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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022100100
(43)【公開日】2022-07-05
(54)【発明の名称】ノズル検査システム
(51)【国際特許分類】
   B22F 12/53 20210101AFI20220628BHJP
   B05B 15/68 20180101ALI20220628BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20220628BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20220628BHJP
   B05C 11/00 20060101ALI20220628BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20220628BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20220628BHJP
   B22F 10/25 20210101ALI20220628BHJP
   B22F 3/105 20060101ALI20220628BHJP
   B22F 3/16 20060101ALI20220628BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALN20220628BHJP
【FI】
B22F12/53
B05B15/68
B05C5/00 101
B05C11/10
B05C11/00
G01B11/00 H
B33Y50/02
B22F10/25
B22F3/105
B22F3/16
B33Y30/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020214261
(22)【出願日】2020-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000003458
【氏名又は名称】芝浦機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹内 将人
(72)【発明者】
【氏名】後藤 利章
(72)【発明者】
【氏名】藤巻 晋平
【テーマコード(参考)】
2F065
4D073
4F041
4F042
4K018
【Fターム(参考)】
2F065AA03
2F065AA07
2F065FF01
2F065FF42
2F065JJ03
2F065JJ26
2F065PP13
2F065QQ04
2F065QQ21
4D073BB03
4D073BB06
4D073CB19
4D073CB23
4F041AB01
4F041AB05
4F041BA05
4F041BA12
4F041BA22
4F042AB03
4F042BA08
4F042BA22
4F042DH09
4K018CA44
4K018EA51
4K018EA60
(57)【要約】
【課題】噴出される噴出物の中心と、ノズルの軸心と、の間のズレを定量的に検査可能なノズル検査システムを提供する。
【解決手段】一つの実施形態に係るノズル検査システムは、撮像装置と、回転装置と、演算装置とを備える。前記撮像装置は、保持部に保持されたノズルから噴出された噴出物と、前記保持部に前記ノズルと同軸に保持されたキャリブレーション部材と、を撮像する。前記回転装置は、前記ノズルの軸心又は前記キャリブレーション部材の軸心に沿って延びる回転軸まわりに前記ノズル又は前記キャリブレーション部材を前記撮像装置に対して相対的に回転させる。前記演算装置は、前記撮像装置が撮像した前記噴出物の画像と、前記撮像装置が撮像した前記キャリブレーション部材の画像と、に基づき、前記ノズルの軸心と直交する仮想平面における前記噴出物の位置と前記ノズルの軸心の位置との差を算出する第1の演算部、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保持部に保持されたノズルから噴出された流体及び粉体のうち少なくとも一方を含む噴出物と、前記保持部に前記ノズルと同軸に保持されたキャリブレーション部材と、を撮像する撮像装置と、
前記ノズルの軸心又は前記キャリブレーション部材の軸心に沿って延びる回転軸まわりに前記ノズル又は前記キャリブレーション部材を前記撮像装置に対して相対的に回転させる回転装置と、
前記撮像装置が撮像した前記噴出物の画像と、前記撮像装置が撮像した前記キャリブレーション部材の画像と、に基づき、前記ノズルの軸心と直交する仮想平面における前記噴出物の位置と前記ノズルの軸心の位置との差を算出する第1の演算部、を有する演算装置と、
を具備するノズル検査システム。
【請求項2】
前記ノズルと選択的に前記保持部に保持されることが可能な前記キャリブレーション部材、をさらに具備する請求項1のノズル検査システム。
【請求項3】
前記第1の演算部は、前記キャリブレーション部材の画像を二値化する二値化部と、二値化された前記キャリブレーション部材の画像に基づき前記ノズルと同軸の前記キャリブレーション部材の軸心の位置を算出する軸心算出部と、を有する、請求項1又は請求項2のノズル検査システム。
【請求項4】
前記ノズルは、噴出した前記噴出物を収束点で収束させ、
前記第1の演算部は、前記ノズルの軸心と直交する仮想平面における、前記噴出物の位置としての前記収束点の位置と、前記ノズルの軸心の位置と、の差を算出する、
請求項1乃至請求項3のいずれか一つのノズル検査システム。
【請求項5】
前記第1の演算部は、前記噴出物の画像における輝度をガウシアンフィッティングするフィッティング部と、前記ノズルの軸心と直交する方向における前記収束点の位置としてガウシアンフィッティングされた前記輝度のピークの位置を算出するピーク算出部と、を有する、請求項4のノズル検査システム。
【請求項6】
前記演算装置は、前記撮像装置が撮像した前記噴出物の画像と、前記撮像装置が撮像した前記キャリブレーション部材の画像と、に基づき、前記ノズルの軸心に沿う方向における前記収束点の位置と前記キャリブレーション部材の先端の位置との差を算出する第2の演算部、をさらに有する、請求項4又は請求項5のノズル検査システム。
【請求項7】
前記回転装置は、前記ノズル及び前記キャリブレーション部材を回転させる、請求項1乃至請求項6のいずれか一つのノズル検査システム。
【請求項8】
前記撮像装置は、互いに反対の二つの方向から前記噴出物を撮像する、請求項1乃至請求項7のいずれか一つのノズル検査システム。
【請求項9】
前記保持部に保持された前記ノズルに、霧状の液体としての前記噴出物を供給するスモーク供給装置、をさらに具備する請求項1乃至請求項8のいずれか一つのノズル検査システム。
【請求項10】
前記ノズルの軸心と直交する仮想平面における前記噴出物の位置と前記ノズルの軸心の位置との差が閾値を超えているか否かを判定する判定部と、
前記判定部による判定結果を出力する出力部と、
をさらに具備する請求項1乃至請求項9のいずれか一つのノズル検査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ノズル検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ノズルは、流体及び粉末のうち少なくとも一方を含む噴出物を噴出する。例えば、積層造形装置において、ノズルは、粉末状の材料を噴出する。積層造形装置は、ノズルから噴出された材料にレーザ光を照射することで当該材料を固化させ、固化した材料の層を形成する。積層造形装置のノズルは、所望の収束点に粉末を収束させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-008315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えばノズルの加工及び組み立ての個体差により、噴出される噴出物の中心と、ノズルの軸心と、の間にズレが生じてしまう虞がある。当該ズレを定量的に検査することが可能となれば、ノズルの使用の可否の定量的な判断が可能となる。
【0005】
本発明が解決する課題の一例は、噴出される噴出物の中心と、ノズルの軸心と、の間のズレを定量的に検査可能なノズル検査システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの実施形態に係るノズル検査システムは、撮像装置と、回転装置と、演算装置とを備える。前記撮像装置は、保持部に保持されたノズルから噴出された流体及び粉体のうち少なくとも一方を含む噴出物と、前記保持部に前記ノズルと同軸に保持されたキャリブレーション部材と、を撮像する。前記回転装置は、前記ノズルの軸心又は前記キャリブレーション部材の軸心に沿って延びる回転軸まわりに前記ノズル又は前記キャリブレーション部材を前記撮像装置に対して相対的に回転させる。前記演算装置は、前記撮像装置が撮像した前記噴出物の画像と、前記撮像装置が撮像した前記キャリブレーション部材の画像と、に基づき、前記ノズルの軸心と直交する仮想平面における前記噴出物の位置と前記ノズルの軸心の位置との差を算出する第1の演算部、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、一つの実施形態に係るノズル検査システムを概略的に示す側面図である。
図2図2は、上記実施形態のノズルを模式的に示す断面図である。
図3図3は、上記実施形態の制御装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、上記実施形態のノズル検査システムの構成を機能的に示すブロック図である。
図5図5は、上記実施形態のズレ算出方法の一例を示す例示的なフローチャートである。
図6図6は、上記実施形態の第1の画像及び第1の画像の輝度プロファイルを模式的に示す図である。
図7図7は、上記実施形態の第2の画像及び第2の画像の輝度プロファイルを模式的に示す図である。
図8図8は、上記施形態のノズル及び撮像装置を模式的に示す平面図である。
図9図9は、上記実施形態の各回転角度におけるX-Y平面上のズレを模式的に示す平面図である。
図10図10は、上記実施形態のズレ、中点、及び平面上ズレを模式的に示す平面図である。
図11図11は、上記実施形態のノズルの検査方法の一例を示す例示的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、一つの実施形態について、図1乃至図11を参照して説明する。なお、本明細書においては基本的に、鉛直上方を上方向、鉛直下方を下方向と定義する。また、本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素及びその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称でも特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によっても説明され得る。
【0009】
図1は、一つの実施形態に係るノズル検査システム1を概略的に示す側面図である。ノズル検査システム1は、ノズル2の品質を検査する。本実施形態におけるノズル2は、積層造形(付加製造)に用いられる。なお、ノズル2は、他の用途に用いられても良い。
【0010】
図2は、本実施形態のノズル2を模式的に示す断面図である。図2に示すように、ノズル2は、積層造形装置3に搭載される。積層造形装置3は、例えば、粉末状の材料を層状に積み重ねることにより、所定の形状の物体4を積層造形する。
【0011】
積層造形装置3は、例えば、いわゆる指向性エネルギー堆積方式(Directed Energy Deposition:DED)又はレーザーメタルデポジション方式(Laser Metal Deposition:LMD)の三次元プリンタである。なお、ノズル2は、他の装置に搭載されても良い。
【0012】
ノズル2は、例えば、略円錐台の筒状に形成される。なお、ノズル2の形状は、この例に限られない。ノズル2に、出射路11と、噴出路12とが設けられる。出射路11及び噴出路12は、同軸に配置され、ノズル2の先端2aに開口する。先端2aは、出射路11及び噴出路12の軸心Axnに沿う方向における、ノズル2の端部である。軸心Axnは、筒状のノズル2の軸心でもある。
【0013】
出射路11は、軸心Axnに沿って延びる略円形の孔である。積層造形装置3において、発振素子が出射したレーザ光Lが、出射路11を通り、ノズル2の外部に出射される。言い換えると、出射路11は、レーザ光Lを先端2aから出射させる。
【0014】
噴出路12は、軸心Axnに沿って延びる略円環状の孔である。噴出路12は、出射路11を囲む。積層造形装置3において、粉末状の材料M及びキャリアガスGを含む噴出物Oeが、噴出路12を通り、ノズル2の外部に噴出される。言い換えると、噴出路12は、キャリアガスGと材料Mとを含む噴出物Oeを、先端2aから噴出する。粉末状の材料Mは、例えば金属であり、粉体の一例である。キャリアガスGは、例えば窒素やアルゴンのような不活性ガスであり、流体の一例である。
【0015】
噴出路12は、先端2aに近づくに従って外径及び内径が縮小するように延びている。このため、ノズル2は、収束点Pで噴出物Oeを収束させるように、噴出路12から噴出物Oeを噴出する。
【0016】
ノズル2に、シールドガスが噴出する通路がさらに設けられても良い。当該通路は、噴出路12を囲み、先端2a又はノズル2の他の部分からシールドガスを吐出する。シールドガスは、例えば、窒素やアルゴンのような不活性ガスである。
【0017】
ノズル2は、例えば、物体4のベース又は仕掛品に向かって、噴出物Oeを噴出する。また、ノズル2は、レーザ光Lを物体4に照射する。すなわち、レーザ光Lが噴出物Oeの供給と平行してノズル2から照射される。
【0018】
積層造形装置3は、物体4及び噴出された材料Mをレーザ光Lにより加熱し、溶融又は焼結させる。これにより、材料Mの層が形成される。積層造形装置3は、材料Mの層にレーザ光Lを照射することで、アニール処理を行っても良い。積層造形装置3は、材料Mの層を反復的に積み重ねることにより、物体4を積層造形する。
【0019】
噴出物Oeの収束点Pは、ノズル2の軸心Axn上に位置するように設定される。また、レーザ光Lの焦点も、ノズル2の軸心Axn上に位置するように設定される。これにより、積層造形装置3は、収束点Pにレーザ光Lの焦点を配置することができ、材料Mを効率的に溶融又は焼結することができる。
【0020】
収束点Pが所望の位置からずれると、積層造形装置3による積層造形の効率が低下する虞がある。例えば、収束点Pが軸心Axnと直交する方向に軸心Axnから離間した場合、レーザ光Lの焦点が収束点Pから離れるため、材料Mの溶融又は焼結の効率が低下する。また、収束点Pが所望の位置から軸心Axnに沿う方向に離間すると、レーザ光Lの焦点を収束点Pに合わせる調整が難しくなる。
【0021】
ノズル2は、例えば、部品の加工精度や、複数の部品の組み立て精度により、形状の個体差が生じることがある。このようなノズル2の加工及び組み立ての個体差により、噴出物Oeの収束点Pと、所望の位置と、の間にズレが生じてしまう虞がある。例えば、噴出物Oeの収束点Pと、ノズル2の軸心Axnと、の間にズレが生じる。
【0022】
図1のノズル検査システム1は、噴出物Oeの収束点Pと、所望の位置と、の間のズレを定量的に検査することができる。言い換えると、ノズル検査システム1は、製造されたノズル2の品質を定量的に検査することができる。
【0023】
各図面に示されるように、本明細書において、便宜上、X軸、Y軸及びZ軸が定義される。X軸とY軸とZ軸とは、互いに直交する。X軸及びY軸は、略水平に設けられる。Z軸は、略鉛直に設けられる。
【0024】
さらに、本明細書において、X方向、Y方向及びZ方向が定義される。X方向は、X軸に沿う方向であって、X軸の矢印が示す+X方向と、X軸の矢印の反対方向である-X方向とを含む。Y方向は、Y軸に沿う方向であって、Y軸の矢印が示す+Y方向と、Y軸の矢印の反対方向である-Y方向とを含む。Z方向は、Z軸に沿う方向であって、Z軸の矢印が示す+Z方向と、Z軸の矢印の反対方向である-Z方向とを含む。+Z方向は、鉛直上方である。-Z方向は、鉛直下方である。
【0025】
図1に示すように、ノズル検査システム1は、保持装置21と、キャリブレーション部材22と、供給装置23と、撮像装置24と、照明装置25と、回転装置26と、入力装置27と、出力装置28と、制御装置29とを有する。供給装置23は、スモーク供給装置の一例である。
【0026】
保持装置21は、検査対象のノズル2、又はキャリブレーション部材22を保持する。また、保持装置21は、撮像装置24及び照明装置25を支持する。保持装置21は、ベース31と、複数の柱32と、支持台33と、保持部34と、アーム35と、スクリーン36とを有する。
【0027】
ベース31は、例えば、X-Y平面上に広がる板状に形成される。X-Y平面は、Z軸と直交する仮想平面である。複数のX-Y平面が、Z方向の各座標上に存在する。ベース31は、例えば、略水平な面の上に配置される。なお、ベース31は、この例に限られない。柱32は、ベース31から+Z方向に延びている。
【0028】
支持台33は、例えば、X-Y平面上に広がる板状に形成される。支持台33は、ベース31から+Z方向に離間した位置で、複数の柱32に支持される。ベース31と支持台33との間の距離は、軸心Axnに沿う方向におけるノズル2の長さよりも長い。
【0029】
保持部34は、支持台33に設けられる。保持部34は、ノズル2と、キャリブレーション部材22とを、選択的に保持することができる。なお、保持部34は、ノズル2及びキャリブレーション部材22の代わりに、他の部品を保持可能であっても良い。
【0030】
保持部34は、ノズル2を、軸心AxnがZ方向に延びるように保持することができる。また、保持部34は、当該保持部34からノズル2が取り外された状態で、キャリブレーション部材22を保持することができる。保持部34は、例えば、ネジ、万力、又は他の手段により、ノズル2又はキャリブレーション部材22を保持する。
【0031】
キャリブレーション部材22は、互いに径が異なるとともに同軸に配置された複数の円柱を有する。なお、キャリブレーション部材22の形状は、この例に限られない。保持部34は、キャリブレーション部材22を、当該キャリブレーション部材22の軸心AxcがZ方向に延びるように保持することができる。
【0032】
キャリブレーション部材22の複数の円柱は、-Z方向に向かって直径がだんだんと短くなるように並べられる。すなわち、直径が最も短い円柱が-Z方向におけるキャリブレーション部材22の端に配置され、直径が最も長い円柱が+Z方向におけるキャリブレーション部材22の端に配置される。
【0033】
保持部34は、キャリブレーション部材22の軸心Axcと、ノズル2の軸心Axnとが同軸となるよう、キャリブレーション部材22を保持することができる。すなわち、X-Y平面上において、保持部34に保持されたノズル2の軸心Axnの位置と、保持部34に保持されたキャリブレーション部材22の軸心Axcの位置とは、略同一となる。
【0034】
例えば、保持部34は、複数のピン34aを有する。ノズル2に、軸心Axnから当該軸心Axnと直交する方向に離間した複数の孔が設けられる。また、キャリブレーション部材22に、軸心Axcから当該軸心Axcと直交する方向に離間した複数の孔が設けられる。複数のピン34aは、保持部34に保持されたノズル2の孔、又は保持部34に保持されたキャリブレーション部材22の孔に挿入されることで、ノズル2及びキャリブレーション部材を同軸に位置決めする。なお、保持部34は、この例に限られない。
【0035】
アーム35は、支持台33から例えば-Y方向に延びている。アーム35に、撮像装置24及び照明装置25が支持される。すなわち、撮像装置24及び照明装置25は、保持部34に保持されたノズル2又はキャリブレーション部材22から、軸心Axn又は軸心Axcと直交する方向に離間している。照明装置25は、撮像装置24よりも保持部34に近い。
【0036】
スクリーン36は、X-Z平面上に広がる板状に形成される。保持部34は、撮像装置24とスクリーン36との間に位置する。スクリーン36は、背景36aを有する。背景36aは、撮像装置24に向く、黒色の平面である。なお、保持装置21は、スクリーン36を省略しても良い。
【0037】
供給装置23は、いわゆるスモークマシンである。供給装置23は、保持部34に保持されたノズル2の噴出路12に接続される。供給装置23は、例えば、ドライアイス、又はグリコール類と水との混合物を加熱し、霧状の液体を生成する。供給装置23は、霧状の液体を、噴出路12を通じてノズル2から噴出させる。すなわち、供給装置23は、保持部34に保持されたノズル2に、霧状の液体としての噴出物Oeを供給する。霧状の液体は、流体の一例である。
【0038】
供給装置23からノズル2に供給される噴出物Oeは、材料M及びキャリアガスGを含む噴出物Oeと似た挙動で、ノズル2から噴出される。すなわち、霧状の形態としての噴出物Oeは、材料M及びキャリアガスGがノズル2から噴出された場合と略同一の収束点Pで収束する。なお、供給装置23は、材料M及びキャリアガスGを含む噴出物Oeを、保持部34に保持されたノズル2に供給しても良い。
【0039】
撮像装置24は、例えば、CCDカメラのようなデジタルカメラであり、静止画及び動画の少なくとも一方を撮像可能である。撮像装置24は、保持部34に保持されたノズル2から噴出された噴出物Oeと、保持部34に保持されたキャリブレーション部材22とを撮像する。
【0040】
照明装置25は、例えば、リングライトであり、LEDのような光源を有する。照明装置25は、保持部34に保持されたノズル2から噴出された噴出物Oeと、保持部34に保持されたキャリブレーション部材22とを照らす。照明装置25は、複数の方向から噴出物Oe及びキャリブレーション部材22を照らしても良い。照明装置25は、例えば、撮像装置24の視野の外に配置される。
【0041】
照明装置25は、上記の例に限られない。例えば、照明装置25は、LEDのような光源と、ハーフミラーとを有しても良い。ハーフミラーは、撮像装置24の光軸上に配置され、光を反射する面を光源と、噴出物Oe又はキャリブレーション部材22に向け、光を透過する面を撮像装置24に向ける。これにより、照明装置25は、撮像装置24の光軸と同一方向に噴出物Oe及びキャリブレーション部材22を照らすことができる。
【0042】
Z方向において、撮像装置24の光軸と、照明装置25の光軸と、収束点Pと、キャリブレーション部材22の先端22aと、は略同一の位置(座標)に配置される。これにより、照明装置25は、噴出物Oe及びキャリブレーション部材22を均一に照らすことができる。
【0043】
回転装置26は、例えば、保持部34を、Z方向に延びる回転軸Axrまわりに回転させる。これにより、回転装置26は、回転軸Axrまわりに、保持部34に保持されたノズル2又はキャリブレーション部材22を回転させる。言い換えると、回転装置26は、ノズル2又はキャリブレーション部材22を、撮像装置24に対して相対的に回転させる。なお、回転装置26は、撮像装置24を回転軸Axrまわりに回転させることで、ノズル2又はキャリブレーション部材22を、撮像装置24に対して相対的に回転させても良い。
【0044】
保持部34は、ノズル2を、軸心Axnと回転軸Axrとが同軸となるように保持することができる。また、保持部34は、キャリブレーション部材22を、軸心Axcと回転軸Axrとが同軸となるように保持することができる。
【0045】
回転軸Axrは、軸心Axn及び軸心Axcからズレていても良い。回転軸Axrは、軸心Axn及び軸心Axcと略平行である。また、保持部34に保持されたノズル2又はキャリブレーション部材22は、回転軸Axr上に配置される。以上のように、回転軸Axrは、軸心Axn又は軸心Axcに沿って延びている。
【0046】
入力装置27は、例えば、キーボード、マウス、及びタッチパネルのような、ユーザからの入力を受け付ける装置である。出力装置28は、例えば、ディスプレイ及びスピーカのような、情報を出力する装置である。
【0047】
図3は、本実施形態の制御装置29のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、制御装置29は、例えば、CPU(Central Processing Unit)29aのような演算装置と、ROM(Read Only Memorry)29bと、RAM(Random Access Memorry)29cと、ストレージ29dと、インターフェース(I/F)29eとを有し、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。CPU29aは、演算装置の一例である。
【0048】
CPU29a、ROM29b、RAM29c、ストレージ29d、及びI/F29eは、バスを介して互いに接続されている。CPU29aは、I/F29eを介して、供給装置23、撮像装置24、照明装置25、回転装置26、入力装置27、及び出力装置28に接続されている。
【0049】
CPU29aがROM29b又はストレージ29dに組み込まれたプログラムを実行することで、制御装置29は、ノズル検査システム1の各部を制御する。例えば、制御装置29は、供給装置23、撮像装置24、照明装置25、及び回転装置26を制御する。
【0050】
ROM29bは、プログラム及びプログラムの実行に必要なデータを格納している。RAM29cは、プログラムの実行時に作業領域として機能する。ストレージ29dは、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)のような、データを記憶、変更、削除可能な装置である。
【0051】
図4は、本実施形態のノズル検査システム1の構成を機能的に示すブロック図である。制御装置29は、例えば、CPU29aがROM29b又はストレージ29dに格納されたプログラムを読み出し実行することで、図4に示す各部を実現する。図4に示すように、制御装置29は、例えば、記憶部41と、回転制御部42と、撮像制御部43と、供給制御部44と、入力部45と、演算部46と、判定部47と、出力部48とを備える。演算部46は、第1の演算部及び第2の演算部の一例である。
【0052】
例えば、RAM29cやストレージ29dが、記憶部41として機能する。また、CPU29aが、回転制御部42、撮像制御部43、供給制御部44、入力部45、演算部46、判定部47、及び出力部48として機能する。
【0053】
記憶部41は、種々のデータを記憶する。回転制御部42は、回転装置26を制御する。例えば、回転制御部42は、回転装置26により、保持部34を回転軸Axrまわりに所望の角度に亘って回転させる。撮像制御部43は、撮像装置24を制御する。例えば、撮像制御部43は、撮像装置24の撮像を開始又は停止させるとともに、画像処理により撮像装置24から取得した電気信号に基づく画像データを生成する。なお、画像処理は、撮像装置24によって行われても良い。
【0054】
供給制御部44は、供給装置23を制御する。例えば、供給制御部44は、供給装置23による噴出物Oeの供給を開始又は停止させる。入力部45は、入力装置27からの入力を受け付ける。
【0055】
演算部46は、二値化部51と、軸心算出部52と、フィッティング部53と、ピーク算出部54と、ズレ算出部55とを備える。演算部46は、種々の演算により、噴出物Oeの収束点Pと、所望の位置と、の間のズレを算出する。判定部47は、収束点Pと所望の位置との間のズレに基づき、検査対象のノズル2の品質を判定する。出力部48は、判定部47による判定結果を、出力装置28に出力する。
【0056】
ノズル検査システム1は、X-Y平面上における収束点Pと所望の位置との間のズレを検査する。さらに、ノズル検査システム1は、Z方向における収束点Pと所望の位置との間のズレを検査する。すなわち、ノズル検査システム1は、収束点Pと所望の位置との間の三次元空間におけるズレを検査する。
【0057】
X-Y平面上における収束点Pの所望の位置は、ノズル2の軸心Axnの位置である。また、Z方向における収束点Pの所望の位置は、ノズル2の種類に対応する固有の値として設定される。
【0058】
ノズル検査システム1は、ノズル2に対応するキャリブレーション部材22を用いて、収束点Pと所望の位置との間の三次元空間におけるズレを検査する。キャリブレーション部材22は、収束点Pの所望の位置の標準を表すよう、ノズル2よりも精密に製造される。
【0059】
上述のように、キャリブレーション部材22は、保持部34に、ノズル2と同軸に保持される。このため、キャリブレーション部材22の軸心Axcは、X-Y平面上における収束点Pの所望の位置を表す。
【0060】
Z方向において、保持部34に保持されたキャリブレーション部材22の先端22aは、Z方向における収束点Pの所望の位置を表す。キャリブレーション部材22の先端22aは、保持部34に保持されたキャリブレーション部材22の、-Z方向における端部である。
【0061】
キャリブレーション部材22は、ノズル2に対応して作られる。このため、複数種類のノズル2が製造される場合、互いに寸法が異なる複数のキャリブレーション部材22が作られる。なお、一つのキャリブレーション部材22が、複数種類のノズル2に対応していても良い。
【0062】
図5は、本実施形態のズレ算出方法の一例を示す例示的なフローチャートである。以下、ノズル検査システム1による、三次元空間における収束点Pと所望の位置との間のズレの算出方法について図5を参照して説明する。なお、図5を参照して以下に説明する算出方法はあくまで一例であり、ノズル検査システム1は、他の方法により算出を行っても良い。
【0063】
まず、保持部34に、検査対象のノズル2に対応するキャリブレーション部材22が保持される。そして、撮像制御部43が、撮像装置24にキャリブレーション部材22を撮像させる(S11)。
【0064】
図6は、本実施形態の第1の画像61及び第1の画像61の輝度プロファイルを模式的に示す図である。撮像制御部43は、キャリブレーション部材22を撮像した撮像装置24の出力信号に基づき、キャリブレーション部材22が写る第1の画像61を生成する。第1の画像61は、キャリブレーション部材の画像の一例である。撮像制御部43は、第1の画像61を、記憶部41に記憶させる。
【0065】
撮像装置24は、第1の画像61にキャリブレーション部材22の先端22aが写るように、キャリブレーション部材22を撮像する。上述のように、キャリブレーション部材22は、-Z方向に向かって直径がだんだんと短くなるように並べられた複数の円柱を有する。-Z方向におけるキャリブレーション部材22の端に配置された円柱は、直径が小さいため、高倍率で撮像装置24に撮像されることができる。一方、キャリブレーション部材22の複数の円柱は、+Z方向に向かってだんだんと太くなるように並べられるため、キャリブレーション部材22の剛性が低減することを抑制できる。
【0066】
次に、図5に示すように、演算部46が、第1の画像61におけるキャリブレーション部材22の軸心Axcを算出する(S12)。本実施形態の演算部46では、二値化部51及び軸心算出部52が、軸心Axcを算出する。なお、演算部46は、この例に限られない。
【0067】
二値化部51が、記憶部41から第1の画像61を取得し、当該第1の画像61を二値化する。例えば、二値化部51は、第1の画像61の各ピクセルについて、輝度と所定の閾値とを比較することで、第1の画像61を二値化する。
【0068】
二値化された第1の画像61において、キャリブレーション部材22の輪郭が明確となる。また、背景36aが黒色であるため、第1の画像61におけるキャリブレーション部材22は、背景36aからより確実に区別される。
【0069】
図6に示すように、軸心算出部52は、例えば、横方向における輝度のプロファイル62を算出する。軸心算出部52は、-Z方向における第1の画像61の端から、一定間隔ごとに第1の画像61を走査する。
【0070】
-Z方向における第1の画像61の端では、例えば、背景36aが写っている。背景36aの輝度は、二値化により最低レベル(0)となっている。一方、キャリブレーション部材22の輝度は、二値化により最高レベル(1)となっている。このため、一定間隔ごとの走査がキャリブレーション部材22の先端22aに到達すると、輝度の最高レベル(1)が現れる。軸心算出部52は、輝度の最高レベルが数ピクセル連続した場合、Z方向における当該座標(以下、仮先端座標と称する)を、キャリブレーション部材22の先端22aと仮に認識する。走査が一定間隔ごとに行われるため、仮先端座標は、Z方向における先端22aの座標と異なっていても良い。
【0071】
軸心算出部52は、仮先端座標において、輝度が最高レベルとなっている範囲の中央値を算出する。軸心算出部52は、当該中央値を、横方向におけるキャリブレーション部材22の軸心Axcの座標(以下、仮軸心座標と称する)と仮に認識する。仮軸心座標は、横方向における軸心Axcの座標と異なっても良い。
【0072】
軸心算出部52は、仮軸心座標において、Z方向における輝度のプロファイル63を算出する。軸心算出部52は、輝度が最高レベルとなっている範囲の、-Z方向における端の座標(以下、先端座標と称する)を、キャリブレーション部材22の先端22aと認識する。すなわち、軸心算出部52は、Z方向におけるキャリブレーション部材22の先端22aの位置を算出する。Z方向は、ノズル2の軸心Axnに沿う方向である。
【0073】
軸心算出部52は、先端座標において、横方向における輝度のプロファイル64を算出する。軸心算出部52は、輝度のプロファイル64において輝度が最高レベルとなっている範囲の中央値を算出する。軸心算出部52は、当該中央値を、横方向におけるキャリブレーション部材22の軸心Axcの座標(以下、軸心座標と称する)と認識する。
【0074】
以上のように、軸心算出部52は、二値化された第1の画像61に基づき、X-Y平面上におけるキャリブレーション部材22の軸心Axcの座標(位置)を算出する。キャリブレーション部材22がノズル2と同軸に配置されるため、算出された軸心Axcの座標は、X-Y平面上におけるノズル2の軸心Axnの座標と実質的に等しい。
【0075】
軸心算出部52は、記憶部41に、Z方向におけるキャリブレーション部材22の先端22aの位置(先端座標)と、X-Y平面上におけるキャリブレーション部材22の軸心Axcの位置(軸心座標)と、を記憶させる。
【0076】
記憶部41には、Z方向における先端22aの位置(先端座標)を含む高さズレデータ66と、X-Y平面上における軸心Axcの位置(軸心座標)を含む平面上ズレデータ67と、が記憶されている。高さズレデータ66は、Z方向における収束点Pと所望の位置との間のズレを検査するための種々のデータを含む。平面上ズレデータ67は、X-Y平面上における収束点Pと所望の位置との間のズレを検査するための種々のデータを含む。
【0077】
次に、図5に示すように、撮像制御部43は、キャリブレーション部材22を全周に亘って撮影したか否かを判定する(S13)。全周の撮影が完了していない場合(S13:No)、回転制御部42は、回転装置26を駆動し、キャリブレーション部材22を回転軸Axrまわりに所定の角度、回転させる(S14)。回転制御部42は、キャリブレーション部材22を、例えば45°回転させる。
【0078】
回転制御部42がキャリブレーション部材22を回転させると、撮像制御部43が再び回転後の第1の画像61を得て(S11)、演算部46が軸心Axcの座標を再び算出する(S12)。制御装置29は、キャリブレーション部材22を全周に亘って撮影するまで、S11~S14を繰り返す。
【0079】
S11~S14が繰り返されることで、撮像装置24がキャリブレーション部材22を複数の方向から撮像し、撮像制御部43が複数の第1の画像61を記憶部41に記憶させる。複数の第1の画像61には、回転角度が関連付いて記録されている。回転角度は、例えば、最初の第1の画像が撮像されてから、当該第1の画像61が撮像されるまでの、キャリブレーション部材22の回転角度である。回転角度は、例えば、ロータリエンコーダのような角位置センサの検出値、又はユーザによる入力に基づいて記録される。
【0080】
本実施形態では、45°の回転角度毎に、第1の画像61が撮像される。すなわち、最初の撮像における回転角度を0°として、記憶部41は、0°、45°、90°、135°、180°、225°、270°、及び315°の回転角度における第1の画像61を記憶する。すなわち、撮像装置24は、互いに反対の二つの方向から、キャリブレーション部材22を撮像する。
【0081】
撮像制御部43は、キャリブレーション部材22を全周に亘って撮影した場合(S13:Yes)、撮像装置24による撮像を停止する(S15)。この間に、例えばユーザが、保持部34からキャリブレーション部材22を取り外し、保持部34に検査対象のノズル2を保持させる。
【0082】
次に、供給制御部44は、ノズル2が保持部34に取り付けられたか否かを判定する(S16)。例えば、供給制御部44は、入力部45が入力装置27から、ノズル2の取り付けを行ったユーザによる入力を受けるまで、待機する(S16:No)。
【0083】
供給制御部44は、ノズル2が保持部34に取り付けられると(S16:Yes)、ノズル2に噴出物Oeを噴出させる(S17)。ノズル2から噴出された噴出物Oeは、収束点Pで収束する。
【0084】
図7は、本実施形態の第2の画像71及び第2の画像71の輝度プロファイルを模式的に示す図である。次に、撮像制御部43が、撮像装置24に、ノズル2から噴出された噴出物Oeを撮像させる(S18)。撮像制御部43は、噴出物Oeが写る第2の画像71を生成する。第2の画像71は、噴出物の画像の一例である。撮像制御部43は、第2の画像71を、記憶部41に記憶させる。
【0085】
本実施形態において、第2の画像71は、噴出物Oeの収束点Pと、噴出物Oeを噴出するノズル2と、の画像を含む。なお、ノズル2は、第2の画像71に含まれていなくても良い。
【0086】
次に、演算部46が、第2の画像71における噴出物Oeの収束点Pの座標を算出する(S19)。本実施形態の演算部46では、フィッティング部53及びピーク算出部54が、収束点Pの座標を算出する。なお、演算部46は、この例に限られない。
【0087】
フィッティング部53が、記憶部41から第2の画像71を取得し、当該第2の画像71における輝度をガウシアンフィッティング(Gaussian fitting)する。すなわち、フィッティング部53は、第2の画像71における輝度について、ガウス関数の曲線あてはめ(curve fitting)を行う。
【0088】
例えば、フィッティング部53は、記憶部41の高さズレデータ66から、Z方向におけるキャリブレーション部材22の先端22aの位置(先端座標)を読み出す。フィッティング部53は、当該先端座標において、横方向における輝度のプロファイル72を算出する。フィッティング部53は、当該プロファイル72をガウシアンフィッティングし、ガウス関数73を算出する。ガウス関数73は、ガウシアンフィッティングされた輝度の一例である。
【0089】
ピーク算出部54は、ガウス関数73のピーク73aの位置(座標)を算出する。ガウス関数73のピーク73aの位置は、ガウス関数73において輝度が最高となる、第2の画像71の横方向の座標である。
【0090】
一般的に、ノズル2から噴出された噴出物Oeの密度は、収束点Pで最大となる。このため、プロファイル72の輝度は、収束点Pにおいて最大となる。すなわち、ピーク算出部54は、軸心Axn,Axcと直交する方向(横方向)における収束点Pの位置(以下、収束軸座標と称する)として、ガウス関数73のピーク73aの位置を算出する。
【0091】
さらに、フィッティング部53は、収束軸座標において、Z方向における輝度のプロファイル74を算出する。フィッティング部53は、当該プロファイル74をガウシアンフィッティングし、ガウス関数75を算出する。
【0092】
ピーク算出部54は、ガウス関数75のピーク75aの位置(座標)を算出する。ガウス関数75のピーク75aの位置は、ガウス関数75において輝度が最高となる、第2の画像71のZ方向の座標である。ピーク算出部54は、Z方向における収束点Pの位置として、ガウス関数75のピーク75aの位置を算出する。
【0093】
ピーク算出部54は、記憶部41に、高さズレデータ66として、Z方向における収束点Pの位置を記憶させる。さらに、ピーク算出部54は、平面上ズレデータ67として、横方向における収束点Pの位置を記憶させる。
【0094】
次に、図5に示すように、ズレ算出部55が、第2の画像71における収束点Pの位置とキャリブレーション部材22とのズレを算出する(S20)。例えば、ズレ算出部55は、高さズレデータ66から、現在の回転角度に関連付けられた第1の画像61に係る、Z方向における先端22aの位置(先端座標)を取得する。
【0095】
ズレ算出部55は、例えば、ピーク算出部54が算出したZ方向における収束点Pの位置から、先端座標を減ずることで、Z方向における収束点Pの位置とキャリブレーション部材22の先端22aの位置との差を算出する。すなわち、ズレ算出部55は、第1の画像61と第2の画像71とに基づき、Z方向における収束点Pの位置とキャリブレーション部材22の先端22aの位置との差(ズレ)を算出する。ズレ算出部55は、Z方向における収束点Pの位置とキャリブレーション部材22の先端22aの位置とのズレを、高さズレデータ66として記憶部41に記憶させる。
【0096】
さらに、ズレ算出部55は、平面上ズレデータ67から、現在の回転角度に関連付けられた第1の画像61に係る、横方向における軸心Axcの位置(軸心座標)を取得する。ズレ算出部55は、例えば、ピーク算出部54が算出した横方向における収束点Pの位置から、軸心座標を減ずることで、横方向における収束点Pの位置と軸心Axcの位置との仮の差(ズレ)を算出する。ズレ算出部55は、横方向における収束点Pの位置と軸心Axcの位置との仮のズレを、平面上ズレデータ67として記憶部41に記憶させる。
【0097】
次に、撮像制御部43は、噴出物Oeを全周に亘って撮影したか否かを判定する(S21)。全周の撮影が完了していない場合(S21:No)、回転制御部42は、回転装置26を駆動し、ノズル2を回転軸Axrまわりに所定の角度、回転させる(S22)。回転制御部42は、ノズル2を、例えば45°回転させる。
【0098】
回転制御部42がノズル2を回転させると、撮像制御部43が回転後の第2の画像71を再び得て(S18)、演算部46が収束点Pの位置を再び算出する(S19)。さらに、演算部46が収束点Pの位置とキャリブレーション部材22とのズレを再び算出する(S20)。制御装置29は、キャリブレーション部材22を全周に亘って撮影するまで、S18~S22を繰り返す。
【0099】
S18~S22が繰り返されることで、撮像装置24が噴出物Oeを複数の方向から撮像し、撮像制御部43が複数の第2の画像71を記憶部41に記憶させる。複数の第2の画像71には、回転角度が関連付いて記録されている。回転角度は、例えば、最初の第2の画像71が撮像されてから、当該第2の画像71が撮像されるまでの、キャリブレーション部材22の回転角度である。回転角度は、例えば、ロータリエンコーダのような角位置センサの検出値、又はユーザによる入力に基づいて記録される。
【0100】
本実施形態では、45°の回転角度毎に、第2の画像71が撮像される。すなわち、最初の撮像における回転角度を0°として、記憶部41は、0°、45°、90°、135°、180°、225°、270°、及び315°の回転角度における第2の画像71を記憶する。すなわち、撮像装置24は、互いに反対の二つの方向から、噴出物Oeを撮像する。
【0101】
噴出物Oeを全周に亘って撮影した場合(S21:Yes)、撮像制御部43は撮像装置24による撮像を停止させ、供給制御部44はノズル2による噴出物Oeの噴出を停止させる(S23)。
【0102】
上述のように、ズレ算出部55は、複数の回転角度について、横方向における収束点Pの位置と軸心Axcの位置との仮の差(ズレ)を算出する。各回転角度についての横方向におけるズレは、撮像装置24の光軸に沿う方向(奥行)におけるズレの情報を持たない。このため、ズレ算出部55は、以下に説明するように、複数の角度についてのズレに基づき、X-Y平面上における収束点Pの位置と軸心Axcの位置との差(ズレ)を算出する。
【0103】
図8は、本実施形態のノズル2及び撮像装置24を模式的に示す平面図である。本実施形態では、回転装置26は、ノズル2又はキャリブレーション部材22を回転させる。しかし、以下の記載では、理解のために、図8のように撮像装置24が回転軸Axrまわりを回転するものと仮定して説明する。なお、ノズル2又はキャリブレーション部材22が回転する場合と、撮像装置24が回転する場合とは、いずれもノズル2又はキャリブレーション部材22が撮像装置24に対して相対的に回転する点で共通している。
【0104】
図8の括弧は、撮像装置24の回転角度を示す。以下の説明における回転角度は、図8に示すように、ノズル2が固定された状態において撮像装置24が第2の画像71を撮影したときの回転角度である。
【0105】
図9は、本実施形態の各回転角度における仮想平面Pxy上のズレDを模式的に示す平面図である。上述のように、各回転角度についての横方向における収束点Pの位置と軸心Axcの位置との仮の差(ズレ)Dは、撮像装置24の光軸に沿う方向(奥行)におけるズレの情報を持たない。本実施形態のズレ算出部55は、ノズル2の軸心Axcと直交する仮想平面Pxy上において、ズレDを、各回転角度における撮像装置24の光軸と直交し且つ軸心Axnを通る仮想直線上に配置する。本実施形態における仮想平面Pxyは、X-Y平面である。
【0106】
図9に示すように、回転角度が0°のズレD(0°)と、回転角度が180°のズレD(180°)とは、同一の仮想直線上に配置される。同様に、例えば、回転角度が45°のズレD(45°)と、回転角度が225°のズレD(225°)とは、同一の仮想直線上に配置される。他の角度も同様である。
【0107】
互いに反対の二つの回転角度(方向)における、横方向におけるズレDの位置は、理論上、一致し得る。しかし、互いに反対の二つの回転角度における第2の画像71は、異なる時間に撮影される。このため、互いに反対の二つの回転角度における、横方向におけるズレDの位置には、揺らぎによりズレが生じる。
【0108】
図10は、本実施形態のズレD、中点Ph、及び平面上ズレDpを模式的に示す平面図である。図10に示すように、ズレ算出部55は、互いに反対の二つの回転角度(方向)における、横方向におけるズレDの中点Phを算出する(S24)。言い換えると、ズレ算出部55は、同一の仮想直線上に配置される二つのズレDの中点Phを算出する。図10において中点Phに付された括弧は、当該中点Phの基礎となるズレDの回転角度を示す。
【0109】
図10に示すように、ズレ算出部55は、中点Phと軸心Axnとを結ぶ仮想直線L1と直交し、且つ当該中点Phを通る仮想直線L2を算出する。仮想直線L1は、各回転角度における撮像装置24の光軸と略直交する。仮想直線L2は、各回転角度における撮像装置24の光軸と略平行に延びている。さらに、ズレ算出部55は、複数の仮想直線L2の交点Pcを算出する(S25)。
【0110】
ズレ算出部55は、複数の交点Pcが配置された複数のX座標及びY座標を取得する。図10の例において、ズレ算出部55は、複数の交点Pcが配置されたX方向における三つの座標を取得する。また、ズレ算出部55は、複数の交点Pcが配置されたY方向における三つの座標を取得する。
【0111】
図10の例において、中点Ph(0°,180°)の仮想直線L2が、Y方向に延びており、三つの交点Pcが当該仮想直線L2上に位置している。また、中点Ph(90°,270°)の仮想直線L2が、X方向に延びており、三つの交点Pcが当該仮想直線L2上に位置している。
【0112】
ズレ算出部55は、複数の交点Pcが配置されたX方向における三つの座標の平均値(平均X座標)を算出する。さらに、ズレ算出部55は、複数の交点Pcが配置されたY方向における三つの座標の平均値(平均Y座標)を算出する。ズレ算出部55は、X方向の座標が平均X座標、Y方向の座標が平均Y座標である平面上ズレDpを、仮想平面Pxy上における噴出物Oeの収束点Pとノズル2の軸心Axnの位置との差として算出する(S26)。
【0113】
以上のように、ズレ算出部55は、第1の画像61及び第2の画像71に基づき、ノズル2の軸心Axnと直交する仮想平面Pxyにおける、噴出物Oeの位置としての収束点Pの位置と、ノズル2の軸心Axnの位置と、の差(平面上ズレDp)を算出する。なお、ズレ算出部55は、中点Ph、仮想直線L1,L2、及び交点Pcの算出を省略しても良い。例えば、ズレ算出部55は、複数のズレDの平均座標を平面上ズレDpとして算出しても良い。
【0114】
次に、図5に示すように、ズレ算出部55は、Z方向における噴出物Oeの収束点Pの位置とキャリブレーション部材22の先端22aの位置との差を算出する(S27)。例えば、ズレ算出部55は、Z方向における収束点Pの位置とキャリブレーション部材22の先端22aの位置との、各回転角度における差(ズレ)の平均値を算出する。ズレ算出部55は、当該平均値を、Z方向における噴出物Oeの収束点Pの位置とキャリブレーション部材22の先端22aの位置との差として算出する。
【0115】
ズレ算出部55は、記憶部41に、高さズレデータ66として、Z方向における収束点Pの位置とキャリブレーション部材22の先端22aの位置との差(平均値)を記録させる。さらに、ズレ算出部55は、記憶部41に、平面上ズレデータ67として、仮想平面Pxy(X-Y平面)における収束点Pの位置とノズル2の軸心Axnの位置との差(平面上ズレDp)を記録させる(S28)。以上により、ノズル検査システム1の演算部46は、三次元空間における収束点Pと所望の位置との間のズレを算出する。
【0116】
以上のズレ算出方法では、S11~S15において、キャリブレーション部材22の先端座標及び軸心座標が算出される。しかし、例えば、同一のキャリブレーション部材22に対応する複数のノズル2について、収束点Pとノズル2の軸心Axn及びキャリブレーション部材22の先端22aとのズレが測定される場合がある。この場合、二つ目のノズル2以降のズレ算出では、S11~S15が省略され、最初に測定されたキャリブレーション部材22の先端座標及び軸心座標が用いられても良い。
【0117】
図11は、本実施形態のノズル2の検査方法の一例を示す例示的なフローチャートである。以下、ノズル検査システム1による、ノズル2の検査方法について図11を参照して説明する。なお、図11を参照して以下に説明する検査方法はあくまで一例であり、ノズル検査システム1は、他の方法により検査を行っても良い。
【0118】
まず、判定部47が、記憶部41の平面上ズレデータ67から、X-Y平面における収束点Pの位置とノズル2の軸心Axnの位置との差(平面上ズレDp)を読み出す。判定部47は、平面上ズレDpが閾値を越えているか否かを判定する(S101)。例えば、判定部47は、軸心Axnと平面上ズレDpの座標との間の距離と、閾値とを比較する。
【0119】
平面上ズレDpが閾値を越えない場合(S101:No)、判定部47は、記憶部41の高さズレデータ66から、Z方向における収束点Pの位置とキャリブレーション部材22の先端22aの位置との差(高さズレ)を読み出す。判定部47は、高さズレが閾値を越えているか否かを判定する(S102)。
【0120】
高さズレが閾値を越えない場合(S102:No)、出力部48は、出力装置28に、判定部47による判定結果を出力させる。例えば、上述の閾値は、積層造形装置3の運用方法や造形プロセスに応じて決定される。すなわち、平面上ズレDp及び高さズレが閾値を越えない場合、判定部47はノズル2が積層造形装置3による運用条件に適合すると判定し、当該ノズル2の品質が出荷可能な水準に達しているものと判定する。従って、出力部48は、出力装置28に、ノズル2の出荷が許可されるとの判定を出力させる(S103)。
【0121】
一方、平面上ズレDpが閾値を超える場合(S101:Yes)、又は高さズレが閾値を超える場合(S102:Yes)、判定部47はノズル2が積層造形装置3による運用条件に適合しないと判定し、当該ノズル2の品質が出荷可能な水準を下回るものと判定する。従って、出力部48は、出力装置28に、ノズル2の出荷が許可されないとの判定を出力させる(S104)。
【0122】
以上により、ノズル検査システム1は、ノズル2の品質を検査する。ノズル検査システム1は、定量的に算出された平面上ズレDp及び高さズレに基づきノズル2を検査する。このため、ノズル検査システム1は、ノズル2の品質をより確かに検査することができる。なお、以上の判定の後に、ノズル2がさらに検査されても良い。
【0123】
以上のノズル検査システム1において、ノズル2及びキャリブレーション部材22は、保持装置21の保持部34に取り付けられた状態で、撮像装置24に撮像された。しかし、ノズル検査システム1はこの例に限られない。例えば、ノズル2及びキャリブレーション部材22は、積層造形装置3に取り付けられた状態で撮像装置24に撮像されても良い。
【0124】
以上説明された実施形態に係るノズル検査システム1において、回転装置26は、ノズル2の軸心Axn又はキャリブレーション部材22の軸心Axcに沿って延びる回転軸Axrまわりに、ノズル2又はキャリブレーション部材22を撮像装置24に対して相対的に回転させる。制御装置29の演算部46は、噴出物Oeの第2の画像71とキャリブレーション部材22の第1の画像61と、に基づき、ノズル2の軸心Axnと直交する仮想平面Pxyにおける噴出物Oeの位置とノズル2の軸心Axnの位置との差(平面上ズレDp)を算出する。これにより、ノズル検査システム1は、例えばノズル2の加工及び組み立ての個体差により生じる、ノズル2に噴出される噴出物Oeの中心とノズル2の軸心Axnとの、仮想平面Pxyにおけるズレを定量的に検査することができる。従って、ノズル検査システム1は、ノズル2の品質を定量的に検査することができる。
【0125】
キャリブレーション部材22は、ノズル2と選択的に保持部34に保持されることが可能である。言い換えると、キャリブレーション部材22とノズル2とは、共通の保持部34に付け替えられることが可能である。これにより、保持部34が複雑化することが抑制される。
【0126】
二値化部51は、キャリブレーション部材22の第1の画像61を二値化する。軸心算出部52は、二値化されたキャリブレーション部材22の第1の画像61に基づきノズル2と同軸のキャリブレーション部材22の軸心Axcの位置を算出する。二値化により、第1の画像61におけるキャリブレーション部材22の輪郭が明確となる。これにより、演算部46は、ノズル2の軸心Axnと直交する方向におけるノズル2の軸心Axnの位置をより正確に得ることができる。
【0127】
ノズル2は、噴出した噴出物Oeを収束点Pで収束させる。演算部46は、噴出物Oeの位置として、収束点Pの位置を用いる。これにより、ノズル検査システム1は、ノズル2に噴出される噴出物Oeの中心とノズル2の軸心Axnとの、ノズル2の軸心Axnと直交する仮想平面Pxyにおけるズレをより定量的に検査することができる。
【0128】
演算部46は、噴出物Oeの第2の画像71における輝度をガウシアンフィッティングするフィッティング部53と、ノズル2の軸心Axnと直交する方向における収束点Pの位置としてガウシアンフィッティングされた輝度のピーク73aの位置を算出するピーク算出部54と、を有する。噴出物Oeは、収束点Pで収束するため、収束点Pにおける輝度が最も高くなる。従って、演算部46は、ノズル2の軸心Axnと直交する方向における収束点Pの位置をより容易に得ることができる。
【0129】
演算部46は、噴出物Oeの第2の画像71とキャリブレーション部材22の第1の画像61とに基づき、ノズル2の軸心Axnに沿うZ方向における収束点Pの位置とキャリブレーション部材22の先端22aの位置との差を算出する。これにより、ノズル検査システム1は、ノズル2に噴出された噴出物Oeの収束点Pの位置と所望の位置との三次元空間におけるズレを定量的に検査することができる。従って、ノズル検査システム1は、ノズル2の品質を定量的に検査することができる。
【0130】
回転装置26は、ノズル2及びキャリブレーション部材22を回転させる。これにより、ノズル2及びキャリブレーション部材22の周りに柱32のような障害物が存在したとしても、撮像装置24は、ノズル2及びキャリブレーション部材22の全周を撮像することができる。
【0131】
撮像装置24は、互いに反対の二つの方向から噴出物Oeを撮像する。互いに反対の二つから撮影された噴出物Oeの位置は、理論的には同一座標に位置する。しかし、ノズル2から噴出された噴出物Oeの位置には揺らぎが存在する。撮像装置24が二つの方向から噴出物Oeを撮像することで、制御装置29は、二つの方向から撮像された第2の画像71から、噴出物Oeの位置を平均化することができる。これにより、ノズル検査システム1は、ノズル2に噴出された噴出物Oeの位置と所望の位置とのズレをより正確に検査することができる。
【0132】
供給装置23は、保持部34に保持されたノズル2に、霧状の液体としての噴出物Oeを供給する。すなわち、ノズル検査システム1は、ノズル2が粉体状の材料Mの噴出に用いられるものであっても、検査時においては霧状の液体を噴出させることができる。一般的に、液体は、粉体よりも除去が容易である。これにより、検査後のノズル2の清掃が容易となる。
【0133】
判定部47は、ノズル2の軸心Axnと直交する仮想平面Pxyにおける噴出物Oeの位置とノズル2の軸心Axnの位置との差が閾値を越えているか否かを判定する。出力部48は、判定部47による判定結果を出力する。これにより、ノズル検査システム1がノズル2の品質の検査結果を自動的に出力し、ノズル2の品質の検査が容易となる。
【0134】
本実施形態の制御装置29で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0135】
また、本実施形態の制御装置29で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の制御装置29で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成しても良い。
【0136】
また、本実施形態のプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成しても良い。
【0137】
本実施形態の制御装置29で実行される~プログラムは、上述した各部(回転制御部42、撮像制御部43、供給制御部44、入力部45、演算部46、判定部47、及び出力部48)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU29a(プロセッサ)が上記記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、回転制御部42、撮像制御部43、供給制御部44、入力部45、演算部46、判定部47、及び出力部48が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0138】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0139】
1…ノズル検査システム、2…ノズル、22…キャリブレーション部材、22a…先端、23…供給装置、24…撮像装置、26…回転装置、29…制御装置、34…保持部、46…演算部、47…判定部、48…出力部、51…二値化部、52…軸心算出部、53…フィッティング部、54…ピーク算出部、61…第1の画像、71…第2の画像、73…ガウス関数、73a…ピーク、Axn,Axc…軸心、Axr…回転軸、Oe…噴出物、P…収束点、M…材料、G…キャリアガス、Pxy…仮想平面、Dp…平面上ズレ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11