(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022100439
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220629BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
A63F7/02 315A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020214401
(22)【出願日】2020-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000241234
【氏名又は名称】豊丸産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100213687
【弁理士】
【氏名又は名称】平松 大輝
(72)【発明者】
【氏名】三瓶 義和
(72)【発明者】
【氏名】中村 佑希
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088AA39
2C088AA42
2C088BC07
2C088BC22
2C088CA19
(57)【要約】
【課題】モード移行時において、遊技に対する遊技者の興趣が低下することを抑制できる遊技機を提供する。
【解決手段】パチンコ機の主基板のCPUは、小当たり図柄が停止表示された場合、小当たり種別に応じて遊技者にとっての有利度が異なる小当たり遊技を行う。パチンコ機のサブ制御基板のCPUは、はずれ小当たりが停止表示された場合に(S532:YES)、特定モードを生起する(S538)。はずれ小当たりは、複数種類の小当たり種別のうち遊技者にとっての有利度が最も小さい小当たり遊技に対応する小当たり種別である。
【選択図】
図21
【特許請求の範囲】
【請求項1】
小当たり図柄を複数種類含む図柄が複数種類ある中で、複数種類の前記図柄のいずれかを決定する決定手段と、
前記決定手段によって前記小当たり図柄が決定された場合、前記小当たり図柄の種類に応じて遊技者にとっての有利度が異なる小当たり遊技を行う遊技制御手段と、
前記複数種類の小当たり図柄のうち前記有利度が最も小さい前記小当たり遊技に対応する前記小当たり図柄である第一小当たり図柄が前記決定手段によって決定された場合に、演出に関する特定のモードである特定モードを生起する生起手段と
を備えたことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記第一小当たり図柄が前記決定手段によって決定された場合、前記遊技制御手段による前記小当たり遊技の実行中に、前記特定モードが生起されることを報知する突入演出を実行する突入演出実行手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記突入演出実行手段は、前記突入演出において、所定の突入報知音を出力し、
前記遊技機は、
前記特定モードが生起されている状態で前記複数種類の小当たり図柄のうち前記第一小当たり図柄とは異なる前記小当たり図柄である第二小当たり図柄が前記決定手段によって決定された場合、前記遊技制御手段によって前記第二小当たり図柄に応じた前記小当たり遊技が実行されるよりも前に前記突入報知音と同じ音である確定報知音を出力する確定演出実行手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記突入演出実行手段は、
前記特定モードが生起されていない状態で前記決定手段によって前記第一小当たり図柄が決定された場合、前記突入演出において、第一態様の前記突入報知音を出力し、
前記特定モードが生起されている状態で前記決定手段によって前記第一小当たり図柄が決定された場合、前記突入演出において、前記第一態様とは異なる第二態様の前記突入報知音を出力し、または前記突入報知音を出力せず、
前記確定演出実行手段は、
前記特定モードが生起されている状態で前記決定手段によって前記第二小当たり図柄が決定された場合、前記第一態様と同じ態様の前記確定報知音を出力する
ことを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モード移行を行う遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
所定条件の成立を契機にモード移行を行う遊技機が知られている。例えば特許文献1に記載の遊技機は、リアルタイムクロック(RTC)を備え、RTCによって計時された時間が予告実行時間に達すると、モード移行を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記遊技機では、モード移行のタイミングによっては、遊技に対する遊技者の興趣が低下する可能性がある。例えば遊技者にとって有利な状態が継続している最中にモード移行が行われると、遊技者は遊技の流れが変わってしまったと感じ、遊技に対する興趣が低下する可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、モード移行時において、遊技に対する遊技者の興趣が低下することを抑制できる遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る遊技機は、小当たり図柄を複数種類含む図柄が複数種類ある中で、複数種類の前記図柄のいずれかを決定する決定手段と、前記決定手段によって前記小当たり図柄が決定された場合、前記小当たり図柄の種類に応じて遊技者にとっての有利度が異なる小当たり遊技を行う遊技制御手段と、前記複数種類の小当たり図柄のうち前記有利度が最も小さい前記小当たり遊技に対応する前記小当たり図柄である第一小当たり図柄が前記決定手段によって決定された場合に、演出に関する特定のモードである特定モードを生起する生起手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
上記態様によれば、有利度が最も小さい小当たり遊技が行われる場合に、特定モードが生起される。このため、遊技者は例えば気分を切り替えることができる。よって、本発明の遊技機は、モード移行時において、遊技に対する遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
【0008】
本発明の一態様に係る遊技機は、前記第一小当たり図柄が前記決定手段によって決定された場合、前記遊技制御手段による前記小当たり遊技の実行中に、前記特定モードが生起されることを報知する突入演出を実行する突入演出実行手段を備えてもよい。
【0009】
有利度が最も小さい小当たり遊技では、遊技者は小当たり遊技を遊技しない場合、小当たり遊技に関心を示さない場合等がある。この場合、小当たり遊技中に間が発生すると、遊技の進行において遊技者に違和感を与える可能性がある。本発明の遊技機では、小当たり遊技中に発生する間に突入演出が実行される。よって、本発明の遊技機は、有利度が最も小さい小当たり遊技の実行時において、遊技の進行に対する遊技者の違和感を抑制できる。
【0010】
本発明の一態様に係る遊技機において、前記突入演出実行手段は、前記突入演出において、所定の突入報知音を出力し、前記遊技機は、前記特定モードが生起されている状態で前記複数種類の小当たり図柄のうち前記第一小当たり図柄とは異なる前記小当たり図柄である第二小当たり図柄が前記決定手段によって決定された場合、前記遊技制御手段によって前記第二小当たり図柄に応じた前記小当たり遊技が実行されるよりも前に前記突入報知音と同じ音である確定報知音を出力する確定演出実行手段を備えてもよい。
【0011】
この場合、特定モード中に第二小当たり図柄が停止表示される場合には、特定モードへの移行時に突入報知音として出力される音と同じ音が出力される。このため、遊技者は特定モード中に出力された音を、第二小当たり図柄が決定された場合に出力される音と認識しやすい。よって、本発明の遊技機は、第二小当たり図柄が決定された場合に出力される音を遊技者が聞き逃すことを抑制できる。
【0012】
本発明の一態様に係る遊技機において、前記突入演出実行手段は、前記特定モードが生起されていない状態で前記決定手段によって前記第一小当たり図柄が決定された場合、前記突入演出において、第一態様の前記突入報知音を出力し、前記特定モードが生起されている状態で前記決定手段によって前記第一小当たり図柄が決定された場合、前記突入演出において、前記第一態様とは異なる第二態様の前記突入報知音を出力し、または前記突入報知音を出力せず、前記確定演出実行手段は、前記特定モードが生起されている状態で前記決定手段によって前記第二小当たり図柄が決定された場合、前記第一態様と同じ態様の前記確定報知音を出力してもよい。
【0013】
特定モード中に第一小当たり図柄が決定されて特定モードに再度突入する場合に、仮に第一態様の突入報知音が出力されると、遊技者は第二小当たり図柄が決定されたと認識する可能性がある。本発明の遊技機では、特定モード中に第一小当たり図柄が決定された場合には、第二態様の突入報知音が出力され、または突入報知音が出力されない。よって、本発明の遊技機は、特定モード中に第一小当たり図柄が決定された場合に、第二小当たり図柄が決定されたと遊技者が誤認することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図3】誘導部材25が誘導位置に位置するときの下役物22の正面図である。
【
図4】誘導部材25が保持位置に位置するときの下役物22の正面図である。
【
図5】回転部材26の回転が停止しているときの下ステージ28を右前上方から見た斜視図である。
【
図6】回転部材26が回転しているときの下ステージ28を右前上方から見た斜視図である。
【
図7】パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。
【
図8】RAM52の第一大当たり関係情報記憶エリアを示す概念図である。
【
図9】ROM53に記憶されている特別図柄決定テーブルを示す概念図である。
【
図10】小当たり遊技における、第一大入賞口16の小当たり開放パターン、誘導部材25の動作、回転部材26の動作の関係を説明するためのタイミングチャートである。
【
図11】ROM53に記憶されている変動パターン決定テーブルを示す概念図である。
【
図12】主基板41において行われるメイン処理のフローチャートである。
【
図13】メイン処理の中において行われる特別図柄処理のフローチャートである。
【
図14】メイン処理の中において行われる特別図柄処理のフローチャートである。
【
図15】メイン処理の中において行われる特別図柄処理のフローチャートである。
【
図16】特別図柄処理の中において行われる遊技状態移行処理のフローチャートである。
【
図17】メイン処理の中において行われる特別電動役物処理のフローチャートである。
【
図18】メイン処理の中において行われる特別電動役物処理のフローチャートである。
【
図20】サブ制御基板58において行われるサブ制御基板処理のフローチャートである。
【
図21】サブ制御基板58において行われるサブ制御基板処理のフローチャートである。
【
図22】サブ制御基板58において行われるサブ制御基板処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る遊技機の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。以下の説明では、
図1の手前側、奥側、上側、下側、左側、および右側を、それぞれ、パチンコ機1の前側、後側、上側、下側、左側、および右側とする。
【0016】
まず、
図1および
図2を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。
図1に示すように、パチンコ機1は遊技盤2を備えている。遊技盤2は、パチンコ機1の上側部分に配置されており、正面視略正方形の板状である(
図2参照)。遊技盤2は、前面枠10によって保持されている。前面枠10は、透明なガラス板を保持しており、遊技盤2の前面を保護する。前面枠10のガラス板を取り囲むように、電飾部材が設けられている。電飾部材は、遊技の進行等に応じて点灯または点滅可能である。前面枠10の上部の両角部には、スピーカ48がそれぞれ設けられている。
【0017】
遊技盤2の下部には上皿5が設けられている。上皿5は、遊技球発射装置37(
図7参照)に金属製の遊技球を供給し、且つ賞球を受ける。上皿5の上面には、遊技者によって操作される操作ボタン9が設けられている。上皿5の直下には、賞球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、発射ハンドル7が設けられている。発射ハンドル7は、遊技者が回転操作できるように設けられており、遊技球の発射強度を調整する。遊技者が発射ハンドル7を回転させて発射操作を行うと、発射ハンドル7の回転角度に応じた発射強度で、遊技球発射装置37によって遊技球が発射される。
【0018】
図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。ガイドレール3は、遊技領域4の左側に形成されている。遊技領域4の中央上部には、上役物21が設けられている。上役物21内の上部には、演出図柄表示部38が設けられている。演出図柄表示部38は、三つの7セグメントLEDで構成されており、報知演出において、様々な数字、文字、記号等を表示できる。報知演出は、複数(本実施形態では3つ)の演出図柄を変動させた後に、後述の大当たり判定の判定結果を示す演出図柄の組合せを確定表示することで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する。つまり、演出図柄は、大当たり判定の結果を遊技者に報知するための演出用の図柄である。
【0019】
上役物21の左上部には、ワープ通路211が設けられている。ワープ通路211は、上役物21の左側から右側に向かうにつれて下方に向かって延び、遊技球を上役物21外から上役物21内に進入させることができる。上役物21内において、ワープ通路211の下流端の下側には、上ステージ213が設けられている。上ステージ213の上面は、その左右方向の中央部が下方に凹むように湾曲している。上ステージ213の左右方向の中央部には、孔213Aが設けられている。孔213Aは、上ステージ213を上下方向に貫通する。上ステージ213は、上ステージモータ81(
図7参照)の駆動によって左右方向に往復移動している。上役物21内において、上ステージ213の下側には、第一始動口12が設けられている。第一始動口12は、遊技球が入賞可能な入賞口であり、第一特別図柄の始動口として機能する。
【0020】
上述した上役物21の構成によれば、遊技球は、ワープ通路211を通過した場合、上ステージ213の上面に落下する。遊技球は、上ステージ213上を左右方向に転動した後、孔213Aを通過して、上ステージ213から下方に落下する。上ステージ213が左右方向に往復移動しているので、遊技球は、上ステージ213から落下するタイミングによって、第一始動口12に入賞する場合と、第一始動口12に入賞しない場合とがある。
【0021】
上役物21の下方には、下役物22が設けられている。下役物22の上部には、第一大入賞口16が設けられている。第一大入賞口16は、特別電動役物(大当たり判定の結果に基づき入賞口の入口の大きさを変更する役物)に係る入賞口であり、開閉部材161を備えている。開閉部材161は、左右方向に延びる板状であり、第一大入賞口ソレノイド70(
図7参照)の駆動によって遊技領域4に対して前後方向に移動できる。第一大入賞口16は、開閉部材161が前方に突出することで遊技球が入賞できない閉鎖状態となり、後方に退避することで遊技球が入賞できる開放状態となる。本実施形態では、第一大入賞口16は、後述の小当たり遊技として開放状態と閉鎖状態とが切り替えられるように構成されている。
【0022】
下役物22のうち第一大入賞口16の下方には時間表示部39が設けられている。時間表示部39は、二つの7セグメントLEDで構成されており、様々な数字、文字、記号等を表示できる。その他、下役物22内部の詳細な構成については、後述する。
【0023】
上役物21の右方には、第二大入賞口17が設けられている。第二大入賞口17は、特別電動役物に係る入賞口であり、開閉部材171を備えている。開閉部材171は、左右方向に延びる板状であり、第二大入賞口ソレノイド71(
図7参照)の駆動によって遊技領域4に対して前後方向に移動できる。第二大入賞口17は、開閉部材171が前方に突出することで遊技球が入賞できない閉鎖状態となり、後方に退避することで遊技球が入賞できる開放状態となる。本実施形態では、第二大入賞口17は、後述の大当たり遊技として開放状態と閉鎖状態とが切り替えられるように構成されている。
【0024】
下役物22の右方には、ゲート11が設けられている。ゲート11は、遊技球が通過可能に構成され、普通図柄の作動口として機能する。ゲート11の下方には、第二始動口13が設けられている。第二始動口13は、普通電動役物(普通当たり判定の結果に基づき入賞口の入口の大きさを変更する役物)に係る入賞口であり、開閉部材131を備えている。開閉部材131は、左右方向に延びる板状であり、第二始動口ソレノイド69(
図7参照)の駆動によって遊技領域4に対して前後方向に移動できる。第二始動口13は、開閉部材131が前方に突出することで遊技球が入賞できない閉鎖状態となり、開閉部材131が後方に退避することで遊技球が入賞できる開放状態となる。第二始動口13は、第二特別図柄の始動口として機能する。なお、第二始動口13は、閉鎖状態において遊技球が入賞困難であり、開放状態において閉鎖状態よりも遊技球が入賞容易となるように構成されてもよい。
【0025】
遊技領域4の下部には、アウト口29が設けられている。アウト口29は、遊技球を遊技領域4外に排出する。遊技領域4には、上記以外に、各種の電飾部材、その他の一般入賞口、遊技くぎ等が設けられている。
【0026】
上述した遊技盤2の構成によれば、遊技球は、遊技球発射装置37(
図7参照)によって発射されると、ガイドレール3によって遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。遊技球は、所定の強度未満の発射強度で発射されると、上役物21の左側を流下し、所定の強度以上の発射強度で発射されると、上役物21の右側を流下する。以下、上役物21の左側を流下するように遊技球を発射することを「左打ち」といい、上役物21の右側を流下するように遊技球を発射することを「右打ち」という。
【0027】
第一始動口12には、右打ちされた遊技球よりも左打ちされた遊技球の方が入賞しやすい。本実施形態では、右打ちされた遊技球が第一始動口12に入賞することはほぼない。ゲート11には、左打ちされた遊技球よりも右打ちされた遊技球の方が通過しやすい。第二始動口13、第二大入賞口17には、左打ちされた遊技球よりも右打ちされた遊技球の方が入賞しやすい。本実施形態では、左打ちされた遊技球が第二大入賞口17に入賞することはほぼない。第一大入賞口16には、左打ちされた遊技球も右打ちされた遊技球も同程度に入賞できる。
【0028】
遊技領域4を流下する遊技球のうち、第一始動口12、第二始動口13、第一大入賞口16、第二大入賞口17、およびその他の一般入賞口のいずれにも入賞せず遊技領域4の下部まで流下した遊技球は、アウト口29を通過した後、遊技領域4の外部へ排出される。
【0029】
また、遊技盤2の左下部には、図柄表示部24が設けられている。図柄表示部24は、第一特別図柄表示部、第二特別図柄表示部、普通図柄表示部、第一特別図柄記憶数表示LED、第二特別図柄記憶数表示LED、および普通図柄記憶数表示LEDを備える。第一特別図柄表示部および第二特別図柄表示部は、それぞれ複数個のLEDからなり、第一大当たり判定の結果を示す第一特別図柄、および第二大当たり判定の結果を示す第二特別図柄を表示する。以下、第一大当たり判定および第二大当たり判定を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、単に「大当たり判定」ともいい、第一特別図柄および第二特別図柄を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、単に「特別図柄」ともいう。
【0030】
普通図柄表示部は、LEDの点灯および消灯によって普通当たり判定の結果を表示する。第一特別図柄記憶数表示LEDは、第一保留球の個数を示す第一保留球数を表示する。第一保留球は、第一大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球である。第二特別図柄記憶数表示LEDは、第二保留球の個数を示す第二保留球数を表示する。第二保留球は、第二大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球である。普通図柄記憶数表示LEDは、普通保留球の個数を示す普通保留球数を表示する。普通保留球は、普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球である。
【0031】
図3から
図6を参照して、下役物22の内部構成について説明する。
図3、
図4に示すように、下役物22の内部には、通路162~164、誘導部材25、下ステージ28、および回転部材26が設けられている。通路162は、開閉部材161の左斜め下部から下方に延びており、その後、左方に曲がっている。通路162は、通路162の下端において通路163、164に分岐している。通路163は、通路162の下端から左方に延びており、その後、下方に延びている。通路163の下端は、後述の通路286(
図5、
図6参照)の左斜め後部の上側に配置されている。通路164は、通路162の下端から右方に延びており、その後、下方に延びている。通路164の下端は、後述の下ステージ28の上側に配置されている。
【0032】
誘導部材25は、正面視でU字状であり、通路162の下端部に配置されている。誘導部材25には、凹部256が設けられている。凹部256は、遊技球を収容できる。誘導部材25は、誘導ソレノイド83(
図7参照)の正転と逆転との駆動によって正面視で時計回り方向と反時計回り方向とに回転する。以下では、
図3に示すように、凹部256の開口が右方を向くときの誘導部材25の位置を、「誘導位置」といい、
図4に示すように、凹部256の開口が上方を向くときの誘導部材25の位置を、「保持位置」という。誘導部材25は、保持位置(
図4参照)において凹部256内で遊技球を1個保持でき、誘導位置(
図3参照)において遊技球を凹部256内から後述の下ステージ28に誘導する。
【0033】
下ステージ28は、誘導部材25の下方に配置されている。
図5、
図6に示すように、下ステージ28は、上方に開口する皿状を有する。下ステージ28の底部は、その中央に向かうにつれて下方に傾斜する。下ステージ28の底部のうち中央には、当たり孔282が設けられている。当たり孔282は、下ステージ28の底部を上下方向に貫通している。当たり孔282の内部には特定領域291Aが設けられている。特定領域291Aには、遊技領域4を流下する遊技球のうち第一大入賞口16(
図2参照)に入賞した遊技球のみが通過できる。
【0034】
下ステージ28の周囲から上方に壁285が延びている。壁285の外側には、通路286が設けられている。壁285のうち後斜め左部、前斜め左部、前斜め右部、後斜め右部には、それぞれ、通過口285A、285B、285C、285Dが設けられている。通過口285A、285B、285C、285Dは、それぞれ、下ステージ28から通路286に遊技球が通過可能に構成されている。
【0035】
通路286の底部のうち左斜め前部と右斜め前部とには、ぞれぞれ、はずれ孔283、284が設けられている。はずれ孔283、284は、それぞれ、通路286の底部を上下方向に貫通している。通路286の底部のうち左右方向の中心よりも左側は、はずれ孔283に向かって遊技球が流れるように傾斜している。通路286の底部のうち左右方向の中心よりも右側は、はずれ孔284に向かって遊技球が流れるように傾斜している。はずれ孔283、284の内部には、それぞれ、非特定領域292A、293Aが設けられている。非特定領域292A、293Aには、それぞれ、遊技領域4を流下する遊技球のうち第一大入賞口16(
図2参照)に入賞した遊技球のみが通過できる。
【0036】
回転部材26は、当たり孔282に配置されており、軸263と阻害部材265とを備えている。軸263は、当たり孔282の下側から当たり孔282の上側まで上下方向に延びている。阻害部材265は、当たり孔282よりもわずかに上側において、平面視で軸263から放射状に当たり孔282の周縁まで5本延びる。回転部材26は、回転モータ82(
図7参照)の駆動によって軸263周りに回転し(
図6の矢印Y1参照)、回転することで阻害部材265によって、遊技球が下ステージ28上から当たり孔282に落下することを阻害する。
【0037】
上述した下役物22の構成によれば、
図3、
図4に示すように、遊技球は、第一大入賞口16に入賞すると、通路162を通過して誘導部材25に案内される。
図3に示すように、誘導部材25が誘導位置に配置されている場合、遊技球は誘導部材25の上部に衝突し、誘導部材25の左方に流れて通路163を通過する。この場合、遊技球は、凹部256に保持されることなく、
図5、
図6に示すように、通路286の左斜め後部へと落下して通路286内をはずれ孔283に向かって流れ、はずれ孔283に落下する。その後、遊技球は、非特定領域292Aを通過し、下役物22内から遊技領域4外へと排出される。
【0038】
一方、
図4に示すように、誘導部材25が保持位置に配置されている場合、誘導部材25によって凹部256内に遊技球がまだ保持されていない状態では、遊技球は誘導部材25によって凹部256内に保持される。誘導部材25によって凹部256内に遊技球が1個保持されている状態では、遊技球は凹部256内の遊技球に衝突し、誘導部材25の左方に流れて通路163を通過する。この場合、遊技球は、上述したように、非特定領域292Aを通過し、下役物22内から遊技領域4外へと排出される。
【0039】
誘導部材25によって凹部256内に遊技球が1個保持されている状態で、誘導部材25が保持位置(
図4参照)から誘導位置(
図3参照)に正面視で時計回り方向に回転すると、遊技球が凹部256内から通路164を通過して下ステージ28上へと誘導される。
図5、
図6に示すように、下ステージ28の底部がその中央に向かうにつれて下方に傾斜しているので、下ステージ28上では、遊技球は当たり孔282に向かって流れる(
図5の矢印Y2、
図6の矢印Y3参照)。
【0040】
図5に示すように、回転部材26が回転していない場合には、遊技球は当たり孔282に落下する(矢印Y2参照)。この場合、遊技球は、特定領域291Aを通過し、下役物22内から遊技領域4外へと排出される。一方、
図6に示すように、回転部材26が回転している場合には(矢印Y1参照)、遊技球は、当たり孔282に落下する前に阻害部材265によって平面視で回転部材26から離れる方向に弾かれる(矢印Y4、矢印Y6参照)。本実施形態では、回転部材26が回転している場合に遊技球が当たり孔282に落下することが実質的にない程度の速度で回転部材26が回転する。
【0041】
遊技球は、回転部材26によって弾かれると、壁285に衝突する場合(矢印Y4参照)と、壁285に衝突することなく通過口285A、285B、285C、285Dのいずれかを通過する場合(矢印Y6参照)とがある。
【0042】
壁285に遊技球が衝突した場合(矢印Y4参照)には、遊技球は、再度、当たり孔282に向かって流れる(矢印Y5参照)。通過口285A、285B、285C、285Dのいずれかを遊技球が通過した場合(矢印Y6参照)には、遊技球は、通路286内をはずれ孔283、284のいずれかに向かって流れ、はずれ孔283、284のいずれかに落下する(矢印Y7参照)。遊技球は、はずれ孔283に落下した場合には非特定領域292Aを通過し、はずれ孔284に落下した場合には非特定領域293Aを通過する。遊技球は、その後、下役物22内から遊技領域4外へと排出される。
【0043】
以上のように、第一大入賞口16へ入賞した遊技球は、誘導部材25および回転部材26によって特定領域291Aおよび非特定領域292A、293Aのいずれかに振り分けられた後、遊技領域4外へと排出される。
【0044】
パチンコ機1における遊技の概要について説明する。パチンコ機1の遊技には、大当たり遊技、小当たり遊技、および普通当たり遊技が設けられている。大当たり遊技は、第二大入賞口17の開閉部材171が所定の開閉パターンで開閉動作を行うことで、第二大入賞口17が開放状態になる遊技である。上述したように、第二大入賞口17には、右打ちされた遊技球の方が左打ちされた遊技球よりも入賞しやすいので、遊技者は右打ちで大当たり遊技を進行する。
【0045】
小当たり遊技は、第一大入賞口16の開閉部材161が所定の開閉パターン(以下、「小当たり開放パターン」という。)で開閉動作を行うことで、第一大入賞口16が開放状態になる遊技である。小当たり遊技における遊技者にとっての有利度は、一般に、大当り遊技における遊技者にとっての有利度よりも小さい。本実施形態では、1回の小当たり遊技において、第一大入賞口16が1回だけ開放状態となる。なお、小当たり遊技における第一大入賞口16の1回の開放状態が、第一大入賞口16の開閉部材161における複数回の開閉動作によって構成されることは妨げられない。
【0046】
上述したように、第一大入賞口16には、左打ちされた遊技球も右打ちされた遊技球も同程度に入賞するので、遊技者は左打ちまたは右打ちのいずれかで小当たり遊技を消化する。詳細には、小当たり遊技の直前に左打ちをしていれば、遊技者は引き続き左打ちで小当たり遊技を進行し、小当たり遊技の直前に右打ちをしていれば、遊技者は引き続き右打ちで小当たり遊技を進行する。
【0047】
普通当たり遊技は、第二始動口13の開閉部材131が所定の開閉パターンで開閉動作を行ことで、第二始動口13が開放状態になる遊技である。上述したように、第二始動口13には、右打ちされた遊技球の方が左打ちされた遊技球よりも入賞しやすいので、遊技者は右打ちで普通当たり遊技を進行する。
【0048】
本実施形態では、第一始動口12へ遊技球が入賞すると、第一大当たり判定が行われる。第一大当たり判定では、小当たりおよびはずれのいずれかが判定される。その後、図柄表示部24の第一特別図柄表示部には、第一大当たり判定の結果(小当たりまたははずれ)を示す第一特別図柄が確定表示される。本実施形態では、第一大当たり判定において小当たりであると判定される確率(以下、「第一小当たり確率」という。)は、約1/25である。
【0049】
また、第二始動口13へ遊技球が入賞すると、第二大当たり判定が行われる。第二大当たり判定では、小当たりおよびはずれのいずれであるかが判定される。その後、図柄表示部24の第二特別図柄表示部には、第二大当たり判定の結果(小当たりまたははずれ)を示す第二特別図柄が確定表示される。本実施形態では、第二大当たり判定によって小当たりであると判定される確率(以下、「第二小当たり確率」という。)は、約1/10である。なお、第二小当たり確率は第一小当たり確率よりも低くてもよいし、同じでもよい。
【0050】
第一大当たり判定または第二大当たり判定において小当たりであると判定されると、小当たりであることを示す第一特別図柄または第二特別図柄(以下、総称して「小当たり図柄」という。)が図柄表示部24の第一特別図柄表示部または第二特別図柄に確定表示される。これに伴い、小当たり遊技が実行される。
【0051】
小当たり遊技において第一大入賞口16に入賞した遊技球が特定領域291Aを通過すると、小当たり遊技に続いて大当たり遊技が実行される。すなわち、本実施形態では、小当たり遊技中に遊技球が特定領域291Aを通過することが、大当たり遊技の実行条件となっている。このように、パチンコ機1は、小当たり遊技中において遊技球が特定領域291Aを通過することを契機として大当たり遊技を実行する、いわゆる2種タイプ(羽根物タイプ)の遊技機である。
【0052】
以下、大当たり遊技において第二大入賞口17が、連続して開放状態にされる繰り返しの一単位を、「大当たりラウンド」という。1回の大当たりラウンド毎に、第二大入賞口17が所定時間の開閉動作を1回または複数回行う。また、1回の大当たり遊技を構成する大当たりラウンドの合計数を、「ラウンド数」という。大当たり遊技に先立って実行される小当たり遊技は、1R目の大当たりラウンドとしてさかのぼって取り扱われ、1R分の大当たりラウンドとしてラウンド数に換算される。以下では、ラウンド数を「R」と示すことがある。また、大当たり遊技および小当たり遊技を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合に、単に当たり遊技という。
【0053】
また、本実施形態では、遊技球がゲート11を通過すると、普通当たり判定が行われる。普通当たり判定では、普通当たりおよびはずれのいずれであるかが判定される。その後、図柄表示部24の普通図柄表示部には、普通当たり判定の結果(普通当たりまたははずれ)を示す普通図柄が確定表示される。本実施形態では、普通当たり判定において普通当たりであると判定される確率(以下、「普通当たり確率」という。)は、約1/1.01である。
【0054】
普通当たり判定によって普通当たりであると判定されると、普通当たりであることを示す普通図柄が図柄表示部24の普通図柄表示部に表示される。これに伴い、普通当たり遊技が実行される。
【0055】
また、パチンコ機1は、遊技状態として、非時短状態および時短状態のいずれかを生起する。非時短状態は、第二始動口13が開放状態になる割合が通常の割合である遊技状態である。時短状態は、非時短状態よりも第二始動口13が開放状態になる割合が高くなる遊技状態である。具体的には、1回の普通当たり遊技における第二始動口13の開閉部材131の開放時間の合計は、非時短状態よりも時短状態の方が長い。また、普通図柄の変動時間の平均は、非時短状態よりも時短状態の方が短い。本実施形態では、非時短状態のことを、通常状態ともいう。
【0056】
通常状態では、第二始動口13が開放状態にされる割合が時短状態よりも低いので、遊技者は、第二始動口13よりも第一始動口12に遊技球を入賞させやすい。よって、通常状態では、左打ちによって遊技を進行することが遊技者にとって有利となる。一方、時短状態では、第二始動口13が開放状態にされる割合が通常状態よりも高いので、第一始動口12よりも第二始動口13に遊技球を入賞させやすい。さらに、左打ちするよりも右打ちした方が、ゲート11に遊技球が通過しやすい。よって、時短状態では、右打ちによって遊技を進行することが遊技者にとって有利となる。
【0057】
詳しくは後述するが、本実施形態では、大当たり遊技の終了後に所定の条件に基づいて時短状態が生起される。生起された時短状態は、大当たり遊技の終了後に大当たり判定の結果が小当たりとなった回数(以下、「小当たり回数」という。)が所定の回数(以下、「時短回数」という。)に到達することによって終了し、遊技状態は通常状態となる。
【0058】
図7を参照して、パチンコ機1の電気的構成について説明する。パチンコ機1の制御部40は、主基板41、サブ制御基板58、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、中継基板47および電源基板42を主に備える。
【0059】
主基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主基板41の主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とが設けられている。主基板CPUユニット50には、乱数発生回路56および割込信号発生回路57が接続されている。乱数発生回路56は、所定範囲の乱数を発生させる。割込信号発生回路57は、一定周波数のクロック信号を出力するクロック回路(図示略)からクロック信号が入力される毎に割込信号を発生させる。主基板41は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎に、後述する主制御プログラムのメイン処理を実行する。
【0060】
主基板41は、I/Oインタフェイス54を介してサブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47、外部端子板55、第一始動口スイッチ61、および第二始動口スイッチ62に接続している。サブ制御基板58は、CPU581、RAM582およびROM583を備え、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、操作ボタン9およびスピーカ48に接続している。サブ制御基板58は、主基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行う。ランプドライバ基板46は、電飾基板31に接続している。電飾基板31は、例えばLEDを搭載しており、前述の各種の電飾部材の内部に設けられている。ランプドライバ基板46は、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って、電飾基板31の発光動作等を制御する。演出制御基板43は、CPU431等を備え、サブ制御基板58から送信されるコマンドに従って演出図柄表示部38および時間表示部39の表示を制御する。
【0061】
払出制御基板45は、CPU45a等を備える。払出制御基板45は、主基板41から送信されるコマンドに応じて賞球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を賞球として賞球払出装置49に払い出させる。
【0062】
中継基板47は、第二始動口ソレノイド69、第一大入賞口ソレノイド70、第二大入賞口ソレノイド71、ゲートスイッチ75、第一大入賞口スイッチ76、第二大入賞口スイッチ77、特定領域スイッチ78、非特定領域スイッチ79、上ステージモータ81、回転モータ82、誘導ソレノイド83、および図柄表示部24に接続している。第二始動口ソレノイド69は、普通当たり遊技中に第二始動口13の開閉部材131を開閉する。第一大入賞口ソレノイド70は、小当たり遊技中に第一大入賞口16の開閉部材161を開閉する。第二大入賞口ソレノイド71は、大当たり遊技中に第二大入賞口17の開閉部材171を開閉する。ゲートスイッチ75は、ゲート11に設けられており、ゲート11を通過した遊技球を検出する。第一大入賞口スイッチ76は、第一大入賞口16に設けられており、第一大入賞口16へ入賞した遊技球を検出する。第二大入賞口スイッチ77は、第二大入賞口17に設けられており、第二大入賞口17へ入賞した遊技球を検出する。特定領域スイッチ78は、特定領域291Aに設けられており、特定領域291Aを通過した遊技球を検出する。非特定領域スイッチ79は、非特定領域292A、293Aに設けられており、非特定領域292A、293Aを通過した遊技球を検出する。
【0063】
上ステージモータ81は、遊技中に上ステージ213を左右方向に往復移動させる。回転モータ82は、小当たり遊技中に回転部材26を回転させる(
図6参照)。誘導ソレノイド83は、小当たり遊技中に誘導部材25を誘導位置(
図3参照)と保持位置(
図4参照)との間で回転させる。
【0064】
外部端子板55は、パチンコホールに設置されている遊技機を統括的に管理する遊技場管理用コンピュータ(いわゆるホールコンピュータ、図示略)にパチンコ機1の情報を接点出力する。第一始動口スイッチ61は、第一始動口12に設けられており、第一始動口12へ入賞した遊技球を検出する。第二始動口スイッチ62は第二始動口13に設けられており、第二始動口13へ入賞した遊技球を検出する。
【0065】
電源基板42は、主基板41および遊技球発射装置37に接続されており、各基板および遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。遊技球発射装置37は、一定間隔(本実施形態では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ発射する。
【0066】
図8を参照して、RAM52の第一大当たり関係情報記憶エリアについて説明する。第一大当たり関係情報記憶エリアは、後述するメイン処理の特別図柄柄処理(
図13~
図15参照)において使用される。第一大当たり関係情報記憶エリアには、記憶可能な第一保留球数の上限である最大第一保留球数に対応する複数の記憶エリアが設けられている。本実施形態において、最大第一保留球数は「4」である。このため、第一大当たり関係情報記憶エリアには、No.1からNo.4の4つの記憶エリアが設けられている。第一始動口12に遊技球が入賞した際に第一保留球数が4未満(0~3)であれば、番号の小さい記憶エリアから順に乱数が記憶される。
【0067】
第一保留球数は、第一始動口12へ入賞した遊技球に対応する乱数のうち、第一大当たり判定の実行、第一特別図柄の変動時間を示す変動パターンの決定等が保留された状態で記憶されている乱数の個数である。CPU51は、第一大当たり関係情報記憶エリアにおいて、処理がまだ行われていない記憶エリアの乱数のうち、最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている乱数を、判定エリア(図示略)にシフトする。判定エリアは、大当たり判定を行う乱数を格納するために、RAM52に設けられている記憶エリアである。CPU51は、判定エリアにシフトされた乱数について第一大当たり判定等の各種処理を行う。最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている乱数が、判定エリアにシフトされると、次の番号以下に記憶されている乱数が、1つ小さな番号の記憶エリアにシフトされる。以降は、最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている乱数が、順次、判定エリアにシフトされて、大当たり判定等の処理が繰り返される。判定エリアに記憶されている乱数についての各種処理には、例えば、大当たり判定の結果を報知する報知演出の決定、および判定結果に応じて実行される小当たり遊技に関する処理が含まれる。なお、判定エリアの乱数は、大当たり判定等の処理が終了した後に消去される。
【0068】
各記憶エリアには、第一大当たり乱数欄、第一図柄決定乱数欄および第一変動パターン決定乱数欄が設けられている。第一大当たり乱数欄には、乱数発生回路56(
図7参照)によって発生された第一大当たり乱数の値が記憶される。第一図柄決定乱数欄には、乱数発生回路56によって発生された第一図柄決定乱数の値が記憶される。第一変動パターン決定乱数欄には、乱数発生回路56によって発生された第一変動パターン決定乱数の値が記憶される。遊技球が第一始動口12へ入賞すると、その時点で乱数発生回路56によって乱数の種類毎に生成されている乱数がハード回路によってラッチされて、各欄に記憶される。第一大当たり乱数は、第一大当たり判定のために用いられる。第一図柄決定乱数は第一特別図柄を決定するために用いられる。第一変動パターン決定乱数は、図柄表示部24の第一特別図柄表示部に表示される第一特別図柄の変動時間を示す第一変動パターンを決定するために用いられる。第一大当たり乱数とともに取得されて第一大当たり関係情報記憶エリアに記憶されている各種乱数を総称して、第一乱数ともいう。
【0069】
図示しないが、RAM52には、第二大当たり関係情報記憶エリアが設けられている。本実施形態では、第二大当たり関係情報記憶エリアに、記憶可能な第二保留球数の上限である最大第二保留球数に対応する記憶エリアが設けられている。本実施形態において、最大第二保留球数は、「1」である。第二始動口13に遊技球が入賞すると、その時点で乱数発生回路56によって乱数の種類毎に生成されている乱数がハード回路によってラッチされて、第二大当たり関係情報記憶エリアの各欄に記憶される。記憶エリアには、第二大当たり乱数の値が記憶される第二大当たり乱数欄、第二図柄決定乱数の値が記憶される第二図柄決定乱数欄、および第二変動パターン決定乱数の値が記憶される第二変動パターン決定乱数欄が設けられている。
【0070】
CPU51は、第二大当たり関係情報記憶エリアにおいて、処理がまだ行われていない記憶エリアの乱数のうち、最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている乱数を、前述の判定エリア(図示略)にシフトする。CPU51は、判定エリアにシフトされた乱数について第二大当たり判定等の各種処理を行う。第二大当たり乱数と共に取得されて第二大当たり関係情報記憶エリアに記憶されている各種乱数を総称して、第二乱数ともいう。
【0071】
以下の説明では、第一大当たり乱数および第二大当たり乱数を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、大当たり乱数ともいう。また、第一変動パターン決定乱数および第二変動パターン決定乱数を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、変動パターン決定乱数ともいう。また、第一図柄決定乱数数および第二図柄決定乱数を総称する場合、またはいずれかを特定しない場合、特別図柄決定乱数ともいう。
【0072】
パチンコ機1において、変動時間は、大当たり判定の結果を遊技者に報知する報知演出の演出時間に等しい。報知演出は、特別図柄の変動に同期して演出図柄を変動表示することによって行われる。サブ制御基板58は、主基板41で決定された変動パターンに従って、報知演出を制御する。具体的には、主基板41は、図柄表示部24の第一特別図柄表示部または第二特別図柄表示部において、変動パターン決定乱数に基づく変動パターンに従って、特別図柄の変動を開始する。サブ制御基板58は、演出図柄表示部38において、特別図柄の変動開始に同期して、演出図柄の変動表示を開始する。主基板41は、変動時間が経過すると、変動させていた特別図柄を、所定の特別図柄停止表示時間(本実施形態では0.8秒)の間、図柄表示部24の第一特別図柄表示部または第二特別図柄表示部に確定表示させる。サブ制御基板58は、特別図柄の確定表示に同期して、演出図柄を演出図柄表示部38に確定表示する。
【0073】
なお、RAM52には、ゲート11を遊技球が通過する時点に取得される普通当たり乱数を記憶するための普通当たり関係情報記憶エリアが設けられている。普通当たり関係情報記憶エリアも、第一大当たり関係情報記憶エリアと同様に構成されている。本実施形態では、普通当たり関係情報記憶エリアに4つの記憶エリアが設けられており、最大普通保留球数は「4」である。記憶エリアには、普通当たり乱数の値が記憶される普通当たり乱数欄、普図変動パターン決定乱数の値が記憶される普図変動パターン乱数欄および普通図柄決定乱数の値が記憶される普通図柄決定乱数欄が設けられている。普通当たり乱数は、普通当たり判定のために用いられる。普図変動パターン決定乱数は、図柄表示部24の普通図柄表示部に表示される普通図柄の変動時間を示す普図変動パターンを決定するために用いられる。普通図柄決定乱数は、普通当たり図柄を決定するために用いられる。
【0074】
図9を参照して、ROM53に記憶されている特別図柄決定テーブルについて説明する。パチンコ機1は、大当たり判定の結果を報知する特別図柄を、特別図柄決定テーブルを参照することで決定する。特別図柄は、複数の小当たり図柄の種別(以下、「小当たり種別」という。)いずれかに分類される。特別図柄決定テーブルでは、複数の小当たり種別のそれぞれに、特別図柄決定乱数の値(0~99)が対応付けられている。なお、大当たり判定の結果がはずれの場合には、特別図柄決定テーブルによらず、大当たり判定の結果がはずれであることを示す所定のはずれ図柄が決定される。
【0075】
第一特別図柄は、「特1小当たりA」~「特1小当たりD」の4種類の小当たり種別を含む。小当たり種別の割合は、「特1小当たりA」が40%、「特2小当たりB」が30%、「特1小当たりC」が20%、「特1小当たりD」が10%である。
【0076】
第二特別図柄は、「特2小当たりA」~「特2小当たりE」の5種類の小当たり種別を含む。小当たり種別の割合は、「特2小当たりA」が40%、「特2小当たりB」が25%、「特2小当たりC」が20%、「特2小当たりD」が10%、「特2小当たりE」が5%である。
【0077】
以下では、「特1小当たりD」の小当たり種別を、「はずれ小当たり」という場合があり、「特1小当たりD」以外の小当たり種別を、「特別小当たり」という場合がある。詳しくは後述するが、特別小当たり(特1小当たりD以外)は、小当たり遊技後に大当たり遊技が実行される可能性がある小当たり種別である。はずれ小当たり(特1小当たりD)は、小当たり遊技後に大当たり遊技が実行されることが想定されていない小当たり種別であり、小当たり遊技後に大当たり遊技が実行される可能性が実質的にない小当たり種別である。したがって、はずれ小当たりは、複数の小当たり種別の中で遊技者にとっての有利度が最も小さな小当たり種別である。
【0078】
特別図柄決定テーブルは、小当たり遊技における第一大入賞口16の開放パターンを、小当たり種別に対応付けて定義している。パチンコ機1は、パターンA~パターンFの6種類の小当たり開放パターンを備える。特2小当たりAにはパターンAが、特1小当たりAおよび特2小当たりBにはパターンBが、特1小当たりBおよび特2小当たりCにはパターンCが、特1小当たりCおよび特2小当たりDにはパターンDが、特1小当たりDにはパターンFが、それぞれ対応付けられている。パターンA~パターンFの詳細については、後述する(
図10参照)。いずれの小当たり開放パターンで小当たり遊技が行われた場合にも、小当たり遊技において第一大入賞口16へ入賞した遊技球が第一大入賞口16内の特定領域291Aを通過した場合、小当たり遊技に引き続いて大当たり遊技が行われる。なお、小当たり種別に対応する小当たり遊技が実行されたが、遊技球が特定領域291Aを通過しなかった場合には、小当たり遊技の終了後に大当たり遊技が実行されない。
【0079】
前述のように、小当たり遊技が実行されたことに起因する大当たり遊技において、小当たり遊技は、1R目の大当たりラウンドとしてさかのぼって取り扱われる。このため、特別図柄決定テーブルでは、小当たり遊技に係る第一大入賞口16の開放時間を、便宜上、1R目の大当たりラウンドの開放時間として定義している。小当たり遊技の後に行われる大当たりラウンドにおいては、全ての大当たりラウンドで第二大入賞口17が最大28.0秒の開放を1回行う。大当たり遊技における第二大入賞口17の最大開放時間を、以下では、大当たり開放時間という。
【0080】
小当たり種別のそれぞれには、小当たり種別に対応する大当たり遊技が終了した後に設定される遊技状態が定義されている。本実施形態では、特1小当たりD以外の小当たり種別が決定されたことに起因して大当たり遊技が行われた場合、大当たり遊技の終了後に時短状態が設定される。大当たり遊技の終了後に設定された時短状態は、その時短状態において小当たりの判定結果が導出された回数(小当たり回数)が5回(時短回数)に到達することによって時短終了条件が満たされて終了し、その後、遊技状態は通常状態に移行する。なお、特1小当たりDの小当たり種別が決定されたことに起因して大当たり遊技が行われた場合には、大当たり遊技の終了後に時短状態が設定されず、通常状態が設定される。
【0081】
図10を参照して、小当たり開放パターンの詳細および小当たり遊技における誘導部材25、回転部材26の動作の詳細について説明する。小当たり遊技における誘導部材25および回転部材26の動作は1通りであり、小当たり開放パターンによらず小当たり遊技の開始を基準として一定である。したがって、誘導部材25および回転部材26の動作パターンに対する小当たり開放パターンの種類に応じて、遊技の進行態様(具体的には、後述の耐久時間の長さ)が異なる。時点T0から小当たり遊技が開始する。時点T0から時点T1までの時間は、小当たり遊技が開始することを演出の実行等によって遊技者に報知するための、いわゆるオープニングの時間である。
【0082】
まず、誘導部材25の動作パターンについて説明する。誘導部材25は、時点T0から時点T1まで誘導位置に配置された状態が維持され、時点T1において誘導位置から保持位置に切り替えられる。誘導部材25は、時点T1から時点T3まで(本実施形態では、0.1秒間)保持位置に配置された状態が維持され、時点T3において保持位置から誘導位置に切り替えられる。誘導部材25は、時点T3から時点T5まで誘導位置に配置された状態が維持され、時点T5において誘導位置から保持位置に切り替えられる。
【0083】
誘導部材25は、時点T5から時点T7まで保持位置に配置された状態が維持され、時点T7において保持位置から誘導位置に切り替えられる。誘導部材25は、時点T7から時点T8まで誘導位置に配置された状態が維持され、時点T8において誘導位置から保持位置に切り替えられる。
【0084】
誘導部材25は、時点T8から時点T11まで保持位置に配置された状態が維持され、時点T11において保持位置から誘導位置に切り替えられる。誘導部材25は、時点T11から時点T12まで誘導位置に配置された状態が維持され、時点T12において誘導位置から保持位置に切り替えられる。
【0085】
誘導部材25は、時点T12から時点T14まで保持位置に配置された状態が維持され、時点T14において保持位置から誘導位置に切り替えられる。誘導部材25は、時点T14から時点T15まで誘導位置に配置された状態が維持され、時点T15において誘導位置から保持位置に切り替えられる。
【0086】
誘導部材25は、時点T15から時点T17まで保持位置に配置された状態が維持され、時点T17において保持位置から誘導位置に切り替えられる。誘導部材25は、時点T17から時点T18まで誘導位置に配置された状態が維持され、時点T18において誘導位置から保持位置に切り替えられる。
【0087】
誘導部材25は、時点T18から時点T21まで保持位置に配置された状態が維持され、時点T21において保持位置から誘導位置に切り替えられる。誘導部材25は、時点T21から誘導位置に配置された状態が維持されて、時点22において小当たり遊技が終了する。
【0088】
次に、回転部材26の動作パターンについて説明する。回転部材26は、時点T0から時点T9まで停止された状態が維持され、時点T9において、第一速度で回転駆動する。時点T9は、時点T8よりも後であり、且つ時点T11よりも前である。回転部材26は、時点T9から時点T19まで第一速度での回転駆動が維持され、時点T19において回転速度が第一速度から第二速度に切り替えられる。第二速度は第一速度よりも小さい。すなわち、時点T19では、回転部材26の回転が減速する。時点T19は、時点T18よりも後であり、且つ時点21よりも前である。
【0089】
回転部材26は、時点T19から時点T21まで第二速度での回転駆動が維持され、時点T21において回転駆動が停止される。回転部材26は、時点T21から停止された状態が維持され、時点T22において小当たり遊技が終了する。以下では、回転部材26の回転動作が行われている期間を、「振分期間」という。本実施形態では、時点T9から時点T21までの間が振分期間となる。
【0090】
次に、第一大入賞口16の小当たり開放パターンについて説明する。パターンA~パターンEでは、第一大入賞口16は、時点T0から時点T1まで閉鎖状態が維持され、時点T1において、開閉部材161が後方に退避することで、閉鎖状態から開放状態に切り替えられる。第一大入賞口16では、時点T1から時点T2まで(本実施形態では、0.052秒間)、開閉部材161が後方に退避した維持され、時点T2において、開閉部材161が前方に突出する。時点T1は、時点T3よりも前である。
【0091】
パターンAでは、第一大入賞口16では、時点T2から時点T5まで開閉部材161が前方に突出した状態が維持され、時点T5において、開閉部材161が後方に退避する。第一大入賞口16は、時点T5から時点T6まで(本実施形態では、最大9.5秒間)、開閉部材161の開閉動作(本実施形態では、開閉部材161が後方に0.052秒間退避した後、前方に突出する動作)が最大10回行われる。時点T6において、開閉部材161が前方に突出することで、第一大入賞口16が閉鎖状態に切り替えられる。時点T6は、時点T7よりも前である。第一大入賞口16は、時点T6から閉鎖状態が維持され、時点T22において小当たり遊技が終了する。
【0092】
パターンBでは、第一大入賞口16では、時点T2から時点T8まで開閉部材161が前方に突出した状態が維持され、時点T8において、開閉部材161が後方に退避する。第一大入賞口16は、時点T8から時点T10まで(本実施形態では、最大9.5秒間)、開閉部材161の開閉動作(本実施形態では、開閉部材161が後方に0.052秒間退避した後、前方に突出する動作)が最大10回行われる。時点T10において、開閉部材161が前方に突出することで、第一大入賞口16が閉鎖状態に切り替えられる。時点T10は、時点T9よりも後であり、且つ時点T11よりも前である。第一大入賞口16は、時点T10から閉鎖状態が維持され、時点T22において小当たり遊技が終了する。
【0093】
パターンCでは、第一大入賞口16は、時点T2から時点T12まで開閉部材161が前方に突出した状態が維持され、時点T12において、開閉部材161が後方に退避する。第一大入賞口16は、時点T12から時点T13まで(本実施形態では、最大9.5秒間)、開閉部材161の開閉動作(本実施形態では、開閉部材161が後方に0.052秒間退避した後、前方に突出する動作)が最大10回行われる。時点T13において、開閉部材161が前方に突出することで、第一大入賞口16が閉鎖状態に切り替えられる。時点T13は、時点T14よりも前である。第一大入賞口16は、時点T13から閉鎖状態が維持され、時点T22において小当たり遊技が終了する。
【0094】
パターンDでは、第一大入賞口16は、時点T2から時点T15まで開閉部材161が前方に突出した状態が維持され、時点T15において、開閉部材161が後方に退避する。第一大入賞口16は、時点T15から時点T16まで(本実施形態では、最大9.5秒間)、開閉部材161の開閉動作(本実施形態では、開閉部材161が後方に0.052秒間退避した後、前方に突出する動作)が最大10回行われる。時点T16において、開閉部材161が前方に突出することで、第一大入賞口16が閉鎖状態に切り替えられる。時点T16は、時点T17よりも前である。第一大入賞口16は、時点T16から閉鎖状態が維持され、時点T22において小当たり遊技が終了する。
【0095】
パターンEでは、第一大入賞口16は、時点T2から時点T18まで開閉部材161が前方に突出した状態が維持され、時点T18において、開閉部材161が後方に退避する。第一大入賞口16は、時点T18から時点T20まで(本実施形態では、最大9.5秒間)、開閉部材161の開閉動作(本実施形態では、開閉部材161が後方に0.052秒間退避した後、前方に突出する動作)が最大10回行われる。時点T20において、開閉部材161が前方に突出することで、第一大入賞口16が閉鎖状態に切り替えられる。時点T20は、時点T19よりも後であり、且つ時点T21よりも前である。第一大入賞口16は、時点T16から閉鎖状態が維持され、時点T22において小当たり遊技が終了する。
【0096】
また、パターンFでは、第一大入賞口16は、時点T0から時点T1まで閉鎖状態が維持され、時点T1において、開閉部材161が後方に退避することで、閉鎖状態から開放状態に切り替えられる。第一大入賞口16は、時点T1から時点T4まで(本実施形態では、最大1.5秒間)、開閉部材161が後方に退避した維持される。第一大入賞口16は、時点T4において、開閉部材161が前方に突出することで、閉鎖状態に切り替えられる。第一大入賞口16は、時点4から閉鎖状態が維持され、時点T22において小当たり遊技が終了する。
【0097】
以下では、誘導部材25が保持位置から誘導位置に切り替わって遊技球が誘導部材25から下ステージ28上に誘導される時点から、その遊技球が下ステージ28上から当たり孔282に落下可能な状態になるまでの時間を、「耐久時間」という。耐久時間が経過するまで、下ステージ28上の遊技球は当たり孔282に落下できない。下ステージ28上の遊技球は、耐久時間が経過するまでに、阻害部材265によって弾かれて、通過口285A、285B、285C、285Dのいずれかを通ると、通路286を通ってはずれ孔283、284のいずれかに落下する。一方、耐久時間が経過するまで下ステージ28上に遊技球が残っていた場合、遊技球は当たり孔282に落下する。
【0098】
振分期間内、すなわち回転部材26が回転している状態で、誘導部材25が保持位置から誘導位置に切り替わって遊技球が誘導部材25から下ステージ28上に誘導された場合には、耐久時間は、その時点から振分期間の終了時点までの間の時間である。また、振分期間外、すなわち回転部材26が停止している状態で、誘導部材25が保持位置から誘導位置に切り替わって遊技球が誘導部材25から下ステージ28上に誘導された場合には、耐久時間は0秒である。以下説明するが、本実施形態では、小当たり開放パターンに応じて複数種類の耐久時間が設けられている。
【0099】
また、パターンA~パターンEにおいて、第一大入賞口16で行われる時点T1から時点T2までの開閉部材161の1回の開閉動作、およびパターンFにおいて、第一大入賞口16で行われる時点T1から時点T4までの開閉部材161の1回の開閉動作を、「1回目の開放」といい、パターンA~パターンEにおいて、1回目の開放の後に第一大入賞口16で行われる開閉部材161の最大10回の開閉動作を、「2回目の開放」という。
【0100】
上記小当たり開放パターン、誘導部材25の動作パターン、および回転部材26の動作パターンによれば、誘導部材25は、時点T1から時点T3までの間、保持位置に配置される。本実施形態では、パターンA~パターンFの1回目の開放において第一大入賞口16へ遊技球が入賞した場合、その遊技球が時点T3までに誘導部材25まで到達せず、且つ時点T5までに誘導部材25まで到達するように、時点T2から時点T3までの時間の長さ、時点T2から時点T5までの時間の長さ、時点T3から時点T4までの時間の長さ、および時点T4から時点T5までの時間の長さが設定されている。したがって、パターンA~パターンFの1回目の開放において第一大入賞口16へ遊技球が入賞しても、入賞した遊技球が誘導部材25によって下ステージ28上へ誘導されることは、実質的にない。さらに、パターンFでは2回目の開放が行われない。すなわち、パターンFは、小当たり遊技に引き続いて大当たり遊技が行われることを想定しない小当たり開放パターンである。このため、パターンFが対応付けられている小当たり種別(本実施形態では、特1小当たりD)が、「はずれ小当たり」となる。
【0101】
本実施形態では、パターンAの2回目の開放において第一大入賞口16へ遊技球が入賞した場合、その遊技球が時点T7までに誘導部材25まで到達可能なように、時点T6から時点T7までの時間の長さが設定されている。したがって、パターンAの2回目の開放において第一大入賞口16へ遊技球が入賞した場合、通路162を流下する遊技球が、順に保持位置に配置された誘導部材25に到達する。保持位置に配置された誘導部材25に最初に到達した遊技球が、誘導部材25において凹部256内に収容される。誘導部材25に遊技球が1個収容された後に誘導部材25に到達した遊技球は、通路163を流れて、非特定領域292Aを通過した後、遊技盤2の裏側に排出される。すなわち、本実施形態では、第一大入賞口16へ複数の遊技球が入賞した場合、そのうちの1個の遊技球のみが誘導部材25によって下ステージ28へ誘導され、その他の遊技球は非特定領域292Aを通過する。
【0102】
時点T7になると、誘導部材25が保持位置から誘導位置に切り替わり、誘導部材25に遊技球が収容されていた場合には、その遊技球が下ステージ28上に誘導される。本実施形態では、回転部材26の回転駆動が停止した状態で、つまり振分期間の開始前に、誘導部材25から下ステージ28上に遊技球が誘導されて、その遊技球が当たり孔282へ入球するように、時点T7から時点T9までの時間の長さが設定されている。すなわち、パターンAの2回目の開放において第一大入賞口16へ入賞し、誘導部材25に収容された遊技球は、回転部材26が停止した状態において下ステージ28上へ誘導され、実質的に100%の割合で当たり孔282へ入球できる。したがって、パターンAの耐久時間は「0秒」である。
【0103】
パターンB、C、D、Eについても、パターンAと同様に、2回目の開放において第一大入賞口16へ遊技球が入賞した場合、そのうちの1個の遊技球のみが誘導部材25によって下ステージ28へ誘導されるように構成されている。すなわち、パターンA~Eは、小当たり遊技に引き続いて大当たり遊技が行われる可能性がある小当たり開放パターンである。このため、パターンA~Eが対応付けられている小当たり種別(本実施形態では、特1小当たりD以外)が、「特別小当たり」となる。
【0104】
パターンBについては、時点T11になると、誘導部材25が保持位置から誘導位置に切り替わり、誘導部材25に遊技球が収容されていた場合には、その遊技球が下ステージ28上に誘導される。この場合、パターンAとは異なり、時点T9において既に回転部材26の回転動作が開始されている。このため、パターンBの2回目の開放において第一大入賞口16へ入賞し、誘導部材25に収容された遊技球は、回転部材26が回転した状態、つまり振分期間内に下ステージ28上へ誘導される。よって、この場合には、遊技球が当たり孔282に入球しようとしても、阻害部材265によって当たり孔282への入球が阻害される。このため、遊技球は、回転部材26の回転が停止するまで当たり孔282に入球できない。したがって、パターンBの耐久時間は、時点T11から時点21までの時間の長さであり、本実施形態では、60秒である。
【0105】
パターンCについては、時点T14になると、誘導部材25が保持位置から誘導位置に切り替わり、誘導部材25に遊技球が収容されていた場合には、その遊技球が下ステージ28上に誘導される。この場合、パターンBと同様に、時点T9において既に回転部材26の回転動作が開始されている。このため、遊技球は、振分期間内に下ステージ28上へ誘導される。パターンCの耐久時間は、時点T14から時点21までの時間の長さであり、本実施形態では、40秒である。
【0106】
パターンDについては、時点T17になると、誘導部材25が保持位置から誘導位置に切り替わり、誘導部材25に遊技球が収容されていた場合には、その遊技球が下ステージ28上に誘導される。この場合、パターンB、Cと同様に、時点T9において既に回転部材26の回転動作が開始されている。このため、遊技球は、振分期間内に下ステージ28上へ誘導される。パターンDの耐久時間は、時点T17から時点21までの時間の長さであり、本実施形態では、20秒である。
【0107】
パターンEについては、時点T21になると、誘導部材25が保持位置から誘導位置に切り替わり、誘導部材25に遊技球が収容されていた場合には、その遊技球が下ステージ28上に誘導される。この場合、パターンB、C、Dと同様に、時点T9において既に回転部材26の回転動作が開始されている。しかしながら、パターンEでは、時点T21において誘導部材25が保持位置から誘導位置に切り替わると同時に、回転部材26の回転が開始されて、振分期間が終了する。このため、遊技球は、振分期間の終了後に下ステージ28上へ誘導される。よって、パターンEの耐久時間は、本実施形態では、0秒である。
【0108】
耐久時間が短くなるほど、下ステージ28上の遊技球が耐久時間の経過時に下ステージ28上に残りやすい。すなわち、耐久時間が短くなるほど、下ステージ28上の遊技球が当たり孔282へ落下する可能性が高まる。
【0109】
なお、振分期間の終盤である時点T19から時点T21までにおいては、回転部材26が第二速度で回転する。回転部材26の回転速度が減速することによって、パチンコ機1は、下ステージ28上の遊技球が当たり孔282へ落下しやすくなったように遊技者に感じさせることができる。パチンコ機1は、振分期間の終盤における下ステージ28上の遊技球の動きに対して遊技者の注目を集め、また、遊技球が当たり孔282へ入球することに対する遊技者の期待感を煽ることができる。
【0110】
図11を参照して、ROM53に記憶されている変動パターン決定テーブルについて説明する。変動パターン決定テーブルは、変動パターンが決定される時点における遊技状態(通常状態または時短状態)毎に区分されている。それぞれの区分には、複数種類の変動パターンが割り当てられており、大当たり判定による判定結果(小当たりまたははずれ)に応じて、各変動パターンに変動パターン決定乱数の値(0~511)が対応付けられている。大当たり判定が行われた場合、その時点の遊技状態に応じたテーブル区分が参照され、大当たり乱数と共に取得されている変動パターン決定乱数の値に対応する変動パターンが、大当たり判定の結果に応じて1つ決定される。本実施形態では、第一変動パターンおよび第二変動パターンのいずれを決定する場合においても、変動パターン決定テーブルが共通して参照される。
【0111】
通常状態における大当たり判定の判定結果が小当たりの場合には、「リーチ演出A」から「リーチ演出C」の順に、変動パターンが決定される割合が高くなる。ここで、「リーチ演出」とは、演出図柄表示部38において表示される演出図柄を構成する3つの図柄のうち2つが同じ図柄で停止するリーチ状態が構成された後に、小当たりの可能性があることを示す演出である。一方、判定結果がはずれの場合には、「リーチ演出A」から「リーチ演出C」の順に、変動パターンが決定される割合が低くなる。したがって、第一大当たり判定の結果が大当たりとなる期待度は、「リーチ演出A」から「リーチ演出C」の順に高くなる。
【0112】
なお、本実施形態において、「はずれ変動A」~「はずれ変動D」の変動パターンは、リーチ状態に至ることなく演出が終了するはずれ変動の報知演出であり、本実施形態では、大当たり判定の結果がはずれの場合にのみ決定される。時短状態についても同様に、リーチ演出およびはずれ変動の変動パターンが、変動パターン決定乱数の値に対応付けて定義されている。
【0113】
主基板41は、決定した変動パターンに応じて決められている変動時間だけ、第一特別図柄または第二特別図柄を変動させる。また、主基板41は、変動パターンが決定されると、変動パターンを指定するコマンドである変動パターン指定コマンドを、サブ制御基板58へ送信する。サブ制御基板58は、コマンドによって指定された変動パターンに応じて演出図柄表示部38における演出図柄の変動表示、スピーカ48による音の出力等を制御する。
【0114】
図12~
図18を参照して、パチンコ機1の主基板41による動作について説明する。パチンコ機1の主制御は、ROM53に記憶されている制御プログラムによって行われる。制御プログラムのメイン処理(
図12参照)は、割込信号発生回路57(
図7参照)が4ms毎に発生する割込信号をCPU51が検知した際に、CPU51において実行される。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
【0115】
図12に示すように、メイン処理が開始されると、まず、コマンド出力処理が行われる(S10)。コマンド出力処理では、制御コマンドが、サブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47等に出力される。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメイン処理においてRAM52に記憶された制御コマンドである。
【0116】
次いで、スイッチ読込処理が行われる(S11)。スイッチ読込処理では、ゲート11、第一始動口12、第二始動口13、第一大入賞口16、第二大入賞口17、その他入賞口に設けられた各スイッチ(
図7参照)の検出結果から、遊技球の通過または入賞を検知するための処理が行われる。各スイッチが通過または入賞した遊技球を検出すると、RAM52に記憶されている各スイッチに対応するフラグが「ON」となる。
【0117】
次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。カウンタ更新処理では、RAM52に記憶されている各種の時間カウンタの値が更新される。詳細には、RAM52に記憶されている乱数取得カウンタの値が加算され、且つ、特別図柄の変動時間を計測するためのタイマカウンタである特別図柄変動時間カウンタの値が減算される。
【0118】
次いで、特別電動役物処理が行われる(S13)。詳細は後述するが、特別電動役物処理では、当たり遊技の動作を制御するための処理、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態に関する処理等が行われる(
図17、
図18参照)。当たり遊技の動作とは、主に、小当たり遊技および大当たり遊技における第一大入賞口16および第二大入賞口17の開閉部材161,171の開閉動作である。
【0119】
次いで、特別図柄処理が行われる(S14)。詳細は後述するが、特別図柄処理では、大当たり判定、変動パターンの決定、特別図柄の決定および遊技状態の移行処理等が行われる(
図13~
図15参照)。
【0120】
次いで、普通電動役物処理が行われる(S16)。普通電動役物処理では、普通当たりとなった場合に普通当たり遊技の動作を制御するための処理が行われる。CPU51は、時短状態が生起されていれば、非時短状態中よりも長く、第二始動口13の開閉部材131を開放させる。なお、CPU51は、時短フラグが「ON」とされていれば、時短状態中であると判断する。
【0121】
次いで、普通図柄処理が行われる(S17)。普通図柄処理では、ゲートスイッチ75が遊技球を検出することを契機として、普通当たり乱数が取得される。取得された乱数に基づいて、普通当たり判定、普通図柄の変動を制御するためのコマンドの記憶等の処理が行われる。前述したように、普通当たり判定は、所定の普通当たり確率(約1/1.01)で判定される。
【0122】
次いで、払出処理(S18)、エラーチェック(S19)、および情報出力処理(S20)が行われ、メイン処理が終了する。払出処理では、スイッチ読込処理によって各スイッチに対応するフラグが「ON」とされた場合に、各スイッチに対応する入賞口へ遊技球が入賞したことを示すコマンドが、払出制御基板45に送信される。このコマンドを受信した払出制御基板45のCPU45aは、コマンドに対応する入賞口について予め定められている個数の賞球を、入賞口への入賞球数に応じて賞球払出装置49に払い出させる。エラーチェックでは、エラーが発生している場合に、演出図柄表示部38およびスピーカ48等を用いてエラーが報知される。情報出力処理では、外部端子板55を介して、遊技場管理用コンピュータ(図示略)に各種の情報が出力される。
【0123】
図13~
図15を参照して、特別図柄処理(S14、
図12参照)の詳細について説明する。特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。特別図柄処理では、時短フラグ、大当たり遊技状態フラグ、小当たり遊技状態フラグ、特別図柄表示状態フラグ等が使用される。これらのフラグは、RAM52に記憶される。
【0124】
時短フラグは、時短状態中であるかを示すフラグであり、時短状態中に「1」が記憶されて「ON」になり、非時短状態中に「0」が記憶されて「OFF」になる。大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技状態であるかを示すフラグであり、大当たり遊技状態中に「1」が記憶されて「ON」となり、大当たり遊技状態中でない場合に「0」が記憶されて「OFF」となる。
【0125】
小当たり遊技状態フラグは、小当たり遊技中であるかを示すフラグであり、小当たり遊技中に「1」が記憶されて「ON」となり、小当たり遊技中でない場合に「0」が記憶されて「OFF」となる。以下、小当たり遊技中である状態を、小当たり遊技状態ともいう。また、大当たり遊技状態および小当たり遊技状態のいずれかが生起している状態を、当たり遊技状態ともいう。特別図柄表示状態フラグは、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかが変動している場合(変動中)に「1」、いずれも停止表示されている場合(停止表示中)に「2」、いずれも変動中でも停止表示中でもない場合に「0」が記憶される。
【0126】
図13に示すように、特別図柄処理が開始されると、第一始動口12に遊技球が入賞したかが判断される(S111)。第一始動口スイッチ61が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理において、第一始動口スイッチ61に対応するフラグが「ON」になる。このフラグが「OFF」の場合には、第一始動口12に遊技球が入賞していないと判断されて(S111:NO)、処理はS121の判断へ移行する。このフラグが「ON」の場合には、第一始動口12に遊技球が入賞したと判断されて(S111:YES)、第一保留球数が「4」であるかが判断される(S113)。
【0127】
RAM52に記憶されている第一保留球数が「4」である場合(S113:YES)、第一保留球数が最大第一保留球数に達しているため、処理はS121の判断へ移行する。第一保留球数が「4」でない場合(S113:NO)、RAM52に記憶されている第一保留球数に「1」が加算される(S115)。次いで、第一乱数が取得され、第一大当たり関係情報記憶エリア(
図8参照)における空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S116)。
【0128】
次いで、第二始動口13に遊技球が入賞したかが判断される(S121)。第二始動口スイッチ62が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理において、第二始動口スイッチ62に対応するフラグが「ON」になる。このフラグが「OFF」の場合には、第二始動口13に遊技球が入賞していないと判断されて(S121:NO)、処理はS131(
図14参照)の判断へ移行する。このフラグが「ON」の場合には、第二始動口13に遊技球が入賞したと判断されて(S121:YES)、第二保留球数が「1」であるかが判断される(S123)。
【0129】
RAM52に記憶されている第二保留球数が「1」である場合(S123:YES)、第二保留球数が最大第二保留球数に達しているため、処理はS131の判断へ移行する。第二保留球数が「1」でない場合(S123:NO)、RAM52に記憶されている第二保留球数に「1」が加算される(S125)。次いで、第二乱数が取得され、第二大当たり関係情報記憶エリア(図示略)における空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S126)。
【0130】
次いで、
図14に示すように、当たり遊技状態であるかが判断される(S131)。大当たり遊技状態フラグまたは小当たり遊技状態フラグが「ON」である場合、当たり遊技状態であると判断されて(S131:YES)、処理はメイン処理へ戻る。大当たり遊技状態フラグまたは小当たり遊技状態フラグが「OFF」である場合、当たり遊技状態でないと判断されて(S131:NO)、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかが変動中であるかが判断される(S132)。
【0131】
特別図柄表示フラグが「1」でない場合、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれも変動中でないと判断されて(S132:NO)、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれもが停止表示中であるかが判断される(S141)。特別図柄表示状態フラグが「2」でない場合には、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれもが停止表示中でないと判断されて(S141:NO)、大当たり判定等の処理が行われる。
【0132】
図15に示すように、本実施形態では、第一大当たり判定よりも第二大当たり判定の方が優先して行われる。したがって、まず、第二保留球数が「1」以上であるかが判断される(S151)。第二保留球数が「1」である場合(S151:YES)、RAM52に記憶されている第二保留球数が「1」減算される(S152)。次いで、第二大当たり関係情報記憶エリアにおいて最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第二乱数が判定エリアにシフトされる(S153)。最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第二乱数が判定エリアにシフトされると、次の番号以降に記憶されている第二乱数が、1つ小さな番号の記憶エリアにシフトされる。
【0133】
次いで、第二大当たり判定が行われる(S154)。図示しないが、ROM53には、第二大当たり判定を行うためのテーブルである第二大当たり判定テーブルが記憶されている。第二大当たり判定テーブルは、第二大当たり判定について「小当たり」および「はずれ」にそれぞれ対応する第二大当たり乱数の乱数値を定義している。S154の処理では、第二大当たり判定テーブルが参照されて、S153の処理で判定エリアにシフトされた第二大当たり乱数が、「小当たり」および「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、RAM52に記憶された未判定の第二大当たり乱数に基づく第二大当たり判定が、第二大当たり乱数の記憶された順に行われる。
【0134】
次いで、第二大当たり判定の判定結果に応じて第二特別図柄が決定される(S156)。詳細には、第二大当たり判定の判定結果が小当たりである場合、S153で判定エリアにシフトされた第二図柄決定乱数の値に応じた小当たり図柄が、特別図柄決定テーブル(
図9参照)に基づいて決定される。決定された小当たり図柄は、RAM52に記憶される。第二大当たり判定の判定結果がはずれである場合、所定のはずれ図柄が決定されて、処理はS161へ移行する。
【0135】
一方、第二保留球数が「0」である場合(S151:NO)、第一保留球数が「1」以上であるかが判断される(S156)。第一保留球数が「0」である場合(S156:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
【0136】
第一保留球数が「1」以上である場合(S156:YES)、RAM52に記憶されている第一保留球数が「1」減算される(S157)。次いで、第一大当たり関係情報記憶エリア(
図8参照)において最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第一乱数が判定エリアにシフトされる(S158)。最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第一乱数が判定エリアにシフトされると、次の番号以降に記憶されている第一乱数が、1つ小さな番号の記憶エリアにシフトされる。
【0137】
次いで、第一大当たり判定が行われる(S159)。図示しないが、ROM53には、第一大当たり判定を行うためのテーブルである第一大当たり判定テーブルが記憶されている。第一大当たり判定テーブルは、第一大当たり判定について「小当たり」および「はずれ」にそれぞれ対応する第一大当たり乱数の乱数値を定義している。S159の処理では、第一大当たり判定テーブルが参照されて、S159の処理で判定エリアにシフトされた第一大当たり乱数が、「小当たり」および「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、RAM52に記憶された未判定の第一大当たり乱数に基づく第一大当たり判定が、第一大当たり乱数の記憶された順に行われる。
【0138】
次いで、第一大当たり判定の判定結果に応じて第一特別図柄が決定される(S160)。詳細には、第一大当たり判定の判定結果が小当たりである場合、S158で判定エリアにシフトされた第一図柄決定乱数の値に応じた小当たり図柄が、特別図柄決定テーブル(
図9参照)に基づいて決定される。決定された小当たり図柄は、RAM52に記憶される。第一大当たり判定の判定結果がはずれである場合、所定のはずれ図柄が決定されて、処理はS161へ移行する。
【0139】
次いで、変動パターン決定処理が行われる(S161)。変動パターン決定処理では、特別図柄の変動パターンの決定に関する処理が行われる。詳細には、時短フラグの状態が参照されて、現時点において通常状態および時短状態のうちいずれの遊技状態が設定されているかが特定される。また、直前に行われた大当たり判定による判定結果が参照される。変動パターン決定テーブル(
図11参照)のうち、特定された遊技状態に応じたテーブルが参照されて、大当たり判定による判定結果および変動パターン決定乱数の値に対応する変動パターンが決定される。決定された変動パターンは、RAM52に記憶される。
【0140】
次いで、決定された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドが生成される(S162)。生成された変動パターン指定コマンドは、RAM52に記憶され、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理において、中継基板47およびサブ制御基板58に送信される。中継基板47を介して変動パターン指定コマンドを受信した図柄表示部24は、第一特別図柄表示部または第二特別図柄における第一特別図柄または第二特別図柄の変動を開始する。詳しくは後述するが、変動パターン指定コマンドを受信したサブ制御基板58は、変動パターンに応じた演出図柄表示部38における演出図柄の変動を開始する。なお、本実施形態の変動パターン指定コマンドは、小当たり種別の情報を含む。小当たり種別の情報は、少なくとも小当たり種別がはずれ小当たりであるか否かを特定可能であればよく、例えば特別小当たりのそれぞれの種類まで特定可能であってもいし、はずれ小当たりおよび特別小当たりのいずれであるかのみ特定可能な情報であってもよい。
【0141】
次いで、決定された変動パターンに対応する特別図柄の変動時間が、変動時間を計測する時間カウンタである特別図柄変動時間カウンタに記憶される(S165)。次いで、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかが変動中であることを示す「1」が特別図柄表示状態フラグに記憶されて(S166)、処理はメイン処理へ戻る。
【0142】
また、
図14に示すように、S132の判断において、特別図柄表示状態フラグに「1」が記憶されている場合には、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかが変動中であると判断されて(S132:YES)、特別図柄の変動時間が経過したかが判断される(S133)。この判断は、S165(
図15参照)で記憶された特別図柄変動時間カウンタの値に応じて行われる。特別図柄変動時間カウンタの値が「0」でない場合には変動時間がまだ経過していないと判断されて(S133:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
【0143】
特別図柄変動時間カウンタの値が「0」である場合には変動時間が経過したと判断されて(S133:YES)、特別図柄の変動を停止することを示す特別図柄停止コマンドが生成される(S135)。生成された特別図柄停止コマンドは、RAM52に記憶される。記憶された特別図柄停止コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理によって中継基板47およびサブ制御基板58に送信される。中継基板47を介して特別図柄停止コマンドを受信した図柄表示部24は、図柄表示部24の第一特別図柄表示部または第二特別図柄表示部における第一特別図柄または第二特別図柄の変動を停止し、S155またはS160で決定された第一特別図柄または第二特別図柄を確定表示する。特別図柄停止コマンドを受信したサブ制御基板58は、演出図柄表示部38の演出図柄の変動を停止し、S155またはS160で決定された第一特別図柄または第二特別図柄に応じた演出図柄を確定表示する。
【0144】
次いで、所定の特別図柄停止表示時間(本実施形態では0.8秒)が、特別図柄停止時間カウンタに記憶される(S136)。次いで、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかが停止表示中であることを示す「2」が特別図柄表示状態フラグに記憶されて(S138)、処理はメイン処理へ戻る。
【0145】
また、S141の判断において、特別図柄表示状態フラグが「2」である場合、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかが停止表示中であると判断されて(S141:YES)、特別図柄停止表示時間が経過したかが判断される(S142)。この判断は、S136の処理において記憶される特別図柄停止時間カウンタの値によって判断される。特別図柄停止時間カウンタの値が「0」でない場合には、特別図柄停止表示時間がまだ経過していないと判断されて(S142:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
【0146】
特別図柄停止時間カウンタの値が「0」である場合には、特別図柄停止表示時間が経過したと判断されて(S142:YES)、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれもが変動中でも停止表示中でもないことを示す「0」が、特別図柄表示状態フラグに記憶される(S143)。その後、遊技状態移行処理が行われて(S145)、処理はメイン処理へ戻る。
【0147】
図16を参照して、遊技状態移行処理(S145、
図14参照)について詳細に説明する。遊技状態移行処理では、大当たり判定によって小当たりであると判定された場合に、小当たり遊技状態に移行させるための処理が行われる。また、所定の時短終了条件が成立した場合に時短状態を終了させるための処理も行われる。
【0148】
遊技状態移行処理が開始されると、大当たり判定による判定結果が小当たりであるかが判断される(S181)。判定結果がはずれである場合(S181:NO)、処理は特別図柄処理(
図14参照)へ戻る。判定結果が小当たりである場合(S181:YES)、小当たり種別に対応するラウンド数(本実施形態では、いずれの小当たり種別でも「9」)が、ラウンド数を記憶するカウンタとしてRAM52に設けられているRカウンタに記憶される(S182)。
【0149】
次いで、小当たり遊技が開始することをサブ制御基板58に通知するための小当たり遊技開始コマンドが生成される(S183)。生成された小当たり遊技開始コマンドは、RAM52に記憶され、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理によってサブ制御基板58に送信される。なお、本実施形態の小当たり遊技開始コマンドは、小当たり種別の情報を含む。小当たり種別の情報は、少なくとも小当たり種別がはずれ小当たりであるか否かを特定可能であればよく、例えば特別小当たりのそれぞれの種類まで特定可能であってもいし、はずれ小当たりおよび特別小当たりのいずれであるかのみ特定可能な情報であってもよい。次いで、小当たり遊技状態フラグが「ON」になり(S185)、処理はS186の判断へ移行する。
【0150】
次いで、現時点において時短状態が設定されているかが判断される(S186)。時短フラグが「OFF」である場合には時短状態が設定されていないと判断されて(S186:NO)、処理は特別図柄処理へ戻る。時短フラグが「ON」である場合には時短状態が設定されていると判断されて(S186:YES)、小当たり回数計数カウンタに「1」が加算される(S187)。小当たり回数計数カウンタは、大当たり遊技の終了後から、大当たり判定で小当たりと判定された小当たり回数を計数するカウンタであり、RAM52に記憶される。
【0151】
次いで、小当たり回数計数カウンタの値が時短回数である「5」であるかが判断される(S188)。小当たり回数計数カウンタの値が「5」でない場合(S188:NO)、処理は特別図柄処理へ戻る。小当たり回数計数カウンタの値が「5」である場合(S188:YES)、小当たり回数が時短回数に達したことになるので、時短フラグが「OFF」になり、遊技状態が時短状態から非時短状態となり、処理は特別図柄処理へ戻る。
【0152】
図17および
図18を参照して、特別電動役物処理(S13、
図12参照)の詳細について説明する。特別電動役物処理で使用されるフラグについて説明する。特別電動役物処理では、前述の各種フラグに加えて、開放中フラグ等が使用される。開放中フラグは、第一大入賞口16および第二大入賞口17が開放状態であるかを示すフラグであり、RAM52に記憶される。開放中フラグには、第一大入賞口16が開放状態の場合に「1」、第二大入賞口17が開放状態の場合に「2」、第一大入賞口16、第二大入賞口17のいずれも開放状態でない場合に「0」が記憶される。なお、本実施形態において、第一大入賞口16と第二大入賞口17とが同時に開放状態となることはない。
【0153】
図17に示すように、特別電動役物処理が開始されると、大当たり遊技状態であるかが判断される(S191)。この判断は、大当たり遊技状態フラグの状態に基づいて行われる。大当たり遊技状態フラグが「OFF」の場合には大当たり遊技状態でないと判断されて(S191:NO)、
図18に示すように、小当たり遊技状態であるかが判断される(S221)。小当たり遊技状態でない場合(S221:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
【0154】
小当たり遊技状態である場合(S221:YES)、第一大入賞口16が開放状態であるかが判断される(S222)。開放中フラグに「1」が記憶されている場合には第一大入賞口16が開放状態であると判断されて(S222:YES)、処理はS231の判断へ移行する。開放中フラグに「1」が記憶されていなければ第一大入賞口16が開放状態でないと判断されて(S222:NO)、第一大入賞口16の開閉部材161を
図10に示す小当たり開放パターンで開放させるための第一開放コマンドが生成される(S223)。生成された第一開放コマンドは、RAM52に記憶されて、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理において中継基板47に送信される。中継基板47を介して第一開放コマンドを受信した第一大入賞口ソレノイド70は、小当たり種別に応じた小当たり開放パターン(
図9参照)で第一大入賞口16の開閉部材161を開放させる。
【0155】
次いで、開放中フラグに「1」が記憶される(S226)。次いで、誘導部材25および回転部材26を所定の動作パターンで動作させるための小当たり動作コマンドが生成される(S228)。生成された小当たり動作コマンドは、RAM52に記憶されて、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理において中継基板47に送信される。中継基板47を介して小当たり動作コマンドを受信した回転モータ82は、あらかじめ定められたパターン(
図9参照)で回転部材26を回転させる。中継基板47を介して小当たり動作コマンドを受信した誘導ソレノイド83は、あらかじめ定められたパターン(
図9参照)で誘導部材25を保持位置と誘導位置との間で動作させる。処理はS231の判断へ移行する。
【0156】
次いで、第一大入賞口16へ遊技球が入賞したかが判断される(S231)。第一大入賞口スイッチ76に対応するフラグが「OFF」の場合には、第一大入賞口16へ遊技球が入賞していないと判断されて(S231:NO)、処理はS233の判断へ移行する。第一大入賞口スイッチ76に対応するフラグが「ON」の場合には、第一大入賞口16へ遊技球が入賞したと判断されて(S231:YES)、第一大入賞口16へ入賞した遊技球の個数を計数するRAM52の入賞球数カウンタに「1」が加算される(S232)。処理はS233の判断へ移行する。
【0157】
次いで、第一大入賞口16への入賞球数が「10」以上であるかが判断される(S233)。入賞球数カウンタの値が「10」未満の場合(S233:NO)、小当たり開放パターンに応じた第一大入賞口16の開放が終了したかが判断される(S235)。
【0158】
小当たり開放パターンに応じた第一大入賞口16の開閉部材161の開閉動作がまだ終了しない場合(S235:NO)、処理はメイン処理へ戻る。小当たり開放パターンに応じた第一大入賞口16の開放が終了した場合(S235:YES)、または入賞球数カウンタの値が「10」以上の場合(S233:YES)、小当たり遊技が終了することを通知するための小当たり遊技終了コマンドが生成される(S237)。生成された小当たり遊技終了コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理において中継基板47およびサブ制御基板58に送信される。中継基板47を介して小当たり遊技終了コマンドを受信した第一大入賞口ソレノイド70は、開閉部材161の開閉動作を終了する。小当たり遊技終了コマンドを受信したサブ制御基板58は、小当たり遊技演出を終了する。次いで、開放中フラグに「0」が記憶されて「OFF」になり(S238)、小当たり遊技状態フラグが「OFF」になる(S239)。
【0159】
次いで、小当たり遊技において遊技球が特定領域291Aを通過したかが判断される(S241)。特定領域スイッチ78が遊技球の通過を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理において特定領域スイッチ78に対応するフラグが「ON」になる。このフラグが「OFF」の場合には、遊技球が特定領域スイッチ78を通過していないと判断されて(S241:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
【0160】
このフラグが「ON」の場合には、遊技球が特定領域スイッチ78を通過したと判断されて(S241:YES)、大当たり遊技が開始することを通知するための大当たり遊技開始コマンドが生成される(S242)。生成された大当たり遊技開始コマンドは、RAM52に記憶され、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理によってサブ制御基板58に送信される。次いで、大当たり遊技状態フラグが「ON」になる(S243)。次いで、Rカウンタの値から「1」が減算されて(S245)、処理はメイン処理へ戻る。
【0161】
図17に示すように、S191の判断において大当たり遊技状態フラグが「ON」の場合には大当たり遊技状態であると判断されて(S191:YES)、大当たりラウンドが全て終了しているか、すなわち、Rカウンタの値が「0」であるかが判断される(S192)。Rカウンタの値が「0」であれば、大当たり遊技における最終ラウンドが終了していることとなる。
【0162】
Rカウンタの値が「0」でない場合(S192:NO)、第二大入賞口17が開放中であるかが判断される(S193)。この判断は、開放中フラグの状態に基づいて行われる。開放中フラグに「2」が記憶されている場合には第二大入賞口17が開放中であると判断されて(S193:YES)、処理はS201の判断へ移行する。
【0163】
開放中フラグに「2」が記憶されていない場合には第二大入賞口17が開放中でないと判断されて(S193:NO)、第二大入賞口17を開放させるための第二開放コマンドが生成される(S195)。生成された第二開放コマンドは、RAM52に記憶されて、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理において中継基板47に送信される。中継基板47を介して第二開放コマンドを受信した第二大入賞口ソレノイド71は、第二大入賞口17の開閉部材171を開放させる。
【0164】
また、大当たり開放時間(本実施形態では28.0秒)が、RAM52の大当たり開放時間カウンタに記憶される(S196)。また、第二開放コマンドに基づいて第二大入賞口17が開放されることに応じて、開放中フラグに「2」が記憶される(S198)。処理はS201の判断へ移行する。
【0165】
次いで、第二大入賞口17へ遊技球が入賞したかが判断される(S201)。第二大入賞口スイッチ77に対応するフラグが「OFF」の場合には、第二大入賞口17へ遊技球が入賞していないと判断されて(S201:NO)、処理はS203の判断へ移行する。第二大入賞口スイッチ77に対応するフラグが「ON」の場合には第二大入賞口17へ遊技球が入賞したと判断されて(S201:YES)、第二大入賞口17へ入賞した遊技球の個数を計数するRAM52の入賞球数カウンタに「1」が記憶される(S202)。処理はS203の判断へ移行する。
【0166】
次いで、第二大入賞口17への入賞球数が「10」以上であるかが判断される(S203)。入賞球数カウンタの値が「10」未満の場合(S203:NO)、大当たり開放時間が経過したかが、大当たり開放時間カウンタの値に基づいて判断される(S205)。大当たり開放時間が未だ経過していない場合(S205:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
【0167】
大当たり開放時間が経過した場合(S205:YES)、または入賞球数カウンタの値が「10」以上の場合(S203:YES)、開放している第二大入賞口17の開閉部材171を閉鎖させるための第二閉鎖コマンドが生成される(S206)。生成された第二閉鎖コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理において中継基板47に送信される。中継基板47を介して小当たり遊技終了コマンドを受信した第二大入賞口ソレノイド71は、開閉部材171の開閉動作を終了する。次いで、開放中フラグに「0」が記憶されて「OFF」になり(S208)、Rカウンタの値から「1」が減算される(S209)。処理はメイン処理へ戻る。
【0168】
一方、Rカウンタの値が「0」である場合(S192:YES)、大当たり遊技が終了することを示す大当たり遊技終了コマンドが生成される(S211)。生成された大当たり遊技終了コマンドは、RAM52に記憶され、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理においてサブ制御基板58に送信される。
【0169】
その後、大当たり遊技状態フラグが「OFF」になり(S212)、小当たり種別が「特1小当たりD」であるかが判断される(S213)。小当たり種別が「特1小当たりD」である場合(S213:YES)、処理はS215へ移行する。小当たり種別が「特1小当たりD」でない場合(S213:NO)、時短フラグが「ON」になる(S214)。次いで、RAM52の小当たり回数計数カウンタの値が「0」にクリアされて(S215)、処理はメイン処理へ戻る。
【0170】
図19~
図22を参照して、サブ制御基板58が実行するサブ制御基板処理について説明する。サブ制御基板処理は、ROM583に記憶されているプログラムに従って、CPU581によって実行される。サブ制御基板処理では、主基板41から送信されるコマンドに従って、演出図柄表示部38、スピーカ48等による演出を制御する処理が行われる。特に、サブ制御基板処理では、大当たり判定の結果を報知するための報知演出、演出用のモードに関する制御が制御される。
【0171】
本実施形態における演出用のモードについて説明する。パチンコ機1には演出用のモードとして特定モードが設けられている。特定モードは、大当たり判定結果がはずれ小当たり(特1小当たりD)となった場合に生起される。はずれ小当たりは、遊技者にとっての有利度が最も小さいパターンFの小当たり遊技が行われる小当たり種別である。このため、大当たり判定の結果がはずれ小当たりとなったとしても、遊技者は例えば気分を切り替えることができる。よって、パチンコ機1は、モード移行時において、遊技に対する遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
【0172】
以下では、特定モードが生起されていないモードを、「通常モード」ともいう。また、特定モードが生起されることを、「特定モードに移行する」ともいう。さらに、通常モード中に大当たり判定結果がはずれ小当たりとなって特定モードに移行することを、特に「特定モードに突入する」ともいい、特定モード中に大当たり判定結果がはずれ小当たりとなって特定モードに移行することを、特に「特定モードに再突入する」ともいう。
【0173】
特定モード中には特定モード専用の演出が行われる場合がある。例えば特定モード中に大当たり判定結果が特別小当たりとなると、特別小当たりとなったことが確定したことを報知するための確定報知SEがスピーカ48から出力される。確定報知SEは、本実施形態では「モーモー」というSEであり、特定モード中に大当たり判定結果が特別小当たりとなった場合にのみスピーカ48から出力される。
【0174】
図19を参照して、特定モードに移行することを遊技者に報知するための突入演出について説明する。本実施形態では、特定モードに移行する場合に、突入演出が行われる。突入演出の実行は、小当たり図柄が確定表示されると、はずれ小当たりに伴って行われる小当たり遊技中に開始される。
【0175】
突入演出には、
図19(A)に示す特定モード突入報知演出と、
図19(B)に示す特定モード再突入報知演出とがある。
図19(A)に示すように、特定モード突入報知演出は、特定モードに突入する場合(つまり、通常モード中に大当たり判定結果がはずれ小当たりとなって特定モードに移行する場合)に行われ、突入ランプの点灯と突入報知SEの出力と突入報知音声の出力とを含む。詳細には、小当たり遊技が開始されると、突入ランプが点灯し、且つ突入報知SEがスピーカ48から出力される。突入ランプの点灯と、突入報知SEの出力は、所定時間の経過後、小当たり遊技中に終了する。突入ランプの点灯と、突入報知SEの出力が終了すると、突入報知音声がスピーカ48から出力される。
【0176】
図19(B)に示すように、特定モード再突入報知演出は、特定モードに再突入する場合(つまり、特定モード中に大当たり判定結果がはずれ小当たりとなって特定モードに移行する場合)に行われ、突入ランプの点灯と突入報知音声の出力とを含む。すなわち、特定モード再突入報知演出は、突入報知SEの出力を含まない。詳細には、小当たり遊技が開始されると、突入報知SEがスピーカ48から出力されることなく、突入ランプが点灯する。突入ランプの点灯は、所定時間の経過後、小当たり遊技中に終了する。突入ランプの点灯が終了すると、突入報知音声がスピーカ48から出力される。したがって、本実施形態では、特定モード突入報知演出と特定モード再突入報知演出とでは、突入報知SEの出力の有無が異なる。
【0177】
突入報知SEは、「モーモー」というSEである。突入報知音声は、「特定モード突入!牛の鳴き声が聞こえれば大チャンス!」という音声である。突入ランプは、特定モードに突入または再突入したことを報知するためのランプである。
【0178】
本実施形態では、確定報知SEが突入報知SEと同じ音(モーモー)である。遊技者は、特定モード突入時に「牛の鳴き声(モーモー)」として突入報知SEを耳にするので、その後、確定報知SEを認識しやすい。
【0179】
一方で、仮に特定モード再突入時にも突入報知SEがスピーカ48から出力される場合には、特定モード中に「モーモー」というSEがスピーカ48から出力されると、遊技者は「モーモー」というSEが突入報知SEなのか、確定報知SEなのか区別することが困難となる。
【0180】
本実施形態では、特定モード再突入時には特定モード再突入報知演出として、突入報知SEが出力されない。したがって、特定モード中に「モーモー」というSEがスピーカ48から出力されると、遊技者は「モーモー」というSEが確定報知SEであることを容易に認識できる。換言すれば、パチンコ機1は、特定モード再突入時には突入報知SEを出力しないことで、特定モード中に確定報知SEが出力されたと遊技者が誤認することを抑制できる。
【0181】
また、例えば、遊技者にとっての有利度が最も小さいパターンFの小当たり遊技では、遊技者は小当たり遊技を遊技しない場合、小当たり遊技に関心を示さない場合等がある。この場合、小当たり遊技中に間が発生すると、遊技の進行において遊技者に違和感を与える可能性がある。パチンコ機1では、小当たり遊技中に発生する間に突入演出が実行される。よって、パチンコ機1は、遊技者にとっての有利度が最も小さいパターンFの小当たり遊技の実行時において、遊技の進行に対する遊技者の違和感を抑制できる。
【0182】
次に、サブ制御基板処理で使用されるフラグについて説明する。サブ制御基板処理では、特定モードフラグが使用される。特定モードフラグは、特定モードが生起されているか否かを示すフラグであり、RAM582に記憶される。特定モードフラグは、特定モード中に「1」が記憶されて「ON」になり、通常モード中に「0」が記憶されて「OFF」になる。
【0183】
図20~
図22を参照して、サブ制御基板58が実行するサブ制御基板処理の詳細について説明する。
図20に示すように、サブ制御基板処理が開始されると、主基板41から変動パターン指定コマンドを受信したか否かが判断される(S511)。変動パターン指定コマンドを受信していない場合(S511:NO)、処理はS521の判断へ移行する。
【0184】
変動パターン指定コマンドを受信した場合(S511:YES)、特定モードフラグの状態に基づいて、特定モードが生起されているか否かが判断される(S512)。特定モードフラグが「OFF」の場合、特定モードは生起されていない(S512:NO)。この場合、処理はS515へ移行する。
【0185】
特定モードフラグが「ON」の場合、特定モードは生起されている(S512:YES)。この場合、大当たり判定結果が特別小当たりであるか否かが判断される(S513)。先述したように、変動パターン指定コマンドは、小当たり種別の情報を含む。大当たり判定結果が特別小当たりでない場合(S513:NO)、処理はS515へ移行する。
【0186】
大当たり判定結果が特別小当たりの場合(S513:YES)、「モーモー」という確定報知SEがスピーカ48から出力される(S514)。特定モードにおいて「モーモー」という確定報知SEが出力された場合には、大当たり判定結果が特別小当たりとなったことが確定する。このため、遊技者は特定モード中に報知音を聞くことで、大当たり判定結果が特別小当たりとなったことを把握できる。処理はS515へ移行する。
【0187】
次いで、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンに基づいて、報知演出が行われる(S515)。処理はS521の判断へ移行する。なお、確定報知SEは報知演出の実行中に出力されてもよい。
【0188】
次いで、主基板41から特別図柄停止コマンドを受信したか否かが判断される(S521)。特別図柄停止コマンドを受信していない場合(S521:NO)、処理はS531(
図21参照)の判断へ移行する。特別図柄停止コマンドを受信した場合(S521:YES)、演出図柄表示部38において、大当たり判定結果を示す演出図柄の組み合わせが確定表示される(S522)。処理はS531の判断へ移行する。
【0189】
次いで、
図21に示すように、主基板41から小当たり遊技開始コマンドを受信したか否かが判断される(S531)。小当たり遊技開始コマンドを受信していない場合(S531:NO)、処理はS541(
図22参照)の判断へ移行する。
【0190】
小当たり遊技開始コマンドを受信した場合(S531:YES)、小当たり種別がはずれ小当たりであるか否かが判断される(S532)。先述したように、小当たり遊技開始コマンドは、小当たり種別の情報を含む。小当たり種別がはずれ小当たり以外の場合(S532:NO)、小当たり遊技中の演出である小当たり遊技演出が行われる(S533)。小当たり遊技演出は、演出図柄表示部38、電飾部材の発光、スピーカ48による音の出力等によって行われる。また、時間表示部39において、耐久時間の長さが表示され、且つ時間の経過と共に耐久時間が減算されて表示される。なお、耐久時間の長さは、小当たり種別の情報に基づいて特定される。処理はS541の判断へ移行する。
【0191】
小当たり種別がはずれ小当たりの場合(S532:YES)、特定モードフラグの状態に基づいて、特定モードが生起されているか否かが判断される(S534)。特定モードフラグが「OFF」の場合、特定モードは生起されていない(S534:NO)。この場合、「モーモー」というモード突入SEがスピーカ48から出力される(S535)。次いで、突入ランプが点灯し(S536)、処理はS537へ移行する。
【0192】
一方、特定モードフラグが「ON」の場合、特定モードは生起されている(S534:YES)。この場合、処理はS535をスキップして、突入ランプが点灯し(S536)、S537へ移行する。すなわち、特定モード中に大当たり判定結果がはずれ小当たりとなり、特定モードに再突入する場合には、確定報知SEと同じ「モーモー」というモード突入SEがスピーカ48から出力されない。
【0193】
その後、突入報知音声がスピーカ48から出力される(S537)。その後、特定モードフラグが「OFF」となっていれば「ON」となり、特定モードが生起される(S538)。処理はS541の判断へ移行する。
【0194】
次いで、
図22に示すように、主基板41から小当たり遊技終了コマンドを受信したか否かが判断される(S541)。小当たり遊技終了コマンドを受信していない場合(S541:NO)、処理はS551の判断へ移行する。小当たり遊技終了コマンドを受信した場合(S541:YES)、小当たり遊技演出が実行されていれば、実行中の小当たり遊技演出が終了する(S542)。処理はS551の判断へ移行する。
【0195】
次いで、主基板41から大当たり遊技開始コマンドを受信したか否かが判断される(S551)。大当たり遊技開始コマンドを受信していない場合(S551:NO)、処理はS561の判断へ移行する。大当たり遊技開始コマンドを受信した場合(S551:YES)、大当たり遊技中の演出である大当たり遊技演出が開始される(S552)。大当たり遊技演出は、演出図柄表示部38、電飾部材の発光、スピーカ48による音の出力等によって行われる。処理はS561の判断へ移行する。
【0196】
次いで、主基板41から大当たり遊技終了コマンドを受信したか否かが判断される(S561)。大当たり遊技終了コマンドを受信していない場合(S561:NO)、処理はS571の判断へ移行する。大当たり遊技終了コマンドを受信した場合(S561:YES)、実行中の大当たり遊技演出が終了する(S562)。処理はS571の判断へ移行する。
【0197】
次いで、特定モードフラグの状態に基づいて、特定モードが生起されているか否かが判断される(S571)。特定モードフラグが「OFF」の場合、特定モードは生起されていない(S571:NO)。この場合、処理はS511(
図20参照)の判断へ戻る。
【0198】
特定モードフラグが「ON」の場合、特定モードは生起されている(S571:YES)。この場合、特定モード終了条件が成立したか否かが判断される(S572)。特定モード終了条件は、「特定モードが生起されてから行われた大当たり判定の実行回数が所定回数(例えば5回)に達すること」、「大当たり判定結果が大当たりまたは特別小当たりとなったこと」であり、いずれか一方が満たされた場合に成立する。
【0199】
なお、特定モード終了条件は、これに限定されず、「特定モードが生起されてから所定時間が経過したこと」、「特定モードを終了するか否かの抽選を行い、特定モードを終了することが決定されたこと」、「特定の変動パターンが決定されたこと」、「操作ボタン9において、遊技者によって特定モードを終了するための操作が行われたこと」等、適宜変更できる。また、特定モード終了条件は一つの条件で構成されて、その一つの条件が満たされた場合に成立してもよいし、複数の条件で構成されて、その複数の条件のいずれか一つが満たされた場合に成立してもよいし、その複数の条件のすべてが満たされた場合に成立してもよい。
【0200】
特定モード終了条件が成立していない場合(S572:NO)、処理はS511の判断へ戻る。特定モード成立条件が成立した場合(S572:YES)、特定モードフラグが「OFF」となり、特定モードが終了する(S573)。処理はS511の判断へ戻る。
【0201】
以上説明したように、パチンコ機1では、大当たり判定の結果がはずれ小当たり(特1小当たりD)となった場合に、特定モードが生起される。はずれ小当たりは、遊技者にとっての有利度が最も小さいパターンFの小当たり遊技が行われる小当たり種別である。このため、大当たり判定の結果がはずれ小当たりとなったとしても、遊技者は例えば気分を切り替えることができる。よって、パチンコ機1は、モード移行時において、遊技に対する遊技者の興趣が低下することを抑制できる。
【0202】
また、遊技者にとっての有利度が最も小さいパターンFの小当たり遊技では、小当たり遊技演出が実行されない。さらに、パターンFの小当たり遊技中には、特別図柄の変動も実行されない。このため、パターンFの小当たり遊技中には、演出図柄表示部38において演出図柄が停止表示された状態が継続され、小当たり遊技中に間(ま)が発生する。この場合、この間によって遊技の進行において遊技者に違和感を与える可能性がある。結果として、はずれ小当たりとなったことに気づいていない遊技者が、第一大入賞口16の開放に気づき、はずれ小当たりとなったことに気づく可能性がある。パチンコ機1では、小当たり遊技中に発生する間に突入演出が実行される。換言すれば、パチンコ機1では、遊技者が突入演出に注目している最中に、小当たり遊技において第一大入賞口16の開閉動作が行われる。よって、パチンコ機1は、遊技者にとっての有利度が最も小さいパターンFの小当たり遊技の実行時において、特別図柄の変動が実行されていないことを遊技者に伝わりにくくすることで遊技の進行に対する遊技者の違和感を抑制でき、且つ遊技者の目線を第一大入賞口16からそらし、遊技者にとっての有利度が最も小さいパターンFの小当たり遊技が実行されたことを遊技者が気づかないようにできる。
【0203】
また、特定モード中に特別小当たりの特別図柄が停止表示される場合には、特定モードへの移行時に突入報知SEとして出力される音と同じ音(確定報知SE)が出力される。このため、遊技者は特定モード中に出力された音(確定報知SE)を、大当たり判定の結果が特別小当たりとなった場合に出力される音と認識しやすい。よって、パチンコ機1は、大当たり判定の結果が特別小当たりとなった場合に出力される確定報知SEを遊技者が聞き逃すことを抑制できる。
【0204】
また、突入報知SEと確定報知SEとが同じ音なので、特定モードに再突入する場合に突入報知SEが出力されると、遊技者は特定モード中に確定報知SEが出力されたと認識する可能性がある。パチンコ機1では、特定モードに再突入する場合には突入報知SEが出力されない。よって、パチンコ機1は、特定モードに再突入する場合に、特定モード中に確定報知SEが出力されたと遊技者が誤認することを抑制できる。
【0205】
なお、上記実施形態において、
図15のS155、S160の処理を実行する主基板41のCPU51が、本発明の「決定手段」に相当する。
図18のS223の処理を実行する主基板41のCPU51が、本発明の「遊技制御手段」に相当する。
図21のS538を実行するサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「生起手段」に相当する。
図21のS535~S537の処理を実行するサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「突入演出実行手段」に相当する。確定報知SEが、本発明の「確定報知音」に相当する。
図20のS514の処理を実行するサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「確定演出実行手段」に相当する。突入報知SEが、本発明の「突入報知音」に相当する。
【0206】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。遊技仕様は上記実施形態に限定されない。すなわち、本発明は、上記実施形態のようないわゆる2種タイプの遊技機のみならず、複数の小当たり種別を備え、複数の小当たり種別に応じて遊技者にとっての有利度が異なる小当たり遊技を実行可能な遊技機であれば、大当たり遊技を実行するか否かを大当たり判定によって判定する1種タイプ、1種2種混合タイプ等の遊技仕様の遊技機に適用できる。また、時短状態の終了条件についても上記実施形態に限定されず、大当たり遊技の終了後に所定回数連続して時短状態が生起されたことを時短状態の終了条件としてもよい。パチンコ機1は、時短状態に加えて大当たり判定によって大当たりと判定される大当たり確率が通常の非確変状態と、大当たり確率が非確変状態よりも高い確変状態のいずれかを生起可能であってもよい。
【0207】
また、特定モードを生起するタイミング(特定モードフラグをONにするタイミング)は、上記実施形態に限定されない。例えば、サブ制御基板処理では、はずれ小当たりであれば、小当たり遊技終了コマンドを受信した場合に、特定モードフラグがONにされてもよい。
【0208】
また、上記実施形態では、はずれ小当たりの場合には、常に特定モードが生起される。これに対し、はずれ小当たりの場合に、特定モードを生起するか否かの抽選が行われてもよい。また、上記実施形態では、はずれ小当たりの場合には小当たり遊技演出が行われない。これに対し、はずれ小当たりの場合にも小当たり遊技演出が行われてもよい。
【0209】
また、上記実施形態では、はずれ小当たりに伴うパターンFの小当たり遊技が行われても、実質的に小当たり遊技に引き続いて大当たり遊技は実行されない。これに対し、はずれ小当たりに伴う小当たり遊技でも、小当たり遊技に引き続いて大当たり遊技が実行される可能性があってもよい。遊技者にとっての有利度が最も低い小当たり遊技に対応する小当たり種別が決定された場合に、特定モードが生起されればよい。遊技者にとっての有利度は、例えば小当たり遊技に起因して獲得可能な賞球数の平均によって定めることができる。
【0210】
また、突入演出の実行態様は、上記実施形態に限定されない。例えば表示装置による文字等の表示、可動役物の動作等で行われてもよい。また、例えば突入報知SEは確定報知SEとは異なるSEであってもよい。この場合、特定モード突入報知演出の演出態様と特定モード再突入報知演出の演出態様とは同じであってもよい。つまり、特定モードに再突入する場合であっても突入報知SEがスピーカ48から出力されてもよい。
【0211】
また、上記実施形態では、突入報知SEと確定報知SEとが同じSEである。これに対し、例えば特定モード中に特別小当たりとなったときに、特別小当たりとなったことが確定したことを報知するための確定報知音声が出力され、特定モード突入報知演出では確定報知音声と同じ音声が突入報知音声としてスピーカ48から出力されてもよい。また、例えば特定モード中に特別小当たりとなったときに、突入ランプによって、特別小当たりとなったことが確定したことを報知するための点灯が行われてもよい。この場合、特定モード再突入報知演出では、突入ランプの点灯が省略、または特別小当たりとなったことが確定したことを報知するための点灯とは異なる態様で点灯されるとよい。その他、特別小当たりとなったことが確定したことを報知するため、演出図柄表示部38での表示、可動役物の動作、電飾部材の発光動作等が行われてもよい。
【0212】
また、上記実施形態では、特定モード再突入報知演出では、突入報知SEが省略される。これに対し、特定モード再突入報知演出では、確定報知SEとは異なる報知態様で突入報知SEがスピーカ48から出力されてもよい。つまり、特定モード突入報知演出と、特定モード再突入報知演出とで、異なる態様の突入報知SEがスピーカ48から出力されてもよい。例えば、特定モード突入演出では、「特定モード突入!」という突入報知音声が出力され、特定モード再突入報知演出では、「特定モード再突入!」という突入報知音声が出力されてもよい。
【0213】
また、上記実施形態では、サブ制御基板処理において変動パターン指定コマンドを受信した場合、つまり特別図柄の変動開始時に、確定報知SEがスピーカ48から出力される。これに対し、確定報知SEは、特別小当たりに応じた特別図柄が確定表示される前までに、スピーカ48から出力されればよい。このため、例えば、S116またはS126で取得された第一乱数または第二乱数に基づく先読み情報を、当該第一乱数または第二乱数に基づく大当たり判定が実行されるよりも前に、主基板41からサブ制御基板58に送信されてもよい。サブ制御基板処理では、先読み情報に基づいて大当たり判定の結果が特別小当たりと判断された場合、当該第一乱数または第二乱数に基づく特別図柄の変動開始前に、確定報知SEをスピーカ48から出力してもよい。
【0214】
また、上記実施形態では、特定モード中に大当たり判定の結果が特別小当たりとなると、常に確定報知SEがスピーカ48から出力される。これに対し、特定モード中に大当たり判定の結果が特別小当たりとなると、例えば確定報知SEを出力するか否かの抽選を行い、抽選に当せんした場合にのみ確定報知SEをスピーカ48から出力してもよい。
【0215】
また、上記実施形態では、特定モード中に大当たり判定の結果が特別小当たりとなると、確定報知SEがスピーカ48から出力される。これに対し、特定モード中に大当たり判定の結果がはずれ小当たりとなったときにも、確定報知SEがスピーカ48から出力されてもよい。
【0216】
請求項、明細書および図面に記載されるすべての要素(例えば、大入賞口等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、前記要素につけられた名称(要素名)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。したがって、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「主基板」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。さらには、上記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、いずれも当業者であれば容易に考えられる事項であり、敢えて明細書等において全パターンを記載しなくてもいずれのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、特許請求の範囲等においてそれらを明確に除外している旨の記載がない限りは、それら全てについて本発明に係る権利範囲に含まれることは言うまでもない。したがって、その程度の範囲内での構成上の差異を、本実施例に記載がなされていないことを理由に遊技機に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはあたらない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。
【符号の説明】
【0217】
1 パチンコ機
41 主基板
48 スピーカ
51 CPU
52 RAM
53 ROM
58 サブ制御基板
581 CPU
582 RAM
583 ROM