【課題を解決するための手段】
【0005】
上記に鑑みて、第1の態様によれば、請求項1に記載のケーブル加工装置の圧着装置用の圧着カセットが提供される。
【0006】
さらなる態様によれば、ケーブル加工装置が提供される。ケーブル加工装置は、本明細書に記載の圧着カセットを装填可能な圧着装置を有している。
【0007】
さらに別の態様によれば、ケーブル加工装置における、本明細書に記載の圧着カセットの圧着工具の位置合わせ方法が提供される。
【0008】
さらに別の態様によれば、ケーブル加工装置における、本明細書に記載の圧着カセットの装填方法が提供される。
【0009】
本開示のさらなる態様、利点、および特徴は、従属請求項、明細書、および添付の図面から明らかである。なお、以下に示す態様は、必要に応じて自由に組み合わせることができる。
【0010】
本開示の一態様によれば、ケーブル加工装置の圧着装置用の圧着カセットは、圧着装置の圧着動作中に協働するように構成された固定工具部品および可動工具部品を有する圧着工具を有している。圧着カセットは保持装置をさらに有し、保持装置は、少なくとも2つの爪であって、爪の装着領域において、固定工具部品に直接的または間接的に固定された装着部品に取り付けるための少なくとも2つの爪を有している。保持装置は、爪が装着部品にしっかりとクランプされる、固定された閉鎖位置と、空間的に制限された調整範囲内での固定工具部品の調整移動を可能にするために爪が装着部品を緩く把持する、固定解除された閉鎖位置と、固定工具部品が保持装置から分離可能になるように爪が装着部品を解放する開放位置とを有している。
【0011】
固定位置では、爪は、装着部品の装着部品にしっかりとクランプされている。固定解除された閉鎖位置にあるとき、装着部品は、固定工具部品の完全な取り外しが可能になるような方法ではまだ解放されていない。しかしながら、固定解除された閉鎖位置では、制限された調整範囲内での可動工具部品に対する固定工具部品の調整が可能である。したがって、可動工具部品と固定工具部品は、互いに相対的に容易に位置合わせされる。
【0012】
調整範囲は、通常は固定工具部品に対する可動工具部品の圧着動作移動に垂直な平面内にあるが、効率的な位置合わせ動作を実行するのに十分な範囲に制限され、例えば、平面の2つの方向において、10MM未満または2MM未満の範囲内に制限される。
【0013】
開放位置では、爪は装着部品を解放し、固定工具部品が保持装置から分離することを可能にする。これにより、ケーブル加工装置内での、または手動での圧着カセットの容易な交換が可能になる。
【0014】
いくつかの実施態様では、固定解除された閉鎖位置で爪の把持を閉鎖するように閉鎖ばねが設けられて配置されている。換言すると、閉鎖ばねは爪に作用し、固定解除された閉鎖位置において十分なクランプ力を維持するとともに、保持装置からの固定工具部品の早期の解放を抑制し、しかも効率的な位置合わせ動作を可能にする。
【0015】
いくつかの実施態様では、圧着工具は、工具部品位置合わせ動作を実行するように構成され、工具部品位置合わせ動作では、保持装置が固定解除された閉鎖位置にあるときに、可動工具部品は、空間的に制限された調整範囲内で固定工具部品を機械的に移動させるように、通常は圧着動作を実行する場合よりも大幅に固定工具部品に向かって移動される。
【0016】
信頼性のある位置合わせを確実にするために、そのような位置合わせ動作に関与する可動工具部品と固定工具部品のそれぞれの表面の対応する形状を有益に形成することができる。したがって、可動工具部品と固定工具部品は、それぞれ位置合わせ面を有していてもよく、位置合わせ面は、工具部品位置合わせ動作中に相互作用して可動工具部品に対する固定工具部品の自動位置合わせを行うように形成される。
【0017】
いくつかの実施態様では、保持装置はマンドレルをさらに有している。マンドレルは、爪の対応する面に押し付けられたときに装着領域において爪を装着部品に締め付けるように形成された背面と、爪の対応する面に押し付けられたときに爪を広げるように形成された前面とを有している。
【0018】
マンドレルは、保持デバイスの固定解除された閉鎖位置での工具部品の位置合わせ動作を容易にするために、背面と前面のどちらも爪を押していないアイドル状態に移動可能である。したがって、アイドル状態では、マンドレルが、可動工具部品に対する固定工具部品の位置合わせ運動を妨げることはない。
【0019】
いくつかの実施態様では、圧着カセットは、少なくとも固定された閉鎖位置と固定解除された閉鎖位置との間で保持装置を操作する操作装置をさらに有している。
【0020】
操作装置は、互いに連結された固定解除押しボタンおよび固定解除レバーを有していてもよい。固定解除押しボタンの直線運動は、固定解除レバーを介して、マンドレルのアイドル状態への直線運動に変換することができる。これにより、位置合わせ動作が容易に可能である。
【0021】
いくつかの実施態様では、圧着工具は、可動工具部品を固定工具部品に解放可能に連結させる連結装置をさらに有している。連結装置は、可動工具部品に固定されていてもよい。連結装置は、固定工具部品に設けられた対応する円錐ボアと係合する円錐端面を有していてもよい。
【0022】
ケーブル加工装置に関するいくつかの実施態様では、ケーブル加工装置は、装填された圧着カセットを解放可能に固定する固定装置をさらに有している。固定装置は、圧着カセットの操作装置を操作するように構成されている。
【0023】
いくつかの実施態様では、ケーブル加工装置は、装填された圧着カセットの圧着工具の可動工具部品を取り付けるように構成された装着装置をさらに有している。
【0024】
いくつかの実施態様では、装着装置は、可動工具部品の把持相手を把持するために把持軌道に従って移動可能に構成されて配置されたグリッパを有し、把持軌道は、把持相手を把持するためのグリッパの移動において、直線軌道と、それに続く旋回軌道とを有している。
【0025】
直線軌道と旋回軌道が連続することにより、工具部品の相互の自動固定および位置合わせ動作がさらに容易になる。
【0026】
いくつかの実施態様では、グリッパは、グリッパの操作面に力を加えたときに把持軌道に従って移動するように配置されて形成されている。この力は、把持軌道に従ってグリッパが移動している間、一定の方向を有している。さらなる態様によれば、ケーブル加工装置は、グリッパを開放するためのアクチュエータであって、一般的には空気圧シリンダと、グリッパを閉鎖するためのばね構成とをさらに有している。
【0027】
したがって、アクチュエータとばね部材の少なくとも一方の単純な直線的配置によれば、グリッパの単一面に作用することで、高度な軌道を伴う信頼性のある把持動作が可能になる。
【0028】
いくつかの実施態様では、ケーブル加工装置は、装着装置に向けて可動工具部品を引き上げる昇降装置をさらに有している。しかしながら、代替的な実施態様によれば、装着装置自体が可動工具部品に向かって移動可能であってもよい。
【0029】
いくつかの実施態様では、ケーブル加工装置は、装着部品のための張力装置であって、圧着装置に設けられた取り付け面に対して装着部品に張力を加える張力装置をさらに有している。これにより、確実かつ緊密な固定が可能である。
【0030】
上記実施態様の特定の態様によれば、取り付け面は、装着部品と取り付け面との摩擦を低減する少なくとも1つの支持部材を備え、一般的には支持ローラを備えている。これにより、締め付け前と解放後の少なくとも一方において、取り付け面上の装着部品の移動が容易になる。
【0031】
いくつかの実施態様では、ケーブル加工装置は、可動工具部品と固定工具部品との間の押圧力を検出するように配置された圧力検出器と、圧力検出器に接続され、所定の最大押圧力を超える押圧力を検出したときに固定工具部品に対する可動工具部品のストロークを制限するストローク制限装置とをさらに有している。
【0032】
本開示の一態様によれば、ケーブル加工装置における、本明細書に記載の圧着カセットの圧着工具の位置合わせ方法が提供される。その位置合わせ方法は、固定解除された閉鎖位置に保持装置を移動させることと、張力装置を解放することと、張力装置の張力領域に圧着工具の固定工具部品を挿入することと、可動工具部品が固定工具部品に接触する少し前まで固定工具部品に向けて可動工具部品を移動させることと、開放位置に保持装置を移動させることと、可動工具部品と固定工具部品との間で調整範囲内での位置合わせが行われるように、可動工具部品と固定工具部品との間の押圧力を達成するか、または超えるまで、固定工具部品に向けて可動工具部品を移動させることと、張力装置を用いて張力を加えることと、固定された閉鎖位置に保持装置を移動させることと、を含んでいる。
【0033】
本開示の一態様によれば、本発明のケーブル加工装置における、本明細書に記載の圧着カセットの装填方法が提供される。その装填方法は、装填される圧着カセットに向けて固定装置を移動させることと、保持装置を固定解除された閉鎖位置にするように操作することと、圧着カセットを固定装置に取り付けることと、可動工具部品を固定工具部品から解放することと、可動工具と装着装置を接近させるように装着装置に対して可動工具部品を移動させることと、可動工具部品の把持相手を把持することと、を含んでいる。
【0034】
いくつかの実施態様では、本明細書に記載の位置合わせ方法は、本明細書に記載の装填方法の工程の後に実行される。
【0035】
本明細書に記載の態様および実施態様によれば、圧着プレスなどの圧着装置は、中間位置を有する圧着カセットの横方向挿入の機能、すなわち、可動工具部品と固定工具部品との間の連結装置を開放することと、例えば圧着装置のスライド上で可動工具部品を引き継いで保持することと、保持装置を2段階(固定解除された閉鎖位置および開放位置)で開放して固定工具部品を圧着装置に引き継ぐことと、工具部品を一緒に任意に移動させることで工具部品を位置合わせすることと、圧着装置上で固定工具部品をクランプすることとのいずれかまたはすべてを実行してもよい。