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特開2022-100198衛生紙の取出し補助方法,衛生紙用取出し補助具及び包装袋
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022100198
(43)【公開日】2022-07-05
(54)【発明の名称】衛生紙の取出し補助方法,衛生紙用取出し補助具及び包装袋
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/08 20060101AFI20220628BHJP
   A47K 10/20 20060101ALI20220628BHJP
【FI】
B65D83/08 B
A47K10/20 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】31
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021085938
(22)【出願日】2021-05-21
(31)【優先権主張番号】P 2020213728
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】517145290
【氏名又は名称】株式会社YANAGI PROJECT
(74)【代理人】
【識別番号】100093148
【弁理士】
【氏名又は名称】丸岡 裕作
(72)【発明者】
【氏名】横田 淳一
【テーマコード(参考)】
3E014
【Fターム(参考)】
3E014LB02
3E014LB06
3E014LB08
(57)【要約】
【課題】 衛生紙用取出し補助具を包装袋の上面に面方向に動きにくくして装着することができるようにして、衛生紙の取出し機能の低下を防止するとともに、落下した水に対する対処も容易にできるようにして衛生上の向上を図る。
【解決手段】 複数の矩形状の衛生紙Pが積層された積層体Wを収容し衛生紙を引出して取出し可能なスリットSを上面に形成可能な包装袋Fに装着されるもので、包装袋Fの上面に載置可能な押え板1を備え、この押え板1に、包装袋FのスリットSから引出される衛生紙Pを引出して取出し可能な取出口2を設け、押え板1の外周縁に、押え板1の面方向の移動を規制する規制手段としての脚体10を垂設するとともに、押え板1の裏面に、この押え板1を包装袋Fの上面に引き剥し可能に着接する規制手段としての粘着剤20を付設した。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の衛生紙が積層された積層体を収容するとともに該積層体の最上位の衛生紙を引出して取出し可能なスリットを上面中央に形成可能な包装袋に、上記最上位の衛生紙を引出し可能に上記積層体を押える衛生紙用取出し補助具を装着し、上記包装袋内から最上位の衛生紙を引出して取出す際、該衛生紙用取出し補助具により衛生紙の取出しを補助する衛生紙取出し補助方法において、
上記衛生紙用取出し補助具を、上記包装袋の上面を覆う押え板を備え、該押え板に、該押え板が上記包装袋の上面を覆った状態で上記包装袋のスリットから引出される衛生紙を引出して取出し可能な取出口を設けて構成し、
上記包装袋の上面を覆った押え板の上記包装袋の上面に対する面方向の移動を規制する規制手段を用い、
上記押え板を上記包装袋の上面を覆い、上記規制手段で該押え板の該包装袋の上面に対する面方向の移動を規制した状態で、上記衛生紙用取出し補助具により衛生紙の取出しを補助することを特徴とする衛生紙の取出し補助方法。
【請求項2】
上記規制手段を、上記押え板の裏面と上記包装袋の上面との間に介装され、上記押え板を上記包装袋の上面に引き剥し可能に着接する粘着剤で構成したことを特徴とする請求項1記載の衛生紙の取出し補助方法。
【請求項3】
上記規制手段を、上記押え板の外周縁に垂設され、該押え板を上記包装袋の上面を覆った際に該包装袋の側面に沿う所定高さの脚体で構成したことを特徴とする請求項1または2記載の衛生紙の取出し補助方法。
【請求項4】
上記規制手段を、上記押え板の裏面に上記スリットに挿入されて上記積層体に載置可能に突設されるとともに、該スリットを構成する一方縁及び他方縁に夫々当接し互いに上記取出口に至る衛生紙の通過を許容する間隔を持って対峙する一対の凸条で構成したことを特徴とする請求項1乃至3何れかに記載の衛生紙の取出し補助方法。
【請求項5】
複数の衛生紙が積層された積層体を収容するとともに該積層体の最上位の衛生紙を引出して取出し可能なスリットを上面中央に形成可能な包装袋に装着され、上記最上位の衛生紙を引出し可能に上記積層体を押える衛生紙用取出し補助具において、
上記包装袋の上面を覆う大きさに形成され該包装袋の上面に載置可能な押え板を備え、該押え板に、該押え板が上記包装袋の上面を覆った状態で上記包装袋のスリットから引出される衛生紙を引出して取出し可能な取出口を設け、上記押え板の裏面に、上記包装袋の上面に引き剥し可能に着接する粘着剤を付設したことを特徴とする衛生紙用取出し補助具。
【請求項6】
上記粘着剤を、上記スリットの両側に夫々着接可能になるように上記押え板の裏面に設けたことを特徴とする請求項5記載の衛生紙用取出し補助具。
【請求項7】
複数の衛生紙が積層された積層体を収容するとともに該積層体の最上位の衛生紙を引出して取出し可能なスリットを上面中央に形成可能な包装袋に装着され、上記最上位の衛生紙を引出し可能に上記積層体を押える衛生紙用取出し補助具において、
上記包装袋の上面を覆う大きさに形成され該包装袋の上面に載置可能な押え板を備え、該押え板に、該押え板が上記包装袋の上面を覆った状態で上記包装袋のスリットから引出される衛生紙を引出して取出し可能な取出口を設け、該押え板の外周縁に、該押え板で上記包装袋の上面を覆った際に該包装袋の側面に沿う所定高さの脚体を垂設したことを特徴とする衛生紙用取出し補助具。
【請求項8】
上記脚体を、上記押え板の外周縁の全周から垂設される板状且つ枠状に形成したことを特徴とする請求項7記載の衛生紙用取出し補助具。
【請求項9】
上記脚体の所定高さをHとしたとき、5mm≦H≦50mmに設定したことを特徴とする請求項7または8記載の衛生紙用取出し補助具。
【請求項10】
上記押え板の裏面に、上記包装袋の上面に引き剥し可能に着接する粘着剤を付設したことを特徴とする請求項7乃至9何れかに記載の衛生紙用取出し補助具。
【請求項11】
上記粘着剤を、上記スリットの両側に夫々着接可能になるように上記押え板の裏面に設けたことを特徴とする請求項10記載の衛生紙用取出し補助具。
【請求項12】
複数の衛生紙が積層された積層体を収容するとともに該積層体の最上位の衛生紙を引出して取出し可能なスリットを上面中央に形成可能な包装袋に装着され、上記最上位の衛生紙を引出し可能に上記積層体を押える衛生紙用取出し補助具において、
上記包装袋の上面を覆う押え板を備え、該押え板の裏面に、上記スリットに挿入されて上記積層体に載置可能、且つ、該スリットを構成する一方縁部及び他方縁部に夫々当接し互いに上記取出口に至る衛生紙の通過を許容する間隔を持って対峙する一対の凸条を突設したことを特徴とする衛生紙用取出し補助具。
【請求項13】
上記押え板の裏面に、上記包装袋の上面に引き剥し可能に着接する粘着剤を付設したことを特徴とする請求項12記載の衛生紙用取出し補助具。
【請求項14】
上記粘着剤を、上記スリットの両側に夫々着接可能になるように上記押え板の裏面に設けたことを特徴とする請求項13記載の衛生紙用取出し補助具。
【請求項15】
上記押え板の外周縁に、該押え板で上記包装袋の上面を覆った際に該包装袋の側面に沿う所定高さの脚体を垂設したことを特徴とする請求項12乃至14何れかに記載の衛生紙用取出し補助具。
【請求項16】
上記脚体を、上記押え板の外周縁の全周から垂設される板状且つ枠状に形成したことを特徴とする請求項15記載の衛生紙用取出し補助具。
【請求項17】
上記脚体の所定高さをHとしたとき、5mm≦H≦50mmに設定したことを特徴とする請求項15または16記載の衛生紙用取出し補助具。
【請求項18】
上記押え板を直方体の板状に形成し、該押え板に、上記包装袋のスリットから引出される衛生紙を引出して取出し可能な開口を形成し、該開口を、上記スリットに沿い上記衛生紙の長さより僅かに長い細長状に形成し、上記押え板に、その表面側であって上記開口の開口縁に沿って該開口から引出される衛生紙をガイドするとともに上端が上記取出口を構成するガイド壁を立設したことを特徴とする請求項5乃至17何れかに記載の衛生紙用取出し補助具。
【請求項19】
上記ガイド壁を、上記押え板の表面に受けられた水を堰き止め可能な筒状に形成したことを特徴とする請求項18記載の衛生紙用取出し補助具。
【請求項20】
上記押え板の表面を、上記ガイド壁の基端から該押え板の外周縁側に向けて傾斜形成したことを特徴とする請求項19記載の衛生紙用取出し補助具。
【請求項21】
上記開口の開口面積よりも上記ガイド壁の上端開口の開口面積を小さく形成したことを特徴とする請求項19または20記載の衛生紙用取出し補助具。
【請求項22】
上記ガイド壁に、上端から切除され指が挿入可能な切除部を形成したことを特徴とする請求項19乃至21何れかに記載の衛生紙用取出し補助具。
【請求項23】
上記ガイド壁に、該ガイド壁の取出口を覆う傘体を設けたことを特徴とする請求項19乃至22何れかに記載の衛生紙用取出し補助具。
【請求項24】
上記傘体を、上端に頂点を有した断面円弧状、若しくは、山形状に形成し、該傘体の表面に受けられた水を上記押え板の表面に流下可能にしたことを特徴とする請求項23記載の衛生紙用取出し補助具。
【請求項25】
上記ガイド壁に、上記取出口を回動により開閉するとともに上記取出口から引出される衛生紙に該衛生紙を引出し可能に閉方向に常時付勢されて当接する扉を設けたことを特徴とする請求項19乃至22何れかに記載の衛生紙用取出し補助具。
【請求項26】
上記扉を、該扉の自重により閉方向に付勢されるようにしたことを特徴とする請求項25記載の衛生紙用取出し補助具。
【請求項27】
上記扉の開方向の回動位置を規制するストッパを設けたことを特徴とする請求項26記載の衛生紙用取出し補助具。
【請求項28】
上記扉を、上端に頂点を有した断面円弧状、若しくは、山形状に形成し、該扉の表面に受けられた水を上記押え板の表面に流下可能にしたことを特徴とする請求項25乃至27何れかに記載の衛生紙用取出し補助具。
【請求項29】
外側に露出する少なくとも上記押え板の表面に、抗菌性材料を担持したことを特徴とする請求項5乃至28何れかに記載の衛生紙用取出し補助具。
【請求項30】
複数の衛生紙が積層された積層体を収容するとともに該積層体の最上位の衛生紙を引出して取出し可能なスリットを上面中央に形成可能な包装袋であって、
上記最上位の衛生紙を引出し可能に上記積層体を押え、上記最上位の衛生紙を引出して取出す際、該衛生紙の取出しを補助可能にした衛生紙用取出し補助具が装着可能な包装袋において、
上記衛生紙用取出し補助具は、上記上面を覆う押え板を備え、該押え板に、該押え板が上記包装袋の上面を覆った状態で上記スリットから引出される衛生紙を引出して取出し可能な取出口を設けて構成され、
上記上面に、上記押え板の裏面に引き剥し可能に着接する粘着剤を付設したことを特徴とする包装袋。
【請求項31】
上記粘着剤を、上記スリットの両側に夫々設けたことを特徴とする請求項30記載の包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペーパタオル,キッチンペーパやティッシュペーパ等の衛生紙を一枚ずつ取出し可能にその積層体を収容する包装袋に、衛生紙用取出し補助具を用いて衛生紙の取り出しを補助する衛生紙の取出し補助方法,この補助方法の実施に直接使用する衛生紙用取出し補助具及び包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の衛生紙用取出し補助具としては、例えば、特許第5546181号公報(特許文献1)に掲載されたものが知られている。図15に示すように、この衛生紙用取出し補助具Kaは、衛生紙Pを一枚ずつ取出し可能にその積層体Wを収容する市販されている包装袋Fに装着され、装着時に最上位の衛生紙Pを引出し可能に積層体Wを自重により押えるものである。包装袋Fは、二つ折りされて折れ線Zを境にして一対の折返し片を有した複数の矩形状の衛生紙Pが順に折返し片の裏面同士を相互に対面させて積層された略直方体状の積層体Wを収容するとともに、積層体Wの最上位の衛生紙Pを引出して取出し可能なスリットSを上面中央且つ積層体Wの折れ線Zの方向に沿って形成可能なものである。一般に、包装袋Fの未使用品においてはスリットSは封じられており、使用時に手で開封してスリットSを有効にする。
【0003】
この衛生紙用取出し補助具Kaは、積層体Wの上面を覆う大きさの矩形状に形成され包装袋F内の積層体Wの上面に載置される押え板100を備えている。押え板100には、押え板100の中央であって押え板100の長手方向に沿って衛生紙Pの折れ線Zの長さより僅かに長い細長状の開口101が形成されており、この開口101は衛生紙Pを引出して取出し可能な取出口102として構成されている。
【0004】
この衛生紙用取出し補助具Kaを用いるときは、包装袋Fの上面を開封してスリットSを形成し、このスリットSから補助具Kaを包装袋F内に入れ、積層体W上に載置し、次に、最上位の衛生紙Pの折返し片を引出して衛生紙Pを取出口102及びスリットSに引き通して突出させる。この状態で、最上位の衛生紙Pを一枚ずつ連続的に引出して取出して用いる。補助具Kaはその自重により積層体Wを押えているので、衛生紙Pを取出し易くしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5546181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記従来の衛生紙用取出し補助具Kaにあっては、衛生紙Pを使用してその残量が少なくなって積層体Wの高さが低くなってくると、包装袋Fの補助具Kaより上側が空になって嵩張った部分が生じてしまい、せっかく積層体Wを押えて最上位の衛生紙Pを突出させていても、図15の二点鎖線に示すように、この最上位の衛生紙Pがこの包装袋Fの空になって嵩張った部分内に入り込んでしまってスリットSから突出しなくなる事態が生じ、衛生紙Pを取出しにくくなることがあり、衛生紙Pの取出し機能が低下するという問題があった。また、補助具Kaを装着する際には、逐一包装袋F内にスリットSから挿入しなければならないので、作業性が悪いという問題もある。
【0007】
更に、例えば、衛生紙Pがペーパタオルの場合、手洗いした手を拭く際に、水で濡れた手によって衛生紙Pを引出して取出して使用するが、この際に、手に付着した水が包装袋Fの上面に落下すると、包装袋Fは柔らかく皺も寄るので表面に付着して残り、新しい衛生紙Pを濡らしてしまい易くなり、衛生上好ましくないという問題もあった。水を拭きとることも考えられるが包装袋Fの柔らかく皺も寄った表面では水を拭きとりにくい。
【0008】
これを解決するために、補助具Kaを包装袋Fの上面に載置し包装袋Fも押えて覆うことも考えられる。しかしながら、包装袋Fの内部に収納した場合には包装袋Fで押さえられるので動きにくくなることから問題はなかったが、包装袋Fの上面においては規制するものがなく、補助具Kaは板状であることから、包装袋Fの上面で面方向に動き易く、ずれたり脱落したりし易いので、安定に欠け、結局衛生紙Pの取出し機能を損ねてしまうという問題を生じる。
【0009】
本発明は上記の問題点に鑑みて為されたもので、衛生紙用取出し補助具を包装袋の上面に対して面方向に動きにくく装着できるようにして、衛生紙の取出し機能の低下を防止するとともに、落下した水に対する対処も容易にできるようにして衛生上の向上を図った衛生紙の取出し補助方法,この補助方法の実施に直接使用する衛生紙用取出し補助具及び包装袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するための本発明の衛生紙の取出し補助方法は、複数の衛生紙が積層された積層体を収容するとともに該積層体の最上位の衛生紙を引出して取出し可能なスリットを上面中央に形成可能な包装袋に、上記最上位の衛生紙を引出し可能に上記積層体を押える衛生紙用取出し補助具を装着し、上記包装袋内から最上位の衛生紙を引出して取出す際、該衛生紙用取出し補助具により衛生紙の取出しを補助する衛生紙取出し補助方法において、
上記衛生紙用取出し補助具を、上記包装袋の上面を覆う押え板を備え、該押え板に、該押え板が上記包装袋の上面を覆った状態で上記包装袋のスリットから引出される衛生紙を引出して取出し可能な取出口を設けて構成し、
上記包装袋の上面を覆った押え板の上記包装袋の上面に対する面方向の移動を規制する規制手段を用い、
上記押え板を上記包装袋の上面を覆い、上記規制手段で該押え板の該包装袋の上面に対する面方向の移動を規制した状態で、上記衛生紙用取出し補助具により衛生紙の取出しを補助する構成としている。
【0011】
本発明が対象とする包装袋は、主に、ペーパタオル,キッチンペーパやティッシュペーパ等の衛生紙を収納した主に市販された汎用のものであり、一般に、包装袋は、樹脂シートで形成され、未使用時においては、スリットは閉じられており、使用時に開封してこの開封したスリットから積層体の最上位の衛生紙を引出して取出す。また、一般に、積層体は、二つ折りされて折れ線を境にして一対の折返し片を有した複数の矩形状の衛生紙が順に折返し片の裏面同士を相互に対面させて積層されている。複数の衛生紙が単に積層された積層体もある。
【0012】
包装袋の大きさは、衛生紙の大きさに対応して種々あるが、包装袋の縦寸法をA、横寸法をB、高さ寸法をCとしたとき、A=70mm~300mm、B=70mm~180mm、C=10mm~150mmの包装袋を挙げることができる。衛生紙を二つ折りした形状は、主には長方形であるが、正方形のものもあり、また、その大きさも種々ある。例えば、衛生紙がペーパタオルで中判サイズのものでは、A=230mm、B=125mm、C=65mmの包装袋を挙げることができる。本発明は、主に、この範囲の包装袋に適するように寸法関係が適宜定められる。
【0013】
補助具の材質としては、樹脂,金属,木材,紙等種々のものを用いることができる。補助具の重さは、補助具の使用時にその重さが包装袋の上面を介して積層体にかかるので、取出口から衛生紙を引出して取出し可能になるように設定される。全体の重さをGとしたとき、100g≦G≦600gに設定することが望ましい。
【0014】
これにより、衛生紙用取出し補助具を使用するときは、今、未使用状態の積層体を収容した包装袋の場合で説明すると、予め包装袋の上面のスリットを開封し、この開封したスリットから積層体の最上位の衛生紙を少し引出しておき、この状態で、補助具を装着する。この際には、押え板の取出口から包装袋のスリットから引出した衛生紙が飛び出すようにして押え板を包装袋に装着するとともに、規制手段で押え板の包装袋の上面に対する面方向の移動を規制する。
【0015】
そして、衛生紙を取出すときは、取出口から飛び出している衛生紙を引出す。この場合、積層体は、押え板に押さえられ、積層体には補助具の重さ(自重)がかかるので、その取出しを安定して行うことができる。この場合、規制手段が押え板の包装袋の上面に対する面方向の移動を規制しているので、押え板が包装袋の上面の面方向に動こうとしても動きが規制され、そのため、包装袋の上面に対してずれたり、包装袋から脱落する事態を防止することができ、安定して衛生紙の取出し機能を発揮させることができる。
【0016】
また、衛生紙を使用して積層体の高さが低くなってくると包装袋の上側に空になる部分が生じるが、押え板は包装袋を覆って押えているので、この空になった部分が押し潰されて従来のように嵩張ることがなく、そのため、包装袋の空になった部分に衛生紙が入り込んで取出しにくくなる事態を防止することができ、スリット及び取出口から確実に最上位の衛生紙を突出させることができ、衛生紙の取出し機能が低下する事態を防止することができる。
【0017】
更に、この場合、例えば、衛生紙を取出す手が水で濡れているような場合には、水が押え板の表面に落下して付着するが、押え板の表面なので、容易に拭取ることができ、落下した水に対する対処も容易にできるようになり、衛生上の向上も図ることができる。
【0018】
そして、必要に応じ、上記規制手段を、上記押え板の裏面と上記包装袋の上面との間に介装され、上記押え板を上記包装袋の上面に引き剥し可能に着接する粘着剤で構成している。粘着剤としては、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着等、適宜のものを用いることができる。例えば、イソシアネート基とヒドロキシ基をもつ化合物同士を縮合して得られるポリウレタンからなる粘着剤を用いることができる。
粘着剤の設け方としては、例えば、押え板の裏面に予め設けておく、あるいは、包装袋の上面に予め設けておく、あるいは、押え板及び包装袋とは別途に用意して、使用時に押え板の裏面と包装袋の上面との間に介装させるようにしてよい。粘着剤の着接面には、表面が他には非接着の保護シートを予め被着しておき、使用時にこの保護シートを剥して粘着剤の着接面を露出させるようにすることが望ましい。
【0019】
これにより、補助具を装着すると、押え板の裏面と包装袋の上面との間に粘着剤が介装されこれらが互いに着接し、押え板の包装袋の上面に対する面方向の移動が規制される。従って、押え板が包装袋の上面に対してずれたり、包装袋から脱落する事態を防止することができ、安定して衛生紙の取出し機能を発揮させることができる。また、衛生紙を取出す際、包装袋の上面が衛生紙に引きずられて取出口から飛び出してこようとするが、押え板の裏面と包装袋の上面との間に粘着剤が介装されているので、包装袋の上面が取出口から飛び出す事態を防止することができ、この点でも衛生紙の取出し機能の低下を防止することができる。
【0020】
また、必要に応じ、上記規制手段を、上記押え板の外周縁に垂設され、該押え板を上記包装袋の上面を覆った際に該包装袋の側面に沿う所定高さの脚体で構成している。所定高さは、未使用状態の積層体を収容した対象とする包装袋の高さよりも低く設定する。
これにより、補助具を装着すると、脚体が、包装袋を介して積層体の側面に沿うので、押え板が包装袋の上面の面方向に動こうとしても、包装袋の側面に脚体が当接して押さえられるので、動きが規制され、そのため、包装袋の上面に対してずれたり、包装袋から脱落する事態を防止することができ、安定して衛生紙の取出し機能を発揮させることができる。また、衛生紙を使用してその残量が少なくなって包装袋の高さが脚体の所定高さよりも低くなると、脚体が包装袋の設置面に設置される。この場合には、積層体には、補助具の重さがかからなくなるので、押え板の下には包装袋の空になった部分が出てくるが、この包装袋の空になった部分は押え板の荷重である程度圧縮されて皺が寄った状態で縮まって押え板下に介在しているので、この部分に衛生紙が入り込む事態は生じにくく、衛生紙の取出し機能が低下する事態はほとんど生じない。
【0021】
更に、必要に応じ、上記規制手段を、上記押え板の裏面に上記スリットに挿入されて上記積層体に載置可能に突設されるとともに、該スリットを構成する一方縁部及び他方縁部に夫々当接し互いに上記取出口に至る衛生紙の通過を許容する間隔を持って対峙する一対の凸条で構成している。一対の凸条は両端で繋がっていて全体では枠状になって突設されていても良い。これにより、補助具を装着すると、凸条がスリット内に入って積層体の上面に載置される。そのため、スリットを構成する一方縁部及び他方縁部が夫々凸条に当接し、スリットを開いた状態に保持する。このため、積層体を凸条で押さえながら、衛生紙の取出しを安定して行うことができる。
【0022】
この場合、押え板が包装袋の上面の面方向に動こうとしても、スリットの一方縁部及び他方縁部が夫々凸条に当接して押さえるので、動きが規制され、そのため、包装袋の上面に対してずれたり、包装袋から脱落する事態を防止することができ、安定して衛生紙の取出し機能を発揮させることができる。また、衛生紙を取出す際、包装袋の上面が衛生紙に引きずられて取出口から飛び出してこようとするが、スリットを構成する一方縁部及び他方縁部が夫々凸条に当接するので、包装袋の上面が取出口から飛び出す事態を防止することができ、この点でも衛生紙の取出し機能の低下を防止することができる。他の作用,効果は上記と同様である。
【0023】
また、上記の目的を達成するため、本発明の衛生紙用取出し補助具は、複数の衛生紙が積層された積層体を収容するとともに該積層体の最上位の衛生紙を引出して取出し可能なスリットを上面中央に形成可能な包装袋に装着され、上記最上位の衛生紙を引出し可能に上記積層体を押える衛生紙用取出し補助具において、
上記包装袋の上面を覆う大きさに形成され該包装袋の上面に載置可能な押え板を備え、該押え板に、該押え板が上記包装袋の上面を覆った状態で上記包装袋のスリットから引出される衛生紙を引出して取出し可能な取出口を設け、上記押え板の裏面に、上記包装袋の上面に引き剥し可能に着接する粘着剤を付設した構成としている。
【0024】
これにより、この衛生紙用取出し補助具を使用するときは、今、未使用状態の積層体を収容した包装袋の場合で説明すると、予め包装袋の上面のスリットを開封し、この開封したスリットから積層体の最上位の衛生紙を少し引出しておき、この状態で、補助具を装着する。この際には、押え板の取出口から包装袋のスリットから引出した衛生紙が飛び出すようにしながら押え板を包装袋の上面に載置する。押え板を載置すると、押え板の裏面には粘着剤が付設されているので、包装袋の上面が粘着剤を介して押え板の裏面に着接される。
【0025】
そして、衛生紙を取出すときは、取出口から飛び出している衛生紙を引出す。衛生紙は順に積層されているので、一枚ずつ順に連続的に取出すことができる。この場合、積層体は、包装袋の上面を介して押え板に押さえられ、積層体には補助具の重さ(自重)がかかるので、その取出しを安定して行うことができる。この場合、押え板の裏面と包装袋の上面との間に粘着剤が介装されこれらが互いに着接し、押え板の包装袋の上面に対する面方向の移動が規制されるので、押え板が包装袋の上面に対してずれたり、包装袋から脱落する事態を防止することができ、安定して衛生紙の取出し機能を発揮させることができる。
【0026】
また、衛生紙を取出す際、包装袋の上面が衛生紙に引きずられて取出口から飛び出してこようとするが、押え板の裏面と包装袋の上面との間に粘着剤が介装されているので、包装袋の上面が取出口から飛び出す事態を防止することができ、この点でも衛生紙の取出し機能の低下を防止することができる。
【0027】
更に、衛生紙を使用して積層体の高さが低くなってくると包装袋の上側に空になる部分が生じるが、押え板は包装袋を押えているので、この空になった部分が押し潰されて従来のように嵩張ることがなく、そのため、包装袋の空になった部分に衛生紙が入り込んで取出しにくくなる事態を防止することができ、スリット及び取出口から確実に最上位の衛生紙を突出させることができ、衛生紙の取出し機能が低下する事態を防止することができる。
【0028】
更にまた、この場合、例えば、衛生紙を取出す手が水で濡れているような場合には、水が押え板の表面に落下して付着するが、押え板の表面なので、容易に拭取ることができ、落下した水に対する対処も容易にできるようになり、衛生上の向上も図ることができる。
【0029】
そして、必要に応じ、上記粘着剤を、上記スリットの両側に夫々着接可能になるように上記押え板の裏面に設けた構成としている。包装袋の上面のスリットの両側が粘着剤で押え板に固定されるので、包装袋の上面が取出口から飛び出す事態を確実に防止することができ、衛生紙の取出し機能の低下を確実に防止することができる。
【0030】
また、上記の目的を達成するため、本発明の衛生紙用取出し補助具は、複数の衛生紙が積層された積層体を収容するとともに該積層体の最上位の衛生紙を引出して取出し可能なスリットを上面中央に形成可能な包装袋に装着され、上記最上位の衛生紙を引出し可能に上記積層体を押える衛生紙用取出し補助具において、
上記包装袋の上面を覆う大きさに形成され該包装袋の上面に載置可能な押え板を備え、該押え板に、該押え板が上記包装袋の上面を覆った状態で上記包装袋のスリットから引出される衛生紙を引出して取出し可能な取出口を設け、該押え板の外周縁に、該押え板で上記包装袋の上面を覆った際に該包装袋の側面に沿う所定高さの脚体を垂設した構成としている。所定高さは、未使用状態の積層体を収容した対象とする包装袋の高さよりも低く設定する。
【0031】
これにより、この衛生紙用取出し補助具を使用するときは、今、未使用状態の積層体を収容した包装袋の場合で説明すると、予め包装袋の上面のスリットを開封し、この開封したスリットから積層体の最上位の衛生紙を少し引出しておき、この状態で、補助具を装着する。この際には、押え板の取出口から包装袋のスリットから引出した衛生紙が飛び出すようにしながら、且つ、脚体が包装袋の側面に沿うようにして押え板を包装袋の上面に載置する。脚体は、未使用状態の積層体を収容した包装袋の高さよりも低い高さなので、脚体の下端は包装袋の設置面よりも浮き上がることから、補助具は包装袋に支持され、補助具の重さ(自重)は積層体にかかる。この状態で使用に供する。
【0032】
そして、衛生紙を取出すときは、取出口から飛び出している衛生紙を引出す。衛生紙は順に積層されているので、一枚ずつ順に連続的に取出すことができる。この場合、積層体は、包装袋の上面を介して押え板に押さえられ、積層体には補助具の重さがかかるので、その取出しを安定して行うことができる。この場合、脚体が、包装袋を介して積層体の側面に沿うので、押え板が包装袋の上面の面方向に動こうとしても、包装袋の側面に脚体が当接して押さえられるので、動きが規制され、そのため、包装袋の上面に対してずれたり、包装袋から脱落する事態を防止することができ、安定して衛生紙の取出し機能を発揮させることができる。
【0033】
また、衛生紙を使用して積層体の高さが低くなってくると包装袋の上側に空になる部分が生じるが、押え板は包装袋を押えているので、この空になった部分が押し潰されて従来のように嵩張ることがなく、そのため、包装袋の空になった部分に衛生紙が入り込んで取出しにくくなる事態を防止することができ、スリット及び取出口から確実に最上位の衛生紙を突出させることができ、衛生紙の取出し機能が低下する事態を防止することができる。
【0034】
更に、衛生紙を使用してその残量が少なくなって包装袋の高さが脚体の所定高さよりも低くなると、脚体が包装袋の設置面に設置される。この場合には、積層体には、補助具の重さがかからなくなるので、押え板の下には包装袋の空になった部分が出てくるが、この包装袋の空になった部分は押え板の荷重である程度圧縮されて皺が寄った状態で縮まって押え板下に介在しているので、この部分に衛生紙が入り込む事態は生じにくく、衛生紙の取出し機能が低下する事態はほとんど生じない。
【0035】
更にまた、この場合、例えば、衛生紙を取出す手が水で濡れているような場合には、水が押え板の表面に落下して付着するが、押え板の表面なので、容易に拭取ることができ、落下した水に対する対処も容易にできるようになり、衛生上の向上も図ることができる。
【0036】
そして、必要に応じ、上記脚体を、上記押え板の外周縁の全周から垂設される板状且つ枠状に形成した構成としている。脚体を板状且つ枠状に形成したので、包装袋を介して積層体の上側の周囲を囲繞することになり、このため、押え板が包装袋の上面の面方向に動こうとしても、包装袋の側面に脚体が確実に当接して押さえられるので、包装袋の上面に対してずれたり、包装袋から脱落する事態を確実に防止することができ、より一層安定して衛生紙の取出し機能を発揮させることができる。
【0037】
また、必要に応じ、上記脚体の所定高さをHとしたとき、5mm≦H≦50mmに設定した構成としている。これにより、衛生紙を使用してその残量が少なくなって脚体が包装袋の設置面に設置された際、包装袋及び積層体は、この脚体の高さ範囲内に入るので、押え板の下に包装袋の空になった部分が出てきても、この包装袋の空になった部分は相当圧縮されて皺が寄った状態で縮まって押え板下に介在しているので、この部分に衛生紙が入り込む事態を確実に防止することができ、衛生紙の取出し機能の低下を確実に防止することができる。
【0038】
更に、上記押え板の裏面に、上記包装袋の上面に引き剥し可能に着接する粘着剤を付設した構成としている。これにより、衛生紙を使用して積層体の高さが低くなってくると包装袋の上側に空になる部分が生じ、そのため、包装袋の上面が衛生紙を引出す際に衛生紙に引きずられて取出口から飛び出してこようとするが、押え板の裏面に粘着剤を介して包装袋の上面が着接しているので、包装袋の上面が取出口から飛び出す事態を防止することができ、この点でも衛生紙の取出し機能の低下を防止することができる。
【0039】
この場合、上記粘着剤を、上記スリットの両側に夫々着接可能になるように上記押え板の裏面に設けたことが有効である。包装袋の上面のスリットの両側が帯状粘着部で押え板に固定されるので、包装袋の上面が取出口から飛び出す事態を確実に防止することができ、衛生紙の取出し機能の低下を確実に防止することができる。
【0040】
また、必要に応じ、複数の衛生紙が積層された積層体を収容するとともに該積層体の最上位の衛生紙を引出して取出し可能なスリットを上面中央に形成可能な包装袋に装着され、上記最上位の衛生紙を引出し可能に上記積層体を押える衛生紙用取出し補助具において、
上記包装袋の上面を覆う押え板を備え、該押え板の裏面に、上記スリットに挿入されて上記積層体に載置可能、且つ、該スリットを構成する一方縁部及び他方縁部に夫々当接し互いに上記取出口に至る衛生紙の通過を許容する間隔を持って対峙する一対の凸条を突設した構成としている。
【0041】
これにより、この衛生紙用取出し補助具を使用するときは、今、未使用状態の積層体を収容した包装袋の場合で説明すると、予め包装袋の上面のスリットを開封し、この開封したスリットから積層体の最上位の衛生紙を少し引出しておき、この状態で、補助具を装着する。この際には、押え板の取出口から包装袋のスリットから引出した衛生紙が飛び出すようにしながら、且つ、凸条をスリットに挿入してスリットを構成する一方縁部及び他方縁部に夫々当接させるようにする。凸条はスリット内に入って積層体の上面に載置され、スリットを構成する一方縁部及び他方縁部が夫々凸条に当接し、凸条がスリットを開いた状態に保持する。
【0042】
そして、衛生紙を取出すときは、取出口から飛び出している衛生紙を引出す。衛生紙は順に積層されているので、一枚ずつ順に連続的に取出すことができる。この場合、積層体は、凸条によって押さえられ、積層体には補助具の重さがかかるので、その取出しを安定して行うことができる。この場合、押え板が包装袋の上面の面方向に動こうとしても、スリットの一方縁部及び他方縁部が夫々凸条に当接して押さえるので、動きが規制され、そのため、包装袋の上面に対してずれたり、包装袋から脱落する事態を防止することができ、安定して衛生紙の取出し機能を発揮させることができる。また、衛生紙を取出す際、包装袋の上面が衛生紙に引きずられて取出口から飛び出してこようとするが、スリットを構成する一方縁部及び他方縁部が夫々凸条に当接するので、包装袋の上面が取出口から飛び出す事態を防止することができ、この点でも衛生紙の取出し機能の低下を防止することができる。
【0043】
また、衛生紙を使用して積層体の高さが低くなってくると包装袋の上側に空になる部分が生じるが、押え板は包装袋を覆っているので、この空になった部分が押し潰されて従来のように嵩張ることがなく、そのため、包装袋の空になった部分に衛生紙が入り込んで取出しにくくなる事態を防止することができ、スリット及び取出口から確実に最上位の衛生紙を突出させることができ、衛生紙の取出し機能が低下する事態を防止することができる。
【0044】
更にまた、例えば、衛生紙を取出す手が水で濡れているような場合には、水が押え板の表面に落下して付着するが、押え板の表面なので、容易に拭取ることができ、落下した水に対する対処も容易にできるようになり、衛生上の向上も図ることができる。
【0045】
そして、この凸条をスリット内に入れて積層体を押える構成においても、上記押え板の裏面に、上記包装袋の上面に引き剥し可能に着接する粘着剤を付設したことが有効である。この場合、上記粘着剤を、上記スリットの両側に夫々着接可能になるように上記押え板の裏面に設けたことが有効である。上記と同様の作用,効果を相乗的に発揮させることができる。
【0046】
また、この場合、上記押え板の外周縁に、該押え板で上記包装袋の上面を覆った際に該包装袋の側面に沿う所定高さの脚体を垂設したことが有効である。更に、上記脚体を、上記押え板の外周縁の全周から垂設される板状且つ枠状に形成したことが有効である。更にまた、上記脚体の所定高さをHとしたとき、5mm≦H≦50mmに設定したことが有効である。これによっても、上記と同様の作用,効果を相乗的に発揮させることができる。
【0047】
そしてまた、必要に応じ、上記押え板を直方体の板状に形成し、該押え板に、上記包装袋のスリットから引出される衛生紙を引出して取出し可能な開口を形成し、該開口を、上記スリットに沿い上記衛生紙の長さより僅かに長い細長状に形成し、上記押え板に、その表面側であって上記開口の開口縁に沿って該開口から引出される衛生紙をガイドするとともに上端が上記取出口を構成するガイド壁を立設した構成としている。これにより、衛生紙を引出す際、衛生紙はガイド壁によってガイドされるので、衛生紙の取出しを円滑に行うことができる。
【0048】
この場合、上記ガイド壁を、上記押え板の表面に受けられた水を堰き止め可能な筒状に形成したことが有効である。これにより、例えば、衛生紙を取出す手が水で濡れているような場合には、水が押え板の上面に落下し、それが流れて開口から押え板の下に浸入しようとするが、押え板の開口にはガイド壁が立設されているので、流れる水がガイド壁によって堰き止められ、浸入が阻止される。この結果、押え板の下に水が浸入しにくくなり、衛生紙を濡れにくくして衛生上の向上を図ることができる。
【0049】
また、この場合、必要に応じ、上記押え板の表面を、上記ガイド壁の基端から該押え板の外周縁側に向けて傾斜形成した構成としている。これにより、例えば、衛生紙を取出す手が水で濡れているような場合には、水が押え板の上面に落下しても、押え板の表面が外周縁側に向けて傾斜形成されているので、水を押え板の周囲に流すことができ、そのため、押え板上に水が残りにくくなるので、より一層衛生上の向上を図ることができる。
【0050】
更に、必要に応じ、上記開口の開口面積よりも上記ガイド壁の上端開口の開口面積を小さく形成した構成としている。これにより、落下する水が直接取出口に至って取出口から内部に入り込むものもあるが、ガイド壁の上端開口の開口、即ち、取出口の開口は小さくなっているので、それだけ、水が浸入しにくくなっており、押え板の下に水が浸入しにくくなり、衛生紙を濡れにくくして衛生上の向上を図ることができる。また、衛生紙を取出すときは、取出口から飛び出している衛生紙を引出すが、開口は取出口より広くなっているので、衛生紙が通過しやすくなり、衛生紙の取出しを円滑に行うことができる。
【0051】
また、必要に応じ、上記ガイド壁に、上端から切除され指が挿入可能な切除部を形成した構成としている。切除部に指を入れて衛生紙を掴むことができ、それだけ、衛生紙を引出しやすくすることができる。
【0052】
更に、必要に応じ、上記ガイド壁に、該ガイド壁の取出口を覆う傘体を設けた構成としている。これにより、落下する水が直接取出口に至って取出口から内部に入り込もうとしても、水は傘体に当接するので、それだけ、水が浸入しにくくなっており、押え板の下に水が浸入しにくくなり、衛生紙を濡れにくくしてより一層衛生上の向上を図ることができる。
【0053】
この場合、上記傘体を、上記傘体を、上端に頂点を有した断面円弧状、若しくは、山形状に形成し、該傘体の表面に受けられた水を上記押え板の表面に流下可能にした構成としている。これにより、傘体に当接した水が押え板の表面に流下していくので、傘体表面に水が残る事態を防止することができ、それだけ、衛生上の向上を図ることができる。
【0054】
また、必要に応じ、上記ガイド壁に、上記取出口を回動により開閉するとともに上記取出口から引出される衛生紙に該衛生紙を引出し可能に閉方向に常時付勢されて当接する扉を設けた構成としている。これにより、取出口から飛び出している衛生紙を引出す際、扉が閉方向に付勢されているので、取出口が塞がれながら衛生紙が取出される。そのため、落下する水が直接取出口に至って取出口から内部に入り込もうとしても、扉に当たるので、それだけ、水が浸入しにくくなっており、この点でも、押え板の下に水が浸入しにくくなり、衛生紙を濡れにくくして衛生上の向上を図ることができる。
【0055】
この場合、上記扉を、該扉の自重により閉方向に付勢されるようにしたことが有効である。扉の自重により取出口を閉じるようにするので、扉を付勢する特別の機構を設けなくても良く、それだけ、構造を簡単にすることができる。
【0056】
また、この場合、上記扉の開方向の回動位置を規制するストッパを設けた構成としている。扉が開けっ放しになることがなくなるので、水の取出口からの浸入を常時防止することができる。
【0057】
更に、この場合、上記扉を、上端に頂点を有した断面円弧状、若しくは、山形状に形成し、該扉の表面に受けられた水を上記押え板の表面に流下可能にしたことが有効である。これにより、扉に当接した水が押え板の表面に流下していくので、扉表面に水が残る事態を防止することができ、それだけ、衛生上の向上を図ることができる。
【0058】
更に、必要に応じ、外側に露出する少なくとも上記押え板の表面に、抗菌性材料を担持した構成としている。上記の脚体,ガイド壁,傘体,扉がある場合には、これらの表面にも抗菌性材料を担持することが望ましい。また、表面のみならず裏面を含む全面に抗菌性材料を担持することが望ましい。
【0059】
抗菌性材料は、有機系のものと無機系のものとに大別される。有機系の抗菌性材料としては、界面活性剤系、ビグアナイド系、アルコール系、フェノール系、アニリド系、ヨウ素系、イミダゾール系、チアゾール系、イソチアゾール系、トリアジン系、ニトリル系、フッ素系、糖質系、トロポロン系、有機金属系等が知られている。一方、無機系の抗菌性材料としては、ゼオライト、シリカ、アルミナ、リン酸ジルコニウム、リン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、ケイ酸カルシウム、シリカゲル、ガラス、酸化チタン、酸化亜鉛等の無機質粉末に銀、銅、亜鉛等の抗菌性を有する金属を担持させたものが知られている。また、銅,銀,鉄,ニッケル,亜鉛,白金,金,錫,パラジウム,カドミウム,コバルト,ロジウム,ルテニウム,ビスマス,クロム,チタンから選択される抗菌性を有する金属,これらの合金,これらの酸化物から単一または2種以上を組み合わせて用いることができる。このうち、光触媒材料が有効である。光触媒材料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化鉄、チタン酸ストロンチウムなどの公知の金属化合物を、単一または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0060】
抗菌性材料を担持する方法としては、補助具そのものを抗菌性材料で構成し、あるいは、抗菌性材料を被覆したものであって良い。被覆する方法は、抗菌性の金属をめっきにより被覆するめっき法、抗菌性材料を蒸着により被覆する蒸着法、フレーム溶射,高速フレーム溶射,爆発溶射,電気式溶射,コールドスプレー等の抗菌性材料を溶射により被覆する溶射方法、直流スパッタ,高周波スパッタ,マグネトロンスパッタ,イオンビーム・スパッタなどのスパッタリング法、液相析出法、あるいは、抗菌性材料を種々の顔料や添加剤と混合して塗装する塗装方法等、種々の方法により実現できる。
【0061】
これにより、少なくとも押え板の表面を衛生的にすることができる。特に、水が押え板の表面に落下して付着した場合には、細菌などが繁殖しやすくなるが、抗菌性材料によりこれを防止することができ、確実に衛生上の向上を図ることができる。補助具の全面に抗菌性材料を担持した場合には、より一層衛生上の向上を図ることができる。
【0062】
また、上記の目的を達成するため、本発明の包装袋は、複数の衛生紙が積層された積層体を収容するとともに該積層体の最上位の衛生紙を引出して取出し可能なスリットを上面中央に形成可能な包装袋であって、
上記最上位の衛生紙を引出し可能に上記積層体を押え、上記最上位の衛生紙を引出して取出す際、該衛生紙の取出しを補助可能にした衛生紙用取出し補助具が装着可能な包装袋において、
上記衛生紙用取出し補助具は、上記上面を覆う押え板を備え、該押え板に、該押え板が上記包装袋の上面を覆った状態で上記スリットから引出される衛生紙を引出して取出し可能な取出口を設けて構成され、
上記上面に、上記押え板の裏面に引き剥し可能に着接する粘着剤を付設した構成としている。
【0063】
これにより、この衛生紙用取出し補助具を使用するときは、今、未使用状態の積層体を収容した包装袋の場合で説明すると、予め包装袋の上面のスリットを開封し、この開封したスリットから積層体の最上位の衛生紙を少し引出しておき、この状態で、補助具を装着する。この際には、押え板の取出口から包装袋のスリットから引出した衛生紙が飛び出すようにしながら押え板を包装袋の上面に載置する。押え板を載置すると、包装袋の表面には粘着剤が付設されているので、包装袋の上面が粘着剤を介して押え板の裏面に着接される。
【0064】
そして、衛生紙を取出すときは、取出口から飛び出している衛生紙を引出す。衛生紙は順に折返し片の裏面同士が相互に対面させられて積層されているので、一枚ずつ順に連続的に取出すことができる。この場合、積層体は、包装袋の上面を介して押え板に押さえられ、積層体には補助具の重さがかかるので、その取出しを安定して行うことができる。この場合、押え板の裏面と包装袋の上面との間に粘着剤が介装されこれらが互いに着接し、押え板の包装袋の上面に対する面方向の移動が規制されるので、押え板が包装袋の上面に対してずれたり、包装袋から脱落する事態を防止することができ、安定して衛生紙の取出し機能を発揮させることができる。また、衛生紙を取出す際、包装袋の上面が衛生紙に引きずられて取出口から飛び出してこようとするが、押え板の裏面と包装袋の上面との間に粘着剤が介装されているので、包装袋の上面が取出口から飛び出す事態を防止することができ、この点でも衛生紙の取出し機能の低下を防止することができる。
【0065】
また、衛生紙を使用して積層体の高さが低くなってくると包装袋の上側に空になる部分が生じるが、押え板は包装袋を押えているので、この空になった部分が押し潰されて従来のように嵩張ることがなく、そのため、包装袋の空になった部分に衛生紙が入り込んで取出しにくくなる事態を防止することができ、スリット及び取出口から確実に最上位の衛生紙を突出させることができ、衛生紙の取出し機能が低下する事態を防止することができる。
【0066】
更に、この場合、例えば、衛生紙を取出す手が水で濡れているような場合には、水が押え板の表面に落下して付着するが、押え板の表面なので、容易に拭取ることができ、落下した水に対する対処も容易にできるようになり、衛生上の向上も図ることができる。
【0067】
そして、必要に応じ、上記粘着剤を、上記スリットの両側に夫々設けた構成としている。包装袋の上面のスリットの両側が粘着剤で押え板に固定されるので、包装袋の上面が取出口から飛び出す事態を確実に防止することができ、衛生紙の取出し機能の低下を確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0068】
本発明によれば、衛生紙用取出し補助具を包装袋の上面に面方向に動きにくくして装着することができるようになり、衛生紙の取出し機能の低下を防止することができる。また、落下した水に対する対処も容易にできるようにして衛生上の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
図1】本発明の実施の形態に係る衛生紙用取出し補助具を包装袋とともに示す斜視図である。
図2】本発明の実施の形態に係る衛生紙用取出し補助具を包装袋に装着した状態で示す斜視図である。
図3】本発明の実施の形態に係る衛生紙用取出し補助具を包装袋に装着した状態で示し、(a)は未使用状態の積層体を収容した包装袋に装着した状態の横断面図、(b)は衛生紙の残量が少なくなって脚体が設置された状態の横断面図である。
図4】本発明の別の実施の形態に係る衛生紙用取出し補助具を包装袋とともに示す斜視図である。
図5】本発明の別の実施の形態に係る衛生紙用取出し補助具を示す横断面図である。
図6】本発明のまた別の実施の形態に係る衛生紙用取出し補助具を示す斜視図である。
図7】本発明のまた別の実施の形態に係る衛生紙用取出し補助具を包装袋に装着した状態で示す斜視図である。
図8】本発明のまた別の実施の形態に係る衛生紙用取出し補助具を包装袋に装着した状態で示す横断面図である。
図9】本発明の更にまた別の実施の形態に係る衛生紙用取出し補助具を示す斜視図である。
図10】本発明の他の実施の形態に係る衛生紙用取出し補助具(a)(b)を示す斜視図である。
図11】本発明のまた他の実施の形態に係る衛生紙用取出し補助具を包装袋とともに示す斜視図である。
図12】本発明の更にまた他の実施の形態に係る衛生紙用取出し補助具を包装袋とともに示す斜視図である。
図13】本発明の更にまた他の実施の形態に係る衛生紙用取出し補助具を包装袋に装着した状態で示す横断面図である。
図14】本発明の実施の形態に係る包装袋を、衛生紙用取出し補助具の一例とともに示す斜視図である。
図15】従来の衛生紙用取出し補助具の一例を包装袋に装着した状態で示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0070】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施の形態に係る衛生紙の取出し補助方法,この補助方法の実施に直接使用する衛生紙用取出し補助具及び包装袋について詳細に説明する。本発明の実施の形態に係る衛生紙の取出し補助方法は、本発明の実施の形態に係る衛生紙用取出し補助具及び包装袋において実現されるので、その作用の説明において説明する。
【0071】
図1乃至図3には、実施の形態に係る衛生紙用取出し補助具Kを示している。この衛生紙用取出し補助具Kは、衛生紙Pを一枚ずつ取出し可能にその積層体Wを収容する主に市販されている包装袋Fに装着され、最上位の衛生紙Pを引出し可能に積層体Wを自重により押える。図15に示すように、積層体Wは、二つ折りされて折れ線Zを境にして一対の折返し片を有した複数の矩形状の衛生紙Pが順に折返し片の裏面同士を相互に対面させて積層され立方体を含む略直方体状に形成されたものである。包装袋Fは、この積層体Wを収容するとともに、積層体Wの最上位の衛生紙Pを引出して取出し可能なスリットSを上面中央且つ積層体Wの折れ線Zの方向に沿って形成可能なものである。包装袋Fの未使用品においてはスリットSは封じられており、使用時に手で開封してスリットSを有効にする。
【0072】
この衛生紙用取出し補助具Kは、例えば、スチロール樹脂,ABS樹脂やアクリル樹脂等の透明若しくは半透明のプラスチック製であり、包装袋Fの上面を覆う大きさに形成され包装袋Fの上面に載置可能な押え板1を備えている。押え板1には、押え板1が包装袋Fの上面に載置された状態で、包装袋FのスリットSから引出される衛生紙Pを引出して取出し可能な後述の取出口2が設けられている。押え板1は、上から見て直方体の板状に形成されており、押え板1には、包装袋FのスリットSから引出される衛生紙Pを引出して取出し可能な開口3が形成されている。開口3は、押え板1の中央であって押え板1の長手方向に沿って衛生紙Pの長手方向の長さより僅かに長い矩形細長状に形成されている。
【0073】
また、押え板1には、その表面側であって開口3の開口縁に沿ってこの開口3から引出される衛生紙Pをガイドするとともに上端が取出口2を構成するガイド壁4が立設されている。ガイド壁4は、押え板1の表面に受けられた水を堰き止め可能な筒状に形成されている。ガイド壁4は、互いに対面して立設され押え板1の長手方向に沿う一方壁5及び他方壁6と、互いに対面して立設され一方壁5及び他方壁6を支持する一対の支持壁7とを備えて構成されている。図3に示すように、一方壁5及び他方壁6は、上に向けて互いに漸次近接するように傾斜しており、開口3の開口面積よりもガイド壁4の上端開口(取出口2)の開口面積が小さく形成されている。また、一方壁5及び他方壁6の中央には、上端から切除され指が挿入可能な略矩形状の切除部8が形成されている。
【0074】
また、押え板1の外周縁には、包装袋Fへの装着時に包装袋Fの側面に沿う所定高さの規制手段としての脚体10が垂設されている。所定高さは、未使用状態の積層体Wを収容した対象とする包装袋Fの高さよりも低く設定されている。脚体10は、押え板1の外周縁の全周から垂設される板状且つ枠状に形成されている。図3(b)に示すように、この脚体10により、衛生紙Pの使用により包装袋Fの高さが所定以下になったとき、押え板1は包装袋Fの設置面に支持される。
【0075】
包装袋Fの大きさは、衛生紙Pの大きさに対応して種々あるが、包装袋Fの縦寸法をA、横寸法をB、高さ寸法をCとしたとき、A=70mm~300mm、B=70mm~180mm、C=10mm~150mmの包装袋Fを挙げることができる。実施の形態に係る補助具Kにおいては、A=70mm~260mm、B=70mm~180mm、C=20mm~150mmの範囲の包装袋Fに適するように作成される。実施の形態に係る補助具Kにおいて、脚体10の板厚をt、押え板1の縦寸法をX、横寸法をY、脚体10の所定高さをHとしたとき、1mm≦t≦7mm、80mm≦X≦270mm、80mm≦Y≦190mm、5mm≦H≦50mmに設定している。例えば、t=3mm、X=240mm、Y=130mm、H=30mmに設定し、例えば、A=230mm、B=125mm、C=65mmの衛生紙Pがペーパタオルで中判サイズのものを収容する包装袋Fに装着することができるようにしている。勿論、寸法には余裕があるので、包装袋Fの寸法に多少の違いがあっても、市販されている相当種類の包装袋Fに装着することができる。寸法の異なる補助具Kを複数種類作製することができる。また、補助具Kの全体の重さをGとしたとき、100g≦G≦600gに設定することが望ましい。例えば、G=250g~300gに設定している。
【0076】
また、押え板1の裏面には、包装袋Fの上面に引き剥し可能に着接する規制手段としての粘着剤20が付設されている。粘着剤としては、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着等、適宜のものを用いることができる。例えば、イソシアネート基とヒドロキシ基をもつ化合物同士を縮合して得られるポリウレタンからなる粘着剤を用いることができる。
詳しくは、粘着剤20は、スリットSの両側に夫々着接可能になるように押え板1の裏面に設けられている。粘着剤20としては、帯状に形成されたものが一対設けられ、夫々、押え板1の裏面であって開口3を境としてこの開口3の両側であって、押え板1の長手方向に沿って設けられている。粘着剤20の着接面には、表面が他には非接着の保護シート(図示せず)を予め被着しておき、使用時にこの保護シートを剥して粘着剤20の着接面を露出させるようにすることが望ましい。尚、粘着剤20は、帯状の形状に限定されるものではなく、適宜の形状に形成してよい。また、その数も一対に限定されるものではなく、3以上を適宜位置に配置してよいことは勿論である。
【0077】
更に、外側に露出する少なくとも押え板1及び脚体10の表面には、抗菌性材料30が担持されている。また、これらの表面のみならず裏面を含む全面に抗菌性材料を担持することが望ましい。
【0078】
抗菌性材料30は、有機系のものと無機系のものとに大別される。有機系の抗菌性材料30としては、界面活性剤系、ビグアナイド系、アルコール系、フェノール系、アニリド系、ヨウ素系、イミダゾール系、チアゾール系、イソチアゾール系、トリアジン系、ニトリル系、フッ素系、糖質系、トロポロン系、有機金属系等が知られている。一方、無機系の抗菌性材料30としては、ゼオライト、シリカ、アルミナ、リン酸ジルコニウム、リン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、ケイ酸カルシウム、シリカゲル、ガラス、酸化チタン、酸化亜鉛等の無機質粉末に銀、銅、亜鉛等の抗菌性を有する金属を担持させたものが知られている。また、銅,銀,鉄,ニッケル,亜鉛,白金,金,錫,パラジウム,カドミウム,コバルト,ロジウム,ルテニウム,ビスマス,クロム,チタンから選択される抗菌性を有する金属,これらの合金,これらの酸化物から単一または2種以上を組み合わせて用いることができる。このうち、光触媒材料が有効である。光触媒材料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化鉄、チタン酸ストロンチウムなどの公知の金属化合物を、単一または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0079】
抗菌性材料30を担持する方法としては、押え板1及び脚体10そのものを抗菌性材料30で構成し、あるいは、押え板1及び脚体10に抗菌性材料30を被覆したものであって良い。被覆する方法は、抗菌性の金属をめっきにより被覆するめっき法、抗菌性材料30を蒸着により被覆する蒸着法、フレーム溶射,高速フレーム溶射,爆発溶射,電気式溶射,コールドスプレー等の抗菌性材料30を溶射により被覆する溶射方法、直流スパッタ,高周波スパッタ,マグネトロンスパッタ,イオンビーム・スパッタなどのスパッタリング法、液相析出法、あるいは、抗菌性材料30を種々の顔料や添加剤と混合して塗装する塗装方法等、種々の方法により実現できる。
【0080】
従って、この実施の形態に係る衛生紙用取出し補助具Kを使用するときは、今、未使用状態の積層体Wを収容した包装袋Fの場合で説明すると、図1図2及び図3(a)に示すように、予め包装袋Fの上面のスリットSを開封し、この開封したスリットSから積層体Wの最上位の衛生紙Pを少し引出しておき、この状態で、補助具Kを装着する。この際には、押え板1の取出口2から包装袋FのスリットSから引出した衛生紙Pが飛び出すようにしながら、且つ、脚体10が包装袋Fの側面に沿うようにして押え板1を包装袋Fの上面に載置する。脚体10は、未使用状態の積層体Wを収容した包装袋Fの高さよりも低い高さなので、脚体10の下端は包装袋Fの設置面よりも浮き上がることから、補助具Kは包装袋Fに支持され、補助具Kの重さは積層体Wにかかる。また、押え板1を載置すると、押え板1の裏面には粘着剤20が付設されているので、包装袋Fの上面が粘着剤20を介して押え板1の裏面に着接される。この状態で使用に供する。
【0081】
そして、衛生紙Pを取出すときは、取出口2から飛び出している衛生紙Pを引出す。衛生紙Pは順に折返し片の裏面同士が相互に対面させられて積層されているので、一枚ずつ順に連続的に取出すことができる。この場合、積層体Wは、包装袋Fの上面を介して押え板1に押さえられ、積層体Wには補助具Kの重さがかかるので、その取出しを安定して行うことができる。この場合、脚体10が、包装袋Fを介して積層体Wの側面に沿うので、押え板1が包装袋Fの上面の面方向に動こうとしても、包装袋Fの側面に脚体10が当接して押さえられるので、動きが規制され、そのため、包装袋Fの上面に対してずれたり、包装袋Fから脱落する事態を防止することができ、安定して衛生紙Pの取出し機能を発揮させることができる。また、脚体10は、押え板1の外周縁の全周から垂設される板状且つ枠状に形成されているので、包装袋Fを介して積層体Wの上側の周囲を囲繞することになり、このため、押え板1が包装袋Fの上面の面方向に動こうとしても、包装袋Fの側面に脚体10が確実に当接して押さえられるので、包装袋Fの上面に対してずれたり、包装袋Fから脱落する事態を確実に防止することができ、より一層安定して衛生紙Pの取出し機能を発揮させることができる。
【0082】
そしてまた、押え板1の裏面と包装袋Fの上面との間に粘着剤20が介装されこれらが互いに着接し、これによっても押え板1の包装袋Fの上面に対する面方向の移動が相乗的に規制されるので、包装袋Fの上面に対してずれたり、包装袋Fから脱落する事態を防止することができ、より一層安定して衛生紙Pの取出し機能を発揮させることができる。
【0083】
また、衛生紙Pを取出す際、ガイド壁4によって衛生紙Pがガイドされるので、衛生紙Pの取出しを円滑に行うことができる。特に、衛生紙Pを取出すときは、取出口2から飛び出している衛生紙Pを引出すが、開口3は取出口2より広くなっているので、衛生紙Pが通過しやすくなり、衛生紙Pの取出しを円滑に行うことができる。また、ガイド壁4に切除部8が形成されているので、この切除部8に指を入れて衛生紙Pを掴むことができ、それだけ、衛生紙Pを引出しやすくすることができる。
【0084】
更に、衛生紙Pを取出す際、包装袋Fの上面が衛生紙Pに引きずられて取出口2から飛び出してこようとするが、押え板1の裏面と包装袋Fの上面との間に粘着剤20が介装されているので、包装袋Fの上面が取出口2から飛び出す事態を防止することができ、この点でも衛生紙Pの取出し機能の低下を防止することができる。
【0085】
また、衛生紙Pを使用して積層体Wの高さが低くなってくると包装袋Fの上側に空になる部分が生じるが、押え板1は粘着剤20を介して包装袋Fを押えているので、この空になった部分が押し潰されて従来のように嵩張ることがなく、そのため、包装袋Fの空になった部分に衛生紙Pが入り込んで取出しにくくなる事態を防止することができ、スリットS及び取出口2から確実に最上位の衛生紙Pを突出させることができ、衛生紙Pの取出し機能が低下する事態を防止することができる。
【0086】
更に、図3(b)に示すように、衛生紙Pを使用してその残量が少なくなって包装袋Fの高さが脚体10の所定高さよりも低くなると、脚体10が包装袋Fの設置面に設置される。この場合には、積層体Wには、補助具Kの重さがかからなくなるので、押え板1の下には包装袋Fの空になった部分が出てくるが、この包装袋Fの空になった部分は押え板1の荷重である程度圧縮されて皺が寄った状態で縮まって押え板1の下に介在しているので、この部分に衛生紙Pが入り込む事態は生じにくく、衛生紙Pの取出し機能が低下する事態はほとんど生じない。
【0087】
更にまた、この場合、例えば、衛生紙Pを取出す手が水で濡れているような場合には、水が押え板1の表面に落下して付着するが、押え板1の表面なので、容易に拭取ることができ、落下した水に対する対処も容易にできるようになり、衛生上の向上も図ることができる。
【0088】
また、水が押え板1の上面に落下し、それが流れて開口3から押え板1の下に浸入しようとするが、押え板1の開口3には筒状のガイド壁4が立設されているので、流れる水がガイド壁4によって堰き止められ、浸入が阻止される。この結果、押え板1の下に水が浸入しにくくなり、衛生紙Pを濡れにくくして衛生上の向上を図ることができる。
【0089】
更に、押え板1及び脚体10の表面には、抗菌性材料30が担持されているので、押え板1や脚体10の表面を衛生的にすることができる。特に、水が押え板1や脚体10の表面に落下して付着した場合には、細菌などが繁殖しやすくなるが、抗菌性材料30によりこれを防止することができ、確実に衛生上の向上を図ることができる。
【0090】
図4及び図5には、本発明の別の実施の形態に係る衛生紙用取出し補助具Kを示している。この衛生紙用取出し補助具Kは、上記と略同様に構成されるが、上記と異なって、ガイド壁4に、ガイド壁4の取出口2を覆う傘体40が設けられている。傘体40は、一方壁5及び他方壁6の何れか一方(実施の形態では一方壁5)を延設して形成され、上端に頂点を有した断面円弧状若しくは山形状に形成(実施の形態では断面円弧状に形成)され、傘体40の表面に受けられた水を押え板1の表面に流下可能にしている。また、押え板1の表面が、ガイド壁4の基端から押え板1の外周縁側に向けて傾斜形成されている。傘体40の表面にも抗菌性材料30が担持されている。また、これらの表面のみならず裏面を含む全面に抗菌性材料を担持することが望ましい。
【0091】
従って、この別の実施の形態に係る衛生紙用取出し補助具Kによれば、落下する水が直接取出口2に至って取出口2から内部に入り込もうとしても、水は傘体40に当接するので、それだけ、水が浸入しにくくなっており、押え板1の下に水が浸入しにくくなり、衛生紙Pを濡れにくくしてより一層衛生上の向上を図ることができる。また、傘体40は上端に頂点を有した断面円弧状に形成されているので、傘体40に当接した水が押え板1の表面に流下していくことから、傘体40表面に水が残る事態を防止することができ、それだけ、衛生上の向上を図ることができる。更に、押え板1の表面がガイド壁4の基端から押え板1の外周縁側に向けて傾斜形成されているので、水が押え板1の上面に落下しても、水を押え板1の周囲に流すことができ、そのため、押え板1上に水が残りにくくなるので、より一層衛生上の向上を図ることができる。他の作用,効果は上記と同様である。
【0092】
図6乃至図8には、本発明のまた別の実施の形態に係る衛生紙用取出し補助具Kを示している。この衛生紙用取出し補助具Kは、上記と略同様に構成されるが、上記と異なって、ガイド壁4には、取出口2を回動により開閉するとともに取出口2から引出される衛生紙Pにこの衛生紙Pを引出し可能に閉方向に常時付勢されて当接する矩形細長状の扉50が設けられている。扉50の一方壁5側の左右には回動軸51が突設されており、一方、左右の支持壁7の一方壁5側の上端には、夫々、回動軸51を軸支する軸受部52が立設されている。
【0093】
扉50は、その自重により閉方向に付勢されるように設けられている。扉50の自重により取出口2を閉じるようにするので、扉50を付勢する特別の機構を設けなくても良く、それだけ、構造を簡単にすることができる。また、扉50の開方向の回動位置を規制するストッパ53が設けられている。ストッパ53は、扉50の開方向の所定の角度位置でガイド壁4の一方壁5の上端面に当接して扉50の開方向の移動を停止する扉50の一方壁5側の端面で構成されている。また、扉50の表面にも抗菌性材料30が担持されている。また、これらの表面のみならず裏面を含む全面に抗菌性材料を担持することが望ましい。
【0094】
従って、このまた別の実施の形態に係る衛生紙用取出し補助具Kによれば、使用するときは、扉50を開け、開口3からガイド壁4の取出口2を通して最上位の衛生紙Pを引き通して取出口2から飛び出させておく。この場合、ガイド壁4に、指が挿入可能な切除部8が形成されているので、切除部8に指を入れて衛生紙Pを掴むことができ、それだけ、衛生紙Pを引出しやすくすることができる。そして、衛生紙Pを取出すときは、取出口2から飛び出している衛生紙Pを引出す。この場合、扉50が閉方向に付勢されているので、取出口2が塞がれながら衛生紙Pが取出される。そのため、落下する水が直接取出口2に至って取出口2から内部に入り込もうとしても、扉50に当たるので、それだけ、水が浸入しにくくなっており、押え板1の下に水が浸入しにくくなり、衛生紙Pを濡れにくくして衛生上の向上を図ることができる。更に、押え板1の表面がガイド壁4の基端から押え板1の外周縁側に向けて傾斜形成されているので、水が押え板1の上面に落下しても、水を押え板1の周囲に流すことができ、そのため、押え板1上に水が残りにくくなるので、より一層衛生上の向上を図ることができる。他の作用,効果は上記と同様である。
【0095】
図示しないが、このまた別の実施の形態に係る衛生紙用取出し補助具Kの変形例を示す。これは、図4及び図5に示す傘体40と同様に、扉50を、上端に頂点を有した断面円弧状、若しくは、山形状に形成し、扉50の表面に受けられた水を押え板1の表面に流下可能にしたものである。これにより、扉50に当接した水が押え板1の表面に流下していくので、扉50の表面に水が残る事態を防止することができ、それだけ、衛生上の向上を図ることができる。
【0096】
図9には、本発明の更にまた別の実施の形態に係る衛生紙用取出し補助具Kを示している。この衛生紙用取出し補助具Kは、図1乃至図3に示す衛生紙用取出し補助具Kの変形例である。これは、規制手段としての脚体10を、凹断面L状のアングル状に形成し、押え板1の4つのコーナー部から、夫々、一体に垂設したものである。上記と同様に、4つの脚体10が、包装袋Fを介して積層体Wの側面に沿うので、押え板1が包装袋Fの上面の面方向に動こうとしても、動きを規制することができる。この脚体10の構成は、図4乃至図8に示すタイプの補助具Kにも適用することができる。
【0097】
図10(a)(b)には、本発明の他の実施の形態に係る衛生紙用取出し補助具Kを示す。図10(a)に示す衛生紙用取出し補助具Kは、図1乃至図3に示す補助具Kから、脚体10を取り除いたものであり、平板状の押え板1にガイド壁4を設け、押え板1の裏面に規制手段としての粘着剤20を設け、押え板1及びガイド壁4の表面に抗菌性材料30を担持したものである。また、これらの表面のみならず裏面を含む全面に抗菌性材料を担持することが望ましい。
【0098】
図10(b)に示す衛生紙用取出し補助具Kは、図10(a)に示す補助具Kから、ガイド壁4を取り除いたものであり、平板状の押え板1の開口3を取出口2として構成し、押え板1の裏面に規制手段としての粘着剤20を設け、押え板1の表面に抗菌性材料30を担持しただけのものである。押え板1の表面のみならず裏面を含む全面に抗菌性材料を担持することが望ましい。これらは、脚体10による包装袋Fの押さえはないが、粘着剤20により包装袋Fを押えるので、基本的作用,効果は上記と同様である。
【0099】
図11には、本発明のまた他の実施の形態に係る衛生紙用取出し補助具Kを示している。これは、上記図1乃至図3に示す補助具Kから粘着剤20を取り除いたものである。粘着剤20の機能はないが、脚体10により上記と同様の作用,効果を奏する。
【0100】
図12及び図13には、本発明の更にまた他の実施の形態に係る衛生紙用取出し補助具Kを示している。これは、上記図1乃至図3に示す補助具Kから粘着剤20を取り除くとともに、押え板1の裏面に、スリットSに挿入されて積層体Wに載置可能、且つ、スリットSを構成する一方縁部Sa及び他方縁部Sbに夫々当接し互いに取出口2に至る衛生紙Pの通過を許容する間隔を持って対峙する規制手段としての一対の凸条60,60を突設したものである。一対の凸条60,60は、押え板1の裏面側であって、開口3の長手方向の縁部に沿って平行に突設されている。尚、一対の凸条60,60は両端で繋がっていて全体では枠状になって突設されていても良い。
【0101】
これにより、補助具Kを装着すると、凸条60がスリットS内に入って積層体Wの上面に載置される。そのため、スリットSを構成する一方縁部Sa及び他方縁部Sbが夫々凸条60に当接し、スリットSを開いた状態に保持する。このため、積層体Wを凸条60で押さえながら、衛生紙Pの取出しを安定して行うことができる。
【0102】
この場合、押え板1が包装袋Fの上面の面方向に動こうとしても、スリットSの一方縁部Sa及び他方縁部Sbが夫々凸条60に当接して押さえるので、動きが規制され、そのため、包装袋Fの上面に対してずれたり、包装袋Fから脱落する事態を防止することができ、安定して衛生紙Pの取出し機能を発揮させることができる。また、衛生紙Pを取出す際、包装袋Fの上面が衛生紙Pに引きずられて取出口2から飛び出してこようとするが、スリットSを構成する一方縁部Sa及び他方縁部Sbが夫々凸条60に当接するので、包装袋Fの上面が取出口2から飛び出す事態を防止することができ、この点でも衛生紙Pの取出し機能の低下を防止することができる。他の作用,効果は上記と同様である。尚、この構成においては、脚体10を特に設けなくても所要の作用,効果を奏する。また、上記と同様に粘着剤20を設けてよいことは勿論である。
【0103】
図14には、本発明の実施の形態に係る包装袋Fを示している。これは、上記の図1乃至図10に示した衛生紙用取出し補助具Kから粘着剤20を取り除いた補助具K、あるいは、上記の図11図12及び図13に示した最初から粘着剤20を備えていない補助具Kに適用可能な包装袋Fである。図14では、補助具Kとして、図11に示す補助具Kを示す。この包装袋Fは、上記と同様に、複数の矩形状の衛生紙Pが積層され略直方体状に形成された積層体Wを収容するとともに積層体Wの最上位の衛生紙Pを引出して取出し可能なスリットSを上面中央且つ積層体Wの折れ線Zの方向に沿って形成可能に構成されている。
【0104】
そして、この包装袋Fにおいては、その上面に、押え板1の裏面に引き剥し可能に着接する規制手段としての粘着剤20が付設されている。粘着剤20としては、帯状に形成されたものが一対設けられ、夫々、スリットSの両側に夫々設けられている。粘着剤20の着接面には、表面が他には非接着の保護シート21が予め被着されている。保護シート21は、使用時に剥され、粘着剤20の着接面は露出させられる。尚、粘着剤20は、帯状の形状に限定されるものではなく、適宜の形状に形成してよい。また、その数も一対に限定されるものではなく、3以上を適宜位置に配置してよいことは勿論である。
【0105】
これにより、この衛生紙用取出し補助具Kを使用するときは、今、未使用状態の積層体Wを収容した包装袋Fの場合で説明すると、予め包装袋Fの上面のスリットSを開封し、この開封したスリットSから積層体Wの最上位の衛生紙Pを少し引出しておき、この状態で、補助具Kを装着する。この際には、押え板1の取出口2から包装袋FのスリットSから引出した衛生紙Pが飛び出すようにしながら押え板1を包装袋Fの上面に載置する。押え板1を載置すると、包装袋Fの表面には粘着剤20が付設されているので、包装袋Fの上面が粘着剤20を介して押え板1の裏面に着接される。
【0106】
そして、衛生紙Pを取出すときは、取出口2から飛び出している衛生紙Pを引出す。衛生紙Pは順に折返し片の裏面同士が相互に対面させられて積層されているので、一枚ずつ順に連続的に取出すことができる。この場合、積層体Wは、包装袋Fの上面を介して押え板1に押さえられ、積層体Wには補助具Kの重さがかかるので、その取出しを安定して行うことができる。この場合、押え板1の裏面と包装袋Fの上面との間に粘着剤20が介装されこれらが互いに着接し、押え板1の包装袋Fの上面に対する面方向の移動が規制されるので、押え板1が包装袋Fの上面に対してずれたり、包装袋Fから脱落する事態を防止することができ、安定して衛生紙Pの取出し機能を発揮させることができる。また、衛生紙Pを取出す際、包装袋Fの上面が衛生紙Pに引きずられて取出口2から飛び出してこようとするが、押え板1の裏面と包装袋Fの上面との間に粘着剤20が介装されているので、包装袋Fの上面が取出口2から飛び出す事態を防止することができ、この点でも衛生紙Pの取出し機能の低下を防止することができる。
【0107】
また、衛生紙Pを使用して積層体Wの高さが低くなってくると包装袋Fの上側に空になる部分が生じるが、押え板1は包装袋Fを押えているので、この空になった部分が押し潰されて従来のように嵩張ることがなく、そのため、包装袋Fの空になった部分に衛生紙Pが入り込んで取出しにくくなる事態を防止することができ、スリットS及び取出口2から確実に最上位の衛生紙Pを突出させることができ、衛生紙Pの取出し機能が低下する事態を防止することができる。
【0108】
更に、この場合、例えば、衛生紙Pを取出す手が水で濡れているような場合には、水が押え板1の表面に落下して付着するが、押え板1の表面なので、容易に拭取ることができ、落下した水に対する対処も容易にできるようになり、衛生上の向上も図ることができる。
【0109】
尚、上記実施の形態において、各部の形状や大きさは上述したものに限定されるものではなく、適宜変更して差支えない。また、上記実施の形態において、各部の材質も樹脂に限らず、金属や木材等を用いて良く、適宜変更して差支えない。また、上記実施の形態においては、粘着剤20の設け方としては、押え板1の裏面に予め設けておくタイプ(図1乃至図10)、あるいは、包装袋Fの上面に予め設けておくタイプ(図14)を示したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、押え板1及び包装袋Fとは別途に用意して、使用時に押え板1の裏面と包装袋Fの上面との間に介装させるようにしてよい。この場合には、粘着剤20として両面テープのような帯状のものを用いることができる。粘着剤20の着接面には、表面が他には非接着の保護シートを予め被着しておき、使用時にこの保護シートを剥して粘着剤20の着接面を露出させるようにすることが望ましい。
【0110】
更に、上記の実施の形態においては、包装袋Fに包装された積層体Wとして、二つ折りされて折れ線Zを境にして一対の折返し片を有した複数の矩形状の衛生紙Pが順に折返し片の裏面同士を相互に対面させて積層された略直方体状のものに適用した場合で説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、単に衛生紙Pが順に積層されたものであっても適用できることは勿論である。この場合には、衛生紙Pを取出し易いようにするために、取出口2や開口3を大きく形成することが望ましいい。要するに、本発明は、上述した本発明の実施の形態に限定されず、当業者は、本発明の新規な教示及び効果から実質的に離れることなく、これら例示である実施の形態に多くの変更を加えることが容易であり、これらの多くの変更は本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0111】
K 衛生紙用取出し補助具
F 包装袋
S スリット
Sa 一方縁部
Sb 他方縁部
P 衛生紙
W 積層体
Z 折れ線
1 押え板
2 取出口
3 開口
4 ガイド壁
5 一方壁
6 他方壁
7 支持壁
8 切除部
10 脚体(規制手段)
20 粘着剤(規制手段)
21 保護シート
30 抗菌性材料
40 傘体
50 扉
51 回動軸
52 軸受部
53 ストッパ
60 凸条(規制手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15