(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022100291
(43)【公開日】2022-07-05
(54)【発明の名称】船舶のための船舶用バッテリ充電システム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/02 20160101AFI20220628BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20220628BHJP
H02J 7/35 20060101ALI20220628BHJP
【FI】
H02J7/02 G
H02J7/00 303C
H02J7/00 303B
H02J7/35 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021208294
(22)【出願日】2021-12-22
(31)【優先権主張番号】17/133,443
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519374287
【氏名又は名称】ブランズウィック コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン ジェイ.ゴンリング
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503AA04
5G503AA06
5G503AA07
5G503BA01
5G503BB01
5G503BB06
5G503DA04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】船舶上の船舶用バッテリのための急速充電ステーション及びそれを動作させる方法を提供する。
【解決手段】船舶用充電システム100において、急速充電ステーション106は、ドックバッテリ110と、電源及びドックバッテリに動作可能に結合される充電器108と、水域中のドック構造102に位置するエンクロージャとを含む。エンクロージャは、ドックバッテリ及び充電器を封入する。充電器は、船舶がドック構造にドッキングしていない時に、電源を使用してドックバッテリを充電する。充電器は、船舶がドック構造にドッキングしている時に、電源及びドックバッテリを使用して船舶用バッテリを充電する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドックバッテリと、
電源および前記ドックバッテリに動作可能に結合される充電器と、
水域中のドック構造に位置するエンクロージャであって、前記ドックバッテリおよび前記充電器を少なくとも部分的に封入するように構成された、エンクロージャと
を備える、船舶上の船舶用バッテリのための急速充電ステーションであって、
前記充電器は、前記船舶が前記ドック構造にドッキングしていない時に、前記電源を使用して前記ドックバッテリを充電するように構成され、
前記充電器は、前記船舶が前記ドック構造にドッキングしている時に、前記電源および前記ドックバッテリを使用して前記船舶用バッテリを充電するように構成される、
急速充電ステーション。
【請求項2】
前記ドックバッテリは、前記船舶用バッテリより高い公称電圧を有する、請求項1に記載の急速充電ステーション。
【請求項3】
前記電源は、120ボルト交流電流を供給するコンセントである、請求項1に記載の急速充電ステーション。
【請求項4】
前記コンセントは、前記ドック構造に結合されたドックペデスタルに位置する、請求項3に記載の急速充電ステーション。
【請求項5】
前記充電器は、前記船舶が前記ドック構造にドッキングしている時に、前記電源を使用して前記船舶用バッテリおよび前記ドックバッテリを同時に充電するようにさらに構成される、請求項1に記載の急速充電ステーション。
【請求項6】
前記充電器は、前記船舶が前記ドック構造にドッキングしている時に、前記電源を使用して前記船舶用バッテリおよび前記ドックバッテリを順次充電するようにさらに構成される、請求項1に記載の急速充電ステーション。
【請求項7】
前記水域から前記エンクロージャを通して引かれた冷却水を循環させるように構成されたポンプをさらに備える、請求項1に記載の急速充電ステーション。
【請求項8】
前記充電器は、再生可能資源充電器を備え、前記電源は、複数のソーラーパネルを使用して得られるソーラーパワーを備える、請求項1に記載の急速充電ステーション。
【請求項9】
前記充電器は、再生可能資源充電器を備え、前記電源は、風力タービンを使用して得られる風力を備える、請求項1に記載の急速充電ステーション。
【請求項10】
前記充電器は、再生可能資源充電器を備え、前記電源は、水力タービンを使用して得られる水力発電電力を備える、請求項1に記載の急速充電ステーション。
【請求項11】
船舶上の船舶用バッテリのための急速充電ステーションを動作させるための方法であって、
前記急速充電ステーションのドックバッテリを、前記急速充電ステーションの充電器を使用して、前記ドックバッテリを電源に動作可能に結合することによって充電することであって、前記ドックバッテリおよび前記充電器は、水域中のドック構造に位置するエンクロージャ中に少なくとも部分的に封入される、充電することと、
前記船舶を前記ドック構造にドッキングすることと、
前記船舶用バッテリを前記充電器に動作可能に結合することと、
前記ドックバッテリおよび前記電源を使用して前記船舶用バッテリを充電することと
を含む、方法。
【請求項12】
前記ドックバッテリは、前記船舶用バッテリより高い公称電圧を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記電源は、120ボルト交流電流を供給するコンセントである、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記コンセントは、前記ドック構造に結合されたドックペデスタルに位置する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ドックバッテリおよび前記電源を使用して前記船舶用バッテリを充電することは、前記船舶用バッテリおよび前記ドックバッテリを同時に充電することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記ドックバッテリおよび前記電源を使用して前記船舶用バッテリを充電することは、前記船舶用バッテリおよび前記ドックバッテリを順次充電することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記急速充電ステーションのポンプを使用して、前記水域から前記エンクロージャを通して引かれた冷却水を循環させること
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記充電器は、再生可能資源充電器を備え、前記電源は、ソーラーパワーを備え、前記急速充電ステーションの前記ドックバッテリを、前記ドックバッテリを前記電源に動作可能に結合することによって充電することは、前記再生可能資源充電器を使用して前記ドックバッテリを複数のソーラーパネルに動作可能に結合することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記充電器は、再生可能資源充電器を備え、前記電源は、風力を備え、前記急速充電ステーションの前記ドックバッテリを、前記ドックバッテリを前記電源に動作可能に結合することによって充電することは、前記再生可能資源充電器を使用して前記ドックバッテリを風力タービンに動作可能に結合することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記充電器は、再生可能資源充電器を備え、前記電源は、水力発電電力を備え、前記急速充電ステーションの前記ドックバッテリを、前記ドックバッテリを前記電源に動作可能に結合することによって充電することは、前記再生可能資源充電器を使用して前記ドックバッテリを水力タービンに動作可能に結合することを含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、船舶用バッテリ充電システム、具体的には、標準的なAC電源コンセントを使用してバッテリを急速充電するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第8,043,132号は、船舶が、陸上の定置エネルギー源に接続されるか、または再充電する時に、自力で船舶の動きを阻止するシステムを備えるハイブリッド船舶を開示する。これは、定置構造にケーブルまたは他の装置によって接続されている時に船舶がドックから離れるか、または離れようとする場合に通常なら生じ得る著しい損傷を回避する。システムは、ボートと、エネルギー源などの定置陸上構成要素との間の潜在的な接続を検出し、トランスミッションがそれらの条件下で前進または後退ギヤ位置に入るのを阻止する。同様に、ボートがすでに前進または後退ギヤ位置にある場合、システムは、それがバッテリ再充電モードになるのを阻止する。
【0003】
台湾特許公報第TWM448087号は、電気ボートシステムに適用されるDC制御充電システムを開示し、これはソケットモジュール、充電コントローラモジュール、およびリレーを含む。ソケットモジュールは、DC急速充電システムの仕様を満たす充電プラグと接続され得、その結果、充電コントローラモジュールは、ソケットモジュールおよびDC急速充電システムの仕様を満たす充電ステーションを通して互いに通信し得、充電コントローラモジュールは、充電要求を選択し、充電器によって使用される言語に変換するのに使用される。加えて、電力検出、緊急停止、および船体状態判定などの安全機構を有する。リレーは、充電スイッチである。バッテリをオンにすると、バッテリパックが充電され得る。充電システムは制御され、フロントパネルおよびリヤパネルはモジュール化されてソケットモジュール、充電コントローラモジュール、およびリレーをまとめ、フロントパネルは、ソケットモジュールが充電プラグの重量を支持するのを助ける支持部を備える。
【0004】
上記特許および特許公報は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0005】
この概要は、以下の発明を実施するための形態でさらに説明される概念の選択を紹介するために提供される。この概要は、特許請求される主題の重要なまたは本質的な特徴を特定することを意図しておらず、特許請求される主題の範囲を限定する助けとして使用することも意図していない。
【0006】
本開示の一実装によれば、船舶上の船舶用バッテリのための急速充電ステーションが提供される。急速充電ステーションは、ドックバッテリと、電源およびドックバッテリに動作可能に結合される充電器と、水域中のドック構造に位置するエンクロージャとを含む。エンクロージャは、ドックバッテリおよび充電器を封入するように構成される。充電器は、船舶がドック構造にドッキングしていない時に、電源を使用してドックバッテリを充電するように構成される。充電器は、船舶がドック構造にドッキングしている時に、電源およびドックバッテリを使用して船舶用バッテリを充電するようにさらに構成される。
【0007】
本開示の別の実装によれば、船舶上の船舶用バッテリのための急速充電ステーションを動作させるための方法が提供される。方法は、急速充電ステーションのドックバッテリを、急速充電ステーションの充電器を使用して、ドックバッテリを電源に動作可能に結合することによって充電することを含む。ドックバッテリおよび充電器は、水域中のドック構造に位置するエンクロージャ中に封入される。方法は、船舶をドック構造にドッキングすることと、船舶用バッテリを充電器に動作可能に結合することと、ドックバッテリおよび電源を使用して船舶用バッテリを充電することとをさらに含む。
【0008】
本開示は、以下の図面を参照して説明される。同様の特徴および同様の構成要素を参照するために、同じ番号が図面全体を通して使用される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の例示的実装による、船舶用充電システムを示すブロック図である。
【
図2】
図1の船舶用充電システムを使用した、船舶用バッテリの充電を示すブロック図である。
【
図3】
図1の船舶用充電システムを使用した、船舶用バッテリおよびドックバッテリの充電を示すブロック図である。
【
図4】本開示の別の例示的実装による、再生可能エネルギー源を組み込む船舶用充電システムを示すブロック図である。
【
図5】再生可能エネルギー源を組み込む別の船舶用充電システムを使用した、船舶用バッテリの充電を示す別のブロック図である。
【
図6】本開示の船舶用充電システムを使用して船舶用バッテリを充電するためのプロセスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本説明では、簡潔さ、明確さ、および理解のために、特定の用語が使用されている。このような用語は説明の目的でのみ使用され、広く解釈されることを意図しているので、先行技術の要件を超えてそこから不必要な制限は推測されない。
【0011】
電気推進システムを備える船舶は消費者の人気を博しているため、効率的な船舶用バッテリの充電は、喫緊の課題になっている。船舶は、自動車と同様に、充電が必要になるまでに適正な動作時間を提供するために大容量バッテリを必要とし、高価なバッテリシステムでさえ、一般に2時間または3時間の動作時間しか提供しない。しかしながら、過去数年で充電システムインフラの著しい改善を経た自動車と異なり、船舶に利用可能なドック充電システムは、しばしば、未発達であるか、または存在しない。例えば、いくつかのドックは、船台に利用可能な電力がなく、多くの他のドックは、標準的な単相120V 30Aまたは50Aのコンセントしか提供せず、240V電源またはDC急速充電船台を提供するマリーナはほとんどない。
【0012】
本発明者は、上記充電オプションの各々の既存インフラには著しい欠点があると認識する。船台に利用可能な電力がないドックは、充電できるように重いバッテリを船舶から出して交換する作業者を必要とし、これは、取り扱い中に作業者のけがまたはバッテリの損傷のリスクをもたらし得る。加えて、頻繁なバッテリ交換は、バッテリが船舶に着脱されなければならない回数のため、バッテリ接触不良または誤ったバッテリの取り付けのリスクを増加させ得る。(「レベル1」または低速AC充電としても知られる)標準的な120VのAC電力を船舶の船上充電器に提供するドックは、標準的な10kW-hrのバッテリを再充電するのに最長16時間かかり得る。(「レベル2」または中速AC充電としても知られる)240VのAC電力またはDC急速充電へのアクセスは、この充電時間を半分以上短縮し得るが、この技術を備える船台は、一般に極めてまれであり、かつ/または超大型船のために確保されている。
【0013】
標準的な120VのACコンセントを利用して船舶用バッテリを急速充電するドック充電ステーションは、したがって有用であろう。本明細書に開示されるように、ドック充電ステーションは、船舶がドックを離れて使用されている時にドックバッテリを充電すること、および船舶がドッキングしている時にDC急速充電を活用してドックバッテリから船舶用バッテリを急速充電することの両方によって、充電時間全体を減らす。このように、ドックバッテリが完全に充電されている場合、船舶用バッテリは、わずか30分で完全に充電され得る。
【0014】
図1~2は、本開示の例示的実装による、船舶用充電システム100のブロック図を示す。システム100は、ドックペデスタル104および急速充電ステーション106を備える、水域に位置するドック構造102を含むように示される。ドックペデスタル104および急速充電ステーション106は、電気推進システムを有する船舶112の船舶用バッテリ114を充電するのに利用され得る。
【0015】
ドックペデスタル104は、構成要素の中でも特に、1つ以上の電源コンセントを含む、ドック構造102に固定されるアセンブリであり得る。例えば、電源コンセントは、120VのAC電力を供給し得る。ドックペデスタル104のさらなる差し込み口または構成要素は、特に限定されず、水栓、電話コネクタ、インターネットコネクタ、ケーブルTVコネクタ、電気計器、水量計、およびホース保持具を含んでよい。
【0016】
急速充電ステーション106は、AC充電器/コンバイナ108およびドックバッテリ110を含むように示される。例示的実装では、AC充電器/コンバイナ108およびドックバッテリ110は、共通エンクロージャまたはハウジング内に位置する。いくつかの実装では、急速充電ステーション106は、ドック構造102に対して可動であってよい。他の実装では、エンクロージャは、ドックペデスタル104に近接してドック構造102に固定されてよい。急速充電ステーション106をドック構造102に固定することによって、いくつかの実装では、水域は、AC充電器/コンバイナ108およびドックバッテリ110を冷却するのに有利に利用され得る。例えば、急速充電ステーション106は、コントローラ116によって制御される冷却水ポンプ118を含んでよい。ポンプ118は、水域から冷却水を引き、それをエンクロージャに通して、急速充電ステーション106の様々な構成要素を冷却し、その後温水を水域中に排出するように構成されてよい。コントローラ116は、温度センサ120から受信したデータに基づいて、ポンプ118を動作させてよい。例えば、コントローラ116は、最高閾値温度を記憶し得る。温度センサ120が、急速充電ステーション106のエンクロージャ内の温度がこの最高閾値温度を超えたことを示す場合、コントローラ116は、ポンプ118を動作させて冷却水を循環させ得る。代替として、または追加として、コントローラ116は、感知された温度に基づいてポンプを動作させて、それに基づいてポンプ速度および冷却システムへの通過流量などを制御してよい。温度センサ120は、任意の好適なタイプの温度センサであってよく、特に限定されない。
【0017】
AC充電器/コンバイナ108は、ドックペデスタル104からエネルギーを受け取り、そのエネルギーを許容される形態でエネルギー貯蔵装置、例えばドックバッテリ110および船舶用バッテリ114に提供してよい。AC充電器/コンバイナ108は、ドックペデスタル104から受け取った交流電力を、ドックバッテリ110および/または船舶用バッテリ114に伝送されるDC電力に適切に変換する整流および調整を行うのに必要なすべての回路構成を含んでよい。AC充電器/コンバイナ108は、充電電圧が印加されるとドックバッテリ110および船舶用バッテリ114を自動的に並列接続するのに要求される、すべての必要なコンバイナ回路構成をさらに含んでよい。場合によっては、コンバイナ回路構成は、別名、自動充電リレー(ACR)または電圧感知リレー(VSR)として知られるものであってよい。
【0018】
ドックバッテリ110は、充電式バッテリセルの典型的な構成要素、すなわち、カソード、アノード、電解質、およびセパレータをすべて含んでよい。例示的実装では、ドックバッテリ110は、カソード材料として利用される層間リチウム化合物、およびアノード材料として利用されるグラファイトを含むリチウムイオンバッテリである。いくつかの実装では、ドックバッテリ110は、複数のバッテリセルを含む。
図1に示すように、電気船舶112が使用中であり、ドック構造102にドッキングしていない時に、ドックペデスタル104は、AC充電器/コンバイナ108に電力を供給し、それがドックバッテリ110を充電する。例示的実装では、ドックバッテリ110は、ドックペデスタル104が120VのAC電力を供給する場合、満充電に約8~10時間を必要とし、ドックペデスタル104が240VのAC電力を供給する場合、満充電に約4~5時間を必要とし得る。
【0019】
船舶112は、推進装置(例えば、電動機)、および/または船舶用バッテリ114から電力を受け取る船舶負荷を含む、任意のタイプの船であってよい。例えば、船舶負荷としては、エンジン始動システム、ユーザインタフェースディスプレイ、オーディオシステム、巻き上げ機、測深機、魚群探知機、および電気機器が挙げられるが、これらに限定されない。ドックバッテリ110と同様に、船舶用バッテリ114は、リチウムイオンバッテリであってよい。いくつかの実装では、船舶用バッテリ114は、バッテリバンクなどを含む、複数のバッテリセルを含む。
【0020】
図2を特に参照すると、船舶112は、ドック構造102にドッキングし、急速充電ステーション106に接続されたように示される。例示的実装では、ドックバッテリ110は、電流の流れを、制御された方法で、ドックバッテリ110から船舶用バッテリ114に促すために、船舶用バッテリ114より高い公称電圧を有してよい。例えば、ドックバッテリ110は、56Vの公称電圧を有し得、一方、船舶用バッテリ114は、48Vの公称電圧を有し得る。AC充電器/コンバイナ108は、ドックバッテリ110および船舶用バッテリ114の損傷を防ぐための電流制限機能、ならびにドックペデスタル104を急速充電ステーション106に結合し、急速充電ステーション106を船舶用バッテリ114に結合する配線を含んでよい。有利には、船舶用バッテリ114を、ドックペデスタル104およびドックバッテリ110の両方に、AC充電器/コンバイナ108を介して動作可能に結合することによって、船舶用バッテリ114の再充電時間は、ドックペデスタル104を使用した標準的なレベル1充電と比較して50%以上短縮され得る。
【0021】
図3は、別の例示的実装による、船舶用充電システム100のブロック図を示す。示されるように、いくつかの実装では、ドックバッテリ110および船舶用バッテリ114は、ドックペデスタル104によって同時にまたは順次充電され得る。ドックバッテリ110および船舶用バッテリ114が順次充電される場合、急速充電ステーション106は、順次充電のための充電優先順位付け情報を記憶および実装するように構成されたコントローラ(例えば、
図1に示すコントローラ116)を含んでよい。例えば、急速充電ステーション106のコントローラは、AC充電器/コンバイナ108を動作させて、ドックバッテリ110の充電に先立ち、船舶用バッテリ114の指定充電レベル(例えば、最大容量の80%もしくは90%)までの充電を優先させるように、またはその逆に構成され得る。さらなる実装では、急速充電ステーション106のコントローラは、ドックバッテリ110の消耗を検出し、AC充電器コンバイナ108を動作させ、その結果、船舶用バッテリ114が、ドックペデスタル104単独からの電力の受け取りに切り替えられるように構成されてよい。
【0022】
次に
図4を見ると、本開示の別の例示的実装による、船舶用充電システム400のブロック図が示される。
図1~3に関して示され、上に記載されたように、ドックペデスタル104から電力を受け取ることに加えて、急速充電ステーション406は、再生可能資源充電器412および再生可能資源収集装置414を含むようにさらに示される。例えば、再生可能資源がソーラーパワーである場合、再生可能資源収集装置414は、ソーラーパネルを含み得、再生可能資源充電器412は、ソーラーパネルによって収集されるエネルギーを調整するのに要求される、すべての必要な回路構成を含み得る。ソーラーパネルは、任意の好適なタイプのパネル(例えば、単結晶、多結晶、薄膜)を含んでよい。加えて、急速充電ステーション406は、ドックバッテリ110を効率的に充電するのに必要な任意の数のソーラーパネルを含んでよい。
【0023】
他の実装では、他の再生可能エネルギー源が、ソーラーパワー源の代わりに、またはソーラーパワー源に加えて組み込まれてよい。例えば、急速充電ステーション406は、風力エネルギーを収集する再生可能資源収集装置414として風力タービンを組み込んでよい。あるいは、ドック構造102が、川の中、または別の動く水域の近くに位置する場合、急速充電ステーション406は、水力発電エネルギーを収集する再生可能資源収集装置414として水力タービンを組み込んでよい。
【0024】
いくつかの実装では、ドックバッテリが、再生可能資源を使用して効率的に充電され得る場合、急速充電ステーションは、AC電力を受け取るためのドックペデスタルへの接続を必要としない場合がある。例えば、ユーザは、ドックペデスタルによって供給されるAC電力の料金を支払いたくない場合があり、または再生可能エネルギー源の利用を望む場合がある。さらなる実装では、AC電力は、ドックで利用できない場合がある。
図5は、本開示の別の例示的実装による、船舶用充電システム500のブロック図を示す。
図1~4とは対照的に、急速充電ステーション506は、AC充電器/コンバイナを含まなくてよい。代わりに、船舶用バッテリ114は、再生可能資源充電器512に動作可能に接続されてよく、船舶用バッテリは、ドックバッテリ510および再生可能資源収集装置514の両方からのDC電力を使用して充電されてよい。再生可能資源充電器512および再生可能資源エネルギー装置514は、
図4に関して示され、上に記載された、再生可能資源充電器412および再生可能資源エネルギー装置414と同一であるか、または実質的に類似していてよい。
【0025】
次に
図6を参照すると、急速充電ステーションを使用して船舶用バッテリを充電するためのプロセス600のフローチャートが示される。プロセス600は、
図1~3に示す急速充電ステーション106、
図4に示す急速充電ステーション406、または
図5に示す急速充電ステーション506のいずれでも利用されてよい。ステップ602で、急速充電ステーション106のドックバッテリ(例えば、ドックバッテリ110)が充電される。急速充電ステーション106を使用して実装されるように、ステップ602は、エネルギーが、ドックペデスタル104からAC充電器/コンバイナ108を通ってドックバッテリ110に流れ込むように、ドックペデスタル104のコンセントをAC充電器/コンバイナ108に動作可能に結合することを含み得る。急速充電ステーション406または506により実装される場合、ステップ602はまた、ソーラーまたは別のタイプの再生可能エネルギー(例えば、風力、水力発電)を収集すること、および再生可能資源充電器412をドックバッテリ410に動作可能に結合することを含み得、その結果、エネルギーは、ドックペデスタル104からAC充電器/コンバイナ408を通ってドックバッテリ410に、および再生可能資源収集装置414、514から再生可能資源充電器412、512を通ってドックバッテリ410、510に、どちらからも流れ込む。
【0026】
ステップ604で、船舶(例えば、船舶112)がドッキングされる。したがって、ステップ604は、船舶112が、急速充電ステーション106、406、または506に容易にアクセスできるように、船舶112をドック構造102に近接して動かすことを含み得る。引き続きステップ606で、船舶用バッテリ114が、急速充電ステーション106、406、または506に結合される。
【0027】
プロセス600は、船舶用バッテリ114が、急速充電ステーション106、406、または506を使用して充電されると終了する。上に記載されたように、いくつかの実装では、
図2に示すように、船舶用バッテリ114は、ドックペデスタル104およびドックバッテリ110の両方から流れるエネルギーによって充電される。他の実装では、
図5に示すように、船舶用バッテリ114は、ドックバッテリ510および再生可能資源収集装置514の両方から流れるエネルギーによって充電される。複数の供給源を使用して船舶用バッテリ114を充電することによって、充電時間全体は、ドックペデスタル104を介した標準的なレベル1充電と比較して、50%超短縮される。さらなる実装では、
図3に示すように、船舶用バッテリ114は、ドックバッテリ110と同時にまたは順次充電される。いずれの場合も、船舶用バッテリ114は、有利には、船舶112に取り付けられたままであり、再充電期間を最小化し、最長の動作時間および船舶112のユーザの楽しみを提供する。
【0028】
本開示では、簡潔さ、明確さ、および理解のために、特定の用語が使用されている。このような用語は説明の目的でのみ使用され、広く解釈されることを意図しているので、先行技術の要件を超えてそこから不必要な制限は暗示されない。本明細書に記載された異なるシステムおよび方法は、単独で、または他のシステムおよび装置と組み合わせて使用されてよい。種々の均等物、代替物、および修正が、添付の特許請求の範囲内で可能である。
【外国語明細書】