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  • 特開-自転車無段変速機 図1
  • 特開-自転車無段変速機 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022100580
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】自転車無段変速機
(51)【国際特許分類】
   F16H 3/54 20060101AFI20220629BHJP
   F16H 3/44 20060101ALI20220629BHJP
   B62M 11/14 20060101ALI20220629BHJP
【FI】
F16H3/54
F16H3/44 A
B62M11/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020214634
(22)【出願日】2020-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】314017303
【氏名又は名称】大石 保洋
(72)【発明者】
【氏名】大石 保洋
【テーマコード(参考)】
3J528
【Fターム(参考)】
3J528EA01
3J528EA07
3J528EA21
3J528EA22
3J528EA28
3J528EB33
3J528EB42
3J528EB64
3J528EB66
3J528EB85
3J528FB06
3J528FC16
3J528FC23
3J528FC62
3J528FD01
3J528FD11
3J528FD21
3J528GA19
3J528HA26
(57)【要約】
【課題】無段階の変速を円滑に行うのみならず、構造が簡単であって安価に提供することができ、変速時にペダル軸の駆動を停止させることなく、騒音、振動、伝動ロス等が少なく、構成各部が摩耗し難い無段変速機を提供する。
【解決手段】ペダル軸に磁力板と太陽歯車を取り付け、太陽歯車のまわりに遊星歯車支持体に回転自在に取付けられた内、外側遊星歯車を配しこの遊星歯車支持体を太陽歯車の回転方向と同一の方向にのみ一方回転とすることにより入力軸も出力軸も停止状態のときは、各歯車は歯車比による常時噛合いの低速状態で、尚克太陽歯車と内歯車と直結待機状態であり、遊星歯車支持体のワンウエイクラッチ接続と磁力により、軽負荷時も、高負荷時も入力軸の回転はいつも出力軸に伝えられてここ一番、力の必要な時にペダルの力を抜く必要がない制御装置不要の無段変速機。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊星歯車を1対以上の遊星歯車支持体に内側及び外側歯車を回転自在に取り付けて、これを一方向回転として、太陽歯車と外側遊星歯車と内歯車と遊星歯車支持体の回転方向を一致させることを特徴とする無段変速機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無段変速機に関するものであり、特に複数の歯車をくみ合わせてなる無段変速機である。
【背景技術】
【0002】
無段変速機としては、金属ベルトを含むVベルト式、リングコーン式、クランクストローク変換式等のものが知られていて、制御装置を必要とするものが多いが、本発明は歯車の組み合わせと腕(遊星歯車支持体)の一方回転化と磁力の誘導により無段階に変速するものであり、又自転車の変速機としては多段変速機としては各種のものがあるが無段変速機としては実用普及しているものは見当たらない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかるに、上記従来の無段変速機には下記の如き問題がある。
(イ) 無段変速機の構成部分が摩耗しやすい。
(ロ) 伝動ロスが多く変速時に入力を止めなければならない物もある。
(ハ) 騒音、振動などを生ずる物もある。
(ニ) 構造が複雑で制御装置を必要とし製造コストが嵩む。
本発明は、上記従来の無段変速機における上記の如き問題を解決し、無段階の変速を円滑に行うのみならず、構造が簡単であって安価に提供することができ、騒音、振動、伝動ロスなどが少なく、構成各部が摩耗し難い無段変速機を提供しようとしてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明は、ペダルにより回転する駆動軸には同時に回転する太陽歯車と永久磁石をペダル軸に対し一方向にのみ回転自在に取付け、遊星歯車支持体と対向させ、この遊星歯車支持体を一方向にのみ回転自在に取付け、尚駆動軸には内歯車をペダル軸に対し回転自在に取り付け、該太陽歯車には内側遊星歯車を歯合させ、該内側遊星歯車には外側遊星歯車を歯合させ、該内歯車に該外側遊星歯車を歯合させ、該駆動軸には該遊星歯車支持体に該内側遊星歯車と該外側遊星歯車とをそれぞれ回転自在に軸支させ、該内歯車を出力軸に連結させてなることを特徴とする無段変速機
【発明の効果】
【0005】
無段変速機は、無段階の変速を円滑に、かつ、制御装置無しで自動的に行う。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明による無段変速機]の一例を示す断面図である。
図2】本発明の回転方向と作動状況を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
ペダル軸1には太陽歯車3と磁石取り付け板2を一方向にのみ回転自在に取り付ける。すなわち、太陽歯車3と磁石は進行方向にのみ回転する、これはペダルを逆転しても足と装置に影響の無い様にするためである。
【0008】
太陽歯車3には内側遊星歯車5を歯合させ、該内側遊星歯車5には外側遊星歯車7を歯合させる。
【0009】
ペダル軸1には内歯車9を該ペダル軸1に対し回転自在に又は一方向にのみ回転自在に取付ける。該内歯車9に外側遊星歯車7を歯合させる。ペダル軸1には遊星歯車支持体(腕)11を一方向にのみ回転自在に取り付ける。すなわち、遊星歯車支持体11は、一例としてワンウエイクラッチベアリング(図示せず)を介してペダル軸1に一方向にのみ回転自在に取り付ける。遊星歯車支持体11に内側遊星歯車5と外側遊星歯車7とを歯合し、軸11 aを介して、それぞれ回転自在に軸支させる、これは内歯車と回転方向を合わせる役目をする。
【0010】
更に、内歯車9の外側にチエーンスプロケット等々を取付けて出力とする。
【0011】
図示の事例においては、太陽歯車3には相対向する三つの内側遊星歯車5を歯合させ、各内側遊星歯車5にはそれぞれ外側遊星歯車7を歯合させ、遊星歯車支持体11にこれらの内側遊星歯車5と外側遊星歯車7とをそれぞれ回転自在に軸支させている。
【0012】
本発明による無段変速機においては、図1に示すように、ペダル軸1を時計方向に回転させると太陽歯車3は時計方向に回転し、内側遊星歯車5は反時計方向に回転し、外側遊星歯車7は時計方向に回転する。しかして、内側遊星歯車5と外側遊星歯車7とはそれぞれ遊星歯車支持体11に回転自在に軸支されているが、該遊星歯車支持体11は一方向(図2における時計方向)にのみ回転自在である。すなわち、遊星歯車支持体11は反時計方向に回転することができないため、時計方向に回転する外側遊星歯車7と歯合する内歯車9は時計方向に回転する。このように、ペダル軸1を時計方向に高負荷で回転させている時には、遊星歯車支持体11は後述の内歯車9の一点に対しては、回転することなく停止状態にあり、無段変速機は太陽歯車3と内側遊星歯車5と外側遊星歯車7と内歯車9との歯車比に応じて変速を行う(1:5位)
【0013】
内歯車9の出力側の負荷が軽くなると、反時計方向に回転することができない遊星歯車支持体11は、ペダル軸に取付けられた磁力板2の磁力にも助けられ内歯車9と同一の方向(時計方向)に徐々に回転し始め、いわば差動状態となる。すなわち、無段変速機は、遊星歯車支持体11の回転速度に応じて、上記と異なる無段階の変速を行い最終的にはペダル軸と内歯車は同一回転数となり、又内歯車9も磁力の影響を受けるがこれも利用できる。
磁力の代わりに摩擦板、油圧逆止弁等の方法もあるが、摩耗等の欠点あり好ましくない。
【0014】
この無段変速機は電動補助自転車には勿論自動車、遠心分離機等々にも利用できる。
【符号の説明】
【0015】
1 駆動軸(ペダル軸)
2 磁力板
3 太陽歯車
5 内側遊星歯車
7 外側遊星歯車
8 車体
9 内歯車
11 遊星歯車支持体
11a 軸
12 一方回転軸受け郡
図1
図2