(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022100578
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】バルーン型表示具
(51)【国際特許分類】
G09F 19/00 20060101AFI20220629BHJP
【FI】
G09F19/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020214632
(22)【出願日】2020-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】520509878
【氏名又は名称】吉川 正三
(74)【代理人】
【識別番号】100076406
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 勝徳
(74)【代理人】
【識別番号】100171941
【弁理士】
【氏名又は名称】辻 忠行
(74)【代理人】
【識別番号】100150762
【弁理士】
【氏名又は名称】阿野 清孝
(72)【発明者】
【氏名】吉川 正三
(57)【要約】 (修正有)
【課題】容易に手に持つことができるバルーン型表示器を提供する。
【解決手段】バルーン型表示具100は、基端部に開口部を有する袋状のバルーン部10と、前記開口部からバルーン部10に送風してバルーン部10を膨張させる扇風機20とを備えている。扇風機20は、回転羽根と、前記回転羽根を収容するとともに前面から前記回転羽根からの風を送出する防護籠23と、防護籠23に連結される持ち手24とを備えている。バルーン部10は、前記開口部を前記回転羽根の径方向外方から防護籠23へ被せるようにして扇風機20へ取り付けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
膨らませたバルーンを用いて表示を行うバルーン型表示具であって、
基端部に開口部を有する袋状のバルーン部と、
前記開口部から前記バルーン部に送風して前記バルーン部を膨張させる扇風機と
を備え、
前記扇風機は、回転羽根と、前記回転羽根を収容するとともに前面から前記回転羽根からの風を送出する防護籠と、前記防護籠に連結される持ち手とを備え、
前記バルーン部は、前記開口部を前記回転羽根の径方向外方から前記防護籠へ被せるようにして前記扇風機へ取り付けられることを特徴とするバルーン型表示具。
【請求項2】
前記防護籠は、外方へ突出する係合用突起を有し、
前記バルーン部は、前記開口部周縁に、前記係合用突起に係合する第1係合受け孔を有する請求項1に記載のバルーン型表示具。
【請求項3】
前記バルーン部が、前記開口部周縁に貼設される支持板を備える請求項1に記載のバルーン型表示具。
【請求項4】
前記支持板は、前記バルーン部における先端側の端縁が、当該先端側へ湾出する形状をなす請求項3に記載のバルーン型表示具。
【請求項5】
前記防護籠は、軸方向を前記回転羽根と同じくする扁平筒状をなすとともに、側面が前記回転羽根の軸に平行に延びる複数の棒状の防護桟からなる縦格子状に設けられており、
前記係合用突起は、板状をなす係合補助具の表面側に設けられており、
前記係合補助具は、裏面に、突出先端側が二股をなすT字状に形成されたT字突起を有しており、
隣接する前記防護桟の隙間に、前記T字突起の先端が二股に分かれる方向を、当該隙間の伸びる方向に合わせて差し込んだのち、前記T字突起が前記防護桟と交差するよう前記係合補助具を回動させることにより、前記係合補助具が前記防護籠の側面に係合される請求項2に記載のバルーン型表示具。
【請求項6】
前記持ち手が、棒状をなすとともに、前記回転羽根の軸方向に垂直で前記回転羽根の径方向外側へ突出する第1姿勢から、当該軸方向に平行で、かつ前記回転羽根の後方へ延びる第2姿勢を超えて、90度より大きく回動可能に前記防護籠に連結されており、
前記持ち手を前記第2姿勢にするとともに、前記持ち手及び前記回転羽根の軸方向を鉛直方向とした際に前記防護籠の傾倒を防止するブラケットを備える請求項1に記載のバルーン型表示具。
【請求項7】
前記バルーン部の開口部周縁を外側から締め付けて、前記バルーン部を前記防護籠に連結するゴムバンドを備える請求項1に記載のバルーン型表示具。
【請求項8】
前記防護籠は、前記回転羽根の径方向外方へ突出する係合用突起を有し、
前記バルーン部は、前記開口部周縁に、前記係合用突起に係合する第1係合受け孔を有し、前記ゴムバンドは、前記係合用突起に係合する第2係合受け孔を有する請求項7に記載のバルーン型表示具。
【請求項9】
前記バルーン部は、開口部周縁に一、又は複数の切れ込みを有し、前記切れ込みは、少なくとも先端が、前記バルーン部を前記扇風機に取り付けた際に、前記回転羽根より前方に位置するよう設けられ、当該切れ込みから内部の空気を逃がすよう構成されている請求項1に記載のバルーン型表示具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、スポーツ観戦時の応援グッズや広告、標識等に利用可能なバルーン型表示具に関し、特に、扇風機で膨張させるバルーン型表示具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プロ野球観戦において、空気の噴射を利用して一斉に空へ飛ばすいわゆるジェットバルーンが広く楽しまれている。
ところが、コロナウイルスが蔓延する中、かかるジェットバルーンは、利用者が自分で息を吹き込んで膨らませるため、コロナウイルスの飛沫感染が懸念されるという問題が有る。
また、ジェットバルーンは、球場の外へ飛び出すとゴミとなるため、環境に悪いという問題がある。
【0003】
そこで、本発明者は、広告等に用いられている、扇風機で膨らませるタイプのバルーン型表示具(特許文献1、特許文献2参照)を応援グッズとして用いることに想到する。
【0004】
例えば、特許文献1では、給気装置(扇風機)と収縮状態の袋状本体(バルーン)を収容する筒状の支持収容容器を備えた広告/装飾装置が提案されている。特許文献1の広告/ 装飾装置は、支持収容容器に内側から働く袋状本体の膨張力を利用して、固定具なしに袋状本体を支持するよう構成されている。
【0005】
また、特許文献2では、バルーンに光透過性を設け、バルーンに空気を吹き込む基底部にバルーンを内側から照明する光源部を設けた広告装置が提案されている。
特許文献2の広告装置では、バルーンを扁平形状に設け、かつ内部に隔壁を設けることで、店頭に置いても通行の妨げにならず、衝撃により修復困難な損傷を受けにくく、損傷しても容易に復元できるよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009-139898号公報
【特許文献2】特開2005-258444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1、及び特許文献2に係るバルーン型表示具は、床置用であるため、手に持つことができないという問題が有る。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、手で持ちやすく、応援グッズにも利用可能なバルーン型表示具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた発明は、膨らませたバルーンを用いて表示を行うバルーン型表示具であって、基端部に開口部を有する袋状のバルーン部と、前記開口部から前記バルーン部に送風して前記バルーン部を膨張させる扇風機とを備え、前記扇風機は、回転羽根と、前記回転羽根を収容するとともに前面から前記回転羽根からの風を送出する防護籠と、前記防護籠に連結される持ち手とを備え、前記バルーン部は、前記開口部を前記回転羽根の径方向外方から前記防護籠へ被せるようにして前記扇風機へ取り付けられることを特徴とする。
【0009】
このように、本発明のバルーン型表示具では、このように、扇風機に持ち手を設けたので、当該持ち手により容易に手に持つことができる。
また、バルーン部の開口部を回転羽根の径方向外方から防護籠へ被せるようにして、バルーン部を防護籠へ被せるよう設けたので、市販の携帯扇風機にもバルーン部を被せることができ、市販の持ち手を備える携帯扇風機を本発明の扇風機として用いることができる。
【0010】
本発明に係るバルーン型表示具は、前記防護籠が、外方へ突出する係合用突起を有し、前記バルーン部が、前記開口部周縁に、前記係合用突起に係合する第1係合受け孔を有することが好ましい。こうすることで、バルーン部を防護籠に容易にかつ強固に取り付けることができる。
【0011】
本発明のバルーン型表示具は、前記バルーン部が、前記開口部周縁に貼設される支持板を備えることが好ましい。こうすることで、開口部周縁を補強できるので、バルーン部を繰り返し使用することにより開口部周縁が傷んでしまうことを抑制できる。
【0012】
前記支持板は、前記バルーン部における先端側の端縁が、当該先端側へ湾出する形状をなすことが好ましい。こうすることで、バルーン部の傾倒を効果的に抑制できる。
【0013】
本発明のバルーン型表示具は、前記防護籠が、外方へ突出する係合用突起を有し、前記バルーン部が、前記開口部周縁に、前記係合用突起に係合する第1係合受け孔を有する場合において、前記防護籠が、軸方向を前記回転羽根と同じくする扁平筒状をなすとともに、側面が前記回転羽根の軸に平行に延びる複数の棒状の防護桟からなる縦格子状に設けられており、前記係合用突起は、板状をなす係合補助具の表面側に設けられており、前記係合補助具は、裏面に、突出先端側が二股をなすT字状に形成されたT字突起を有しており、隣接する前記防護桟の隙間に、前記T字突起の先端が二股に分かれる方向を、当該隙間の伸びる方向に合わせて差し込んだのち、前記T字突起が前記防護桟と交差するよう前記係合補助具を回動させることにより、前記係合補助具が前記防護籠の側面に係合されることが好ましい。
このような係合補助具を設けることで、側面がかかる縦格子状をなす市販の携帯扇風機を簡単に本発明の扇風機として用いることができる。
【0014】
本発明に係るバルーン型表示具は、前記持ち手が、棒状をなすとともに、前記回転羽根の軸方向に垂直で前記回転羽根の径方向外側へ突出する第1姿勢から、当該軸方向に平行で、かつ前記回転羽根の後方へ延びる第2姿勢を超えて、90度より大きく回動可能に前記防護籠に連結されており、前記持ち手を前記第2姿勢にするとともに、前記持ち手及び前記回転羽根の軸方向を鉛直方向とした際に前記防護籠の傾倒を防止するブラケットを備えることが好ましい。
持ち手が回転羽根の軸方向と垂直な第2姿勢にすることで、持ち手を鉛直にした状態でバルーン部を起立させて持つことができる。市販の携帯扇風機には、持ち手が第2姿勢を超えて、90度より大きく回動するものがあり、換言すると、回転羽根を収容した防護籠部分が倒れてしまうものがある。かかるブラケットを設けることで、バルーン部が90度以上に傾倒することを抑制できる。
【0015】
本発明のバルーン型表示具は、前記バルーン部の開口部周縁を外側から締め付けて、前記バルーン部を前記防護籠に連結するゴムバンドを備えることが好ましい。こうすることで、バルーン部の開口部周縁と防護籠の隙間から空気が逃げることを抑制できる。
【0016】
本発明のバルーン型表示具は、前記防護籠が、前記回転羽根の径方向外方へ突出する係合用突起を有し、前記バルーン部が、前記開口部周縁に、前記係合用突起に係合する第1係合受け孔を有し、前記ゴムバンドが、前記係合用突起に係合する第2係合受け孔を有することが好ましい。こうすることで、バルーン部を防護籠により安定して取り付けることができる。
【0017】
前記バルーン部は、開口部周縁に一、又は複数の切れ込みを有し、前記切れ込みは、少なくとも先端が、前記バルーン部を前記扇風機に取り付けた際に、前記回転羽根より前方に位置するよう設けられ、当該切れ込みから内部の空気を逃がすよう構成されていることが好ましい。こうすることで、バルーン部が十分に膨らんだあと、バルーン部内部に流送される空気をバルーン部外部へ逃がすことができる。
【発明の効果】
【0018】
以上、説明したように、本発明のバルーン型表示具は、簡単に手に持つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るバルーン型表示具の使用状態を示す斜視図である。
【
図2】
図1のバルーン型表示具の要部拡大斜視図である。
【
図3】
図1のバルーン型表示具の分解斜視図である。
【
図4】
図1の携帯扇風機の第1姿勢を示す(a)正面図、(b)左側面図である。
【
図5】
図1の携帯扇風機の第2姿勢を示す(a)左側面図、(b)正面図である。
【
図6】
図1の携帯扇風機の第3姿勢の左側面図である。
【
図7】
図3に示した係合補助具の(a)正面図、(b)背面図、(c)右側面図、(d)平面図、(e)底面図である。
【
図8】
図4に示した扇風機の防護籠に、係合補助具を取る付ける手順を説明する説明図である。
【
図9】
図1に示したバルーン部の開口周縁を示す要部側面図である。
【
図10】本発明の第2実施形態に係る携帯扇風機の(a)正面図、(b)左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、適宜図面を用いながら本発明の実施形態について詳述する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限られるものではない。
【0021】
(第1実施形態)
図1、乃至
図3は、本発明の第1実施形態に係るバルーン型表示具100を示している。バルーン型表示具100は、バルーン部10と、扇風機20と、ゴムバンド3とを備え、スポーツ観戦や広告塔、案内標識、看板等に用いることができる。
図1の例は、野球観戦に用いた例を示している。
【0022】
バルーン部10は、袋状をなすバルーン本体11と、バルーン本体11の基端部に設けられる開口部11a(
図3参照)と、開口部11a周縁に貼設される支持板12とを備えている。
【0023】
バルーン本体11は、
図1の例では、野球のユニフォームの上半身を模した形状を有しているが、これに限定されず、
図11(a)のような野球のバット状や、
図11(b)の円盤状の他、自由に形状を変更できる。バルーン本体11の製法、及び材質は特に限定されないが、例えば、軟質樹脂製からなる同形状の2枚の薄膜11c,11cを表裏に重ね、開口部11aを除いた端縁を溶着することで袋状に形成されている。
図1の符号11dは、この溶着線を示している。バルーン本体11を形成する材質としては、塩化ビニルやポリエステルの薄膜や、ナイロンの不織布等が好ましく用いられる。これらは、透明、半透明、不透明のいずれであってもよく、単層でも複層でもよい。
【0024】
バルーン本体11の開口部11aには、表裏の支持板12,12の間において、開口部11a端縁から切れ込む左右一対の切れ込み11b,11bが設けられている。切れ込み11b,11bは、溶着線11dの延長上、表裏の薄膜11c,11cの間に設けられている。切れ込み11b,11bは、開口部11aを広げてバルーン部10を扇風機20に装着しやすいようにすると同時に、後述するようにバルーン部10の膨張時に扇風機20からの風を逃がす働きをする。
【0025】
支持板12は、バルーン本体11の膨張状態において、バルーン本体11の傾倒を防止可能な剛性を有する板材であれば特に限定されないが、後述する扇風機20の防護籠23の形状に合わせて湾曲し、扇風機20から取り外した際には平板状に戻るよう可撓性を有することが好ましく、例えば、ポリエチレン等の可撓性を有する硬質樹脂の板材から切断形成できる。
支持板12は、バルーン本体11を閉じた状態における開口部11aの幅方向(
図3の左右方向)に長い略矩形の板状をなし、バルーン先端側(
図3上側)の辺12aの中央がバルーン部10の先端側へ山形に湾出している。
これにより、バルーン本体11が膨らんだ状態において支持板12側へ傾倒することを効率よく抑制できる。
バルーン部10は、支持板12の高さ方向(
図8の上下方向)の中央に、幅方向(
図3の左右方向)に間隔をあけて並ぶ一、又は複数(図示の例では4つ)の貫通孔からなる第1係合受け孔12b,12b,…を備えている。第1係合受け孔12bは、バルーン本体11、及び支持板12をともに貫通している。尚、支持板12は、図示の例では、バルーン本体11の外側から貼着されているが、バルーン本体11の内側から貼着してもよい。
【0026】
扇風機20は、モーター部21、及びモーター部21に内蔵される電気モーター(不図示)により回転駆動される回転羽根22と、モーター部21、及び回転羽根22を収容する扁平円筒状の防護籠23と、防護籠23に連結される持ち手24と、一対の係合補助具4,4と、首かけ紐26と、ブラケット27とを備えている。
【0027】
モーター部21は、上方(
図3の上方)に開口した有底無蓋の扁平円筒状のモーター収容室21aに、その上部開口から回転軸を突出させた電気モーターを内蔵して構成されている。
【0028】
回転羽根22は、複数枚(例えば、4枚)の羽根を周方向に等角度間隔で配して構成され、モーター部21の電気モーターの回転軸周りに回転するよう設けられている。
【0029】
防護籠23は、
図3、
図5、
図6に示すように、軸方向を回転羽根の軸方向と同じくする扁平円筒状をなし、回転羽根22からの風を送出する前面231と、回転羽根22の側方を覆う円筒状の側面232と、回転羽根22へ外部から空気を供給する後面233とを備えている。前面231には、中心から回転対象に延出する多数のらせん状の防護桟が設けられている。側面232は、回転羽根22の軸に平行に延びる複数の棒状の防護桟8,8を有する縦格子状に設けられており、また、持ち手24の方へ突出する一対の係合用突起9,9が設けられている。後面233は、放射状と円形の防護桟が組み合わせて設けられている。
【0030】
持ち手24は、断面がトラック形の柱状をなし、防護籠23の側面232に連結されたヒンジ241により、回動可能に防護籠23に連結されている。持ち手24は、防護籠23に対し側面視で一直線となる第1姿勢(
図4参照)から、防護籠23に対し側面視で略垂直となる第2姿勢(
図5参照)を経て、防護籠23の後面233に略重なる第3姿勢(
図6参照)まで回動する。持ち手24の基端には、防護籠23の係合用突起9,9に挟持されて、持ち手24を防護籠23に対し第1姿勢で固定する係合受け凸部24aが設けられている。また、持ち手24の基端近傍には左右一対のブラケット係合穴24b,24bが設けられている。持ち手24の内部には、USB端子にて着脱する不図示のリチウム電池が内蔵されている。
【0031】
係合補助具4は、
図7に示すように略矩形の板状をなし、表面41(
図7(a)の紙面手前側の面)に円柱状の係合用突起5が設けられ、裏面42には、上縁に沿って延びる凸条42aと、下縁に沿って延びる凸条42bと、上下方向(
図7(b)の上下方向)の中間位置に設けられるT字突起6が設けられている。係合用突起5は、径方向に貫通する首かけ紐用の係止孔5aを備えている。T字突起6は、突出先端側に設けられた先端部6aが左右(
図7(b)の左右)に二股に分かれるT字状に形成されている。
【0032】
首かけ紐26は、例えば、エラストマーから伸縮自在な紐状に形成され、
図3に示すように、両端にカラビナ26a,26aを備えている。
【0033】
ブラケット27は、金属製の線材を折り曲げ加工して形成され、略コの字をなす支柱部27aと、支柱部27aの左右の両端から支柱部27aに対し略60度に折れ曲がるよう延出する左右一対の平行な受け部27b,27bとを備えている。受け部27b,27bは、先端に左右方向の内側へ折れ曲がる係合用差し込み部27c,27cを備えている。
【0034】
ゴムバンド3は、天然、又は人工のゴムにより帯状に形成され、長手方向に略等間隔に穿設された4つの円形貫通孔からなる第2係合受け孔3a,3a,…を備えている。
【0035】
次に、本発明の第1実施形態に係るバルーン型表示具100の使用方法、及び各部の作用・効果について説明する。
バルーン型表示具100を用いる場合は、まず、一対の係合補助具4,4を、例えば
図4(a)に示したように、係合用突起9,9の反対側において適宜の間隔を開けて、扇風機20に取り付ける。係合補助具4は、
図3、
図8(a)に示すように横倒しにして、T字突起6の先端部6aの長手方向が防護籠23の側面232の隙間8aの延びる方向に合わせ、
図8(b)に示すように、先端部6aを隙間8aへ挿入する。しかるのち、
図8(c)に示すように、T字突起6の先端部6aと防護籠23の防護桟8が直交するように係合補助具4を90度回転させて、T字突起6の先端部6aを防護籠23の防護桟8に係止させる。
【0036】
次に、扇風機20にバルーン部10を取り付ける。バルーン部10の開口部11aを扇風機20の防護籠23に外側から被せて、バルーン部10の4つの第1係合受け孔12b,12b,…に扇風機20の係合用突起9,9、及び係合補助具4の係合用突起5,5を通し、バルーン部10を扇風機20に連結する。続けて、支持板12の外側からゴムバンド3の4つの第2係合受け孔3a,3a,…のうち、両端の第2係合受け孔3a,3aへ係合用突起9,9を通し、中央2つの第2係合受け孔3a,3aへ係合用突起5,5を通すようにして、ゴムバンド3により、バルーン部10の開口部11a周縁を締め付ける。
【0037】
続けて、カラビナ26aを係合用突起5の係止孔5aに通すようにして、首かけ紐26を係合用突起5,5に取り付ける。最後に、
図2、
図3に示すように、ブラケット27の係合用差し込み部27cを持ち手24のブラケット係合穴24bに差し込んで、ブラケット27を持ち手24に固定する。
【0038】
こうして、バルーン型表示具100を組み立てたら、
図1に示すように、持ち手24を鉛直にして手に持ち、防護籠23を回動させて水平にする。しかるのち、扇風機20の電源をONにして、回転羽根22を回転させてバルーン部10内部に空気を流送し、バルーン部10を膨らませる。
【0039】
以上、本実施形態に係るバルーン型表示具100は、持ち手24を備えるので、容易に手に持つことができる。
また、開口部11aを防護籠23の外側から被せるようにして、バルーン部10を扇風機20へ取り付けるので、市販の携帯扇風機を用いることができる。
【0040】
また、防護籠23に径方向外方へ突出する係合用突起5,5,9,9を設け、これをバルーン部10の開口部11a周縁に設けた第1係合受け孔12bへ係合するようにし、開口部11aをゴムバンド3で締め付けるようにしたので、バルーン部10が防護籠23から脱落することを効果的に抑制できる。
【0041】
また、バルーン部10の開口部11a周縁に、上辺12aが上方へ湾出した支持板12を貼設したので、バルーン本体11が傾倒することを効果的に抑制できる。支持板12により開口部11a周縁を補強できるので、バルーン部10の第1係合受け孔12bが係合用突起5により破れてしまうことを抑制できる。
【0042】
また、防護籠23の棒状の防護桟8を利用して取り付け可能な係合補助具4を設けたので、かかる防護桟8を有する市販の携帯扇風機に係合用突起5を設けることができる。
【0043】
加えて、ブラケット27を設けたので、防護籠23が持ち手24に対し90度以上倒れることを防止できる。
【0044】
さらに、
図9に示すように、バルーン部10の切れ込み11bを、少なくとも先端が回転羽根22よりも前方に位置するよう設けたので、バルーン部10が空気で満たされたあと、バルーン部10に入る空気を切れ込み11bから逃すことができる。
【0045】
(第2実施形態)
図10は、本発明の第2実施形態に係るバルーン型表示具に用いる扇風機220を示している。扇風機220は、概ね扇風機20と同形状をなしているが、係合用突起205が防護籠23と一体に設けられている。詳細には、係合用突起205は、防護籠23の側面232の防護桟8、8の隙間8aから突出するようにして設けられている。符号205bは、係合用突起205を補強する補強壁である。
第2実施形態において、第2実施形態と共通する部材は、同一符号を付して説明を省略する。第2実施形態のバルーン部10は、第1実施形態のバルーン部10と同様である。
【0046】
以上、本発明のバルーン型表示具は、上述した実施形態に限られず、接着剤や面テープ両面テープ、再剥離性接着剤等、係合用突起やゴムバンド以外の方法で、バルーン部を防護籠へ連結するようにしてもよい。係合用突起は防護籠の側面ではなく、前面や後面に設けてもよく、回転羽根の径方向外方へ突出するのではなく、回転羽根の前方や後方へ突出するよう設けてもよい。支持板はなくともよいし、支持板の上部端縁は、湾出していなくともよい。係合補助具は、T字突起以外の方法で防護籠に係合してもよい。係合用突起を設けず、ゴムバンドのみでバルーン部を防護籠に係止してもよい。防護籠は、扁平円筒状に限らず、扁平角柱状、円盤状、その他公知の形状をとりうる。持ち手は、防護籠に対し回動不能でもよい。切れ込みの代わりにバルーン本体に孔を設けて空気を逃がすようにしてもよい。また、本発明のバルーン型表示具は、広告や案内表示等、スポーツ観戦以外の用途にも用いうる。
【符号の説明】
【0047】
100 バルーン型表示具
10 バルーン部
11a 開口部
11b 切れ込み
12 支持板
12a 端縁
12b 第1係合受け孔
20,220 扇風機
22 回転羽根
231 前面
23 防護籠
232 側面
24 持ち手
27 ブラケット
3 ゴムバンド
3a 第2係合受け孔
4 係合補助具
41 表面
42 裏面
5,9,205 係合用突起
6 T字突起
8 棒状の防護桟
8a 隙間