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  • 特開-福祉介護用器材の洗浄及び乾燥装置 図1
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  • 特開-福祉介護用器材の洗浄及び乾燥装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022100467
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】福祉介護用器材の洗浄及び乾燥装置
(51)【国際特許分類】
   B08B 3/02 20060101AFI20220629BHJP
   B08B 5/02 20060101ALI20220629BHJP
   B05B 1/20 20060101ALI20220629BHJP
【FI】
B08B3/02 B
B08B5/02 A
B05B1/20 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020214455
(22)【出願日】2020-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】591043695
【氏名又は名称】アタム技研株式会社
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 平
(72)【発明者】
【氏名】福田 強
(72)【発明者】
【氏名】横山 敦
【テーマコード(参考)】
3B116
3B201
4F033
【Fターム(参考)】
3B116AA47
3B116AB03
3B116AB33
3B116AB43
3B116BB23
3B116BB34
3B116BB75
3B116BB77
3B116BB82
3B116BB87
3B116CC01
3B116CC03
3B201AA47
3B201AB03
3B201AB33
3B201AB43
3B201BB23
3B201BB34
3B201BB75
3B201BB77
3B201BB82
3B201BB87
3B201BB93
3B201BB94
3B201CB12
3B201CC01
3B201CC12
4F033AA04
4F033BA03
4F033EA06
4F033LA13
4F033NA01
(57)【要約】
【課題】福祉介護用器材の洗浄手段において、洗浄処理用装置の設置スペース及び装置の高さを極力少なくすると共に、比較的コンパクトな装置構成の下で、各部の汚れへの洗浄効果を高め、更に乾燥機能を装備することにより、これまで大変厄介であった、洗浄前の準備工程から乾燥工程までの一連の洗浄処理工程を、1台で実現可能にする洗浄・乾燥装置を提供する。
【解決手段】スロープ31を通って、福祉介護用器材を収納したかご台車32を、装置の洗浄室1へ移動させ、回転板6に載置するだけで、福祉介護用器材を載せたかご台車32は低速度の回転動作をする中、洗浄室1内に設けられた洗浄液噴出ノズル14から噴出された洗浄液により効果的に洗浄されると共に、装置内に洗浄室1と隣接して設けた乾燥用熱源22を通過して生み出された温風により効果的に乾燥工程を行い、1台の装置で洗浄から乾燥までの一連の処理工程を効果的に実現することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面に開閉扉を備えた洗浄室に、この底板を垂直に貫通して回転可能に支持された回転軸と、底板上に突出する回転軸の上端に直径方向に伸びて固定した回転板と、洗浄室に隣接して前記回転軸を回転する回転駆動装置とを有する回転駆動機構を備えると共に、回転板上には装置外からスロープを通って福祉介護用器材を収納したかご台車を載置できるようにすると共に、前記洗浄室に設けられ、洗浄室の縦中心軸方向に上下を広くカバーするように広角に洗浄液を噴出する複数の洗浄液噴出ノズルと、この洗浄室に隣接して洗浄室内の福祉介護用器材を乾燥するための熱源と発生熱を乾燥用高温風として洗浄室内部へ導入する開口部及び温風ファンからなる温風加熱装置を設けたことを特徴とする福祉介護用器材の洗浄及び乾燥装置。
【請求項2】
洗浄室底部には洗浄液タンクを設け、この洗浄液タンクの洗浄液を洗浄ポンプにより吸引し吐出側には洗浄室の上部に水平に設けた配管と洗浄室のコーナ部に垂直に設けた配管とを連結したL字型配管に接続し、このL字型配管に複数の洗浄液噴出用ノズルを設けると共に、洗浄室内に噴出された洗浄液を前記洗浄液タンクに流入させ、洗浄液の循環洗浄を可能としたことを特徴とする請求項1に記載の福祉介護用器材の洗浄及び乾燥装置。
【請求項3】
この洗浄室に隣接して設ける乾燥用の温風加熱装置は、福祉介護用器材の洗浄工程中にも稼働させ、福祉介護用器材の洗浄工程中には洗浄液の温度低下を抑える洗浄液加熱装置として機能させることを特徴とした請求項1及び請求項2に記載の福祉介護用器材の洗浄及び乾燥装置。
【請求項4】
洗浄室の洗浄液中に、その温度を検知するセンサーを設け、この検知温度に応じて、温風加熱装置の動作を制御することを特徴とした請求項1、請求項2及び請求項3に記載の福祉介護用器材の洗浄及び乾燥装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、福祉介護用器材の洗浄及び乾燥装置に関し、具体的には介護用ベッド構成部品、車いす、リフト歩行補助具等を洗浄するのに用いられる福祉介護用器材の洗浄及び乾燥装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年高齢化の進行に伴い種々の福祉介護用器材の開発、改良及び生産が盛んにおこなわれるようになってきている一方、福祉介護用器材を大量に使用する介護施設や病院では、人手不足などから福祉介護用器材を定期的に洗浄して衛生を保つといったことが困難であり、このために福祉介護用器材の多くは、レンタル業者から借りて使用しているのが現状である。
【0003】
また、介護保険法施行以降、高齢者の個人レンタルが急増し、これらのレンタル品はレンタル終了後レンタル業者側で洗浄し衛生的な処理を施す責務を負わされているので、レンタル業者では、高齢者の在宅家庭、介護施設及び病院等から引き取った大量の福祉介護用器材を洗浄、乾燥及び消毒した後に、再び貸し出すビジネスを行っている。
【0004】
従来、福祉介護用器材を洗浄する作業は、マットレスを取り外し洗浄可能なパーツに分解した介護用ベッド、車いす、リフト歩行補助具等の福祉介護用器材に、洗浄作業者が洗浄液を噴霧或いは塗布した後、ハンディータイプの高圧噴射ノズル等を用いて洗浄液を噴射することにより洗浄を行い、また、汚れが落ちない箇所がある場合には清拭等を行う等、人力による洗浄を行っていた。
【0005】
しかし、福祉介護用器材を人力で洗浄する場合、複雑な構造部分を綺麗に洗浄する作業は非常に大変であり、洗浄作業に多大の労力を要する問題があると共に、洗浄作業に長時間を要し、更に、洗浄結果に個人差が生じるといった問題を有していた。
【0006】
これに対してより効果のある洗浄手段として、福祉介護用器材をある部位まで分解するなどしてかご台車に入れたベッドフレーム部材を治具で固定ないしはかご状のケースに収めて、シャワーによってある程度自動的に洗浄する装置が考えられ一部実用化されている。
【0007】
これらの自動化装置は洗浄用にベッドフレーム等を保持する専用治具ないし専用かごを用意し、ノズルから噴出する洗浄液が被洗浄物に到達しやすいようにノズルを回転させる方式がとられている。また、ノズル位置を固定し洗浄用の治具ないし専用かごを回転させる方式がとられるものも出現しているが、洗浄液自体の性状及び洗浄液の処理方式に問題があり、洗浄効果が不十分なうえに、洗浄後は、いずれの方式においてもベッドフレーム部材を所定の汎用かご台車に積み替えて乾燥工程に回すのが一般的であった。
【0008】
上記する中の従来自動化洗浄装置によれば、多数のベッドフレームを構成するパイプを同時に洗浄することが可能であるため、洗浄効率のアップが期待できるが、まず専用治具ないし専用かごにパイプを挿入設置し、洗浄完了後もこれを取り出し元のかご台車に入れ直す必要があるため、その工数が洗浄効果の効率を滅殺するものであった。
【0009】
また、上記する中の従来自動化装置には乾燥機能が搭載されていないため、洗浄工程が終わった後で、乾燥室へ運び相当な時間放置乾燥させねばならない等、運搬の手間、乾燥室スペースの確保、乾燥室の確保、乾燥時間による非洗浄物の滞留等多くの課題を抱えたままのものであった。
【0010】
それら各種の機械的なベッドフレーム洗浄についての先行技術の例は下記の通りであるが、前述の公知の構造を含めていずれもニーズに十分こたえきれない構成であり、自動洗浄によるベッドフレームの清潔さと衛生効果を得る目的に対しても全く不十分な技術内容であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2006-102560号公報
【特許文献2】特開2011-67722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
この発明は、従来の技術及びそれを前提とした車いす、ベッドフレーム等の福祉介護用器材の洗浄手段において、洗浄用機械の設置スペース及び装置高さを極力少なくすると共に、比較的簡単でコンパクトな機器構成の下で、各部への汚れへの洗浄効果を高め、更に乾燥機能を装備することにより、これまで大変厄介であった洗浄前の準備工程から乾燥工程までの一連の工程を、本装置1台で実現可能にする洗浄・乾燥機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために請求項1の発明は、正面に開閉扉を備えた洗浄室に、この底板を垂直に貫通して回転可能に支持された回転軸と、底板上に突出する回転軸の上端に直径方向に伸びて固定した回転板と、洗浄室に隣接して前記回転軸を回転する回転駆動装置とを有する回転駆動機構を備えると共に、回転板上には装置外からスロープを通って福祉介護用器材を収納したかご台車を載置できるようにすると共に、前記洗浄室に設けられ、洗浄室の縦中心軸方向に上下を広くカバーするように広角に洗浄液を噴出する複数の洗浄液噴出ノズルと、この洗浄室に隣接して洗浄室内の福祉介護用器材を乾燥するための熱源と発生熱を乾燥用高温風として洗浄室内部へ導入する開口部及び温風ファンからなる温風加熱装置を設けたことを特徴とする福祉介護用器材の洗浄及び乾燥装置についてのものである。
【0014】
請求項2の発明は、洗浄室底部には洗浄液タンクを設け、この洗浄液タンクの洗浄液を洗浄ポンプにより吸引し吐出側には洗浄室の上部に水平に設けた配管と洗浄室のコーナ部に垂直に設けた配管とを連結したL型の水管に配管接続し、このL字型配管に複数の洗浄液噴出用ノズルを設けると共に、洗浄室内に噴出された洗浄液を前記洗浄液タンクに流入させ洗浄液の循環洗浄を可能としたことを特徴とする請求項1に記載の福祉介護用器材の洗浄及び乾燥装置についてのものである。
【0015】
請求項3の発明は、この洗浄室に隣接して設ける乾燥用の温風加熱装置は、福祉介護用器材用具の洗浄工程中にも稼働させ、福祉介護用器材の洗浄工程中には、洗浄液の温度低下を抑える洗浄液加熱装置として機能させることを特徴とした請求項1及び請求項2に記載の福祉介護用器材の洗浄及び乾燥装置についてのものである。
【0016】
請求項4の発明は、洗浄室の洗浄液中に、その温度を検知するセンサーを設け、この検知温度に応じて、温風加熱装置の動作を制御することを特徴とした請求項1、請求項2及び請求項3に記載の福祉介護用器材の洗浄及び乾燥装置についてのものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、以上の様な手段で実施され、以下に示すような効果を奏する。
車いすやベッドフレーム等の福祉介護用器材を入れて運搬されるかご台車をそのままの状態で洗浄および乾燥工程を完了し、搬出することができるので、入れ替えの手間がかからず、移し替えに伴う福祉介護用器材の損傷も少なくすることが可能となる。
【0018】
更に、温水による循環洗浄工程を利用すれば、洗剤を自動投入した洗浄液による循環洗浄が行われるので、高温洗浄液による高い洗浄効果が得られると共に、洗浄室内に噴出して洗浄に利用された洗浄液をそのまま装置の排水口から排水するいわゆる洗い流し洗浄に比べて、洗浄液の水量、洗浄液の加熱エネルギー及び洗剤量等各種の大幅な節約に大いに貢献することが可能である。
【0019】
また更に、洗浄工程終了の後、そのままの状態で引き続き装置に装備している温風加熱装置により乾燥工程を開始することができ、移動及び移設の労力を要することなく洗浄から乾燥までの一連の処理工程を完了することが可能である。
【0020】
さて、脂質汚れの洗浄効果は、洗浄液の温度が例えば60℃から40℃へ20℃低下すると、洗浄効果は半分以下に低下するといわれており、プロのクリーニング屋では衣類については約50℃から60℃の温度で洗浄されている。
汚れ落ちの程度は、洗浄温度に大きく依存している。
【0021】
そこで、本発明の洗浄工程では、一般的に比較的温度の低い福祉介護用器材を洗浄するため、洗浄液の温度が洗浄開始当初に比べ次第に低下し、洗剤の汚れ落とし能力が大幅に低下するのを防ぐために、洗浄工程を行っている間にも温風加熱装置を同時に稼働させることにより、温風加熱装置の温風吹出口から噴出された温風により洗浄液を加熱して洗浄液の温度低下を抑える効果を利用して、洗剤の汚れ落とし能力を洗浄工程の最後まで維持する効果を発揮することが可能である。
【0022】
ここで次に、洗浄液タンクの洗浄液の温度を、温度検知用のセンサーにより検知し、この値をあらかじめ決められた範囲内に収めるように温風加熱装置を制御すれば、更に洗浄液の温度を洗剤が洗浄効果を発揮するのに最適な温度に制御することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態について、かご台車に入れられた福祉介護用器材が回転板上に載せられた状態を示す正面図である。
図2図2は本発明の実施形態について、断面を示す側面図である。
図3図3は本発明の実施形態について、断面を示す平面図である。
図4図4は本発明の実施形態についての正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
発明の実施の形態並びに作用について、図を用いて説明する。
図1は本発明を構成する洗浄室内の回転板上に、かご台車が載置されている状態を示す正面図である。
図2及び図3は本発明の実施形態について、それぞれ断面を示す側面図と平面図である。
図4は本発明の実施形態についての正面図である。
【0025】
本発明の実施形態について、その実施例として図1図2及び図3に示した構成に基づいて説明すると、洗浄乾燥装置36内に設けられた洗浄室1の底板2には、洗浄室1の外部に設けられた回転駆動装置5と回転動力伝達用ベルト7を介して連結された回転軸部4と一体的に連結されて形成された回転板6が設けられており、洗浄工程及び乾燥工程においては回転駆動装置5の駆動により、回転板6が回転する構成となっている。
【0026】
次に洗浄液循環の系統については、洗浄室1の底板2には、洗浄液を貯めておく役割を果たす洗浄液タンク8が設けられ、洗浄タンク8の隣には洗浄ポンプ9も装備されており、洗浄ポンプ吸込口10は、循環三方弁11を介して洗浄液タンク8の側面下部に連結されている。
【0027】
洗浄ポンプ9からは連絡配管10を介して洗浄室1内のL字型配管13へと配管接続されており、このL字型配管13には複数個所に洗浄液噴出用ノズル14が連結されている。福祉介護用器材への洗浄液の噴出洗浄はこの洗浄液噴出用ノズル14によって行われる。
【0028】
このL字型配管13のL型構成によって、L字型配管の垂直部管に取り付けられたノズルからは、洗浄室1の縦中心軸方向に向けて洗浄液が広角に噴出され、洗浄室1の回転板6の回転に伴い、かご台車32に収納された福祉介護用器材は効果的に洗浄される。また、L字型配管の水平部管に取り付けられたノズルからは、洗浄室の上部から下方に向けて洗浄液が広角に噴出されて、洗浄室1の回転板6の回転に伴い、かご台車32に収納された福祉介護用器材は上方からも効果的な洗浄がなされる。
【0029】
更に循環三方弁12のもう一つの開口側は開口部接続配管15を介して一時貯湯用のシスターン16に接続されると共に、更にシスターン16には水電磁弁17を介して給湯接続管18が接続されている。
【0030】
これらの給水系配管部とは別に、洗剤ポンプ19及びリンス剤ポンプ20が洗浄液タンク8に配管により連結されており、装置内部もしくは装置外部に置かれた、洗剤ボトル(図示せず)及びリンス用洗剤ボトル(図示せず)から接続チューブを介して吸引されて洗浄液タンク8に投入される。
更に、洗浄液タンク8の側面下部には、洗浄液を機外へ排出する排水弁21を設けている。
【0031】
次に温風循環系の系統については、以下の通りである。
洗浄乾燥装置36内に、庫内循環風加熱用の熱源22が洗浄室1に隣接させて設けられている熱源ボックス23内に装備されており、熱源ボックス23と洗浄室1との間には、洗浄室1に比べて熱源ボックス23内が負圧であれば負圧の程度によって熱源ボックス23側に開く開度可変のダンパー機構を持ち、熱源ボックス23内が負圧とならない状態では閉止した状態となる洗浄室開閉ダンパー24がある。
【0032】
また、熱源ボックス23には吸気口25に繋がる風路が接続されておりこの風路内に吸気口開閉ダンパー24が設けられている。次に、熱源ボックス23には、温風用ファン27の吸込側が接続され、吹出側には吹出側風路28が接続され、この吹出側風路28は洗浄室1の側面に設けられた温風吹出用開口部29に接続されている。
【0033】
この構成により、電気的に吸気口開閉ダンパー26が「開」の状態に設定された場合は、吸気口25から取り入れられた空気が熱源タボックス23を通過して温風用ファン27により、温風用ファン27から噴出し側風路28を通って洗浄室1に設けられている温風吹出用開口部29から洗浄室1内に風が吹き込まれる仕組みとなる。
【0034】
他方、電気的に吸気口開閉ダンパー26が「閉」設定された場合は、温風用ファン27の作動により発生した熱源ボックス23内の負圧により、洗浄室開閉ダンパー24が「開」の状態となり、洗浄室1内の空気が吸い込まれて熱源ボックス23内へ入り熱源22を通過した後、温風用ファン27に吸引され、温風用ファン27の吐出口側から吹出側風路28を介して洗浄室1内に設けられている温風吹出用開口部29から洗浄室1内へ風が吹き出される仕組みとなる。
【0035】
従って、電気的に吸気口開閉ダンパー26が「開」の状態でこの温風用ファン27を運転させるとこの吸気口25から吸い込まれた空気は、洗浄室1内へ導入されて、洗浄室1内に設けられた洗浄室排気口28から機外へ排気されることとなる。
【0036】
他方、電気的に吸気口開閉ダンパー26を「閉」の状態でこの温風用ファン27を運転させると洗浄室1の側壁と熱源ボックス23をつなぐ洗浄室開閉ダンパー24が「開」状態となり、洗浄室1内の空気が熱源ボックス23内へ吸い込まれ温風用ファン27の吐出口から洗浄室1内へ戻され、熱源22が通電状態であれば、この循環風を加熱し、温風となってかご台車32に収納された福祉介護用器材の乾燥に寄与することとなる。
【0037】
この実施例に基づく形態の動作については、洗浄工程においては、スロープ31を介して洗浄室1内の回転板6の上に侵入し静止状態に置かれたかご台車32は、回転駆動装置5の駆動により、回転板6が回転動作に入る。
【0038】
一方、予め水電磁弁17の開放動作によりシスターン16に一時貯湯されていた温水は、洗浄ポンプ9と循環三方弁12の作動により一旦洗浄液タンク8に落とし込まれ、次に、洗剤ポンプ19を電気的に動作させると、洗剤ボトルから接続チューブを介して洗剤が所定の質量だけ洗浄タンク8に投入され、所定の洗剤濃度の洗浄液が準備される。
予めシスターン16に貯湯される温水については、常温水を使用することは可能であるが、洗剤が洗浄性能を最も発揮しやすい温度域で使用することが望ましいため、50℃程度以上の温水であることが好ましい。
【0039】
次に洗浄ポンプ9と循環三方弁12の作動により洗浄液タンク8に貯められた洗浄液は、連絡配管10を通してL字型配管13へ送られ、洗浄液噴出用ノズル14から、洗浄室1内へ強力に噴出される。
【0040】
この状態を所定の時間維持することにより、洗浄液噴出用ノズル14から噴出された洗浄液は洗浄タンク9に戻り、洗浄ポンプ9により洗浄液タンク8から吸引され洗浄液噴出用ノズル14から噴出するという循環洗浄を行うこととなる。
【0041】
次に、洗浄液による循環洗浄の仕組みと、温風による乾燥機能を組み合わせることにより、新たな効果を生み出すことを可能にするため、洗浄工程実施中に、温風用ファン27を駆動させる同時運転をさせることにより、熱源22の発生熱を温風用ファン27で高温風として洗浄室1内に吹き込ませることにより、洗浄室1内で噴出され細かい微粒子上になった洗浄液を加熱する効果を生み、洗浄液の温度低下が抑制される効果を得ることができる。
【0042】
更に、洗浄液タンク8に洗浄液温度検知用センサー33を予め装着しておくことにより、洗浄タンク8内の洗浄液温度検知用センサー33の出力値により、熱源22の通電を断続運転させることにより、洗浄液の温度を制御することができるので、洗浄液の高温での洗浄効果を維持することを可能とする効果を発揮できる。
【符号の説明】
【0043】
1 洗浄室
2 底板
3 開閉扉
4 回転軸部
5 回転駆動装置
6 回転板
7 回転動力伝達用ベルト
8 洗浄液タンク
9 洗浄ポンプ
10 連絡配管
11 洗浄ポンプ吸込口
12 循環三方弁
13 L字型配管
14 洗浄液噴出用ノズル
15 開口部接続配管
16 シスターン
17 水電磁弁
18 給湯接続管
19 洗剤ポンプ
20 リンス剤ポンプ
21 排水弁
22 熱源
23 熱源ボックス
24 洗浄室開閉ダンパー
25 吸気口
26 吸気口開閉ダンパー
27 温風用ファン
28 吹出側風路
29 温風吹出用開口部
30 洗浄室排気口
31 スロープ
32 かご台車
33 洗浄液温度検知用センサー
34 操作・表示部
35 開閉扉用把手
35´ 開閉扉用把手
36 洗浄乾燥装置
図1
図2
図3
図4