(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022100512
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】水栓
(51)【国際特許分類】
E03C 1/042 20060101AFI20220629BHJP
【FI】
E03C1/042 B
E03C1/042 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020214529
(22)【出願日】2020-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000242378
【氏名又は名称】株式会社KVK
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】間宮 義仁
【テーマコード(参考)】
2D060
【Fターム(参考)】
2D060BB01
2D060BC00
2D060BC30
2D060BD01
2D060BE00
2D060BE11
(57)【要約】
【課題】金属カバーを備える水栓用カバーを用いた場合に生じる水栓の腐食を抑制する。
【解決手段】水栓は、水栓本体と、水栓本体に取り付けられる水栓用カバー19とを備える。水栓本体は、金属により構成される金属ボデー14を備え、水栓用カバー19は、金属ボデー14を構成する金属と異なる金属により構成される金属カバーであるトップカバー20を備える。金属ボデー14とトップカバー20との間には、トップカバー20の内面と金属ボデー14とを絶縁する絶縁部としての挿入部43が設けられている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水栓本体と、前記水栓本体に取り付けられる水栓用カバーとを備える水栓であって、
前記水栓本体は、金属により構成される金属ボデーを備え、
前記水栓用カバーは、内面が前記金属ボデーを構成する金属と異なる金属により構成される金属カバーを備え、
前記金属ボデーと前記金属カバーとの間には、前記金属カバーの内面と前記金属ボデーとを絶縁する絶縁部が設けられていることを特徴とする水栓。
【請求項2】
前記水栓用カバーは、前記金属カバーと、絶縁体により構成される絶縁カバーとを備え、
前記絶縁カバーは、前記金属カバーと組み合わせたときに、前記金属ボデーと前記金属カバーとの間に挿入されて前記金属カバーの内面と前記金属ボデーとを絶縁する前記絶縁部としての挿入部を備えている請求項1に記載の水栓。
【請求項3】
前記水栓用カバーは、前記水栓本体の前部及び上部を覆うトップカバーと、前記水栓本体の側部を覆うサイドカバーとを備え、
前記トップカバーは、前記金属カバーであり、前記サイドカバーは、前記絶縁カバーである請求項2に記載の水栓。
【請求項4】
前記金属ボデーには、取り付けられたハンドルの操作に基づいて前記水栓本体を制御する制御部材が収容され、
前記絶縁部は、前記金属ボデーにおける前記制御部材を収容する部分と前記金属カバーとの間に設けられている請求項1~3のいずれか一項に記載の水栓。
【請求項5】
前記金属カバーは、前記制御部材のハンドル取付部及び前記金属ボデーの一部が挿通される取付孔を備え、
前記絶縁部は、前記金属カバーにおける前記取付孔の内面と前記金属ボデーとの間に設けられ、
前記金属カバーは、前記絶縁部を介して前記金属ボデーに係止される請求項4に記載の水栓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水栓に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示される水栓は、水栓本体と、水栓本体を被覆する水栓用カバーとを備える。水栓本体には、ねじ孔を有する脚部が設けられるとともに、水栓用カバーには、ねじ孔を有する台座が設けられている。水栓本体の周囲を覆うように水栓用カバーを配置したとき、水栓本体の脚部と水栓用カバーの台座とが突き合わされる。この状態で、脚部及び台座に設けられた各ねじ孔に共通のボルトが螺着されることにより、水栓本体と水栓用カバーとが固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
水栓用カバーとして、意匠性向上などの観点から、金属製の金属カバーが用いられる場合がある。この場合、金属カバーの内面又は水栓本体を構成する金属ボデーの外表面に腐食が生じることがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する水栓は、水栓本体と、前記水栓本体に取り付けられる水栓用カバーとを備える水栓であって、前記水栓本体は、金属により構成される金属ボデーを備え、前記水栓用カバーは、内面が前記金属ボデーを構成する金属と異なる金属により構成される金属カバーを備え、前記金属ボデーと前記金属カバーとの間には、前記金属カバーの内面と前記金属ボデーとを絶縁する絶縁部が設けられている。
【0006】
本発明者は、水栓用カバーとして、金属カバーを用いた場合に腐食が生じる原因が、異種金属接触腐食(ガルバニック腐食ともいう。)であることを見出した。異種金属接触腐食は、異なる金属を水又は水溶液中等の電気が流れやすい状況で接触させた場合に、電位の高い側の金属から電位の低い側の金属に電流が流れることにより、電位の低い側の金属が陽イオン化されて腐食する現象をいう。水栓の場合、水栓本体の金属ボデーと、金属ボデーとは異なる金属により構成される金属カバーの内面とが接触又は近接する部分において、水栓内に浸入した水を介して異種金属が接触した状態となり、異種金属接触腐食が発生する。
【0007】
上記構成によれば、金属ボデーと金属カバーとの間に、金属カバーの内面と金属ボデーとを絶縁する絶縁部を設けている。これにより、金属ボデーと金属カバーとの間で電流が流れることが抑制されて、電位の低い側の金属に生じる異種金属接触腐食を抑制できる。
【0008】
上記水栓において、前記水栓用カバーは、前記金属カバーと、絶縁体により構成される絶縁カバーとを備え、前記絶縁カバーは、前記金属カバーと組み合わせたときに、前記金属ボデーと前記金属カバーとの間に挿入されて前記金属カバーの内面と前記金属ボデーとを絶縁する前記絶縁部としての挿入部を備えていることが好ましい。
【0009】
上記構成によれば、水栓用カバーを構成する部材の一部を絶縁部として用いている。そのため、金属カバーの内面と金属ボデーとを絶縁する絶縁部としての部材を新たに設ける必要が無く、絶縁部としての部材を追加することによる水栓の部品点数の増加を抑制できる。
【0010】
上記水栓において、前記水栓用カバーは、前記水栓本体の前部及び上部を覆うトップカバーと、前記水栓本体の側部を覆うサイドカバーとを備え、前記トップカバーは、前記金属カバーであり、前記サイドカバーは、前記絶縁カバーであることが好ましい。
【0011】
上記構成によれば、トップカバーの両側部の内面側にサイドカバーの挿入部が挿入された状態でトップカバーとサイドカバーとが組み合わされる。この場合、絶縁カバーであるサイドカバーの挿入部は、金属カバーであるトップカバーの内面と金属ボデーとを絶縁する。また、挿入部は、トップカバーの両側部が内側に変形しようとした場合に、トップカバーの両側部に当接することにより、トップカバーの両側部の変形を規制する規制部として機能する。したがって、水栓の腐食を抑制することに加えて、水栓用カバーの剛性を高めることもできる。
【0012】
上記水栓において、前記金属ボデーには、取り付けられたハンドルの操作に基づいて前記水栓本体を制御する制御部材が収容され、前記絶縁部は、前記金属ボデーにおける前記制御部材を収容する部分と前記金属カバーとの間に設けられていることが好ましい。
【0013】
金属ボデーにおいて、制御部材を収容する部分は、その他の部分と比較して外側に膨らんだ形状になるため、金属カバーの内面との間の距離が短くなり、異種金属接触腐食が生じやすい。したがって、金属ボデーにおける制御部材を収容する部分と金属カバーとの間に絶縁部を設けることにより、水栓に生じる異種金属接触腐食を効果的に抑制できる。
【0014】
上記水栓において、前記金属カバーは、前記制御部材のハンドル取付部及び前記金属ボデーの一部が挿通される取付孔を備え、前記絶縁部は、前記金属カバーにおける前記取付孔の内面と前記金属ボデーとの間に設けられ、前記金属カバーは、前記絶縁部を介して前記金属ボデーに係止されることが好ましい。
【0015】
上記構成によれば、金属カバーと金属ボデーとの間の異種金属接触腐食を抑制しつつ、金属ボデーに金属カバーを係止させることによる水栓用カバーの剛性の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、金属カバーを備える水栓用カバーを用いた場合に生じる水栓の腐食を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図5】当接状態にあるトップカバー及びバックカバーの側面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1に示すように、水栓10は、浴室の壁面Wに設置されている。以下では、壁面W側に向かって水栓10を見た場合における上下方向、左右方向、及び、前後方向をそれぞれ、水栓10の上下方向、左右方向、及び、前後方向として説明する。
【0019】
図1及び
図2に示すように、水栓10は、カラン用の吐水管11及びシャワーヘッド用のホース12が接続される水栓本体13を備えている。水栓本体13は、金属により構成される金属ボデー14を備えている。金属ボデー14を構成する金属としては、例えば、青銅、黄銅等の銅合金、ステンレスが挙げられる。
【0020】
図2に示すように、金属ボデー14の左側部には、左側方に開口する挿入口を有する第1収容部15が設けられている。第1収容部15には、吐水管11及びシャワーヘッドから吐出される混合水の温度を調節する混合弁C1が収容されている。第1収容部15の挿入口には、第1収容部15に収容された混合弁C1を固定するナット状の固定部材15aがネジ止めにより取り付けられている。混合弁C1は、金属ボデー14の固定部材15aから側方に突出する軸形状の第1ハンドル取付部C1aを備える。第1ハンドル取付部C1aには、混合弁C1を操作するための温度調節ハンドルH1が回動可能に取り付けられる。また、金属ボデー14には、第1収容部15の挿入口の外周を構成する筒状の第1支持壁14aが設けられている。
【0021】
金属ボデー14の右側部には、右側方に開口する挿入口を有する第2収容部17が設けられている。第2収容部17には、吐水管11及びシャワーヘッドから吐水される湯水の流量を調節する流量調整弁C2が収容されている。第2収容部17の挿入口には、第2収容部17に収容された流量調整弁C2を固定するナット状の固定部材17aがネジ止めにより取り付けられている。流量調整弁C2は、金属ボデー14の固定部材17aから側方に突出する軸形状の第2ハンドル取付部C2aを備える。第2ハンドル取付部C2aには、流量調整弁C2を操作するための流量調節ハンドルH2が回動可能に取り付けられる。また、金属ボデー14には、第2収容部17の挿入口の外周を構成する筒状の第2支持壁14bが設けられている。
【0022】
金属ボデー14の前部中央には、前方に開口する挿入口を有する第3収容部18が設けられている。第3収容部18には、予め設定された一定量の湯水を吐出させた後に吐出を自動停止させるとともに、自動停止するまでの吐出量を調節するための定量止水弁C3が収容されている。第3収容部18の挿入口には、第3収容部18に収容された定量止水弁C3を固定するナット状の固定部材18aがネジ止めにより取り付けられている。定量止水弁C3は、金属ボデー14の固定部材18aから前方に突出する軸形状の第3ハンドル取付部C3aを備える。第3ハンドル取付部C3aには、定量止水弁C3を操作するための定量止水ハンドルH3が回動可能に取り付けられる。
【0023】
なお、本実施形態において、取り付けられたハンドルの操作に基づいて水栓本体13を制御する制御部材に相当する構成は、混合弁C1、流量調整弁C2、及び定量止水弁C3である。また、固定部材15a、17a、18aは、金属ボデー14の一部である。
【0024】
混合弁C1は、温度調節ハンドルH1を回動させる操作に基づいて吐水管11及びシャワーヘッドから吐出される混合水の温度を調節する。流量調整弁C2は、流量調節ハンドルH2を回動させる操作に基づいて吐水管11及びシャワーヘッドから吐出される湯水の流量を調節する。定量止水弁C3は、予め設定された一定量の湯水を吐出させた後に自動停止させる場合に用いられ、定量止水ハンドルH3を回動させる操作に基づいて自動停止するまでの吐出量を調節する。
【0025】
水栓10は、水栓本体13を被覆する水栓用カバー19を備えている。水栓用カバー19は、トップカバー20、バックカバー30、及び二つのサイドカバー40の4個の分割カバーから構成される。トップカバー20は、水栓本体13の前部及び上部を覆うカバーであり、バックカバー30は、水栓本体13の後部を覆うカバーであり、二つのサイドカバー40は、水栓本体13の左右の側部を覆うカバーである。
【0026】
図2及び
図3に示すように、トップカバー20は、左右方向から見た側面視略U字状の部材であり、水栓本体13の前方を覆う前壁21と、水栓本体13の上部を覆う上壁22と、水栓本体13の下部前方を覆う前部下壁23とを備えている。前壁21は、左右方向の中央下部が部分的に下方に膨らむ正面視略T字状の壁部であり、前壁21の中央下部には、定量止水ハンドルH3を水栓本体13に取り付けるための取付孔21aが設けられている。
【0027】
上壁22は、前壁21の上端に一体に形成されるとともに、前後方向及び左右方向に沿った板状の壁部である。前部下壁23は、取付孔21aよりも左側及び右側の両側方において、前壁21の下端に一体に形成されるとともに、前後方向及び左右方向に沿った板状の壁部である。
【0028】
図3に示すように、上壁22の下面の左右方向の両端部及び前部下壁23の上面の左右方向の両端部には、サイドカバー40と係合する係合壁部としての上係合壁部24a、24bが設けられている。上係合壁部24a、24bは、左右方向から見た側面視においてL字状の部位である。上係合壁部24aは、トップカバー20の内面である上壁22の下面から突出して、左右方向に沿って形成されるとともに上下方向に延びる縦壁25aと、縦壁25aから前後方向に延びる横壁26aとを備えている。上係合壁部24bは、トップカバー20の内面である前部下壁23の上面から突出して、左右方向に沿って形成されるとともに上下方向に延びる縦壁25bと、縦壁25bから前後方向に延びる横壁26bとを備えている。
【0029】
上壁22の下面に設けられる上係合壁部24aの横壁26aと上壁22の下面との間の距離は、サイドカバー40に設けられる、後述する挿入部43の厚さ以上である。同様に、前部下壁23の上面に設けられる上係合壁部24bの横壁26bと前部下壁23の上面との間の距離は、サイドカバー40に設けられる、後述する挿入部43の厚さ以上である。
【0030】
上壁22に設けられる上係合壁部24aは、水栓用カバー19を前後方向に二等分する中心線Lよりも後方側に位置するとともに、横壁26aが後方に延びるように形成されている。前部下壁23に設けられる上係合壁部24bは、横壁26bが前方に延びるように形成されている。
【0031】
図3及び
図7に示すように、トップカバー20の内面には、トップカバー20の剛性を向上させるためのリブRが設けられている。前壁21の内面及び上壁22の下面に対して、前後方向に延びる2本のリブRが設けられるとともに、前壁21の内面及び前部下壁23の上面に対して、前後方向に延びる2本のリブRが設けられている。
【0032】
バックカバー30は、水栓本体13の後方上部を覆う上部後壁31と、水栓本体13の下部後方を覆う後部下壁32と、水栓本体13の後方下部を覆う下部後壁33とを備えている。上部後壁31は、上下方向及び左右方向に沿った板状の壁部である。後部下壁32は、上部後壁31の下端に一体に形成されるとともに、前後方向及び左右方向に沿った板状の壁部である。下部後壁33は、後部下壁32の前端に一体に形成されるとともに、水栓本体13におけるカラン用の吐水管11の連結部分の後方を覆う横断面略U字の壁部である。
【0033】
図2に示すように、上部後壁31及び後部下壁32の左右方向の中央部には、水栓本体13におけるシャワーヘッド用のホース12を水栓本体13に取り付けるための取付孔31aが設けられている。上部後壁31の左右の縁部には、水栓本体13に給湯管及び給水管を連結するための切欠部31bが設けられている。
【0034】
図2及び
図3に示すように、後部下壁32の後面の左右の両端部には、前方側に向かって凹む係合凹部31cが設けられている。後部下壁32の上面の左右の両端部には、サイドカバー40と係合する係合壁部としての下係合壁部34が設けられている。下係合壁部34は、左右方向から見た側面視においてL字状の部位である。下係合壁部34は、バックカバー30の内面である後部下壁32の上面から突出して、左右方向に沿って形成されるとともに後部下壁32の上面から上方向に延びる縦壁35と、縦壁35から後方向に延びる横壁36とを備えている。下係合壁部34の横壁36と後部下壁32の上面との間の距離は、サイドカバー40に設けられる、後述する挿入部43の厚さ以上である。
【0035】
図4に示すように、各サイドカバー40は、水栓本体13の側方を覆う側壁41と、水栓本体13の後方側部を覆う側部後壁42とを備えている。側壁41は、前後方向及び上下方向に沿った板状の壁部である。側壁41は、前後方向及び左右方向に沿った板状の壁部であり、側壁41には、温度調節ハンドルH1又は流量調節ハンドルH2を水栓本体13に取り付けるための取付孔41aが設けられている。
【0036】
側部後壁42は、側壁41の後端に形成されるとともに、上下方向及び左右方向に沿った板状の壁部である。側部後壁42の縁部には、水栓本体13に給湯管及び給水管を連結するための切欠部42aが設けられている。側部後壁42の前面における上下の両端部には、バックカバー30の後部下壁32の後面に設けられる係合凹部31cに係合する係合凸部42bが設けられている。
【0037】
各サイドカバー40は、側壁41の内面に突出する挿入部43を備えている。挿入部43は、トップカバー20及びバックカバー30と組付けた際にトップカバー20及びバックカバー30の内側に挿入される部位であり、側壁41の周縁に沿った壁状に形成されている。
【0038】
壁状の挿入部43には、トップカバー20及びバックカバー30に組付けた際に、上係合壁部24a、24b及び下係合壁部34と係合する係合溝部44a~44cが形成されている。係合溝部44a~44cは、先端側に開口するとともに、サイドカバー40の組付け時の挿入方向である左右方向に延びる溝状の部位である。係合溝部44aは、トップカバー20の上壁22に設けられる上係合壁部24aと係合する。係合溝部44bは、トップカバー20の前部下壁23に設けられる上係合壁部24bと係合する。係合溝部44cは、バックカバー30の後部下壁32に設けられる下係合壁部34と係合する。
【0039】
図4に示すように、係合溝部44bの前方側に位置する側面44b1には、開口から底側に向かって徐々に後方側に傾斜する傾斜面が設けられている。これにより、係合溝部44bの幅は、底部側が一定であり、開口側の部分が開口に向かって徐々に拡幅している。係合溝部44cの後方側に位置する側面44c1には、開口から底側に向かって徐々に前方側に傾斜する傾斜面が設けられている。これにより、係合溝部44cの幅は、底部側が一定であり、開口側の部分が開口に向かって徐々に拡幅している。
【0040】
図2及び
図8に示すように、水栓本体13の金属ボデー14の前部中央と、トップカバー20の前壁21との間には、支持部材50が取り付けられている。支持部材50は、板状の本体部51を備えている。本体部51の中央下部には、定量止水弁C3の第3ハンドル取付部C3a及び金属ボデー14の固定部材18aが挿通される挿通孔52が設けられている。支持部材50は、挿通孔52と固定部材18aとが係合することにより金属ボデー14に対して相対的に位置決めされる。
【0041】
本体部51の前面の中央下部には、挿通孔52に沿って前方に突出するとともに、トップカバー20の前壁21の取付孔21aに挿入される円環状の周壁53が設けられている。支持部材50は、周壁53と取付孔21aとが係合することによりトップカバー20に対して相対的に位置決めされる。
【0042】
また、本体部51の前面の中央上部には、円柱状の突出する目印部54が設けられている。目印部54は、トップカバー20の前壁21に設けられる貫通孔21bに挿入される。支持部材50の目印部54の先端面は、トップカバー20の前面に露出しており、この露出部分は、定量止水ハンドルH3を操作する際の基準位置を示す目印になっている。
【0043】
トップカバー20は、全体が金属により構成される金属カバーである。金属カバーを構成する金属は、金属ボデー14を構成する金属とは異なる金属である。金属カバーを構成する金属としては、例えば、亜鉛合金、ステンレス、アルミニウム合金、銅合金が挙げられる。
【0044】
バックカバー30及びサイドカバー40は、絶縁体により構成される絶縁カバーである。支持部材50は、絶縁体により構成されている。バックカバー30、サイドカバー40、及び支持部材50を構成する絶縁体の材料としては、例えば、アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)等の合成樹脂、天然ゴム、合成ゴムが挙げられる。絶縁体の材料は、電気的に完全な絶縁材料である必要はなく、水栓に生じる異種金属接触腐食を抑制できる程度の絶縁性能を有する材料であればよい。また、バックカバー30、サイドカバー40、及び支持部材50を構成する絶縁体の材料は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0045】
次に、
図2、
図5~8を参照して、水栓用カバー19の組付け方法を説明する。なお、
図5においては、水栓本体13の図示を省略している。
図7においては、温度調節ハンドルH1及び流量調節ハンドルH2の図示を省略している。
図8においては、定量止水ハンドルH3の図示を省略している。
【0046】
図2に示すように、水栓本体13に水栓用カバー19を組み付ける場合には、まず、水栓本体13の金属ボデー14の前面に支持部材50を取り付ける。支持部材50は、金属ボデー14の固定部材18aを支持部材50の挿通孔52に挿通して、固定部材18aと挿通孔52とを係合させることにより、金属ボデー14に取り付けられる。
【0047】
次いで、水栓本体13の後面にバックカバー30の前方側の面を対向させるようにして、水栓本体13の後方側の所定位置にバックカバー30を配置する。
図2及び
図8に示すように、水栓本体13の前面にトップカバー20の後方側の面を対向させた状態とし、支持部材50の周壁53を取付孔21aに挿入するようにして、水栓本体13の前方側の所定位置にトップカバー20を配置する。このとき、支持部材50の目印部54は、トップカバー20の前壁21に設けられる貫通孔21bに挿入される。トップカバー20は、取付孔21aと支持部材50の周壁53とが係合することにより、支持部材50を介して金属ボデー14に係止される。
【0048】
そして、水栓本体13を間に挟んでトップカバー20及びバックカバー30を互いに当接させた状態とする。このとき、
図5に示すように、トップカバー20の上壁22の下面とバックカバー30の上部後壁31の上端面とが当接し、トップカバー20の前部下壁23の後端面とバックカバー30の後部下壁32の前端面とが当接する。
【0049】
次に、
図2に示すように、当接状態にあるトップカバー20及びバックカバー30に対して、水栓本体13の左右両側の側方から中央側に向かってサイドカバー40を組付ける。左側のサイドカバー40の場合、側壁41の内面を水栓本体13に対向させた状態として、水栓本体13の第1ハンドル取付部C1a及び第1支持壁14aを側壁41の取付孔41aに挿入するようにして、水栓本体13の左側部に配置する。同様に、右側のサイドカバー40の場合、水栓本体13の第2ハンドル取付部C2a及び第2支持壁14bを側壁41の取付孔41aに挿入するようにして、水栓本体13の右側部に配置する。
【0050】
両サイドカバー40を組付けた状態としたとき、サイドカバー40の側部後壁42は、水栓本体13の後方側部に配置される。そして、サイドカバー40の側部後壁42に設けられた係合凸部42bと、バックカバー30の後部下壁32の後面に設けられた係合凹部31cとが係合する。
【0051】
図6及び
図7に示すように、両サイドカバー40を組付けた状態としたとき、両サイドカバー40の側壁41の内面に設けられている挿入部43が、当接状態にあるトップカバー20及びバックカバー30の内面側に挿入される。
【0052】
図6に示すように、サイドカバー40の挿入部43は、トップカバー20の上壁22の下面とその下面に設けられる上係合壁部24aの横壁26aとの間、及びトップカバー20の前部下壁23の上面とその上面に設けられる上係合壁部24bの横壁26bとの間に挿入される。また、サイドカバー40の挿入部43は、バックカバー30の後部下壁32の上面とその上面に設けられる下係合壁部34の横壁36との間に挿入される。そして、サイドカバー40の挿入部43に設けられる係合溝部44a~44c内に、トップカバー20の上係合壁部24aの縦壁25a、上係合壁部24bの縦壁25b、及びバックカバー30の下係合壁部34の縦壁35がそれぞれ挿入される。
【0053】
これにより、トップカバー20の上係合壁部24a、24bとサイドカバー40の挿入部43とが係合する。具体的には、トップカバー20の上壁22の下面と上係合壁部24aの横壁26aとの間にサイドカバー40の挿入部43が挟み込まれるとともに、挿入部43の係合溝部44a内に上係合壁部24aの縦壁25aが挟み込まれた状態になる。また、前部下壁23の上面と上係合壁部24bの横壁26bとの間にサイドカバー40の挿入部43が挟み込まれるとともに、挿入部43の係合溝部44b内に上係合壁部24bの縦壁25bが挟み込まれた状態になる。
【0054】
上記の係合状態においては、上壁22の下面及び上係合壁部24aの横壁26aとサイドカバー40の挿入部43とが当接することにより、サイドカバー40に対する上壁22の上下方向への移動が規制される。前部下壁23の上面及び上係合壁部24bの横壁26bとサイドカバー40の挿入部43とが当接することにより、サイドカバー40に対する前部下壁23の上下方向への移動が規制される。
【0055】
また、上係合壁部24a、24bの縦壁25a、25bが挿入部43の係合溝部44a,44bの両側面に当接することにより、サイドカバー40に対する上壁22及び前部下壁23の前後方向への移動が規制される。その結果、サイドカバー40に対するトップカバー20の上下方向及び前後方向への移動が規制される。したがって、トップカバー20の上係合壁部24a、24b、及びサイドカバー40における係合溝部44a,44bを有する挿入部43は、サイドカバー40に対するトップカバー20の前後方向の移動を規制する規制部として機能する。
【0056】
同様に、バックカバー30の下係合壁部34とサイドカバー40の挿入部43とが係合する。具体的には、バックカバー30の内面である後部下壁32の上面と下係合壁部34の横壁36との間にサイドカバー40の挿入部43が挟み込まれるとともに、挿入部43の係合溝部44c内に下係合壁部34の縦壁35が挿入された状態となる。
【0057】
上記の係合状態においては、バックカバー30の内面及び下係合壁部34の横壁36とサイドカバー40の挿入部43とが当接することにより、サイドカバー40に対する下係合壁部34の上下方向への移動が規制される。下係合壁部34の縦壁35が挿入部43の係合溝部44cの両側面に当接することにより、サイドカバー40に対する下係合壁部34の前後方向への移動が規制される。その結果、サイドカバー40に対するバックカバー30の上下方向及び前後方向への移動が規制される。したがって、バックカバー30の下係合壁部34、及びサイドカバー40における係合溝部44cを有する挿入部43は、サイドカバー40に対するバックカバー30の前後方向の移動を規制する規制部として機能する。
【0058】
ここで、本実施形態では、水栓用カバー19における水栓本体13の下部を覆う下壁が、トップカバー20の前部下壁23とバックカバー30の後部下壁32とに分割されている。そして、前部下壁23に設けられる上係合壁部24bと係合する係合溝部44bの前方側の側面44b1の開口側に、開口から底側に向かって徐々に後方側に傾斜する傾斜面を設けている。また、後部下壁32に設けられる下係合壁部34と係合する係合溝部44cの後方側の側面44c1の開口側に、開口から底側に向かって徐々に前方側に傾斜する傾斜面を設けている。
【0059】
そのため、サイドカバー40を組付ける際に、前部下壁23に設けられる上係合壁部24bの縦壁25bが係合溝部44bの奥へと挿入されるにしたがって、縦壁25bが係合溝部44bの側面44b1の傾斜に案内されて後方側へと移動する。同様に、後部下壁32に設けられる下係合壁部34の縦壁35が係合溝部44cの奥へと挿入されるにしたがって、縦壁35が係合溝部44cの側面44c1の傾斜に案内されて前方側へと移動する。
【0060】
これにより、サイドカバー40を組付ける前の当接状態にあるトップカバー20及びバックカバー30において、前部下壁23と後部下壁32とが離れる方向に位置ずれしていたとしても、上係合壁部24b及び下係合壁部34と係合溝部44b,44cとを容易に係合させることができる。また、上係合壁部24b及び下係合壁部34と係合溝部44b,44cとの係合により、離れている状態にあった前部下壁23と後部下壁32とを接近させることができる。
【0061】
図2及び
図7に示すように、両サイドカバー40を組付けた状態としたとき、サイドカバー40の取付孔41aの内面と、水栓本体13の第1支持壁14a又は第2支持壁14bとが嵌合する。これにより、水栓本体13に対して両サイドカバー40が位置決めされる。水栓本体13に位置決めされた両サイドカバー40と、トップカバー20及びバックカバー30とが固定されることにより、水栓本体13に対して水栓用カバー19が固定された状態として組付けられる。
【0062】
図6及び
図7に示すように、水栓本体13に対して水栓用カバー19が固定された状態において、トップカバー20の内面は、金属ボデー14の外面から間隔を置いて位置している。トップカバー20の内面と金属ボデー14との間におけるサイドカバー40、バックカバー30、及び支持部材50が位置していない部分には、空気層としてのクリアランス部分が設けられている。
【0063】
また、
図7に示すように、トップカバー20の内面に設けられている各リブRは、金属ボデー14の外面における凹形状となっている部分に位置している。つまり、金属ボデー14の外面における凹形状となっている部分に位置するように、トップカバー20の内面におけるリブRの形成位置が調整されている。なお、金属ボデー14の外面における凹形状となっている部分は、例えば、金属ボデー14の内部に形成される流路に基づいて形成される。
【0064】
次に、本実施形態の作用について説明する。
水栓10は、水栓本体13の金属ボデー14と、水栓用カバー19のトップカバー20とが異なる金属により構成されている。金属ボデー14とトップカバー20との間には、トップカバー20の内面と金属ボデー14とを絶縁する絶縁部としての挿入部43及び支持部材50が設けられている。挿入部43は、絶縁材料により構成されるサイドカバー40の一部である。支持部材50は、絶縁材料により構成される部材である。
【0065】
図7に示すように、左側部に配置されるサイドカバー40の挿入部43は、金属ボデー14の第1収容部15と、トップカバー20の上壁22との間に挿入されることにより、第1収容部15の上面と上壁22の下面との間に電流が流れることを抑制する。同様に、右側部に配置されるサイドカバー40の挿入部43は、金属ボデー14の第2収容部17と、トップカバー20の上壁22との間に挿入されることにより、第2収容部17の上面と上壁22の下面との間に電流が流れることを抑制する。
【0066】
図8に示すように、支持部材50の本体部51は、金属ボデー14の前面とトップカバー20の前壁21の内面との間に配置されることにより、金属ボデー14とトップカバー20との間における上記の二つの面の間に電流が流れることを抑制する。支持部材50の周壁53は、金属ボデー14の固定部材18aの外周面とトップカバー20の前壁21の取付孔21aの内周面との間に配置されることにより、金属ボデー14とトップカバー20との間における上記の二つの面の間に電流が流れることを抑制する。
【0067】
次に、本実施形態の効果について記載する。
(1)水栓10は、水栓本体13と、水栓本体13に取り付けられる水栓用カバー19とを備える。水栓本体13は、金属により構成される金属ボデー14を備え、水栓用カバー19は、金属ボデー14を構成する金属と異なる金属により構成される金属カバーであるトップカバー20を備える。金属ボデー14とトップカバー20との間には、トップカバー20の内面と金属ボデー14とを絶縁する絶縁部が設けられている。
【0068】
上記構成によれば、金属ボデー14とトップカバー20との間における絶縁部が設けられた部分において金属ボデー14とトップカバー20の内面との間に電流が流れることが抑制される。つまり、金属ボデー14とトップカバー20の内面とが絶縁部により絶縁された状態となる。これにより、金属ボデー14とトップカバー20のうちの電位の低い側の金属により構成される部材に生じる異種金属接触腐食を抑制できる。
【0069】
(2)水栓用カバーは、金属カバーであるトップカバー20と、絶縁体により構成される絶縁カバーであるサイドカバー40とを備えている。サイドカバー40は、トップカバー20と組み合わせたときに、金属ボデー14とトップカバー20との間に挿入されて、トップカバー20の内面と金属ボデー14とを絶縁する絶縁部としての挿入部43を備えている。
【0070】
上記構成によれば、水栓用カバーを構成する部材であるサイドカバー40の一部を絶縁部として用いている。そのため、絶縁部としての部材を新たに設ける必要が無く、絶縁部としての部材を追加することによる水栓10の部品点数の増加を抑制できる。
【0071】
また、サイドカバー40の挿入部43は、トップカバーの両側部が内側に変形しようとした場合に、トップカバー20の両側部に当接することにより、トップカバーの両側部の変形を規制する規制部として機能する。したがって、水栓の腐食を抑制することに加えて、水栓用カバーの剛性を高めることもできる。
【0072】
(3)金属ボデー14には、制御部材としての混合弁C1及び流量調整弁C2が収容されている。金属ボデー14における制御部材を収容する部分である第1収容部15及び第2収容部17と金属カバーであるトップカバー20との間に、絶縁部としての挿入部43が設けられている。
【0073】
金属ボデー14における制御部材を収容する部分は、その他の部分と比較して外側に膨らんだ形状になるため、水栓用カバー19の内面との距離が短くなる。そのため、金属ボデー14における制御部材を収容する部分とトップカバー20の内面との間は、水栓10内に浸入した水を介して異種金属が接触した状態となりやすく、異種金属接触腐食が生じやすい。したがって、金属ボデー14における制御部材を収容する部分とトップカバー20との間に絶縁部を設けることにより、水栓10に生じる異種金属接触腐食を効果的に抑制できる。
【0074】
(4)金属カバーであるトップカバー20は、制御部材である定量止水弁C3の第3ハンドル取付部C3a及び金属ボデー14の固定部材18aが挿通される挿通孔52を備える。絶縁部である支持部材50の周壁53は、トップカバー20の取付孔21aの内面と金属ボデー14の固定部材18aの外周面との間に設けられている。トップカバー20は、支持部材50の周壁53を介して金属ボデー14に係止される。
【0075】
上記構成によれば、トップカバー20と金属ボデー14との間の異種金属接触腐食を抑制しつつ、金属ボデー14にトップカバー20を係止させることによる水栓用カバー19の剛性の向上を図ることができる。
【0076】
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、金属カバーであるトップカバー20は、その全体が金属ボデー14を構成する金属とは異なる金属により構成されていたが、金属カバーは、少なくとも内面が金属ボデー14を構成する金属とは異なる金属により構成されていればよい。例えば、樹脂層の表面に金属メッキ等の金属層が設けられた金属カバーであってもよいし、複数の金属層を有するとともに内面を構成する金属層が金属ボデー14を構成する金属とは異なる金属である金属カバーであってもよい。また、金属カバーの内面には、金属ボデー14を構成する金属とは異なる金属により構成される部分と、当該金属以外の材質により構成される部分とが設けられていてもよい。
【0077】
・金属ボデー14に収容される制御部材の種類及び数は、上記実施形態に限定されない。例えば、混合弁C1、流量調整弁C2、及び定量止水弁C3のうちのいずれか一つ又は二つを省略してもよいし、上記以外の制御部材を収容してもよい。また、金属ボデー14における各制御部材が収容される位置は、上記実施形態に限定されない。例えば、混合弁C1又は流量調整弁C2を金属ボデー14の前部に収容する構成としてもよいし、定量止水弁C3を金属ボデー14の側部に収容する構成としてもよい。
【0078】
・上記実施形態では、トップカバー20、バックカバー30、及びサイドカバー40の三つの分割カバーを組み合わせることにより水栓用カバー19が構成されていたが、水栓用カバー19を構成する分割カバーの数及び種類は、上記実施形態の構成に限定されない。また、分割カバーの形状、及び分割カバー同士を係合させるための係合構成は、上記実施形態の構成に限定されない。
【0079】
・水栓用カバー19を構成する複数の分割カバーのうち、いずれの分割カバーを金属カバーとし、いずれの分割カバーを絶縁カバーとするかは任意に選択できる。例えば、トップカバー20及びサイドカバー40を金属カバーとし、バックカバー30を絶縁カバーとしてもよい。
【0080】
・バックカバー30等のサイドカバー40以外の絶縁カバーに対して、絶縁部としての挿入部43を設けてもよい。
・絶縁部は、水栓10に備えられる既存の部材の一部として設けられていてもよいし、水栓10を構成する他の部材とは別に設けられる独立した一部品であってもよい。
【0081】
・水栓10に設けられる絶縁部の種類及び数は特に限定されるものではなく、金属ボデー14と金属カバーとの間に1以上の絶縁部が設けられていればよい。例えば、挿入部43及び支持部材50のいずれか一方を省略してもよい。また、金属ボデー14と金属カバーの内面との間における絶縁部を設ける位置は特に限定されない。ただし、金属ボデー14と金属カバーの内面との間の距離が最も短い部分に、絶縁部を設けることが好ましい。
【0082】
・絶縁部は、金属カバーに対して接していてもよいし、離間していてもよい。金属カバーの剛性を向上させる観点では、金属カバーに接するように絶縁部を設けることが好ましい。また、絶縁部は、金属ボデー14に対して接していてもよいし、離間していてもよい。金属カバーを断熱カバーとして用いる場合には、金属カバー及び金属ボデー14のいずれか一方又は両方に対して離間するように絶縁部を設けることが好ましい。
【0083】
・水栓10が設置される壁面Wは、鉛直方向に平行な垂直面であってもよいし、鉛直方向に対して傾斜する斜面であってもよいし、水平面であってもよい。
・壁面Wに対して水栓10を設置する際の取付角度は、
図1に示す上記実施形態の取付角度に限定されない。上記実施形態では、水栓10の後面を壁面W側に向けた状態として壁面Wに水栓10を設置していたが、例えば、水栓10の後面を下側に向けた状態、即ち、水栓10の上面を壁面W側に向けた状態として壁面Wに水栓10を設置してもよい。上記取付角度は、例えば、水栓10の水栓本体13と、壁面Wの給水管及び給湯管とを接続するソケット等の接続部材(図示略)の形状を変化させること、例えば、接続部材における水栓本体13に連結される部分が指向する方向を上下左右に変化させることにより変更できる。
【符号の説明】
【0084】
10…水栓
13…水栓本体
14…金属ボデー
19…水栓用カバー
20…トップカバー
40…サイドカバー
43…挿入部
50…支持部材