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特開2022-100278部品キャリアのスルーホールを光学的に調査する装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022100278
(43)【公開日】2022-07-05
(54)【発明の名称】部品キャリアのスルーホールを光学的に調査する装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/00 20060101AFI20220628BHJP
【FI】
G01B11/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021207216
(22)【出願日】2021-12-21
(31)【優先権主張番号】202023146989.7
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520212406
【氏名又は名称】エーティーアンドエス (チョンチン) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ツァオ
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリー ヘ
【テーマコード(参考)】
2F065
【Fターム(参考)】
2F065AA03
2F065AA07
2F065CC01
2F065DD02
2F065FF01
2F065FF04
2F065JJ03
2F065JJ26
2F065LL11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】製造プロセス中の部品キャリアを効率的に調査する。
【解決手段】装置100は、i)第1の電磁放射ビーム111を軌道T1に沿って出射する電磁放射源110と、ii)調査される部品キャリア101を保持するサンプルホルダ120と、を備え、部品キャリア101が少なくとも1つのスルーホール102を有し、サンプルホルダ120が、第1の電磁放射ビーム111の軌道T1が少なくとも1つのスルーホール102を通過するようにして、部品キャリア101を適所で保持するように構成され、iii)少なくとも1つのスルーホール102を通過した後の第1の電磁放射ビーム111を受け取るように配置され、第1の電磁放射ビーム111の少なくとも1つの物理的パラメータを変更して、第2の電磁放射ビーム112を提供するように構成された、光学素子130と、iv)第2の電磁放射ビーム112を受け取る電磁放射検出器140と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品キャリアを調査する装置であって、
第1の電磁放射ビームを軌道に沿って出射する電磁放射源と、
調査される前記部品キャリアを保持するサンプルホルダであって、
前記部品キャリアが少なくとも1つのスルーホールを有し、
前記サンプルホルダが、前記第1の電磁放射ビームの前記軌道が前記少なくとも1つのスルーホールを通過するようにして、前記部品キャリアを適所で保持するように構成される、
サンプルホルダと、
前記少なくとも1つのスルーホールを通過した後の前記第1の電磁放射ビームを受け取るように配置され、前記第1の電磁放射ビームの少なくとも1つの物理的パラメータを変更して、第2の電磁放射ビームを提供するように構成された、光学素子と、
前記第2の電磁放射ビームを受け取る電磁放射検出器と
を備える、装置。
【請求項2】
前記電磁放射源が光源を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記電磁放射検出器がカメラを有する、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記光学素子が、前記第1の電磁放射ビームの焦点距離を変更するように構成され、それによって、
前記第2の電磁放射ビームの前記焦点距離が、前記第1の電磁放射ビームの前記焦点距離とは異なる、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記光学素子が、前記第1の電磁放射ビームの前記軌道を変更するように構成され、それによって、
前記第1の電磁放射ビームの前記軌道が、前記第2の電磁放射ビームの更なる軌道とは異なる、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記光学素子が、前記第1の電磁放射ビームの前記軌道に対して30から60°の角度で配向される、ミラーを有する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記電磁放射検出器が、前記第1の電磁放射ビームの前記軌道に対してシフトされた形で配置され、前記シフトが、前記軌道に平行な軸線に対して30から90°である、請求項5または6に記載の装置。
【請求項8】
前記部品キャリアが、1.5mm以上の厚さを有する厚いパネルである、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の装置と、
前記サンプルホルダ内に配置された前記部品キャリアと、を備え、
前記部品キャリアが複数のスルーホールを有する、集成装置。
【請求項10】
前記複数のスルーホールが識別エリアを形成する、請求項9に記載の集成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実用新案は部品キャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
1または複数の電子部品を具備した部品キャリアの製品機能性の成長、およびかかる部品の小型化の激化、ならびにプリント回路基板などの部品キャリア上に実装される部品数の増加の文脈において、複数の接点もしくは接続を有し、それらの接点間の間隔が更に小さくなった、より一層高出力のアレイ状部品または複数の部品を有するパッケージが用いられている。動作中にかかる部品および部品キャリア自体によって発生する熱の除去は、ますます大きい課題となっている。同時に、部品キャリアは、過酷な条件下でも動作可能であるように、機械的に堅牢であって電気的に信頼性が高いものであるべきである。
【0003】
特に、製造プロセス中の部品キャリアを効率的に調査することが課題である。
【0004】
図3は、薄いパネルである部品キャリア201が光源210およびカメラ240を使用して光学的に調査される、従来技術からの一例を示している。薄いパネルは、識別エリア(パターン)を形成するスルーホール202を備える。図で分かるように、光源210からの光線211は、スルーホール202を通過し、カメラ240によって検出される。カメラによって撮影される画像は十分な品質を示す。
【0005】
図4は、部品キャリア201が厚いパネルであり、即ち厚さが1.5mm以上である、従来技術からの更なる例を示している。この場合、多くのスルーホール202は撮影された画像ではもう見えなくなっているため、カメラ240によって撮影される画像は十分な品質のものではないことが分かる。
【0006】
図5は、上記図3および図4に関して記載した調査を実行する、従来技術からの装置を示している。光源210からの光211は、カメラに十分に集束されていないことが分かる。しかしながら、部品キャリアの製造中の空間が非常に限定されており、したがってカメラの高さが調節可能ではないため、この課題を解決することができない。
【0007】
特に製造プロセス中に、部品キャリアのスルーホールに関して、(厚い)部品キャリアを効率的に調査するのが必要なことがある。
【発明の概要】
【0008】
本実用新案の例示的実施形態によれば、部品キャリアを調査する装置が提供され、該装置は、
i)第1の電磁放射ビームを軌道に沿って出射する電磁放射源と、
ii)調査される部品キャリアを保持するサンプルホルダであって、部品キャリアが少なくとも1つのスルーホールを有し、サンプルホルダが、第1の電磁放射ビームの軌道が少なくとも1つのスルーホールを通過するようにして、部品キャリアを適所で保持するように構成される、サンプルホルダと、
iii)少なくとも1つのスルーホールを通過した後の第1の電磁放射ビームを受け取るように配置され、第1の電磁放射ビームの少なくとも1つの物理的パラメータ(例えば、焦点距離、方向など)を変更して、第2の電磁放射ビームを提供するように構成された、光学素子と、
iv)第2の電磁放射ビームを受け取る電磁放射検出器とを備える。
【0009】
本実用新案の別の例示的実施形態によれば、集成装置が提供され、該集成装置は、
i)上述したような装置と、
ii)サンプルホルダ内に配置され、複数のスルーホールを有する、部品キャリアとを備える。
【0010】
本実用新案の別の例示的実施形態によれば、部品キャリアを調査する方法が提供され、該方法は、
i)第1の電磁放射ビームを軌道に沿って出射する段階と、
ii)調査される部品キャリアを適所で保持する段階であって、該部品キャリアは、少なくとも1つのスルーホールを有する、段階と、
iii)軌道に沿った第1の電磁放射ビームを、保持されている部品キャリアの少なくとも1つのスルーホールを通過させる段階と、その後、
iv)光学素子を使用することによって、第1の電磁放射ビームの少なくとも1つの物理的パラメータを変更して、第2の電磁放射ビームを提供する段階と、
v)電磁放射検出器が第2の電磁放射ビームを受け取る段階とを備える。
【0011】
本文書の文脈において、「部品キャリア」という用語は、特に、機械的支持および/または電気接続性を提供するため、1もしくは複数の部品をその上および/または中に受け入れることができる、任意の支持構造を指してもよい。換言すれば、部品キャリアは、部品の機械的および/または電子的キャリアとして構成されてもよい。特に、部品キャリアは、プリント回路基板、有機インターポーザ、メタルコア基板、無機基板、およびIC(集積回路)基板のうち1つであってもよい。部品キャリアはまた、上述のタイプの部品キャリアのうち異なるものを組み合わせた混載基板であってもよい。
【0012】
本文書の文脈において、「光学素子」という用語は、特に、第1の電磁放射ビーム(例えば、光線)の少なくとも1つの物理的パラメータを、第2の電磁放射ビーム(例えば、やはり光線)を得るために変更するのに適したデバイスを指してもよく、上記物理的パラメータは、第1および第2の電磁放射ビームで異なる。一例では、物理的パラメータは焦点距離であってもよく、光学素子は集束レンズを有してもよい。別の例では、物理的パラメータは空中での方向/軌道であってもよく、光学素子は、第1の電磁放射ビームの軌道を第2の電磁放射デバイスの更なる軌道に変更する、ミラーまたはプリズムを有してもよい。
【0013】
例示的実施形態によれば、本実用新案は、第1の電磁放射ビームがスルーホール(例えば、識別エリアを形成する)を通過し、次に、第2の電磁放射ビームを提供するように光学素子によって少なくとも1つの物理的パラメータが変更されると、部品キャリアのスルーホールを(製造プロセス中に)効率的に調査することができるという発想に基づいている。このように、ビームの物理的パラメータを、有利な手法で現在の状況(特に、空間要件)に合わせて柔軟に適応させることが可能であってもよい。
【0014】
特に、部品キャリアが厚い(例えば、厚さ1.5mm以上を備える)とき、部品キャリアのスルーホールを調査するのは困難なことがある。従来、光源は上記スルーホールを通して光線を出射する。しかしながら、この場合、(画像の)十分な品質データを得るのが不可能なことがある。例えば、図4を参照。これにより、特定の課題は、製造プロセス(およびシステム)における空間が非常に限定されており、利用可能な空間がこれを許容する場合に、光検出器しか配置できないことである。結果として、光源と光検出器との間の距離は、一般に、好適な焦点距離および/または放射角を確立するには短すぎる。
【0015】
考案者らは、驚くことに、部品キャリア製造中の高品質なスルーホール調査の課題は、利用可能な空間によって限定されることなく、効率的な手法で物理的パラメータを適応させる、ビーム経路内の光学素子を適用することによって解決されてもよいことを見出している。このように、電磁放射検出器の高さを変更する必要なしに、高い画像品質(例えば、カメラ焦点を調節することによる)が得られる。
【0016】
以下、方法および部品キャリアの更なる例示的実施形態について説明する。
【0017】
一実施形態では、電磁放射源は光源を有する。
【0018】
一実施形態では、電磁放射検出器はカメラを有する。
【0019】
一実施形態では、光学素子は、第2の電磁放射ビームの焦点が第1の電磁放射ビームの焦点とは異なるように、第1の電磁放射ビームの焦点距離(および/または放射角)を変更するように構成される。特に、光学素子は集束レンズを有する。このように、第2の電磁放射ビームは、検出器の位置を変更することを何ら必要とせずに、高品質データを得るように(追加の集束デバイスを使用して)効率的に集束されてもよい。
【0020】
一実施形態では、光学素子は、第1の電磁放射ビームの軌道が第2の電磁放射ビームの更なる軌道とは異なるように、第1の電磁放射ビームの軌道を変更するように構成される。特に、光学素子は、ミラー、プリズム、グリッド、またはウェッジを有する。このように、第2の電磁放射ビームは、検出器の高さを変更することを何ら必要とせずに、高品質データを得るように(軌道を伸ばすことによって)効率的に集束されてもよい。
【0021】
一実施形態では、光学素子は、第1の電磁放射ビームの軌道に対して1~89°、特に30~50°、更に特に(ほぼ)45°の角度で配向される、ミラーを有する。
【0022】
一実施形態では、電磁放射検出器は、第1の電磁放射ビームの軌道に平行な軸線に対してシフトされた形で配置される。特に、シフトは、1~90°、特に30~90°、更に特に90°である。これによって検出器の柔軟な位置決めが可能になってもよい。
【0023】
一実施形態では、部品キャリアは、1.5mm以上の厚さを有する厚いパネルである。これは、厚い部品キャリアのスルーホールであっても調査することがこれで可能であるという利点を提供してもよい。
【0024】
一実施形態では、複数のスルーホールは識別エリアを形成する。それにより、効率的で堅牢な製造プロセスが可能にされてもよい。
【0025】
一実施形態では、部品キャリアはプレートとして形作られる。これはコンパクト設計に寄与し、部品キャリアはそれでもなお、部品をその上に実装するための大きい土台を提供する。更に、特に、埋込み電子部品向けの例としての裸ダイを、その薄い厚さのおかげで、プリント回路基板などの薄いプレートに便利に埋め込むことができる。
【0026】
一実施形態では、部品キャリアは、プリント回路基板、基板(特に、IC基板)、およびインターポーザから成る群のうち1つとして構成される。
【0027】
本出願の文脈において、「プリント回路基板」(PCB)という用語は、特に、例えば、圧力を加えることによって、および/または熱エネルギーを供給することによって、いくつかの導電層構造をいくつかの電気絶縁層構造と積層することによって形成される、プレート状の部品キャリアを指してもよい。PCB技術にとって好ましい材料として、導電層構造は銅で作られるが、電気絶縁層構造は、樹脂および/またはガラス繊維、いわゆるプリプレグまたはFR4材料を備えてもよい。様々な導電層構造は、例えばレーザー穴あけ加工または機械的穴あけ加工によって、積層体を通る穴を形成することにより、またそれらに導電性材料(特に、銅)を部分的または完全に充填することにより、ビアまたは他の任意のスルーホール接続を形成することによって、所望の形で互いに接続されてもよい。充填された穴は、全スタックを接続するか(いくつかの層またはスタック全体を通って延在するスルーホール接続)、あるいは充填された穴は、少なくとも2つの導電層を接続し、ビアと呼ばれる。同様に、電気光学回路基板(EOCB)を受容するために、スタックの個々の層を通して光相互接続を形成することができる。プリント回路基板に埋め込まれてもよい1または複数の部品とは別に、プリント回路基板は、通常、プレート状のプリント回路基板の一方または両方の対向面上に1もしくは複数の部品を受け入れるように構成される。それらは、はんだ付けによってそれぞれの主面に接続されてもよい。PCBの誘電部は、強化繊維(ガラス繊維など)を含む樹脂で構成されてもよい。
【0028】
本出願の文脈において、「基板」という用語は、特に、小型の部品キャリアを指してもよい。基板は、PCBに関して、比較的小型の部品キャリアであってもよく、その上に1または複数の部品が実装されてもよく、1または複数のチップと更なるPCBとの間の接続媒体として作用してもよい。例えば、基板は、(例えば、チップスケールパッケージ(CSP)の場合)その上に実装される部品(特に、電子部品)と実質的に同じサイズを有してもよい。より具体的には、基板は、電気接続または電気回路網のキャリアとして、ならびにプリント回路基板(PCB)と同等であるが、横方向および/または縦方向に配置された接続の密度が非常に高い、部品キャリアとして理解することができる。横方向接続は、例えば導電路であり、縦方向接続は、例えばドリル穴であってもよい。これらの横方向および/または縦方向接続は、基板内に配置され、特にICチップの、収容された部品または収容されていない部品(ベアダイなど)と、プリント回路基板または中間プリント回路基板との、電気的、熱的、および/または機械的接続を提供するのに使用することができる。したがって、「基板」という用語は「IC基板」も含む。基板の誘電部は、強化性粒子(強化性球体、特にガラス球など)を含む樹脂で構成されてもよい。
【0029】
基板またはインターポーザは、少なくとも一層のガラス、シリコン(Si)、および/またはエポキシ系ビルドアップ材料(エポキシ系ビルドアップフィルムなど)のような光画像形成可能もしくはドライエッチング可能な有機材料、またはポリイミドもしくはポリベンゾオキサゾールのようなポリマー化合物(感光性および/または感熱性分子を含んでもよく、もしくは含まなくてもよい)を備えるか、あるいはそれから成ってもよい。
【0030】
一実施形態では、少なくとも1つの電気絶縁層構造は、エポキシ樹脂、シアン酸エステル樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリフェニレン誘導体(例えば、ポリフェニレンエーテル(PPE)系)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、液晶ポリマー(LCP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、および/またはそれらの組み合わせなどの、樹脂またはポリマーから成る群のうち少なくとも1つを備える。複合材料を形成するために、例えばガラス(多層ガラス)で作られた、ウェブ、繊維、球体、または他の種類の充填粒子などの強化構造も使用することができる。強化剤と組み合わせた半硬化樹脂、例えば上述の樹脂を含浸させた繊維は、プリプレグと呼ばれる。これらのプリプレグは、それらの性質にちなんで名付けられる場合が多く、例えばFR4またはFR5は、それらの難燃性を表している。通常、プリプレグ、特にFR4がリジッドPCBには好ましいが、他の材料、特にエポキシ系ビルドアップ材料(ビルドアップフィルムなど)または光画像形成可能な誘電性材料も使用されてもよい。高周波用途の場合、ポリテトラフルオロエチレン、液晶ポリマー、および/またはシアン酸エステル樹脂などの高周波材料が好ましいことがある。これらのポリマー以外に、低温同時焼成セラミックス(LTCC)または他の低、超低、もしくは極低DK材料が、電気絶縁性構造として部品キャリア内に適用されてもよい。
【0031】
一実施形態では、少なくとも1つの導電層構造は、銅、アルミニウム、ニッケル、銀、金、パラジウム、タングステン、およびマグネシウムから成る群のうち少なくとも1つを備える。銅が通常は好ましいが、他の材料またはそれをコーティングしたもの、特に、それぞれグラフェンまたはポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)など、超伝導性材料または伝導性ポリマーでコーティングされたものも可能である。
【0032】
少なくとも1つの部品は、部品キャリアに埋め込まれてもよく、および/または部品キャリア上に表面実装されてもよい。かかる部品は、非導電性インレイ、導電性インレイ(好ましくは銅もしくはアルミニウムを備える、金属インレイなど)、伝熱ユニット(例えば、ヒートパイプ)、導光素子(例えば、光導波路もしくは導光体接続)、電子部品、またはそれらの組み合わせから成る群から選択することができる。インレイは、例えば、絶縁材料コーティング(IMSインレイ)を有するかまたは有さない、金属ブロックであることができ、埋め込むかまたは放熱を促進する目的で表面実装することができる。好適な材料は、少なくとも2W/mKであるべきである、それらの伝熱性にしたがって規定される。かかる材料は、例えば、銅、酸化アルミニウム(Al)、または窒化アルミニウム(AlN)など、金属、金属酸化物、および/またはセラミックスがベースである場合が多いが、それらに限定されない。熱交換能力を向上させるために、表面積を増加させた他の幾何学形状も使用される場合が多い。更に、部品は、能動電子部品(少なくとも1つのp-n接合が実装される)、抵抗器、インダクタンス、またはコンデンサなどの受動電子部品、電子チップ、記憶デバイス(例えば、DRAMもしくは別のデータメモリ)、フィルタ、集積回路(フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルアレイ論理(PAL)、汎用アレイ論理(GAL)、および複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)など)、信号処理部品、電源管理部品(電界効果トランジスタ(FET)、酸化金属半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、相補型酸化金属半導体(CMOS)、接合電界効果ランジスタ(JFET)、または絶縁ゲート型電界効果トランジスタ(IGFET)など、全て、炭化シリコン(SiC)、ヒ化ガリウム(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)、酸化ガリウム(Ga)、ヒ化インジウムガリウム(InGaAs)、および/もしくは他の任意の好適な無機化合物などの半導体材料に基づくもの)、光電子インターフェース要素、発光ダイオード、フォトカプラ、電圧変換器(例えば、DC/DC変換器もしくはAC/DC変換器)、暗号化部品、送信機および/または受信機、電気機械変換器、センサ、アクチュエータ、微小電気機械システム(MEMS)、マイクロプロセッサ、コンデンサ、抵抗器、インダクタンス、バッテリ、スイッチ、カメラ、アンテナ、論理チップ、ならびに環境発電ユニットであることができる。しかしながら、他の部品が部品キャリアに埋め込まれてもよい。例えば、磁気素子を部品として使用することができる。かかる磁気素子は、永久磁性素子(強磁性素子、反強磁性素子、マルチフェロイック素子、もしくはフェリ磁性素子、例えばフェライトコアなど)であってもよく、または常磁性素子であってもよい。しかしながら、部品はまた、IC基板、インターポーザ、または例えば基板内基板(board-in-board)構成の、更なる部品キャリアであってもよい。部品は、部品キャリアに表面実装されてもよく、および/またはその内部に埋め込まれてもよい。更に、他の部品、特に電磁放射を発生させ出射し、および/または環境から伝播する電磁放射に関して感受性であるものも、部品として使用されてもよい。
【0033】
一実施形態では、部品キャリアは積層型部品キャリアである。かかる実施形態では、部品キャリアは、スタッキングされ、押圧力および/または熱を加えることによって互いに接続された、複数層構造の合成物である。
【0034】
部品キャリアの内部層構造を処理した後、処理済み層構造の一方または両方の対向する主面を、1もしくは複数の更なる電気絶縁層構造および/または導電層構造で対称的もしくは非対称に(特に、積層によって)覆うことが可能である。換言すれば、所望の数の層が得られるまで、ビルドアップが継続されてもよい。
【0035】
電気絶縁層構造および導電層構造のスタックの形成が完了した後、得られた層構造または部品キャリアの表面処理に進むことが可能である。
【0036】
特に、電気絶縁性はんだレジストが、表面処理に関して、層スタックまたは部品キャリアの一方もしくは両方の対向する主面に適用されてもよい。例えば、かかるはんだレジストを主面全体上に形成し、続いてはんだレジストの層をパターニングして、部品キャリアを周辺電子機器に電気的に結合するのに使用されるべき1または複数の導電性表面部分を露出させることが可能である。はんだレジストで覆われたままの部品キャリアの表面部分、特に銅を含有する表面部分は、酸化または腐食から効率的に保護されてもよい。
【0037】
また、表面処理に関して、部品キャリアの露出した導電性表面部分に対して、表面仕上げを選択的に適用することが可能である。かかる表面仕上げは、部品キャリアの表面上における露出した導電層構造(特に、銅を備えるもしくはそれから成る、例えば、パッド、導電性トラックなど)に対する導電性被覆材料であってもよい。かかる露出した導電層構造が保護されないままである場合、露出した導電性の部品キャリア材料(特に、銅)が酸化して、部品キャリアの信頼性を低下させることがある。そのため、表面仕上げは、例えば、表面実装された部品と部品キャリアとの間のインターフェースとして形成されてもよい。表面仕上げは、露出した導電層構造(特に、銅回路)を保護し、例えばはんだ付けによる、1または複数の部品との接合プロセスを可能にする機能を有する。表面仕上げに適切な材料の例は、有機はんだ付け性防腐剤(OSP)、無電解ニッケルめっき置換金めっき(Electroless Nickel Immersion Gold)(ENIG)、無電解ニッケルめっき無電解パラジウムめっき置換金めっき(Electroless Nickel Immersion Palladium Immersion Gold)(ENIPIG)、金(特に硬質金)、化学錫、ニッケル金、ニッケルパラジウムなどである。
【0038】
本実用新案の上記に規定した態様および更なる態様は、以下に記載する実施形態の例から明白であり、実施形態のこれらの例を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】光学素子がミラーを有する、本実用新案の例示的な一例による部品キャリアを調査する装置を示す図である。
図2】光学素子が集束レンズを有する、本実用新案の更なる例示的な一例による部品キャリアを調査する装置を示す図である。
図3】従来技術からの薄いパネルのスルーホールの光学調査を示す図である。
図4】従来技術からの厚いパネルのスルーホールの光学調査を示す図である。
図5】従来技術による部品キャリアを調査する装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図面中の例示は概略である。異なる図面において、同様または同一の要素には同じ参照符号が提供される。
【0041】
図1は、部品キャリア101を調査する装置100を示しており、装置100は、軌道T1に沿って第1の電磁放射ビーム111を出射する電磁放射源110を備える。この例では、電磁放射源110は光線を出射する光源として構成される。装置100は、調査される部品キャリア101を適所で保持するサンプルホルダ120を備える。部品キャリア101は、IDエリアとして役立つ複数のスルーホール102を有する。サンプルホルダ120は、第1の電磁放射ビーム111の軌道T1が複数のスルーホール102を通過するようにして、部品キャリア101を適所で保持するように構成される。装置100は更に、部品キャリア101の後方に配置されて第1の電磁放射ビーム111を受け取る、光学素子130を備える。これにより、光学素子130は、第1の電磁放射ビーム111の少なくとも1つの物理的パラメータを変更して、第2の電磁放射ビーム112を提供するように構成される。図1の例では、光学素子130はミラーを有し、変更される物理的パラメータは、第1の電磁放射ビーム111の空間的方向(軌道)である。この例では、更なる軌道T2は、軌道T1に対して90°の角度で変更される。更に、装置100は、第2の電磁放射ビーム112を受け取る電磁放射検出器140を備える。この例では、検出器はカメラを有する。空間は非常に限定されているが、完璧な焦点距離が得られるように光源110からの光をカメラ140にガイドすることができ、高品質画像を撮影し調査することができる。
【0042】
図2は、原則的に図1と同じ装置を示しているが、光学素子130は、第2の電磁放射ビーム112の焦点が第1の電磁放射ビーム111の焦点とは異なるように、第1の電磁放射ビーム111の焦点距離を変更するように構成された集束レンズを有する。
【0043】
「備える」という用語は他の要素または段階を除外するものではなく、「a」または「an」は複数を除外するものではないことが注目されるべきである。また、異なる実施形態と関連して記載される要素が組み合わされてもよい。
【0044】
クレームにおける参照符号は、請求項の範囲を限定するものと解釈されるべきではないことも注目されるべきである。
【0045】
本実用新案の実現は、図面に示し上述した好ましい実施形態に限定されない。代わりに、本質的に異なる実施形態の場合であっても、図示される解決策および本実用新案による原理を使用する、複数の変形が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】