(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022100183
(43)【公開日】2022-07-05
(54)【発明の名称】照明制御装置および照明制御プログラム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/18 20200101AFI20220628BHJP
H05B 47/19 20200101ALI20220628BHJP
【FI】
H05B47/18
H05B47/19
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021002493
(22)【出願日】2021-01-11
(31)【優先権主張番号】P 2020214201
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000116068
【氏名又は名称】ローランド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000534
【氏名又は名称】特許業務法人しんめいセンチュリー
(72)【発明者】
【氏名】涌田 里志
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA10
3K273QA29
3K273RA16
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA28
3K273TA52
3K273TA54
3K273TA68
3K273UA22
(57)【要約】
【課題】アドレスの設定における手間を軽減できる照明制御装置および照明制御プログラムを提供すること。
【解決手段】配置位置ボタン2及び制御タイプボタン3で指定された配置位置および制御タイプのスタートアドレスが照明制御データ11bから取得されてアドレスエリア5cに表示される。作業員はアドレスエリア5cに表示されたスタートアドレスを照明機器L1~L4に設定することで、照明機器L1~L4は照明制御装置1から送信された制御信号Siの照明制御値のセットによって照明の態様が制御できる。即ち照明機器L1~L4にスタートアドレスの設定をする一方で、照明制御装置1に改めてスタートアドレスを設定することなく、照明制御装置1による照明機器L1~L4の制御が可能になる。これにより、作業員のスタートアドレスの設定における手間を軽減できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明を制御する照明制御値のセットが複数含まれる制御信号を作成する信号作成手段と、その信号作成手段で作成された制御信号を複数の照明機器に送信する信号送信手段と、を備えた照明制御装置であって、
前記信号作成手段で作成される制御信号における各照明制御値のセットのアドレスを記憶するアドレス記憶手段と、
そのアドレス記憶手段に記憶されたアドレスを前記照明機器に設定できるように出力するアドレス出力手段と、を備え、
前記アドレス出力手段で出力されたアドレスを前記照明機器に設定させることで、その照明機器が前記信号送信手段で送信された制御信号の照明制御値のセットによって照明の態様を制御できるように構成されていることを特徴とする照明制御装置。
【請求項2】
前記アドレス記憶手段は、前記アドレスを前記照明機器の配置位置に対応付けて記憶するものであることを特徴とする請求項1記載の照明制御装置。
【請求項3】
前記照明機器の配置位置を入力する配置入力手段を備え、
前記アドレス出力手段は、前記アドレス記憶手段に記憶されたアドレスのうち、前記配置入力手段で入力された配置位置に対応するアドレスを出力することを特徴とする請求項2記載の照明制御装置。
【請求項4】
前記照明機器から、その照明機器の配置位置を取得する配置取得手段を備え、
前記アドレス出力手段は、前記アドレス記憶手段に記憶されたアドレスのうち、前記配置取得手段で取得された配置位置に対応するアドレスを出力することを特徴とする請求項2記載の照明制御装置。
【請求項5】
前記アドレス記憶手段は、前記アドレスをそのアドレスに対応する照明制御値の種類である制御タイプに対応付けて記憶するものであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の照明制御装置。
【請求項6】
前記制御タイプを入力するタイプ入力手段を備え、
前記アドレス出力手段は、前記アドレス記憶手段に記憶されるアドレスのうち、前記タイプ入力手段で入力された制御タイプに対応するアドレスを出力することを特徴とする請求項5記載の照明制御装置。
【請求項7】
前記照明機器から、その照明機器で使用される照明制御値の制御タイプを取得するタイプ取得手段を備え、
前記アドレス出力手段は、前記アドレス記憶手段に記憶されたアドレスのうち、前記タイプ取得手段で取得された制御タイプに対応するアドレスを出力することを特徴とする請求項5記載の照明制御装置。
【請求項8】
前記アドレス記憶手段は、前記アドレスを、前記照明機器の配置位置と前記照明制御値の種類である制御タイプとの組み合わせ毎に記憶するものであることを特徴とする請求項2から7のいずれかに記載の照明制御装置。
【請求項9】
前記信号送信手段によって制御信号が送信される複数の照明機器は、外部表示装置の周囲に配置されており、
その外部表示装置に表示される映像を取得する映像取得手段を備え、
前記信号作成手段は、前記映像取得手段で取得された映像の映像データに基づいて照明制御値を作成し、作成された照明制御値から制御信号を作成するものであることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の照明制御装置。
【請求項10】
前記映像取得手段で取得された映像を所定の領域に分割する分割手段を備え、
前記信号作成手段は、前記分割手段で分割された領域毎にその領域の映像の映像データに基づいて照明制御値を作成し、作成された各領域の照明制御値から制御信号を作成するものであることを特徴とする請求項9記載の照明制御装置。
【請求項11】
前記分割手段は、前記映像取得手段で取得された映像を前記照明機器の配置位置に応じた領域に分割することを特徴とする請求項10記載の照明制御装置。
【請求項12】
記憶部を備えたコンピュータに、照明制御処理を実行させる照明制御プログラムであって、
照明を制御する照明制御値のセットが複数含まれる制御信号を作成する信号作成ステップと、その信号作成ステップで作成された制御信号を複数の照明機器に送信する信号送信ステップと、を前記コンピュータに実行させ、
前記記憶部を、前記信号送信ステップで作成される制御信号における各照明制御値のセットのアドレスを記憶するアドレス記憶手段として機能させ、
前記アドレス記憶手段に記憶されたアドレスを前記照明機器に設定できるように出力するアドレス出力ステップと、を前記コンピュータに実行させ、
前記アドレス出力ステップで出力されたアドレスを前記照明機器に設定させることで、その照明機器が前記信号送信ステップで送信された制御信号の照明制御値によって照明の態様を制御できるように構成されていることを特徴とする照明制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明制御装置および照明制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、照明機器20に、照明の態様を制御する照明制御値のセットが記憶された制御信号を出力することで、照明機器20の照明の態様を制御する照明制御装置30が開示されている。具体的に、照明制御装置30には複数の照明機器20が接続され、制御する全ての照明機器20の照明制御値のセットが記憶された制御信号が各照明機器20に送信される。照明機器20では、受信した制御信号から自身に適合する照明制御値のセットを取得し、照明の態様を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-181454号公報(例えば、段落0017、
図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、制御信号には制御対象となる複数の照明機器20の照明制御値のセットが記憶されるため、照明機器20では、受信した制御信号から自身に適合した照明制御値を取得する必要がある。またこれと共に、照明制御装置30では、制御信号に各照明機器20に適合する照明制御値のセットを区別して記憶する必要がある。
【0005】
そこで、照明制御装置30と各照明機器20との組み合わせ毎に、まず、それぞれの照明機器20において照明制御値のセットが記憶されるアドレスを、それぞれ設定する。そして照明制御装置30では、それぞれ設定されたアドレスに基づいて該当する照明機器20の照明制御値のセットをそれぞれ記憶して制御信号を作成する。照明機器20では、照明制御装置30から受信した制御信号を自身に設定されたアドレスで参照することで、自身に適合した照明制御値を取得できる。
【0006】
しかしながら、かかる方式では、作業員が予め照明制御装置30と各照明機器20との全ての組み合わせに、対応するアドレスを設定しなければならず、その設定手順が煩雑となるという問題点があった。
【0007】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、アドレスの設定における手間を軽減できる照明制御装置および照明制御プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために本発明の照明制御装置は、照明を制御する照明制御値のセットが複数含まれる制御信号を作成する信号作成手段と、その信号作成手段で作成された制御信号を複数の照明機器に送信する信号送信手段と、を備え、前記信号作成手段で作成される制御信号における各照明制御値のセットのアドレスを記憶するアドレス記憶手段と、そのアドレス記憶手段に記憶されたアドレスを前記照明機器に設定できるように出力するアドレス出力手段と、を備え、前記アドレス出力手段で出力されたアドレスを前記照明機器に設定させることで、その照明機器が前記信号送信手段で送信された制御信号の照明制御値によって照明の態様を制御できるように構成されている。
【0009】
本発明の照明制御プログラムは、記憶部を備えたコンピュータに、照明制御処理を実行させるプログラムであって、照明を制御する照明制御値のセットが複数含まれる制御信号を作成する信号作成ステップと、その信号作成ステップで作成された制御信号を複数の照明機器に送信する信号送信ステップと、を前記コンピュータに実行させ、前記記憶部を、前記信号送信ステップで作成される制御信号における各照明制御値のセットのアドレスを記憶するアドレス記憶手段として機能させ、前記アドレス記憶手段に記憶されたアドレスを前記照明機器に設定できるように出力するアドレス出力ステップと、を前記コンピュータに実行させ、前記アドレス出力ステップで出力されたアドレスを前記照明機器に設定させることで、その照明機器が前記信号送信ステップで送信された制御信号の照明制御値によって照明の態様を制御できるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態である照明制御装置の外観図である。
【
図3】照明制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
【
図5】(a)は、メイン処理のフローチャートであり、(b)は、アドレス出力処理のフローチャートである。
【
図7】第2実施形態における照明制御装置の外観図である。
【
図8】第2実施形態における照明制御装置の電気的構成を示すブロック図である。
【
図9】第2実施形態におけるアドレス出力処理のフローチャートである。
【
図10】(a)は、変形例における映像の分割を表す図であり、(b)は、変形例におけるアドレス出力処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。
図1を参照して、本実施形態の照明制御装置1の概要を説明する。
図1は、照明制御装置1の外観図である。照明制御装置1は、接続される照明機器L1~L4の色味や明るさ、輝度等の照明の態様を制御する装置である。照明制御装置1には、照明機器L1~L4と、映像出力装置20とが接続される。
【0012】
照明機器L1~L4は、照明を行う照明装置であり、それぞれLED(Light Emitting Diode、図示せず)が設けられる。照明制御装置1と照明機器L1~L4とは有線で接続され、具体的に、まず照明制御装置1と照明機器L1とが有線で接続され、その照明機器L1と照明機器L2とが有線で接続され、その照明機器L2と照明機器L3とが有線で接続され、その照明機器L3と照明機器L4とが有線で接続される。即ち照明制御装置1と照明機器L1~L4とは有線によって数珠繋ぎ(デイジーチェーン)に接続される。
【0013】
照明制御装置1は、照明の態様を制御する照明制御値が含まれる制御信号Siを作成し、照明機器L1~L4に送信する。具体的に、照明制御装置1で作成された制御信号Siがまず照明機器L1に送信され、制御信号Siはその後、照明機器L1から接続される順に照明機器L2→照明機器L3→照明機器L4へと送信される。照明機器L1~L4は、受信した制御信号Siに含まれる照明制御値のセットに基づいてLEDの色味や色や明るさ、輝度等を制御する。次に、照明機器L1~L4に送信される制御信号Siの概要を説明する。
【0014】
制御信号Siは、各照明制御値のセットを、照明制御値のセット毎に予め規定された開始位置を表すアドレスである、スタートアドレスから配置して記憶することで構成される。本実施形態の制御信号Siは、DMX(Digital MultipleX)512規格に基づいて構成されるが、それ以外の規格に基づいて構成しても良い。
【0015】
照明機器L1~L4には、制御信号Siに含まれる照明制御値のセットのうち、自身が用いる照明制御値のセットのスタートアドレスが予め設定されている(具体的には
図3で後述のスタートアドレスLs)。照明機器L1~L4は、照明制御装置1から受信した制御信号Siから、自身に設定されているスタートアドレスの照明制御値のセットを取得し、取得された照明制御値のセットに基づいて自身の色や明るさ、輝度等を制御する。その照明制御値のセットは、映像出力装置20から出力される映像データDsに基づいて作成される。
【0016】
映像出力装置20は、ビデオカメラ(図示せず)等で撮影された映像の映像データDsを出力する装置である。映像出力装置20から出力された映像データDsが、照明制御装置1と外部表示装置30とに入力される。外部表示装置30では、映像出力装置20から出力された映像データDsによる映像が表示される。
【0017】
上記した照明機器L1~L4は、その外部表示装置30の周囲に配置される。具体的に、外部表示装置30における、左側に照明機器L1が、上側に照明機器L2が、右側に照明機器L3が、下側に照明機器L4がそれぞれ設けられる。以下、「配置位置」とは、外部表示装置30の上下左右の位置をいい、具体的に「配置位置・上」は、外部表示装置30の上側の位置のことをいい、同様に、「配置位置・下」、「配置位置・左」、「配置位置・右」は、それぞれ外部表示装置30の下側、左側、右側の位置のことをいう。
【0018】
照明制御装置1においては、照明機器L1~L4を制御する照明制御値のセットが外部表示装置30で表示される映像、即ち映像出力装置20から出力される映像の映像データDsに基づいて作成される。照明制御装置1はまず、映像出力装置20から出力される映像の映像データDsを領域A1~A4に分割する。
【0019】
具体的に映像の幅をWとし、高さをHとした場合に、領域A2は、映像の上端から下方のH/4の高さに該当する領域とされ、領域A4は、映像の下端から上方のH/4の高さに該当する領域とされる。また、領域A1は、領域A2,A4に挟まれた左側の領域あり、その幅は映像の左端からW/2とされ、領域A3は、領域A2,A4に挟まれた右側の領域あり、その幅は映像の右端からW/2とされる。
【0020】
このように分割された領域A1~A4毎の映像データに基づいて照明制御値のセットが作成される。そして、領域A1~A4に基づいて作成された照明制御値のセットがそれぞれに隣接する配置位置の照明機器L1~L4の制御に用いられる。即ち領域A1は配置位置・左に隣接するので、領域A1による照明制御値のセットは、配置位置・左に配置される照明機器L1の制御に用いられ、同様に、領域A2,A3,A4による照明制御値のセットは、照明機器L2,L3,L4にそれぞれ用いられる。
【0021】
かかる照明制御値のセットは、照明機器L1~L4が制御可能な色数、輝度等や制御値の配列順、即ち制御タイプによって様々な値となる。そこで、本実施形態では、複数の制御タイプと、映像データDsの各領域(配置位置)とによる照明制御値のセットがそれぞれ作成され、作成された照明制御値のセットを該当する制御タイプと配置位置とに応じたスタートアドレスに従って配置することで、制御信号Siが作成される。
【0022】
そして、作業員が照明機器L1に「配置位置・左」および照明機器L1の制御タイプに該当する照明制御値のセットのスタートアドレスを設定し、照明機器L2~L4に、それぞれの配置位置および制御タイプに該当する照明制御値のセットのスタートアドレスをそれぞれ設定することで、外部表示装置30の周囲に配置される照明機器L1~L4から、それぞれに隣接する領域A1~A4の映像に応じた照明が出力される。これにより、外部表示装置30の映像から視聴者が受ける臨場感や、映像への没入感を向上させることができる。
【0023】
また、領域A1~A4が照明機器L1~L4の配置位置に応じて分割されている。これにより、領域A1~A4に合わせて照明機器L1~L4の配置位置を調整することなく、照明機器L1~L4の照明の態様を、領域A1~A4の映像に応じて制御することができる。
【0024】
このような照明制御装置1による照明制御をするためには、作業員は照明機器L1~L4にそれぞれスタートアドレスを設定する必要がある。本実施形態の照明制御装置1では、指定された配置位置および制御タイプに該当するスタートアドレスが表示できるように構成される。具体的に照明制御装置1には、配置位置ボタン2と、制御タイプボタン3と、輝度ボタン4と、表示装置5とが設けられる。配置位置ボタン2は、配置位置を切り替えるボタンであり、配置位置の「上」「下」等を昇順に切り替える上ボタン2aと、降順に切り替える下ボタン2bとが設けられる。
【0025】
制御タイプボタン3は、制御タイプを切り替えるボタンであり、制御タイプを昇順に切り替える上ボタン3aと、降順に切り替える下ボタン3bとが設けられる。本実施形態において制御タイプは、色、具体的に赤色成分(R)、緑色成分(G)、青色成分(B)、白色成分(W)、アンバー(橙)色成分(A)や、輝度(M)の組み合わせによって構成される。例えば「RGBM」とは、赤色成分、緑色成分、青色成分および輝度が変更可能な制御タイプであることを表す。
【0026】
輝度ボタン4は、照明制御値に用いられる輝度(M)の値を設定するボタンであり、輝度の値を増加させる上ボタン4aと、減少させる下ボタン4bとが設けられる。
【0027】
表示装置5は、配置位置ボタン2及び制御タイプボタン3で設定された配置位置および制御タイプに応じたスタートアドレスを出力する装置である。表示装置5には、配置位置ボタン2で設定された配置位置が表示される配置位置エリア5aと、制御タイプボタン3で設定された制御タイプが表示される制御タイプエリア5bと、配置位置ボタン2及び制御タイプボタン3で設定された配置位置および制御タイプに該当するスタートアドレスが表示されるアドレスエリア5cとが表示される。
【0028】
スタートアドレスは、予め配置位置および制御タイプに対応付けられて照明制御データ11b(
図3参照)に記憶されているので、配置位置ボタン2及び制御タイプボタン3で指定された配置位置および制御タイプのスタートアドレスが照明制御データ11bから取得されてアドレスエリア5cに表示される。これによって、作業員はアドレスエリア5cに表示されたスタートアドレスを照明機器L1~L4に設定することで、照明機器L1~L4は照明制御装置1から送信された制御信号Siの照明制御値のセットによって照明の態様が制御できる。即ち照明機器L1~L4にスタートアドレスの設定をする一方で、照明制御装置1に改めてスタートアドレスを設定することなく、照明制御装置1による照明機器L1~L4の制御が可能になる。これにより、作業員のスタートアドレスの設定における手間を軽減できる。
【0029】
次に
図2を参照して、照明制御装置1の機能を説明する。
図2は、照明制御装置1の機能ブロック図である。
図2に示すように、照明制御装置1は、信号作成手段200と、信号送信手段201と、アドレス記憶手段202と、アドレス出力手段203とを有する。信号作成手段200は、照明を制御する照明制御値のセットが複数含まれる制御信号Siを作成する手段であり、
図3で後述のCPU11で実現される。信号送信手段201は、その信号作成手段200で作成された制御信号Siを複数の照明機器L1~L4に送信する手段であり、CPU11で実現される。
【0030】
アドレス記憶手段202は、信号作成手段200で作成される制御信号Siにおける各照明制御値のセットのアドレスを記憶する手段であり、
図3で後述の照明制御データ11bで実現される。アドレス出力手段203は、アドレス記憶手段202に記憶されたアドレスを照明機器L1~L4に設定できるよう出力する手段であり、
図1で上記した表示装置5で実現される。
【0031】
照明制御装置1において、アドレス記憶手段202には、制御信号Siにおける照明制御値のセットのアドレスが記憶され、アドレス出力手段203によりそのアドレスが照明機器L1~L4に設定できるように出力される。アドレスを照明機器L1~L4に設定させることで、その照明機器L1~L4が照明制御装置1から送信された制御信号Siの照明制御値のセットによって照明の態様を制御できるように構成されている。即ち作業員が照明機器L1~L4にアドレスの設定をする一方で、照明制御装置1にアドレスを設定することなく、照明制御装置1による照明機器L1~L4の制御が可能になる。これにより、作業員のアドレスの設定における手間を軽減できる。
【0032】
次に、
図3,4を参照して照明制御装置1の電気的構成を説明する。
図3は、照明制御装置1の電気的構成を示すブロック図である。照明制御装置1には、CPU10と、フラッシュROM11と、RAM12とを有し、これらはバスライン13を介して入出力ポート14にそれぞれ接続されている。入出力ポート14には更に、映像入力ポート15と、照明ポート16と、上記した配置位置ボタン2、制御タイプボタン3、輝度ボタン4及び表示装置5が接続される。
【0033】
CPU10は、バスライン13により接続された各部を制御する演算装置である。フラッシュROM11は、CPU10により実行されるプログラムや固定値データ等を格納した書き換え可能な不揮発性の記憶装置であり、制御プログラム11aと、照明制御データ11bとが記憶される。CPU10において制御プログラム11aが実行されると、
図5(a)のメイン処理が実行される。
図4を参照して、照明制御データ11bを説明する。
【0034】
図4は、照明制御データ11bを模式的に表す図である。照明制御データ11bには、配置位置および制御タイプ毎の照明制御値のセットのスタートアドレスと、その照明制御値のセットのバイト数と、バイト数毎に分割された照明制御値とが記憶される。照明制御データ11bの配置位置として記憶される「全体」は、映像出力装置20から入力された映像データDsの全体に基づく照明制御値が記憶される。
【0035】
照明制御データ11bに記憶される照明制御値は、1バイト毎に色情報や輝度情報が記憶される。例えば、配置位置「全体」、制御タイプ「RGB」の照明制御値においては、1バイト目に赤色成分のデータである「81」が記憶され、2バイト目に緑色成分のデータである「216」が記憶され、3バイト目に青色成分のデータである「154」が記憶される。これら3バイト分の照明制御値が、配置位置「全体」、制御タイプ「RGB」における照明制御値のセットとされる。
【0036】
図3に戻る。RAM12は、CPU10が制御プログラム11aの実行時に各種のワークデータやフラグ等を書き換え可能に記憶するためのメモリであり、映像データDsが記憶される映像データメモリ12aが設けられる。映像入力ポート15は、映像出力装置20に接続され、映像出力装置20からの映像データDsを入力する端子である。
【0037】
照明ポート16は、照明機器L1~L4に接続され、制御信号Siを照明機器L1~L4に出力する端子である。これら照明機器L1~L4には、図示しない操作子を介して、作業員によって設定されたスタートアドレスが記憶されるスタートアドレスLaが設けられる(照明機器L2~L4への図示は省略する)。照明機器L1~L4は、照明制御装置1から受信した制御信号SiにおけるスタートアドレスLaに記憶されたスタートアドレスの照明制御値のセットを取得し、取得された照明制御値のセットを用いて自身の制御を行う。
【0038】
次に
図5,6を参照して、照明制御装置1のCPU10で実行されるメイン処理を説明する。
図5(a)は、メイン処理のフローチャートである。メイン処理は、照明制御装置1の電源投入後に実行される処理である。メイン処理はまず、照明制御データ11bの照明制御値をクリアして初期化し、後述のアドレス出力処理(
図5(b))のS15の処理におけるスタートアドレスの取得に用いられる配置位置の初期値を「全体」に、制御タイプの初期値を「RGB」にそれぞれ設定する(S1)。S1の処理の後、アドレス出力処理(S2)を実行し、アドレス出力処理の後、制御値設定処理(S3)を実行する。
【0039】
ここで、
図5(b),6を参照して、アドレス出力処理および制御値設定処理を説明する。
図5(b)は、アドレス出力処理のフローチャートである。アドレス出力処理は、まず、配置位置ボタン2が操作されて配置位置が設定されたかを確認する(S10)。S10の処理において、配置位置が設定された場合(S10:Yes)、設定された配置位置を取得し(S11)、配置位置が設定されていない場合は(S10:No)、S11の処理をスキップする。
【0040】
S10,S11の処理の後、制御タイプボタン3が操作されて制御タイプが設定されたかを確認し(S12)、制御タイプが設定された場合は(S12:Yes)、設定された制御タイプを取得し(S13)、制御タイプが設定されていない場合は(S12:No)、S13の処理をスキップする。
【0041】
S12,S13の処理の後、S11,S13の処理で、配置位置および制御タイプの少なくとも一方が取得されたかを確認する(S14)。S14の処理において、配置位置および制御タイプの少なくとも一方が取得された場合は(S14:Yes)、取得された配置位置および制御タイプに該当するスタートアドレスを、照明制御データ11bから取得する(S15)。
【0042】
この際、S11の処理で配置位置が取得される一方で、S13の処理で制御タイプが取得されない場合は、取得された配置位置と、前回以前のS13の処理で取得された制御タイプとに該当するスタートアドレスが取得される。同様に、S13の処理で制御タイプが取得される一方で、S11の処理で配置位置が取得されない場合は、取得された制御タイプと、前回以前のS11の処理で取得された配置位置とに該当するスタートアドレスが取得される。なお、照明制御装置1の電源投入後からS15の処理の実行までに、S11又はS13の処理が一度も実行されていない場合は、
図5(a)のS1の処理で設定された制御タイプの初期値「RGB」又は配置位置の初期値「全体」を用いてスタートアドレスが取得される。
【0043】
S15の処理の後、取得されたスタートアドレスを表示装置5に表示する(S16)。これにより、作業員の配置位置ボタン2及び制御タイプボタン3の操作により、照明制御データ11bに記憶されるスタートアドレスのうち、照明機器L1~L4の配置位置および制御タイプに該当するスタートアドレスが特定され、表示装置5に表示される。これにより、作業員は設定を行う照明機器L1~L4に応じたスタートアドレスを一目で確認できるので、スタートアドレスの設定における作業員の手間を更に軽減できる。
【0044】
S14の処理において、配置位置および制御タイプのいずれも取得されなかった場合(S14:No)、または、S16の処理の後、アドレス出力処理を終了する。
【0045】
次に
図6を参照して、制御値設定処理を説明する。
図6は、制御値設定処理のフローチャートである。制御値設定処理はまず、映像入力ポート15から映像データDsが入力されたかを確認する(S20)。S20の処理において、映像データDsが入力された場合は(S20:Yes)、入力された映像データDsを映像データメモリ12aに保存する(S21)。
【0046】
S21の処理の後、カウンタ変数Nに0を設定する(S22)。カウンタ変数Nは、配置位置を区別するための値であり、以下では、配置位置を「配置位置N」と表す。具体的に、配置位置Nは、Nが0の場合は「配置位置・全体」を表し、Nが1の場合は「配置位置・上」を、Nが2の場合は「配置位置・下」を、Nが3の場合は「配置位置・左」を、Nが4の場合は「配置位置・右」をそれぞれ表す。
【0047】
S22の処理の後、映像データメモリ12aから配置位置Nに隣接する領域の映像データを取得し、取得した映像データの全画素における赤色成分(R)と、緑色成分(G)と、青色成分(B)とのそれぞれの平均値を算出する(S23)。
【0048】
例えば、Nが0の場合、即ち「配置位置・全体」の場合は、映像データメモリ12aにおける全領域に該当する映像データDsが取得され、取得された映像データDsの全画素の赤色成分、緑色成分及び青色成分のそれぞれの平均値が算出される。また、Nが3の場合、即ち「配置位置・左」の場合は、映像データメモリ12aから、配置位置・左に隣接する領域A1に該当する映像データが取得され、取得された映像データの全画素の赤色成分、緑色成分及び青色成分のそれぞれの平均値が算出される。
【0049】
S23の処理の後、輝度ボタン4(
図1参照)で設定された輝度(M)の値を取得する(S24)。S24の処理の後、S23の処理で算出された赤色成分および緑色成分の平均値から、アンバー色成分(A)を算出する(S25)。具体的には、赤色成分の平均値と緑色成分の平均値とを加算した値を2で割った値が、アンバー色成分とされる。なお、アンバー色成分の算出方式はこれに限られず、例えば、赤色成分の平均値を2乗した値と、緑色成分の平均値を2乗した値とを加算した値の平方根を、2の平方根で除算することで算出しても良い。
【0050】
S25の処理の後、S23の処理で算出された赤色成分、緑色成分および青色成分の平均値から、白色成分(W)を算出する(S26)。具体的には、赤色成分の平均値と緑色成分の平均値と青色成分の平均値とを加算した値を3で割った値が、白色成分とされる。なお、白色成分の算出方式はこれに限られず、例えば、赤色成分の平均値を2乗した値と、緑色成分の平均値を2乗した値と、青色成分の平均値を2乗した値とを加算した値の平方根を、3の平方根で除算することで算出しても良い。
【0051】
S26の処理の後、S23の処理で算出された赤色成分、緑色成分および青色成分の平均値と、S24の処理で取得された輝度と、S25の処理で算出されたアンバー色成分と、S26の処理で算出された白色成分とを、照明制御データ11bの配置位置Nにおける各照明制御値に保存する(S27)。
【0052】
例えば、
図4の照明制御データ11bでは、「配置位置・全体」において照明制御値が赤色成分(R)であるのは、制御タイプ「RGB」の1バイト目、制御タイプ「RGBM」の1バイト目、制御タイプ「MRGB」の2バイト目、制御タイプ「RGBAM」の1バイト目、制御タイプ「WRGB」の2バイト目なので、これらに該当する位置にS23の処理で算出された赤色成分の平均値が保存される。緑色成分の平均値等の他の値も同様に照明制御データ11bに保存される。
【0053】
S27の処理の後、カウンタ変数Nに1を加算し(S28)、そのカウンタ変数Nが4より大きいかを確認する(S29)。S29の処理において、カウンタ変数Nが4以下の場合は(S29:No)、まだS23~S27の処理がされていない領域A1~A4が存在するので、S23以下の処理を繰り返す。
【0054】
S20の処理において、映像データDsが入力されない場合(S20:No)、または、S29の処理において、カウンタ変数Nが4より大きい場合は(S29:Yes)、制御値設定処理を終了する。
【0055】
図5(a)に戻る。S3の制御値設定処理の後、その制御値設定処理が実行される前後で照明制御データ11bの照明制御値に変化があったかを確認する(S4)。S4の処理において、照明制御データ11bの照明制御値に変化があった場合は(S4:Yes)、照明制御データ11bの照明制御値から制御信号Siを作成する(S5)。具体的には、照明制御データ11bに記憶される照明制御値を先頭から末尾、即ち「配置位置・全体」、「制御タイプ・RGB」の1バイト目から「配置位置・右」、「制御タイプ・WRGB」の4バイト目までを順に連結することで、制御信号Siが作成される。これによって、照明制御データ11bに記憶される全ての照明制御値のセットが、制御信号Siに記憶される。
【0056】
照明制御装置1においては、照明制御データ11bのスタートアドレスに従って、映像データDsに基づく制御信号Siが作成され、照明機器L1~L4に送信される。照明制御データ11bには、予め配置位置および制御タイプの組み合わせ毎のスタートアドレスが複数記憶されるので、かかるスタートアドレスに従って制御信号Siを作成することで、該制御信号Siには、複数の配置位置および制御タイプの組み合わせに対応する照明制御値のセットが記憶される。これにより、照明制御装置1は、実際に接続される照明機器L1~L4の配置位置や制御タイプ、或いは台数の状況に関わらず、照明機器L1~L4の照明の態様を制御できる。
【0057】
S5の処理の後、作成された制御信号Siを照明ポートから照明機器L1~L4に送信する(S6)。S4の処理において、照明制御データ11bの照明制御値に変化がない場合(S4:No)、または、S6の処理の後、S2以下の処理を繰り返す。
【0058】
次に、
図7~9を参照して、第2実施形態を説明する。上記した第1実施形態の照明制御装置1では、配置位置ボタン2及び制御タイプボタン3で取得された配置位置および制御タイプに該当するスタートアドレスを表示装置5に表示した。これに対して第2実施形態の照明制御装置100では、照明機器L1~L4から配置位置および制御タイプを取得し、取得された配置位置および制御タイプに該当するスタートアドレスを表示装置5に表示する。第1実施形態と同一の部分については同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0059】
図7は、第2実施形態における照明制御装置100の外観図である。第2実施形態の照明機器L1~L4は、それぞれの配置位置および制御タイプが設定可能かつ送信可能に構成される。照明制御装置100は、照明機器L1~L4から受信した配置位置および制御タイプに該当するスタートアドレスを照明制御データ11bからそれぞれ取得し、表示装置5のアドレスエリア5cに表示する。そのため、照明制御装置100からは、第1実施形態の照明制御装置1における配置位置ボタン2及び制御タイプボタン3が省略される。
【0060】
次に、
図8を参照して、第2実施形態の照明制御装置100の電気的構成を説明する。
図8は、第2実施形態における照明制御装置100の電気的構成を示すブロック図である。照明制御装置100の照明ポート16は、送受信可能に構成され、具体的に、照明ポート16から照明機器L1~L4へ制御信号Siが送信され、照明機器L1~L4からの配置位置および制御タイプが照明ポート16へ受信される。即ち照明ポート16と、照明機器L1~L4とは双方向に通信できるように構成される。
【0061】
また、照明機器L1~L4においては、スタートアドレスLaと共に、配置位置が記憶される配置位置Lbと制御タイプが記憶される制御タイプLcとが設けられる。照明機器L1~L4において、図示しない操作子で作業員によって設定された配置位置および制御タイプが、配置位置Lb及び制御タイプLcに記憶される。これら配置位置Lb及び制御タイプLcに記憶された配置位置および制御タイプが照明ポート16を介して照明制御装置100に送信される。
【0062】
次に、
図9を参照して、第2実施形態のアドレス出力処理を説明する。
図9は、アドレス出力処理のフローチャートである。第2実施形態のアドレス出力処理はまず、照明ポート16から照明機器L1~L4の配置位置および制御タイプを受信したかを確認する(S100)。
【0063】
S100の処理において、配置位置および制御タイプを受信した場合は(S100:Yes)、受信した配置位置および制御タイプに該当するスタートアドレスを照明制御データ11bから取得する(S101)。S101の処理の後、S101の処理によって取得されたスタートアドレスを表示装置5に順次表示する(S16)。S100の処理において、配置位置および制御タイプを受信していない場合(S100:No)、または、S16の処理の後、アドレス出力処理を終了する。
【0064】
以上説明した通り、第2実施形態の照明制御装置100では、接続された照明機器L1~L4から受信した配置位置および制御タイプに該当するスタートアドレスが表示装置5に出力される。即ち接続された照明機器L1~L4の配置位置および制御タイプに該当するスタートアドレスが自動的に表示されるので、作業員は照明制御装置100に特別な操作をすることなくスタートアドレスを確認できる。これにより、作業員のスタートアドレスの設定における手間を更に軽減できる。
【0065】
以上、上記実施形態に基づき説明したが、種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0066】
上記実施形態では、照明制御装置1,100を外部表示装置30の周囲に配置された照明機器L1~L4の照明を制御するものとしたが、これに限られない。照明機器L1~L4を、例えば屋内の天井、床、壁等における外部表示装置30と無関係な位置に配置し、照明制御装置1,100でこれら照明機器L1~L4の照明を、外部表示装置30に表示される映像と関連することなく制御しても良い。この場合、照明制御データ11b(
図4参照)には、配置位置として「上・下・左・右」の代わりに、「天井」、「床」、「壁(前後左右)」等、照明機器L1~L4が配置される位置を適宜設定し、制御値設定処理(
図6参照)では、これらの配置位置に応じた照明制御値を算出して照明制御データ11bに記憶すれば良い。
【0067】
上記実施形態では、映像データDsによる映像を領域A1~A4の4つの領域に分割し、それぞれの領域における照明制御値のセットを算出したが、領域を分割する数は、4つ以下でも4つ以上でも良い。例えば、
図10(a)に示すように、映像の縦および横をそれぞれ4分割した16個の領域A1~A16から照明制御値のセットを算出しても良い。この場合、複数の領域によるグループを形成し、そのグループに基づいて付近の配置位置の照明制御値のセットを算出しても良い。
【0068】
例えば、配置位置・左の照明制御値のセットを領域A5,A9に基づいて算出し、配置位置・上の照明制御値のセットを領域A1~A4,A6,A7に基づいて算出し、配置位置・右の照明制御値のセットを領域A8,A12に基づいて算出し、配置位置・上の照明制御値のセットを領域A10,A11,A13~A16に基づいて算出すれば良い。
【0069】
また、複数の配置位置の照明制御値のセットの算出において、1の領域を重複して用いても良い。例えば、配置位置・左の照明制御値のセットを領域A1,A5,A9,A13に基づいて算出し、配置位置・上の照明制御値のセットを領域A1~A4に基づいて算出することで、領域A1を配置位置・左と配置位置・上との照明制御値のセットの算出で重複して用いても良い。
【0070】
更に、いずれの配置位置の照明制御値のセットの算出においても、用いられない領域が存在しても良い。例えば、配置位置・左の照明制御値のセットを領域A5,A9を用いて算出し、配置位置・上の照明制御値のセットを領域A1~A4を用いて算出し、配置位置・右の照明制御値のセットを領域A8,A12を用いて算出し、配置位置・下の照明制御値のセットを領域A13~A16を用いて算出する一方で、領域A6,A7,A10,A11を照明制御値の算出に用いないようにしても良い。
【0071】
また、配置位置を上下左右の4つとし、それに対応する領域も4つとしたが、これに限られず、例えば、配置位置を左上、中央上、右上、右中央、右下、中央下、左下及び左中央の8つとし、それに対応して領域も8つとしても良い。配置位置と領域とが対応していれば、配置位置および領域の分割の仕方を任意としても良い。
【0072】
第1実施形態では、配置位置ボタン2及び制御タイプボタン3の操作によって設定された配置位置および制御タイプを取得し、第2実施形態では、照明機器L1~L4から配置位置および制御タイプを取得した。これに限られず、配置位置ボタン2の操作によって設定された配置位置を取得し、照明機器L1~L4から制御タイプを取得しても良いし、逆に、制御タイプボタン3の操作によって設定された制御タイプを取得し、照明機器L1~L4から配置位置を取得しても良い。
【0073】
例えば、配置位置ボタン2操作によって設定された配置位置を取得し、照明機器L1~L4から制御タイプを取得する場合は、
図10(b)のアドレス出力処理のように、まず、照明ポート16から照明機器L1~L4の制御タイプを受信したか、又は、配置位置ボタン2が操作されて配置位置が設定されたかを確認する(S200)。S200の処理において、制御タイプを受信した又は配置位置が設定された場合は(S200:Yes)、照明ポート16から受信した制御タイプ及び配置位置ボタン2で設定された配置位置に該当するスタートアドレスを照明制御データ11bから取得し(S201)、取得されたスタートアドレスを表示装置5へ順次表示すれば良い(S16)。
【0074】
上記実施形態では、照明制御データ11bから取得されたスタートアドレスを表示装置5に表示したが、取得されたスタートアドレスを音声で出力しても良いし、取得されたスタートアドレスを電子メールやショート・メッセージ・サービス(SMS)等で作業員に送信しても良い。また、照明制御装置1,100に印刷機能を搭載し、取得されたスタートアドレスを紙に印刷しても良い。
【0075】
また、照明制御データ11bに記憶される全ての配置位置および制御タイプとそれに対応するスタートアドレスとを予め紙に印刷しておき、作業員がその紙を見ながら各照明機器L1~L4にスタートアドレスを設定するようにしても良い。この場合、表示装置5へのスタートアドレスの表示等のアドレス出力手段を省略しても良い。
【0076】
更に第2実施形態において、照明機器L1~L4から取得された配置位置および制御タイプに該当するスタートアドレスを照明制御データ11bから取得し、表示装置5に表示した。これに限られず、例えば、照明制御データ11bから取得されたスタートアドレスを照明ポート16を介して照明機器L1~L4に送信し、照明機器L1~L4においては受信したスタートアドレスのうち、該当するスタートアドレスを自身のスタートアドレスに設定しても良い。
【0077】
上記実施形態では、照明制御装置1,100に照明機器L1~L4を照明ポート16を介して有線で接続し、制御信号Siを送信した。しかし、これに限られず、例えば、照明制御装置1,100と照明機器L1~L4とを有線LANで接続し、有線LANを介して制御信号Siを送信しても良い。この場合、有線LANによる制御信号Siを送信する通信プロトコルとしてはアートネット(Art-Net)が例示されるが、これ以外の通信プロトコルでも良い。また、照明制御装置1,100と照明機器L1~L4とを無線通信(例えばBluetooth(登録商標))で接続し無線通信を介して制御信号Siを送信しても良い。
【0078】
上記実施形態では、照明制御装置1,100に照明機器L1~L4の4台の照明機器を接続したが、接続される照明機器は4台以上でも、4台以下でも良い。また、各配置位置に複数の照明機器L1~L4を配置しても良い。この場合、同じ配置位置に配置される同じ制御タイプの照明機器L1~L4には、同じスタートアドレスを設定すれば良い。また、各配置位置に配置する照明機器L1~L4の台数は同一である必要はなく、例えば、複数の照明機器L1~L4が配置される配置位置と、照明機器L1~L4が配置されない配置位置とが混在しても良い。
【0079】
上記実施形態では、1台の照明制御装置1,100を照明機器L1~L4に接続したが、複数台の照明制御装置1,100を照明機器L1~L4に接続しても良い。
【0080】
上記実施形態では、
図6のS23の処理による照明制御値の算出で、映像データメモリ12aから該当する領域の映像データの全画素を取得し、赤色成分、緑色成分及び青色成分とのそれぞれの平均値を算出したが、映像データの画素を1つ飛ばしにする等、映像データの画素を間引いた上で、赤色成分等の平均値を算出しても良い。
【0081】
更に、該当する領域の映像データの一定時間(例えば5秒間)における画素の平均値を算出し、算出された画素の平均値から赤色成分等の平均値を算出しても良いし、一定時間内において色の変化が小さい画素(または色の変化が大きい画素)を取得し、赤色成分等の平均値を算出しても良い。また、
図6のS20の処理において、映像入力ポート15から映像データDsが入力される度に、S22以下の処理による照明制御値の算出と、
図5(a)のS4~S6の処理による制御信号Siの作成および送信とを行ったが、これに限られず、例えば、一定時間毎にこれらの処理を行うようにしても良い。
【0082】
また、照明制御値は映像データメモリ12aの映像データから作成されるものに限られず、例えば、予め出力する照明の態様を時系列順に記憶しておき、その記憶された照明の態様となるような照明制御値を算出して照明制御データ11bに記憶しても良い。また、照明制御装置1,100に照明の態様を設定する操作子を設け、その操作子を介して作業員により設定された照明の態様となるような照明制御値を算出して照明制御データ11bに記憶しても良い。
【0083】
上記実施形態では、映像出力装置20をビデオカメラ等で撮影された映像の映像データDsを出力する装置を例示したが、これに限られず、例えば、映像出力装置20をDVDプレイヤーで構成し、DVD等の録画された映像の映像データDsを出力しても良いし、映像出力装置20をTVチューナーで構成し、受信したTV放送の映像データDsを出力しても良い。また、映像出力装置20をインターネットに接続可能に構成し、インターネット経由で取得したライブ映像等の映像データDsを出力しても良い。
【0084】
上記実施形態では、制御プログラム11aが組み込まれた照明制御装置1,100を例示したが、これに限られず、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置(コンピュータ)で制御プログラム11aを実行する構成としても良い。
【0085】
上記実施形態に挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
【符号の説明】
【0086】
1,100 照明制御装置
Si 制御信号
11b 照明制御データ(アドレス記憶手段)
30 外部表示装置
L1~L4 照明機器
S2 アドレス出力手段
S3,S5 信号作成手段
S6 信号送信手段
S10 配置入力手段
S12 タイプ入力手段
S21 映像取得手段
S100 配置取得手段、タイプ取得手段