特許第6989657号(P6989657)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6989657
(24)【登録日】2021年12月6日
(45)【発行日】2022年1月5日
(54)【発明の名称】回路基板
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20211220BHJP
   H05K 1/18 20060101ALI20211220BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20211220BHJP
【FI】
   H01L23/12 Q
   H05K1/18 L
   H01L21/60 311S
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2020-108588(P2020-108588)
(22)【出願日】2020年6月24日
(65)【公開番号】特開2021-111772(P2021-111772A)
(43)【公開日】2021年8月2日
【審査請求日】2020年8月11日
(31)【優先権主張番号】108148759
(32)【優先日】2019年12月31日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】311005208
【氏名又は名称】▲き▼邦科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】馬 宇珍
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 信豪
(72)【発明者】
【氏名】周 文復
(72)【発明者】
【氏名】許 國賢
【審査官】 井上 和俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−224478(JP,A)
【文献】 特開2008−211073(JP,A)
【文献】 特開2002−124544(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2019/0080996(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0128902(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0311148(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0068349(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0081999(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/12
H05K 1/18
H01L 21/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路レイアウト領域及びチップ実装エリアを有する基板と、
少なくとも1つの第一回路及び複数の第二回路を有し、前記第一回路は前記チップ実装エリアに設置され、各前記第二回路はインナーリード及びベースラインを含み、前記ベースラインは前記インナーリードに接続されると共に前記回路レイアウト領域に設けられ、前記インナーリードは第一広さを有し、前記インナーリードは縦軸の方向に沿って前記チップ実装エリアに設けられると共に前記第一回路と前記チップ実装エリアの周縁部との間に位置し、前記第一回路はメイン回路及び少なくとも1つの分岐リードを含み、前記メイン回路は、前記第一広さより小さくない第二広さを有し、前記縦軸と交差する第一軸の方向に沿って延長され、前記分岐リードは実装部と、接続部と、延長部とを有し、前記延長部は前記接続部と前記実装部との間に位置し、前記実装部はチップのバンプを接合するために用いられ、前記接続部は、前記第二広さより小さい第三広さを有し、前記接続部は前記縦軸と交差する第二軸の方向に沿って前記メイン回路に接続され、且つ前記延長部と前記メイン回路との間には第一ギャップを有し、前記実装部と前記メイン回路との間には第二ギャップを有し、前記実装部の自由端は前記メイン回路に接続されない回路層とを備えることを特徴とする回路基板。
【請求項2】
前記第二軸の方向は前記第一軸の方向と同じであることを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項3】
前記延長部は前記第一軸の方向に沿って延長していることを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項4】
前記実装部は前記第一軸の方向に沿って延長していることを特徴とする請求項3に記載の回路基板。
【請求項5】
前記メイン回路は前記メイン回路の周縁部に凹設されるノッチを有し、
前記ノッチは第一側辺及び第二側辺を有し、
前記接続部は前記第一側辺に接続していることを特徴とする請求項1または3に記載の回路基板。
【請求項6】
前記延長部は前記ノッチ中に位置することを特徴とする請求項5に記載の回路基板。
【請求項7】
前記実装部は前記ノッチ中に位置し、且つ前記実装部と前記第二側辺との間には第三ギャップを有することを特徴とする請求項5に記載の回路基板。
【請求項8】
前記第二軸は前記第一軸と交差し、
前記接続部は前記第二軸の方向に沿って前記メイン回路の周縁部に接続され、
前記延長部及び前記実装部は前記メイン回路の外側に位置することを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【請求項9】
前記メイン回路は少なくとも1つの貫通孔及びサブ回路を有し、
前記サブ回路は前記接続部と前記貫通孔との間に位置し、且つ前記接続部は前記サブ回路に接続していることを特徴とする請求項8に記載の回路基板。
【請求項10】
前記第一回路を被覆するはんだ層を更に備え、
前記はんだ層の厚さは0.3μmを超えないことを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板に関し、より詳しくは、チップ実装エリアにメイン回路及び少なくとも1つの分岐リードが設けられる回路基板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のフリップチップパッケージ技術は、熱圧着プロセス中に、チップ(図示省略)の複数のバンプ21を基板10のチップ実装エリア11中の複数のインナーリード12に熱圧着する(図1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記チップの電気的機能が増加するに連れて、これら前記インナーリード12を電気的に接続するための前記チップのこれら前記バンプ21の数量も増加するため、前記チップ実装エリアの面積を縮小する場合または改変しない場合、隣接するバンプにブリッジ接続のショートが発生しやすかった。
【0004】
そこで、本発明者は上記の欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的設計で上記の課題を効果的に改善する本発明に至った。
【0005】
本発明は、上記の従来技術の課題を解決する為になされたものであって、本発明の目的は、その為の回路基板を提供することである。本発明では、基板のチップ実装エリアに複数のインナーリード、メイン回路、及び少なくとも1つの分岐リードが設けられ、前記分岐リードはバンプの接合に用いられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の回路基板は、基板及び回路層を備えている。
前記基板は回路レイアウト領域及びチップ実装エリアを有する。
前記回路層は少なくとも1つの第一回路及び複数の第二回路を有する。
前記第一回路は前記チップ実装エリアに設置されている。
各前記第二回路はインナーリード及びベースラインを含む。
前記ベースラインは前記インナーリードに接続されると共に前記回路レイアウト領域に設けられている。
前記インナーリードは第一広さを有し、前記インナーリードは縦軸方向に沿って前記チップ実装エリアに設けられると共に前記第一回路と前記チップ実装エリアの周縁部との間に位置する。
前記第一回路はメイン回路及び少なくとも1つの分岐リードを含む。
前記メイン回路は前記第一広さより小さくない第二広さを有し、前記縦軸と交差する第一軸方向に沿って延長している。
前記分岐リードは実装部と、接続部と、延長部とを有する。
前記延長部は前記接続部と前記実装部との間に位置し、前記実装部はチップのバンプを接合するために用いられている。
前記接続部は前記第二広さより小さい第三広さを有し、前記接続部は前記縦軸と交差する第二軸方向に沿って前記メイン回路に接続されている。
前記延長部と前記メイン回路との間には第一ギャップを有し、前記実装部と前記メイン回路との間には第二ギャップを有し、前記実装部の自由端は前記メイン回路に接続されていない。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、前記チップ実装エリア中に設けられる前記分岐リードにより、前記バンプが電気的に接続され、前記チップに接合するための前記回路基板のガイドピンが増加する。このため、従来技術に存在する問題、すなわち(前記チップ実装エリアの面積を縮小する場合または改変しない場合)、隣接するバンプにブリッジ接続のショートが発生するという問題が解決される。
【0008】
本発明ではまた、前記接続部の前記第三広さが前記メイン回路の前記第二広さより小さいため、前記延長部と前記メイン回路との間の前記第一ギャップ、前記実装部と前記メイン回路との間の前記第二ギャップ、及び前記実装部の前記自由端が前記メイン回路に接続されない。このため、熱圧着プロセス中に前記第一回路に形成されるはんだが前記メイン回路に沿って前記バンプの方向に流動し、前記バンプを接合する前記実装部または前記延長部の周囲のはんだが過量になって溢れ出す、という状況が回避される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】従来の回路基板の一部を示す平面図である。
図2】本発明の第1実施形態による回路基板を示す平面図である。
図3】本発明の第1実施形態による回路基板の一部を示す平面図である。
図4図3の部分拡大平面図である。
図5】本発明の第2実施形態による回路基板の一部を示す平面図である。
図6図5の部分拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る回路基板について具体的に説明する。
なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
【0011】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態の回路基板100を図2〜4に基づいて説明する。
前記回路基板100は基板110及び回路層120を備えている。好ましくは、前記回路基板100は前記回路層120を被覆するはんだ層130を更に備え、且つ前記はんだ層130の厚さは0.3μmを超えない。
図2を参照すると、前記基板110は回路レイアウト領域111及びチップ実装エリア112を有し、前記チップ実装エリア112はチップ(図示省略)を設置するために用いられている。前記チップ実装エリア112は前記チップのバンプ実装エリアを前記基板110に投影したエリアであり、前記バンプ実装エリアには複数のバンプ30が設けられている。
【0012】
続いて図2図3及び図4を参照すると、前記回路層120は少なくとも1つの第一回路121及び複数の第二回路122を有し、各前記第二回路122はインナーリード122a及びベースライン122bを備えている。前記ベースライン122bは前記インナーリード122aに接続されると共に前記回路レイアウト領域111に設けられ、前記インナーリード122aは縦軸C方向に沿って前記チップ実装エリア112に設けられている。前記インナーリード122aは第一広さW1を有する。
【0013】
同じく図2図3及び図4を参照すると、前記第一回路121は前記チップ実装エリア112に設置され、これら前記インナーリード122aが前記縦軸C方向に沿って前記第一回路121と前記チップ実装エリア112の周縁部112aとの間に位置している。好ましくは、前記はんだ層130は前記第一回路121及び各前記第二回路122の前記インナーリード122aを被覆し、前記第一回路121はメイン回路121a及び少なくとも1つの分岐リード121bを備え、前記分岐リード121bは前記メイン回路121aに接続され、前記メイン回路121aは前記第一広さW1より小さくない第二広さW2を有する。前記メイン回路121aは前記縦軸Cと交差する第一軸A方向に沿って延長している。
前記分岐リード121bは実装部121cと、接続部121dと、延長部121eと、を有し、前記延長部121eは前記接続部121dと前記実装部121cとの間に位置し、前記実装部121cは前記チップの前記バンプ30を接合するために用いられている。前記縦軸Cと交差する第二軸B方向に沿って、前記接続部121dは前記メイン回路121aに接続され、前記接続部121dは前記第二広さW2より小さい第三広さW3を有する。前記延長部121eと前記メイン回路121aとの間には第一ギャップG1を有し、前記実装部121cと前記メイン回路121aとの間には第二ギャップG2を有し、前記実装部121cの自由端121kは前記メイン回路121aに接続されていない。
図3及び図4に示すように、 本実施形態では、前記第二軸B方向は前記第一軸A方向と同じである。好ましくは、前記延長部121eは前記第一軸A方向に沿って延長しており、より好ましくは、前記実装部121cは前記第一軸A方向に沿って延長する。これにより、前記チップ実装エリア112に他の第一回路121が設置可能となり、前記回路基板100に更に多くのバンプが接合可能となる。
【0014】
図2及び図3を参照すると、前記チップ実装エリア112中に設置されている前記分岐リード121bにより前記バンプ30が電気的に接続され、前記チップに接合するための前記回路基板100のガイドピンが増加する。
【0015】
続いて図3及び図4を参照すると、本実施形態では、前記メイン回路121aは前記メイン回路121aの周縁部121lに凹設されるノッチ121fを有し、前記ノッチ121fは第一側辺121g及び第二側辺121hを有し、前記接続部121dは前記第一側辺121gに接続されている。
本実施形態では、前記接続部121d、前記延長部121e、及び前記実装部121cは前記ノッチ121f中に位置し、且つ前記実装部121cと前記第二側辺121hとの間には第三ギャップG3を有する。然しながら、異なる実施形態では、回路設計の必要に応じて、前記接続部121d、前記延長部121e、または前記実装部121cのうちの少なくとも1つを前記ノッチ121f中に位置させないようにしてもよい。
【0016】
図2図3及び図4を参照すると、前記接続部121dの前記第三広さW3が前記メイン回路121aの前記第二広さW2より小さいため、前記延長部121eと前記メイン回路121aとの間の前記第一ギャップG1、前記実装部121cと前記メイン回路121aとの間の前記第二ギャップG2、及び前記実装部121cの前記自由端121kが前記メイン回路121aに接続されない。このため、熱圧着プロセス中に、前記第一回路121に形成される前記はんだ層130が熱を受けて前記メイン回路121aに沿って前記バンプ30の方向に流動し、前記バンプ30に接合されている前記実装部121cまたは前記延長部121eの周囲のはんだが過量になって溢れ出すということがなくなる。
【0017】
(第2実施形態)
以下、第2実施形態の回路基板100を図5及び図6に基づいて説明する。
本実施形態の第1実施形態との差異は、前記第二軸Bが前記第一軸Aと交差し、前記接続部121dが前記第二軸B方向に沿って前記メイン回路121aの前記周縁部121lに接続され、且つ前記延長部121e及び前記実装部121cが前記メイン回路121aの外側に位置する点である。
本実施形態では、前記メイン回路121aには少なくとも1つの貫通孔121iが設けられ、前記メイン回路121aに前記貫通孔121iの側辺に位置するサブ回路121jが形成され、前記サブ回路121jは前記接続部121dと前記貫通孔121iとの間に位置し、且つ前記接続部121dが前記サブ回路121jに接続されている。前記サブ回路121jは前記第二広さW2より小さい第四広さW4を有する。
【0018】
図5及び図6を参照すると、前記接続部121dが、線幅が前記メイン回路121aより小さい前記サブ回路121jに接続されるため、熱圧着プロセス中に、前記メイン回路121aに形成される前記はんだ層130が熱を受けて前記サブ回路121j及び前記分岐リード121bに沿って前記バンプ30の方向に流動し、前記バンプ30に接合されている前記実装部121cまたは前記延長部121eの周囲のはんだが過量となって溢れ出すことがなくなる。
【0019】
以上の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明には、その趣旨を逸脱することなく変更または改良され得ると共に、その等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0020】
10 基板
11 チップ実装エリア
12 インナーリード
21 バンプ
30 バンプ
100 回路基板
110 基板
111 回路レイアウト領域
112 チップ実装エリア
112a 周縁部
120 回路層
121 第一回路
121a メイン回路
121b 分岐リード
121c 実装部
121d 接続部
121e 延長部
121f ノッチ
121g 第一側辺
121h 第二側辺
121i 貫通孔
121j サブ回路
121k 自由端
121l 周縁部
122 第二回路
122a インナーリード
122b ベースライン
130 はんだ層
A 第一軸
B 第二軸
C 縦軸
G1 第一ギャップ
G2 第二ギャップ
G3 第三ギャップ
W1 第一広さ
W2 第二広さ
W3 第三広さ
W4 第四広さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6