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  • 特開-非磁性要素の使用による磁石の保護 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022100251
(43)【公開日】2022-07-05
(54)【発明の名称】非磁性要素の使用による磁石の保護
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20220628BHJP
   H04R 1/10 20060101ALI20220628BHJP
   H04R 25/00 20060101ALI20220628BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20220628BHJP
   H02H 7/00 20060101ALI20220628BHJP
【FI】
H02J7/00 301D
H04R1/10 101B
H04R1/10 104E
H04R25/00 A
H02J7/00 S
H02J50/10
H02H7/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021196228
(22)【出願日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】PA202070871
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(71)【出願人】
【識別番号】503021401
【氏名又は名称】ジーエヌ ヒアリング エー/エス
【氏名又は名称原語表記】GN Hearing A/S
【住所又は居所原語表記】Lautrupbjerg 7, 2750 Ballerup, Denmark
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ヴィルト フォレスト
(72)【発明者】
【氏名】エミル ホルム クヌーセン
(72)【発明者】
【氏名】マイク タンズウェル
【テーマコード(参考)】
5D005
5G053
5G503
【Fターム(参考)】
5D005BB02
5G053AA16
5G053FA06
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA14
5G503GB08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】充電中に装置同士を一緒に保持するための磁石を備え、聴覚装置の充電中の聴覚装置と充電器との間の吸引力を改善し、外部からの衝撃から保護することでユーザに対するあらゆる危険を排除する聴覚装置及び充電装置を備えるシステムを提供する。
【解決手段】聴覚装置/充電器システム2において、充電装置6は、聴覚装置4を受け入れ、聴覚装置を充電する。聴覚装置は、聴覚装置磁石8と、受容充電要素10と、を備える。充電装置は、充電装置磁石12と、供給充電要素14と、を備える。聴覚装置磁石及び充電装置磁石は、充電するときに聴覚装置を充電装置内に保持する。供給充電要素は、聴覚装置の充電を行う。このシステムは、聴覚装置が充電装置内に受け入れられたときに、聴覚装置磁石と充電装置磁石との間に設けられる非磁性要素16、16’を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
聴覚装置と充電装置とを備えるシステムであって、前記充電装置は、前記聴覚装置を受け入れ、前記聴覚装置を充電するように構成され、
前記聴覚装置は、聴覚装置ハウジング内に配置された聴覚装置磁石と受容充電要素とを備え、
前記充電装置は、充電装置ハウジング内に配置された充電装置磁石と供給充電要素とを備え、
前記聴覚装置磁石および前記充電装置磁石は、充電するときに前記聴覚装置を前記充電装置内に保持するように構成され、
前記供給充電要素は、前記聴覚装置の充電を実行するように構成され、
前記システムは、前記聴覚装置が前記充電装置内に受け入れられたときに、前記聴覚装置磁石と前記充電装置磁石との間に設けられる非磁性要素を備える、
システム。
【請求項2】
前記非磁性要素は、前記充電装置内に設けられている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記非磁性要素は、前記聴覚装置内に設けられている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記非磁性要素は、金属、プラスチック、炭素繊維、紙、および/または布から作製されている、請求項1~3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記非磁性要素は、0.3mm未満の厚さを有する、請求項1~4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
前記非磁性要素は、前記聴覚装置磁石と前記充電装置磁石とが互いに対向する第1の表面に前記非磁性要素を配置することによって、前記聴覚装置磁石と前記充電装置磁石との間に設けられる、請求項1~5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
前記非磁性要素は、前記聴覚装置磁石および/または前記充電装置磁石の側面に沿う第2の面に配置される、請求項1~6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
前記非磁性要素は、前記充電装置内の第1の非磁性要素と、前記聴覚装置内の第2の非磁性要素とを備える、請求項1~7のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
聴覚装置を受け入れて充電するように構成された充電装置であって、前記充電装置は、充電装置磁石と、供給充電要素とを備え、
前記充電装置磁石は、充電するときに前記充電装置内に前記聴覚装置を保持するように構成され、
前記供給充電要素は、前記聴覚装置の充電を実行するように構成され、
前記充電装置は、非磁性要素を備え、
前記非磁性要素は、前記充電装置内に前記聴覚装置が受け入れられたときに、前記充電装置磁石が前記聴覚装置に対向する第1の表面に配置される、
充電装置。
【請求項10】
充電装置によって受け入れられ、充電されるように構成された聴覚装置であって、前記聴覚装置は、聴覚装置磁石と、受容充電要素とを備え、
前記聴覚装置磁石は、充電するときに前記聴覚装置を前記充電装置内に保持するように構成され、
前記聴覚装置は、非磁性要素を備え、
前記非磁性要素は、前記充電装置内に前記聴覚装置が受け入れられたときに、前記聴覚装置磁石が前記充電装置に対向する第1の面に配置される、
聴覚装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、システム、および当該システムの一部を形成し、充電中に装置同士を一緒に保持するための磁石を備えるシステムおよび充電可能装置に関する。
【背景技術】
【0002】
充電式補聴器は、アルカリ電池を使用する従来の補聴器と比較して、必要なメンテナンスが少ないため、人気が高まっている。充電式補聴器は、古い電池が消耗するたびに新しい電池を購入する必要がないので、ユーザにとって余分なコストを発生させない。さらに、充電式補聴器は、他にも利点を有し、防水性があり、堅牢性があり、環境に優しく、新しいアーキテクチャを可能にする。充電式聴覚装置は、典型的にはワイヤレスで充電される。
【0003】
ワイヤレス充電は種々の利点を有し、充電装置を充電パッドに置くだけでよいので、簡単である。さらに、毎回抜き差しされるプラグがないため、充電ポートの機械的負担が軽減される。さらに、ワイヤレス充電は絶えず発展しており、そのため、ワイヤレス充電パッドが様々な場所に設置され、ユーザが充電のために装置を置くだけでよくなることが、ますます一般的になるであろう。これは、特別なタイプ、すなわちカスタムタイプの充電パッドを必要としない標準的な装置に適用される。
【0004】
一方で、ワイヤレス充電は、一般的に有線充電よりも遅い。なぜなら多くの場合、充電装置および充電器は、効率が低いために好適にエネルギーが伝達されない場合があるからであり、特に、充電装置が、聴覚装置のように特殊な形状を有している場合にそうである。それらの特殊な形状のために、聴覚装置は、単純な充電パッドではなく、充電ステーションを必要とすることがある。したがって、充電システム内の定位置に聴覚装置を保持する磁石を保護しながら、充電器内の聴覚装置の最適な充電を確実にする必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態の目的は、聴覚装置の充電中の、聴覚装置と充電器との間の吸引力が改善された、聴覚装置/充電器システムを提供することである。
【0006】
本発明の実施形態のさらなる目的は、外部からの衝撃から保護された磁石を有する聴覚装置/充電器システムを提供することである。
【0007】
また、本発明の実施形態の目的は、聴覚装置/充電器システムの磁石との接触に関連するユーザに対するあらゆる危険を排除することである。
【0008】
本発明の実施形態のさらなる目的は、小型化された聴覚装置を提供することである。
【0009】
また、本発明の実施形態の目的は、小型化された対応する充電装置を提供することである。
【0010】
本発明の実施形態のさらに別の目的は、最適化された充電能力を有する聴覚装置/充電器システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の態様では、聴覚装置および充電装置を備えるシステムが開示される。充電装置は、聴覚装置を受け入れ、聴覚装置を充電するように構成される。聴覚装置は、聴覚装置磁石と、受容充電要素とを備える。充電装置は、充電装置磁石と、供給充電要素とを備える。聴覚装置磁石および充電装置磁石は、充電するときに聴覚装置を充電装置内に保持するように構成される。供給充電要素は、聴覚装置の充電を行うように構成される。システムは、聴覚装置が充電装置内に受け入れられたときに、聴覚装置磁石と充電装置磁石との間に設けられる非磁性要素を含む。
【0012】
聴覚装置は、ヘッドセット、補聴器、イヤホン、または同様のものであってよい。システムは、同様の特徴および特性を有する2つの聴覚装置を備えてもよい。一方の聴覚装置はユーザの右耳に適合し、他方の聴覚装置はユーザの左耳に適合してもよい。あるいは、両方の補聴器は、ユーザの両耳に適合するように形成されてもよい。2つの聴覚装置は、互いに機械的に接続されてもよいし、ワイヤレスに接続されてもよいし、2つの完全に別個の装置であってもよい。聴覚装置は、充電装置によってのみ充電され得るコードレス充電式電子装置であってもよい。充電装置は、聴覚装置を受け入れるように構成された充電器を表す。すなわち、聴覚装置を充電器、すなわち充電器ケースに配置することができる。充電器ケースは、形成されたキャビティ内に聴覚装置を配置することができるように、通常、聴覚装置の1つの凹形状を有する1つまたは2つのキャビティまたはシェルを形成する。聴覚装置は、少なくとも部分的に充電器キャビティ内に受け入れられてもよい。充電装置は、聴覚装置を充電するように構成される。充電器自体は、聴覚装置を充電する充電式電池の形態であってもよく、または電気ソケットに差し込まれている間に聴覚装置を充電する装置の形態であってもよい。
【0013】
聴覚装置は、聴覚装置磁石を備える。磁石は、典型的には、プリント回路基板、スピーカ、アンテナ、マイクロホンなどの、聴覚装置の他のコンポーネントとともに聴覚装置ハウジング内に配置される。典型的には、磁石は、聴覚装置が充電器装置と係合する表面の近くに配置される。磁石は、ハウジング材料によって覆われ周囲に露出していなくてもよい。2つの聴覚装置がある場合、各装置が磁石を備えてもよい。聴覚装置磁石は、正方形の磁石、円筒形の磁石、楕円形の磁石、または同様のものであってもよい。磁石の形状は、通常、聴覚装置ハウジング及びその中に配置された他のコンポーネントのサイズに依存する。充電式聴覚装置は小型であるため、空間要件が厳しく、磁石を含む全ての聴覚装置コンポーネントが小型化に向かう一定の傾向がある。磁石は、ミリメートル範囲の直径を有してもよい。
【0014】
聴覚装置はまた、受容充電要素を備える。聴覚装置は、2つの受容充電要素を備えてもよい。受容充電要素は、このポータブル聴覚装置に電力を提供する充電器からの充電を受容する。前記受容充電要素は、導電充電をするように構成されてもよい。導電充電は、導電電力伝達を使用する。導電充電要素は、導体であってもよく、特に、充電パッドの形態であってもよい。代替的に、受容充電要素は、誘導充電するように構成されてもよく、コンデンサによって任意選択的に補助される誘導コイルの形態であってもよい。この場合、エネルギーは誘導結合を介して伝達される。システム内に2つの聴覚装置がある場合、各聴覚装置が受容充電要素を備える。
【0015】
同様に、充電装置は、聴覚装置を受け入れるように構成されたキャビティ内に典型的に配置された充電装置磁石を備える。磁石は、聴覚装置内の対応する磁石を吸引する、自身の永続的磁場を有する。充電装置磁石は、聴覚装置磁石と同様の直径を有してもよい。聴覚装置磁石と同様に、充電器磁石は、聴覚装置がキャビティ内に配置されたときに、聴覚装置磁石を向くように充電器キャビティの表面に配置されてもよい。2つの磁石を互いに近づけて配置し、それらを位置合わせすることで、聴覚装置と充電器の間の良好な吸引力が保証される。充電器は、システムが2つの聴覚装置を備える場合、2つの磁石を備えてもよく、すなわち各聴覚装置に対して1つの磁石を備えてもよい。しかしながら、充電器が、両方の聴覚装置を望ましいように確実に保持するために適切に配置されかつ寸法決めされた1つの磁石を備えることも可能である。
【0016】
また、充電装置は、供給充電要素を備える。充電装置は、2つの供給充電要素を備えてもよい。供給充電要素は、聴覚装置に充電を供給し、それによってポータブル聴覚装置に電力を提供する。すなわち、供給充電要素は、受容充電要素との接続によって聴覚装置の充電を行うように構成されている。供給充電要素は、導電充電するように構成されてもよい。供給充電要素は、導体であってもよく、特に、ポゴピンまたはばね荷重ピンの形態であってもよい。代替的に、供給充電要素は、誘導充電するように構成されてもよく、コンデンサによって任意選択的に補助される誘導コイルの形態であってもよい。この場合、エネルギーは誘導結合を介して伝達される。供給充電要素および受容充電要素は、同じタイプの電力伝達をするように構成される。システム内に2つの聴覚装置がある場合、充電装置は、2つの聴覚装置のそれぞれに1つずつ、2つの供給充電要素を備える。供給充電要素は、効率的な充電を達成するために、通常、受容充電要素と位置合わせされる。供給充電要素は、充電装置磁石の近くに配置されてもよく、同様に、受容充電要素は、聴覚装置磁石の近くに配置されてもよい。
【0017】
聴覚装置磁石および充電装置磁石は、充電するときに聴覚装置を充電装置内に保持するように構成される。2つの磁石間の吸引力を最大にするために、磁石は、聴覚装置および充電器装置の幾何学的形状が許容する限り近くに配置されてもよい。加えて、磁石は、聴覚装置および充電装置の幾何学的形状が許容する限り位置合わせして配置されてもよい。さらに、磁石は、充電中のポゴピンの圧迫を保証し、または誘導充電の場合、磁石によって生成される保持力は、聴覚装置と充電器とが近接してしっかりと接触することを保証し、それによって、誘導充電の効率が改善される。
【0018】
システムは、非磁性要素を備える。この要素は非磁性であり、これは、聴覚装置磁石と充電器磁石との間の磁界を増大させたり、磁界に影響を与えたりしないことを意味する。また、磁石に吸引されない材料を非磁性材料と呼ぶ。なお、鉄、ニッケル、コバルト以外の全ての物質は、非磁性物質であってもよい。非磁性物質は、磁化することができない、すなわち、それらは、他の隣接する要素に磁気特性を誘起しない。非磁性要素は、例えば、鋼、ナトリウム、アルミニウム、またはマグネシウムなどの金属、プラスチック、炭素繊維、紙、ゴム、および/または布であってもよい。非磁性要素は、シート、薄板、箔、ディスク、缶等であってもよい。
【0019】
全ての物質は、ある種の磁性を示し得る。磁性材料は、それらの体積磁化率に従って分類される。強磁性は、日常生活で遭遇する磁気の影響の大部分に関与している。アルミニウムや酸素のような常磁性物質は印加された磁場に弱く吸引され、銅や炭素のような反磁性物質は弱く反発され、クロムやスピングラスのような反強磁性材料は磁場とより複雑な関係を有する。常磁性材料、反磁性材料、および反強磁性材料に対する磁石の力は、通常、弱すぎて感じることができず、実験機器によってのみ検出することができ、したがって、日常生活では、これらの物質は、しばしば、非磁性として記載される。したがって、非磁性材料は、常磁性材料、反磁性材料、または反強磁性材料であってもよい。
【0020】
非磁性要素は、聴覚装置が充電装置内に受け入れられるときに、聴覚装置磁石と充電装置磁石との間に設けられる。
【0021】
聴覚装置磁石と充電装置磁石との間に非磁性要素を設ける、配置する、または位置させることにより、聴覚装置磁石と充電器磁石との間の距離が減少する。聴覚装置磁石と充電器磁石との間には、非磁性要素以外の材料がなくてもよい。
【0022】
聴覚装置磁石と充電器磁石との間の距離が減少することが利点である。聴覚装置磁石と充電装置磁石との間の距離が減少するため、磁石間の吸引力が増大する。吸引力が増加するので、少なくとも一方の磁石のサイズを小さくすることができる。磁石のサイズを小さくすることにより、装置全体のサイズを小さくしうる。代替的に、距離の減少は、聴覚装置及び/又は充電器装置内により大きな磁石のための空間を提供してもよく、これは、吸引力を更に増大させる。
【0023】
磁石が非磁性要素によって保護されることが利点である。非磁性要素は、聴覚装置および/または充電装置の磁石と直接接触するように配置され得るので、磁石を保護するための追加の空間を必要としない。非磁性要素は、外部からの衝撃から磁石を保護する。非磁性要素はまた、磁石の表面を磨耗から保護してもよい。非磁性要素はまた、磁石との直接の接触からユーザを保護してもよく、これは、アレルギー等のリスクを低減することができる。
【0024】
非磁性要素は、聴覚装置磁石と充電装置磁石との間に典型的に設けられる材料より薄くてもよいので、聴覚装置の磁石と充電器の磁石との間の距離が減少する。聴覚装置磁石と充電装置磁石との間に典型的に又は慣習的に設けられる材料は、聴覚装置及び充電器のプラスチックハウジング又はシェルである。
【0025】
非磁性要素は、例えば、聴覚装置および/または充電器のシェルまたはプラスチック材料内に成形、インモールド成形、または圧入されてもよい。成形、インモールド成形、圧入などの方法を用いて非磁性要素を配置することにより、聴覚装置の磁石と充電器の磁石との間の距離が減少、例えば最小化される。
【0026】
従来技術では、磁石は、イヤホン等の聴覚装置のハウジング及び充電器のハウジングの内側に接着される。製造においてプラスチック成形を使用する場合、プラスチックハウジングをどれだけ薄くできるかには限界がある。この限界は、約0.3mmであることがあり、これは、従来のプラスチックハウジング材料が磁石間に設けられるときに、磁石が互いに対して0.6mmの最小距離にあることを意味する。
【0027】
従って、非磁性要素、例えば金属板を非常に薄くし、丈夫にすることができることが利点である。金属厚さ0.1mmでは、聴覚装置の磁石と充電器の磁石との間の最小距離が0.2mmとなり、それによって、従来技術と比較して距離が約0.4mm短くなる。
【0028】
いくつかの実施形態において、非磁性要素は、充電装置内に設けられてもよい。非磁性要素は、充電装置磁石と直接接触してもよく、聴覚装置が充電器内に配置されたときに、聴覚装置を向いて配置されてもよい。通常、充電装置磁石は、充電装置ケースを形成する材料によって外部からの衝撃から保護される。それは、通常、成形プラスチック材料である。本発明によれば、充電磁石を覆うための従来のプラスチック材料の代わりに非磁性要素が配置されてもよい。充電装置内にカバー材料の代わりに非磁性要素を設けることにより、磁石は依然として保護される一方、聴覚装置の磁石と充電器の磁石との間の距離は増大しない。同時に、聴覚装置磁石と充電装置磁石との間の距離が減少するため、磁石間の吸引力が増大する。吸引力が増大加するので、少なくとも一方の磁石のサイズを小さくすることができる。磁石のサイズを小さくすることにより、装置全体のサイズが小さくなりうる。
【0029】
いくつかの実施形態では、非磁性要素は、聴覚装置内に設けられてもよい。非磁性要素は、聴覚装置磁石と直接接触してもよく、聴覚装置が充電器内に配置されるときに、充電装置を向いて配置されてもよい。通常、聴覚装置磁石は、聴覚装置ハウジングを形成する材料によって外部からの衝撃から保護される。それは、通常、成形プラスチック材料であり、それは同時に、聴覚装置のユーザを電子部品および聴覚装置の磁石から保護する。本発明によれば、非磁性要素は、聴覚装置磁石を覆うための従来のプラスチック材料の代わりに配置されてもよい。聴覚装置内にカバー材料の代わりに非磁性要素を設けることにより、聴覚装置磁石は依然として保護される一方、聴覚装置の磁石と充電器の磁石との間の距離は増大しない。同時に、聴覚装置磁石と充電装置磁石との間の距離が減少するため、聴覚装置が充電器内に配置されたときに磁石間の吸引力が増大する。非磁性要素を聴覚装置内に配置することは、非磁性要素を充電装置内に配置する場合と同様の利点を提供する。
【0030】
いくつかの実施形態では、非磁性要素は、金属、プラスチック、炭素繊維、紙、および/または布から作製される。原則として、非磁性要素は、非磁性である任意の材料から作製されてよいが、当該材料は、インモールド成形のように、聴覚装置ハウジングおよび/または充電器内に配置されるのに適している必要があり、薄くて丈夫である必要がある。
【0031】
非磁性材料は、オーステナイト系ステンレス鋼又はフェライト系ステンレス鋼のようなステンレス鋼であってよい。ガンマ相鉄(γ-Fe)としても知られているオーステナイトは金属であり、合金元素を有する、鉄の非磁性同素体または鉄の固溶体である。
【0032】
非磁性材料は、優れた耐食性を有する医療器具に使用することができる医療向け材料であってもよい。ユーザの皮膚と通常密接に接触する補聴器に関しては、医療向け材料の使用が重要であり得る。
【0033】
非磁性材料は、良好な耐応力腐食割れ性を有し得、応力腐食割れの影響を受けにくく、特定の有機酸および硝酸などの多数の物質に対して良好な耐食性を有し得、穏やかな腐食条件において有用であり得る。非磁性材料は、耐熱性及び耐酸化性を有してもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、非磁性要素は、0.3mm未満の厚さを有する。非磁性要素は、約0.2mm又は約0.1mmの厚さを有してもよい。非磁性要素の厚さは、プラスチックハウジングの厚さより小さくてもよく、これは、成形によって製造される場合、典型的には最小0.3mmである。
【0035】
いくつかの実施形態では、非磁性要素は、聴覚装置磁石または充電装置磁石の幅よりも大きい幅を有してもよい。非磁性要素は、3.1mm~3.5mmの間の範囲の幅を有していてもよい。典型的には、聴覚装置内の磁石は、幅約3.1mm、深さ約2.3mm、高さ約1.5mmであり、一方、充電装置磁石は、幅約3.1~6.2mm、深さ約2.3~4.6mm、高さ約1.5~5.2mmである。非磁性要素は、典型的には、磁石の表面全体を覆うようにサイズ決めされる。
【0036】
いくつかの実施形態では、非磁性要素は、聴覚装置磁石と充電装置磁石とが互いに対向している第1の表面に非磁性要素を配置することによって、聴覚装置磁石と充電装置磁石との間に設けられてもよい。通常、充電装置の磁石と聴覚装置の磁石は互いに位置合わせされているため、充電器内に配置されたときに最大限の利用可能な磁力が聴覚装置に働く。このような配置は、聴覚装置が充電装置内に保持され、さらに充電中に充電要素が圧迫されることを確実にする。したがって、非磁性要素は、位置合わせされた磁石間の第1の表面に配置されてもよい。これにより、非磁性要素も磁石と位置合わせされる。第1の表面は、聴覚装置磁石と位置合わせされるとともに環境に曝される、聴覚装置の表面であってもよい。第1の表面は、充電装置磁石と位置合わせされるとともに環境に曝される、充電装置の表面であってもよい。非磁性要素は、磁石の第1の表面全体を覆ってもよい。非磁性要素は、磁石の第1の表面のみを覆ってもよく、磁石の他の表面を覆わなくてもよい。代替的に、非磁性要素は、磁石の第1の表面と磁石の1つまたは複数の他の表面の両方を覆ってもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、非磁性要素は、聴覚装置磁石および/または充電装置磁石の側面に沿った第2の表面に配置される。非磁性要素は、第1の表面及び第2の表面の両方に配置されてもよい。第2の表面は、第1の表面に対して垂直であってもよい。非磁性要素は、磁石の第1の表面全体を覆ってもよい。非磁性要素は、磁石の第2の表面全体を覆ってもよく、または、非磁性要素は、磁石の第2の表面の半分、または磁石の第2の表面の3分の1もしくは4分の1など、磁石の第2の表面の一部のみを覆ってもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、非磁性要素は、充電装置内の第1の非磁性要素と、聴覚装置内の第2の非磁性要素とを備えてもよい。すなわち、1つの非磁性要素が、聴覚装置および充電装置のそれぞれに配置される。両方の装置内に非磁性要素を配置することにより、従来の装置と比較して聴覚装置と充電装置との間の距離が減少し、これにより聴覚装置と充電装置の間の保持力が増大することになる。保持力が増大するので、通常使用されているものよりも小さな磁石を使用することができる。これにより、聴覚装置内および充電器内の両方の空間が節約され、これらの装置をより小さくすることができ、または節約された空間を他のコンポーネントの配置のために使用することができる。第1および第2の非磁性要素は、聴覚装置および充電装置のうちの一方の一部を形成するように配置された非磁性要素に関して上述したように、同じサイズを有してもよく、同じ材料から作製されてもよい。
【0039】
第2の態様では、聴覚装置を受け入れ、充電するように構成された充電装置が開示される。充電装置は、充電装置磁石と、供給充電要素とを備える。充電装置磁石は、充電するときに聴覚装置を充電装置内に保持するように構成されている。供給充電要素は、聴覚装置の充電を行うように構成されている。充電装置は、非磁性要素を備える。非磁性要素は、充電装置内に聴覚装置が受け入れられたときに、充電装置磁石が聴覚装置に対向する第1の充電装置表面に配置される。
【0040】
第3の態様では、充電装置によって受け入れられ、充電されるように構成された聴覚装置が開示される。聴覚装置は、聴覚装置磁石と、受容充電要素とを備える。聴覚装置磁石は、充電するときに聴覚装置を充電装置内に保持するように構成される。聴覚装置は、非磁性要素を備える。非磁性要素は、充電装置内に聴覚装置が受け入れられたときに、聴覚装置磁石が充電装置に対向する第1の聴覚装置表面に配置される。
【0041】
第4の態様では、第1の態様のシステム内に非磁性要素を配置するための方法が開示される。本方法は、非磁性要素を、聴覚装置磁石と充電装置磁石とが互いに対向する第1の表面に配置する工程を備える。非磁性要素は、聴覚装置磁石及び充電装置磁石の少なくとも一方の周囲に少なくとも部分的に配置されている。非磁性要素は、磁石の外側にあり、聴覚装置および/または充電器のハウジングの外側にある。非磁性要素の外側には、成形プラスチック材料のような他の材料が存在しなくてもよい。非磁性要素は、聴覚装置が充電器内にあるときに、システムの他の装置、すなわち充電器または聴覚装置と磁石との両方と直接接触することができる。本方法は、第2の態様の充電器内に非磁性要素を配置する工程を備えてもよい。本方法は、第3の態様の聴覚装置内に非磁性要素を配置する工程を備えてもよい。したがって、非磁性要素は、聴覚装置に設けられてもよい。非磁性要素は、充電器に設けられてもよい。非磁性要素は、聴覚装置及び充電器の両方に設けられてもよい。聴覚装置および/または充電器は、成形によって製造されてもよい。成形は、モールドと呼ばれる剛性フレームを使用して液体または順応性のある原材料を形作ることによる製造プロセスである。モールドは、プラスチックまたは金属などの液体または順応性のある材料で満たされた中空ブロックである。液体は、モールドの内部で硬化または凝結し、モールドの形状をとる。
【0042】
ハウジングの材料は、充電装置および/または聴覚装置を形成する成形プラスチック材料であってもよい。ハウジング材料は、磁石間の磁場を乱さないであろう。非磁性要素プレートと同様に、ハウジング材料は、高い弾性および靭性を有するように、ならびに一般的な反応性が低く生体適合性であるように選択されてもよい。
【0043】
本方法のいくつかの実施態様において、非磁性要素を配置する工程は、圧入、インモールド成形、及び/又は接着によって行われる。非磁性材料は、聴覚装置のハウジング及び/又は充電器のハウジング内に配置される。非磁性要素は、例えばプラスチックハウジングの成形と同じ成形プロセス中にインモールド成形によって配置されてもよい。非磁性要素は、ハウジングが例えば成形により製造された後、例えば非磁性要素をハウジングに圧入することにより、配置されてもよい。非磁性要素は、ハウジングが例えば成形により製造された後、例えば非磁性要素をハウジングに接着することにより、配置されてもよい。非磁性要素は、ハウジングが例えば成形により製造された後、例えば非磁性要素をハウジング上で超音波または熱で溶融することにより、配置されてもよい。
【0044】
本発明は、上記および以下に記載されるシステム、ならびに対応するシステム部分、すなわち、聴覚装置および充電装置を含む様々な態様に関し、それぞれが上述の第1の態様に関連して記載される利益および利点をもたらし、それぞれが上述の第1の態様に関連して記載され、および/または、添付の特許請求の範囲に開示される実施形態に対応する1つまたは複数の実施形態を有する。
【0045】
上記および他の特徴および利点は、添付の図面を参照した例示的な実施形態の以下の詳細な説明によって、当業者に容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】聴覚装置および充電装置を備えるシステムの例示的な実施形態を概略的に示す。
図2】第1および第2の聴覚装置と、充電装置とを備えるシステムの例示的な実施形態を概略的に示す。
図3】聴覚装置を備えるシステムの例示的な実施形態を概略的に示す。
図4】聴覚装置を備えるシステムの例示的な実施形態を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
様々な実施形態が、図面を参照して以下に記載される。全体を通して、同様の参照番号は同様の要素を指す。したがって、同様の要素については、各図の説明に関して詳細には説明しない。また、図面は、実施形態の説明を容易にすることのみを意図していることにも留意されたい。それらは、特許請求の範囲に記載された発明の網羅的な説明として、または特許請求の範囲に記載された発明の範囲に対する限定として意図されていない。さらに、図示された実施形態は、示された態様または利点のすべてを有する必要はない。特定の実施形態に関連して説明される態様または利点は、必ずしもその実施形態に限定されず、そのように図示されていなくても、またはそのように明示的に説明されていなくても、任意の他の実施形態で実施されてよい。
【0048】
全体を通して、同じ参照番号は、同一または対応する部分に使用される。
【0049】
図1は、聴覚装置4および充電装置6を備えるシステム2の例示的な実施形態を概略的に示す。充電装置6は、聴覚装置4を受け入れ、聴覚装置4を充電するように構成されている。聴覚装置4は、聴覚装置磁石8と、2つの受容充電要素10などの受容充電要素10とを備える。充電装置6は、充電装置磁石12と、供給充電要素14、例えば2つの供給充電要素14とを備える。また、聴覚装置磁石8及び充電装置磁石12は、充電するときに聴覚装置4を充電装置6内に保持するように構成されている。供給充電要素14は、聴覚装置4の充電を行うように構成されている。システム2は、聴覚装置4が充電装置6内に受け入れられたときに、聴覚装置磁石8と充電装置磁石12との間に設けられる非磁性要素16、16’を備える。このシステムの概略図では、非磁性要素16は、聴覚装置4の一部を形成しており、充電装置6に対向する聴覚装置4の表面に配置されている。このシステムの概略図では、非磁性要素16’は、充電装置6の一部を形成しており、聴覚装置4に対向する充電装置6の表面に配置されている。
【0050】
非磁性要素16、16’は、聴覚装置磁石8と充電装置磁石12とが互いに対向する第1の表面22、22’に非磁性要素16、16’を配置することによって、聴覚装置磁石8と充電装置磁石12との間に設けられる。非磁性要素16は、聴覚装置磁石8の第1の面22を覆っている。また、非磁性要素16は、聴覚装置磁石8の側面に沿う第2の表面24にも配置されている。非磁性要素16’は、充電装置磁石12の第1の表面22’を覆っている。また、非磁性要素16’は、充電装置磁石12の第2の表面24’にも配置されている。非磁性要素16、16’は、第1の表面22、22’及び第2の表面24、24’の両方に配置されている。第2の表面24、24’は、第1の表面22、22’に対して垂直であってもよい。非磁性要素16、16’は、磁石8、12の第1の表面22、22’の全体を覆っている。非磁性要素16、16’は、磁石8、12の第2の表面24、24’の一部を覆っている。代替的に、非磁性要素16、16’は、磁石の第2の表面全体を覆ってもよい。
【0051】
非磁性要素16、16’は、聴覚装置4及び充電装置6のプラスチックハウジング26、26’内に配置されている。
【0052】
図2は、第1および第2の聴覚装置4を備えるシステム2、18の例示的な実施形態を概略的に示す。図2は、聴覚装置4の少なくとも一部を受け入れるように形作られた充電装置6内に形成されたキャビティ20を示す。この実施形態では、充電装置6、すなわち一方のキャビティ20は、聴覚装置の磁石および充電装置の磁石(不可視)と位置合わせされるように配置された非磁性要素16’を備える。キャビティ20はまた、聴覚装置4の受容充電要素10との接続のために、磁石の側方に配置された供給充電要素14を備える。他方のキャビティ20は、上述したキャビティ20と同じ特徴を備えてよい。
【0053】
非磁性要素16、16’は、聴覚装置4及び充電装置6のプラスチックハウジング26、26’内に配置されている。
【0054】
図3は、聴覚装置4および充電装置(不図示)を備えるシステム2の例示的な実施形態を概略的に示す。充電装置は、聴覚装置4を受け入れ、聴覚装置4を充電するように構成される。聴覚装置4は、聴覚装置磁石8と、受容充電要素(不図示)とを備える。充電装置は、充電装置磁石と、供給充電要素とを備える。聴覚装置磁石8及び充電装置磁石は、充電するときに聴覚装置4を充電装置内に保持するように構成されている。供給充電要素は、聴覚装置4の充電を行うように構成されている。聴覚装置4は、聴覚装置4が充電装置内に受け入れられたときに、聴覚装置磁石8と充電装置磁石との間に設けられる非磁性要素16を備える。このシステムの概略図では、非磁性要素16は、聴覚装置4の一部を形成しており、充電装置に対向する聴覚装置4の表面に配置されている。
【0055】
非磁性要素16は、聴覚装置用磁石8と充電装置用磁石とが互いに対向する第1の表面22に非磁性要素16を配置することにより、聴覚装置磁石8と充電装置磁石との間に設けられている。非磁性要素16は、聴覚装置磁石8の第1の表面22を覆っている。非磁性要素16は、聴覚装置磁石8の側面に沿う第2の表面24にも配置されている。非磁性要素16は、第1の表面22及び第2の表面24の両方に配置されている。第2の表面24は、第1の表面22に対して垂直であってもよい。非磁性要素16は、聴覚装置磁石の第1の表面22の全体を覆っている。非磁性要素16は、聴覚装置磁石8の第2の表面24の一部を覆っている。代替的に、非磁性要素16は、磁石の第2の表面全体を覆ってもよい。
【0056】
非磁性要素16は、聴覚装置4のプラスチックハウジング26内に配置される。
【0057】
代替例として、充電装置は、聴覚装置が充電装置内に受け入れられたときに、聴覚装置磁石と充電装置磁石との間に設けられる非磁性要素を備える。この代替例では、非磁性要素は、充電装置の一部を形成し、聴覚装置に対向する充電装置の表面に配置される。
【0058】
図4は、聴覚装置4および充電装置(不図示)を備えるシステム2の例示的な実施形態を概略的に示す。充電装置は、聴覚装置4を受け入れ、聴覚装置4を充電するように構成される。聴覚装置4は、聴覚装置磁石8と、受容充電要素10とを備える。充電装置は、充電装置磁石と、供給充電要素とを備える。聴覚装置磁石8及び充電装置磁石は、充電するときに聴覚装置4を充電装置内に保持するように構成されている。供給充電要素は、聴覚装置4の充電を行うように構成されている。聴覚装置4は、聴覚装置4が充電装置内に受け入れられたときに、聴覚装置磁石8と充電装置磁石との間に設けられる非磁性要素16を備える。このシステムの概略図では、非磁性要素16は、聴覚装置4の一部を形成しており、充電装置に対向する聴覚装置4の表面に配置されている。
【0059】
非磁性要素16は、聴覚装置磁石8と充電装置磁石とが互いに対向する第1の表面22に非磁性要素16を配置することにより、聴覚装置磁石8と充電装置磁石との間に設けられる。非磁性要素16は、図4では磁石8の第1の表面22のみを覆い、磁石8の他の表面は覆わない。代替的に、非磁性要素16は、図1および図3に見られるように、磁石8の第1の表面22および磁石の1つまたは複数の他の表面(例えば、第2の表面)の両方を覆ってもよい。
【0060】
非磁性要素16は、聴覚装置4のプラスチックハウジング26内に配置される。
【0061】
代替例として、充電装置は、聴覚装置が充電装置内に受け入れられたときに、聴覚装置磁石と充電装置磁石との間に設けられる非磁性要素を備える。この代替例では、非磁性要素は、充電装置の一部を形成し、聴覚装置に対向する充電装置の表面に配置される。
【0062】
特定の特徴が示され、説明されてきたが、それらは、特許請求の範囲に記載された発明を限定することを意図していないことが理解され、特許請求の範囲に記載された発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更および修正がなされてもよいことが、当業者に明らかにされるであろう。したがって、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で見なされるべきである。特許請求の範囲に記載される発明は、全ての代替物、修正物、および均等物を包含することが意図される。
【0063】
[項目1]聴覚装置と充電装置とを備えるシステムであって、前記充電装置は、前記聴覚装置を受け入れ、前記聴覚装置を充電するように構成され、前記聴覚装置は、聴覚装置磁石と、受容充電要素とを備え、前記充電装置は、充電装置磁石と、供給充電要素とを備え、前記聴覚装置磁石および前記充電装置磁石は、充電するときに前記聴覚装置を前記充電装置内に保持するように構成され、前記供給充電要素は、前記聴覚装置の充電を行うように構成され、前記システムは、前記聴覚装置が前記充電装置内に受け入れられたときに、前記聴覚装置磁石と前記充電装置磁石との間に設けられる非磁性要素を備える。
【0064】
[項目2]前記非磁性要素は、前記充電装置内に設けられている、項目1に記載のシステム。
【0065】
[項目3]前記非磁性要素は、前記聴覚装置内に設けられている、項目1に記載のシステム。
【0066】
[項目4]前記非磁性要素は、金属、プラスチック、炭素繊維、紙、および/または布から作製されている、項目1~3のいずれかに記載のシステム。
【0067】
[項目5]前記非磁性要素は、0.3mm未満の厚さを有する、項目1~4のいずれかに記載のシステム。
【0068】
[項目6]前記非磁性要素は、前記聴覚装置磁石と前記充電装置磁石とが対向する第1の表面に前記非磁性要素を配置することにより、前記聴覚装置磁石と前記充電装置磁石との間に設けられる、項目1~5のいずれかに記載のシステム。
【0069】
[項目7]前記非磁性要素は、前記聴覚装置磁石および/または前記充電装置磁石の側面に沿う第2の表面に配置される、項目1~6のいずれかに記載のシステム。
【0070】
[項目8]前記非磁性要素は、前記充電装置内の第1の非磁性要素と、前記聴覚装置内の第2の非磁性要素とを備える、項目1~7のいずれかに記載のシステム。
【0071】
[項目9]聴覚装置を受け入れて充電するように構成された充電装置であって、前記充電装置は、充電装置磁石と、供給充電要素とを備え、前記充電装置磁石は、充電するときに前記充電装置内に前記聴覚装置を保持するように構成され、前記供給充電要素は、前記聴覚装置の充電を実行するように構成され、前記充電装置は、非磁性要素を備え、前記非磁性要素は、前記充電装置内に前記聴覚装置が受け入れられたときに、前記充電装置磁石が前記聴覚装置に対向する第1の表面に配置される、充電装置。
【0072】
[項目10]充電装置によって受け入れられ、充電されるように構成された聴覚装置であって、前記聴覚装置は、聴覚装置磁石と、受容充電要素とを備え、前記聴覚装置磁石は、充電するときに前記聴覚装置を前記充電装置内に保持するように構成され、前記聴覚装置は、非磁性要素を備え、前記非磁性要素は、前記充電装置内に前記聴覚装置が受け入れられたときに、前記聴覚装置磁石が前記充電装置に対向する第1の表面に配置される、聴覚装置。
【0073】
[項目11]項目1に記載のシステムにおいて非磁性要素を配置する方法であって、前記方法は、前記聴覚装置磁石と前記充電装置磁石とが互いに対向する第1の表面に前記非磁性要素を配置する工程を備え、前記非磁性要素は、前記聴覚装置磁石と前記充電装置磁石の少なくとも一方の周囲に少なくとも部分的に配置される、方法。
【0074】
[項目12]前記非磁性要素を配置する工程は、圧入、インモールド成形、および/または接着によって行われる、項目11に記載の方法。
【符号の説明】
【0075】
2:聴覚装置/充電器システム
4:聴覚装置
6:充電装置
8:聴覚装置磁石
10:受容充電装置
12:充電装置磁石
14:供給充電要素
16:聴覚装置の非磁性要素
16’:充電装置の非磁性要素
18:2つの聴覚装置と充電器とを備えるシステム
20:充電器キャビティ
22:聴覚装置磁石の第1の表面
22’:充電装置磁石の第1の表面
24:聴覚装置磁石の第2の表面
24’充電装置磁石の第2の表面
26:聴覚装置のハウジング
26’充電装置のハウジング
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】