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特開2022-100283内燃機関の排気システムのための加熱装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022100283
(43)【公開日】2022-07-05
(54)【発明の名称】内燃機関の排気システムのための加熱装置
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/36 20060101AFI20220628BHJP
   F01N 3/26 20060101ALI20220628BHJP
   F01N 13/00 20100101ALI20220628BHJP
   F23D 11/24 20060101ALI20220628BHJP
   F23L 1/00 20060101ALI20220628BHJP
【FI】
F01N3/36 P
F01N3/26 L
F01N13/00 Z
F23D11/24 A
F23L1/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021207827
(22)【出願日】2021-12-22
(31)【優先権主張番号】102020000032171
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】519372043
【氏名又は名称】マレリ・ヨーロッパ・エッセ・ピ・ア
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マウロ・ブリニョネ
(72)【発明者】
【氏名】マルコ・ラ・サナ
(72)【発明者】
【氏名】エマヌエーレ・ミラニ
(72)【発明者】
【氏名】ステファノ・リヴェッラ
【テーマコード(参考)】
3G004
3G091
3K023
【Fターム(参考)】
3G004BA06
3G004DA03
3G091AB03
3G091AB13
3G091BA03
3G091CA02
3G091CA18
3G091FA02
3G091FB02
3G091FC07
3G091HA04
3G091HA45
3G091HB03
3K023EA03
(57)【要約】
【課題】内燃機関の排気システムのための加熱装置を提供すること。
【解決手段】燃焼室(7)が内側で得られる管状体(12)と、燃焼室(7)内へ燃料を注入する燃料インジェクタ(9)と、燃焼室(7)へ向けられ、燃料と混合される気流を受けるようにファン(8)に接続することができる少なくとも1つの入口開口(18)と、入口開口(18)から空気を受け、燃料インジェクタ(9)の端部を囲み、燃料インジェクタ(9)の注入点の周りに配置されているノズル(22)で終わる、供給チャネル(21)と、空気と燃料の混合気の燃焼を引き起こすように管状体(12)の側壁(16)を通して搭載されているスパークプラグ(10)と、を有する、内燃機関(2)の排気システム(1)のための加熱装置(6)。燃料インジェクタ(9)は、燃料の少なくとも80%を供給チャネル(21)の内面(26)に対して噴霧するように構成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関(2)の排気システム(1)のための加熱装置(6)であって、前記加熱装置(6)は、
燃焼室(7)が内側で得られる管状体(12)と、
前記燃焼室(7)内へ燃料を注入するように前記管状体(12)の基壁(14)を通して搭載されている燃料インジェクタ(9)と、
前記燃焼室(7)へ向けられ、前記燃料と混合される気流を受けるようにファン(8)に接続することができる、少なくとも1つの入口開口(18)と、
前記入口開口(18)から空気を受け、前記燃料インジェクタ(9)の端部を囲み、前記燃料インジェクタ(9)の注入点の周りに配置されているノズル(22)で終わる、供給チャネル(21)と、
空気と燃料の混合気の燃焼を引き起こすように前記管状体(12)の側壁(16)を通して搭載されているスパークプラグ(10)と、
を含み、
前記加熱装置(6)は、前記燃料インジェクタ(9)が、前記燃料の少なくとも80%を前記供給チャネル(21)の内面(26)に対して噴霧するように構成されていることを特徴とする、加熱装置(6)。
【請求項2】
前記インジェクタ(9)は、前記燃料の少なくとも90%、好ましくは100%を前記供給チャネル(21)の前記内面(26)に対して噴霧するように構成されている、請求項1に記載の加熱装置(6)。
【請求項3】
前記インジェクタ(9)は、中心で中空の円錐形状を有する、すなわち環状のような形状の断面を有する燃料噴射(27)を放出するように構成されている、請求項1または2に記載の加熱装置(6)。
【請求項4】
前記燃料噴射(27)の外面が約70°の開口角度(α)を有し、前記燃料噴射(27)の内面が約50°の開口角度(β)を有する、請求項3に記載の加熱装置(6)。
【請求項5】
前記供給チャネル(21)は、前記供給チャネル(21)の前記内面(26)を有する外側管状体(24)によって外側が区切られ、内側管状体(25)によって内側が区切られ、前記内側管状体(25)は、前記燃料インジェクタ(9)を囲み、内側で、前記燃料インジェクタ(9)を収容する、請求項1から4のいずれか一項に記載の加熱装置(6)。
【請求項6】
前記外側管状体(24)は円錐部分(28)を含み、前記円錐部分(28)は前記ノズル(22)に向かってその大きさを減らし、
前記燃料インジェクタ(9)は、前記燃料の少なくとも一部を前記外側管状体(24)の前記円錐部分(28)に対して噴霧するように構成されている、請求項5に記載の加熱装置(6)。
【請求項7】
前記外側管状体(24)は円錐部分(28)を含み、前記円錐部分(28)は前記ノズル(22)に向かってその大きさを減らし、
前記外側管状体(24)は円筒部分(29)を含み、前記円筒部分(29)は前記円錐部分(28)の下流に配置されて前記ノズル(22)で終わり、
前記燃料インジェクタ(9)は、前記燃料の少なくとも一部を前記外側管状体(24)の前記円筒部分(29)に対して噴霧するように構成されている、請求項5に記載の加熱装置(6)。
【請求項8】
前記外側管状体(24)は円筒部分(29)を含み、前記円筒部分(29)は前記ノズル(22)で終わり、
前記燃料インジェクタ(9)は、前記燃料の全部を前記外側管状体(24)の前記円筒部分(29)に対して噴霧するように構成されている、請求項5に記載の加熱装置(6)。
【請求項9】
前記供給チャネル(21)は、前記供給チャネル(21)の前記内面(26)を有する外側管状体(24)によって外側が区切られ、
前記外側管状体(24)は円筒部分(29)を含み、前記円筒部分(29)は前記ノズル(22)で終わり、
前記燃料インジェクタ(9)は、前記燃料の全部を前記外側管状体(24)の前記円筒部分(29)に対して噴霧するように構成されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の加熱装置(6)。
【請求項10】
静的ミキサ(23)を備え、前記静的ミキサ(23)は、環状のような形状であり、前記供給チャネル(21)に沿って前記燃料インジェクタ(9)の周りに配置され、前記ノズル(22)に向かって流れる空気に乱気流、特に渦運動を生成するように構成されている、を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の加熱装置(6)。
【請求項11】
接線方向に配向された流れで前記入口開口(18)へ空気が流入する、請求項1から10のいずれか一項に記載の加熱装置(6)。
【請求項12】
前記供給チャネル(21)の前記ノズル(22)は円形状を有して直径(D)を有し、前記直径(D)は、前記燃料インジェクタ(9)の前記注入点と前記ノズル(22)との間の軸方向距離(X)の50%から110%まで、好ましくは60%から100%までの範囲である、請求項1から11のいずれか一項に記載の加熱装置(6)。
【請求項13】
前記供給チャネル(21)の前記ノズル(22)は円形状を有して直径(D)を有し、前記直径(D)は、前記燃料インジェクタ(9)の前記注入点と前記ノズル(22)との間の軸方向距離(X)の50%、好ましくは60%より大きい、請求項1から12のいずれか一項に記載の加熱装置(6)。
【請求項14】
前記燃料インジェクタ(9)の前記注入点と前記ノズル(22)との間の軸方向距離(X)が、前記供給チャネル(21)の前記ノズル(22)の直径の200%、好ましくは170%より小さい、請求項1から13のいずれか一項に記載の加熱装置(6)。
【請求項15】
内燃機関(2)のための排気システム(1)であって、前記排気システム(1)は、
前記内燃機関(2)の排気マニホルドから始まり、排気ガスが大気中へ放出される消音器(4)で終わる、排気ダクト(3)と、
前記排気ダクト(3)に沿って配置されている排気ガス処理装置(5)と、
前記処理装置(5)の上流で前記排気ダクト(3)に接続され、燃料を燃やすことによって、熱気流を生成するように設計され、請求項1から14のいずれか一項にしたがって製造される、加熱装置(6)と、
を含む、排気システム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、2020年12月23日に出願されたイタリア特許出願第102020000032171号から優先権を主張するものであり、その開示全体を参照により本明細書に組み込む。
【0002】
本発明は内燃機関の排気システムのための加熱装置に関する。
【背景技術】
【0003】
内燃機関の排気システムは排気ダクトを含み、これに沿って内燃機関から来る排気ガスの処理のための少なくとも1つの装置が設置され、特に、触媒コンバータ(酸化触媒コンバータまたは還元触媒コンバータのいずれか)が常にあり、これに粒子フィルタを加えることができる。未燃焼炭化水素、酸化窒素および一酸化炭素を二酸化炭素、水および窒素へ変換するための化学反応は、作動温度に達したときにのみ起こるため、触媒コンバータは、作動するため(すなわち、触媒変換を実行するため)、比較的高い動作温度で動作する必要がある(現代の触媒コンバータは800℃に近いような温度で作動する)。
【0004】
冷始動段階中(すなわち内燃機関が長時間オフになり、したがって内燃機関の異なる部品の温度が周囲温度に達していた後でオンになるとき)、触媒コンバータの温度は、比較的長時間(冬、および内燃機関がアイドリングする、または非常にゆっくり稼働する都市移動中では数分にもなる)、動作温度を著しく下回ったままになる。結果として、冷始動段階中、すなわち触媒コンバータがまだその動作温度に達していない時間の間、触媒コンバータの浄化効果がゼロに近い、またはいずれにせよ、ほとんど効果的ではないため、汚染排気量が非常に高い。
【0005】
触媒コンバータの動作温度の到達を速めるため、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4および特許文献5が、排気ダクトに沿って、加熱装置を設置することを提案しており、これは、燃料を燃やすことによって、(非常に)熱い気流を生成し、これが触媒コンバータを通って流れる。特に、加熱装置は燃焼室を含み、これは、出口で、排気ダクトに接続され(触媒コンバータのすぐ上流で)、そして入口で、ファンに接続され、これは燃焼室を通って流れる気流を生成し、燃焼室においては、空気と混合される燃料を注入する燃料インジェクタ、および空気を加熱する燃焼を得るために空気燃料混合気に点火するスパークを周期的に生成するスパークプラグもある。
【0006】
知られている加熱装置において、燃料の燃焼はすべての動作条件において常に完全というわけではなく、したがって、(特に大量の熱を発生させるために大量の燃料が注入されるとき)未燃焼燃料が排気ダクトに達して排気ダクトの内側で燃え、したがって突然の、予期しないそして望まない温度上昇を局所的に決定するということが起こる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0631039号明細書
【特許文献2】国際公開第2012139801号パンフレット
【特許文献3】米国特許第8006487号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2011289906号明細書
【特許文献5】欧州特許出願公開第2713022号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、内燃機関の排気システムのための加熱装置を提供することであり、この加熱装置は、完全な燃料燃焼(すなわち未燃焼燃料を排気ダクト内へ導入することがない)を可能にし、さらに、製造するのが簡単で経済的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、添付の請求項による内燃機関の排気システムのための加熱装置が提供される。
【0010】
添付の請求項は、本発明の好ましい実施形態を説明し、この説明の不可欠な部分を形成する。
【0011】
本発明を次に、その非限定的な一実施形態を示す添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明による加熱装置が設けられた内燃機関の排気システムの概略的な部分的な図である。
図2図1の加熱装置のより明確にするために部品が除去された概略的な縦断面図である。
図3図2の詳細のより拡大された図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1において、番号1が、全体として、内燃機関2の排気システムを示す。
【0014】
排気システム1は排気ダクト3を含み、これは内燃機関2の排気マニホルドから始まって消音器4で終わり、ここから排気ガスが大気中へ放出される。排気ダクト3に沿って内燃機関から来る排気ガスの処理のための少なくとも1つの装置5が設置され、特に、触媒コンバータ(酸化触媒コンバータまたは還元触媒コンバータのいずれか)が常にあり、これに粒子フィルタを加えることができる。未燃焼炭化水素、酸化窒素および一酸化炭素を二酸化炭素、水および窒素へ変換するための化学反応は、作動温度に達したときにのみ起こるため、触媒コンバータは、作動するため(すなわち、触媒変換を実行するため)、比較的高い動作温度で動作する必要がある(現代の触媒コンバータは800℃に近いような温度で作動する)。
【0015】
処理装置5の加熱を速めるため、すなわち処理装置5がより速くその動作温度に達することを可能にするため、排気システム1は加熱装置6を含み、これは、燃料を燃やすことによって、(非常に)熱い気流を生成し、これが処理装置5を通って流れる。
【0016】
加熱装置6は燃焼室7を含み、これは、出口で、排気ダクト3に接続され(処理装置5のすぐ上流で)、そして入口で、ファン8に(すなわち、空気ポンプに)接続され、これは燃焼室7を通って流れる気流を生成し、燃焼室7においては、空気と混合される燃料を注入する燃料インジェクタ9、および空気を加熱する燃焼を得るために空気燃料混合気に点火するスパークを周期的に生成するスパークプラグ10もある。加熱装置6の燃焼室7は出口ダクト11で終わり、これは排気ダクト3内へつながっている(処理装置5のすぐ上流で)。
【0017】
図2によれば、加熱装置6は、長手軸13を有する管状体12(たとえば、円筒形状の、そして円形または楕円形の断面を有する)を含み、管状体12は、2つの端部で、2つの対向する基壁14および15によって限定され、側壁16によって横に限定され、これが2つの基壁14および15を互いに接続する。基壁14は中心で穴をあけられてインジェクタ9を収容するようになっており、これは管状体12と同軸に(すなわち、長手軸13と同軸に)搭載され、換言すれば、燃料インジェクタ9は、燃焼室7内へ燃料を注入するように管状体12の基壁14を通して搭載されている。同様に、基壁15は中心で穴をあけられて出口ダクト11に合うようになっており、これは排気ダクト3において終わり、すなわち、基壁15は、出口ダクト11が始まる燃焼室7から熱気を出す出口開口17を有する。
【0018】
図2によれば、管状体12を通して入口開口18の(少なくとも)一部が得られ、これは、燃焼室7に向けられ、燃料インジェクタ9によって注入される燃料と混合される気流を受けるため、入口ダクト19(図1に示す)という手段によってファン8に接続されている。好ましくは、接線方向に(管状体12に対して)配向されている流れで入口開口18内へ空気が流れ、すなわち入口ダクト19は接線方向に(管状体12に対して)配向されている。
【0019】
図1に示す可能な、しかし非拘束の実施形態によれば、入口開口18の領域において逆止め弁20があり、これは燃焼室7に向かう(すなわち、管状体12へ流入する)気流のみを可能にする。好ましくは、逆止め弁20は受動的であり(すなわち、動きを生成する電気、油圧または空気圧アクチュエータを含まない)、圧力制御され、逆止め弁20の上流の圧力が逆止め弁20の下流の圧力より高いときにのみ開く。逆止め弁20の機能は、加熱装置6が用いられていないとき(すなわちファン8がオフになっているとき)、排気ガスが入口開口18から流出するまで逆流し、したがって、処理装置5を通過せずに大気中へ放出されることを防止するというものである。あるいは、逆止め弁20は、出口ダクト11に沿って、たとえば出口開口17の領域に搭載することもでき、この場合、逆止め弁20により、燃焼室7から(管状体12から)排気ダクト3に向かって空気が流出することのみが可能になり、すなわち排気ダクト3から燃焼室7に向かって(管状体12内へ)排気ガスが流れることが防止される。
【0020】
図2によれば、加熱装置6は供給チャネル21を含み、これは、入口開口18から空気を受け、燃料インジェクタ9の端部を囲んでノズル22で終わり、これは、燃料インジェクタ9の注入点の周りに(すなわち、燃料が流出する、燃料インジェクタ9の噴霧先端の周りに)配置されている。
【0021】
入口開口18から管状体12へ流入して供給チャネル21のノズル22によって燃焼室7内へ導入される空気と、燃料インジェクタ9によって燃焼室7内へ注入される燃料の混合のために得られる、空気と燃料の混合気の燃焼を引き起こすため、スパークプラグ10は管状体12の側壁16を通して搭載されている。特に、管状体12の側壁16は貫通孔を有し、これは、径方向に(すなわち、長手軸13に垂直に)配向され、内側に(その中へねじ込まれて)、スパークプラグ10(これは明らかに径方向に配向されている)を収納している。
【0022】
加熱装置6は静的ミキサ23(すなわち、可動部がない)を含み、これは環形状を有し、供給チャネル21に沿って燃料インジェクタ9の周りに配置され、ノズル22に向かって流れる空気に乱気流、特に渦運動を生成するように構成されている。
【0023】
添付の図に示す好ましい、しかし非拘束の実施形態によれば、静的ミキサ23の下流で、空気速度の増加を決定するように、供給チャネル21は断面の面積の漸進的な減少を有する。特に、静的ミキサ23の下流で、供給チャネル21は、一定の断面積を有する開始部と、次第に減少する断面積を有する中間部と、ノズル22まで一定の断面積を有する端部と、を有する。
【0024】
供給チャネル21は、外側で、(少なくとも部分的に円錐形の)外側管状体24によって限定され、内側で、(少なくとも部分的に円錐形の)内側管状体25によって限定され、これは、燃料インジェクタ9を囲み、内側で、燃料インジェクタ9を収容する。すなわち、供給チャネル21は内側管状体25と外側管状体24との間に画定される。特に、2つの管状体24および25は、円錐部分(すなわちその大きさを次第に減少させる収束形状を有する)と円筒部分(すなわち一定の大きさの形状を有する)を交互にしたものである。
【0025】
好ましい一実施形態によれば、燃料インジェクタ9によって注入される燃料と混合するのに役立つ、渦運動(静的ミキサ23の作用によって続いて増大する)を有するように接線方向に配向された流れで空気が供給チャネル21へ流入し、換言すれば、燃焼室7に接線方向に配向されたダクトを通して燃焼室7内へ酸化空気を導入することにより、その酸化空気流は、燃焼室7の内側の空気と燃料の混合を最適化するように円運動(静的ミキサ23の存在によってさらに強化される)を得ることが可能になる。
【0026】
図3によれば、燃料インジェクタ9は、燃料の少なくとも80%(好ましくは少なくとも90~95%、さらには100%まで)を供給チャネル21の内面26に対して噴霧するように構成され、すなわち、燃料インジェクタ9は、供給チャネル21の外側に向かって燃料を直接向けるのではなく、これに反して、供給チャネル21の内面26に対して燃料(基本的に燃料の全部、すなわち燃料の100%)を向け、インジェクタ9から流出するすべての燃料が、ノズル22を通って供給チャネル21から流出する前に予備的に内面26に当たるようになっている。内面26に対する燃料の衝突により、インジェクタ9によって放出された燃料の小滴を非常に効果的な方法で細分化することが可能になり、こうすることによって、供給チャネル21に沿って流れる空気と上記燃料の混合は著しく改善され、空気と燃料との間の混合の改善により、燃料の理想的な、特に、完全な燃焼が保証され、したがって未燃焼燃料の一部が燃焼室7から流出することが防止される。
【0027】
好ましい一実施形態によれば、インジェクタ9は、中心が中空の円錐形状を有する、すなわち環状のような形状の断面を有する燃料噴射27を放出するように構成され、燃料が周辺に集まり、特に、図3に示す実施形態によれば、燃料噴射27の外面が約70°(たとえば、65°と75°との間の範囲)の開口角度αを有し、燃料噴射27の内面が約50°(たとえば、45°から55°までの範囲)の開口角度βを有する。換言すれば、インジェクタ9は、円錐形状(円錐の頭頂点が注入ノズルに近い)を有し、中心で、また円錐形状(円錐の頭頂点が注入ノズルに近い)の穴(すなわち、燃料がない領域)を有する燃料噴射27を生成し、したがって、インジェクタ9によって生成される燃料噴射27は、中央の穴の存在のために円錐シェルの形状を有し、すなわち内部が中空の円錐形状を有する。
【0028】
上記のように、供給チャネル21は、外側で、外側管状体24(供給チャネル21の内面26を有する)によって限定され、内側で、内側管状体25によって限定され、これは、燃料インジェクタ9を囲み、内側で、燃料インジェクタ9を収容する。外側管状体24は円錐部分28を含み、これはノズル22に向かってその大きさを減らし、さらに、添付の図に示す好ましい一実施形態によれば、外側管状体24はまた円筒部分29を含み、これは円錐部分28の下流に配置されてノズル22で終わる。本明細書に示さない異なる一実施形態によれば、外側管状体24は、円筒部分29を有さず、したがって、円錐部分28のみを含む。本明細書に示さないさらなる一実施形態によれば、円筒部分29は、円錐部分28の先細り(収束)より小さな先細り(収束)を有するさらなる円錐部分によって置き換えることもできる。
【0029】
添付の図に示す実施形態において、燃料インジェクタ9は、燃料の少なくとも一部を外側管状体24の円筒部分29に対して(またはさらなる円錐部分に対して)噴霧するように構成され、特に、燃料インジェクタ9は、燃料の大部分(ほぼ全部、基本的に全部、すなわち100%)を外側管状体24の円筒部分29に対して(またはさらなる円錐部分に対して)噴霧するように構成されている。異なる一実施形態によれば、燃料インジェクタ9は、燃料の少なくとも一部を外側管状体24の円筒部分29に対して(またはさらなる円錐部分に対して)、そして燃料の少なくとも一部を外側管状体24の円錐部分28に対して噴霧するように構成され、たとえば、燃料インジェクタ9は、燃料の約半分を外側管状体24の円錐部分28に対して、そして燃料の約半分を外側管状体24の円筒部分29に対して(またはさらなる円錐部分に対して)噴霧するように構成されている。さらなる一実施形態によれば、燃料インジェクタ9は、燃料の少なくとも一部を外側管状体24の円錐部分28に対して噴霧するように構成され、特に、燃料インジェクタ9は、燃料の大部分(ほぼ全部)を外側管状体24の円錐部分28に対して噴霧するように構成されている。
【0030】
図3によれば、供給チャネル21のノズル22は円形状を有して直径Dを有し、これは、燃料インジェクタ9の注入点とノズル22との間の軸方向距離X(すなわち、長手軸13に沿って測定される)の50%から110%まで、好ましくは60%から100%までの範囲である。換言すれば、供給チャネル21のノズル22は円形状を有して直径Dを有し、これは、燃料インジェクタ9の注入点とノズル22との間の軸方向距離Xの50%、好ましくは60%より大きく、すなわち、燃料インジェクタ9の注入点とノズル22との間の軸方向距離Xは、供給チャネル21のノズル22の直径の200%、好ましくは170%より小さい。結果として、燃料が噴霧される、管状体24の円筒部分29(これは端部である)は、直径と軸方向長さ(すなわち、長手軸13に沿って測定される)との間で高い比率を有し、したがって、燃料の大部分を供給チャネル21の内面26に対して、特に、管状体24の円筒部分29(これは端部である)に対して噴霧するため、燃料噴霧27は大きな開口角度α(約70°、したがって45°よりはるかに大きい)を有さねばならない。
【0031】
好ましい一実施形態によれば、加熱装置6は制御ユニット30(図1に概略的に示す)を含み、これは、できるだけ効率的および効果的に、所望の目的(すなわち、超過温度のために処理装置5を損傷することなく迅速に処理装置5を加熱すること)に達するよう、加熱装置6の動作全体を制御するように、すなわちファン8、インジェクタ9およびスパークプラグ10を協調させて制御するように構成されている。
【0032】
本明細書に記載の実施形態は、この理由で発明の保護の範囲を超えることなく、互いに組み合わせることができる。
【0033】
上述の加熱装置6は多くの利点を有する。
【0034】
まず、上述の加熱装置6により、供給チャネル21のノズル22によって導入される酸化空気と燃料インジェクタ9によって注入される燃料との間の理想的な混合のおかげで、すべての動作条件において(特に大量の熱を発生させるために大量の燃料が注入されるとき)、完全な燃料燃焼(すなわち、未燃焼燃料を排気ダクト3内へ導入することがない)が保証される。
【0035】
さらに、上述の加熱装置6はその全体的な寸法に関して高い火力を有し、すなわち、比較的小さくても、上述の加熱装置6は高い火力を生成する。
【0036】
最後に、上述の加熱装置6は、複雑でない形状を備えた、標準的な溶接および接合で結合が容易な少数の部品からなるため、製造するのが簡単で経済的である。
【符号の説明】
【0037】
1 排気システム
2 内燃機関
3 排気ダクト
4 消音器
5 処理装置
6 加熱装置
7 燃焼室
8 ファン
9 燃料インジェクタ
10 スパークプラグ
11 出口ダクト
12 管状体
13 長手軸
14 基壁
15 基壁
16 側壁
17 出口開口
18 入口開口
19 入口ダクト
20 逆止め弁
21 供給チャネル
22 ノズル
23 静的ミキサ
24 円錐状外側管状体
25 円錐状内側管状体
26 内面
27 燃料噴射
28 円錐部分
29 円筒部分
30 制御ユニット
α 角度
β 角度
D 直径
X 距離
図1
図2
図3
【外国語明細書】