特許第6989715号(P6989715)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6989715高電力用途用のばね作動式電気コネクター
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6989715
(24)【登録日】2021年12月6日
(45)【発行日】2022年1月5日
(54)【発明の名称】高電力用途用のばね作動式電気コネクター
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/05 20060101AFI20211220BHJP
   H01R 13/187 20060101ALI20211220BHJP
   H01R 13/24 20060101ALI20211220BHJP
【FI】
   H01R13/05 Z
   H01R13/187 Z
   H01R13/24
【請求項の数】81
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2020-567738(P2020-567738)
(86)(22)【出願日】2018年2月26日
(65)【公表番号】特表2021-515378(P2021-515378A)
(43)【公表日】2021年6月17日
(86)【国際出願番号】US2018019787
(87)【国際公開番号】WO2019164536
(87)【国際公開日】20190829
【審査請求日】2020年8月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】521427715
【氏名又は名称】ロイヤル プレシジョン プロダクツ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パブロヴィッチ,スロボダン
(72)【発明者】
【氏名】ゼイダーン,モハマド
【審査官】 山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−154540(JP,A)
【文献】 特開2018−022643(JP,A)
【文献】 特開昭60−065486(JP,A)
【文献】 特開平11−262142(JP,A)
【文献】 特開平06−275331(JP,A)
【文献】 特開2000−348832(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0280381(US,A1)
【文献】 米国特許第05664972(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0210292(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0129407(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0040505(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/05
H01R 13/15−13/187
H01R 13/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ばね作動式電気コネクターアセンブリーであって、
第1の材料から形成された第1の導電性コネクターであって、前記第1のコネクターの開いた第1の端部から内向きに延びる内部レシーバを画定する側壁配設を有し、前記側壁配設が、第1の側壁であって(i)開口と、(ii)前記第1の側壁の第1の部分から前記開口の範囲を横切って延びる第1の接点ビームとを有する、第1の側壁を有し、かつ前記第1の接点ビームが、前記第1の側壁の外表面の内側で終端する自由端を含む、第1の導電性コネクターと、
第2の材料から形成され、第1のばねアームを有する、内部ばね部材と、を備え、
前記ばね部材が前記第1のコネクターの前記内部レシーバの中へと挿入されるときに、前記ばね部材の前記第1のばねアームが、前記第1のコネクターの前記第1の接点ビームに外向きの力を加えるように構成される、ばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項2】
前記第1のコネクターの前記側壁配設が、第2の側壁であって(i)第2の開口と、(ii)前記第2の側壁の第1の部分から、前記第2の開口の範囲を横切って延びる第2の接点ビームとを有する第2の側壁を含み、前記第2の接点ビームが前記第2の側壁の外表面の内側で終端する自由端を含む、請求項1に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項3】
前記第1の側壁および前記第2の側壁が、前記内部レシーバの周りに対向する位置関係で配設される、請求項2に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項4】
前記第1の側壁および前記第2の側壁が、互いに実質的に垂直に配設される、請求項2に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項5】
前記第1の接点ビームが、厚さおよび幅を有し、前記厚さおよび幅が、各接点ビームの電流輸送負荷を決定する、請求項1に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項6】
前記第1の接点ビームが、前記第1の側壁の前記第1の部分からある角度で延び、かつ前記第1の接点ビームが、前記第1の側壁の前記第1の部分の外表面と鈍角を形成する外表面を有する、請求項1に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項7】
前記ばね部材が、第2のばねアームを含み、かつ前記第2のばねアームおよび前記第1のばねアームが、互いに実質的に垂直に配設される、請求項1に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項8】
前記ばね部材が、第2のばねアームを含み、前記第2のばねアームおよび前記第1のばねアームが、前記内部レシーバの周りに対向する位置関係で配設される、請求項1に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項9】
前記第1のばねアームによって加えられる前記外向きの力が、前記第1の接点ビームの前記自由端に加えられる、請求項1に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項10】
前記第1の接点ビームが、前記自由端に隣接する曲線状部分を含み、
前記ばね部材が、前記第1のコネクターの前記内部レシーバの中へと挿入されるときに、前記第1の接点ビームの前記自由端が、前記第1のばねアームの平面状の表面に隣接して配置される、請求項1に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項11】
前記第1の接点ビームに前記第1のばねアームによって加えられる前記外向きの力が、ばね作動式電気コネクターアセンブリーによって経験される高温による熱膨張によって増加する、請求項1に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項12】
前記第1の接点ビームに前記第1のばねアームによって加えられる前記外向きの力が、前記ばね作動式電気コネクターアセンブリーによって経験される熱サイクルに起因して残留材料記憶によって増加する、請求項1に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項13】
前記第1のコネクターが複数の接点ビームを含み、かつ前記ばね部材が複数のばねアームを含み、
前記接点ビームの数が、前記ばねアームの数と等しい、請求項1に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項14】
高温にさらされたとき、前記ばね部材が前記第1のコネクターより速く膨張し、それにより、前記ばね部材の前記第1のばねアームが前記外向きの力を前記第1のコネクターの前記第1の接点ビームに加える、請求項1に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項15】
前記内部レシーバの断面形状が円形である、請求項1〜14のいずれか1項に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項16】
前記内部レシーバの断面形状が正方形である、請求項1〜14のいずれか1項に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項17】
前記第1のコネクターの前記第1の材料が銅である、請求項1〜14のいずれか1項に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項18】
前記ばね部材の前記第2の材料がばね鋼である、請求項1〜14のいずれか1項に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項19】
前記第1のコネクターの前記第1の接点ビームが、別の材料であらかじめメッキされた銅から形成される、請求項1〜14のいずれか1項に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項20】
接続位置を画定するために、前記第1のコネクターおよび前記ばね部材の両方の範囲を受容するように寸法決めされたレセプタクルを有する第2の導電性コネクターをさらに備える、請求項1〜14のいずれか1項に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項21】
前記コネクターアセンブリーが前記接続位置にあるとき、前記第1のばねアームによって前記第1のコネクターの前記第1の接点ビームに加えられる前記外向きの力が、前記第1の接点ビームの範囲を前記第2のコネクターの前記レセプタクルの内表面との係合へと変位させる、請求項20に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項22】
前記コネクターアセンブリーが前記接続位置にあり、かつ高温環境にさらされるとき、前記第1のコネクターによって前記第2のコネクターに加えられる前記外向きの力が増加する、請求項20に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項23】
前記コネクターアセンブリーが、前記接続位置において360度のコンプライアンスを有する、請求項20に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項24】
前記第1の接点ビームを露出する一方、前記第1のコネクターの相当な範囲を取り囲む非導電性シュラウドをさらに備える、請求項1〜14のいずれか1項に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項25】
前記第1のコネクターが、車両内の電気回路に接続される、請求項1〜14のいずれか1項に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項26】
前記第1のコネクターが、産業機械内の電気回路に接続される、請求項1〜14のいずれか1項に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項27】
前記コネクターアセンブリーが、前記接続位置にあるとき、前記コネクターアセンブリーが、電流引き込みデバイスを配電回路に機械的および電気的に結合する、請求項20に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項28】
前記コネクターアセンブリーが前記接続位置にあり、車両内のクラス5環境で高温にさらされるとき、前記第2のコネクターに前記第1のコネクターによって加えられる前記外向きの力が増加する、請求項20に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項29】
前記第1のコネクターおよび前記第2のコネクターのうちの少なくとも1つが、バスバーへのコネクターである、請求項20に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項30】
ばね作動式電気コネクターアセンブリーであって、
第1の材料から形成された第1の導電性コネクターであって、レシーバを画定するように配設された複数の細長い接点ビームを有する第1のコネクターと、
第2の材料から形成された内部ばね部材であって、複数のばねアームを有するばね部材と、を備え、
前記ばね部材が前記第1の導電性コネクターの前記レシーバの中へと挿入されるとき、前記複数のばねアームの第1のばねアームが、前記コネクターアセンブリーの動作中に、前記複数の細長い接点ビームの第1の細長い接点ビームに付勢力を提供するように構成される、ばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項31】
前記複数の細長い接点ビームが、前記第1のコネクターに360度のコンプライアンスを提供する、請求項30に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項32】
前記複数の細長い接点ビームの前記第1の細長い接点ビームが、前記レシーバの第1の側に配置され、かつ前記複数の細長い接点ビームの第2の細長い接点ビームが、前記レシーバの前記第1の側の反対側にある前記レシーバの第2の側に配置される、請求項30に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項33】
前記複数の細長い接点ビームのうちの前記第1の細長い接点ビームが、前記レシーバの第1の側に配置され、かつ前記複数の細長い接点ビームのうちの第2の細長い接点ビームが、前記レシーバの前記第1の側に実質的に垂直な前記レシーバの第2の側に配置される、請求項30に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項34】
前記第1のコネクターが側壁を含み、前記複数の細長い接点ビームのうちの前記第1の細長い接点ビームが、前記側壁からある角度で外向きに延びる、請求項30に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項35】
前記第1の導電性コネクターが、第1の側壁を有する側壁配設を有し、前記複数の細長い接点ビームのうちの前記第1の細長い接点ビームが、前記第1の側壁の第1の部分から、前記第1の側壁に形成された開口の範囲を横切って延びる、請求項30に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項36】
前記第1の細長い接点ビームが、前記第1の側壁の外表面の内側で終端する自由端を含む、請求項35に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項37】
前記複数のばねアームのうちの前記第1のばねアームが、前記第1のコネクターの前記レシーバの第1の側に配置されるように構成され、前記複数のばねアームのうちの第2のばねアームが、前記レシーバの前記第1の側に実質的に垂直である前記レシーバの第2の側に配置されるように構成される、請求項30に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項38】
前記第1のばねアームによって加えられる前記付勢力が、前記第1の細長い接点ビームの自由端に加えられる、請求項30に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項39】
前記第1の細長い接点ビームが、前記第1の細長い接点ビームの平面状の表面と自由端との間に配置される曲線状部分を含み、
前記ばね部材が前記第1のコネクターの前記レシーバの中へと挿入されるとき、前記第1の細長い接点ビームの前記自由端が、前記第1のばねアームの平面状の表面に隣接して配置される、請求項30に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項40】
前記第1の細長い接点ビームに前記第1のばねアームによって加えられる前記付勢力が、前記ばね作動式電気コネクターアセンブリーによって経験される高温に起因する熱膨張によって増加する、請求項30に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項41】
前記第1の細長い接点ビームに前記第1のばねアームによって加えられる前記付勢力が、前記ばね作動式電気コネクターアセンブリーによって経験される熱サイクルに起因する残留材料記憶によって増加する、請求項30に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項42】
前記ばね部材が、前記第1のコネクターの熱膨張係数(CTE)より大きいCTEを有し、
前記ばね作動式電気コネクターアセンブリーが高温動作環境にさらされるとき、前記付勢力が増加する、請求項30に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項43】
前記第2の材料が、前記第1の材料のヤング率より大きいヤング率を有する、請求項30に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項44】
前記複数のばねアームのうちの前記第1のばねアームが、前記第1のコネクターの前記レシーバの第1の側に配置されるように構成され、かつ前記複数のばねアームのうちの第2のばねアームが、前記レシーバの前記第1の側の反対側にある前記レシーバの第2の側に配置されるように構成される、請求項30に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項45】
前記ばね部材の前記第1の材料が銅であり、かつ第2の材料がばね鋼である、請求項30〜44のいずれか1項に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項46】
接続位置を画定するために、前記第1のコネクターおよび前記ばね部材の両方の範囲を受容するように寸法決めされたレセプタクルを有する第2の導電性コネクターをさらに備える、請求項30〜43のいずれか1項に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項47】
前記コネクターアセンブリーが前記接続位置にあるとき、前記第1のばねアームによって前記第1のコネクターの前記第1の細長い接点ビームに加えられる前記付勢力が、前記第1の細長い接点ビームの範囲を前記第2のコネクターの前記レセプタクルの内表面との係合へと変位させる、請求項46に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項48】
前記接続位置で、前記複数のばねアームのうちの前記第1のばねアームが、前記複数の細長い接点ビームのうちの前記第1の細長い接点ビームに前記付勢力を加えて、前記第1の細長い接点ビームの範囲を前記第2のコネクターの前記レセプタクルの内表面との係合へと変位させ、かつ前記複数のばねアームのうちの第2のばねアームが、前記複数の細長い接点ビームのうちの第2の細長い接点ビームに第2の付勢力を加えて、前記第2の細長い接点ビームの範囲を前記第2のコネクターの前記内側レセプタクル表面との係合へと変位させ、前記付勢力が、前記第2の付勢力とは異なる方向に向けられている、請求項46に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項49】
前記コネクターアセンブリーが前記接続位置にあり、かつ高温環境にさらされるとき、前記第1のコネクターによって前記第2のコネクターに加えられる前記付勢力が増加する、請求項46に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項50】
前記第1のコネクターの範囲および前記ばね部材の範囲は、前記第1のコネクターおよび前記ばね部材が前記レセプタクルの中へと挿入されて前記接続位置に到達する際に、内向きに圧縮される、請求項46に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項51】
前記複数の細長い接点ビームのうちの少なくとも1つを露出させつつ、前記第1のコネクターの相当な範囲を取り囲む非導電性シュラウドをさらに備える、請求項30〜44のいずれか1項に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項52】
前記第1のコネクターが、車両内の電気回路に接続される、請求項30〜44のいずれか1項に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項53】
前記コネクターアセンブリーが、前記接続位置にあるとき、前記コネクターアセンブリーが、電流引き込みデバイスを電源回路に機械的および電気的に結合する、請求項46に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項54】
前記コネクターアセンブリーが前記接続位置にあり、かつ車両内のクラス5環境で高温にさらされるとき、前記第1のコネクターによって前記第2のコネクターに加えられる前記付勢力が増加する、請求項46に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項55】
前記第1のコネクターおよび前記第2のコネクターのうちの少なくとも1つが、バスバーへのコネクターである、請求項46に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項56】
ばね作動式電気コネクターアセンブリーであって、
第1の材料から形成される第1の導電性コネクターであって、レシーバを画定する側壁配設を有し、前記側壁配設が前記第1の側壁の第1の部分から延びる第1の接点ビームを有する第1の側壁を有する、第1のコネクターと、
第2の材料から形成され、かつ前記第1のコネクターの前記レシーバ内に存在するように寸法決めされた内部ばね部材であって、第1のばねアームを有する内部ばね部材と、
接続位置を画定するために前記第1のコネクターおよび前記第1のコネクターの前記レシーバ内に存在する前記ばね部材の両方の一部分を受容するように寸法決めされたレセプタクルを有する第2の導電性コネクターと、を含み、
前記接続位置で、前記ばね部材の前記第1のばねアームが、前記第1のコネクターの前記第1の接点ビームに外向きの付勢力を加えて、前記第1の接点ビームの範囲を前記第2のコネクターの前記レセプタクルの内表面との係合へと変位させるように構成される、ばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項57】
前記側壁配設が、直交して配設された4つの側壁を含み、かつ各側壁が、そこから延びる1つの接点ビームを有する、請求項56に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項58】
前記第1の接点ビームが、前記第1の側壁の前記第1の部分からある角度で、前記第1の側壁に形成された開口の範囲を横切って延びる、請求項56に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項59】
前記第1の接点ビームが、前記第1の側壁の外表面の内側で終端する自由端を含む、請求項58に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項60】
前記第1の接点ビームが、前記第1の接点ビームの自由端に隣接する曲線状部分を含み、かつ
前記ばね部材が前記第1のコネクターの前記レシーバの中へと挿入されるとき、前記第1の接点ビームの前記自由端が、前記第1のばねアームの平面状の表面に隣接して配置される、請求項56に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項61】
前記第1の接点ビームに前記第1のばねアームによって加えられる前記外向きの付勢力が、ばね作動式電気コネクターアセンブリーによって経験される高温による熱膨張によって増加する、請求項56に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項62】
前記第1の接点ビームと前記第2のコネクターの前記レセプタクルの前記内表面との係合が、前記接続位置を維持するために、前記第1のコネクターと前記第2のコネクターの前記レセプタクル内の前記ばね部材の両方の保持を容易にする、請求項56〜61のいずれか1項に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項63】
前記第1のコネクターが複数の接点ビームを含み、かつ前記ばね部材が複数のばねアームを含み、
前記接続位置で、前記第1のばねアームが、前記外向きの付勢力を前記第1の接点ビームに加えて、前記第1の接点ビームの範囲を前記レセプタクルの前記内表面との係合へと変位させ、第2のばねアームが、第2の接点ビームに第2の外向きの付勢力を加えて、前記第2の接点ビームの範囲を前記内側レセプタクル表面との係合へと変位させ、前記外向きの付勢力が、前記第2の外向きの付勢力とは異なる方向に向けられている、請求項56〜61のいずれか1項に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項64】
前記コネクターアセンブリーが前記接続位置で360度のコンプライアンスを有するときの、請求項56〜61のいずれか1項に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項65】
前記第1のコネクターが車両内の電気回路に接続される、請求項56〜61のいずれか1項に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項66】
前記コネクターアセンブリーが前記接続位置にあるとき、コネクターアセンブリーが、電流引き込みデバイスを電源回路に機械的および電気的に結合する、請求項56〜61のいずれか1項に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項67】
車両内に設置されたばね作動式電気コネクターアセンブリーであって、
レシーバおよび第1の接点ビームを有する第1の導電性コネクターと、
前記第1のコネクターの前記レシーバ内に存在するような寸法決めされた内部ばね部材であって、第1のばねアームを有するばね部材と、
接続位置を画定するために前記第1のコネクターおよび前記第1のコネクターの前記レシーバ内に存在する前記ばね部材の両方の一部を受容するように寸法決めされたレセプタクルを有する第2の導電性コネクターと、を備え、
前記接続位置で、(i)前記第1のコネクターの前記第1の接点ビームが、前記ばね部材の前記第1のばねアームと前記第2のコネクターの前記レセプタクルの内表面との間に挟まれ、かつ(ii)前記車両の電流引き込みデバイスが、前記第1のコネクター、前記内部ばね部材、および前記第2のコネクターの組み合わせによって、前記車両の電源回路に機械的および電気的に結合される、ばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項68】
前記第1のコネクターが、前記第1のコネクターに360度のコンプライアンスを提供する複数の接点ビームを含む、請求項67に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項69】
前記第1のコネクターが側壁を含み、かつ前記第1の接点ビームが、前記側壁からある角度で外向きに延びる、請求項67に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項70】
前記第1の導電性コネクターが、第1の側壁を有する側壁配設を有し、前記第1の接点ビームが、前記第1の側壁の第1の部分から前記第1の側壁内に形成された開口の範囲を横切って延びる、請求項67に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項71】
前記第1の接点ビームが、前記第1の側壁の外表面の内側で終端する自由端を含む、請求項70に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項72】
前記第1の接点ビームが、自由端に隣接する曲線状部分を含み、
前記ばね部材が前記第1のコネクターの前記レシーバの中へと挿入されるとき、前記第1の接点ビームの前記自由端が、前記第1のばねアームの平面状の表面に隣接して配置される、請求項67に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項73】
前記第1の接点ビームに前記第1のばねアームによって加えられる外向きの付勢力が、前記ばね作動式電気コネクターアセンブリーによって経験される高温に起因する熱膨張によって増加する、請求項67に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項74】
前記第1のコネクターは第2の接点ビームを含み、前記ばね部材は第2のばねアームを含み、
前記接続位置で、前記第2のばねアームが前記第2の接点ビームに第2の外向きの付勢力を加えて、前記第2の接点ビームを前記内側レセプタクル表面との係合へと変位させ、前記外向きの付勢力が、前記第2の外向きの付勢力とは異なる方向に向けられる、請求項73に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項75】
前記第1のコネクターは第1の熱膨張係数を有する第1の材料から作製され、前記ばね部材は第2の熱膨張係数を有する第2の材料から作製され、かつ前記第1の熱膨張係数が、前記第2の熱膨張係数よりも小さい、請求項67から74のいずれか1項に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項76】
前記第1のコネクターは第1のヤング率を有する第1の材料から作製され、前記ばね部材は第2のヤング率を有する第2の材料から作製され、かつ前記第1のヤング率は前記第2のヤング率よりも小さい、請求項67〜74のいずれか1項に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項77】
前記第1のコネクターの範囲および前記ばね部材の範囲が、前記第1のコネクターおよび前記ばね部材が前記前記レセプタクルの中へと挿入されて前記接続位置に到達する際に、内向きに圧縮される、請求項67から74のいずれか1項に記載のばね作動式電気コネクターアセンブリー。
【請求項78】
ばね作動式電気コネクターアセンブリーを製造および使用する方法であって、
内部レシーバを画定する複数の細長い接点ビームを有する第1のコネクター本体を画定するために、第1の材料から第1の導電性コネクターを形成することと、
複数の細長いばねアームを有するばね部材本体を画定するために、第2の材料からばね部材を形成することと、
前記ばね部材を前記第1の導電性コネクターの前記内部レシーバに挿入することであって、前記複数のばねアームのうちの第1のばねアームが前記複数の細長い接点ビームのうちの第1の細長い接点ビームに外向きの付勢力を加える、挿入することと、を含む、方法。
【請求項79】
接続位置を提供するために、前記第1のコネクターおよび前記ばね部材の両方の範囲を受容するように寸法決めされたレセプタクルを有する第2のコネクター本体を画定する第2の導電性コネクターを形成する工程をさらに含む、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記接続位置に到達するために、前記第1のコネクターおよび前記ばね部材の両方が前記第2のコネクターの中へと挿入するように、前記第1のコネクターおよび前記ばね部材を圧縮する工程をさらに含む、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記第1の細長い接点ビームに前記第1のばねアームによって加えられる前記外向きの付勢力が、前記ばね作動式電気コネクターアセンブリーによって経験される高温に起因する熱膨張によって増加する、請求項79に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気コネクターに関し、特に、ばね作動式または弾性内部固定コンポーネントを有する高電圧および/または高電力電気コネクターに関する。具体的には、本開示は、乗用車および商用車を含む自動車両、および/または他の高電力および/または高電圧用途で使用するための電気コネクターアセンブリーに関する。
【背景技術】
【0002】
過去数十年にわたって、自動車、ならびにピックアップトラック、商用トラック、セミトラック、オートバイ、全地形車両、およびスポーツユーティリティ車などの他のオンロードおよびオフロード車両(集合的に「自動車両」)の電子機器の量。電子機器は、パフォーマンスを改善し、排出を制御し、自動車両の乗員とユーザーに肉体的快適さを提供するために使用される。自動車両は、振動、熱、寿命に起因する厳しい電気環境にさらされている。熱、振動、および経年変化は全て、コネクターの故障につながる可能性がある。実際、組み立て工場と現場の両方において緩んだコネクターは、自動車両の最大の故障モードの1つである。全ての自動車メーカーとその直接のサプライヤーによる保証の年間総発生額が世界中で500億ドルから1500億ドルと見積もられていることを考えると、自動車の大きい故障モードは多額の金額に関連している。
【0003】
自動車両市場の全てのニーズを満たすコネクターソリューションを見つけるために、かなりの時間、お金、およびエネルギーが費やされている。現在の一般的な方法は、全ての高電力接続にアイレットとねじ付きファスナーを使用することである。現在の一般的な方法は、費用がかかり、時間がかかり、故障につながる傾向がある場合がある。
【0004】
より適切で堅牢なコネクターソリューションは、振動や熱の影響を受けない必要がある。堅牢なソリューションを作り出すために、多くの企業は、コネクターを所定の位置に保持する機能を有するさまざまなばね式コネクターを設計してきた。そのようなばね作動式コネクターは、通常、それらが完全に挿入されたことを示す何らかの表示を含む。場合によっては、コネクターのばね作動機能がプラスチックで作られていることがある。他の場合では、コネクターのばね作動機能はばね鋼から製造される。残念ながら、現在の最新技術は、アイレットとネジ付きコネクターを使用したコネクターの改善であるが、それでも非常に多くの故障がある。
【0005】
ばね作動式コネクターが自動車両用途で依然として機能しない理由の一部は、ばね要素がコネクターの周辺にあるためである。コネクターの外部表面にばねタブを配置することで、コネクターの製造業者は、係合がパーツを組み立てる人に明確になるようにしようとした。残念ながら、プラスチックと金属の両方で、自動車環境の温度上昇により、周辺のばねが故障しやすくなる。自動車両のエンジンコンパートメントは、多くの場合、100℃に近い温度に達する可能性があり、自動車両のエンジンの個々のコンポーネントは180℃に達するまたはこれを超える可能性がある。100℃で、ほとんどのプラスチックは可塑化し始め、周辺のばね作動機能の保持力が低下する。100℃で、ばね鋼の熱膨張により、周辺のばね作動式コネクターの保持力が少し低下する。より重要なのは、ばね鋼から製造されたばね作動機能に関して、ばね鋼が熱サイクルされる際のばね鋼に固有の残留材料記憶の影響である。多くの温度サイクルの後、ばね鋼は元の形状に戻り始め、その保持力が低下し、かつ振動の影響を受けやすくなり、そのすべてにより従来のコネクターのパフォーマンスが大幅に低下する。自動車両市場には、低コストで、耐振動性で、温度抵抗性で、かつ堅牢なコネクターが必要である。
【0006】
機械的に単純、軽量、安価、耐振動性、温度抵抗性、かつ堅牢な電気コネクターに対する市場の需要は明らかにある。問題は、これらの設計基準の全てが現在の先行技術と相容れない可能性があることである。先行技術のいくつかは、周辺のばね作動保持機能を使用して問題を解決することを試みてきた。例えば、「Electrical terminal」と題された、発明者Glickらによる米国特許第8,998,655号(「Glick‘655」)は、接点要素が接点ビームを有する実質的に多面体構造である、電気端子を教示している。接点ビームの外部にあるばね構造が接点ビームに力を加える。この配設は、実質的に円形または正方形の端子ピンを用いて接点ビームを確実に接続するように設計されている。「Electrical terminal」と題された、発明者Glickらによる米国特許第8,992,270号(「Glick‘270」)は、Glick‘655特許の変形形態を教示している。
【0007】
「Electrical terminal」と題された、発明者Glickらによる米国特許第8,475,220号(「Glick‘220」)は、各脚が、反対側の接点脚の内表面に接触する接触点まで延びる本体部分から延びる少なくとも1対の対向する接点脚を持つように形成された電気コネクターを教示している。圧縮力を高めるために、1つまたは複数の対向する脚の上にばねクリップを配置することができる。ばねクリップは、クリップが回転および/またはピッチングするのを制限するための位置合わせ機能を含んでもよい。Glick‘220は、ほぼ平坦または平面状の端子要素を保持するように設計されている。「Electrical terminal」と題された、発明者Glickらによる米国特許第8,366,497号(「Glick‘497」)は、Glick‘220の変形形態を教示している。全てのGlick特許には同じ問題がある。つまり、熱サイクルを繰り返すと、ばね鋼が弛緩し、全体的な保持力が低下する。ばね作動式の保持力が低下すると、振動に起因してよりコネクターが揺れて緩みやすくなる。断続的な接続も一般的な故障モードである。高電力および高電圧の動作条件に耐えるばね作動式コネクターアセンブリーは、当技術分野における改善を表す。
【0008】
背景技術の項で提供された説明は、単に背景技術の項で言及された、または背景技術の項に関連付けられているという理由だけで、先行技術であると想定すべきではない。背景技術の項は、主題の技術の1つまたは複数の態様を説明する情報を含む場合がある。
【発明の概要】
【0009】
本開示の一態様によれば、第2のコネクターおよび第1のコネクター。電気接続を行う場合、第1のコネクターは第2のコネクターの内側に嵌合する。本開示は、第1のコネクターの内側のばねアクチュエータおよび/またはばね部材を使用して、接点ビームを外向きに押し、第2のコネクターと電気接触させることに関する。第2のコネクター要素は、第1のコネクターがその中に挿入される金属管状部材であるため、本開示は技術を改善する。第1のコネクターは、複数の接点ビームを有する接点要素を有する。ばね部材は、接点要素内に入れ子になっている。ばね部材は、接点ビームに外向きの力を加え、それにより確実な接続および保持力を生み出す。先行技術とは異なり、材料記憶および熱膨張は、本明細書に記載される電気コネクターの保持力および電気接触を減少させるのではなく増加させる。
【0010】
第2のコネクターは、内表面、外表面、および確定された断面プロファイルを有する金属管状部材を有する。金属管状部材は、高導電性銅のシートから製造される。高導電性銅は、C151またはC110とすることができる。高導電性銅のシートの片側は、金属管状部材の内表面がめっきされるように、銀、スズ、または上部スズで事前にめっきすることができる。
【0011】
第1のコネクターは、接点要素およびばね部材を有する。接点要素は複数の接点ビームを有する。好ましい実施形態では、金属管状部材の内表面に対称的に力が加えられるように、少なくとも4つの接点ビームが必要である。4本のビームを90°刻みで配置することができ、これは各ビームが、金属管状部材内でそれと真向かいの1本のビームを有し、かつ金属管状部材内で各部材に対して直交する2本のビームを有することを意味する。各接点ビームは、厚さ、屈曲終端、および長さと幅を持つ平面状表面を有する。接点ビームは、屈曲終端から遠位端で接点基部に接続される。図示された実施形態では、接点要素は、対称的で、かつ等間隔である偶数のビームを有する。接点要素基部断面は、円形、正方形、三角形、または多角形にすることができる。図示された実施形態は、正方形および六角形の断面プロファイルを有する接点要素を示す。図示された実施形態は、4本および6本のビームを有する接点要素を示している。
【0012】
ばね部材は第1のコネクターの内側に入れ子になっている。ばね部材は、ばねアームおよび基部を有する。ばねアームは、一端で基部に接続されている。ばねアームは、屈曲終端、厚さ、および長さと幅のある平面状表面を有する。図示された実施形態では、ばね部材は、接点要素が接点ビームを有するのと同じ数のばねアームを有する。図示された実施形態では、ばねアームは、接点ビームと1対1でマッピングすることができる。ばねアームは、関連する接点ビームの屈曲終端がばねアームの平面状表面に接触するような寸法にされる。図示された実施形態のばねアームは、数が偶数であり、対称であり、等間隔である。
【0013】
第1のコネクターまたは接点要素は、接点ビームが、金属管状部材の内表面に接触するように、金属管状部材または第2のコネクターの内側に嵌合する。ばねアームは、接点ビームを金属管状部材と強制的に電気的に接続させる。接点アームの屈曲終端は、ばねアームの平坦表面に接触し、接点ビームが接点要素の基部に対して大きい鈍角を形成するように強制する。必須ではないが、本開示の例示の実施形態では、金属管状部材は対称的な断面を有する。重要な設計基準は、各ビームに作用する弾性コンプライアンス(剛性の逆数)が、各ビームを金属管状部材の内表面との接触へと強制し、第1のコネクターが、ビーム/ばねアームの対によって加えられる力によって金属管状部材内の中心に保たれるように、他の全ての接点ビームとばねアーム対の弾性コンプライアンスによってバランスをとることである。
【0014】
第2のコネクターおよび第1のコネクターは両方とも、非導電性シュラウドによって囲まれてもよい。第2のコネクターについては、金属管状部材の内表面のみが露出している。第1のコネクターについては、接点ビームのみが露出していてもよい。第2のコネクターを、バスバーまたは他の回路に接続することができる。例えば、オルタネータ用途では、金属管状部材はオルタネータバスバーと一体化することができる。非導電性プラスチックシュラウドは、金属管状部材の外部を包むことになり、内表面およびバスバーを露出させたままにする。通常、このような用途では、オルタネータのバスバーはオルタネータハウジングの内部にある。
【0015】
本開示の一態様によれば、コネクターアセンブリーを高温および熱サイクルにさらす高電力、高電圧用途で使用するためのばね作動式電気コネクターアセンブリーは、第1の材料から形成された第1の導電性コネクターを有するコネクターアセンブリーを含む。さらに、第1のコネクターは、開いた第1の端部から第2の端部まで延びる内部レシーバを画定し、かつ複数の側壁を備える側壁配設を有し、側壁は、開口と、開口の範囲を横切って延びる接点ビームとを含む。さらに、接点ビームは、側壁の第1の部分から外向きの角度で側壁の外表面まで一体的に延び、かつ側壁の第2の部分と係合することなく側壁の外表面の内向きに延びる自由端を含む。また、この態様によれば、内部ばね部材は、第2の材料から形成され、かつ第1のコネクターのレシーバ内に存在するように寸法決めされ、ばね部材は、基部と、基部から延びる少なくとも1つのばねアームを有し、かつばねアームの外表面と基部の外表面は同一平面上にある。このアセンブリーはまた、高電力、高電圧用途から生じる高温および熱サイクルに耐える接続位置を画定するために、第1のコネクターと、第1のコネクターのレシーバ内に存在するばね部材の両方を受容するように寸法決めされたレセプタクルとを有する第2の導電性コネクターも含み、接続位置で、ばね部材のばねアームが、第1のコネクターの接点ビームに外向きの力を加えて、接点ビームを、第2のコネクターのレセプタクルの内表面との係合へと外向きに変位させ、第1と第2のコネクターを接続位置に維持する。
【0016】
本開示の別の態様によれば、コネクターアセンブリーを高温および熱サイクルにさらす高電力、高電圧用途で使用するためのばね作動式電気コネクターアセンブリーは、第1の材料から形成された第1の導電性コネクターであって、この第1のコネクターの開いた第1の端部から第2の端部まで延びる内部レシーバを画定する側壁配設を有し、側壁配設は複数の側壁を備え、側壁は、開口と、開口の範囲を横切って延びる接点ビームとを含み、接点ビームは、外向きの角度で側壁の第1の部分から側壁の外表面まで一体的に延び、接点ビームは、側壁の外表面の内向きに延びる自由端を含む、第1の導電性コネクターを有するコネクターアセンブリーを含む。さらにこの態様によれば、内部ばね部材は、第2の材料から形成され、このばね部材は、複数の側壁からなる側壁配設を有し、側壁は、側壁の端部から延びる細長いばねアームを含み、側壁の外表面およびばねアームの外表面は同じ平面内に存在する。なおさらに、ばね部材が第1のコネクターのレシーバの中へと挿入されると、ばね部材のばねアームは、第1のコネクターの接点ビームに外向きの力を加えて、接点ビームを外向きに変位させる。
【0017】
本開示のさらに別の態様によれば、高電力、高電圧用途中に電気コンポーネントを電気的および機械的に固定するために使用するためのばね作動式電気コネクターアセンブリーは、第1の導電性材料から形成された第1のコネクターであって、開いた第1の端部から第2の端部まで延びる内部レシーバを画定する側壁配設を有し、側壁配設が複数の側壁を備え、側壁が、細長い開口と、開口の範囲を横切って延びる接点ビームとを含み、接点ビームが、外向きの角度で側壁の第1の部分から側壁の外表面まで一体的に延び、かつ接点ビームが自由端を含む、第1のコネクターを有する、コネクターアセンブリーを含む。さらにこの態様によれば、内部ばね部材は、第2の材料から形成され、かつ第1のコネクターのレシーバ内に存在するように寸法決めされ、ばね部材は、基部と、基部から延びる少なくとも1つのばねアームとを有する。また、コネクターアセンブリーは、ばね部材が、第1のコネクターのレシーバ内に存在している間、第1のコネクターとばね部材の両方と結合するように寸法決めされたレセプタクルを有して、高電力、高電圧用途中に電気コンポーネントの操作のための接続位置を画定する、第2のコネクターを含み、電気コンポーネントの長時間の動作中に第1のコネクターと第2のコネクターとを接続位置に維持するために、ばね部材のばねアームは、第1のコネクターの接点ビーム上に外向きの力を加えて、接点ビームを、第2のコネクターのレセプタクルの内表面との係合へと外向きに変位させる。
【0018】
本開示の他の態様および利点は、以下の詳細な説明および添付の図面を検討すると明らかになり、また本明細書全体を通して、同様の番号は同様の構造を示すことになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
さらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、かつその一部を構成する添付図面は、開示された実施形態を図示し、また説明とともに、開示された実施形態の原理を説明するのに役立つ。
【0020】
図1図1は、非導電性プラスチックシュラウドおよび金属管状部材を示す第2のコネクターの等角図である。
図2図2は、第2のコネクターの上面図である。
図3図3は、内部に配置されたばね部材を示す第1のコネクターの等角図である。
図4図4は、図3から約90°回転した第1のコネクターの等角図であり、第1のコネクター内に配置されたばね部材を示す。
図5図5は、第1のコネクターおよびばね部材の分解等角図である。
図6図6は、第1のコネクターおよびばね部材の側断面図である。
図7図7は、第1のコネクターおよびばね部材の側面図である。
図8図8は、第1のコネクターおよびばね部材の端面図である。
図9図9は、第1のコネクターおよびばね部材の代替実施形態の等角図である。
図10図10は、図9から約90°回転した、第1のコネクターおよびばね部材の代替の実施形態の等角図である。
図11図11は、第1のコネクターおよびばね部材の代替実施形態の分解等角図である。
図12図12は、第1のコネクターおよびばね部材の代替の実施形態の側断面図である。
図13図13は、第1のコネクターおよびばね部材の代替実施形態の側面図である。
図14図14は、第1のコネクターおよびばね部材の代替実施形態の端面図である。
図15図15は、第1のコネクターおよびばね部材の代替実施形態の等角図である。
図16図16は、第2のコネクターの代替実施形態および第1のコネクターとともに使用される絶縁シュラウドの等角図である。
図17図17は、図16の第2のコネクターおよび絶縁シュラウドの代替実施形態の上面図である。
図18図18は、第1のコネクターおよびばね部材の代替実施形態の等角図である。
図19図19は、第2のコネクターの代替実施形態の等角図である。
図20図20は、第2のコネクターの代替実施形態の上面図である。
図21図21は、点線で描かれた第2のコネクターの内部のエンベロープを有する第1のコネクターの端面図である。
図22図22は、第1のコネクターのばね部材の分離側面図である。
図23図23は、第1のコネクターの反対の端面の図である。
図24図24は、第2のコネクターと結合された第1のコネクターの反対の端面の図である。
図25図25は、第1のコネクターおよびコネクター内に配置されたばね部材の代替実施形態の等角図である。
図26図26は、第1のコネクターおよびコネクター内に配置されたばね部材の代替実施形態の等角図である。
図27図27は、図25の第1のコネクターおよびばね部材の回転された等角図である。
図28図28は、図26の第1のコネクターおよびばね部材の回転された等角図である。
図29図29は、図25に示される第1のコネクターおよびばね部材の代替の実施形態の断面側面図である。
図30図30は、図29に示す第1のコネクターおよびばね部材の代替実施形態の断面側面図である。
図30A図30Aは、図28に示される線30A−30Aに沿った第1のコネクターおよびばね部材の断面図である。
図30B図30Bは、線30A−30Aと同様の線に沿った、かつ図16および17の第2のコネクターを含む、高電力のばね作動式電気コネクターサブアセンブリーの断面図である。
図31図31は、図25の第1のコネクターおよびばね部材の側面分解図である。
図32図32は、オルタネータコネクターおよびキャップを有する第1のコネクターの分解図である。
図33図33は、オルタネータ用の第2のコネクターの等角図である。
図34図34は、オルタネータ用の第2のコネクターのプラスチックシュラウドの等角図である。
図35図35は、第2のコネクターの等角図である。
図36図36は、金属管状部材の等角図である。
図37図37は、第2のコネクターの側面図である。
図38図38は、第2のコネクターの端面図である。
図39図39は、一体のまっすぐなバスバーを有する第2のコネクター金属管状部材の等角図である。
図40図40は、代替の実施形態および一体型バスバーの向きを有する第2のコネクター金属管状部材の等角図である。
図41図41は、オルタネータコネクター上に実装された第1のコネクターの等角図である。
図42図42は、オルタネータコネクター上に実装された第1のコネクターの代替の等角図である。
図43図43は、オルタネータを有するオルタネータコネクター上に実装された本開示の等角図である。
図44図44は、オルタネータの本来の位置でオルタネータコネクター上に実装された本開示の等角図である。
図45図45は、中間位置Pにおける第1のコネクターおよび内部ばね部材のサブアセンブリーの代替の実施形態の等角図である。
図46図46は、図45の第1のコネクターおよびばね部材の分解図である。
図47図47は、図45に示される線47−47に沿った第1のコネクターおよびばね部材の断面図である。
図48図48は、第1のコネクターおよび内部ばね部材が接続位置Pで第2のコネクター内に配置されるコネクターアセンブリーの等角図である。
図49図49は、図48の線49−49に沿った図48のコネクターアセンブリーの断面図である。
図50図50は、図48の線50−50に沿った図48のコネクターアセンブリーの横断面図である。
【0021】
1つまたは複数の実装形態では、各図に示されたコンポーネントの全てが必要なわけではなく、1つまたは複数の実装形態は、図に示されていない追加のコンポーネントを含んでもよい。主題の開示の範囲から逸脱することなく、コンポーネントの配設およびタイプにおける変形がなされてもよい。主題の開示の範囲内で、追加のコンポーネント、異なるコンポーネント、またはより少ないコンポーネントを利用してもよい。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に述べる発明を実施するための形態は、さまざまな実装形態の説明として意図されており、主題の技術が実施され得る唯一の実装形態を表すことは意図されていない。当業者は理解するであろうように、説明された実装形態は、全て本開示の範囲から逸脱することなく、さまざまな異なる方法で修正されてもよい。なおさらに、図示されたモジュールおよびプロセスは、本開示の範囲から逸脱することなく特定の実装形態に適合するために適用可能であるように、全体的もしくは部分的に組み合わされてもよく、かつ/または1つまたは複数の異なる部分に分割されてもよい。したがって、図面および説明は、本質的に例示的であり、限定的ではないとみなされるべきである。
【0023】
図1〜8は、第1のコネクター20、第2のコネクター1、および第1のコネクター20内に配置されたばね部材30を備える高電力ばね作動式電気コネクターアセンブリー866(図48も参照のこと)の第1の実施形態を示す。図3〜4は、6つの側壁18と、隣接する側壁18のそれぞれの対の間に6つの湾曲したセグメント19とを有する基部10aを有する接点要素10を含む第1のコネクター20を示す。接点要素10の断面は、実質的に六角形である。接点要素10は、側壁18から延びる6つの接点ビーム11を有する。各接点ビーム11は、自由端13に隣接する曲線状の肩部分14で終わる実質的に平面状の表面12を有する。曲線状の肩部分14から遠位の各接点ビーム11の端部は、側壁18に接続され、側壁18と一体に形成されてもよい。平面状表面12の厚さおよび幅は、各接点ビーム11の電流輸送負荷を決定する。使用中、接点ビーム11は、側壁18と大きい鈍角を形成し、したがって、側壁18に対して外向きに延びる。
【0024】
接点要素10は、一体部品から製造される。接点要素10は、銅合金C151またはC110などの導電性金属でできている。第1のコネクター20は、所望の形状へと形成され、曲げられ、そして/または折り畳まれる。接点要素10は、2つの平面状接続プレート16、17を有する。平面状接続プレート16、17は、平坦表面15、105だけでなく厚さも有する。移行部分106は、接点要素10の六角形基部10aを平面状接続プレート16、17に結合する。
【0025】
図5はさらに、接点要素10の内部レシーバから分解されたばね部材30を示すことにより第1のコネクター20を図示し、内部レシーバは、接点ビーム11および側壁18の配設によって画定される。図3および図4において、ばね部材30は、接点要素10の内部レシーバ内に配置される。分解図はさらに、接点要素10、接点ビームまたはアーム11、側壁18、19を有する六角形基部10a、および平面状接続プレート16、17を示す。平面状表面15、105および移行部分106も見える。ばね部材30は、複数のばねアーム31を有する。ばねアーム31は、実質的に平面状の表面32、厚さ34、および丸みのついた終端部分33、333を有する。ばね部材基部10aは、実質的に六角形であり、6つの平坦な側壁38および6つの屈曲部分39を有する。ばね部材30は、ばね鋼、ステンレス鋼、および/または別の適切な材料から製造されてもよい。ばね部材30は、接点要素10が製造される材料よりも高い熱膨張係数を有する材料から製造されることが好ましい。ばね部材30のばねアーム31は、ばね部材基部側壁38と大きい鈍角を形成し、したがって、側壁38に対して外向きに延びる。
【0026】
ばね部材30は、接点要素10の内部レシーバ内に挿入可能な寸法であり、ばね部材30のばねアーム31は、接点要素10の接点ビーム11の内側平面状表面122に接触する。接点ビーム11の内側の平面状表面122は、接点ビーム11の外側の平面状表面12に対応している。接点要素10の丸みのついた肩部分14は、第2のコネクター1の中へと挿入されるときに第1のコネクター20を圧縮できるようにする。ばねアーム31は、接点ビーム11の内面122に対して外向きの付勢力を提供する。実際には、例示的な実施形態では、最小で4つの接点ビーム11を使用することが望ましい場合がある。
【0027】
図6〜7は、側方切断図(図6)および側面図(図7)を示す。平面状接続プレート16、17と接点ビーム11および丸みをつけた肩部分14との関係が図示される。ばね部材30、ばねアーム31、平坦な平面状表面32、および平坦な側壁38が切断図で示される。六角形基部10aの6つの側壁18と接点ビーム11の平面状表面12との関係が示される。
【0028】
図8は、接点要素10の内部レシーバ内に配置されたばね部材30の端面図を示す。各ばねアーム31の曲線状の肩部分333、33は、各接点ビーム11の丸みのついた肩部分14を、接点要素10の内部に対して外向きに押す。
【0029】
図9〜10は、高電力のばね作動式電気コネクター100の代替の実施形態を示す。第1のコネクター70は、接点要素基部60aを有する接点要素60を含み、6つの側壁68は、それらの間に配置された丸みのついた部分69を有する。接点要素基部60aは、実質的に六角形であってもよい。接点要素60は、6つの接点ビーム61を有する。各接点ビーム61は、丸みのついた終端部分63で終端する実質的に平面状の表面62を有する。接点ビーム61の平面状の表面62の厚さ64および表面積は、各側面(said)の接点ビーム61の電流輸送負荷を決定する。接点ビーム61は、側壁68と大きい鈍角を形成する。この実施形態では、接点ビーム61は、接続プレート66、67に対して逆にされる。さらに、側壁68は、その第1の端部上で接点ビーム61に接続し、かつ基部60aの追加の平坦部分168は、接点ビームの丸みのついた終端部分63の近位に配置される。丸みのついた終端部分63は、接点要素側壁68から外向きに、追加の平坦部分168の平面を越えて延びる。
【0030】
接点要素60は、単一の一体部品から形成されてもよい。接点要素60は、銅合金C151またはC110などの導電性金属でできている。接点要素60は、所望の形状へと形成され、曲げられ、折り畳まれる。接点要素10は、2つの平面状接続プレート66、67を有する。平面状接続プレート66、67は、厚さならびに第1および第2の平坦表面65、155を有する。平面状接続プレート66は、厚さ171を有する移行部分156によって接点要素60の平坦部分168と接続する。
【0031】
図11は、接点要素60から展開されたばね部材80を示すことにより、本開示の第1のコネクター70をさらに図示する。接点要素60では、接点ビーム61、追加の平坦部分168、および平面状接続プレート66、67が依然として見える。接点要素60を単一の銅片から形成することによって生じるギャップ200も、この向きで見ることができる。ばね部材80は、複数のばねアーム81を有する。ばねアーム81は、実質的に平面状の表面82および丸みのついた終端部分83を有する。ばね部材の基部は、実質的に六角形であり、6つの平坦な側面88および5つの丸みのついた部分89を有する。ばね部材80は、ばね鋼、ステンレス鋼、および/または高い剛性を有する別の適切な材料から製造される。ばね部材80のばねアーム81は、ばね部材80のばね部材側壁88と大きい鈍角を形成する。
【0032】
ばね部材80は、接点要素60によって画定される内部レシーバ内に挿入可能であるよう寸法決めされる。ばねアーム81は、接点ビーム61の平面状の表面222の内側に接触する。各接点ビーム61の丸みのついた終端部分63は、第1のコネクター70が第2のコネクター1の中へと挿入される際に、第1のコネクター70を圧縮できるようにする。ばねアーム81は、接点ビーム61の内面222に対して一貫した保持力を提供し、それにより、接点ビーム61を第2のコネクター1と機械的および電気的に係合する。
【0033】
図12〜13は、側方断面図(図8)および側面図(図9)を示す。平面状接続プレート66、67と接点ビーム61との関係が図示される。ばねアーム81およびその丸みのついた終端部分83は、断面図で示される。六角形基部60aの6つの側面68と、それぞれの接点ビーム61の平面状の表面62との関係が示される。第1のコネクター70は、一般に、長さ76および幅71を有する。幅71に対する長さ76の比率は、第1のコネクター70のアスペクト比である。図14は、接点要素60の内側のばね部材80の端面図を示す。ばね部材80の底部の丸みのついた終端242が見える。
【0034】
図1〜2は、本開示の第2のコネクター1を示す。本開示の第2のコネクター部分1は、円筒形プラスチックシュラウド5および円筒形のスタンプ加工された金属端子6、7、8、9、102、103、104を備える。プラスチックシュラウド5は、外表面2、内表面8、上縁3、および内側円筒表面8と上縁3とを接続するテーパー4を有する円筒である。プラスチックシュラウド5は、高温ポリアミド(例えば、ナイロン66)および/または別の適切な絶縁材料などの高温ポリマーから作製されてもよい。第2のコネクター1は、外側円筒表面104、内側円筒表面9、上縁6、上縁6と内側円筒表面9とを接続するテーパー7、および2つのフィレット102、103を有する。
【0035】
第1のコネクター20、70は、第2のコネクター部分1の内側に嵌合する。高温では、接点要素10、60、およびばね部材30、80は、金属記憶および熱膨張により外向きに延びる傾向がある。これは、ばねアーム31、81によって接点ビーム11、61上に加えられる外向きの付勢ばね力を増加させる場合がある。そして、これにより、接点ビーム11、61と第2のコネクター部分1の内側円筒表面9との接触力が増大する。その結果、自動車両のエンジンコンパートメント内に存在する上昇した温度は、コネクターアセンブリー866の接触力を減少するのではなく、増加する。
【0036】
図21〜24は、第1のコネクター70と第2のコネクター1との相互作用を図示する。第2のコネクター1の内側円筒表面9の内径90は、接点要素60と接触する。ばね部材80は、接点要素60に外向きの力を加え、接点要素の接点ビーム61をコネクターの中へと押し込む。接点ビーム61の丸みのついた終端部分/肩63は、第2のコネクター1の内径90に接触する。この実施形態では、上縁6、テーパー7、およびフィレット102、103は、接点ビーム61の屈曲終端部分63の近くに向けられる。
【0037】
図15は、高電力のばね作動式電気コネクターの第1のコネクター320の別の代替実施形態を示す。第1のコネクター320は、4つの側面318と4つの丸みのついた部分319とを含む接点要素310を含む。接点要素310の断面は、長方形の平面状の表面、つまり、4つの側壁318、4つの屈曲部分319、および実質的に正方形の基部350を有する実質的に正方形または丸みのついた正方形である。接点要素310は、4つの接点ビーム311を有する。各接点ビーム311は、丸みのついた終端部分313で終端する実質的に平面状の表面312を有する。接点ビーム311は、接点要素310の側壁318と大きい鈍角を形成する。
【0038】
接点要素310は、単一の一体部品から製造されてもよい。接点要素310は、銅合金C151またはC110などの導電性金属から製造される。接点要素310は、所望の形状へと形成され、曲げられ、プレスされ、かつ/または折り畳まれてもよい。接点要素310は、2つの平面状接続プレート316、317を有する。平面状接続プレート316、317は、厚さおよび平面状の表面315を有する。平面状接続プレート316、317は、実質的に正方形の基部350から延びる。移行部分357は、実質的に正方形の基部350を平面状接続プレート316、317に接続する。図15に示すように、ばね部材330は、接点要素310の側壁318によって形成され、第1のコネクター320の開いた第1の端部から閉じた第2の端部まで延びる内部レシーバ内の接点要素310の内部に配置される。引き続き図15を参照すると、接点要素310は、それぞれの開口が貫通して配置された、4つの側壁318を有する。接点ビーム311は、側壁318の中間部分に形成される。中間部分は、接点要素基部310の開いた第1の端部と移行部357の近位の基部の第2の端部との間に配設される。各接点ビーム311は、各側壁318の対応する細長い開口の範囲を横切って延びる。
【0039】
図16〜17は、実質的に正方形の断面基部を有する、図15に示される、第1のコネクター320の内部レシーバ内に存在する第2のコネクター360の代替の実施形態を示す。これらの図面では、明確にするために、第2のコネクター360のプラスチックシュラウドは省略される。第2のコネクター360は、外表面362、361、内表面365、上縁363、および上縁363を内表面365に接続するテーパー364を有する。第1のコネクター320は、第2のコネクター360の内側に嵌合する。おそらく異なる全体寸法を有する第2のコネクター360は、図15、25〜31、45〜50に示される第1のコネクター320、520、620、820の実施形態とともに使用されてもよい。
【0040】
図18は、アスペクト比が異なることを除いて、図9〜14に示されるものと同様である、高電力のばね作動式電気コネクターの第1のコネクター420の別の実施形態である。第1のコネクター420は、基部、6つの側面418、および6つの丸みのついた部分419を有する接点要素410を含む。接点要素410の基部の断面は、長方形の平坦表面418を有する実質的に六角形である。接点要素410は、6つの接点ビーム411を有する。各接点ビーム411は、丸みのついた終端部分413に隣接する実質的に平面状の表面412を有する。接点ビーム411は、接点要素410の側壁418と大きい鈍角を形成する。
【0041】
接点要素410は、単一の一体部品から製造されてもよい。接点要素410は、銅合金C151またはC110などの導電性金属から製造される。さらに、接点要素410は、所望の形状へと形成され、曲げられ、プレスされ、および/または折り畳まれてもよい。接点要素410は、2つの平面状接続プレート416、417を有する。平面状接続プレート416、417は、平面状の表面455を有する。ばねアーム431を有するばね部材430は、接点要素410の内部受容空間内に配置される。第1のコネクター420は、一般に、長さ470および幅471を有する。長さ470の幅471に対する比率は、第1のコネクター420のアスペクト比である。
【0042】
図19〜20は、六角形の断面基部を有する第1のコネクター420と嵌合することになる第2のコネクター460の代替の実施形態を示す。これらの図では、明確にするために、第2のコネクター部分460のプラスチックシュラウドは省略される。第2のコネクター460は、外表面462、内表面461、上縁463、および上縁463を内表面461に接続するテーパー464を有する。第1のコネクター420は、第1および第2のコネクター420、460が接続位置にあるときに、第2のコネクター460内に嵌合し、かつ第2のコネクター460に機械的および電気的に係合する。
【0043】
図25〜28は、正方形または丸みのついた正方形の断面を有する第1のコネクター520、620およびばね部材520を有するコネクターアセンブリーの2つの追加の代替の実施形態を示す。実施形態は、共通の多くの要素を有する。すなわち、それぞれの開口566、666が貫通して配置された4つの側壁518、525、618、625、それぞれの隣接する側壁518の間に配置された4つの曲がったおよび/または丸みのついた部分519、619、平面状の表面512、612を有する接点ビーム511、611、自由端568に隣接する曲線状の丸みのついた終端部分513、613、底板515、615、そしてばね部材530、630である。接点ビーム511、611は、それぞれの開口566、666の範囲を横切って延びる。接点ビーム511、611は、側壁518、618に対して外向きの角度で延びるため、接点ビーム511、611の大部分は、側壁518、525、618、625の外表面の外部にある。これらの2つの実施形態は、平面状接続プレート560、516、517および660、616、617も有する。一実施形態520では、接続プレート560、516、517は、4つの側面518、525のうちの2つと平行である。他の実施形態620では、接続プレート660、616、617は、4つ全ての側面618、625と直交する。
【0044】
図29〜30は、それぞれ正方形または実質的に正方形の断面を有する第1のコネクター520の等角断面図および横方向断面図である。図30Aは、図25〜30および図31に示す第1のコネクター520の、図28の線30A―30Aに沿った断面図を図示する。図30Bは、電気コネクターアセンブリー、すなわち、接続位置Pを画定するために、図16および17に示される対応する形状の第2のコネクター360のレセプタクル内に挿入された第1のコネクター520の断面図を図示する。接続位置Pでは、ばねアーム531は、接点ビーム511に外向きの力Fを加えて、接点ビーム511を、第2のコネクター360のレセプタクルの内表面との係合へと変位させ、コネクター520、360を接続位置Pに維持し、これにより、コネクターアセンブリー570は、高電力、高電圧用途から生じる高温および熱サイクルに確実に耐えるようにする。図31は、第1のコネクター520(前に図25〜28で図示した)およびばね部材530の等角分解図である。中間位置Pでは、ばね部材530は、第1のコネクター520の開いた第1の端部から第2の端部まで延びる第1のコネクター520の内部レシーバ540内に存在する。第1のコネクター520およびその中に形成された内部レシーバ540は、実質的にその中心を通過する中心線542(図30および31を参照のこと)を有する。ばね部材530は、ばねアーム531と、ばねアーム531が基部538と同一平面上にあるように構成された基部部分538とを有する。ばね部材530およびばねアーム531の両方は、ばね鋼および/またはステンレス鋼から製造されてもよい。
【0045】
ばねアーム531は、接点ビーム511に外向きの力を加える平坦な平面状の表面532を有する。図29の矢印によって図示されるように、ばねアーム531によって加えられる外向きの付勢力Fは、レシーバ540および第1のコネクター520の中心線542から離れる方向に向けられる。ばねアーム531のそれぞれは、曲線状の肩または屈曲部分521を有する。接点ビーム511は、平坦な平面状の表面512と、自由端568に隣接する曲線状の肩または屈曲部分513とを有する。図29〜30、図30A、および30BのPでは、接点ビーム511の自由端568は、対応するばねアーム531の平坦な平面状の表面532に接触する。これは、ばねアーム531が、製造プロセス中に過度のストレスを受けないようにするように、ばね部材530の基部部分538と同一平面になることを可能にする。再び図31を参照すると、矢印は、ばね部材530が、Pに到達するために、第1のコネクター520の内部レシーバ540の中へと、接続プレート560の遠位の開いた第1の端部を通って、接続プレート560の近位の第2の端部に向かって挿入されるときの移動方向を示す。
【0046】
図45〜50は、第1のコネクター820、その中に取り外し可能に配置されたばね部材838、およびコネクターアセンブリー866およびそれが結合される装置が作動しているとき通常見つけられる接続位置Pに結合されるように構成された第2のコネクター860を含むコネクターアセンブリー866を示す。接続位置Pでは、コネクターアセンブリー866は、オルタネータ、バッテリ、および/または他の電流引き込みコンポーネントなどのデバイスを電源または配電回路へと機械的および電気的に結合する。ここで図45を参照すると、第1のコネクター820およびばね部材838は、ばねが第1のコネクター820内に存在する中間位置Pに示される。第1のコネクター820は、第1および第2の端部822、824と、第1の端部822および第2の端部824の間に配置された複数の側壁826a、826b、826c、826dとを有する。1つまたは複数の接続プレート850は、第1のコネクター820の第2の端部824から離れるように延びる。開口828は、側壁826a〜826dのそれぞれの中間部分を貫通して配置される。
【0047】
複数の接点アーム830a、830b、830c、830d、830e、830f、830g、830hは、第1の端部822から関連する開口828の範囲を横切って第2の端部824に向かって延びる。接点アーム830a〜830hは、第1のコネクター820の第1の端部822の近くのそれぞれの側壁826a〜826dから一体的に形成される。接点アーム830a〜830hのそれぞれは、それぞれの側壁826a〜826dから外向きに延び、自由端834で終端する曲線状の肩832を形成する。側壁826a〜826dおよび接点アーム830a〜830hは、第1のコネクター820の内部の周りに配置され、その中に内部レシーバ836を形成する。
【0048】
ここで図46を参照すると、コネクターアセンブリー866は、ばね部材838が第1のコネクター820から取り外されたように図示されるように分解される。図46に示されるばね部材838は、図45に示されるように、第1のコネクター820の第1の端部822を通して内部レシーバ836の中へと挿入される。第1のコネクター820は、ばね部材838をその内部レシーバ836の中へと受容するように構成される。ばね部材838は、複数の側壁840a、840b、840c、840dを有する。複数のばねアーム842a、842b、842c、842d、842e、842f、842g、842hが、ばね部材838のそれぞれの側壁840a〜840dから延びる。ばねアーム842a〜842gのそれぞれは、前述のばねアーム842a〜842gがそこから延びるそれぞれの側壁840a〜840dと一体である。さらに、ばねアーム842a〜842gのそれぞれは、特定のばねアーム842a〜842hが一体的に形成される、関連する側壁840a〜840dの反対側に配置された曲線状の肩844を有する。
【0049】
例示的な実施形態では、ばねアーム842a〜842hの曲線状の肩部844は、これを用いてばね部材838を第1のコネクター820の内部レシーバ836の中へと挿入する容易さを増加させる。カバー部材846は、ばね部材838を内部レシーバ836の中へと挿入した後、カバー部材846が、第1の端部822の上で折り畳まれるか、または向きを変えられ、それにより、ばね部材838を部分的に取り囲み、定位置に固定するように、その第1の端部822において第1のコネクター820と一体的に形成されてもよい。追加的および/または代替的に、ばね部材838および第1のコネクター820の寸法は、ばね部材838が内部レシーバ836内にぴったりと嵌合するようなものである。
【0050】
図47は、コネクターアセンブリー866が中間位置Pにある状態で、図45の線47−47に沿った第1のコネクター820およびばね部材838の断面を示す。ばねアーム842a〜842hの1つまたは複数の外表面848は、それぞれの接点アーム830a〜830hの自由端834と接触する。ばね部材838は、接点アーム830a〜830hに対して、かつばね部材838の内部および第1のコネクター820から離れるように、外向きの付勢力F(「F」とラベル付けされた矢印によって示される)を生成する。例示的な実施形態では、ばね部材838は、接点アーム830a〜830hに対して、および第1のコネクター820の中心線852(図47および50を参照のこと)から離れるように、外向きの付勢力Fを発生する。図47の実施形態に示されるように、ばねアーム842a〜842hは、接点アーム830a〜830hに対応する。接点アームの数とばねアームの数は同じでもよく、または異なっていてもよい。ばね部材838が、第1のコネクター820が接点アームを有するよりも少ないばねアームを有するように構成される例示的な実施形態では、各ばねアームは、2つの接点アームに外向きの付勢力を生成してもよい。さらに、ばねアームよりも少ない接点アームを有する例示的な実施形態では、各接点アームは、2つ以上の対応するばねアームによってその上に加えられる力を有してもよい。
【0051】
第1のコネクター820および接点アーム830a〜830hは、銅、高導電性銅合金(例えば、C151またはC110)、および/または別の適切な導電性材料などの第1の材料から形成されてもよい。第1の材料は、IACS(国際軟銅規格、すなわち、市販の銅の電気伝導率について経験的に導き出された標準値)の90%を超える電気伝導率を有することが好ましい。例えば、C151は通常、IACSに準拠した標準の純銅の導電率の151%を有する。同様に、C110はIACSの110%の導電率を有する。特定の動作環境または技術的用途では、C151を選択することが望ましい場合がある。これは、C151が高応力および/または過酷な気象用途に望ましい防食特性を有するためである。企図される実施形態では、ばね部材838は、ばね鋼、ステンレス鋼、および/または、第1のコネクター820の第1の材料よりもより大きい剛性(例えば、ヤング率によって測定されるような)、および弾力性を有する別の適切な材料などの第2の材料から形成されてもよい。
【0052】
(第1のコネクター820の)第1の材料および(ばね部材838の)第2の材料は、相補的な特性を有するように選択される。例えば、第2の材料のヤング率は、第1の材料のヤング率よりも比較的大きくなるように選択される適切な第1の材料(例えば、銅合金(C110))のヤング率は、室温で約115ギガパスカル(GPa)である。一方、適切な第2の材料(例えば、ステンレス鋼)のヤング率は、室温で約193GPaである。企図される高電圧用途では、第1のコネクターを形成する銅合金の断面積は、選択した銅合金の導電率とバランスが取れている。例えば、より低い導電率を有する銅合金が選択される場合、それから形成される接点アーム830a〜830hは、適切に電気を伝導するように、より大きい断面積を有する。同様に、より高い導電率を有する第1の材料の選択は、導電率仕様を満たしながら、比較的より小さい断面積を有する接点アーム830a〜830hを可能にする場合がある。
【0053】
例示的な実施形態では、第2の材料のCTEは、第1の材料のCTEより大きくてもよく、すなわち、ばね部材838のCTEは、第1のコネクター820のCTEより大きい。したがって、第1のコネクター820およびばね部材838のアセンブリーが、本開示に記載される電気コネクターの使用に典型的な高電圧および高温環境を受けるとき、ばね部材838は、第1のコネクター820よりも比較的より延びる。したがって、第1のコネクター820の接点アーム830a〜830hにばね部材838によって生成される外向きの力Fは、温度の上昇にしたがって増加する。
【0054】
車両オルタネータでの使用などのための、本開示の例示的な用途は、乗用車および商用車で見られるようなクラス5の自動車環境での配備に適している。クラス5の環境は、オルタネータなどの車両のボンネットの下で見られることが多く、摂氏150°の周囲温度を呈し、しばしば摂氏200°に達する。銅および/または高導電性銅合金が摂氏約150°を超える温度を受けると、前述の合金は可鍛性になり、機械的弾性が失われる。つまり、銅材料が軟化する。しかしながら、ばね部材838を形成する鋼は、同様の条件にさらされたときに硬度および機械的特性を保持する。したがって、第1のコネクター820およびばね部材838が両方とも高温にさらされると、第1のコネクター820の第1の材料が軟化し、第2の材料から形成されたばね部材838の構造的完全性が保持され、これにより、接続位置Pにおいて、ばね部材838によって軟化した接点アーム830a〜830hに加えられた力Fが、軟化した接点アーム830a〜830hを第1のコネクター820の内部に対して外向きにより効果的に変位させる。
【0055】
ここで、図48〜50を参照すると、第1のコネクター820および第1のコネクター820の内部レシーバ836内に配置されたばね部材838が、コネクターアセンブリー866を接続位置Pに配置するように、第2のコネクター860の内部レセプタクル868の中へと挿入されて示される。第2のコネクター860は、銅、C110またはC151などの銅合金、および/または別の適切な高導電性材料から作製されてもよい。接点アーム830a〜830hは、第2のコネクター860の内表面862に接触する。接続位置Pでは、ギャップGは、ばね部材838の側壁840a〜840dと第2のコネクター860の内表面862との間に配置される。第2のコネクター860の内表面862に係合するために、接点アーム830a〜830hは、レセプタクル868の別個の場所でギャップGに広がる。図48〜50に示される第1のコネクター820、ばね部材838、および第2のコネクター860は、コネクターアセンブリーが受ける高電力、高電圧用途から生じる高温および熱サイクルに耐えつつ、導電性と機械的係合を維持するように構成されている。さらに、第1のコネクター820および第2のコネクター860は、第1のコネクター820によって第2のコネクター860に加えられる外向きの力Fを増加させる、高電圧、高温用途から生じる高温および熱サイクルの結果として熱膨張を受ける場合がある。第1のコネクター820、ばね部材838、および第2のコネクター860の構成は、それらの間の外向きの接続力Fを増加させ、一方、コネクターアセンブリー866は、接続位置Pでの熱サイクルから生じる熱膨張に耐える。
【0056】
繰り返される熱膨張事象により、第1のコネクター820の材料記憶を生成して、第1のコネクター820上のばね部材838の初期の外向きの付勢力Fを増加させ、それにより、接点アーム830a〜830hと第2のコネクター860との間の接触圧力を増加させる。上述したように、第1のコネクター820およびばね部材838の両方は、車両の動作中またはコネクターアセンブリー866が設置された他の用途の間、厳しい熱サイクルを受ける。したがって、ばね部材838の第2の材料は、熱サイクルの後でさえもばね部材838の機械的特性を保持するように特に選択される場合がある。ばね鋼、ステンレス鋼、および/または別の適切な材料が、ばね部材838の第2の材料として選択されてもよく、前述のように、接点アーム830a〜830hの銅および/または銅合金は、予想される高温下で軟化する。したがって、繰り返される厳しい熱サイクルにより、接点アーム830a〜830hは、以前の力Fの適用に起因して、第1のコネクター820に対して変位した位置に影響を与える材料記憶を生成し、一方、ばね部材838は、同じ熱サイクルの影響をほとんど受けない。
【0057】
さらに、図48と49に示されるように、接続位置Pで、第1のコネクター820は、第2のコネクター860に360°コンプライアンスを提供し、電気的および機械的接続性のために、十分な量の外向きの力Fが第1のコネクター820によって第2のコネクター860に加えられることを確実にする。図48に示すように、第1のコネクター820の第1の端部822は、第2のコネクター860の中へと挿入される。接続プレート850は、第2のコネクター860から離れる向きに方向付けられ、第2のコネクターの接続プレート864は、同様に第1のコネクター820から離れる向きに方向付けられる。図48によって図示される方向で、第1のコネクター接続プレート850および第2のコネクター接続プレート864の両方は、電気コネクターアセンブリー866の同じ上側に位置合わせされ、方向付けられる。しかしながら、第1のコネクター820は、その全ての4つの側面に配置された接点アーム830a〜830hを有するので、第1のコネクター820は、90°、180°、および/または270°回転されてもよく、一方、第2のコネクター860によって形成された内部レセプタクル868内に挿入可能であり、所望の機械的および電気的係合を提供する。
【0058】
なおさらに、図48および49によって示されように、第1のコネクター820の360°コンプライアンス属性は、その挿入方向に関係なく、第1のコネクター820の全ての4つの側で第2のコネクター860との電気的および機械的接続を確立する。この属性により、キーイング機能および/または接続時にコンポーネントの望ましい方向を確保するように設計された別の機能を省略できる。コネクターアセンブリー866の360°コンプライアンス属性は、振動などの厳しい機械的条件下で機械的および電気的接続を維持するのにも役立つ。180°コンプライアンスを有する従来のブレードまたはフォーク型コネクター、つまり、2つの反対向きの側のみで接続されるコネクターでは、振動により、180°コンプライアンスコネクターが特定の周波数でより大きい振幅で振動する高調波共振が発生する場合がある。例えば、フォーク型コネクターが高調波共振を受けると、フォーク型コネクターが開く場合がある。関連する端子からのフォーク型コネクターの一時的な機械的分離は電気アークを生じる場合があるため、電気伝導中にフォーク型コネクターが開くことは望ましくない。アーク放電は、180°コンプライアンス端子だけでなく、その180°コンプライアンス端子がコンポーネントである電気システム全体に重大な悪影響を加える場合がある。しかしながら、本開示の360°コンプライアンス機能は、強い振動および電気アークによって引き起こされる可能性のある壊滅的な障害を防ぐ場合がある。
【0059】
図50を参照すると、各接点アーム830a〜830hの曲線状部分832は、接点アーム830a〜830hのそれぞれの自由端834に隣接して描かれている。さらに、各接点アーム830a〜830hの曲線状部分832は、第2のコネクター860の内表面862と電気的および機械的に接触している。接点アーム830a〜830hの曲線状部分832の曲率半径は、その自由端834がそれぞれのばねアーム842a〜842hの外表面848に接触することを可能にする。ばね部材838と接点アーム830a〜830hとの間のこの確実な接触は、ばね部材838に対して接点アーム830a〜830hを外向きに変位させる外向きの付勢力Fを発生させる。この外向きの付勢力Fは、第1のコネクター820が第2のコネクター860から分離しているとき、および第1のコネクター820が第2のコネクター860の中へと挿入されているときの両方で生成される。この接触がない場合、接点アーム830a〜830hに対して加えられる外向きの付勢力Fは制御されない場合があり、おそらく、接点アーム830a〜830hおよび/または第2のコネクター860内の第1のコネクター820全体の揺れまたはチャタリングが生じる場合がある。しかしながら、第1のコネクター820が第2のコネクター860の中へと挿入されると、接点アーム830a〜830hに加えられるたわみ圧力は、部分的または全体的にばねアーム842a〜842hに伝達される。好ましくは、このたわみ圧力の100%またはほぼ100%が剛性鋼ばね部材838に伝達される。しかしながら、接点アーム830a〜830hからのたわみ圧力の伝達は、たとえあったとしても、ばねアーム842a〜842hのたわみを有意に生じない。代わりに、ばね部材838は、接点アーム830a〜830hに対してくさびまたはゆらぎ作用を提供し、それによって、接点アーム830a〜830hを外向きに変位した位置に保持し、かつ第2のコネクター860と係合へと押す。さらに、接点アーム830a〜830hの曲線状部分832の曲率半径は、部分的に、ばねアーム842a〜842hからそれに関連付けられた接点アーム830a〜830hに与えられる外向きの付勢力Fの程度を決定する。例えば、より大きい曲率半径(すなわち、より緩やかに丸みのついた曲線部分)は、曲線部分832を第2のコネクター860と接触するように付勢する外向きの力Fの比較的な減少を生じさせる。さらに、より小さい曲率半径(すなわち、より鋭く曲げられた曲線部分)は、曲線状部分832に第2のコネクター部分860との接触へと付勢する比較的より大きい外向きの力Fを発生させる。
【0060】
図33〜36に示されるように、オルタネータ端子アセンブリー700は、第2のコネクター703と嵌合する。第2のコネクター703は、金属製の角型チューブ777と、フランジ709を有する高温非導電性ポリマーシュラウド711とを有する。金属製の角型チューブ777は、オルタネータバスバー708と電気的に一体である。金属製の角型チューブ777は、一般的に銅C110またはC151でできている。金属製の角型チューブ777は、平坦なセグメント769および湾曲したセグメント768から構成される外表面、内側の接触表面710、バスバー708、およびバスバー708から遠い上縁770を有する。プラスチックシュラウド711は、内表面750、外表面711、フランジ709、フランジ709から遠い上縁757、および嵌合突起755を有する。第1のコネクターと第2のコネクターとの間の確実な係合を確実にするために、嵌合突起755を使用することができる。
【0061】
図37〜38は、嵌合突起755が強調された第2のコネクター703の2つの角度を示す。
【0062】
図32は、オルタネータ端子アセンブリー700へと組み立てられた第1のコネクター520を示す。スペード表面515(図32では逆スペード表面566が見える)は、ワイヤ701に超音波溶接または圧着される。高温ポリアミドなどの高温ポリマーから製造されたキャップ705は、第1のコネクター520のスペード566およびワイヤ溶接を覆う。第1のコネクター520の残りは、オルタネータコネクター702へと嵌合する。
【0063】
図39〜40は、金属製の角型チューブ778、777の2つの異なる実施形態を示す。1つの実施形態では、バスバー708は金属管777に平行である。バスバー708は、金属管769の表面と一体である。他の実施形態では、バスバー779は、金属管778の表面789、788と直交する。
【0064】
図41〜42は、オルタネータ端子アセンブリー700内の本来の位置での第1のコネクター520を示す。キャップ705セグメントは、オルタネータコネクターセグメント702に接合される。オルタネータコネクターセグメントは、時期尚早な電気接触を防ぐためのプラスチックシュラウド729を有する。ビーム511は、プラスチックシュラウド729を通過して延び、第2のコネクター703と嵌合したときに電気的接続を生成する。オルタネータ端子アセンブリー700は、コネクター位置保証インジケータ720を有する。
【0065】
図43〜44は、オルタネータ704の本来の位置でのオルタネータ端子アセンブリー700を示す。第2のコネクター703は、オルタネータ704と一体である。図42に示されるように、第1のコネクター520を有するオルタネータ端子アセンブリー700は、第2のコネクター703と嵌合する。コネクター位置保証インジケータ720は、コネクターが完全に係合してロックされているかどうかを示す。
【産業上の利用可能性】
【0066】
上記の開示は、高電力、高電圧条件に耐える第1の電気コネクターおよび第2のコネクターによって作り出される機械的および電気的接続を改善するため、当技術分野における改善を表す場合がある。上述したように、典型的な高電力および/または高電圧状態は自動車産業に見られる。その他の高電力および/または高電圧条件は、軍事機器、宇宙飛行、電気自動車、産業機械などの他の用途で見られる。
【0067】
いくつかの実装形態を図示し説明してきたが、本開示の趣旨から大幅に逸脱することなく、多数の変更が思い浮かぶ。保護の範囲は、添付の特許請求の範囲の範囲によってのみ制限される。
【0068】
見出しと小見出しがある場合、それは便宜のためにのみ使用されており、制限するものではない。例示という言葉は、例または実例として役立つことを意味するために使用される。「含む(include)」、「持つ(have)」などの用語が使用される限り、「含む(comprise)」という用語と同様の方法で包括的になるように意図され、「含む(comprise)」は、請求項で移行語として使用されるときに解釈される。第1および第2などの関係用語は、エンティティまたはアクション間のいかなる実際のそのような関係または順序を必ずしも必要とせず、または示唆することなく、1つのエンティティまたはアクションを別のものから区別するために使用されてもよい。
【0069】
1つの態様、その態様、別の態様、いくつかの態様、1つまたは複数の態様、1つの実装形態、その実装形態、別の実装形態、いくつかの実装形態、1つまたは複数の実装形態、1つの実施形態、その実施形態、別の実施形態、いくつかの実施形態、1つまたは複数の実施形態、1つの構成、その構成、別の構成、いくつかの構成、1つまたは複数の構成、主題の技術、開示、本開示、それらの他の変形などの語句は、便宜上のものであり、そのような語句に関連する開示が主題の技術に不可欠であること、またはそのような開示が、主題の技術の全ての構成に適用されることを意味しない。そのような語句に関する開示は、全ての構成、または1つまたは複数の構成に適用されてもよい。そのような語句に関する開示は、1つまたは複数の例を提供する場合がある。一態様またはいくつかの態様などの語句は、1つまたは複数の態様を指す場合があり、逆もまた同様であり、またこれは、他の前述の語句に同様に当てはまる。
【0070】
本開示に対する多数の変更は、前述の説明に鑑みて当業者には明らかであろう。本開示を実施するために本発明者らに公知の最良の形態を含む、本開示の好ましい実施形態が本明細書に記載される。当然のことながら、例示された実施形態は例示にすぎず、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
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