(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022100560
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】バッグインボックス充填システム
(51)【国際特許分類】
B65B 57/00 20060101AFI20220629BHJP
B65B 57/10 20060101ALI20220629BHJP
【FI】
B65B57/00 A
B65B57/10 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020214601
(22)【出願日】2020-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】松田 考世
(72)【発明者】
【氏名】井口 淳平
(72)【発明者】
【氏名】青木 剛
(57)【要約】
【課題】バッグインボックス充填機のメンテナンス性を向上させる。
【解決手段】外装ボックス内袋とスパウトとキャップとを有するバッグインボックスに内容物を充填するバッグインボックス充填機と監視部とを備えるバッグインボックス充填システムであって、バッグインボックス充填機はストローク動作を実行するアクチュエータを備え、監視部は検出部と演算部と記憶部と判定部とを備え、検出部はアクチュエータのストローク動作の開始タイミングと終了タイミングとを検出し、演算部はアクチュエータのストローク動作の開始タイミングと終了タイミングとに基づいてアクチュエータのストローク動作の所要時間を算出し、記憶部はアクチュエータのストローク動作の所要時間を示すデータを蓄積して記憶し、判定部は、アクチュエータのストローク動作の所要時間を示すデータに基づいてアクチュエータが正常であるか否かの判定を行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外装ボックスと前記外装ボックス内に収納される内袋と前記内袋に取り付けられたスパウトと前記スパウトに装着されるキャップとを有するバッグインボックスに内容物を充填するバッグインボックス充填機と、前記バッグインボックス充填機を監視する監視部とを備えるバッグインボックス充填システムであって、
前記バッグインボックス充填機は、ストローク動作を実行する少なくとも1つのアクチュエータを備え、
前記監視部は、検出部と、演算部と、記憶部と、判定部とを備え、
前記検出部は、少なくとも前記アクチュエータの前記ストローク動作の開始タイミングと終了タイミングとを検出し、
前記演算部は、前記検出部によって検出された前記アクチュエータの前記ストローク動作の開始タイミングと終了タイミングとに基づいて、前記アクチュエータの前記ストローク動作の所要時間を算出し、
前記記憶部は、前記演算部によって算出された前記アクチュエータの前記ストローク動作の所要時間を示すデータを蓄積して記憶し、
前記判定部は、前記記憶部によって蓄積して記憶された前記アクチュエータの前記ストローク動作の所要時間を示すデータに基づいて、少なくとも前記アクチュエータが正常であるか否かの判定を行う、
バッグインボックス充填システム。
【請求項2】
外装ボックスと前記外装ボックス内に収納される内袋と前記内袋に取り付けられたスパウトと前記スパウトに装着されるキャップとを有するバッグインボックスに内容物を充填するバッグインボックス充填機と、前記バッグインボックス充填機を監視する監視部とを備えるバッグインボックス充填システムであって、
前記バッグインボックス充填機は、前記バッグインボックスに内容物を充填するポンプを備え、
前記監視部は、検出部と、演算部と、記憶部と、判定部とを備え、
前記検出部は、少なくとも前記ポンプによる内容物の充填動作の開始タイミングと終了タイミングとを検出し、
前記演算部は、前記検出部によって検出された前記ポンプによる内容物の充填動作の開始タイミングと終了タイミングとに基づいて、前記ポンプによる内容物の充填動作の所要時間を算出し、
前記記憶部は、前記演算部によって算出された前記ポンプによる内容物の充填動作の所要時間を示すデータを蓄積して記憶し、
前記判定部は、前記記憶部によって蓄積して記憶された前記ポンプによる内容物の充填動作の所要時間を示すデータに基づいて、少なくとも前記ポンプが正常であるか否かの判定を行う、
バッグインボックス充填システム。
【請求項3】
外装ボックスと前記外装ボックス内に収納される内袋と前記内袋に取り付けられたスパウトと前記スパウトに装着されるキャップとを有するバッグインボックスに内容物を充填するバッグインボックス充填機と、前記バッグインボックス充填機を監視する監視部とを備えるバッグインボックス充填システムであって、
前記バッグインボックス充填機は、
前記バッグインボックスに内容物を充填するポンプと、
前記ポンプによって前記バッグインボックスに充填される内容物の少なくとも流量および温度を含む各種パラメータ値を検出する流量計とを備え、
前記監視部は、記憶部と、判定部とを備え、
前記記憶部は、前記流量計によって検出された前記各種パラメータ値を示すデータを蓄積して記憶し、
前記判定部は、前記記憶部によって蓄積して記憶された前記各種パラメータ値を示すデータに基づいて、少なくとも前記バッグインボックスに内容物が正常に充填されているか否かの判定を行う、
バッグインボックス充填システム。
【請求項4】
前記バッグインボックス充填機は、
前記スパウトを保持するスパウトホルダーと、
前記スパウトに対する前記キャップの開栓および打栓を実行するキャッピング機構とを備え、
前記監視部は、前記スパウトホルダーおよび前記キャッピング機構の画像を撮像する第1撮像部を備え、
前記記憶部は、前記第1撮像部によって撮像された前記スパウトホルダーおよび前記キャッピング機構の画像のデータを蓄積して記憶し、
前記判定部は、前記記憶部によって蓄積して記憶された前記スパウトホルダーおよび前記キャッピング機構の画像のデータに基づいて、少なくとも前記スパウトホルダーおよび前記キャッピング機構が正常に機能しているか否かの判定を行う、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のバッグインボックス充填システム。
【請求項5】
前記第1撮像部は、前記キャッピング機構によって前記キャップの開栓が実行される前における前記スパウトに対する前記キャップの高さを示す画像と、前記キャッピング機構によって前記キャップの打栓が実行された後における前記スパウトに対する前記キャップの高さを示す画像とを撮像し、
前記記憶部は、前記第1撮像部によって撮像された前記キャップの開栓が実行される前における前記スパウトに対する前記キャップの高さを示す画像のデータと、前記キャップの打栓が実行された後における前記スパウトに対する前記キャップの高さを示す画像のデータとを蓄積して記憶し、
前記判定部は、前記記憶部によって蓄積して記憶された前記キャップの開栓が実行される前における前記スパウトに対する前記キャップの高さを示す画像のデータと、前記キャップの打栓が実行された後における前記スパウトに対する前記キャップの高さを示す画像のデータとに基づいて、開栓が実行される前および打栓が実行された後における前記キャップの状態が正常であるか否かの判定を行う、
請求項4に記載のバッグインボックス充填システム。
【請求項6】
前記バッグインボックス充填機は、
ミシン目を有する接続部を介して互いに接続されている複数の内袋を前記ミシン目の位置で切断して個々の内袋に分離する切断部を備え、
前記監視部は、前記ミシン目の位置で前記切断部によって切断される内袋の画像を撮像する第2撮像部を備え、
前記記憶部は、前記第2撮像部によって撮像された前記切断部および内袋の画像のデータを蓄積して記憶し、
前記判定部は、前記記憶部によって蓄積して記憶された前記切断部および内袋の画像のデータに基づいて、前記ミシン目の位置での前記切断部による内袋の切断が正常に実行されているか否かの判定を行う、
請求項1に記載のバッグインボックス充填システム。
【請求項7】
前記アクチュエータには、前記切断部を駆動する切断部駆動用エアシリンダーが含まれ、
前記演算部は、前記検出部によって検出された前記切断部駆動用エアシリンダーの前記ストローク動作の開始タイミングと終了タイミングとに基づいて、前記切断部駆動用エアシリンダーの前記ストローク動作の所要時間を算出し、
前記記憶部は、前記演算部によって算出された前記切断部駆動用エアシリンダーの前記ストローク動作の所要時間を示すデータを蓄積して記憶し、
前記判定部は、前記記憶部によって蓄積して記憶された前記切断部駆動用エアシリンダーの前記ストローク動作の所要時間を示すデータに基づいて、前記ミシン目の位置での前記切断部による内袋の切断が正常に実行されているか否かの判定を行う、
請求項6に記載のバッグインボックス充填システム。
【請求項8】
前記バッグインボックス充填機は、
前記内容物が充填された前記内袋を前記外装ボックス内に投入する投入部を備え、
前記監視部は、前記投入部によって前記外装ボックス内に投入されている前記内袋の画像を撮像する第3撮像部を備え、
前記記憶部は、前記第3撮像部によって撮像された前記内袋の画像のデータを蓄積して記憶し、
前記判定部は、前記記憶部によって蓄積して記憶された前記内袋の画像のデータに基づいて、前記内袋が前記投入部によって前記外装ボックス内に正常に投入されているか否かの判定を行う、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のバッグインボックス充填システム。
【請求項9】
前記検出部はIoT機器である、
請求項1または請求項2に記載のバッグインボックス充填システム。
【請求項10】
前記流量計はIoT機器である、
請求項3に記載のバッグインボックス充填システム。
【請求項11】
前記アクチュエータはサーボ化されている、
請求項1に記載のバッグインボックス充填システム。
【請求項12】
前記キャッピング機構によって前記キャップの開栓が実行される前に、前記第1撮像部は、前記内袋の表面の印字を含む画像を撮像し、
前記記憶部は、前記第1撮像部によって撮像された前記内袋の表面の印字を含む画像のデータを蓄積して記憶する、
請求項5に記載のバッグインボックス充填システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッグインボックス充填システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、カートンの内部に被充填物を充填し、カートンを密封することにより、製品を製造する充填シール機が知られている(特許文献1参照)。特許文献1に記載された技術では、充填シールシステムに、充填シール機と、充填シール機の充填および密封の少なくとも一方に関する動作のデータを記憶装置に送信する通信装置と、情報処理装置とが備えられている。情報処理装置は、所与の期間の動作のデータを記憶装置から取得し、動作のデータを表示装置に表示する。
ところで、特許文献1に記載された技術では、例えば、アクチュエータのストローク動作の所要時間の経時変化、ポンプによる内容物の充填動作の所要時間の経時変化、流量計によって検出された複数のパラメータ値の経時変化などについて考慮されていない。そのため、特許文献1に記載された技術には、充填シール機のメンテナンス性を向上させるために改善の余地があると言える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した問題点に鑑み、本発明は、バッグインボックス充填機のメンテナンス性を向上させることができるバッグインボックス充填システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、外装ボックスと前記外装ボックス内に収納される内袋と前記内袋に取り付けられたスパウトと前記スパウトに装着されるキャップとを有するバッグインボックスに内容物を充填するバッグインボックス充填機と、前記バッグインボックス充填機を監視する監視部とを備えるバッグインボックス充填システムであって、前記バッグインボックス充填機は、ストローク動作を実行する少なくとも1つのアクチュエータを備え、前記監視部は、検出部と、演算部と、記憶部と、判定部とを備え、前記検出部は、少なくとも前記アクチュエータの前記ストローク動作の開始タイミングと終了タイミングとを検出し、前記演算部は、前記検出部によって検出された前記アクチュエータの前記ストローク動作の開始タイミングと終了タイミングとに基づいて、前記アクチュエータの前記ストローク動作の所要時間を算出し、前記記憶部は、前記演算部によって算出された前記アクチュエータの前記ストローク動作の所要時間を示すデータを蓄積して記憶し、前記判定部は、前記記憶部によって蓄積して記憶された前記アクチュエータの前記ストローク動作の所要時間を示すデータに基づいて、少なくとも前記アクチュエータが正常であるか否かの判定を行う、バッグインボックス充填システムである。
【0006】
本発明の一態様は、外装ボックスと前記外装ボックス内に収納される内袋と前記内袋に取り付けられたスパウトと前記スパウトに装着されるキャップとを有するバッグインボックスに内容物を充填するバッグインボックス充填機と、前記バッグインボックス充填機を監視する監視部とを備えるバッグインボックス充填システムであって、前記バッグインボックス充填機は、前記バッグインボックスに内容物を充填するポンプを備え、前記監視部は、検出部と、演算部と、記憶部と、判定部とを備え、前記検出部は、少なくとも前記ポンプによる内容物の充填動作の開始タイミングと終了タイミングとを検出し、前記演算部は、前記検出部によって検出された前記ポンプによる内容物の充填動作の開始タイミングと終了タイミングとに基づいて、前記ポンプによる内容物の充填動作の所要時間を算出し、前記記憶部は、前記演算部によって算出された前記ポンプによる内容物の充填動作の所要時間を示すデータを蓄積して記憶し、前記判定部は、前記記憶部によって蓄積して記憶された前記ポンプによる内容物の充填動作の所要時間を示すデータに基づいて、少なくとも前記ポンプが正常であるか否かの判定を行う、バッグインボックス充填システムである。
【0007】
本発明の一態様は、外装ボックスと前記外装ボックス内に収納される内袋と前記内袋に取り付けられたスパウトと前記スパウトに装着されるキャップとを有するバッグインボックスに内容物を充填するバッグインボックス充填機と、前記バッグインボックス充填機を監視する監視部とを備えるバッグインボックス充填システムであって、前記バッグインボックス充填機は、前記バッグインボックスに内容物を充填するポンプと、前記ポンプによって前記バッグインボックスに充填される内容物の少なくとも流量および温度を含む各種パラメータ値を検出する流量計とを備え、前記監視部は、記憶部と、判定部とを備え、前記記憶部は、前記流量計によって検出された前記各種パラメータ値を示すデータを蓄積して記憶し、前記判定部は、前記記憶部によって蓄積して記憶された前記各種パラメータ値を示すデータに基づいて、少なくとも前記バッグインボックスに内容物が正常に充填されているか否かの判定を行う、バッグインボックス充填システムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、バッグインボックス充填機のメンテナンス性を向上させることができるバッグインボックス充填システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態のバッグインボックス充填システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図2】
図1に示すバッグインボックス充填機の一例を示す図である。
【
図3】スパウト、スパウトホルダーおよびサポートの関係の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
以下、添付図面を参照し、本発明のバッグインボックス充填システムの実施形態について説明する。
【0011】
図1は第1実施形態のバッグインボックス充填システム1の概略構成の一例を示す図である。
図2は
図1に示すバッグインボックス充填機11の一例を示す図である。
図1および
図2に示す例では、バッグインボックス充填システム1が、バッグインボックス充填機11と、監視部12とを備えている。
バッグインボックス充填機11は、バッグインボックスBに内容物を充填する。バッグインボックスBは、外装ボックスB1と、外装ボックスB1内に収納される内袋B2と、内袋B2に取り付けられたスパウトB21と、スパウトB21に装着されるキャップB3とを有する。
バッグインボックス充填機11は、例えば内袋供給部111と、充填部112と、キャッピング機構113と、切断部114と、投入部115と、アクチュエータ11Aとを備えている。
【0012】
内袋供給部111は、複数の内袋B2が互いに接続されている状態で内袋B2を充填部112に供給(搬送)する。
充填部112は、内袋B2に内容物を充填する。充填部112は、タンク112Eと、ポンプ11Bと、流量計11Cと、充填ノズル112Aと、スパウトホルダー112Bと、サポート112Fと、充填テーブル112Cと、昇降部112Dとを備えている。
タンク112Eは、内袋B2に充填される内容物を収容している。ポンプ11Bは、タンク112Eに収容されている内容物を充填ノズル112Aに供給する。流量計11Cは、ポンプ11Bによって供給される内容物の流量などを測定する。
充填ノズル112Aは、スパウトB21に挿入可能に構成されており、ポンプ11Bによって供給された内容物を内袋B2に充填する。
スパウトホルダー112Bおよびサポート112Fは、充填ノズル112Aによる内容物の充填が行われる時に、スパウトB21と篏合することによってスパウトB21を保持(位置決め)する。
【0013】
図3はスパウトB21、スパウトホルダー112Bおよびサポート112Fの関係の一例を示す図である。詳細には、
図3(A)はスパウトB21の中心軸線方向(
図2の上側)から見たスパウトB21、スパウトホルダー112B、サポート112Fなどの平面図、
図3(B)は
図3(A)の左側から見たスパウトB21、スパウトホルダー112B、サポート112Fなどの側面図である。
図3に示す例では、充填ノズル112Aによる内容物の充填が行われる時に、スパウトホルダー112BがスパウトB21の外周溝と篏合することによって、スパウトB21が安定して保持される。
また、
図3に示す例では、充填ノズル112Aによる内容物の充填が行われる時に、サポート112Fが、スパウトB21の外周溝と篏合する。そのため、スパウトB21は更に安定して保持される。
図3において、クロスハッチング部分は、スパウトホルダー112Bおよびサポート112FがスパウトB21の外周溝と篏合する部分を示している。
【0014】
図1および
図2に示す例では、充填ノズル112Aによる内容物の充填が行われる時に、充填テーブル112Cが、内袋B2を支持する。昇降部112Dは、充填テーブル112Cを昇降させる。内袋B2に充填された内容物の量が増加するに従って、充填テーブル112Cは、昇降部112Dによって下降させられる。
キャッピング機構113は、スパウトB21に対するキャップB3の開栓および打栓を実行する。詳細には、キャッピング機構113は、充填部112による内容物の充填の開始前にキャップB3の開栓を実行し、充填部112による内容物の充填の終了後にキャップB3の打栓を実行する。
【0015】
図4はキャッピング機構113の一例を示す図である。
図4に示す例では、キャッピング機構113が、開閉可能なグリップ部113Aと、グリップ部113Aを回転させる回転部113Bと、グリップ部113Aを昇降させる昇降部113Cとを備えている。
キャッピング機構113がキャップB3の開栓を実行する場合、昇降部113Cは、グリップ部113Aが開いた状態でグリップ部113Aを下降させ、次いで、
図4(A)に示すように、グリップ部113Aが、キャップB3を挟んだ状態になる。次いで、グリップ部113AがキャップB3を挟んだ状態で、回転部113Bがグリップ部113Aを回転させると共に、昇降部113Cがグリップ部113Aを上昇させる。その結果、
図4(B)に示すように、キャッピング機構113によるキャップB3の開栓が完了する。
図4に示す例では、スパウトB21およびキャップB3がスクリュータイプであるが、他の例では、スパウトB21およびキャップB3が、例えばスナップオンタイプ、コックタイプ、プルトップタイプ、ベンディングタイプなどのようなスクリュータイプ以外の型式であってもよい。
【0016】
図1および
図2に示す例では、切断部114が、互いに接続されている複数の内袋B2を切断して個々の内袋B2に分離する。詳細には、詳細には、切断部114は、ミシン目を有する接続部を介して互いに接続されている複数の内袋B2をミシン目の位置で切断して個々の内袋B2に分離する。切断部114は、カッタ114Aと、カッタ114Aを昇降させる昇降部114Bとを備えている。
投入部115は、充填部112によって内容物が充填され、切断部114によって切断された内袋B2を外装ボックスB1内に投入する。
アクチュエータ11Aは、ストローク動作を実行する。アクチュエータ11Aには、例えば、内袋B2を充填部112に供給(搬送)する内袋供給部111として機能する内袋供給用エアシリンダー、充填ノズル112Aを充填位置と退避位置との間で移動させる充填ノズル移動用エアシリンダー、充填テーブル112Cを昇降させる昇降部112Dとして機能する充填テーブル昇降用エアシリンダー、キャッピング機構113の昇降部113Cとして機能するキャッピング機構昇降用エアシリンダー、切断部114を駆動する切断部駆動用エアシリンダー等が含まれる。
図1および
図2に示す例では、アクチュエータ11Aがサーボ化されている。そのため、
図1および
図2に示す例では、アクチュエータ11Aの稼働位置および時間を監視することができ、バッグインボックス充填機11の管理者によるアクチュエータ11Aの管理および予防保全作業を容易にすることができる。
他の例では、アクチュエータ11Aがサーボ化されていなくてもよい。
【0017】
図1に示す例では、監視部12が、検出部12Aと、演算部12Bと、記憶部12Cと、判定部12Dと、出力部12Eと、撮像部12F、12G、12Hとを備えている。
検出部12Aは、例えば近接センサを備えている。検出部12Aは、アクチュエータ11Aのストローク動作の開始タイミングと終了タイミングとを検出する。
図1に示す例では、検出部12AがIoT(Internet of Things)機器である。そのため、
図1に示す例では、検出部12Aによる検出対象のアクチュエータ11Aのリモートメンテナンスを行うことができる。
他の例では、検出部12AがIoT機器でなくてもよい。
【0018】
図1に示す例では、演算部12Bが、検出部12Aによって検出されたアクチュエータ11Aのストローク動作の開始タイミングと終了タイミングとに基づいて、アクチュエータ11Aのストローク動作の所要時間を算出する。
記憶部12Cは、演算部12Bによって算出されたアクチュエータ11Aのストローク動作の所要時間を示すデータを蓄積して記憶する。
判定部12Dは、記憶部12Cによって蓄積して記憶されたアクチュエータ11Aのストローク動作の所要時間を示すデータに基づいて、例えばアクチュエータ11Aが正常であるか否か等の判定を行う。例えば、判定対象のアクチュエータ11Aのストローク動作の所要時間が、正常なアクチュエータ11Aのストローク動作の所要時間よりも長い場合に、判定部12Dは、判定対象のアクチュエータ11Aが劣化したおそれがあり、判定対象のアクチュエータ11Aの交換タイミングであると判定する。
出力部12Eは、演算部12Bによる演算結果、判定部12Dによる判定結果などを出力する。
【0019】
つまり、
図1に示す例では、演算部12Bが、検出部12Aの検出結果を、アクチュエータ11Aの状況を把握しやすい情報に変換する。また、判定部12Dは、アクチュエータ11Aが正常であるか否か等の判定を行う。更に、出力部12Eが、演算部12Bによる演算結果および判定部12Dによる判定結果を出力する。
そのため、
図1に示す例では、バッグインボックス充填機11の管理者は、アクチュエータ11Aの劣化状況などを容易に把握することができ、アクチュエータ11Aの交換タイミングなどを容易に把握することができる。
すなわち、
図1に示す例では、バッグインボックス充填機11のメンテナンス性を向上させることができ、バッグインボックス充填機11の管理者によるバッグインボックス充填機11の予防保全作業を容易にすることができる。
また、
図1に示す例では、例えば記憶部12Cに蓄積されたデータ量を監視することによって、バッグインボックス充填システム1の整備頻度を明確にすることができる。
他の例では、検出部12Aが、アクチュエータ11Aのストローク動作の回数を検出し、記憶部12Cが、アクチュエータ11Aのストローク動作の回数(積算値)を記憶してもよい。この例では、判定部12Dが、記憶部12Cによって記憶されたアクチュエータ11Aのストローク動作の回数(積算値)を示すデータに基づいて、例えばアクチュエータ11Aが正常であるか否か等の判定を行う。例えば、判定対象のアクチュエータ11Aのストローク動作の回数(積算値)が所定の閾値以上になった場合に、判定部12Dは、判定対象のアクチュエータ11Aが劣化したおそれがあり、判定対象のアクチュエータ11Aの交換タイミングであると判定する。
【0020】
具体的には、
図1および
図2に示す例では、検出部12Aが、内袋B2を充填部112に供給する内袋供給部111として機能する内袋供給用エアシリンダーのストローク動作の開始タイミングと終了タイミングとを検出する。演算部12Bは、検出部12Aによって検出された内袋供給用エアシリンダーのストローク動作の開始タイミングと終了タイミングとに基づいて、内袋供給用エアシリンダーのストローク動作の所要時間を算出する。記憶部12Cは、演算部12Bによって算出された内袋供給用エアシリンダーのストローク動作の所要時間を示すデータを蓄積して記憶する。判定部12Dは、記憶部12Cによって蓄積して記憶された内袋供給用エアシリンダーのストローク動作の所要時間を示すデータに基づいて、例えば内袋供給用エアシリンダーが正常であるか否か等の判定を行う。例えば、判定対象の内袋供給用エアシリンダーのストローク動作の所要時間が、正常な内袋供給用エアシリンダーのストローク動作の所要時間よりも長い場合に、判定部12Dは、判定対象の内袋供給用エアシリンダーが劣化したおそれがあり、判定対象の内袋供給用エアシリンダーの交換タイミングであると判定する。出力部12Eは、演算部12Bによる演算結果、判定部12Dによる判定結果などを出力する。
そのため、バッグインボックス充填機11の管理者は、内袋供給用エアシリンダーの劣化状況を容易に把握することができ、内袋供給用エアシリンダーの交換タイミングを容易に把握することができる。
【0021】
また、
図1および
図2に示す例では、検出部12Aが、充填ノズル112Aを充填位置と退避位置との間で移動させる充填ノズル移動用エアシリンダーのストローク動作の開始タイミングと終了タイミングとを検出する。演算部12Bは、検出部12Aによって検出された充填ノズル移動用エアシリンダーのストローク動作の開始タイミングと終了タイミングとに基づいて、充填ノズル移動用エアシリンダーのストローク動作の所要時間を算出する。記憶部12Cは、演算部12Bによって算出された充填ノズル移動用エアシリンダーのストローク動作の所要時間を示すデータを蓄積して記憶する。判定部12Dは、記憶部12Cによって蓄積して記憶された充填ノズル移動用エアシリンダーのストローク動作の所要時間を示すデータに基づいて、例えば充填ノズル移動用エアシリンダーが正常であるか否か等の判定を行う。例えば、判定対象の充填ノズル移動用エアシリンダーのストローク動作の所要時間が、正常な充填ノズル移動用エアシリンダーのストローク動作の所要時間よりも長い場合に、判定部12Dは、判定対象の充填ノズル移動用エアシリンダーが劣化したおそれがあり、判定対象の充填ノズル移動用エアシリンダーの交換タイミングであると判定する。出力部12Eは、演算部12Bによる演算結果、判定部12Dによる判定結果などを出力する。
そのため、バッグインボックス充填機11の管理者は、充填ノズル移動用エアシリンダーの劣化状況を容易に把握することができ、充填ノズル移動用エアシリンダーの交換タイミングを容易に把握することができる。
【0022】
また、
図1および
図2に示す例では、検出部12Aが、充填テーブル112Cを昇降させる昇降部112Dとして機能する充填テーブル昇降用エアシリンダーのストローク動作の開始タイミングと終了タイミングとを検出する。演算部12Bは、検出部12Aによって検出された充填テーブル昇降用エアシリンダーのストローク動作の開始タイミングと終了タイミングとに基づいて、充填テーブル昇降用エアシリンダーのストローク動作の所要時間を算出する。記憶部12Cは、演算部12Bによって算出された充填テーブル昇降用エアシリンダーのストローク動作の所要時間を示すデータを蓄積して記憶する。判定部12Dは、記憶部12Cによって蓄積して記憶された充填テーブル昇降用エアシリンダーのストローク動作の所要時間を示すデータに基づいて、例えば充填テーブル昇降用エアシリンダーが正常であるか否か等の判定を行う。例えば、判定対象の充填テーブル昇降用エアシリンダーのストローク動作の所要時間が、正常な充填テーブル昇降用エアシリンダーのストローク動作の所要時間よりも長い場合に、判定部12Dは、判定対象の充填テーブル昇降用エアシリンダーが劣化したおそれがあり、判定対象の充填テーブル昇降用エアシリンダーの交換タイミングであると判定する。出力部12Eは、演算部12Bによる演算結果、判定部12Dによる判定結果などを出力する。
そのため、バッグインボックス充填機11の管理者は、充填テーブル昇降用エアシリンダーの劣化状況を容易に把握することができ、充填テーブル昇降用エアシリンダーの交換タイミングを容易に把握することができる。
【0023】
また、
図1および
図2に示す例では、検出部12Aが、キャッピング機構113の昇降部113Cとして機能するキャッピング機構昇降用エアシリンダーのストローク動作の開始タイミングと終了タイミングとを検出する。演算部12Bは、検出部12Aによって検出されたキャッピング機構昇降用エアシリンダーのストローク動作の開始タイミングと終了タイミングとに基づいて、キャッピング機構昇降用エアシリンダーのストローク動作の所要時間を算出する。記憶部12Cは、演算部12Bによって算出されたキャッピング機構昇降用エアシリンダーのストローク動作の所要時間を示すデータを蓄積して記憶する。判定部12Dは、記憶部12Cによって蓄積して記憶されたキャッピング機構昇降用エアシリンダーのストローク動作の所要時間を示すデータに基づいて、例えばキャッピング機構昇降用エアシリンダーが正常であるか否か等の判定を行う。例えば、判定対象のキャッピング機構昇降用エアシリンダーのストローク動作の所要時間が、正常なキャッピング機構昇降用エアシリンダーのストローク動作の所要時間よりも長い場合に、判定部12Dは、判定対象のキャッピング機構昇降用エアシリンダーが劣化したおそれがあり、判定対象のキャッピング機構昇降用エアシリンダーの交換タイミングであると判定する。出力部12Eは、演算部12Bによる演算結果、判定部12Dによる判定結果などを出力する。
そのため、バッグインボックス充填機11の管理者は、キャッピング機構昇降用エアシリンダーの劣化状況を容易に把握することができ、キャッピング機構昇降用エアシリンダーの交換タイミングを容易に把握することができる。
【0024】
また、
図1および
図2に示す例では、検出部12Aが、切断部114を駆動する切断部駆動用エアシリンダーのストローク動作の開始タイミングと終了タイミングとを検出する。演算部12Bは、検出部12Aによって検出された切断部駆動用エアシリンダーのストローク動作の開始タイミングと終了タイミングとに基づいて、切断部駆動用エアシリンダーのストローク動作の所要時間を算出する。記憶部12Cは、演算部12Bによって算出された切断部駆動用エアシリンダーのストローク動作の所要時間を示すデータを蓄積して記憶する。
判定部12Dは、記憶部12Cによって蓄積して記憶された切断部駆動用エアシリンダーのストローク動作の所要時間を示すデータに基づいて、例えば切断部駆動用エアシリンダーが正常であるか否か等の判定を行う。例えば、判定対象の切断部駆動用エアシリンダーのストローク動作の所要時間が、正常な切断部駆動用エアシリンダーのストローク動作の所要時間よりも長い場合に、判定部12Dは、判定対象の切断部駆動用エアシリンダーが劣化したおそれがあり、判定対象の切断部駆動用エアシリンダーの交換タイミングであると判定する。
あるいは、判定部12Dは、記憶部12Cによって蓄積して記憶された切断部駆動用エアシリンダーのストローク動作の所要時間を示すデータに基づいて、ミシン目の位置での切断部114による内袋B2の切断が正常に実行されているか否かの判定(推定)を行ってもよい。例えば、判定対象の切断部駆動用エアシリンダーのストローク動作の所要時間が、正常な切断部駆動用エアシリンダーのストローク動作の所要時間よりも長い場合に、判定部12Dは、ミシン目の位置での切断部114による内袋B2の切断が正常に実行されておらず、切断時に切断部114および内袋B2にかかる応力が正常時よりも大きいと判定(推定)する。
出力部12Eは、演算部12Bによる演算結果、判定部12Dによる判定結果などを出力する。
そのため、バッグインボックス充填機11の管理者は、切断部駆動用エアシリンダーの劣化状況を容易に把握することができ、切断部駆動用エアシリンダーの交換タイミングを容易に把握することができる。
【0025】
図1に示す例では、撮像部12Fが、スパウトホルダー112Bおよびキャッピング機構113の画像を撮像する。記憶部12Cは、撮像部12Fによって撮像されたスパウトホルダー112Bおよびキャッピング機構113の画像のデータを蓄積して記憶する。判定部12Dは、記憶部12Cによって蓄積して記憶されたスパウトホルダー112Bおよびキャッピング機構113の画像のデータに基づいて、スパウトホルダー112Bおよびキャッピング機構113が正常に機能しているか否かの判定を行う。
そのため、バッグインボックス充填機11の管理者は、スパウトホルダー112Bまたはキャッピング機構113の調整が必要か否かを容易に把握することができる。つまり、スパウトホルダー112Bおよびキャッピング機構113のメンテナンス性を向上させることができ、バッグインボックス充填機11の管理者によるスパウトホルダー112Bおよびキャッピング機構113の予防保全作業(例えばバッグインボックス充填機11の品質面に影響を与える部位の寸法監視など)を容易にすることができる。
【0026】
また、撮像部12Fは、キャッピング機構113によってキャップB3の開栓が実行される前におけるスパウトB21に対するキャップB3の高さを示す画像を撮像する。更に、撮像部12Fは、キャッピング機構113によってキャップB3の打栓が実行された後におけるスパウトB21に対するキャップB3の高さを示す画像を撮像する。
記憶部12Cは、撮像部12Fによって撮像されたキャップB3の開栓が実行される前におけるスパウトB21に対するキャップB3の高さを示す画像のデータと、キャップB3の打栓が実行された後におけるスパウトB21に対するキャップB3の高さを示す画像のデータとを蓄積して記憶する。
判定部12Dは、記憶部12Cによって蓄積して記憶されたキャップB3の開栓が実行される前におけるスパウトB21に対するキャップB3の高さを示す画像のデータと、キャップB3の打栓が実行された後におけるスパウトB21に対するキャップB3の高さを示す画像のデータとに基づいて、開栓が実行される前および打栓が実行された後におけるキャップB3の状態が正常であるか否かの判定を行う。
そのため、バッグインボックス充填機11の管理者は、バッグインボックス充填機11による内容物の充填の前後のバッグインボックスBの品質管理(例えばスパウトB21に対するキャップB3の高さの管理、スパウトB21に対するキャップB3の浮きの検知など)を容易に行うことができる。
【0027】
更に、撮像部12Fは、キャッピング機構113によってキャップB3の開栓が実行される前に、内袋B2の表面の印字を含む画像を撮像する。記憶部12Cは、撮像部12Fによって撮像された内袋B2の表面の印字を含む画像のデータを蓄積して記憶する。そのため、内袋B2の不良が発生した場合であってもロットトレースによる対象範囲の特定を容易に行うことができ、原因究明のスピードアップを図ることができる。また、バッグインボックス充填機11に供給される内袋B2の分析を行うことができる。
【0028】
また、
図1に示す例では、撮像部12Gが、ミシン目の位置で切断部114によって切断される内袋B2の画像を撮像する。記憶部12Cは、撮像部12Gによって撮像された切断部114および内袋B2の画像のデータを蓄積して記憶する。判定部12Dは、記憶部12Cによって蓄積して記憶された切断部114および内袋B2の画像のデータに基づいて、ミシン目の位置での切断部114による内袋B2の切断が正常に実行されているか否かの判定を行う。
つまり、
図1に示す例では、内袋B2のミシン目のカット状態の監視が行われる。そのため、
図1に示す例では、バッグインボックス充填機11の設定条件を明確にすることができ、内袋B2の製造工程における不具合の有無を明確にすることができる。
【0029】
更に、
図1に示す例では、撮像部12Hが、投入部115によって外装ボックスB1内に投入されている内袋B2の画像を撮像する。記憶部12Cは、撮像部12Hによって撮像された内袋B2の画像のデータを蓄積して記憶する。判定部12Dは、記憶部12Cによって蓄積して記憶された内袋B2の画像のデータに基づいて、内袋B2が投入部115によって外装ボックスB1内に正常に投入されているか否かの判定を行う。例えば、判定部12Dは、投入部115によって外装ボックスB1内に投入されている内袋B2の落下速度の推定、投入部115によって外装ボックスB1内に投入されている内袋B2の姿勢の推定などを行う。
そのため、
図1に示す例では、バッグインボックス充填機11の管理者は、投入部115の構成部品の交換タイミングを容易に把握することができる。また、バッグインボックス充填機11の管理者は、投入部115によって外装ボックスB1内に投入されている内袋B2の状態を監視することができ、内袋B2に充填された内容物の漏出などのおそれを抑制することができる。
【0030】
<第2実施形態>
以下、本発明のバッグインボックス充填システムの第2実施形態について説明する。
第2実施形態のバッグインボックス充填システム1は、後述する点を除き、上述した第1実施形態のバッグインボックス充填システム1と同様に構成されている。従って、第2実施形態のバッグインボックス充填システム1によれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態のバッグインボックス充填システム1と同様の効果を奏することができる。
【0031】
第2実施形態のバッグインボックス充填システム1は、
図1に示す第1実施形態のバッグインボックス充填システム1と概略同様に構成されている。第2実施形態のバッグインボックス充填機11は、
図2に示す第1実施形態のバッグインボックス充填機11と概略同様に構成されており、例えば内袋供給部111と、充填部112と、キャッピング機構113と、切断部114と、投入部115と、アクチュエータ11Aとを備えている。充填部112は、タンク112Eと、ポンプ11Bと、流量計11Cと、充填ノズル112Aと、スパウトホルダー112Bと、サポート112Fと、充填テーブル112Cと、昇降部112Dとを備えている。ポンプ11Bは、タンク112Eに収容されている内容物を充填ノズル112Aに供給する。つまり、ポンプ11Bは、バッグインボックスBに内容物を充填する。
【0032】
第2実施形態のバッグインボックス充填システム1は、第1実施形態のバッグインボックス充填システム1と同様に、バッグインボックス充填機11を監視する監視部12を備えている。第2実施形態の監視部12は、第1実施形態の監視部12と同様に、検出部12Aと、演算部12Bと、記憶部12Cと、判定部12Dと、出力部12Eと、撮像部12F、12G、12Hとを備えている。
第2実施形態の検出部12Aは、例えば電流計、温度計、マイコン、PLC(Programmable Logic Controller)などを備えている。検出部12Aは、ポンプ11Bによる内容物の充填動作の開始タイミングと終了タイミングとを検出する。
第2実施形態のバッグインボックス充填システム1の一例では、検出部12AがIoT機器である。
第2実施形態のバッグインボックス充填システム1の他の例では、検出部12AがIoT機器でなくてもよい。
【0033】
第2実施形態のバッグインボックス充填システム1では、演算部12Bが、検出部12Aによって検出されたポンプ11Bによる内容物の充填動作の開始タイミングと終了タイミングとに基づいて、ポンプ11Bによる内容物の充填動作の所要時間を算出する。
記憶部12Cは、演算部12Bによって算出されたポンプ11Bによる内容物の充填動作の所要時間を示すデータを蓄積して記憶する。
判定部12Dは、記憶部12Cによって蓄積して記憶されたポンプ11Bによる内容物の充填動作の所要時間を示すデータに基づいて、例えばポンプ11Bが正常であるか否か等の判定を行う。例えば、判定対象のポンプ11Bによる内容物の充填動作の所要時間が、正常なポンプ11Bによる内容物の充填動作の所要時間よりも長い場合に、判定部12Dは、判定対象のポンプ11Bが劣化したおそれがあり、判定対象のポンプ11Bの交換タイミングであると判定する。
出力部12Eは、演算部12Bによる演算結果、判定部12Dによる判定結果などを出力する。
【0034】
つまり、第2実施形態のバッグインボックス充填システム1では、演算部12Bが、検出部12Aの検出結果を、ポンプ11Bの状況を把握しやすい情報に変換する。また、判定部12Dは、ポンプ11Bが正常であるか否か等の判定を行う。更に、出力部12Eが、演算部12Bによる演算結果および判定部12Dによる判定結果を出力する。
そのため、第2実施形態のバッグインボックス充填システム1では、バッグインボックス充填機11の管理者は、ポンプ11Bの劣化状況などを容易に把握することができ、ポンプ11Bの交換タイミングなどを容易に把握することができる。
すなわち、第2実施形態のバッグインボックス充填システム1では、バッグインボックス充填機11のメンテナンス性を向上させることができ、バッグインボックス充填機11の管理者によるバッグインボックス充填機11の予防保全作業を容易にすることができる。
また、第2実施形態のバッグインボックス充填システム1では、例えば記憶部12Cに蓄積されたデータ量を監視することによって、バッグインボックス充填システム1の整備頻度を明確にすることができる。
第2実施形態のバッグインボックス充填システム1の他の例では、検出部12Aが、ポンプ11Bによる内容物の充填動作の回数を検出し、記憶部12Cが、ポンプ11Bによる内容物の充填動作の回数(積算値)を記憶してもよい。この例では、判定部12Dが、記憶部12Cによって記憶されたポンプ11Bによる内容物の充填動作の回数(積算値)を示すデータに基づいて、例えばポンプ11Bが正常であるか否か等の判定を行う。例えば、判定対象のポンプ11Bによる内容物の充填動作の回数(積算値)が所定の閾値以上になった場合に、判定部12Dは、判定対象のポンプ11Bが劣化したおそれがあり、判定対象のポンプ11Bの交換タイミングであると判定する。
【0035】
<第3実施形態>
以下、本発明のバッグインボックス充填システムの第3実施形態について説明する。
第3実施形態のバッグインボックス充填システム1は、後述する点を除き、上述した第1実施形態のバッグインボックス充填システム1と同様に構成されている。従って、第3実施形態のバッグインボックス充填システム1によれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態のバッグインボックス充填システム1と同様の効果を奏することができる。
【0036】
第3実施形態のバッグインボックス充填システム1は、
図1に示す第1実施形態のバッグインボックス充填システム1と概略同様に構成されている。第3実施形態のバッグインボックス充填機11は、
図2に示す第1実施形態のバッグインボックス充填機11と概略同様に構成されており、例えば内袋供給部111と、充填部112と、キャッピング機構113と、切断部114と、投入部115と、アクチュエータ11Aとを備えている。充填部112は、タンク112Eと、ポンプ11Bと、流量計11Cと、充填ノズル112Aと、スパウトホルダー112Bと、サポート112Fと、充填テーブル112Cと、昇降部112Dとを備えている。ポンプ11Bは、タンク112Eに収容されている内容物を充填ノズル112Aに供給する。つまり、ポンプ11Bは、バッグインボックスBに内容物を充填する。
第3実施形態のバッグインボックス充填システム1では、流量計11Cが、質量流量計であり、ポンプ11BによってバッグインボックスBに充填される内容物の例えば流量、温度などの各種パラメータ値を検出する。
第3実施形態のバッグインボックス充填システム1の一例では、流量計11CがIoT機器である。
第3実施形態のバッグインボックス充填システム1の他の例では、流量計11CがIoT機器でなくてもよい。
【0037】
第3実施形態のバッグインボックス充填システム1は、第1実施形態のバッグインボックス充填システム1と同様に、バッグインボックス充填機11を監視する監視部12を備えている。
第3実施形態のバッグインボックス充填システム1では、監視部12が、検出部12Aと、記憶部12Cと、判定部12Dと、出力部12Eと、撮像部12F、12G、12Hとを備えている。
第3実施形態の記憶部12Cは、流量計11Cによって検出された各種パラメータ値を示すデータを蓄積して記憶する。
判定部12Dは、記憶部12Cによって蓄積して記憶された各種パラメータ値を示すデータに基づいて、例えばバッグインボックスBに内容物が正常に充填されているか否かの判定を行う。例えば、判定対象の流量計11Cによって検出された各種パラメータ値が、予め設定された基準値の範囲外である場合に、判定部12Dは、バッグインボックスBに内容物を充填する機構の構成部品が劣化したおそれがあり、バッグインボックスBに内容物を充填する機構の構成部品の交換タイミングであると判定する。
出力部12Eは、判定部12Dによる判定結果などを出力する。
【0038】
つまり、第3実施形態のバッグインボックス充填システム1では、判定部12Dは、流量計11Cによって検出された各種パラメータ値が正常値であるか否か、バッグインボックスBに内容物を充填する機構の構成部品が正常であるか否か等の判定を行う。更に、出力部12Eが、判定部12Dによる判定結果を出力する。
そのため、第3実施形態のバッグインボックス充填システム1では、バッグインボックス充填機11の管理者は、バッグインボックスBに内容物を充填する機構の構成部品の劣化状況などを容易に把握することができ、バッグインボックスBに内容物を充填する機構の構成部品の交換タイミングなどを容易に把握することができる。
すなわち、第3実施形態のバッグインボックス充填システム1では、バッグインボックス充填機11のメンテナンス性を向上させることができ、バッグインボックス充填機11の管理者によるバッグインボックス充填機11の予防保全作業を容易にすることができる。
【0039】
上述したように、第1から第3の実施形態のバッグインボックス充填システム1では、撮像部12Fを用いることによって、例えばスパウトホルダー112B、キャッピング機構113などのようなバッグインボックス充填機11の品質面に影響を与える部位の寸法監視が行われる。そのため、バッグインボックス充填機11の管理者によるバッグインボックス充填機11の予防保全作業を容易にすることができ、バッグインボックス充填機11の管理者は、スパウトホルダー112B、キャッピング機構113などの調整が必要か否かを容易に把握することができる。
【0040】
また、第1から第3の実施形態のバッグインボックス充填システム1では、検出部12A、流量計11Cなどを用いることによって、各種エアシリンダー、ポンプ11Bなどの動作回数、動作時間の監視が行われる。そのため、バッグインボックス充填機11の管理者によるバッグインボックス充填機11の予防保全作業を容易にすることができ、バッグインボックス充填機11の管理者は、各種エアシリンダー、ポンプ11Bなどの交換が必要か否かを容易に把握することができる。
【0041】
また、第1から第3の実施形態のバッグインボックス充填システム1では、質量流量計によって検出されるバッグインボックスBに充填される内容物の流量、温度、各種カウンタ値の監視が行われる。そのため、バッグインボックス充填機11の管理者によるバッグインボックス充填機11の予防保全作業を容易にすることができ、バッグインボックス充填機11の管理者は、バッグインボックス充填機11の傾向を監視することができ、歩留まりを向上させることができる。
【0042】
また、第1から第3の実施形態のバッグインボックス充填システム1では、撮像部12Fを用いることによって、キャップB3の開栓が実行される前におけるスパウトB21に対するキャップB3の高さ、および、キャップB3の打栓が実行された後におけるスパウトB21に対するキャップB3の高さの監視が行われる。そのため、バッグインボックス充填機11の管理者は、バッグインボックスBの品質(スパウトB21に対するキャップB3の高さ、キャップB3の浮き)を容易に管理することができる。更に、撮像部12Fを用いる監視結果と内袋供給部111によって充填部112に供給される前の内袋B2の製造工程における検査結果とを紐づけることにより、不良発生時における原因究明を容易にすることができる。
【0043】
また、第1から第3の実施形態のバッグインボックス充填システム1では、撮像部12Gを用いることによって、ミシン目の位置での切断部114による内袋B2の切断の状態の監視が行われる。そのため、バッグインボックス充填機11の管理者は、ミシン目の位置で切断部114によって切断された内袋B2の品質を容易に管理することができる。更に、切断部114による内袋B2の切断時の応力を測定することによって、不良発生時に、バッグインボックス充填機11の設定条件の不具合が不良の原因であるのか、あるいは、内袋供給部111によって充填部112に供給される前の内袋B2の製造工程における不具合が不良の原因であるのかを明確にすることができる。
【0044】
また、第1から第3の実施形態のバッグインボックス充填システム1では、撮像部12Hを用いることによって、内袋B2が外装ボックスB1に投入される状態(内袋B2の投入姿勢)の監視が行われる。そのため、バッグインボックス充填機11の管理者は、外装ボックスB1に投入される内袋B2の品質を容易に管理することができ、投入部115の構成部品の交換タイミングを容易に把握することができる。更に、内袋B2の落下速度を検知することによって、内袋B2に充填された内容物が漏出する不具合を抑制することができる。
【0045】
また、第1から第3の実施形態のバッグインボックス充填システム1では、エアシリンダーのサーボ化によって、エアシリンダーの稼働位置および時間の監視が行われる。そのため、バッグインボックス充填機11の管理者は、エアシリンダーのサーボ化が行われない場合よりも容易に品質管理および予防保全作業を行うことができる。
【0046】
また、第1から第3の実施形態のバッグインボックス充填システム1では、撮像部12Fを用いることによって、内袋B2の表面の印字の監視が行われる。そのため、バッグインボックス充填機11の管理者は、内袋B2の不良が発生した場合であってもロットトレースによる対象範囲の特定を容易に行うことができ、原因究明のスピードアップを図ることができる。
【0047】
また、第1から第3の実施形態のバッグインボックス充填システム1では、IoT機器が検出部12Aおよび流量計11Cとしてバッグインボックス充填機11の監視に用いられる。そのため、バッグインボックス充填機11の管理者は、バッグインボックス充填機11のリモートメンテナンスを行うことができる。
【0048】
また、第1から第3の実施形態のバッグインボックス充填システム1では、充填部112に供給される前の内袋B2の製造工程における検査結果などを利用した分析を行うことができる。
更に、第1から第3の実施形態のバッグインボックス充填システム1では、バッグインボックス充填システム1の整備頻度を明確にすることができる。
【0049】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形および置換を加えることができる。上述した各実施形態および各例に記載の構成を適宜組み合わせてもよい。
【0050】
なお、上述した実施形態におけるバッグインボックス充填システム1が備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【符号の説明】
【0051】
1…バッグインボックス充填システム、11…バッグインボックス充填機、111…内袋供給部、112…充填部、112A…充填ノズル、112B…スパウトホルダー、112C…充填テーブル、112D…昇降部、112E…タンク、112F…サポート、113…キャッピング機構、113A…グリップ部、113B…回転部、113C…昇降部、114…切断部、114A…カッタ、114B…昇降部、115…投入部、11A…アクチュエータ、11B…ポンプ、11C…流量計、12…監視部、12A…検出部、12B…演算部、12C…記憶部、12D…判定部、12E…出力部、12F…撮像部、12G…撮像部、12H…撮像部、B…バッグインボックス、B1…外装ボックス、B2…内袋、
B21…スパウト、B3…キャップ