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特許6989653フリップチップボンディング構造及び回路基板
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6989653
(24)【登録日】2021年12月6日
(45)【発行日】2022年1月5日
(54)【発明の名称】フリップチップボンディング構造及び回路基板
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20211220BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20211220BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20211220BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20211220BHJP
【FI】
   H01L21/60 311W
   H01L23/12 F
   H01L23/12 Q
   H01L21/60 311Q
   H05K1/02 J
   H05K3/34 501E
【請求項の数】17
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-104396(P2020-104396)
(22)【出願日】2020年6月17日
(65)【公開番号】特開2021-111771(P2021-111771A)
(43)【公開日】2021年8月2日
【審査請求日】2020年8月11日
(31)【優先権主張番号】108148760
(32)【優先日】2019年12月31日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】311005208
【氏名又は名称】▲き▼邦科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】馬 宇珍
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 信豪
(72)【発明者】
【氏名】周 文復
(72)【発明者】
【氏名】許 國賢
【審査官】 小池 英敏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−065673(JP,A)
【文献】 特開2019−161198(JP,A)
【文献】 特開2016−021543(JP,A)
【文献】 特開2014−027126(JP,A)
【文献】 特開2005−167221(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60
H01L 23/12
H05K 1/02
H05K 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一インナーボンディングエリア(113a)及び第二インナーボンディングエリア(113b)を含むインナーボンディングエリア(113)が定義される表面を有する基板(110)と、前記第一インナーボンディングエリアに位置される複数のインナーリード(130)と、前記第二インナーボンディングエリアに位置され、コネクト部(142)に連結されると共に横方向(D1)に沿って延伸され縦方向(D2)に沿って第一広さ(W1)を有する主要部分(141)と、前記コネクト部に連結されると共に前記縦方向に沿って前記第一インナーボンディングエリアに向けて延伸される分岐部(143)と、前記縦方向に沿って第二広さ(W2)を有し前記第二広さは前記第一広さ未満である前記コネクト部とを有する少なくとも1つのT字型ワイヤー(140)と、を有する回路基板(100)と、
前記インナーボンディングエリアに設置され、複数の第一バンプ(210)及び少なくとも1つの第二バンプ(220)を有するチップ(200)と、
前記第一バンプと前記インナーリードの接合を介し、前記第二バンプと前記分岐部の接合を介し、前記回路基板と前記チップとの間に位置されるはんだ層(400)と、を備えることを特徴とするフリップチップボンディング構造。
【請求項2】
前記分岐部は前記縦方向に沿って何れか1つの前記インナーリードに向けて延伸されることを特徴とする請求項1に記載のフリップチップボンディング構造。
【請求項3】
前記分岐部は前記縦方向に沿って隣接する2つの前記インナーリードの間まで延伸されることを特徴とする請求項1に記載のフリップチップボンディング構造。
【請求項4】
前記分岐部は第一端(143a)及び第二端(143b)を有し、前記第一端は前記コネクト部に連結され、前記第二端は前記第二バンプに接合され、前記第一端の線幅は前記第二端の線幅より広いことを特徴とする請求項1に記載のフリップチップボンディング構造。
【請求項5】
前記分岐部は前記横方向に沿って第三広さ(W3)を有し、前記第二広さと前記第三広さとの比率は0.5未満ではないことを特徴とする請求項1に記載のフリップチップボンディング構造。
【請求項6】
前記第二バンプは前記横方向に沿って第四広さ(W4)を有し、前記第二広さと前記第四広さとの比率は2未満であることを特徴とする請求項1に記載のフリップチップボンディング構造。
【請求項7】
前記第二広さ及び前記第四広さは同じであることを特徴とする請求項6に記載のフリップチップボンディング構造。
【請求項8】
前記コネクト部は前記横方向に沿って第一長さ(L1)を有し、前記第二バンプは前記縦方向に沿って第二長さ(L2)を有し、前記第一長さと前記第二長さとの比率は4未満ではないことを特徴とする請求項6に記載のフリップチップボンディング構造。
【請求項9】
前記コネクト部から前記第二バンプまでの間には直線距離(LD)を有し、前記直線距離と前記第二広さとの比率は3未満ではないことを特徴とする請求項1に記載のフリップチップボンディング構造。
【請求項10】
前記はんだ層の厚さは0.30μmを超えないことを特徴とする請求項1に記載のフリップチップボンディング構造。
【請求項11】
一インナーボンディングエリア及び第二インナーボンディングエリアを含むインナーボンディングエリアが定義される表面を有する基板と、
前記第一インナーボンディングエリアに位置される複数のインナーリードと、
前記第二インナーボンディングエリアに位置され、コネクト部に連結されると共に横方向に沿って延伸され縦方向に沿って第一広さを有する主要部分と、前記コネクト部に連結されると共に前記縦方向に沿って前記第一インナーボンディングエリアに向けて延伸されバンプの接合に用いられる分岐部と、前記縦方向に沿って第二広さを有し前記第二広さは前記第一広さ未満である前記コネクト部と、を有するT字型ワイヤーと、を備えることを特徴とする回路基板。
【請求項12】
前記分岐部は前記縦方向に沿って何れか1つの前記インナーリードに向けて延伸されることを特徴とする請求項11に記載の回路基板。
【請求項13】
前記分岐部は前記縦方向に沿って隣接する2つの前記インナーリードの間まで延伸されることを特徴とする請求項11に記載の回路基板。
【請求項14】
前記分岐部は第一端及び第二端を有し、前記第一端は前記コネクト部に連結され、前記第二端は前記バンプの接合に用いられ、前記第一端の線幅は前記第二端の線幅より広いことを特徴とする請求項11に記載の回路基板。
【請求項15】
前記分岐部は前記横方向に沿って第三広さを有し、前記第二広さと前記第三広さとの比率は0.5未満ではないことを特徴とする請求項11に記載の回路基板。
【請求項16】
前記分岐部に形成されるはんだ層を備え、前記分岐部は前記はんだ層を介して前記バンプに接合されることを特徴とする請求項11に記載の回路基板。
【請求項17】
前記はんだ層の厚さは0.30μmを超えないことを特徴とする請求項16に記載の回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フリップチップボンディング構造及び回路基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、フリップチップパッケージ技術の多くは熱圧着方式を採用し、熱ではんだを溶かしてチップ及び基板を接合している。熱圧着過程では、溶けたはんだが回路に沿ってバンプに向けて流れる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
フリップチップ技術を用いる際、バンプが線幅の広い回路に近接している場合、回路上のはんだが受熱して溶け出してバンプに向けて流れるのが速く、バンプ周囲のはんだが過量となって溢れ出ることがあり、ブリッジのショートが発生し歩留まりが低下する。
【0004】
本発明は、上述に鑑みてなされたものであり、その目的は、ブリッジのショートが発生する事態を回避させるフリップチップボンディング構造及び回路基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様のフリップチップボンディング構造は、第一インナーボンディングエリア(113a)及び第二インナーボンディングエリア(113b)を含むインナーボンディングエリア(113)が定義される表面を有する基板(110)と、前記第一インナーボンディングエリアに位置される複数のインナーリード(130)と、前記第二インナーボンディングエリアに位置され、コネクト部(142)に連結されると共に横方向(D1)に沿って延伸され縦方向(D2)に沿って第一広さ(W1)を有する主要部分(141)と、よりも狭い前記コネクト部に連結されると共に前記縦方向に沿って前記第一インナーボンディングエリアに向けて延伸される分岐部(143)と、前記縦方向に沿って第二広さ(W2)を有し前記第二広さは前記第一広さ未満である前記コネクト部とを有する少なくとも1つのT字型ワイヤー(140)と、を有する回路基板(100)と、前記インナーボンディングエリアに設置され、複数の第一バンプ(210)及び少なくとも1つの第二バンプ(220)を有するチップ(200)と、前記第一バンプと前記インナーリードの接合を介し、前記第二バンプと前記分岐部の接合を介し、前記回路基板と前記チップとの間に位置されるはんだ層(400)とを備える。
【0006】
また、本発明の別の態様の回路基板は、前記第一インナーボンディングエリア及び前記第二インナーボンディングエリアを含む前記インナーボンディングエリアが定義される表面を有する前記基板と、前記第一インナーボンディングエリアに位置される複数の前記インナーリードと、前記第二インナーボンディングエリアに位置され、前記コネクト部に連結されると共に前記横方向に沿って延伸され前記縦方向に沿って第一広さを有する前記主要部分と、前記コネクト部に連結されると共に前記縦方向に沿って前記第一インナーボンディングエリアに向けて延伸されバンプの接合に用いられる前記分岐部と、前記縦方向に沿って前記第二広さを有し前記第二広さは前記第一広さ未満である前記コネクト部と、を有する前記T字型ワイヤーとを備える。
【0007】
このフリップチップボンディング構造及び回路基板を用いるとき、前記回路基板及び前記チップが接合されると、前記はんだ層が受熱して溶けて異なる方向から前記分岐部のバンプの接合箇所に向けて流れる。前記コネクト部の広さは前記主要部分の広さ未満である。
したがって、T字型ワイヤーのコネクト部の広さを縮小し、前記コネクト部から前記分岐部に向けて流れるはんだの量を減らすことから、はんだがバンプ接合箇所外に向けて溢れ出てブリッジのショートが発生する事態を回避させる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態の基板を示す上面図である。
図2】本発明の実施形態のフリップチップボンディング構造を示す上面図である。
図3】本発明の実施形態の回路基板のインナーボンディングエリアの一部を示す上面図である。
図4】本発明の実施形態の回路基板のインナーボンディングエリアの一部を示す上面図である。
図5】本発明の実施形態の回路基板のインナーボンディングエリアの一部を示す上面図である。
図6】本発明の実施形態の回路基板のインナーボンディングエリアの一部を示す上面図である。
図7】本発明の実施形態の回路基板のインナーボンディングエリアの一部を示す上面図である。
図8図7のA〜A線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明による実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
(一実施形態)
図1から図8に基づいて本発明の実施形態を説明する。図1から図3は本発明に係るフリップチップボンディング構造Iを図示する。フリップチップボンディング構造Iは回路基板100及びチップ200を備え、回路基板100は基板110と複数のアウターリード120と複数のインナーリード130とを有する。基板110はポリイミド(polyimide、PI)、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)、ガラス、セラミック、金属、或いは他の材料で製造される。基板110は表面111を有し、アウターリード120及びインナーリード130は表面111に形成され、表面111には2つのアウターボンディングエリア112及びインナーボンディングエリア113が定義されている。アウターボンディングエリア112は基板110の両側にそれぞれ位置され、インナーボンディングエリア113はアウターボンディングエリア112の間に位置され、アウターリード120はアウターボンディングエリア112内に位置され、インナーリード130はインナーボンディングエリア113内に位置されている。
【0011】
図2及び図3に示すように、フリップチップボンディング構造Iはソルダーレジスト層300を有し、ソルダーレジスト層300により基板110の表面111が被覆されると共にアウターボンディングエリア112及びインナーボンディングエリア113が露出されている。チップ200はインナーボンディングエリア113に設置され、本実施形態では、チップ200は熱圧着技術によりインナーリード130に接合され、アウターリード120は外部装置(図示せず)の接合に用いられる。
【0012】
図3及び図4に示すように、インナーボンディングエリア113は第一インナーボンディングエリア113a及び第二インナーボンディングエリア113bを含み、インナーリード130は第一インナーボンディングエリア113aに位置されている。回路基板100は少なくとも1つのT字型ワイヤー140を有し、T字型ワイヤー140は第二インナーボンディングエリア113bに位置されている。T字型ワイヤー140とインナーリード130との間は電気的に接続されず、接地に用いられるか電源に接続されている。好ましくは、インナーボンディングエリア113が2つの第一インナーボンディングエリア113aを含み、第一インナーボンディングエリア113aは両側に位置され、第二インナーボンディングエリア113bは第一インナーボンディングエリア113aの間に位置され、インナーリード130はインナーボンディングエリア113の両側の辺縁に沿って配列され、T字型ワイヤー140は両側のインナーリード130の間に位置されている。本実施形態では、インナーリード130及びT字型ワイヤー140はパターン化された銅箔基材で形成されている。
【0013】
図3及び図4は本発明の一実施形態を図示し、T字型ワイヤー140は主要部分141とコネクト部142と分岐部143とを有する。主要部分141はコネクト部142に連結されると共に横方向D1に沿って延伸され、分岐部143はコネクト部142に連結されると共に縦方向D2に沿って第一インナーボンディングエリア113aに向けて延伸され、分岐部143はチップ200のバンプの接合に用いられている。本実施形態では、コネクト部142及び分岐部143は互いに直交する。
【0014】
好ましくは、回路基板100は複数のT字型ワイヤー140を有し、各T字型ワイヤー140の主要部分141は横方向D1に沿って相互に連結され、各T字型ワイヤー140の分岐部143は縦方向D2に沿って第一インナーボンディングエリア113aに向けてそれぞれ延伸されている。
【0015】
図5図6、及び図7は異なる実施形態の分岐部143を図示し、図5に示す分岐部143は縦方向D2に沿って何れか1つのインナーリード130に向けて延伸されるが、インナーリード130には連結されていない。図6に示す分岐部143は縦方向D2に沿って隣接する2つのインナーリード130の間まで延伸されている。図7に示す分岐部143は第一端143a及び第二端143bを有し、第一端143aはコネクト部142に連結され、第二端143bはチップ200のバンプの接合に用いられている。第一端143aの線幅は第二端143bの線幅より広く、コネクト部142と分岐部143との間が断裂しなくなる。本実施形態では、第二端143bは隣接する2つのインナーリード130の間に位置されている。
【0016】
図3から図8に示すように、チップ200は複数の第一バンプ210及び少なくとも1つの第二バンプ220を有し、フリップチップボンディング構造Iは回路基板100とチップ200との間に位置されるはんだ層400を有する。第一バンプ210ははんだ層400を介してインナーリード130に接合され、第二バンプ220ははんだ層400を介して分岐部143に接合されている。好ましくは、はんだ層400の厚さは0.30μmを超えず、より好ましくは、はんだ層400の厚さは0.20μmを超えない。本実施形態では、回路基板100は、T字型ワイヤー140の、インナーリード130、主要部分141、コネクト部142及び分岐部143の上に形成されるはんだ層400を備え、はんだ層400の厚さは0.16μm±0.4μmである。チップ200及び回路基板100が接合されると、インナーリード130がはんだ層400を介して第一バンプ210に接合され、分岐部143がはんだ層400を介して第二バンプ220に接合される。
【0017】
図7に示すように、本実施形態では、分岐部143の第二端143bは第二バンプ220の接合に用いられている。これにより、チップ200が回路基板100に接合されると、第二端143bがはんだ層400を介して第二バンプ220に接合される。
【0018】
図8に示すに、フリップチップボンディング構造Iは、回路基板100とチップ200との間に充填される封止材料500を有し、封止材料500はアンダーフィル(underfill)である。
【0019】
はんだ層400は熱圧着過程で受熱して溶けると流動性を有する。第二バンプ220が分岐部143に接合されると、T字型ワイヤー140に位置されるはんだ層400が異なる方向から第二バンプ220の接合箇所に向けて流れ、オーバーフローの発生率が高まる。ブリッジのショートを防ぐため、本発明ではT字型ワイヤー140に対してレイアウト設計が施される。
【0020】
図4に示すように、主要部分141は縦方向D2に沿って第一広さW1を有し、コネクト部142は縦方向D2に沿って第二広さW2を有し、第二広さW2は第一広さW1未満である。コネクト部142の広さが縮小されることで、コネクト部142から分岐部143に向けて流れるはんだの量が効果的に減少し、過量のはんだが第二バンプ220に向けて流れてオーバーフローが生じる事態が回避される。好ましくは、分岐部143は横方向D1に沿って第三広さW3を有し、第二広さW2と第三広さW3との比率は0.5未満ではない(W2/W3≧0.5)。
比率が0.5〜1の間の範囲である場合(0.5≦W2/W3<1)、第二広さW2が第三広さW3未満であることを示す。
比率が1に等しい場合(W2/W3=1)、第二広さW2が第三広さW3に等しいことを示す。
比率が1超である場合(W2/W3>1)、第二広さW2が第三広さW3超であることを示す。
本実施形態では、分岐部143の線幅はインナーリード130の線幅と同じである。
【0021】
図5に示すように、第二バンプ220は横方向D1に沿って第四広さW4を有する。好ましくは、第二広さW2と第四広さW4との比率は2未満である(W2/W4<2)。
上記比率が1〜2の間の範囲である場合(1<W2/W4<2)、第二広さW2が第四広さW4を超え、第二広さW2が第四広さW4の2倍未満である。
上記比率が1に等しい場合(W2/W4=1)、第二広さW2及び第四広さW4が同じとなる。
上記比率が0〜1の間の範囲である場合(0<W2/W4<1)、第二広さW2が第四広さW4未満となる。
レイアウト設計が施されるとき、第二バンプ220の広さに基づいてコネクト部142の広さが決定され、第二広さW2と第四広さW4との比率が2未満となる。
【0022】
図6に示すように、コネクト部142は横方向D1に沿って第一長さL1を有し、第二バンプ220は縦方向D2に沿って第二長さL2を有し、第一長さL1と第二長さL2との比率は4未満ではなく(L1/L2≧4)、コネクト部142の長さが第二バンプ220の長さ4倍未満ではなくなる。これにより、第二バンプ220の長さに基づいて広さを縮小するコネクト部142の長さが決定される。本実施形態では、分岐部143はコネクト部142の中央部に位置され、分岐部143からコネクト部142の両端までの最短距離と同じとなる。
【0023】
図6に示すように、コネクト部142の辺縁から第二バンプ220の辺縁までの間には直線距離LDを有し、直線距離LDはコネクト部142と第二バンプ220との間の最短距離である。はんだ層400の厚さが増す場合、直線距離LDと第二広さW2との比率を高める必要がある。直線距離LDと第二広さW2との比率をはんだ層400の厚さと正比例させ、過量のはんだが熱圧着過程中に分岐部143と第二バンプ220との接合箇所に流れ込まないようにし、ブリッジのショートを回避させる必要がある。はんだ層400の厚さが0.16μmである場合、直線距離LDと第二広さW2との比率を3未満とせず(LD/W2≧3)、直線距離LDを第二広さW2の3倍超または3倍に等しくする。はんだ層400の厚さが0.18μmである場合、直線距離LDと第二広さW2との比率を4未満とせず(LD/W2≧4)、直線距離LDを第二広さW2の4倍超または4倍に等しくする。
【0024】
過量のはんだ層400がT字型ワイヤー140から第二バンプ220に向けて流れ込むことを防ぐため、本発明ではコネクト部142の広さを縮小し、コネクト部142から分岐部143に向けて流れるはんだの量を減少させる。
【0025】
(その他の実施形態)
本発明の実施形態における図1から図3は本発明に係るフリップチップボンディング構造Iを図示するが、このフリップチップボンディング構造Iは、薄膜フリップチップパッケージ構造(Chip on Film、COF)、ガラスフリップチップパッケージ構造(Chip on Glass、COG)、または他のフリップチップパッケージ構造でもよい。
【0026】
本発明の実施形態では、コネクト部142及び分岐部143は互いに直交するが、本発明はこれに限定されず、コネクト部と分岐部との間の夾角が90度超、90度未満、或いは90度に等しくてもよい。
【0027】
本発明の実施形態では、封止材料500はアンダーフィル(underfill)であるが、本発明はこれに限定されない。
【0028】
本発明の実施形態では、分岐部143はコネクト部142の中央部に位置され、分岐部143からコネクト部142の両端までの最短距離と同じとなる。本発明はこれに限定されない。分岐部はレイアウト設計の様々に異なる需要に応じてコネクト部の何れか一端に任意で偏向させることが可能である。
【0029】
本発明の実施形態では、過量のはんだ層400がT字型ワイヤー140から第二バンプ220に向けて流れ込むことを防ぐため、コネクト部142の広さを縮小し、コネクト部142から分岐部143に向けて流れるはんだの量を減少させる。本発明は、様々に異なる需要に応じて、コネクト部の広さ、長さ、及び第二バンプとの間の距離を任意で調整することで、はんだオーバーフローを大幅に低下させ、ブリッジのショートの発生率も低下させ、製品の歩留まりを効果的に向上させられる。
【0030】
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0031】
100 回路基板、
110 基板、
111 表面、
112 アウターボンディングエリア、
113 インナーボンディングエリア、
113a 第一インナーボンディングエリア、
113b 第二インナーボンディングエリア、
120 アウターリード、
130 インナーリード、
140 T字型ワイヤー、
141 主要部分、
142 コネクト部、
143 分岐部、
143a 第一端、
143b 第二端、
200 チップ、
210 第一バンプ、
220 第二バンプ、
300 ソルダーレジスト層、
400 はんだ層、
500 封止材料、
D1 横方向、
D2 縦方向、
I フリップチップボンディング構造、
L1 第一長さ、
L2 第二長さ、
LD 直線距離、
W1 第一広さ、
W2 第二広さ、
W3 第三広さ、
W4 第四広さ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8