【実施例】
【0012】
以下本発明の一実施例による振込手続支援方法について説明する。
図1は本実施例による振込手続支援方法の概念図である。
顧客が操作する顧客端末10と銀行サーバ20とはインターネットなどの通信回線によって接続される。銀行サーバ20と銀行営業店端末30とは専用回線で接続されるが、インターネットなどの公衆回線を利用してもよい。
銀行サーバ20は、顧客端末10に対して振込依頼書フォーマットを提供する。
顧客端末10では、銀行サーバ20から提供される振込依頼書フォーマットを利用して振込情報を入力できる。
銀行サーバ20は、振込依頼書フォーマットに入力された振込情報を取得する。
顧客端末10では、入力した振込情報を振込依頼書40として出力できる。顧客は、この振込依頼書40を銀行営業店に持ち込み、銀行営業店端末30によって振込処理が行われる。
【0013】
図2は本実施例による振込手続支援方法を示すフローチャートである。
まず、振込データ入力処理について説明する。
顧客端末10からのアクセスにより、振込依頼書フォーマットが指定されると(S51)、顧客端末10に対して振込依頼書フォーマットを提供する(振込依頼書フォーマット提供ステップS52)。
顧客端末10では、S52で提供されると、顧客端末10で振込依頼書フォーマットを表示して振込情報を入力する。
銀行サーバ20は、顧客端末10から振込情報を受け付けると、識別情報を付与し、付与した識別情報とともに振込情報を銀行データベース21に登録し、識別情報を埋め込んだ情報埋込コードを顧客端末10に提供する(振込依頼受付処理ステップ(S53))。
ここで、識別情報とは、1回の振込依頼に対し、振込依頼書単位で付与され、一つの振込依頼書を特定するための情報であり、例えばユニーク番号を用いることができる。
情報埋込コードには、マトリックス型二次元コードを用いることができ、改ざんをしにくくすることで不正取引を防止できる。また、印刷による「ホログラム」や「ICチップ」を情報埋込コードとして用いることもできる。
情報埋込コードには、銀行営業店端末30で振込処理を行わせるリクエスト番号を埋め込むことが好ましい。
【0014】
顧客端末10では、振込情報とともに情報埋込コードを表示した振込依頼書40を出力できる。振込依頼書40は紙媒体であるが電子媒体であってもよい。
振込依頼書40には、引落口座届出印の欄と振込処理の対象となる取引明細が表示される。本実施の形態によれば、振込依頼書に決裁者の確認を必要とし、決裁者は取引明細を確認できることで不正を防止できる。
【0015】
次に、営業店における振込処理について説明する。
顧客は、引落口座届出印の欄に捺印した振込依頼書40を銀行営業店に持ち込む。
銀行営業店端末30は、顧客によって持ち込まれた振込依頼書40に表示されている情報埋込コードから識別情報とリクエスト番号とを読み取る(情報埋込コード読取ステップ(S61))。
銀行営業店端末30は、リクエスト番号を読み取ることでオペレータの操作無しで振込処理モードとなり、読み取った識別情報を銀行サーバ20に送信して、銀行サーバ20から識別情報が付与された振込情報を取得する(振込情報取得ステップ(S62))。
振込依頼書40に表示されている振込合計金額が入力されると、銀行営業店端末30では、入力された振込合計金額が、銀行サーバ20から取得した振込情報に含まれる振込合計金額に一致するか否かを判断し(真贋性判断ステップ(S63))、一致すれば真であると判断して振込処理を行い(振込処理ステップ(S64))、一致しなければ贋であると判断して処理を中止する(S65)。
本実施例では、振込合計金額を用いたが、S63における真贋性判断ステップでは、振込依頼書40に表示された振込情報と銀行サーバ20から取得した振込情報との真贋を判断する。
また、引落口座届出印の欄に表示されている印影が、引落口座届出印に一致するかを確認する印鑑確認ステップを有することが好ましく、従来通りの印影による不正防止を担保できる。
S64における振込処理が完了すると、銀行営業店端末30では領収書発行処理が行われ(S66)、発行された領収書は顧客に渡される。
【0016】
図3は本実施例による振込依頼書のイメージ図である。
振込依頼書40には、振込指定日、取引番号、引落口座、振込合計金額、及び依頼人とともに、引落口座届出印の欄、及び情報埋込コードが表示されている。なお、この取引番号を識別情報とすることができる。
また、図示はしないが、振込依頼書40で振込処理の対象となる取引明細一覧が振込依頼書40とともに出力される。
【0017】
以上のように、本実施例によれば、顧客は、銀行サーバ20から提供される振込依頼書フォーマットを用いて振込情報を入力でき、振込依頼書40を銀行営業店に持ち込むことで振込手続きを行え、銀行営業店では、顧客が入力した振込情報を銀行サーバ20から取得できるため、顧客及び銀行の双方の事務手続きを省力化できる。また、識別情報によって銀行サーバ20から取得した振込情報と、顧客によって持ち込まれた振込依頼書40に表示された振込情報から真贋を判断できるため、真贋性の高い振込処理を行える。
また本実施例によれば、情報埋込コード読取ステップ(S61)で、識別情報とともにリクエスト番号を同時に読み取ることで、銀行営業店端末30における入力操作を簡素化でき迅速処理を行える。
また本実施例によれば、真贋性判断ステップ(S63)では、入力された振込合計金額と銀行サーバから取得した振込情報に含まれる振込合計金額とだけで判断することで、識別情報と振込合計金額で真贋が判断できるため不正取引を防止できる。