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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022100687
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】判定用装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 5/00 20060101AFI20220629BHJP
   B66B 11/00 20060101ALI20220629BHJP
【FI】
B66B5/00 D
B66B11/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020214809
(22)【出願日】2020-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 丸人
【テーマコード(参考)】
3F304
3F306
【Fターム(参考)】
3F304BA02
3F304BA07
3F304CA04
3F304EA00
3F304EB15
3F306AA11
3F306DA01
(57)【要約】
【課題】取り扱いが容易な判定用装置を提供する。
【解決手段】判定用装置20は、本体21、及び検出体22を備える。本体21は、つり合いおもり2に着脱可能である。検出体22は、本体21に支持され、本体21がつり合いおもり2に固定された状態で本体21によって検出位置に保持される。検出位置に保持された検出体22は、本体21から水平方向に延びる。検出体22は、検出位置に保持された状態で上方から力を受けると下方に変位し、変位後の位置で本体21に保持される。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベーターの昇降路を移動する移動体に着脱可能な本体と、
前記本体に支持され、前記本体が前記移動体に固定された状態で前記本体によって検出位置に保持される検出体と、
を備え、
前記検出位置に保持された前記検出体は、前記本体から水平方向に延び、
前記検出体は、前記検出位置に保持された状態で上方から力を受けると下方に変位し、変位後の位置で前記本体に保持される判定用装置。
【請求項2】
前記検出体は、前記検出位置に保持された状態で下方から力を受けると上方に変位し、変位後の位置で前記本体に保持される請求項1に記載の判定用装置。
【請求項3】
前記検出体は、前記本体が前記移動体に固定された状態で水平方向に延びる軸を介して前記本体に回転可能に支持された請求項1又は請求項2に記載の判定用装置。
【請求項4】
エレベーターの昇降路を移動する移動体に着脱可能な本体と、
前記本体に支持され、前記本体が前記移動体に固定された状態で前記本体によって検出位置に保持される検出体と、
前記本体及び前記検出体を連結する連結体と、
を備え、
前記検出位置に保持された前記検出体は、前記本体から水平方向に延び、
前記検出体は、前記検出位置に保持された状態で上方又は下方から力を受けると前記本体から外れる判定用装置。
【請求項5】
前記移動体は、エレベーターのかごが移動する方向と反対の方向に移動するつり合いおもりであり、
前記つり合いおもりは、
調整おもりと、
前記調整おもりを支持する枠と、
を備え、
前記本体は、前記枠の上面に着脱可能である請求項1から請求項4の何れか一項に記載の判定用装置。
【請求項6】
前記枠は、前記かごの方向を向く第1側面、及び前記第1側面が向く方向と反対の方向を向く第2側面を有し、
前記本体は、
前記枠の前記上面に吸着する吸着部と、
前記枠の前記第2側面に対向することによって前記検出体を位置決めするための位置決め部と、
を備えた請求項5に記載の判定用装置。
【請求項7】
前記検出体は、
前記本体に支持された支持部と、
前記検出体が前記本体から水平方向に突出する距離が可変となるように前記支持部に設けられた検出部と、
を備えた請求項1から請求項6の何れか一項に記載の判定用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エレベーターで使用される判定用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、エレベーターでは、地震対策としてつり合いおもりに吊枠バンドが取り付けられる。特許文献1に記載された装置は、吊枠バンドを取り付けるためのスペースが確保されているか否かを判定するために用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-34987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された装置は、塗料が塗られた測定体を備える。昇降路に設置された機器等に塗料が付着すると当該機器が故障する恐れがあることから、特許文献1に記載された装置は取り扱いが難しいといった問題があった。
【0005】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされた。本開示の目的は、エレベーターの移動体に機器等を取り付けるためのスペースが確保されているか否かを判定するために用いられる判定用装置であって、取り扱いが容易な判定用装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る判定用装置は、エレベーターの昇降路を移動する移動体に着脱可能な本体と、本体に支持され、本体が移動体に固定された状態で本体によって検出位置に保持される検出体と、を備える。検出位置に保持された検出体は、本体から水平方向に延びる。検出体は、検出位置に保持された状態で上方から力を受けると下方に変位し、変位後の位置で本体に保持される。
【0007】
本開示に係る判定用装置は、エレベーターの昇降路を移動する移動体に着脱可能な本体と、本体に支持され、本体が移動体に固定された状態で本体によって検出位置に保持される検出体と、本体及び検出体を連結する連結体と、を備える。検出位置に保持された検出体は、本体から水平方向に延びる。検出体は、検出位置に保持された状態で上方又は下方から力を受けると本体から外れる。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る判定用装置は、取り扱いが容易である。当該判定用装置を用いることにより、エレベーターの移動体に機器等を取り付けるためのスペースが確保されているか否かを容易に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】エレベーター装置の例を示す図である。
図2】つり合いおもりの例を示す図である。
図3】つり合いおもりを上方から見た図である。
図4】実施の形態1における判定用装置の例を示す図である。
図5図4のC-C断面を示す図である。
図6】判定用装置を用いた判定作業の例を示すフローチャートである。
図7】つり合いおもりに取り付けられた判定用装置の例を示す平面図である。
図8】つり合いおもりに取り付けられた判定用装置を図7に示すD方向から見た図である。
図9】判定用装置の機能を説明するための図である。
図10】判定用装置の機能を説明するための図である。
図11】判定用装置の他の例を示す図である。
図12】判定用装置の他の例を示す図である。
図13】判定用装置の他の例を示す図である。
図14】判定用装置の他の例を示す図である。
図15】判定用装置を図14に示すF方向から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図面を参照して詳細な説明を行う。重複する説明は、適宜簡略化或いは省略する。各図において、同一の符号は同一の部分又は相当する部分を示す。
【0011】
実施の形態1.
図1は、エレベーター装置の例を示す図である。先ず、図1を参照し、エレベーター装置について説明する。エレベーター装置は、かご1及びつり合いおもり2を備える。かご1は、昇降路3を上下に移動する。つり合いおもり2は、昇降路3を上下に移動する。かご1及びつり合いおもり2は、主ロープ4によって昇降路3に吊り下げられる。つり合いおもり2は、かご1が移動する方向とは反対の方向に移動する。かご1及びつり合いおもり2は、昇降路3を移動する移動体の例である。
【0012】
主ロープ4は、巻上機5に巻き掛けられる。かご1は、巻上機5によって駆動される。巻上機5は、制御装置6によって制御される。図1は、巻上機5及び制御装置6が昇降路3の上方の機械室7に設置される例を示す。巻上機5及び制御装置6は、昇降路3に設置されても良い。巻上機5が昇降路3に設置される場合、巻上機5は、昇降路3の頂部に設置されても良いし、昇降路3のピットに設置されても良い。
【0013】
図2は、つり合いおもり2の例を示す図である。つり合いおもり2は、つり合いおもり枠8及び調整おもり9を備える。調整おもり9は、つり合いおもり2の全体の重量を調整するためのおもりである。つり合いおもり2は、多数の調整おもり9を備える。調整おもり9は、つり合いおもり枠8によって支持される。つり合いおもり枠8は、四角環状である。つり合いおもり枠8は、上枠10、下枠11、たて枠12、及びたて枠13を備える。
【0014】
図2に示す例では、つり合いおもり2に一対の吊枠バンド14が設けられる。吊枠バンド14は、地震時に横方向の力を受け、つり合いおもり枠8が広がることにより調整おもり9が脱落することを防止するために備えられた補強用の部材である。吊枠バンド14により、地震時に調整おもり9がつり合いおもり枠8から外れることを防止できる。吊枠バンド14は、たて枠12とたて枠13との間に設けられる。つり合いおもり2を上方から見ると、一対の吊枠バンド14は、つり合いおもり2を囲むように配置される。
【0015】
吊枠バンド14は、既設のエレベーター装置の地震対策として、当該エレベーター装置のつり合いおもり2に取り付けられる。しかし、既設のエレベーター装置では、つり合いおもり2に吊枠バンド14を取り付けることを想定した設計がなされている訳ではない。このため、つり合いおもり2に吊枠バンド14を取り付ける場合、エレベーターの保守員は、その取り付け前に、吊枠バンド14を取り付けるためのスペースが確保されているか否かを判定しなければならない。保守員は、当該スペースが確保されていると確認できた場合のみ、吊枠バンド14をつり合いおもり2に取り付ける。
【0016】
図3は、つり合いおもり2を上方から見た図である。図3は、吊枠バンド14が取り付けられる前のつり合いおもり2を示す。図3に示す例では、つり合いおもり2は、平面視においてかご1と昇降路3を形成する壁3aとの間に配置される。
【0017】
保守員は、つり合いおもり2が移動する範囲に亘って図3に示す領域Aに障害物がないことを確認する。例えば、距離L1=30mm、距離L2=40mmである。なお、領域Aに障害物が存在する場合、その障害物の殆どは、つり合いおもり2とかご1との間或いはつり合いおもり2と壁3aとの間に存在する。例えば、かご1に取り付けられた機器及び部材は障害物になり得る。壁3aに取り付けられた機器及び部材は障害物になり得る。また、壁3a自体も障害物になり得る。
【0018】
図4は、実施の形態1における判定用装置20の例を示す図である。図5は、図4のC-C断面を示す図である。保守員は、判定用装置20を用いて上記判定作業を行う。判定用装置20は、本体21、及び検出体22を備える。
【0019】
本体21は、つり合いおもり2に着脱可能である。つり合いおもり2の調整おもり9は、下枠11の上に重ねられる。積み重ねられた調整おもり9に判定用装置20を取り付けることは難しい。このため、本体21は、つり合いおもり枠8に着脱可能であることが好適である。図4及び図5に示す例では、本体21は、吸着部23、本体部24、保持部25、及び保持部26を備える。
【0020】
一例として、吸着部23は、つり合いおもり枠8に吸着可能な磁石である。本体21は、吸着以外の手段でつり合いおもり枠8に着脱可能であっても良い。本体部24は、断面が長方形状の棒状の部材である。吸着部23は、本体部24の表面24aに設けられる。本体部24の表面24bに、保持部25及び保持部26が設けられる。表面24bは、表面24aが向く方向とは反対の方向を向く。保持部25に貫通孔25aが形成される。保持部26に貫通孔26aが形成される。貫通孔25a及び貫通孔26aは、本体部24の長手の方向に対して平行となるように形成される。貫通孔25a及び貫通孔26aは、一直線状に形成される。
【0021】
検出体22は、本体21に対して変位可能となるように本体21に支持される。図4及び図5に示す例では、検出体22は、検出部27、軸28、及び軸29を備える。
【0022】
検出部27は、板状である。軸28及び軸29は、検出部27に設けられる。軸28及び軸29は、検出部27の長手の方向に対して平行に配置される。また、軸28及び軸29は、一直線状に配置される。軸28は、貫通孔25aを貫通する。軸29は、貫通孔26aを貫通する。これにより、検出体22は本体21に対して回転可能に支持される。
【0023】
なお、検出体22に外力が作用しなければ、検出体22は本体21に対して変位しない。検出体22に特定の方向から外力が作用すると、検出体22は本体21に対して変位する。図4及び図5は、軸28と貫通孔25aの嵌め合い及び軸29と貫通孔26aの嵌め合いによって上記機能を実現する例を示す。他の例として、保持部25に、軸28を保持する力を調節するための機構が備えられても良い。保持部26に、軸29を保持する力を調節するための機構が備えられても良い。
【0024】
次に、判定用装置20を用いた判定作業について詳しく説明する。図6は、判定用装置20を用いた判定作業の例を示すフローチャートである。エレベーターの保守員は、先ず、判定用装置20をつり合いおもり2に取り付ける(S101)。S101において、保守員は、先ず、判定用装置20を持ってかご1の上に乗る。次に、保守員は、かご1を特定の中間高さに移動させる。当該中間高さは、保守員がかご1の上から判定用装置20をつり合いおもり2に取り付けることができる高さである。保守員は、かご1を当該中間高さに停止させると、判定用装置20をつり合いおもり2に取り付ける。
【0025】
図7は、つり合いおもり2に取り付けられた判定用装置20の例を示す平面図である。図8は、つり合いおもり2に取り付けられた判定用装置20を図7に示すD方向から見た図である。図7及び図8は、判定用装置20が上枠10の表面10aに取り付けられた例を示す。例えば、表面10aは壁3aに対向する。
【0026】
図7及び図8に示す例では、吸着部23が上枠10の表面10aに吸着することによって判定用装置20がつり合いおもり枠8に固定される。S101において、保守員は、検出部27の先端が領域Aの境界と一致するように判定用装置20を配置する。即ち、保守員は、平面視において判定用装置20がつり合いおもり2から水平方向に突出する距離が距離L1になるように、判定用装置20を配置する。なお、検出部27の幅Wは、領域Aの幅に一致することが好ましい。しかし、幅Wは、図7に示すように領域Aの幅と完全に一致していなくても良い。
【0027】
図7及び図8に示すように、本体21がつり合いおもり2に固定された状態において、検出体22は、本体21によって検出位置に保持される。検出位置は、領域Aに存在する障害物を検出するための位置である。検出位置に保持された検出体22は、本体21から水平方向に延びる。具体的には、検出体22は水平に配置される。
【0028】
次に、保守員は、かご1の上に備えられた操作端末(図示せず)を用いてかご1を往復移動させる(S102)。例えば、保守員は、判定用装置20を図7及び図8に示すようにつり合いおもり2に取り付けると、かご1を上方に移動させ、かご1を最上階の乗場に停止させる。これにより、つり合いおもり2は下方に移動し、可動範囲の最下位置に停止する。次に、保守員は、かご1を下方に移動させ、かご1を最下階の乗場に停止させる。これにより、つり合いおもり2は上方に移動し、可動範囲の最上位置に停止する。次に、保守員は、かご1を上方に移動させ、かご1を上記中間高さに再停止させる。
【0029】
保守員は、S102でかご1を中間高さに再停止させると、検出体22が検出位置から変位しているか否かを確認する(S103)。図9及び図10は、判定用装置20の機能を説明するための図である。図9及び図10は、つり合いおもり2に取り付けられた判定用装置20を図7に示すD方向から見た図に相当する。
【0030】
図9は、つり合いおもり2が上方に移動している例を示す。図9は、壁3aに設けられた障害物15の一部が、平面視において領域Aに存在する例を示す。かかる場合、つり合いおもり2が上方に移動することにより、判定用装置20の検出体22は障害物15に下方から衝突する。検出体22は、障害物15に衝突する直前まで本体21によって検出位置に保持されている。検出体22は、検出位置に保持された状態で上方から力を受けると、軸28及び軸29を中心に回転して下方に変位する。検出体22は、変位後の位置、即ち先端部が検出位置より下がった状態で、本体21に保持される。
【0031】
図10は、つり合いおもり2が下方に移動している例を示す。図10図9と同様に、障害物15の一部が、平面視において領域Aに存在する例を示す。かかる場合、つり合いおもり2が下方に移動することにより、判定用装置20の検出体22は障害物15に上方から衝突する。検出体22は、障害物15に衝突する直前まで本体21によって検出位置に保持されている。検出体22は、検出位置に保持された状態で下方から力を受けると、軸28及び軸29を中心に回転して上方に変位する。検出体22は、変位後の位置、即ち先端部が検出位置より上がった状態で、本体21に保持される。
【0032】
なお、図9及び図10は、判定用装置20が上枠10の表面10aに取り付けられた例であるが、実際には、判定用装置20は上枠10の表面10bにも取り付けられる。表面10bは、表面10aが向く方向とは反対の方向を向く面である。即ち、表面10bは、平面視においてかご1の方向を向く。
【0033】
このように、S102でつり合いおもり2が往復移動している間に障害物15が検出体22に接触すると、検出体22は検出位置から変位する。かご1が上記中間高さに再停止した際に検出体22が検出位置に配置されたままであれば、保守員はS103でNoと判定する。かかる場合、保守員は、吊枠バンド14を取り付けるためのスペースが確保されていると判断する。保守員は、S103でNoと判定すると、判定用装置20をつり合いおもり2から外した後に、吊枠バンド14をつり合いおもり2に取り付ける(S104)。
【0034】
一方、かご1が上記中間高さに再停止した際に検出体22が検出位置から変位していれば、保守員はS103でYesと判定する。かかる場合、保守員は、吊枠バンド14を取り付けるためのスペースが確保されていないと判断する。
【0035】
本実施の形態に示す例であれば、つり合いおもり2を移動させた後に検出体22の位置を確認するだけで、つり合いおもり2に吊枠バンド14を取り付けるためのスペースが確保されているか否かを判定することができる。即ち、判定用装置20を用いることにより、上記判定を容易に行うことができる。また、判定用装置20は従来装置のように塗料等を使用しない。このため、取り扱いが容易である。
【0036】
なお、図6に示す例では、S102においてかご1を往復移動させたが、これは一例である。例えば、昇降路3のピットで判定用装置20の取り付けが可能であり且つ昇降路3の頂部で判定用装置20の取り外しが可能であれば、S102においてかご1を最上階の乗場から最下階の乗場まで一方向に移動させても良い。
【0037】
以下に、判定用装置20が採用可能な他の例について説明する。判定用装置20は、可能であれば、以下に示す複数の例を組み合わせて採用しても良い。
【0038】
図11は、判定用装置20の他の例を示す図である。図11は、図8に相当する図である。図11に示す例では、判定用装置20は、本体21、及び検出体22を備える。本体21は、吸着部23、本体部24、位置決め部30、保持部25、及び保持部26を備える。検出体22は、検出部27、軸28、及び軸29を備える。
【0039】
図11に示す例において、本体部24に設けられた吸着部23は、上枠10の上面10cに吸着する。即ち、図11に示す例では、本体21は、つり合いおもり枠8の上面に着脱可能である。位置決め部30は、本体部24に設けられる。位置決め部30は、吸着部23が上面10cに吸着した状態において、本体部24から下方に延びる。位置決め部30は、上枠10の表面10a或いは表面10bに対向することによって検出体22を位置決めするための部材である。例えば、吸着部23が上面10cに吸着した状態において位置決め部30を表面10aに接触させることにより、検出体22が検出位置に配置される。
【0040】
保持部25及び保持部26は、本体部24に設けられる。保持部25及び保持部26は、位置決め部30に設けられても良い。保持部25、保持部26、及び検出体22は、図4及び図5に示す例と同様である。検出体22は、本体21が上枠10の上面10cに固定された状態で水平方向に延びる軸28及び軸29を介して、本体21に回転可能に支持される。また、検出体22は、図9及び図10に示す例と同様に、検出位置に保持された状態で上方又は下方から力を受けると、力を受けた方向に応じて変位し、変位後の位置で本体21に保持される。
【0041】
図12は、判定用装置20の他の例を示す図である。図12は、図7に相当する図である。図12に示す例では、判定用装置20は、本体21、及び検出体22を備える。本体21は、吸着部23、本体部24、位置決め部30、保持部25、及び保持部26を備える。検出体22は、検出部27、軸28、及び軸29を備える。
【0042】
図12に示す例において、本体部24に設けられた吸着部23は、たて枠13の表面13aに吸着する。表面13aは、つり合いおもり2の移動を案内するためのガイドレール16に対向する。即ち、図12に示す例では、本体21は、つり合いおもり枠8の側面に着脱可能である。
【0043】
位置決め部30は、本体部24に設けられる。位置決め部30は、吸着部23が表面13aに吸着した状態において、本体部24から側方に延びる。位置決め部30は、たて枠13の表面のうち壁3a側を向く表面13b或いは平面視においてかご1側を向く表面に対向することによって検出体22を位置決めするための部材である。例えば、吸着部23が表面13aに吸着した状態において位置決め部30を表面13bに接触させることにより、検出体22が検出位置に配置される。
【0044】
保持部25及び保持部26は、位置決め部30に設けられる。保持部25、保持部26、及び検出体22は、図4及び図5に示す例と同様である。検出体22は、本体21がたて枠13の表面13aに固定された状態で水平方向に延びる軸28及び軸29を介して、本体21に回転可能に支持される。また、検出体22は、図9及び図10に示す例と同様に、検出位置に保持された状態で上方又は下方から力を受けると、力を受けた方向に応じて変位し、変位後の位置で本体21に保持される。
【0045】
図13は、判定用装置20の他の例を示す図である。図13は、図4に相当する図である。図13に示す例では、判定用装置20は、本体21、及び検出体22を備える。本体21は、図4及び図5に示す例と同様である。本体21は、図11に示す例と同様であっても良い。本体21は、図12に示す例と同様であっても良い。
【0046】
図13に示す例では、検出体22が伸縮可能である点で上述した各例と相違する。検出体22は、支持部31、検出部27、軸28、軸29、及びボルト32を備える。
【0047】
支持部31は、板状である。軸28及び軸29は、支持部31に設けられる。軸28及び軸29は、支持部31の長手の方向に対して平行に配置される。また、軸28及び軸29は、一直線状に配置される。軸28は、貫通孔25aを貫通する。軸29は、貫通孔26aを貫通する。これにより、支持部31は本体21に対して回転可能に支持される。
【0048】
検出部27は、板状である。検出部27は、本体21がつり合いおもり2に固定された状態で検出体22が本体21から水平方向に突出する距離が可変になるように、支持部31に設けられる。例えば、検出部27は、支持部31に重なり合うように配置される。また、検出部27に、軸28及び軸29と直交する方向に長手を有する長孔27aが形成される。ボルト32は、長孔27aを貫通し、支持部31に形成されたねじ孔(図示せず)にねじ込まれる。ボルト32を緩めた状態であれば、検出部27を支持部31に対して図13の矢印Eで示す方向に動かすことができる。ボルト32を締め付けることにより、検出部27は支持部31に固定される。
【0049】
例えば、2種類の吊枠バンド14が用意され、図3に示すA領域とB領域との双方に障害物がなければ、吊枠バンド14をつり合いおもり2に取り付けることができる場合を考える。例えば、L3=40mmである。かかる場合、保守員は、図13に示す判定用装置20を用いて、上述の判定作業を行う。この時、保守員は、検出部27の先端が領域B(L3=40mm)の境界と一致するように判定用装置20を配置する。そして、保守員は、S103でNoと判定できれば、S104で高強度の吊枠バンド14をつり合いおもり2に取り付ける。
【0050】
一方、保守員は、S103でYesと判定すると、検出部27の先端が領域A(L1=30mm)の境界と一致するように判定用装置20を配置し直し、上述の判定作業を再度行う。そして、保守員は、S103でNoと判定できれば、S104において通常の吊枠バンド14をつり合いおもり2に取り付ける。
【0051】
図14は、判定用装置20の他の例を示す図である。図15は、判定用装置20を図14に示すF方向から見た図である。図14は、図4に相当する図である。図15は、図5に相当する図である。図14及び図15に示す例では、判定用装置20は、本体21、検出体22、及び連結体33を備える。
【0052】
本体21は、つり合いおもり2に着脱可能である。本体21は、つり合いおもり枠8に着脱可能であることが好適である。図14及び図15に示す例では、本体21は、吸着部23、本体部24、保持部34、及び保持部35を備える。
【0053】
一例として、吸着部23は、つり合いおもり枠8に吸着可能な磁石である。本体21は、吸着以外の手段でつり合いおもり枠8に着脱可能であっても良い。本体部24は、断面が長方形状の棒状の部材である。吸着部23は、本体部24の表面24aに設けられる。本体部24の表面24bに、保持部34及び保持部35が設けられる。
【0054】
検出体22は、本体21に支持される。図14及び図15に示す例では、検出体22は板状である。検出体22は、一方の縁部22aが保持部34及び保持部35によって挟まれることにより、本体21に支持される。本体21に支持された検出体22は、縁部22aから表面24bが向く方向に延びる。
【0055】
なお、検出体22に外力が作用しなければ、検出体22は本体21に保持されたままの状態を維持する。一方、検出体22に特定の方向から外力が作用すると、検出体22は本体21から外れる。即ち、保持部34及び保持部35が検出体22を挟み込む力は、検出体22に特定の方向から外力が作用した際に検出体22が本体21から外れるように予め設定されている。
【0056】
連結体33は、本体21と検出体22とを連結する。連結体33は、検出体22が本体21から外れた際に検出体22が落下することを防止する。
【0057】
図14及び図15に示す例においても、本体21がつり合いおもり2に固定された状態において、検出体22は、本体21によって検出位置に保持される。検出位置に保持された検出体22は、本体21から水平方向に延びる。具体的には、検出体22は水平に配置される。そして、検出体22は、検出位置に保持された状態で上方から力を受けると、図15に示すように本体21から外れる。同様に、検出体22は、検出位置に保持された状態で下方から力を受けると、図15に示すように本体21から外れる。本体21から外れた検出体22は、連結体33に吊られた状態で保持される。
【0058】
図14及び図15に示す判定用装置20を用いる場合、保守員は、S103において、検出体22が本体21から外れているか否かを判定する。検出体22が本体21に保持されたままであれば、保守員はS103でNoと判定する。検出体22が本体21から外れていれば、保守員はS103でYesと判定する。
【0059】
上述の各例において、保守員は、上記判定作業を行う度に判定用装置20を現場に持ち込む。このため、判定用装置20は運搬し易いことが望ましい。例えば、図4に示す例において、検出部27を分離式、伸縮式、或いは折り畳み式とし、保持部25及び保持部26のそれぞれに対して本体部24と吸着部23とを設けても良い。
【0060】
また、本実施の形態では、判定用装置20をつり合いおもり2に取り付ける例について説明した。これは一例である。かご1に機器或いは部材を取り付ける場合に、判定用装置20と同様の装置を用いて取り付け用のスペースが確保されているか否かを判定しても良い。
【符号の説明】
【0061】
1 かご、 2 つり合いおもり、 3 昇降路、 3a 壁、 4 主ロープ、 5 巻上機、 6 制御装置、 7 機械室、 8 つり合いおもり枠、 9 調整おもり、 10 上枠、 10a~10b 表面、 10c 上面、 11 下枠、 12~13 たて枠、 13a~13b 表面、 14 吊枠バンド、 15 障害物、 16 ガイドレール、 20 判定用装置、 21 本体、 22 検出体、 22a 縁部、 23 吸着部、 24 本体部、 24a~24b 表面、 25~26 保持部、 25a~26a 貫通孔、 27 検出部、 27a 長孔、 28~29 軸、 30 位置決め部、 31 支持部、 32 ボルト、 33 連結体、 34~35 保持部
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