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特開2022-100279水の浸入および衝撃の検出を備えた舶用電池
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022100279
(43)【公開日】2022-07-05
(54)【発明の名称】水の浸入および衝撃の検出を備えた舶用電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/48 20060101AFI20220628BHJP
【FI】
H01M10/48 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021207280
(22)【出願日】2021-12-21
(31)【優先権主張番号】17/133,445
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519374287
【氏名又は名称】ブランズウィック コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ゴンリング,スティーブン ジェー.
【テーマコード(参考)】
5H030
【Fターム(参考)】
5H030AA06
5H030AS08
5H030FF22
5H030FF32
(57)【要約】      (修正有)
【課題】船舶用負荷にエネルギを提供する舶用電池システム及びを提供する。
【解決手段】船舶100電力貯蔵装置システム101において、電池システムは、電池と、電池を少なくとも部分的に封入する筐体と、筐体内の温度情報を検出する温度センサ、筐体内の圧力情報を検出する圧力センサ並びに温度センサ及び圧力センサに結合された電池制御装置を電池管理システムと、を備える。制御装置は、温度センサから温度情報を受信し、圧力センサから圧力情報を受信し、温度情報及び圧力情報の比較に基づいて筐体破損状態が生じているか否かを決定し、かつ、筐体破損状態が生じているという決定に応答して筐体破損緩和措置を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池と、
前記電池を少なくとも部分的に封入するように構成された筐体と、
前記筐体内の温度情報を検出するように構成された温度センサと、
前記筐体内の圧力情報を検出するように構成された圧力センサと、
前記温度センサおよび前記圧力センサに結合された制御装置であって、
前記温度センサから前記温度情報を受信し、
前記圧力センサから前記圧力情報を受信し、
前記温度情報および前記圧力情報の比較に基づいて筐体破損状態が生じているか否かを決定し、かつ
前記筐体破損状態が生じているという決定に応答して筐体破損緩和措置を行う
ように構成されている制御装置と
を備える、舶用負荷にエネルギを提供するように構成された舶用電池システム。
【請求項2】
前記筐体破損緩和措置は筐体破損メッセージをオペレータに送信することを含む、請求項1に記載の舶用電池システム。
【請求項3】
前記筐体破損緩和措置は前記舶用負荷から前記舶用電池システムを切断することを含む、請求項1に記載の舶用電池システム。
【請求項4】
前記筐体は前記筐体内の圧力が圧力安全閾値を超えている場合に開放するように構成された圧力逃し弁を備える、請求項1に記載の舶用電池システム。
【請求項5】
前記制御装置は、
前記圧力情報および前記圧力安全閾値の比較に基づいて圧力逃し弁故障が生じているか否かを決定し、
前記圧力逃し弁故障が生じているという決定に応答して圧力逃し弁故障緩和措置を行う
ようにさらに構成されている、請求項4に記載の舶用電池システム。
【請求項6】
前記筐体内の湿度データを検出するように構成された湿度センサをさらに備え、前記制御装置は前記湿度データに基づいて水浸入状態が生じているか否かを決定するようにさらに構成されている、請求項1に記載の舶用電池システム。
【請求項7】
前記制御装置は、水浸入状態が生じているという決定に応答して水浸入緩和措置を行うようにさらに構成されている、請求項6に記載の舶用電池システム。
【請求項8】
前記筐体内の加速度情報を検出するように構成された加速度計をさらに備え、前記制御装置は、異常な加速度状態が生じているという決定に応答して加速度緩和措置を行うようにさらに構成されている、請求項1に記載の舶用電池システム。
【請求項9】
前記異常な加速度状態は電池落下状態であり、かつ前記電池落下状態が生じているという決定は加速度損傷閾値を超えている前記加速度情報に基づいている、請求項8に記載の舶用電池システム。
【請求項10】
前記加速度損傷閾値は加速度値成分および時間値成分の両方を含む、請求項9に記載の舶用電池システム。
【請求項11】
前記異常な加速度状態は衝突状態であり、かつ前記衝突状態が生じていると決定する工程は加速度損傷閾値を超えている前記加速度情報に基づいている、請求項8に記載の舶用電池システム。
【請求項12】
前記異常な加速度状態は誤った向き状態であり、かつ前記誤った向き状態が生じていると決定する工程は前記加速度情報と重力基準データとの比較に基づいている、請求項8に記載の舶用電池システム。
【請求項13】
舶用負荷にエネルギを提供するように構成された複数の舶用電池システムであって、各舶用電池システムが、
電池、
前記電池を少なくとも部分的に封入するように構成された筐体、および
前記筐体内の加速度情報を検出するように構成された加速度計
を備えた複数の舶用電池システムと、
前記複数の舶用電池システムのそれぞれに結合された制御装置であって、
前記複数の舶用電池システムのそれぞれから前記加速度情報を受信し、
前記複数の舶用電池システムのそれぞれからの前記加速度情報の比較に基づいて異常な加速度状態が生じているか否かを決定し、かつ
異常な加速度状態が生じているという決定に応答して加速度緩和措置を行う
ように構成されている制御装置と
を備える、船舶のための電力貯蔵装置システム。
【請求項14】
前記加速度緩和措置は異常な加速度状態メッセージをオペレータに送信することを含む、請求項13に記載の電力貯蔵装置システム。
【請求項15】
前記加速度緩和措置は前記複数の舶用電池システムを前記舶用負荷から切断することを含む、請求項13に記載の電力貯蔵装置システム。
【請求項16】
前記異常な加速度状態は不正確な取付状態であり、かつ前記不正確な取付状態が生じていると決定する工程は、差閾値を超えている前記複数の舶用電池システムの少なくとも1つからの前記加速度情報に基づいている、請求項13に記載の電力貯蔵装置システム。
【請求項17】
前記差閾値は加速度値成分および時間値成分の両方を含む、請求項16に記載の電力貯蔵装置システム。
【請求項18】
前記差閾値は、前記複数の舶用電池システムの外部にある前記船舶の構成要素に取り付けられた舶用加速度計から受信した加速度情報に部分的に基づいている、請求項16に記載の電力貯蔵装置システム。
【請求項19】
舶用負荷にエネルギを提供するように構成された舶用電池を動作させるための方法であって、
前記舶用電池のための電池管理システムにおいて、前記舶用電池のための電池筐体内に位置している圧力センサから圧力情報を受信する工程と、
前記電池管理システムにおいて、前記電池筐体内に位置している温度センサから温度情報を受信する工程と、
前記電池管理システムにおいて前記圧力情報および前記温度情報を比較する工程と、
前記電池管理システムにおいて、前記圧力情報および前記温度情報の前記比較に基づいて筐体破損状態が生じているか否かを決定する工程と
を含む方法。
【請求項20】
前記電池管理システムにおいて筐体破損緩和措置を行う工程をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は船舶のための電池システムに関し、特に不都合な舶用電池状態を検出するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第10,326,124号は、複数の毛管および電場を発生するための電極を有する本体および毛管によって水を除去するために電場を制御するための制御装置を備えた、電池ハウジングまたは電池セパレータから水を除去するための装置、電池ハウジング、電池セパレータ、電池システム、車両、方法、コンピュータプログラムおよびコンピュータプログラム製品を開示している。
【0003】
米国特許出願公開第2015/0357845号は電池管理システムを開示している。ハウジングは、電動モータ、電動モータに電気的に結合された電池およびハウジング内での有害な環境状態を検出するように構成されたセンサのうちの1つ以上を収容していてもよい。そのようなセンサは、限定されるものではないが煙、熱、水または衝撃などの潜在的に有害な状態を検出することができる。回路が少なくとも1つのセンサに結合されていてもよく、かつセンサが有害な環境状態を検出した場合に電池をモータから分離し、かつ電池を放電させるように構成されていてもよい。カセットの内部環境に関する潜在的な問題が検出された場合に、カセット電池をメイン出力から効率的に切断することができ、このようにしてモータを使用できない状態にする。さらに、電池に蓄積されたエネルギをゆっくりと安全に放電させることができる。いくつかの実施形態では、カセットの内部環境に関する潜在的な問題が検出された場合に電池を放電させて永久に使用できない状態にすることができる。例示的な実施形態はモータを備えた船に実装された電池管理システムを開示している。
【0004】
米国特許出願公開第2013/0017421号は、電池の状態を監視し、かつ電池セル、電池パックまたは筐体または電池を収容している車両の安全性に悪影響を与える様々な事象下で安全な状態を保証する電池システムを開示している。安全性に関わる事象に応答して、当該電池システムは1つ以上の応答を与えて電池を保護するか、電池を切断するか、火を消すか、あるいは安全な温度を維持する。安全性に関わる事象を検出すると、制御装置はそれに応じて安全装置を作動させて安全な状態を保証する。
【0005】
上記特許および特許出願公開はそれら全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0006】
本概要は、以下の発明を実施するための形態においてさらに説明されている選択された概念を紹介するために提供されている。本概要は、請求されている主題の重要または必須の特徴を特定するためのものでもなければ、特許請求されている主題の範囲を限定するのを助けるものとして使用されるものでもない。
【0007】
本開示の一実施形態によれば、舶用負荷にエネルギを提供するように構成された舶用電池システムが提供される。本舶用電池システムは、電池と、電池を少なくとも部分的に封入するように構成された筐体と、筐体内の温度情報を検出するように構成された温度センサと、筐体内の圧力情報を検出するように構成された圧力センサと、温度センサおよび圧力センサに結合された制御装置とを備える。制御装置は温度センサから温度情報を受信し、圧力センサから圧力情報を受信し、温度情報および圧力情報の比較に基づいて筐体破損状態が生じているか否かを決定し、かつ筐体破損状態が生じているという決定に応答して筐体破損緩和措置を行うように構成されている。
【0008】
本開示の別の実施形態によれば、船舶のための電力貯蔵装置システムが提供される。本電力貯蔵装置システムは、舶用負荷にエネルギを提供するように構成された複数の舶用電池システムを備える。各舶用電池システムは、電池と、電池を少なくとも部分的に封入するように構成された筐体と、筐体内の加速度データを検出するように構成された加速度計とを備える。本電力貯蔵装置システムは、舶用電池システムのそれぞれに結合された制御装置をさらに備える。制御装置は舶用電池システムのそれぞれから加速度情報を受信し、舶用電池システムのそれぞれからの加速度情報の比較に基づいて異常な加速度状態が生じているか否かを決定し、かつ異常な加速度状態が生じているという決定に応答して加速度緩和措置を行うに構成されている。
【0009】
本開示のさらに別の実施形態によれば、舶用負荷にエネルギを提供するように構成された舶用電池を動作させるための方法が提供される。本方法は、舶用電池のための電池管理システムにおいて舶用電池のための電池筐体内に位置している圧力センサから圧力情報を受信する工程と、電池管理システムにおいて電池筐体内に位置している温度センサから温度情報を受信する工程と、電池管理システムにおいて圧力情報および温度情報を比較する工程とを含む。本方法は、電池管理システムにおいて圧力情報および温度情報の比較に基づいて筐体破損状態が生じているか否かを決定する工程をさらに含む。
【0010】
以下の図を参照しながら本開示について説明する。同様の特徴および同様の構成要素を参照するために図全体を通して同じ番号が使用されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の例示的な一実施形態に係る舶用電池システムを備えた船舶を示すブロック図である。
図2図1の舶用電池システムによって行うことができる筐体破損または圧力逃し弁故障を検出するためのプロセスのフローチャートである。
図3図1の舶用電池システムによって行うことができる水浸入状態を検出するためのプロセスのフローチャートである。
図4図1の舶用電池システムによって行うことができる加速度損傷状態を検出するためのプロセスのフローチャートである。
図5図1の舶用電池システムによって行うことができる誤った電池向き状態を検出するためのプロセスのフローチャートである。
図6】本開示の例示的な一実施形態に係る船舶に利用することができる別の舶用電池システムを示すブロック図である。
図7図6の舶用電池システムによって行うことができる不正確な取り付け向き状態を検出するためのプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書では、簡潔性、明確性および理解のために特定の用語が使用されている。そのような用語は便宜のためにのみ使用されており、かつ広く解釈されることが意図されているため、先行技術の要件を超えてそこから不必要な限界を与えるものではない。
【0013】
図1は、本開示の例示的な一実施形態に係る少なくとも1つの舶用電池システム102を含む電力貯蔵装置システム101を備えた船舶100を示す。研究および実験の間に本発明者は、舶用電池が特に影響を受けやすい不都合な状態を検出してそれに応答する改良されたシステムおよび方法を提供することが望ましいことに気づいた。典型的には、船舶に利用することができるリチウムイオン電池は、電池の電圧、電流および温度パラメータを監視し、かつ危険な状態が存在する場合に電池を切断することができる内部もしくは外部電池管理システム(BMS)を備える。例えばBMSは、電池温度または電流が高過ぎる場合または電池電圧が低過ぎるか高過ぎる場合に電池を切断するように機能する。
【0014】
しかし本発明者は、さらなる電池パラメータを監視し、かつこれらのさらなるパラメータを利用して、船舶への舶用電池の設置および水への近接によりそれらが経験し得る事象を検出することに元々備わっている利点に気づいた。例えばリチウムイオン電池は、水が密閉された電池筐体に浸入してリチウムと反応した場合に熱暴走の影響を受けやすい。熱暴走は、電池を通って流れている電流が電池温度を上昇させ、次いでさらなる温度上昇により電流を増加させる一連の発熱反応によってもたらされる潜在的に破局的な状態である。最悪の状況では、熱暴走は激しい燃焼または爆発を引き起こす場合がある。本開示の電力貯蔵装置システム101は、電池筐体内の温度に加えて各種パラメータ(例えば、電池筐体内の圧力および湿度)を感知することにより熱暴走事象のリスクを実質的に低下させる。これらのさらなるパラメータは、電池筐体に対する損傷をそれが起きた直後であって電池が熱暴走状態に入る前にBMSに検出させることができる。
【0015】
電池システム102は他の構成要素のうち、電池104、電池管理システム106、圧力逃し弁120および一体化型接触器122を備えることが示されている。電池104、電池管理システム106、圧力逃し弁120および一体化型接触器122のそれぞれが共通の電池ハウジングまたは筐体の中に位置しているか少なくとも部分的に封入されていてもよい。電池104は、電池セルの典型的な構成要素の全て、すなわちカソード、アノード、電解質およびセパレータを備える。例示的な一実施形態では、電池104はカソード材料として利用されるインターカレートされたリチウム化合物およびアノード材料として利用されるグラファイトを含むリチウムイオン電池である。いくつかの実施形態では、電池システム102は単一の電池セル104を含む。他の実施形態では、電池システム102は複数の電池セル104を含む。
【0016】
電池管理システム106は電池制御装置108およびデータロガー110を備えることが示されている。例示的な一実施形態では、本明細書に記載されている電池管理システム106の構成要素のそれぞれが共通のプリント回路基板(PCB)に取り付けられている。電池制御装置108はプロセッサまたは処理構成要素および規則ストレージもしくはメモリ構成要素の両方を備えていてもよい。規則ストレージもしくはメモリ構成要素は限定されるものではないが、ROM、RAMまたはフラッシュメモリなどの任意の好適なストレージ機構であってもよい。図2図5を参照しながら以下にさらに詳細に説明されているように、電池制御装置108の処理構成要素は、メモリ構成要素に記憶された各種プロセスを実行して危険な電池状態を検出し、かつ適当な緩和措置を行ってもよい。
【0017】
データロガー110は、以下にさらに詳細に説明されている各種パラメータセンサからセンサ情報を受信して記憶するように構成されていてもよい。また電池制御装置108がデータロガー110によって供給されたセンサ情報に基づいて各種プロセスを実行するように、データロガー110は電池制御装置108に通信可能に結合されていてもよい。いくつかの実施形態では、データロガー110に蓄積されたセンサデータは、当該分野における電池が曝される環境状態をより良く理解するために製造業者によって利用されてもよい。他の実施形態では、データロガー110に蓄積されたセンサデータは、電池の製造業者または売主へのユーザによってなされる電池に対する保証クレームを支持するかそれに異議を唱えるために利用されてもよい。例えば図2図5および図7を参照しながら以下に記載されているプロセスはそれぞれ、何らかの形での異常な電池状態の検出および緩和を含む。これらの異常な状態の存在および他の関連情報(例えば、当該状態が検出された時を示すタイムスタンプ)をデータロガー110に記憶させてもよい。
【0018】
電池管理システム106は圧力センサ112、温度センサ114、湿度センサ116および加速度計118を備えることがさらに示されている。例示的な一実施形態では、電池管理システム106は、圧力センサ112、温度センサ114、湿度センサ116および加速度計118のそれぞれを備える。他の実施形態では、圧力センサ112、温度センサ114、湿度センサ116および加速度計118のうちの1つ以上は電池管理システム106から省略されていてもよい。
【0019】
圧力センサ112は、電池システム102の電池筐体内の圧力情報(例えば圧力測定値)を検出するように構成されていてもよい。圧力センサ112は任意の好適な種類の圧力センサであってもよく、特に限定されない。例示的な一実施形態では、圧力センサ112は電池システム102の電池筐体内の絶対圧を測定するように構成されている。図2を参照しながら以下にさらに詳細に説明されているように、圧力センサ112を利用して、電池システム102の電池筐体における破損および圧力逃し弁120における故障の両方を検出してもよい。
【0020】
温度センサ114は、電池システム102の電池筐体内の温度情報(例えば温度測定値)を検出するように構成されていてもよい。温度センサ114は任意の好適な種類の温度センサ(例えば、熱電対、測温抵抗体(RTD)、サーミスタおよび半導体ベースの集積回路)であってもよく、特に限定されない。図2を参照しながら以下にさらに詳細に説明されているように、温度センサ114を圧力センサ112と共に利用して電池システム102の電池筐体における破損を検出してもよい。
【0021】
湿度センサ116は、電池システム102の電池筐体内の湿度情報(例えば、相対的湿度測定値)を検出するように構成されていてもよい。湿度センサ116は任意の好適な種類の湿度センサ(例えば、静電容量センシング、抵抗センシング)であってもよく、特に限定されない。いくつかの実施形態では、湿度センサ116の代わりに水分センサまたは水センサを利用してもよい。図3を参照しながら以下にさらに詳細に説明されているように、湿度センサ116を利用して電池システム102の電池筐体内への水の浸入を検出してもよい。
【0022】
加速度計118は、加速度情報(例えば、短期もしくは長期の動的運動測定値)を検出するように構成されていてもよい。加速度計118は任意の好適な種類の加速度計(例えば、単軸、多軸、容量型、抵抗型、圧電型)であってもよく、特に限定されない。例示的な一実施形態では、電池システム102は、電池管理システム106のPCBに取り付けられた単一の3軸加速度計118を備える。他の実施形態では、加速度計118は電池システム102の電池筐体またはハウジングに直接取り付けられている。なおさらなる実施形態では、電池システム102は電池システム102内の様々な位置に取り付けられた複数の加速度計118を備えていてもよい。図4図5および図7を参照しながら以下にさらに詳細に説明されているように、1つ以上の加速度計118によって供給される情報を利用して電池落下状態、衝突または転覆状態および不正確な取付状態などの様々な加速度に関連する電池状態を検出してもよい。
【0023】
電池システム102は圧力逃し弁120を備えることがさらに示されている。圧力逃し弁120は、公称条件下で閉鎖したままであり、かつ電池筐体内の圧力閾値が超えた場合に電池筐体から空気を排出するために開放されるように構成されている。いくつかの実施形態では圧力逃し弁120は、開放された位置にある場合に空気が圧力逃し弁120を通って流れるのを許可するが、水が圧力逃し弁120を通って電池筐体の中に入るの許可しない膜を備える。図2を参照しながら以下にさらに詳細に説明されているように、電池制御装置108は圧力センサ112から受信した圧力情報に基づいて、圧力逃し弁120が誤作動しているか否かを検出するように構成されていてもよい。
【0024】
まだ図1を参照すると、電池システム102は一体化型接触器122を備えることが示されている。一体化型接触器122が電池セル104、舶用負荷124および充電源130間のスイッチとして機能するように、一体化型接触器122は電池セル104、舶用負荷124および充電源130に結合されていることが示されている。一体化型接触器122が接続された位置にある場合に、電池セル104はエネルギを供給して舶用負荷124に電力を供給する。一体化型接触器122が切断された位置にある場合、電池セル104から舶用負荷124へのエネルギの流れまたは充電源130から電池セル104へのエネルギの流れは中断される。
【0025】
舶用負荷124は、電池セル104からエネルギを受け取る船舶100上の任意の装置またはシステムであってもよい。例えば舶用負荷124としては、限定されるものではないが、エンジン始動システム、音声システム、ウインドラス、測深機、魚探知器およびアプライアンスなどが挙げられる。さらなる実施形態では、電池システム102は船舶100を駆動させる推進装置126(例えば電動モータ)にエネルギを提供してもよい。充電源130はエネルギを供給して電池セル104を充電する任意の電源または電源へのインタフェース構成要素であってもよい。例えば充電源130は交流電源または岸電力(例えば、桟橋用パワーポストによって供給される電力)へのインタフェースであってもよい。
【0026】
電池制御装置108が一体化型接触器122を接続位置と切断位置との間で切り替えさせるように、一体化型接触器122は電池管理システム106の電池制御装置108に通信可能に結合されていることが示されている。図2図5および図7を参照しながら以下に記載されているように、電池制御装置108は、電池セル104から負荷124へのエネルギの流れまたは充電源130から電池セル104へのエネルギの流れが中断されていない場合に、圧力センサ112、温度センサ114、湿度センサ116および加速度計118のうちの1つ以上から受信した情報が電池システム102、負荷124、推進装置126または船舶100の任意の他の構成要素への損傷が生じる可能性があることを示している場合に、一体化型接触器122を接続位置から切断位置に切り替えるように機能してもよい。
【0027】
電力貯蔵装置システム101は、電池システム102に通信可能に結合された中央制御装置128を備えることがさらに示されている。電池制御装置108と同様に、中央制御装置128はプロセッサまたは処理構成要素および規則ストレージもしくはメモリ構成要素の両方を備えていてもよい。いくつかの実施形態では、中央制御装置128は電力貯蔵装置システム101のための監視制御装置として機能してもよく、かつそうでなければ電池制御装置108によって行われる一体化型接触器122の制御を含む特定のタスクを行ってもよい。さらなる実施形態では、中央制御装置128は、船舶100に関する状態情報をユーザに伝達するように構成されている船舶ディスプレイに通信可能に結合されていてもよい。
【0028】
次に図2を参照すると、筐体破損または圧力逃し弁故障状態を検出するためのプロセス200が示されている。本開示の例示的な一実施形態によれば、プロセス200は少なくとも部分的に電池管理システム106の電池制御装置108によって行われてもよい。他の実施形態では、プロセス200は少なくとも部分的に中央制御装置128によって行われてもよい。簡潔性のために、電池制御装置108のみを参照しながらプロセス200について以下に説明する。
【0029】
プロセス200は、電池制御装置108が温度センサ(例えば温度センサ114)から温度情報を受信する工程202で開始することが示されている。工程204では、電池制御装置108は圧力センサ(例えば圧力センサ112)から圧力情報を受信する。いくつかの実施形態では、電池制御装置108は指定された時間間隔で温度情報および圧力情報を受信する(例えば、5秒ごとに温度センサ114からの1回の温度測定値および圧力センサ112からの1回の圧力測定値)。他の実施形態では、電池制御装置108は圧力センサ112および圧力センサ114から圧力および温度測定値をほぼ連続的に受信する。
【0030】
工程206では、電池制御装置108は、筐体破損状態が生じているか否かを決定する。適切に密閉された電池筐体に関する公称条件下では、圧力測定値と温度測定値との間に正相関が存在する。言い換えると、温度測定値が電池筐体内の温度が上昇していることを示している場合、圧力測定値も電池筐体内の圧力が上昇していることを示しているはずである。逆に、温度測定値が電池筐体内の温度が低下していることを示している場合、圧力測定値も電池筐体内の圧力が低下していることを示しているはずである。圧力測定値が静的である、すなわち変化しておらず、かつ温度測定値が動的である場合、これにより電池制御装置108に、電池筐体が破損されているかそうでなければ損傷されており、かつ空気が電池筐体の中外に自由に流れることができると決定させてもよい。
【0031】
工程206において電池制御装置108が、温度および圧力情報が筐体破損状態が生じていることを示していると決定した場合、プロセス200は工程208に進んでもよく、電池制御装置108は筐体破損緩和措置を行ってもよい。筐体破損により水の浸入が生じる可能性があり、次いで熱暴走事象に至る可能性があるので、本発明者は水の浸入前に筐体破損の存在をユーザに警告するという利点に気づいた。いくつかの実施形態では、筐体破損緩和措置は、電池制御装置108がユーザ装置に表示される電池筐体破損を示すメッセージを(例えば中央制御装置128に)送信することを含んでもよい。このメッセージは可能であれば、ユーザに電池を点検して修理することを促してもよい。他の実施形態では、電池制御装置108は一体化型接触器122を接続位置から切断位置に切り替え、かつ電池セル104から負荷124へのエネルギの流れを中断させてもよい。筐体破損の深刻度は、期待される温度および圧力値と受信した温度および圧力情報との誤差に基づいて決定してもよい。いくつかの実施形態では、電池制御装置108が両方の措置を行ってもよい。電池制御装置108が1回以上の筐体破損緩和措置を行ったら、プロセス200は工程202に戻る。
【0032】
工程206に戻ると、電池制御装置108が温度および圧力情報が筐体破損状態が生じていることを示していると決定しない場合、プロセス200は工程210に進む。工程210では、電池制御装置108は圧力センサ112から受信した圧力情報に基づいて圧力安全閾値を超えているか否かを決定する。電池筐体内の圧力安全閾値を超えている場合、これは圧力逃し弁120における故障を示してもよく、電池制御装置108は工程212において圧力逃し弁故障緩和措置を行ってもよい。いくつかの実施形態では、故障緩和措置は電池制御装置108がユーザ装置に表示される圧力逃し弁故障を示しているメッセージを送信することを含んでもよい。圧力センサ112からの圧力情報が電池への差し迫った損傷を示すのに十分な程に高い場合、電池制御装置108は一体化型接触器122を接続位置から切断位置に切り替え、かつ電池セル104から負荷124へのエネルギの流れまたは充電源130から電池セル104へのエネルギの流れを中断させてもよい。電池制御装置108が1回以上の圧力逃し弁故障緩和措置を行ったら、電池制御装置108がセンサ112、114から圧力および温度情報を受信し続けている場合、プロセス200は工程202に戻ることによって完結する。
【0033】
次に図3を参照すると、水浸入状態を検出するためのプロセス300が示されている。本開示の例示的な一実施形態によれば、プロセス300は少なくとも部分的に電池管理システム106の電池制御装置108によって行われてもよい。他の実施形態では、プロセス300は少なくとも部分的に中央制御装置128によって行われてもよい。電池制御装置108のみを参照しながらプロセス300について以下に説明する。いくつかの実施形態ではプロセス300は、図2を参照しながら上に記載されているプロセス200と同時またはその後に連続的に行われてもよい。他の実施形態では、例えば電池管理システム106が湿度センサ116を備え、かつ圧力センサ112を備えていない場合に、プロセス300はプロセス200が存在しない状態で行われてもよい。
【0034】
プロセス300は、電池制御装置108が湿度センサ(例えば湿度センサ116)から湿度情報を受信する工程302で開始することが示されている。工程304では、電池制御装置108は、水浸入状態が生じているか否かを決定する。適切に密閉された電池筐体に関する公称条件下では、湿度センサ116によって受信された情報によって示されている相対的湿度は閾値を超えていないはずである。電池制御装置108が相対的湿度が閾値を超えてないと決定した場合、プロセス300は工程302に戻る。
【0035】
しかし電池制御装置108が工程304において相対的湿度が閾値を超えていると決定した場合、これは筐体が破損されており、かつ水が筐体に入り、電池が熱暴走事象のリスク下に置かれているということを示してもよい。従ってプロセス300は工程306に進み、電池制御装置108は水浸入緩和措置を行ってもよい。いくつかの実施形態では水浸入緩和措置は、電池制御装置108がユーザ装置に表示される水浸入状態を示しているメッセージを送信することを含んでもよい。湿度センサ116からの湿度情報が電池への差し迫った損傷を示すのに十分な程に高い場合、電池制御装置108は一体化型接触器122を接続位置から切断位置に切り替え、かつ電池セル104から負荷124へのエネルギの流れまたは充電源130から電池セル104へのエネルギの流れを中断させてもよい。電池制御装置108が1回以上の水浸入措置を行ったら、電池制御装置108が湿度センサ116から湿度情報を受信し続ける場合、プロセス300は工程302に戻ることによって完結する。
【0036】
次に図4を参照すると、加速度損傷状態を検出するためのプロセス400が示されている。加速度損傷状態は、電池セル104が舶用負荷124から接続および切断されている両方の場合に様々な状況下で生じ得る。例えば舶用負荷124への接続前に、電池システム102は電池システム102が落とされたりそうでなければ輸送中に手荒に取り扱われたりした場合に加速度損傷を受ける場合がある。舶用負荷124に接続されると、電池システム102は、船舶100が別の船舶または物理的障害物との衝突を受けた場合に加速度損傷を受ける場合がある。従ってプロセス400は、電池システム102のための立ち上げ手順の一部として、また船舶100が動作している間に連続的に行われてもよい。
【0037】
本開示の例示的な一実施形態によれば、プロセス400は少なくとも部分的に電池管理システム106の電池制御装置108によって行われてもよい。他の実施形態では、プロセス400は少なくとも部分的に中央制御装置128によって行われてもよい。電池制御装置108のみを参照しながらプロセス400について以下に説明する。
【0038】
プロセス400は、電池制御装置108が1つ以上の加速度センサ(例えば加速度計118)から加速度情報を受信する工程402で開始することが示されている。工程404では、電池制御装置108は受信した加速度情報が加速度損傷閾値の加速度値成分を超えていることを示しているか否かを決定する。加速度値成分を超えていない場合、プロセス400は工程402に戻る。
【0039】
しかし電池制御装置108が加速度値成分を超えていると決定した場合、プロセス400は工程406に進んで、受信した加速度情報が時間値成分も超えていることを示しているか否かを決定する。より高い加速度-より短期間の事象(例えば、電池の落下、衝突)ならびにより低い加速度-より長期間の加速事象(例えば、荒れた海況下での船舶における電池の不適切な固定)はどちらも同様に破壊的であるので、加速度損傷閾値は加速度値成分および時間値成分の両方を含む。時間値成分を超えていない場合、プロセス400は工程402に戻る。
【0040】
電池制御装置108が、加速度損傷閾値の加速度値成分および時間値成分のどちらも超えていると決定した場合、プロセス400は工程408に進んでもよく、電池制御装置108は加速度損傷緩和措置を行ってもよい。上記プロセス200および300と同様に加速度損傷緩和措置は、ユーザ装置に表示される加速度損傷状態を示しているメッセージを送信すること、および一体化型接触器122を切り替えて電池セル104から負荷124へのエネルギの流れを中断させることの一方または両方を含んでもよい。電池制御装置108がこれらの緩和措置の一方または両方を行ったら、電池制御装置108が加速度計118から加速度情報を受信し続ける場合、プロセス400は工程402に戻ることによって完結する。
【0041】
次に図5を参照すると、誤った電池向き状態を検出するためのプロセス500が示されている。いくつかの状況下で誤った電池向き状態が生じる場合がある。例えば電池システム102は船舶100に誤って逆さまに設置される場合がある。別の例として、船舶100が転覆した場合に電池システム102は船舶100全体と共に逆さまに回転する場合がある。本開示の例示的な一実施形態によれば、プロセス500は少なくとも部分的に電池管理システム106の電池制御装置108によって行われてもよい。他の実施形態では、プロセス500は少なくとも部分的に中央制御装置128によって行われてもよい。電池制御装置108のみを参照しながらプロセス500について以下に説明する。
【0042】
プロセス500は、電池制御装置108が1つ以上の加速度センサ(例えば加速度計118)から加速度情報を受信する工程502で開始することが示されている。工程504では、電池制御装置108は加速度計118から受信した加速度情報を重力基準情報と比較する。重力基準情報は加速度計118を用いて得てもよく、これは垂直方向に重力の加速度、垂直方向に直交した他の2つの方向にゼロに近い加速度を示すはずである。例示的な一実施形態では、工程504はボートが動いておらず、かつ電池が停止している場合は起動時に生じる。工程506では、電池制御装置108は、上記比較が電池が誤った向き状態にあることを示しているか否かを決定する。電池制御装置108が上記比較が誤った向き状態を示していないと決定した場合、プロセス500は工程502に戻る。電池制御装置108が上記比較が誤った向き状態を示していると決定した場合、プロセス500は工程508に進む。
【0043】
工程508では、電池制御装置108は向き緩和措置を行ってもよい。誤った向き状態を生じさせる船舶100によって経験される状況の深刻度により、上記プロセス200~400とは異なり、向き緩和措置は検出された誤った向き状態を示しているメッセージをユーザに送信することを含んでいなくてもよい。代わりに向き緩和措置は単に、電池制御装置108が一体化型接触器122を切り替えて電池セル104から負荷124へのエネルギの流れを中断させることを含んでもよい。次いでプロセス500は工程502に戻ることによって完結する。
【0044】
次に図6を参照すると、複数の電池システム102の配置を含む他の電力貯蔵装置システム601を備えた船舶600が示されている。図示のように中央制御装置128、負荷124および充電源130に結合されていることに加えて、電池システム102は互いに通信可能に結合されている。いくつかの実施形態では、中央制御装置128は省略されていてもよく、かつ他の電池システム102からセンサ情報を受信する際、および他の電池システム102の一体化型接触器122を制御して負荷124へのエネルギの流れまたは充電源130からのエネルギの流れを中断させる際の両方において電池制御装置108のうちの1つが他の電池システム102への監視制御装置として機能してもよい。他の実施形態では、全てのセンサ情報が電池システム102から中央制御装置128に伝送され、中央制御装置128は必要に応じて電池システム102の一体化型接触器122を制御するように機能する。
【0045】
次に図7を参照すると、不正確な電池取付状態を検出するためのプロセス700が示されている。電池システム102の1つ以上が船舶(例えば船舶100、600)にしっかりと設置されておらず、不適切に設置された電池システム102が受ける予期せぬ振動が生じる場合に、不正確な電池取付状態が生じる場合がある。時間の経過と共に、この過剰な振動により不適切に設置された電池システム102が損傷される場合がある。例示的な一実施形態では、プロセス700は少なくとも部分的に中央制御装置128によって行われる。他の実施形態では、プロセス700は少なくとも部分的に1つ以上の電池システム102の電池制御装置108によって行われる。中央制御装置128のみを参照しながらプロセス700について以下に説明する。
【0046】
プロセス700は、中央制御装置128が個々の電池システム102のそれぞれの筐体内に位置している加速度計(例えば加速度計118)から加速度情報を受信する工程702で開始することが示されている。工程704では、中央制御装置128(または監視制御装置として機能している電池制御装置108)は、他の電池システム102と比較した場合または中央制御装置128のメモリに記憶することができる公称振動レベルと比較した場合に電池システム102がより高いレベルの衝撃または振動を受けていることを示している電池システム102のいずれかからの加速度情報が加速度差閾値を超えているか否かを決定する。なおさらなる実施形態では、加速度差閾値は、電池システム102の外部の船舶の一部に取り付けられている別の加速度計から受信した加速度データに基づいて計算してもよい。加速度差閾値は、加速度値成分および時間値成分の両方を含んでいてもよい。このようにして、一時的な事象が不適切な取り付けとして検出されないようにするために、異常な振動は少なくとも最小の期間にわたって持続しなければならない。
【0047】
中央制御装置128が、1つ以上の電池システム102が差閾値を超えていることを検出した場合、プロセス700は工程702に進み、中央制御装置128は差閾値を超えている電池システム102のために1つ以上の不正確な取付緩和措置を行う。当該措置は、ユーザ装置に表示される1つ以上の電池システム102が不正確に設置されており、かつ修理しなければならないことを示しているメッセージを送信すること、および/または影響を受けている電池システム102を負荷124から切断することを含んでもよい。工程706において緩和措置を行うと、プロセス700は工程702に戻る。
【0048】
本開示では簡潔性、明確性および理解のために特定の用語を使用してきた。そのような用語は便宜のためにのみ使用されており、かつ広く解釈されることが意図されているため、先行技術の要件を超えてそこから不必要な限界を与えるものではない。本明細書に記載されている異なるシステムおよび方法は、単独または他のシステムおよび装置との組み合わせで使用してもよい。添付の特許請求の範囲内で様々な均等物、代替形態および修正形態が可能である。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】