(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022010011
(43)【公開日】2022-01-14
(54)【発明の名称】香料吐出装置及び香料吐出装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
A61L 9/12 20060101AFI20220106BHJP
【FI】
A61L9/12
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021180246
(22)【出願日】2021-11-04
(62)【分割の表示】P 2018528411の分割
【原出願日】2017-05-02
(31)【優先権主張番号】P 2016143634
(32)【優先日】2016-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】紺谷 悟司
(72)【発明者】
【氏名】藤田 修二
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA13
4C180CA06
4C180EC01
4C180HH05
4C180HH09
4C180HH14
4C180HH19
4C180JJ01
4C180JJ05
4C180KK05
4C180LL06
4C180LL11
4C180LL20
(57)【要約】
【課題】1つの操作入力部に対する操作入力によって、複数の機能を実現させることが可能な芳香吐出装置及び芳香吐出装置の制御方法を提供する。
【解決手段】芳香吐出装置は、香料が保持された香料保持部と、香料保持部にエアを供給する送風源と、香料保持部を通過したエアが吐出される芳香吐出部と、ユーザによる送風源の操作入力が行われる操作入力部と、1つの操作入力部に対する操作入力に基づいてエアの供給状態を制御する送風源制御部と、を備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
香料が保持された香料保持部と、
前記香料保持部にエアを供給する送風源と、
前記香料保持部を通過した前記エアが吐出される芳香吐出部と、
ユーザによる前記送風源の操作入力が行われる操作入力部と、
1つの前記操作入力部に対する操作入力に基づいて前記エアの供給状態を制御し、前記操作入力が開始されたときに前記エアの供給を開始させ、前記操作入力の開始からの経過時間が第1の閾値以下の場合、前記操作入力が解除されたときに前記エアの供給を停止させる送風源制御部と、
を備えた、芳香吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、芳香吐出装置及び芳香吐出装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯型の芳香器がある。例えば、特許文献1には、いつでも自分の好きな香りが簡単に楽しめるように、持ち運びができ、どこででも利用でき、さらにユーザが簡単に香りの拡散をオンオフできる携帯型の芳香器が開示されている。かかる芳香器は、ハウジング内に芳香源と、送風ファンと、送風ファンを動かすための電池とが収納されており、ハウジングの一部を開けると送風ファンが動き、送風ファンからの空気が芳香源を通って、ハウジング外に拡散される空気路が形成され、ハウジングの一部を閉じると芳香源からハウジング外に至る空気路が閉じられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された芳香器では、ハウジングの一部の開閉等によって送風源のオンオフのみが切り替え可能となっている。これに対して、送風源のオンオフを切り替えるだけでなく、送風源の動作状態を切り替えることができれば、ユーザの利便性はより向上する。特に、1つの操作入力部に対する操作入力によって、芳香器に複数の機能を実現させることができれば、操作性や利便性がより向上すると考えられる。
【0005】
そこで、本開示では、1つの操作入力部に対する操作入力によって、複数の機能を実現させることが可能な、新規かつ改良された芳香吐出装置及び芳香吐出装置の制御方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によれば、香料が保持された香料保持部と、香料保持部にエアを供給する送風源と、香料保持部を通過したエアが吐出される芳香吐出部と、ユーザによる送風源の操作入力が行われる操作入力部と、1つの操作入力部に対する操作入力に基づいてエアの供給状
態を制御する送風源制御部と、を備えた、芳香吐出装置が提供される。
【0007】
また、本開示によれば、1つの操作入力部に対するユーザの操作入力を受け付けることと、操作入力を受け付けたときに送風源を作動させて、香料が保持された香料保持部にエアを通過させ、芳香を吐出させることと、を含み、1つの操作入力部に対する操作入力に基づいてエアの供給状態を制御する、芳香吐出装置の制御方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように本開示によれば、1つの操作入力部に対する操作入力によって、芳香吐出装置の複数の機能を実現させることができる。
【0009】
なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、又は上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果又は本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施の形態に係る芳香吐出装置の一例を示す斜視図である。
【
図2】同実施形態に係る芳香吐出装置の分解斜視図である。
【
図3】同実施形態に係る芳香吐出装置の軸方向断面図である。
【
図4】同実施形態に係る芳香吐出装置の構成例を示すブロック図である。
【
図5】同実施形態に係る芳香吐出装置のシステム構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】同実施形態に係る芳香吐出装置のシステム構成の具体例を示すブロック図である。
【
図7】短時間吐出モードを説明するための説明図である。
【
図8】長時間吐出モードを説明するための説明図である。
【
図9】短時間吐出モードが優先される例を説明するための説明図である。
【
図10】長時間吐出モードが途中でキャンセルされる例を説明するための説明図である。
【
図11】同実施形態に係る芳香吐出装置の制御方法の流れを説明するためのフローチャートである。
【
図12】同実施形態に係る芳香吐出装置の制御方法の流れを説明するためのフローチャートである。
【
図13】第1の変形例に係る芳香吐出装置のシステム構成の具体例を示すブロック図である。
【
図14】エアの供給量の切り替えを説明するための説明図である。
【
図15】第2の変形例に係る芳香吐出装置のシステム構成の具体例を示すブロック図である。
【
図16】吐出時間の切り替えを説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施の形態(吐出時間を制御する例)
1-1.芳香吐出装置の全体構成例
1-2.制御系の構成例
1-3.芳香吐出装置の制御方法
2.第2の実施の形態(単位時間当たりの吐出量を制御する例)
2-1.制御系の構成例
2-2.変形例
【0013】
<1.第1の実施の形態>
(1-1.芳香吐出装置の全体構成例)
まず、
図1~
図3を参照して、本開示の第1の実施の形態に係る芳香吐出装置1の一例について説明する。
図1は、本実施形態に係る芳香吐出装置1を示す斜視図であり、
図2は、芳香吐出装置1の分解斜視図であり、
図3は、芳香吐出装置1の軸方向断面図である。なお、以下の説明において、芳香吐出装置1のうち、香料保持部(香料カートリッジ)20が配置された方向を前方側といい、ベース部70が配置された方向を後方側という。
【0014】
本実施形態に係る芳香吐出装置1は、ユーザが自由に持ち運び可能な携帯型の芳香吐出装置1である。かかる芳香吐出装置1は、上カバー10と、香料保持部としての香料カートリッジ20と、カートリッジケース30と、下カバー40と、プリズム部50と、回転操作部60と、ベース部70とを備える。かかる芳香吐出装置1は、香料カートリッジ20に設けられた複数のエア流路21からユーザが選択した所望のエア流路21にエアを流し、それぞれのエア流路21の内周面に保持された香料を気化させつつ放出させる装置となっている。例えば、芳香吐出装置1では、香料カートリッジ20のエア流路21に、送風源としての図示しないエアポンプから供給されるエアを通過させることにより、湿潤状態の香料が気化し、エアとともにエア流路21から流出する。
【0015】
かかる芳香吐出装置1は、例えば、限られた範囲に香りを放出する装置として用いられ得る。例えば、ユーザが、自らの顔の近くで1回あるいは複数回香りを放出させ、気分をリラックスさせるように、芳香吐出装置1が用いられてもよい。この場合、本実施形態に係る芳香吐出装置1は、香りを広範囲に拡散させることがないため、周囲の人に香りを感知させにくくすることができる。
【0016】
カートリッジケース30は、軸方向両端のうち、後方側の端部が開口した円筒状の外形を有する。カートリッジケース30は、内部に、香料カートリッジ20を保持する。カートリッジケース30は、前方側の端面に、軸心を中心とする円形の開口部33を有する。また、カートリッジケース30は、開口部33の周囲に、香料カートリッジ20のエア流路21とそれぞれ連通する孔31を有する。
【0017】
カートリッジケース30の内周面には軸方向に沿って延びる係止突部34が設けられている(
図3を参照。)。かかる係止突部34は、香料カートリッジ20がカートリッジケース30に挿入された際に、香料カートリッジ20の外周面に設けられた係止溝24に係合する(
図3を参照。)。これにより、香料カートリッジ20とカートリッジケース30とが位置決めされ、エア流路21と孔31とが連通する。係止突部がカートリッジケース30に設けられ、係止溝が香料カートリッジ20に設けられてもよい。
【0018】
また、カートリッジケース30は、後方側の端部に、複数のツメ部35を有する(
図2を参照。)。ツメ部35は、カートリッジケース30の後方側の端部の位置を部分的に軸方向にずらすことによって、等間隔で形成されている。
【0019】
香料カートリッジ20は、円筒形状を有する。香料カートリッジ20には、送風源の一例であるエアポンプから供給される空気が通過する複数のエア流路21が設けられる。エア流路21には、香料が湿潤状態で保持される。香料は、エア流路21の内表面に付着した状態で保持される。香料は、例えば、精油、あるいは、エタノールで希釈された精油等であってもよい。エア流路21は1つであってもよく、あるいは複数であってもよい。本実施形態に係る芳香吐出装置1では、5つのエア流路21を有する香料カートリッジ20が用いられている。
【0020】
下カバー40は、軸方向両端のうち、前方側の端部が開口した円筒状の外形を有する。下カバー40は、カートリッジケース30の後方側を保持する。下カバー40は、後方側の端面に、軸心を中心とする円形の開口部43を有する(
図3を参照。)。また、下カバー40は、開口部43の周囲に、香料カートリッジ20のエア流路21とそれぞれ連通する孔41を有する(
図3を参照。)。
【0021】
下カバー40の前方側の開口にはカートリッジケース30の後端が挿入される。下カバー40は、内周面に、カートリッジケース30のツメ部35が配置される複数の受容凹部47を有する。受容凹部47の数は、ツメ部35の数に対応している。ツメ部35及び受容凹部47の数は、香料カートリッジ20のエア流路21の数に一致している。これにより、香料カートリッジ20を保持したカートリッジケース30を任意の回転位相で下カバー40に保持させることにより、複数のエア流路21が下カバー40の孔41に連通する。
【0022】
カートリッジケース30の外側には、上カバー10が装着される。上カバー10は、軸方向両端のうち、後方側の端部が開口した円筒状の外形を有する。上カバー10は、前方側の端面に、香料カートリッジ20の複数のエア流路21のうちいずれか1つと連通し得る芳香吐出部12を有する。香料カートリッジ20のいずれかのエア流路21を通過し、気化した香料の成分を含む空気が、当該芳香吐出部12を介して外部に吐出される。芳香吐出部12の内径は特に限定されないが、香料カートリッジ20のエア流路21を流れる空気の流れを妨げないためには、芳香吐出部12の内径が、少なくともエア流路21の内径以上であってもよい。
【0023】
上カバー10は、前方側の端面の内側面から軸方向に延びる固定軸14を備える(
図3を参照。)。固定軸14は、カートリッジケース30の開口部33及び香料カートリッジ20の軸方向孔23内に挿通される。上カバー10は、固定軸14を回転軸として、香料カートリッジ20を保持するカートリッジケース30に対して相対回転可能になっており、相対位置によって、芳香吐出部12に連通するエア流路21が切り替えられる。固定軸14の先端には、軸心に沿って切断した半体からなる図示しない係合部が設けられている。かかる係合部は、ベース部70の固定軸76と嵌合され、かつ、取付及び取外しが可能な形状であればよく、上記の形状に限られない(
図3を参照。)。
【0024】
本実施形態に係る芳香吐出装置1では、上カバー10、カートリッジケース30、香料カートリッジ20及び下カバー40が一体化されたアセンブリを、ユーザが交換可能になっている。かかるアセンブリは、使い切り型の香料カートリッジ20を有するものであってもよいし、香料を再充填可能な再利用型の香料カートリッジ20有するものであってもよい。
【0025】
回転操作部60は、上カバー10、カートリッジケース30、香料カートリッジ20及び下カバー40のさらに外周に配置される。回転操作部60は、外周筒部61と、錘状部62と、内周筒部63とを有する。内周筒部63は、内周面に係止突部65を有する。外周筒部61と内周筒部63とは、錘状部62を介して接続されている。錘状部62の大径側端部は、外周筒部61の内周面のうちの軸方向の中央部に接続されている。また、錘状部62の小径側端部は、内周筒部63の前方側端部に接続されている。錘状部62の前方側の空間にはプリズム部50が配置されている。プリズム部50は、軸心を中心とする軸方向孔53を有する。軸方向孔53には、上カバー10、カートリッジケース30及び香料カートリッジ20が配置される。
【0026】
回転操作部60の内周筒部63の内部に、上カバー10、カートリッジケース30、香料カートリッジ20及び下カバー40が挿入される。このとき、下カバー40の外周面に設けられた複数の係止溝部44のいずれかに、内周筒部63の係止突部65が配置される。これにより、下カバー40、及び、下カバー40に保持されたカートリッジケース30及び香料カートリッジ20が、回転操作部60と一体的に回転可能になっている。また、上カバー10は、カートリッジケース30、香料カートリッジ20及び下カバー40とは相対回転可能であることから、回転操作部60と上カバー10も相対回転可能になっている。
【0027】
回転操作部60、上カバー10、香料カートリッジ20、カートリッジケース30及び下カバー40等は、ベース部70に支持される。ベース部70は、前方側の面の中央部に、断面円形の凹部74を有する。かかる凹部74には、回転操作部60の内周筒部63が挿入される。また、ベース部70は、前方側の面の外縁部に、環状の段差部79を有する。かかる段差部79には、回転操作部60の外周筒部61が配置される。つまり、段差部79に外周筒部61が配置され、凹部74に回転操作部60の内周筒部63が配置され、さらに、内周筒部63の内側に、下カバー40、香料カートリッジ20等が配置される。
【0028】
ベース部70は、凹部74の底面に立設し、前方側に延びる固定軸76を有する。固定軸76は、下カバー40の開口部43及び香料カートリッジ20の軸方向孔23内に挿通される。例えば、固定軸76は香料カートリッジ20の軸方向孔23に軽圧入され、これにより、回転操作部60、上カバー10、香料カートリッジ20、カートリッジケース30及び下カバー40等がベース部70に支持される。
【0029】
固定軸76の先端には、軸心に沿って切断した半体からなる図示しない係合部が設けられている。固定軸76の係合部は、香料カートリッジ20の軸方向孔23内において、上カバー10の固定軸14の先端の係合部に対して、180°軸回転した状態で嵌め合わされる。これにより、上カバー10とベース部70との相対回転が不可能になる。したがって、回転操作部60、香料カートリッジ20、カートリッジケース30及び下カバー40がベース部70に対して相対回転可能になる。ただし、上カバー10の係合部と同様に、係合部は、上カバー10の固定軸14と嵌合され、かつ、取付及び取外しが可能な形状であればよく、上記の形状に限られない。
【0030】
ベース部70は、凹部74の底面に空気の供給口75を有する。また、凹部74の底面には、位置決め用の突部77が設けられている。かかる突部77は、回転操作部60の係止突部65が配置される下カバー40の係止溝部44に係止される。下カバー40の外周面には、香料カートリッジ20のエア流路21の位置に対応して複数の係止溝部44が等間隔で設けられている。突部77がいずれかの係止溝部44に係止される状態で、いずれかのエア流路21が空気の供給口75に連通する。したがって、回転操作部60を回転させることによって、空気の供給口75に連通するエア流路21が切り替えられる。
【0031】
かかる突部77は、ベース部70とは別体として形成され、スプリング等によって下カバー40側に付勢されてもよい。すなわち、香料カートリッジ20を回転させている間は、ばねが縮む等により突部77が後退し、いずれかの係止溝部44が突部77の位置と一致したときに、突部77が係止溝部44側に突き出るようになっていてもよい。これにより、ベース部70と下カバー40等との距離を変えることなく、下カバー40や回転操作部60等を回転させることができる。
【0032】
ベース部70の内部には、図示しないエアポンプ、バッテリ及び回路基板等が備えられている。エアポンプは送風源の一態様であり、バッテリから供給される電力によって駆動されて、空気の供給口75に空気を導入する。エアポンプは、例えば、圧電素子に対して交流電流を供給することによりダイヤフラムを変形させて、空気の吸引及び圧送を行う、ダイヤフラム式のポンプであってもよい。ただし、送風源はエアポンプに限られず、例えば、ファンを回転させる形式の送風機であってもよい。バッテリは、放電のみが行われ交換可能にされた電池でもよいし、充放電可能にされた二次電池であってもよい。本実施形態に係る芳香吐出装置1では、バッテリとして二次電池が用いられている。例えば、芳香吐出装置1の後方側端面には、二次電池の充電用のUSB端子等が設けられる。
【0033】
回路基板上には、エアポンプの駆動制御を行う制御回路、及び、エアポンプを駆動させるための駆動回路等が実装されている。エアポンプの駆動状態の切り替えは、操作入力部としての操作ボタン71を操作することにより行われる。かかる操作ボタン71を押すことによって、図示しないスイッチのオンオフが切り替えられる。操作ボタン71の代わりにタッチセンサ式の操作入力部が設けられてもよい。制御回路は、ユーザによる操作ボタン71の操作入力によるスイッチのオンオフに基づいてエアポンプの制御信号を生成し、エアポンプの駆動状態を制御する。制御回路による駆動制御によってエアポンプへと電力が供給されると、エアポンプは、空気の供給口75を介して香料カートリッジ20へとエアを供給する。
【0034】
また、本実施形態に係る芳香吐出装置1では、回路基板上に、LED(Light Emitting Diode)等の光源が実装されている。かかる光源は、芳香吐出装置1の動作状態を示すものであり、回路基板上に実装された制御回路により制御される。光源から出射される光は、ベース部70の外周面に設けられた孔87を介して外部から視認可能になっている。エアポンプの制御方法及び光源の制御方法については後で詳しく説明する。
【0035】
図4は、芳香吐出装置1の構成を模式的に示したブロック図である。バッテリ81とエアポンプ85とは、回路基板100を介して電気的に接続されている。スイッチ110は、操作ボタン71によってオンオフが切り替えられる。かかるスイッチ110は、操作ボタン71を押下している間にはオンの状態になる一方、操作ボタン71の押下を中止したときにオフの状態になる自己復帰型のモーメンタリ型のスイッチである。回路基板100上の制御回路は、操作ボタン71の操作入力に基づいてエアポンプ85の駆動回路に駆動信号を出力する。これにより、エアポンプ85が所定の駆動状態で駆動され、香料カートリッジ20に対してエアを供給する。
【0036】
香料カートリッジ20は、ユーザによって回転操作部60が回転されることに伴って回転し、これにより、エアが供給され得るエア流路21が切り替えられる。香料カートリッジ20に供給されたエアは、ユーザにより選択されたエア流路21の内面に保持された香料を気化させつつ当該エア流路21を通過し、芳香吐出部12から外部に吐出される。これにより、所望の芳香が吐出される。
【0037】
(1-2.制御系の構成例)
次に、本実施形態に係る芳香吐出装置1のエアポンプ85の駆動制御を行う制御系の構成例について説明する。
【0038】
図5は、エアポンプ85の制御系の基本構成を示すブロック図である。かかる制御系は、スイッチ110と、制御回路102と、エアポンプ駆動回路104とを有する。スイッチ110は、操作ボタン71によりオンオフが切り替えられるモーメンタリ型のスイッチ110である。かかるスイッチ110は、制御回路102に接続されている。制御回路102は、スイッチ110のオンオフに基づいてエアポンプ85の駆動信号を生成し、エアポンプ駆動回路104に対して駆動信号を出力する。つまり、本実施形態に係る芳香吐出装置1において、制御回路102が、送風源制御部に相当する。エアポンプ駆動回路104は、駆動信号に基づいてエアポンプ85に対して供給される電力の制御を行う。これにより、エアポンプ85は、所定の動作状態で駆動し、香料カートリッジ20に対してエアを供給する。
【0039】
かかる制御回路102は、所定の経過時間をカウントするためのタイマを備えている。制御回路102は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)を用いて構成され、CPU(Central Processing Unit)等のマイクロコンピュータを用いる場合に比べて安価に構成され得る。
【0040】
なお、
図5に示した制御系の基本構成は、後述する第2の実施の形態に係る芳香吐出装置1の制御系としても適用され得る。
【0041】
図6は、本実施形態に係る芳香吐出装置1の制御系の構成を具体的に示す説明図である。
図6に示した例において、エアポンプ駆動回路104は、電源回路111及びドライバ回路113を備える。また、ドライバ回路113は、電圧を増幅させる図示しない昇圧器を有する。昇圧器は、例えばDCDCコンバータであってもよい。
【0042】
制御回路102は、スイッチ110のオンオフの状態に基づいてチップイネーブル信号を生成し、エアポンプ駆動回路104の電源回路111に出力する。電源回路111は、チップイネーブル信号が入力されている間、ドライバ回路113に対してあらかじめ設定された電圧V0の電力を供給する。ドライバ回路113は、電力が供給されている間、電圧V0を増幅させることにより生成される電圧V1の電圧信号を、あらかじめ設定された周波数f1で、エアポンプ85に対して出力する。エアポンプ85は、圧電素子を用いたダイヤフラム型のポンプであり、電圧信号の周波数f1に応じてエアの吐出動作を行う。これにより、エアポンプ85は、電圧信号が入力されている間、一定の流量のエアを、香料カートリッジ20に対して供給する。
【0043】
ここで、第1の実施の形態に係る芳香吐出装置1では、1つの操作ボタン71に対する操作入力に基づいて、エアポンプ85からのエアの供給時間が制御され、芳香の吐出時間が制御される。これにより、複数の吐出機能が実現される。具体的に、本実施形態に係る芳香吐出装置1では、制御回路102は、操作ボタン71によって切り替えられるスイッチ110のオンオフの状態に基づいて、チップイネーブル信号を生成する時間を制御する。これにより、操作ボタン71の操作入力に基づいて、香料カートリッジ20に供給されるエアの供給時間が制御される。本実施形態に係る芳香吐出装置1では、1つの操作ボタン71の操作入力に基づいて制御される芳香の吐出モードとして、短時間吐出モードと長時間吐出モードとが選択可能になっている。
【0044】
図7~
図10は、操作ボタン71の押下状態に応じて切り替えられる芳香吐出モードを説明するための説明図である。
図7は、短時間吐出モードの説明図であり、
図8は、長時間吐出モードの説明図である。
図7~
図10には、それぞれ操作ボタン71の動作状態(スイッチ110のオンオフの状態)と、エアポンプ85によるエア供給動作の状態とが示されている。操作ボタン71の動作状態において、「Low」の状態が、操作ボタン71が押下されている状態を示している。また、エア供給動作の状態において、「High」の状態がエアを供給している状態を示している。
【0045】
短時間吐出モード及び長時間吐出モードのいずれのモードにおいても、基本的には、操作ボタン71が押下され、スイッチ110がオフからオンに切り替えられたときに、エアポンプ85によるエアの供給が開始され、芳香の吐出が開始される。一方、エアポンプ85によるエアの供給が開始された後は、スイッチ110がオンからオフに切り替えられる時期、スイッチ110のオン状態の継続時間、又は、スイッチ110のオフからオンへの切り替え動作が繰り返されたときの時間間隔等に応じて、所定の時期にエアの供給が停止される。
【0046】
短時間吐出モードによる芳香の吐出動作は、操作ボタン71を所望の時間押下し続けることにより行われる。
図7に示すように、短時間吐出モードでは、操作ボタン71が押下されスイッチ110がオンになったときにエアの供給が開始される。そして、スイッチ110がオンになってからの経過時間Tが、あらかじめ設定された第1の閾値T1を超えない限り、スイッチ110がオフになったときにエアの供給が停止される。一方、かかる短時間吐出モードでは、スイッチ110がオンになってからの経過時間Tが第1の閾値T1を超えたときには、その時点でエアの供給が停止される。
【0047】
したがって、例えば、芳香吐出装置1をバッグに入れて持ち歩いている間に、ユーザの意図によらずに操作ボタン71が押下され続ける場合であっても、芳香の吐出は途中で停止される。これにより、バッテリ81の残存容量の低下が抑制され、かつ、香料カートリッジ20を長持ちさせることができる。短時間吐出モードでの最大連続吐出時間である第1の閾値T1は、適宜の値に設定され得る。例えば、第1の閾値T1は、5~10秒に設定され得る。
【0048】
また、長時間吐出モードによる芳香の吐出動作は、操作ボタン71をダブルクリックすることにより行われる。
図8に示すように、長時間吐出モードでは、操作ボタン71が押下される第1の操作入力によりスイッチ110がオフからオンに切り替えられたときにエアの供給が開始される。また、一旦、第1の操作入力が解除されてスイッチ110がオフの状態に戻され、次いで、第2の操作入力によりスイッチ110がオフからオンに切り替えられると、再び、エアの供給が開始される。このとき、第1の操作入力が開始されてからの経過時間(時間間隔)Tが第2の閾値T2を経過する前に第2の操作入力が開始された場合には、第2の操作入力によりエアの供給が開始されてからの経過時間Tが第3の閾値T3を超えたときに、エアの供給が停止される。
【0049】
したがって、例えば、ユーザが、あらかじめ長時間芳香を吐出させたい場合に、ダブルクリック動作を行うことで、以降、操作ボタン71の押下を解除した状態で、芳香を吐出させ続けることができる。長時間吐出モードでの芳香の吐出を開始させるための第2の閾値T2は、適宜の値に設定され得る。例えば、第2の閾値T2は、0.5~1秒に設定され得る。また、長時間吐出モードでの芳香の吐出時間である第3の閾値T3についても、適宜の値に設定され得る。例えば、第3の閾値T3は、10~30秒に設定され得る。
【0050】
また、本実施形態に係る芳香吐出装置1では、長時間吐出モードよりも短時間吐出モードが優先されるように設定されている。
図9に示すように、第1の操作入力が開始されてからの経過時間Tが第2の閾値T2を経過する前に第2の操作入力が開始された場合であっても、第2の操作入力によりスイッチ110がオンになってから、スイッチ110がオンの状態で維持される経過時間(時間間隔)Tが、上述の第1の閾値T1を超えたときには、その時点でエアの供給が停止される。
【0051】
したがって、ユーザが、短時間吐出モードの操作を行う際に、一旦操作ボタン71を押下した後、誤操作によって操作ボタン71を離してしまい、さらに、再び操作ボタン71を押下し続けるような場合には、短時間吐出モードでのエアの供給動作が行われる。これにより、ユーザが、短時間吐出モードでの芳香の吐出を望んでいる場合に、長時間吐出モードでの芳香の吐出が行われることを防ぐことができる。
【0052】
また、本実施形態に係る芳香吐出装置1では、長時間吐出モードでの芳香の吐出動作が開始された場合であっても、当該吐出動作を途中で解除することができる。
図10に示すように、
図8を参照して説明したように、操作ボタン71のダブルクリック動作によって長時間吐出モードでの芳香の吐出動作が開始された場合であっても、再度第3の操作入力が短時間行われることにより、エアの供給が停止される。つまり、第2の操作入力によりエアの供給が開始されてからの経過時間Tが第3の閾値T3を超えるまでに、第3の操作入力によるスイッチ110のオンオフが行われたときには、当該スイッチ110がオフになったときに、エアの供給は速やかに停止される。
【0053】
したがって、ユーザが、自己の意思によって、長時間吐出モードでの芳香の吐出動作を停止させることができ、バッテリ81の残存容量の低下が防止され、かつ、香料カートリッジ20を長持ちさせることができる。
【0054】
さらに、本実施形態に係る芳香吐出装置1では、バッテリ81の残存容量が低下している場合、制御回路102は、操作ボタン71が押下されスイッチ110がオンに切り替わったときに、ユーザに対してバッテリ81の残存容量の低下を認識させる制御を行ってもよい。例えば、制御回路102は、操作ボタン71が押下されスイッチ110がオンに切り替わったときに、光源を所定時間点灯させてもよい。これにより、ユーザに、バッテリ81の残存容量の低下を認識させ、バッテリ81の充電を促すことができる。例えば、制御回路102は、バッテリ81の出力電圧が定格電圧の10%未満になっている場合に、操作ボタン71の押下時に光源を点灯させてもよい。その際の光源の点灯時間は、適宜の時間に設定され得る。例えば、光源の点灯時間は、1~5秒に設定され得る。また、制御回路102は、バッテリ81の残存容量に応じて、光源の点灯回数や点灯間隔、点灯時間等を異ならせてもよい。
【0055】
この他、制御回路102は、芳香吐出装置1の動作状態に基づいて、光源を点灯させてもよい。その際に、制御回路102は、芳香吐出装置1の動作状態に基づいて、点灯させる光源の色を変えてもよい。例えば、制御回路102は、バッテリ81の充電時に、充電が完了するまでの間、つまり、バッテリ81の残存容量が定格電圧を超えるまでの間、光源を点灯させてもよい。その際に、バッテリ81の残存容量の低下を知らせる際の光源の点灯色と異なる色で光源を点灯させてもよい。なお、制御回路102が光源の制御を行う場合、当該制御回路102が、表示制御部に相当する。
【0056】
このように、本実施形態に係る芳香吐出装置1において、
図7~
図10に例示した芳香の吐出モードは、1つの操作ボタン71の操作入力に基づいて制御される。このため、操作ボタンの数が最小限とされ、回路構成が簡略化される。したがって、芳香吐出装置1を小型化することができ、かつ、製造コストを抑制することができる。また、本実施形態に係る芳香吐出装置1は、1つの操作ボタン71の操作入力で芳香の吐出モードを切り替えることができることから、ユーザによる操作性や利便性が高められている。
【0057】
(1-3.芳香吐出装置の制御方法)
次に、本実施形態に係る芳香吐出装置1の制御回路により行われる制御方法の流れについて詳細に説明する。
図11~
図12は、芳香吐出装置1の制御方法の流れを説明するためのフローチャートである。上述のとおり、本実施形態に係る芳香吐出装置1の制御系では、FPGA等の制御回路102によりエアポンプ85からのエアの供給状態が制御されるものであり、
図11~
図12に示すフローチャートは、芳香吐出装置1の吐出状態の遷移を理解しやすくするための説明図である。ただし、CPU等のマイクロコンピュータによりエアの供給状態が制御される場合には、
図11~
図12に示す処理フローを実行させ得るコンピュータプログラムをあらかじめ作成し、マイクロコンピュータに実行させてもよい。
【0058】
まず、操作ボタン71が押下されてスイッチ110がオンに切り替わると(S10/Yes)、制御回路102はエアポンプ駆動回路104にチップイネーブル信号を出力し、エアポンプ85からエアの供給を開始させる(S12)。また、制御回路102は、エアの供給を開始させたときに、タイマ1のカウントを開始させる(S14)。なお、スイッチ110がオンに切り替わるまでは、制御回路102は待機状態となっている(S10/No)。
【0059】
操作ボタン71が押下されてスイッチ110がオンの状態で維持されている間(S16/No)、タイマ1があらかじめ設定された第1の閾値T1を超えるまでの期間は、エアポンプ85によるエアの供給が継続される(S20/No)。一方、スイッチ110がオンの状態で維持されている間(S16/No)、タイマ1が第1の閾値T1を超えた場合には(S20/Yes)、制御回路102は、スイッチ110がオンの状態のまま、チップイネーブル信号の出力を停止し、エアポンプ85からのエアの供給を終了させる(S22)(短時間吐出モード)。かかる場合には、すべてのタイマがリセットされ(S24)、制御回路102は再びステップS10の待機状態に戻る。
【0060】
一方、エアポンプ85によるエアの供給が継続する間、タイマ1が第1の閾値T1を超える前に(S20/No)、操作ボタン71が解除されスイッチ110がオフに切り替わると(S16/Yes)、制御回路102は、チップイネーブル信号の出力を停止し、エアポンプ85からのエアの供給を終了させる(S18)。かかる場合には、タイマ1のカウントは継続し、再び操作ボタン71が押下されてスイッチ110がオンに切り替わることなく(S26/No)、タイマ1があらかじめ設定された第2の閾値T2を超えたときに(S28/Yes)、すべてのタイマがリセットされ(S44)、制御回路102は再びステップS10の待機状態に戻る(短時間吐出モード)。
【0061】
一方、タイマ1が第2の閾値T2を超える前に(S28/No)、操作ボタン71が再び押下されスイッチ110がオンに切り替わると(S26/Yes)、制御回路102はエアポンプ駆動回路104にチップイネーブル信号を出力し、エアポンプ85からエアの供給を開始させる(S30)。また、制御回路102は、エアの供給を開始させたときに、タイマ2のカウントを開始させる。(S32)。
【0062】
操作ボタン71が押下されてスイッチ110がオンの状態で維持されている間(S34/No)、タイマ2が第1の閾値T1を超えるまでの期間は、エアポンプ85によるエアの供給が継続される(S36/No)。一方、スイッチ110がオンの状態で維持されている間(S34/Yes)、タイマ2が第1の閾値T1を超えた場合には(S36/Yes)、制御回路102は、スイッチ110がオンの状態のまま、チップイネーブル信号の出力を停止し、エアポンプ85からのエアの供給を終了させる(S42)(短時間吐出モード優先)。その後、すべてのタイマがリセットされ(S44)、制御回路102は再びステップS10の待機状態に戻る。
【0063】
一方、エアポンプ85によるエアの供給が継続する間、タイマ2が第1の閾値T1を超える前に(S36/No)、操作ボタン71が解除されてスイッチ110がオフに切り替わると(S34/Yes)、制御回路102は、以下のようにしてエアポンプ85からのエアの供給を終了させる。つまり、スイッチ110がオフに切り替わった後、タイマ2が第3の閾値T3を超えるまでの間(S38/No)、スイッチ110がオフの状態で維持されている場合には、エアポンプ85からのエアの供給は継続する(S40/No)。途中、スイッチ110がオンに切り替わることなく(S40/No)、タイマ2が第3の閾値T3を超えた場合(S38/Yes)、制御回路102は、チップイネーブル信号の出力を停止し、エアポンプ85からのエアの供給を終了させる(長時間吐出モード)。その後、すべてのタイマがリセットされ(S44)、制御回路102は再びステップS10の待機状態に戻る。
【0064】
一方、エアポンプ85によるエアの供給が継続する間、タイマ2が第3の閾値T3を超えるまでに(S38/No)、再び操作ボタン71が押下されてスイッチ110がオンに切り替わると(S40/Yes)、制御回路102は、速やかにチップイネーブル信号の出力を停止し、エアポンプ85からのエアの供給を終了させる(長時間吐出モード途中キャンセル)。その後、すべてのタイマがリセットされ(S44)、制御回路102は再びステップS10の待機状態に戻る。
【0065】
以上のように、制御回路102は、操作ボタン71の操作入力によるスイッチ110のオンオフの切り替えのタイミングに基づいて、エアポンプ85からのエアの供給時間を制御する。したがって、バッテリ81の残存容量の低下が抑制され、かつ、香料カートリッジ20を長持ちさせることができる。また、ユーザは、1つの操作ボタン71を操作することにより、所望の時間に芳香を吐出させることができる。したがって、携帯型の芳香吐出装置1の操作性や利便性を向上させることができる。
【0066】
<2.第2の実施の形態>
次に、本開示の第2の実施の形態に係る芳香吐出装置及び芳香吐出装置の制御方法について説明する。本実施形態に係る芳香吐出装置の全体構成、及び、制御系の基本構成は、第1の実施の形態に係る芳香吐出装置1及び制御系と同様とすることができる。以下、主として、本実施形態に係る芳香吐出装置の制御系の具体的構成例について説明する。なお、第1の実施の形態に係る芳香吐出装置1と共通する構成要素については、第1の実施の形態位係る芳香吐出装置1と同一の符号を用いて説明する。
【0067】
(2-1.制御系の構成例)
図13は、本実施形態に係る芳香吐出装置の制御系の構成を具体的に示す説明図である。制御回路122は、スイッチ110のオンオフの状態に基づいて、チップイネーブル信号と併せて電圧設定信号を生成し、エアポンプ駆動回路124の電源回路131に出力する。電源回路131は、チップイネーブル信号及び電圧設定信号が入力されると、ドライバ回路133に対して、あらかじめ設定された時間、電圧設定信号に応じた電圧V01の電力を供給する。ドライバ回路133は、電力が供給されている間、電圧V01を増幅させることにより生成される電圧V11の電圧信号を、あらかじめ設定された周波数f1で、エアポンプ85に対して出力する。エアポンプ85は、電圧信号が入力されている間、電圧V11に応じた流量のエアを、香料カートリッジ20に対して供給する。
【0068】
ここで、第2の実施の形態に係る芳香吐出装置1では、1つの操作ボタン71に対する操作入力の連続回数に基づいて、単位時間当たりのエアポンプ85からのエアの供給量が制御され、芳香の吐出量が制御される。これにより、複数の吐出機能が実現される。具体的に、本実施形態に係る芳香吐出装置1では、制御回路122は、操作ボタン71の操作入力によりスイッチ110がオンに切り替えられると、あらかじめ設定された時間、チップイネーブル信号を生成する。また、制御回路122は、操作ボタン71の操作入力によって切り替えられるスイッチ110のオンオフの状態に基づいて、エアポンプ85を駆動する電力の電圧V11を制御する。これにより、操作ボタン71の操作入力に基づいて、香料カートリッジ20に供給されるエアの流量が制御される。したがって、本実施形態に係る芳香吐出装置1では、芳香が吐出される時間は変わらないものの、全体の吐出量が切替可能になっている。
【0069】
図14は、操作ボタン71の押下状態に応じてエアポンプ85を駆動する電圧V11が切り替えられる制御について説明するための説明図である。
図14には、操作ボタン71の動作状態(スイッチ110のオンオフの状態)と、エアポンプ85に供給される電圧V11と、エアポンプ85によるエア供給動作の状態とが示されている。操作ボタン71の動作状態において、「Low」の状態が、操作ボタン71が押下されている状態を示している。また、エア供給動作の状態において、「High」の状態がエアを供給している状態を示している。
【0070】
本実施形態に係る芳香吐出装置1では、操作ボタン71を押下する回数に応じて、エアポンプ85に供給される電力の電圧V11が段階的に増大するように設定されている。具体的に、操作ボタン71に対する第1の操作入力が行われ、スイッチ110がオフからオンに切り替えられると、エアポンプ85によるエアの供給が開始され、芳香の吐出が開始される。制御回路122は、第1の操作入力によりスイッチ110がオンへと切り替えられたときにタイマを開始させ、タイマがあらかじめ設定された第4の閾値T4を超えるまでの間、電源回路131に対してチップイネーブル信号を出力する。第4の閾値T4は、適宜の値に設定され得る。例えば、第4の閾値T4は、5~20秒に設定され得る。
【0071】
また、制御回路122は、操作ボタン71に対する第1の操作入力が行われると、エアポンプ85への供給電力の電圧V11が電圧Vaとなり得る電圧設定信号を電源回路131に出力する。さらに、制御回路122は、タイマが第4の閾値T4を超えるまでの間に、操作ボタン71に対する第2の操作入力及び第3の操作入力が行われるごとに、エアポンプ85への供給電力の電圧V11が、電圧Vb、電圧Vcと段階的に増大し得る電圧設定信号を電源回路131に出力する。これにより、エアポンプ85により単位時間当たりに香料カートリッジ20に供給されるエアの供給量が切り替えられる。
【0072】
図14に示した例では、エアポンプ85への供給電力の電圧V11が3段階で可変となっているが、電圧V11が2段階で可変となっていてもよいし、4段階以上で可変となっていてもよい。また、
図14に示した例では、制御回路102は、操作ボタン71に対する操作入力の連続回数が増えるたびに、エアポンプ85への供給電力の電圧V11を増大させているが、操作ボタン71に対する操作入力の連続回数が増えるたびに、エアポンプ85への供給電力の電圧V11を低下させてもよい。
【0073】
このように、本実施形態に係る芳香吐出装置1は、1つの操作ボタン71の操作入力に基づいて、エアポンプ85に供給される電力の電圧V11が変更され、単位時間当たりのエアの供給量が可変となっている。したがって、例えば、ユーザごとに香りの感じ方に違いがあったり、あるいは、同じユーザであっても使用時の気分等によって香りの感じ方に違いがあったりする場合であっても、所望の流量で芳香を吐出させることができる。
【0074】
このように、本実施形態に係る芳香吐出装置1では、1つの操作ボタン71の操作入力に基づいて単位時間当たりの芳香の吐出量が制御されるため、操作ボタンの数が最小限とされ、回路構成が簡略化される。したがって、芳香吐出装置1を小型化することができ、かつ、製造コストを抑制することができる。また、本実施形態に係る芳香吐出装置1は、1つの操作ボタン71の操作入力で単位時間当たりの芳香の吐出量を切り替えることができることから、ユーザによる操作性や利便性が高められている。
【0075】
なお、本実施形態に係る芳香吐出装置1においても、バッテリ81の残存容量が低下している場合に、操作ボタン71が押下されスイッチ110がオンに切り替わったときに、光源が所定時間点灯されてもよい。
【0076】
(2-2.変形例)
上述した第2の実施の形態に係る芳香吐出装置1は、エアポンプ85に供給される電力の電圧V11を変化させることによって、単位時間当たりの芳香の吐出量を可変としていたが、単位時間当たりの芳香の吐出量を可変とする手法は、かかる例に限定されない。以下に説明する変形例では、エアポンプ85に供給する電圧信号の周波数を変化させることによって、単位時間当たりの芳香の吐出量が可変となる。
【0077】
図15は、変形例に係る芳香吐出装置の制御系の構成を具体的に示す説明図である。制御回路142は、スイッチ110のオンオフの状態に基づいて、チップイネーブル信号を生成し、エアポンプ駆動回路144の電源回路151に出力するとともに、周波数設定信号を生成し、エアポンプ駆動回路144のドライバ回路153に出力する。電源回路151は、チップイネーブル信号が入力されると、ドライバ回路153に対して、あらかじめ設定された時間、あらかじめ設定された電圧V0の電力を供給する。
【0078】
ドライバ回路153は、電力が供給されている間、電圧V0を増幅させることにより生成される電圧V1の電圧信号を、入力される周波数設定信号に応じて設定される周波数f2で、エアポンプ85に対して出力する。エアポンプ85は、電圧信号が入力されている間、電圧V11に応じた流量のエアを、香料カートリッジ20に対して供給する。電圧信号の周波数f2は、例えば、ドライバ回路153に備えられたスイッチング素子のオンオフの周期を変化させることによって変更され得る。これにより、操作ボタン71の操作入力に基づいて、香料カートリッジ20に供給されるエアの流量が制御される。したがって、変形例に係る芳香吐出装置1では、芳香が吐出される時間は変わらないものの、全体の吐出量が切替可能になっている。
【0079】
図16は、操作ボタン71の操作入力の連続回数に応じてエアポンプ85に供給される電圧信号の周波数f2が切り替えられる制御について説明するための説明図である。
図16には、操作ボタン71の動作状態(スイッチ110のオンオフの状態)と、エアポンプ85に供給される電圧信号の周波数f2と、エアポンプ85によるエア供給動作の状態とが示されている。操作ボタン71の動作状態において、「Low」の状態が、操作ボタン71が押下されている状態を示している。また、エア供給動作の状態において、「High」の状態がエアを供給している状態を示している。
【0080】
変形例に係る芳香吐出装置1では、操作ボタン71を押下する回数に応じて、エアポンプ85に供給される電圧信号の周波数f2が段階的に増大するように設定されている。具体的に、操作ボタン71に対する第1の操作入力が行われ、スイッチ110がオフからオンに切り替えられると、エアポンプ85によるエアの供給が開始され、芳香の吐出が開始される。制御回路142は、第1の操作入力によりスイッチ110がオンへと切り替えられたときにタイマを開始させ、タイマがあらかじめ設定された第4の閾値T4を超えるまでの間、電源回路151に対してチップイネーブル信号を出力する。
【0081】
また、制御回路122は、操作ボタン71に対する第1の操作入力が行われると、エアポンプ85に供給される電圧信号の周波数f2が周波数faとなり得る周波数設定信号をドライバ回路153に出力する。さらに、制御回路142は、タイマが第4の閾値T4を超えるまでの間に、操作ボタン71に対する第2の操作入力及び第3の操作入力が行われるごとに、エアポンプ85に供給される電圧信号の周波数f2が、周波数fb、周波数fcと段階的に増大し得る周波数設定信号をドライバ回路153に出力する。これにより、エアポンプ85により単位時間当たりに香料カートリッジ20に供給されるエアの供給量が切り替えられる。
【0082】
図16に示した例では、エアポンプ85に供給される電圧信号の周波数f2が3段階で可変となっているが、電圧信号の周波数f2が2段階で可変となっていてもよいし、4段階以上で可変となっていてもよい。また、
図16に示した例では、制御回路102は、操作ボタン71に対する操作入力の連続回数が増えるたびに、電圧信号の周波数f2を増大させているが、操作ボタン71に対する操作入力の連続回数が増えるたびに、電圧信号の周波数f2を減少させてもよい。
【0083】
このように、変形例に係る芳香吐出装置1は、1つの操作ボタン71の操作入力に基づいて、エアポンプ85に供給される電圧信号の周波数f2が変更され、単位時間当たりのエアの供給量が可変となっている。したがって、変形例に係る芳香吐出装置1によっても、例えば、ユーザごとに香りの感じ方に違いがあったり、あるいは、同じユーザであっても使用時の気分等によって香りの感じ方に違いがあったりする場合であっても、所望の流量で芳香を吐出させることができる。
【0084】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲は係る例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0085】
例えば、操作ボタン71の操作入力によるスイッチ110のオンオフに基づくエアの供給状態の制御方法は、上記の各実施の形態で説明した例に限られない。例えば、操作ボタン71の操作入力の連続回数によって、芳香を吐出させる時間を可変としてもよい。例えば、操作ボタン71が1回押下された場合には芳香が5秒間吐出され、2回押下された場合には芳香が10秒間吐出され、3回押下された場合には芳香が20秒間吐出されるようにしてもよい。
【0086】
また、上記各実施の形態においては、エアポンプ85からのエアの供給状態を制御するために1つの操作ボタン71を備える芳香吐出装置1を説明したが、芳香吐出装置1が、エアの供給状態を制御するための操作ボタン71以外のボタンあるいはスイッチを備えていてもよい。例えば、光源を点灯させてバッテリ81の残存容量をユーザに知らせるような状態表示をさせるためのボタンが、操作ボタン71とは別に設けられていてもよい。
【0087】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0088】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)香料が保持された香料保持部と、
前記香料保持部にエアを供給する送風源と、
前記香料保持部を通過した前記エアが吐出される芳香吐出部と、
ユーザによる前記送風源の操作入力が行われる操作入力部と、
1つの前記操作入力部に対する操作入力に基づいて前記エアの供給状態を制御する送風源制御部と、
を備えた、芳香吐出装置。
(2)前記操作入力部は、モーメンタリ型のスイッチのオンオフを切り替える、前記(1)に記載の芳香吐出装置。
(3)前記送風源制御部は、前記エアの供給時間を制御する、前記(1)又は(2)に記載の芳香吐出装置。
(4)前記送風源制御部は、前記操作入力が行われる間隔に基づいて前記エアの供給時間を異ならせる、前記(3)に記載の芳香吐出装置。
(5)前記送風源制御部は、前記操作入力が開始されたときに前記エアの供給を開始させ、前記操作入力の開始からの経過時間が第1の閾値以下の場合、前記操作入力が解除されたときに前記エアの供給を停止させる、前記(3)又は(4)に記載の芳香吐出装置。
(6)前記送風源制御部は、前記操作入力の開始からの経過時間が前記第1の閾値を超えたときに前記エアの供給を停止させる、前記(5)に記載の芳香吐出装置。
(7)前記送風源制御部は、第1の前記操作入力の開始から第2の前記操作入力の開始までの経過時間が第2の閾値以下の場合、前記第2の操作入力の開始からの経過時間が第3の閾値を超えたときに前記エアの供給を停止させる、前記(3)~(6)のいずれか1項に記載の芳香吐出装置。
(8)前記送風源制御部は、前記第2の操作入力の開始からの経過時間が前記第3の閾値を超えるまでに第3の前記操作入力が行われたときに前記エアの供給を停止させる、前記(7)に記載の芳香吐出装置。
(9)前記送風源制御部は、単位時間当たりの前記エアの供給量を制御する、前記(1)又は(2)に記載の芳香吐出装置。
(10)前記送風源制御部は、前記操作入力の連続回数に基づいて前記単位時間当たりの前記エアの供給量を制御する、前記(9)に記載の芳香吐出装置。
(11)前記送風源制御部は、前記操作入力の連続回数に基づいて前記送風源に供給する電圧を制御することで前記単位時間当たりの前記エアの供給量を制御する、前記(10)に記載の芳香吐出装置。
(12)前記送風源制御部は、前記操作入力の連続回数に基づいて前記送風源に供給する電圧信号の周波数を制御することで前記単位時間当たりの前記エアの供給量を制御する、前記(10)に記載の芳香吐出装置。
(13)前記送風源に電力を供給するバッテリと、
前記1つの前記操作入力部に対する操作入力が行われたときに、前記バッテリの残存容量をユーザに知らせる制御を行う表示制御部と、
を備える、前記(1)~(12)のいずれか1項に記載の芳香吐出装置。
(14)前記表示制御部は、前記バッテリの残存容量に基づいて光源を点灯させる、前記(13)に記載の芳香吐出装置。
(15)前記表示制御部は、前記芳香吐出装置の動作状態に基づいて、点灯させる光源の色を変える、前記(14)に記載の芳香吐出装置。
(16)前記芳香吐出装置が、携帯型の装置である、前記(1)~(15)のいずれか1項に記載の芳香吐出装置。
(17)1つの操作入力部に対するユーザの操作入力を受け付けることと、
前記操作入力を受け付けたときに送風源を作動させて、香料が保持された香料保持部にエアを通過させ、芳香を吐出させることと、を含み、
前記1つの操作入力部に対する操作入力に基づいて前記エアの供給状態を制御する、芳香吐出装置の制御方法。
【符号の説明】
【0089】
1 芳香吐出装置
20 香料保持部(香料カートリッジ)
21 エア流路
71 操作ボタン
81 バッテリ
85 エアポンプ
100 回路基板
102 制御回路
104 エアポンプ駆動回路
110 スイッチ
111 電源回路
113 ドライバ回路
【手続補正書】
【提出日】2021-11-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
香料が保持された香料保持部と、
前記香料保持部にエアを供給する送風源と、
前記香料保持部を通過した前記エアが吐出される吐出部と、
操作入力に基づいて前記エアの供給状態を制御し、前記操作入力が開始されたときに前記エアの供給を開始させ、前記操作入力の開始からの経過時間が第1の閾値を超えた場合、前記エアの供給を停止させる制御部と、
を備えた、香料吐出装置。
【請求項2】
前記香料は、精油、あるいは、エタノールで希釈された精油である、請求項1に記載の香料吐出装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記エアの供給時間を制御する、請求項1又は2に記載の香料吐出装置。
【請求項4】
ユーザによる前記操作入力が行われる操作入力部をさらに備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の香料吐出装置。
【請求項5】
前記操作入力部は、操作ボタンから構成される、請求項4に記載の香料吐出装置。
【請求項6】
前記操作ボタンは、モーメンタリ型のスイッチである、請求項5に記載の香料吐出装置。
【請求項7】
前記操作入力部は、タッチセンサ式の入力装置から構成される、請求項4に記載の香料吐出装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記操作入力が行われる間隔に基づいて前記エアの供給時間を異ならせる、請求項3に記載の香料吐出装置。
【請求項9】
前記制御部は、単位時間当たりの前記エアの供給量を制御する、請求項1~8のいずれか1項に記載の香料吐出装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記操作入力の連続回数に基づいて前記単位時間当たりの前記エアの供給量を制御する、請求項9に記載の香料吐出装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記操作入力の連続回数に基づいて前記送風源に供給する電圧を制御することで前記単位時間当たりの前記エアの供給量を制御する、請求項10に記載の香料吐出装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記操作入力の連続回数に基づいて前記送風源に供給する電圧信号の周波数を制御することで前記単位時間当たりの前記エアの供給量を制御する、請求項10に記載の香料吐出装置。
【請求項13】
前記送風源に電力を供給するバッテリと、
前記操作入力部に対する操作入力が行われたときに、前記バッテリの残存容量をユーザに知らせる制御を行う表示制御部と、
をさらに備える、請求項4~7のいずれか1項に記載の香料吐出装置。
【請求項14】
前記表示制御部は、前記バッテリの残存容量に基づいて光源を点灯させる、請求項13に記載の香料吐出装置。
【請求項15】
前記表示制御部は、前記香料吐出装置の動作状態に基づいて、点灯させる前記光源の色を変える、請求項14に記載の香料吐出装置。
【請求項16】
前記香料保持部は、交換可能に前記香料吐出装置に装着される、請求項1~15のいずれか1項に記載の香料吐出装置。
【請求項17】
前記香料保持部は、使い切り型又は再利用型の形態を持つ、請求項1~16のいずれか1項に記載の香料吐出装置。
【請求項18】
操作入力が開始されたときに、送風源を制御して、香料が保持された香料保持部へのエアの供給を開始し、前記香料保持部を通過した前記エアを吐出部から吐出させることと、
前記操作入力の開始からの経過時間が第1の閾値を超えた場合、前記エアの供給を停止させることと、
を含む、香料吐出装置の制御方法。