又はオフにされ得る。
【0113】
ステップ262で、正確に100%のデューティ・サイクルを持つ任意の電池セル・ユニット110を除くすべての電池セル・ユニット110のデューティ・サイクル値について、以下の式に従ってスケーリングされる。
【0114】
デューティ・サイクル値が100%より大きい電池セル・ユニット110の場合、スケーリングされたデューティ・サイクル値D
downは1、すなわち100%である。
【0115】
デューティ・サイクル値が100%未満の電池セル・ユニット110の場合、スケーリングされたデューティ・サイクル値D
upは、以下の式3に基づいて計算される。
【数16】
ここで、
D
xは、各電池セル・ユニット110の計算されたスケーリングされていないデューティ・サイクル値である。
D
αは、1、すなわち100%を超えるデューティ・サイクル値を持つ電池セル・ユニット110のそれぞれの計算されたスケーリングされていないデューティ・サイクル値である。
従ってD
α−1は、こうしたデューティ・サイクル値のそれぞれが1を超えるだけの量(「余剰デューティ・サイクル」)である。
従って、Σ
α∈W(D
α−1)は、1を超えるデューティ・サイクルを持つすべての電池セル・ユニット110の余剰デューティ・サイクルの総和である。
Wは、スケーリングされていない、デューティ・サイクル値が1を超える特定の電池セル・ユニット110の指標「x」の集まりであり、αは、方程式における総和に使用される変数である。
Σ
β∈VD
βxは、スケーリングされていない、デューティ・サイクル値が1未満の電池セル・ユニット110のデューティ・サイクル値の総和である。
Vは、スケーリングされていない、デューティ・サイクル値が1未満の特定の活動状態の電池セル・ユニット110の指標「x」の集まりである。且つ
α及びβは、方程式における総和に使用される変数である。
【0116】
ステップ262により、スケーリングされていないデューティ・サイクル値が1未満であった任意の電池セル・ユニットが1を超える場合、スケーリングのステップ262が繰り返され、すべてのスケーリングされていないデューティ・サイクルが、前のスケーリングのステップ中に計算されたデューティ・サイクル値で置き換えられる。これは、すべてのスケーリングされたデューティ・サイクルの値が100%以下になるまで行われる。式3におけるデューティ・サイクルの計算がゼロによる除算をもたらすようなことがあれば、これは出力要件と利用可能な電池セルとが基本的に両立しないことを示し、その時点でシステムは、ユーザ設定に応じて、機能が部分的に低下した状態に移行するか、又は出力を完全に切断することができる。
【0117】
ステップ264において、システム100は、前のステップで計算されたその各デューティ・サイクル値(スケーリングされた、又はスケーリングされていない)に基づいて、各活動状態の電池セル・ユニット110の時間シフト値を計算する。上記のように、ステップ258で計算されたすべてのデューティ・サイクル値が1を超えない場合、スケーリングされていないデューティ・サイクル値が使用されることになり、そうでない場合は、ステップ262で計算された、スケーリングされたデューティ・サイクル値が使用される。
【0118】
最初に接続されたセル・ユニット110には、時間シフトがないため、
T
1=0
である。
【0119】
後に続く各セル・ユニットの時間シフト(T
x)は、前のセル・ユニット110の時間シフト値(T
x−1)に、前のセル・ユニット110のデューティ・サイクル値(D
x−1)を加えた値であるが、1以下である。
T
x=T
x−1+D
x−1−floor(T
x−1+D
x−1)
【0120】
床関数の項を含めることにより、T
x−1+D
x−1が1以上の場合、1が減算され、T
xを0以上1未満の小数部に、確実に戻す。床関数の中の項が0以上1未満の場合、床関数は値0を返し、時間シフトの計算に寄与しない。その結果、活動状態の電池セル・ユニット110は千鳥状に接続及び切断され、所望の出力プロファイルに等しいか、又はほぼ一致する出力プロファイルをもたらす。
【0121】
ステップ266で、中央コントローラ104は、所望の出力を供給するために、制御信号をセルのマイクロコントローラ108及び出力マイクロコントローラ116に発行して、各電池セル・モジュール102及び出力モジュール106の動作を制御する。
【0122】
図1に示す構成では、方法250のステップは、主に中央コントローラ104によって実行される。各セルのマイクロコントローラ108は、セル・ユニット110ごとの対応する値を中央コントローラ104に通知し、その各セル・ユニット110に対応する、中央コントローラ104からの関連するデューティ・サイクル及び時間シフト値を解読し、その値を使用して各スイッチ組立体114を制御して、適切な時間にそれぞれのセル・ユニット110を切断又は接続する。しかし、他の構成において、中央コントローラ104が使用されない場合、上記の方法ステップを、セルのマイクロコントローラ108のいずれか1つ又は複数で実行することができる。
【0123】
方法250の実例を、ここで
図8から
図11を参照して以下に説明することにする。
【0124】
電池パックは、それぞれの容量が2、3、4、4、5、及び6Ahであるx=1から6の6つの電池セル・ユニットで構成され、ここで各電池セル・ユニットは、完全充電時約4V、半分充電時3.5V、及び放電時3Vの出力電圧を供給すると仮定する。この電池パックは、完全充電を開始し、最初に放電され得る。次いで、10.5〜14Vの間の範囲である出力電圧を供給しながら充電される。放電の開始時には、すべてのユニットが機能しているため、指標Yを持つセルはない。電池パックが放電を開始すると、システムは、4V/セル×3セル=12Vなので、出力電圧範囲内の電圧を供給するために3つの電池セルを同時に使用することが望ましいと計算する。その結果得られるセルのデューティ・サイクルは、以下のように計算することができる。
【数17】
【0125】
以前に与えられた時間シフトの式及び処理に基づいて、セル・ユニットのタイムシフトは以下のように計算することができる。
T
1=0
T
2=T
1+D
1−floor(T
1+D
1)=0+25%−floor(25%)=25%
T
3=25%+37.5%−floor(62.5%)=62.5%
T
4=62.5%+50%−floor(62.5%+50%)=112.5%−1=12.5%
T
5=12.5%+50%−floor(62.5%)=62.5%
T
6=62.5%+62.5%−floor(62.5%+62.5%)=125%−1=25%
【0126】
上記のデューティ・サイクル及び時間シフト値から得られるセル・ユニットの挙動を、
図9に見ることができる。セル・ユニット1が切断されると、セル・ユニット2が接続されることがわかる。見てわかるように、右にある結果は、すべての時点で4つのセル・ユニットが接続されるシステムである。
【0127】
電池セルが半分放電するまでに、セル・ユニットx=1から6には、それぞれ1、1.5、2、2、2.5、及び3Ahの残りの蓄積された電荷がある。この時点で、パックの電圧は3.5V/セル×3セル=10.5Vに達した。パックをさらに放電すると電池の出力電圧が10.5V未満に低下することになるので、システムは、放電を続けるために4つのセルを同時に使用することがこの時点で望ましいと計算する。というのは、3.5V/セル×4セル=14Vが、すなわち、パックが放電し続けるにつれてパック電圧が低下する余地のある、所望の電圧範囲の上限だからである。4つのセルへのこの変更直前の、セル1、4、及び6のデューティ・サイクルは、上記と同じように計算することができる。
【数18】
【0128】
同様に、変更前のタイムシフト値は以下で、同じままである。
T
1=0
T
2=T
1+D
1−floor(T
1+D
1)=0+25%−floor(25%)=25%
T
3=25%+37.5%−floor(62.5%)=62.5%
T
4=62.5%+50%−floor(62.5%+50%)=112.5%−1=12.5%
T
5=12.5%+50%−floor(62.5%)=62.5%
T
6=62.5%+62.5%−floor(62.5%+62.5%)=125%−1=25%
【0129】
この変更直後のデューティ・サイクルは、以下のように計算することができる。
【数19】
【0130】
対応する時間シフトは、以下のように計算することができる。
T
1=0
T
2=33.3%−floor(33.3%)=33.3%
T
3=33.3%+50%−floor(33.3%+50%)=83.3%
T
4=83.3%+66.7%−floor(83.3%+66.7%)=150%−1=50%
T
5=50%+66.7%−floor(50%+66.7%)=116.7%−1=16.7%
T
6=16.7%+83.3%−floor(16.7%+83.3%)=100%−1=0%
上記のデューティ・サイクル及び時間シフト値から得られるセル・ユニットの挙動を、
図10に見ることができる。
【0131】
さらにこの変更の直後に、システムは、現在の温度又は電圧測定値に基づいて、セル・ユニット3の動作寿命を延ばすために一時的に切断する必要があると判断すると仮定する。この場合、デューティ・サイクルは以下のように変化する。
【数20】
セル・ユニット3は一時的に切断され、これはセル・ユニット3のデューティ・サイクルが0であることを意味する。
【0132】
上記のように、どの所与のセルのデューティ・サイクルも100%を超えることはできない。セル6のデューティ・サイクルはその上限なしでこの量を超えることになるため、スケーリングが利用される。上記の実例では、接続されたセルのデューティ・サイクルの合計が40%+60%+80%+100%+100%=3.8、すなわち、動作中ずっと同時に直列に4つのセルが必要となるはずである4ではもはやないので、どの時点でも直列に4つのセルを提供することはもはやないことがわかる。
【0133】
以前に示したスケーリングの式に従って、容量が100%未満のすべてのセルが再計算される。従って、セル1、2、及び4の新しいデューティ・サイクルは、以下のようになる。
【数21】
【0134】
このスケーリングの後、デューティ・サイクルの総和は、44.4%+66.7%+88.9%+100%+100%=4と計算することができる。従って、結果として得られるシステム動作は、必要に応じて同時に接続されるべき4つの直列セルを提供することができる。
【0135】
対応する時間シフト値は、以下のように計算することができる。
T
1=0
T
2=44.4%−floor(44.4%)=44.4%
T
3=44.4%+66.7%−floor(44.4%+66.7%)=111.1%−1=11.1%
T
4=11.1%+0%−floor(11.1%+0%)=11.1%
T
5=11.1%+88.9%−floor(11.1%+88.9%)=100%−1=0%
T
6=0%+100%−floor(100%)=100%−1=0%
上記のデューティ・サイクル及び時間シフト値から得られるセル・ユニットの挙動を、
図11に見ることができる。
【0136】
上記の実例は、システムが、どのようにDC出力電圧プロファイルを生成することができるかを示しているが、電池システム100は同様に、他の出力波形を生成することができる場合がある。整流された正弦波形である出力を選択することにより、AC出力への変換を容易にすることができる。電池システム100はまた、ユーザ入力に基づいて、又は出力に接続されたデバイスによって要求されるように、相異なる出力波形間を切り替えることができる場合がある。
【0137】
中央コントローラ104は、AC出力を供給するために、特定周波数(たとえば、家庭で使用される50又は60Hz)での出力電圧の変動を供給するように、任意の所与の時間に接続されるべき電池セル・ユニット110の数を決定する。たとえば、100個の電池セル・モジュール102を備える電池システムは、所与のレベルの合計出力電圧、たとえば270Vに達するまで、システムが、電池セル・ユニット110が接続されていない状態(出力=0V)と、接続されている電池の数が増加する状態との間を交互に繰り返し、270Vに達する前に再び低下してゼロになるように制御され得る。これをタイムリーに行うことにより、整流された正弦波を生成することができる。整流された正弦波の利点は、Hブリッジなどの比較的簡単で標準的な1組の電子スイッチを使用して、この出力を正負に振動する50/60Hz信号に変換できることである。任意選択で、標準のACトランスを追加で使用して、AC信号を必要なレベルまで増減することができる(たとえば、出力電圧を230Vに下げることができる)。
【0138】
次に、電池システム100を、所望の電圧出力を供給するために制御するさらなる方法600を、
図12を参照して説明することにする。
【0139】
ステップ602で、システム100は、各電池セル・ユニット110の電圧であるV
x、及び各電池セル・ユニット110に現在蓄積されている電荷レベルC
xを判断する。C
Xのこの値は、たとえば、測定されたセル電圧をルックアップ・テーブル又はセル電圧の関数と比較し、電荷及び温度を含む特定の条件下での残存容量の関係を考慮して、並びに/或いは時間の経過と共に各電池セルに入った、且つ/又は各電池セルを出た電荷量を測定することによって判断される。
【0140】
ステップ604で、セルのマイクロコントローラ108は、その各セル・ユニット110の性能パラメータをチェックする。こうした性能パラメータの中には、温度、出力電圧、電流などが含まれ得る。各セル・ユニット110が標準又は所定の範囲を超える性能パラメータを持つ場合、マイクロコントローラ108は、その各セル・ユニット102が現在の動作サイクル内に切断されるべきであることを中央コントローラ104に通知する。システム100は、切断されたセル・ユニット110を、非活動状態のセル・ユニット110としてマークづけする。後に続くサイクルにおいて、性能パラメータの値が標準又は所定の範囲内にあると判断された場合、セルのマイクロコントローラ108は、現在の動作サイクル内で使用するために各セル・ユニット110を接続できることを中央コントローラ104に通知する。システム100は、接続されたセル・ユニット110を、活動状態の電池セル・ユニット110としてマークづけする。
【0141】
ステップ606で、システム100は、使用可能なセル・ユニット110のすべての可能な組合せを算出し、関連する合成電圧を計算する。合成電圧は、組合せの一部である、すべてのセル・ユニットのセル・ユニット電圧の合計である。次いで、システム100は、利用可能なすべてのセル・ユニットの組合せ、及び合成電圧を含むルックアップ・テーブルを生成する。
【0142】
一実例では、電池システム100は、5つの電池セル・ユニット110を収容し、各電池セル・ユニット110は、以下の表に列挙される電荷容量、蓄積された電荷、及び電圧を持つ。
【0143】
【表2】
定義された多数の組合せの中の選択した一部、及び計算することができる合成電圧が、以下で与えられる。
【0145】
ステップ608で、システム100は、ルックアップ・テーブルを使用して、所定又は所望のシステム出力電圧を、セル・ユニットの組合せにマッチングさせる。次いで、システム100は、このルックアップ・テーブルを使用して、セル・ユニット110ごとの1つ又は複数のデューティ・サイクル及び時間遅延を定義する。
【0146】
上記の実例では、所望のシステム出力電圧は、
図13に示す非線形の正弦波の目標となる電圧であり得る。システムは、続けて、電圧に関して最も近い各組合せを、このプロファイルにマッチングさせ、最も合致するものを実現させるために、必要に応じてデューティ・サイクル及び時間遅延を定義する。ある実施例では、システムは、システムの目標と合成電圧との間が不一致である期間中(たとえば実例では、t<0.05×10
−2秒の間)、パルス幅変調手法を追加で使用して、電圧がさらに合致するよう改善することができる。関連するデューティ・サイクル及び時間シフト値から得られるセル・ユニットの挙動を、
図14に見ることができる。関連するデューティ・サイクル及び時間シフト値から得られるシステム電圧を、
図13に見ることができる。
【0147】
ステップ610で、電池システムは、最適な目標電圧への合致と、セル容量の最適使用との間のトレードオフ処理を実施する。上記の実例で、電池パックが放電しなければならないと仮定して、この処理は、以下の数学的不等式に従って2つのセルのすべての組を調べる。
【数22】
ここで、
C
x,usedは、特定のデューティ・サイクル及び時間シフトによって定義される、時間Tに接続される予定の、第1の電池セル・ユニット110に蓄積された電荷である。
C
y,unusedは、時間Tに切断される予定の、第2の電池セル・ユニット110に蓄積された電荷である。
Fは、電池パック内でアクセス可能な容量を最大化することの重要度と比較した、所望の出力電圧に近いシステム出力電圧を供給することの重要度を定義する、ゼロより大きい値を持つトレードオフ係数である。
V
T,usedは、時刻Tに接続される予定の、第1の電池セル・ユニット110の電圧である。
そしてV
T,unusedは、時間Tで切断される予定の、第1の電池セル・ユニット110の電圧である。
【0148】
上記の不等式がセル・ユニットの所与の組に対して真であると判明した場合、所与の時間Tに切断される予定のセル・ユニット110はその時点で接続されるべきであり、一方その時点で接続される予定のセルは、その時点で切断されるべきである。この式は、蓄積された電荷がより大きい1つのセル・ユニットが切断される予定であり、一方蓄積された電荷がより少ない別のセル・ユニットが接続される予定であるが、それらの電圧が過度に異なっていない場合、それらのセル・ユニットが役割を交換し、残容量がより大きいセル・ユニットほど、一層出力に寄与することができることを効果的に保証する。上記の特定の実例では、すべてのセル・ユニットが同じ蓄積された電荷を持っているため、2つのセル・ユニットのどの組についても不等式は成立せず、トレードオフは行われない。
【0149】
ステップ612で、中央コントローラ104は、所望の出力を供給するために、制御信号をセルのマイクロコントローラ108及び出力マイクロコントローラ116に発行して、各電池セル・モジュール102及び出力モジュール106の動作を制御する。
【0150】
次に
図15では、電池システム100の部品を組み込み、さらにインバータ302を備える電池システム300を示す。インバータ302は、端子304から出力されるDC電圧(上記のように生成された)を変換し、出力端子306でDC信号をAC信号に変換する。
【0151】
図16は、電池システム100の部品を組み込み、さらにHブリッジ402を備える電池システム400の実施例を示す。電池システム400は、上記のように端子304で整流された正弦波出力などの「片側」信号を供給することができ、Hブリッジ402は波形を変換して出力端子406で正負の振動を供給する。
【0152】
図17は、電池システム400の構成要素を組み込み、さらにトランス502を備える、電池システム500のさらなる実施例を示す。
図9と同様に、出力端子504は、正負に振動する波形を持つ出力信号を供給する。トランス502は、出力信号を特定の必要なレベルまで昇圧又は降圧することができる。システム500内の電池セル・ユニット510の数では目標レベルでの出力電圧が不可能な場合、システム500を特定の用途で使用することができる。たとえば、システム500が、それぞれが完全充電時に4.2Vを供給する10個の電池セル・ユニット510だけを備える場合で、トランス502が昇圧トランスとして動作する場合に、トランス502によりシステム500は、42V(10×4.2V)より大きい合計出力電圧を供給することができる。
【0153】
図18は、2つの電池システム100が並列に接続されている、さらなる実施例による電池システム900を示す。電池システム100からの出力電圧は上記のやり方で制御できるため、2つの電池システム100の相対電圧を制御することにより、各システム100からの出力電流もまた同様に制御することができる。システム100ごとの出力制御のレベルにより、システム100は、
図11に示すやり方での並列接続に適合可能になる。
図11は、各システム100が対応する出力モジュール106を備えることを示しているが、2つのシステム100は、ある用途では、単一の出力モジュール106を共有することもできることを理解されよう。
【0154】
標準の電池パックのシステムでは、異なる電池パックが相異なる容量を持ち、1つのパックから別のパックよりも多くのエネルギーが引き出される場合があるため、DC端子を並列接続することが問題になる可能性がある。その結果、パックの電圧を互いに減結合し、且つ制御のレベルを可能にするために、並列接続の前に各パックの出力端子にDC − DCコンバータが必要になることが多く、それによってコストが追加される。
【0155】
場合によっては、本発明の一実施例による電池システム100を標準又は従来の電池システムに接続することが可能である。通常、各システム内の電池は、それぞれ異なる電圧プロファイルに従うので、相異なる化学的性質及び種類の2つの電池パックを並列接続することは問題になる可能性がある。しかし、電池システム100を使用して、並列接続するために、標準又は従来の電池パック・システムの電圧プロファイルを合致させるように電池システム100を構成することが可能である。
【0156】
図19は、中央マイクロコントローラが各分散型コントローラとの専用通信線を備える、さらなる実施例による電池システムを示す。この実施例では、出力モジュールだけが分散型コントローラを備え、一方、スイッチ組立体は、電気的絶縁部以外の局所処理なしで、中央マイクロコントローラから専用線を介して制御信号を受信する。この実施例は、セル・ユニットのスイッチ組立体に結合される分散型コントローラを不要にすることにより、コントローラのコストを削減するという利点を持つが、各スイッチ組立体への専用信号線が、システムのレイアウトの複雑性を増し、信頼性を低下させる可能性があるという欠点を持つ。
【0157】
図20は、中央マイクロコントローラが共有される通信線を介して準分散型マイクロコントローラと通信する、さらなる実施例による電池システムを示し、さらに準分散型マイクロコントローラは、電池セル・モジュールへの専用通信線を備える。この実施例では、中央マイクロコントローラと準分散型マイクロコントローラとの間の通信信号に基づいて、電気的絶縁が実施される。従って、それぞれの準分散型マイクロコントローラは、それが制御する、対応するセル・モジュールの接地電位に等しいか、又はそれに近い接地電位で動作する。
【0158】
図21は、中央マイクロコントローラが共有される通信線を介して準分散型マイクロコントローラと通信する、さらなる実施例による電池システムを示し、さらに準分散型マイクロコントローラは、電池セル・モジュールへの専用通信線を備える。この実施例において、電気的絶縁は、準分散型マイクロコントローラと、それが制御する、対応するセル・モジュールとの間の信号に基づいて実施される。従って、それぞれの準分散型マイクロコントローラは、他の準分散型マイクロコントローラ及び/又は中央マイクロコントローラの接地電位に等しいか、又はそれに近い接地電位で動作する。
【0159】
図22は、いくつかの分散型マイクロコントローラ間に1つ又は複数の共有される通信線を備える、さらなる実施例による電池システムを示す。さもなければコントローラ104に保有されていた制御の決定は、その代わりに、1つ又は共同で複数の分散型コントローラによって個別に行われる。
【0160】
図23は、いくつかの分散型マイクロコントローラが電力線を介して通信する、さらなる実施例による電池システムを示す。さもなければコントローラ104に保有されていた制御の決定は、その代わりに、1つ又は共同で複数の分散型コントローラによって個別に行われる。
【0161】
解釈
特許請求の範囲を含む本明細書は、以下のように解釈されることを意図している。
【0162】
本明細書に記載される実施例又は実例は、本発明の範囲を限定することなく、本発明を例示することを意図している。本発明を、当業者が容易に思いつくであろう、様々な修正及び追加を加えて実施することができる。従って、本発明の範囲は、説明又は図示した正確な構造及び動作に限定されるべきものではなく、添付の特許請求の範囲のみによることを理解されたい。
【0163】
本明細書における方法ステップ又は製品要素の単なる開示は、請求項にそうであると明示的に記載されているか、又は請求項に明示的に列挙されている場合を除き、本明細書で請求される発明に必須であると解釈されるべきではない。
【0164】
特許請求の範囲における用語は、当該の日付の時点で当業者によって与えられていたであろう、最も広い範囲の意味を持つ。
【0165】
「a」及び「an」という用語は、特に明示的に特定されていない限り、「1つ又は複数」を意味する。
【0166】
本出願の名称も要約も、請求された発明の範囲として、いかなる形であれ限定するものと解釈されるべきではない。
【0167】
クレームの前文が、請求された発明の目的、利益、又は可能な使用法を列挙している場合、前文は請求された発明を、その目的、利益、又は可能な使用法のみを持つことに限定するものではない。
【0168】
特許請求の範囲を含む本明細書において、「含む(現在形)」という用語、及び「含む(三人称)」又は「含む(現在進行形)」など、その用語の変形は、明示的に特定されない限り、又はその文脈若しくは使用法の下で、その用語専用の解釈を必要としない限り、「含むがそれに限定されるものではない」を意味するために使用される。
【0169】
本明細書で言及される任意の文書の開示は、本開示の一部として参照により本特許出願に組み込まれるが、書面による説明及び実施可能化の目的のためだけであり、本出願が、参照によるかかる組込みがなければ、確認可能な意味を提供することに失敗しなかったはずの本出願のどんな用語も、決して限定、定義、又は解釈するために使用されるべきものではない。どんな参照による組込みも、それ自体では、どんな組み込まれた文書に含まれる、どんな声明、意見、又は議論の、どんな承認又は批准をも構成するものではない。
【0170】
本明細書におけるどんな背景技術又は従来技術への言及も、かかる背景技術又は従来技術が関連分野での共通する一般的な知識を構成することを認めるものではなく、又は特許請求の有効性に関して認められる従来技術である。