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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022100733
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】ブラインド装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/264 20060101AFI20220629BHJP
   E06B 9/386 20060101ALI20220629BHJP
   E06B 5/00 20060101ALI20220629BHJP
   H02S 20/26 20140101ALI20220629BHJP
   H02S 20/30 20140101ALI20220629BHJP
【FI】
E06B9/264 B
E06B9/264 C
E06B9/386
E06B5/00 A
H02S20/26
H02S20/30 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020214899
(22)【出願日】2020-12-24
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】宮道 祐介
(72)【発明者】
【氏名】高橋 雅也
(72)【発明者】
【氏名】廣橋 武
【テーマコード(参考)】
2E043
2E239
【Fターム(参考)】
2E043BB14
2E043BB24
2E043BB25
2E043BE03
2E043BE13
2E043DB05
2E239AA01
2E239AA09
(57)【要約】
【課題】 ブラインド装置を適切に制御することを可能とするブラインド装置を提供する。
【解決手段】 ブラインド装置は、太陽電池セルが配置されたスラットと、前記ブラインド装置を制御する制御装置と前記ブラインド装置との間の通信を実行する通信部と、を備え、前記通信で用いるメッセージに含まれる情報要素は、前記ブラインド装置の動作状態を特定するための情報要素を含み、前記動作状態は、前記太陽電池セルの発電電力を最大化するように前記スラットの角度を調整する第1運転状態、前記太陽電池セルの発電電力を最大化する前記スラットの角度を探索する第2運転状態、及び、前記ブラインド装置が設置される空間の照度及び温度の少なくともいずれかに基づいて前記スラットの角度を調整する第3運転状態の少なくともいずれかの動作状態を含む。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラインド装置であって、
太陽電池セルが配置されたスラットと、
前記ブラインド装置を制御する制御装置と前記ブラインド装置との間の通信を実行する通信部と、を備え、
前記通信で用いるメッセージに含まれる情報要素は、前記ブラインド装置の動作状態を特定するための情報要素を含み、
前記動作状態は、前記太陽電池セルの発電電力を最大化するように前記スラットの角度を調整する第1運転状態、前記太陽電池セルの発電電力を最大化する前記スラットの角度を探索する第2運転状態、及び、前記ブラインド装置が設置される空間の照度及び温度の少なくともいずれかに基づいて前記スラットの角度を調整する第3運転状態の少なくともいずれかの動作状態を含む、ブラインド装置。
【請求項2】
前記通信部は、前記情報要素を含むメッセージとして、前記ブラインド装置を前記動作状態で制御するように指示するメッセージを前記制御装置から受信する、請求項1に記載のブラインド装置。
【請求項3】
前記通信部は、前記情報要素を含むメッセージとして、前記ブラインド装置に適用されている前記動作状態を要求するメッセージを前記制御装置から受信する、請求項1又は請求項2に記載のブラインド装置。
【請求項4】
前記通信部は、前記情報要素を含むメッセージとして、前記ブラインド装置に適用されている前記動作状態を通知するメッセージを前記制御装置に送信する、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のブラインド装置。
【請求項5】
ブラインド装置であって、
太陽電池セルが配置されたスラットと、
前記ブラインド装置を制御する制御装置と前記ブラインド装置との間の通信を実行する通信部と、を備え、
前記通信で用いるメッセージに含まれる情報要素は、前記ブラインド装置の異常状態を特定するための情報要素を含み、
前記異常状態は、前記ブラインド装置が設置される空間の温度に起因する第1異常状態、前記スラットの振動及び衝撃の少なくともいずれか1つに起因する第2異常状態、及び、前記スラットに対する接触及び前記スラットの変形の少なくともいずれか1つに起因する第3異常状態の少なくともいずれかの異常状態を含む、ブラインド装置。
【請求項6】
前記通信部は、前記情報要素を含むメッセージとして、前記ブラインド装置で生じている前記異常状態を要求するメッセージを前記制御装置から受信する、請求項5に記載のブラインド装置。
【請求項7】
前記通信部は、前記情報要素を含むメッセージとして、前記ブラインド装置で生じている前記異常状態を通知するメッセージを前記制御装置に送信する、請求項5又は請求項6に記載のブラインド装置。
【請求項8】
ブラインド装置であって、
太陽電池セルが配置されたスラットと、
前記ブラインド装置を制御する制御装置と前記ブラインド装置との間の通信を実行する通信部と、を備え、
前記通信で用いるメッセージに含まれる情報要素は、前記太陽電池セルが電力系統と連系しているか否かを示す系統連系状態を特定するための情報要素を含む、ブラインド装置。
【請求項9】
前記通信部は、前記情報要素を含むメッセージとして、前記系統連系状態を要求するメッセージを前記制御装置から受信する、請求項8に記載のブラインド装置。
【請求項10】
前記通信部は、前記情報要素を含むメッセージとして、前記系統連系状態を通知するメッセージを前記制御装置に送信する、請求項8又は請求項9に記載のブラインド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラインド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スラットを有するブラインド装置において、スラットの表面に太陽電池セル(以下、PV(Photovoltaic)セル)を配置する技術が提案されている。このような技術において、PVセルから電力を取り出すためのリード線の損傷を防ぐ技術も提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2020/116413号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したブラインド装置を制御する場合において、ブラインド装置を制御する制御装置(例えば、EMS; Energy Management System)とブラインド装置との間の通信が必要である。特に、制御装置及びブラインド装置が別々のエンティティによって提供されるケースも想定される。
【0005】
このような背景下において、発明者等は、鋭意検討の結果、ブラインド装置を適切に制御するためには、制御装置とブラインド装置との間の通信で用いるメッセージに含まれる情報要素を適切に定義する必要性を見出した。
【0006】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、ブラインド装置を適切に制御することを可能とするブラインド装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の特徴は、ブラインド装置であって、太陽電池セルが配置されたスラットと、前記ブラインド装置を制御する制御装置と前記ブラインド装置との間の通信を実行する通信部と、を備え、前記通信で用いるメッセージに含まれる情報要素は、前記ブラインド装置の動作状態を特定するための情報要素を含み、前記動作状態は、前記太陽電池セルの発電電力を最大化するように前記スラットの角度を調整する第1運転状態、前記太陽電池セルの発電電力を最大化する前記スラットの角度を探索する第2運転状態、及び、前記ブラインド装置が設置される空間の照度及び温度の少なくともいずれかに基づいて前記スラットの角度を調整する第3運転状態の少なくともいずれかの動作状態を含む、ことを要旨とする。
【0008】
第2の特徴は、ブラインド装置であって、太陽電池セルが配置されたスラットと、前記ブラインド装置を制御する制御装置と前記ブラインド装置との間の通信を実行する通信部と、を備え、前記通信で用いるメッセージに含まれる情報要素は、前記ブラインド装置の異常状態を特定するための情報要素を含み、前記異常状態は、前記ブラインド装置が設置される空間の温度に起因する第1異常状態、前記スラットの振動及び衝撃の少なくともいずれか1つに起因する第2異常状態、及び、前記スラットに対する接触及び前記スラットの変形の少なくともいずれか1つに起因する第3異常状態の少なくともいずれかの異常状態を含む、ことを要旨とする。
【0009】
第3の特徴は、ブラインド装置であって、太陽電池セルが配置されたスラットと、前記ブラインド装置を制御する制御装置と前記ブラインド装置との間の通信を実行する通信部と、を備え、前記通信で用いるメッセージに含まれる情報要素は、前記太陽電池セルが電力系統と連系しているか否かを示す系統連系状態を特定するための情報要素を含む、ことを要旨とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ブラインド装置を適切に制御することを可能とするブラインド装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態に係る電力管理システム100を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る施設300を示す図である。
図3図3は、実施形態に係るブラインド装置340を示す図である。
図4図4は、実施形態に係るローカル制御装置360を示す図である。
図5図5は、実施形態に係るメッセージ例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る動作例を説明するための図である。
図7図7は、実施形態に係る動作例を説明するための図である。
図8図8は、実施形態に係る動作例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下において、実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものである。
【0013】
[実施形態]
(電力管理システム)
以下において、実施形態に係る電力管理システムについて説明する。
【0014】
図1に示すように、電力管理システム100は、管理サーバ200と、施設300と、を有する。図1では、施設300として、施設300A~施設300Cが例示されている。
【0015】
各施設300は、電力系統110に接続される。以下において、電力系統110から施設300への電力の流れを潮流と称し、施設300から電力系統110への電力の流れを逆潮流と称する。電力系統110から施設300への潮流電力は需要電力と称されてもよい。需要電力は、施設300から電力系統110への逆潮流電力を含む概念であってもよい。このようなケースにおいて、潮流電力は正の値で表され、逆潮流電力は負の値で表されてもよい。
【0016】
管理サーバ200及び施設300は、ネットワーク120に接続されている。ネットワーク120は、管理サーバ200と施設300との間の回線を提供すればよい。例えば、ネットワーク120は、インターネットを含んでもよい。ネットワーク120は、VPN(Virtual Private Network)などの専用回線を含んでもよい。
【0017】
管理サーバ200は、電力系統110の需給バランスを調整する電力管理サーバの一例である。管理サーバ200は、発電事業者、送配電事業者或いは小売事業者、リソースアグリゲータなどの事業者によって管理されるサーバである。リソースアグリゲータは、VPP(Virtual Power Plant)において、発電事業者、送配電事業者及び小売事業者などに逆潮流電力を提供する電力事業者であってもよい。リソースアグリゲータは、リソースアグリゲータによって管理される施設300の潮流電力(消費電力)の削減電力を生み出す電力事業者であってもよい。
【0018】
管理サーバ200は、施設300に設置されるローカル制御装置360に対して、施設300に設置される分散電源(例えば、太陽電池装置310、蓄電装置320又は燃料電池装置330)に対する制御を指示する制御メッセージを送信する。例えば、管理サーバ200は、潮流の制御を要求する潮流制御メッセージを送信してもよく、逆潮流の制御を要求する逆潮流制御メッセージを送信してもよい。さらに、管理サーバ200は、分散電源の動作状態を制御する電源制御メッセージを送信してもよい。潮流又は逆潮流の制御度合いは、絶対値(例えば、○○kW)で表されてもよく、相対値(例えば、○○%)で表されてもよい。或いは、潮流又は逆潮流の制御度合いは、2以上のレベルで表されてもよい。潮流又は逆潮流の制御度合いは、現在の電力需給バランスによって定められる電力料金(RTP; Real Time Pricing)によって表されてもよく、過去の電力需給バランスによって定められる電力料金(TOU; Time Of Use)によって表されてもよい。
【0019】
施設300は、図2に示すように、太陽電池装置310、蓄電装置320、燃料電池装置330と、ブラインド装置340、負荷機器350、ローカル制御装置360及び計測装置390を有する。
【0020】
太陽電池装置310は、太陽光などの光に応じて発電を行う分散電源である。太陽電池装置310は、VPPで用いる分散電源の一例であってもよい。例えば、太陽電池装置310は、PCS(Power Conditioning System)及び太陽光パネルによって構成される。
【0021】
蓄電装置320は、電力の充電及び電力の放電を行う分散電源である。蓄電装置320は、VPPで用いる分散電源の一例であってもよい。例えば、蓄電装置320は、PCS及び蓄電池セルによって構成される。
【0022】
燃料電池装置330は、燃料を用いて発電を行う分散電源である。燃料電池装置330は、VPPで用いる分散電源の一例であってもよい。例えば、燃料電池装置330は、PCS及び燃料電池セルによって構成される。
【0023】
例えば、燃料電池装置330は、固体酸化物型燃料電池(SOFC: Solid Oxide Fuel Cell)であってもよく、固体高分子型燃料電池(PEFC: Polymer Electrolyte Fuel Cell)であってもよく、リン酸型燃料電池(PAFC: Phosphoric Acid Fuel Cell)であってもよく、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC: Molten Carbonate Fuel Cell)であってもよい。
【0024】
ブラインド装置340は、窓などに取り付けられる装置であって、ブラインド装置340が設置される空間への日差しを遮ることを可能とする装置である。ブラインド装置340は、窓の屋内側に取り付けられてもよいし、屋外側に取り付けられてもよい。具体的には、ブラインド装置340は、複数のスラットを有しており、モータなどによって複数のスラットを制御する装置である。
【0025】
スラットは、矩形状の前面および矩形状の裏面を有する。矩形状の前面は、若干張り出すように湾曲している凸状の面(以下、凸状面)であってもよい。矩形状の裏面は、若干凹むように湾曲している凹状の面(以下、凹状面)であってもよい。スラットの制御は、スラットの巻き上げ、スラットの繰り出し及びスラットの角度調整の少なくともいずれか1つの制御を含んでもよい。また、スラットの制御は、複数のスラットのうちの一部のスラットに対する制御を含んでもよい。すなわち、スラットの制御は、複数のスラットのうち所定枚数のスラットに対する制御を含んでもよい。
【0026】
ブラインド装置340は、地面又は床面に対して水平方向に沿って延びるスラットが、地面又は床面に対して垂直方向に並べられた横型タイプであってもよく、地面又は床面に対して垂直方向に沿って延びるスラットが、地面又は床面に対して水平方向に並べられた縦型タイプであってもよい。ブラインド装置340は、電動ブラインドと称されてもよい。ブラインド装置340は、PV付き電動ブラインドと称されてもよい。
【0027】
実施形態では、ブラインド装置340は、太陽電池セル(以下、PV(Photovoltaic)セル)が配置されたスラットを有する。PVセルは、スラットの表面に配置される。具体的には、PVセルは、スラットの凸状面に配置される。また、スラットの凹状面に配置されてもよいし、スラットの凸状面及び凹状面の両方に配置されてもよい。従って、ブラインド装置340は、太陽光などの光に応じて発電を行う分散電源の一例であると考えてもよい。ブラインド装置340は、PCSを含んでもよく、PCSを含まなくてもよい。スラットに配置されたPVセルのPCSとして、太陽電池装置310のPCSが用いられてもよい。ブラインド装置340の詳細については後述する(図3を参照)。
【0028】
負荷機器350は、電力を消費する機器である。例えば、負荷機器350は、空調機器、照明機器、AV(Audio Visual)機器などである。
【0029】
ローカル制御装置360は、ブラインド装置340を制御する制御装置の一例である。ローカル制御装置360は、施設300の電力を管理する装置(EMS; Energy Management System)であってもよい。ローカル制御装置360は、太陽電池装置310の動作状態を制御してもよく、蓄電装置320の動作状態を制御してもよく、燃料電池装置330の動作状態を制御してもよい。ローカル制御装置360は、ブラインド装置340の動作状態を制御してもよく、負荷機器350の動作状態を制御してもよい。ローカル制御装置360の詳細については後述する(図4を参照)。ローカル制御装置360は、上述した各装置の中から選択された2以上の装置を制御してもよいことは勿論である。
【0030】
計測装置390は、施設300に関する電力を計測する計測装置の一例である。計測装置390は、施設に関する電力として、電力系統110から施設300への潮流電力を計測してもよい。すなわち、施設300に関する電力は施設300の需要電力であると考えてもよい。計測装置390は、施設に関する電力として、施設300から電力系統110への逆潮流電力を計測してもよい。計測装置390によって計測される値は、計測値と称されてもよい。計測装置390は、施設300に関する電力を示す情報要素を含むメッセージを第1周期(例えば、1分)で送信してもよい。計測装置390は、メッセージをローカル制御装置360に送信してもよく、管理サーバ200に送信してもよい。計測装置390は、自律的にメッセージを送信してもよく、送信相手の要求に応じてメッセージを送信してもよい。計測装置390は、電力系統110を管理する事業者に帰属するSmart Meterであってもよい。
【0031】
実施形態において、管理サーバ200とローカル制御装置360との間の通信は、第1プロトコルに従って行われる。一方で、ローカル制御装置360と分散電源(太陽電池装置310、蓄電装置320又は燃料電池装置330)との間の通信は、第1プロトコルとは異なる第2プロトコルに従って行われる。例えば、第1プロトコルとしては、Open ADR(Automated Demand Response)に準拠するプロトコル、或いは、独自の専用プロトコルを用いることができる。例えば、第2プロトコルとしては、ECHONET Lite(登録商標)に準拠するプロトコル、SEP(Smart Energy Profile)2.0、KNX、或いは、独自の専用プロトコルを用いることができる。例えば、第1プロトコル及び第2プロトコルの双方は、独自の専用プロトコルであってもよく、異なる規則で作られたプロトコルであればよい。但し、第1プロトコル及び第2プロトコルは、同一の規則で作られたプロトコルであってもよい。
【0032】
(ブラインド装置)
以下において、実施形態に係るブラインド装置について説明する。図3に示すように、ブラインド装置340は、通信部341と、スラット342と、制御部343と、を有する。
【0033】
通信部341は、通信モジュールによって構成される。通信モジュールは、IEEE802.11a/b/g/n、ZigBee、Wi-SUN、LTE、5Gなどの規格に準拠する無線通信モジュールであってもよく、IEEE802.3などの規格に準拠する有線通信モジュールであってもよい。
【0034】
例えば、通信部341は、ブラインド装置340とローカル制御装置360との間の通信を制御する。言い換えると、通信部341は、ローカル制御装置360と通信する。このような通信は、第2プロトコルに準拠するプロトコルを用いて実行される。以下においては、第2プロトコルとして、ECHONET Lite(登録商標)について主として例示する。
【0035】
第1に、通信で用いるメッセージに含まれる情報要素は、ブラインド装置340の動作状態を特定するための情報要素を含んでもよい。動作状態は、第1運転状態、第2運転状態及び第3運転状態の少なくともいずれかの動作状態を含んでもよい。
【0036】
第1運転状態は、PVセルの発電電力を最大化するようにスラット342の角度を調整する動作状態である。すなわち、第1運転状態では、ブラインド装置340が設置される空間への日差しよりもPVセルの発電電力が優先される。
【0037】
第2運転状態は、PVセルの発電電力を最大化するスラット342の角度を探索する動作状態である。具体的には、第2運転状態では、スラット342の角度を徐々に変更しながらPVセルの発電電力を計測することによって、PVセルの発電電力を最大化するスラット342の角度が探索される。スキャンモードで角度が変更されるスラット342は、ブラインド装置340に設けられる複数のスラット342の一部であってもよい。
【0038】
上述したように、第3運転状態は、ブラインド装置340が設置される空間の照度及び温度の少なくともいずれかに基づいてスラット342の角度を調整する動作状態である。具体的には、第3運転状態では、ブラインド装置340が設置される空間の照度が目標照度となるようにスラット342の角度が調整されてもよい。照度を検出するセンサは、ブラインド装置340に設けられてもよく、ブラインド装置340と通信可能に構成されてもよい。目標照度は、ユーザによって設定されてもよい。第3運転状態では、ブラインド装置340が設置される空間の温度が目標温度となるようにスラット342の角度が調整されてもよい。温度を検出するセンサは、ブラインド装置340に設けられてもよく、ブラインド装置340と通信可能に構成されてもよい。目標温度は、ユーザによって設定されてもよい。
【0039】
このようなメッセージは、ブラインド装置340を動作状態で制御するように指示するメッセージ(例えば、SETコマンド)を含んでもよく、ブラインド装置340に適用されている動作状態を要求するメッセージ(例えば、GETコマンド)を含んでもよい。このようなメッセージは、ブラインド装置340に適用されている動作状態を通知するメッセージ(例えば、GET応答コマンド、INFコマンド)を含んでもよい。GET応答コマンドは、GETコマンドに応じて送信されるコマンドであり、INFコマンドは、ブラインド装置340が自律的に送信するメッセージである。
【0040】
なお、SETコマンドは、ブラインド装置340の動作状態をブラインド装置340が特定するための情報要素を含む。GET応答コマンド及びINFコマンドは、ブラインド装置340の動作状態をローカル制御装置360が特定するための情報要素を含む。
【0041】
第2に、通信で用いるメッセージに含まれる情報要素は、ブラインド装置340の異常状態を特定するための情報要素を含んでもよい。異常状態は、第1異常状態、第2異常状態及び第3異常状態の少なくともいずれかの異常状態を含んでもよい。
【0042】
第1異常状態は、ブラインド装置340が設置される空間の温度に起因する異常状態である。具体的には、ブラインド装置340は、ブラインド装置340が設置される空間の温度が閾値を超えた場合に、第1異常状態が生じていると判定してもよい。例えば、第1異常状態は、火災などによって温度が閾値を超えるケースで生じる異常状態であってもよい。温度を検出するセンサは、ブラインド装置340に設けられてもよく、ブラインド装置340と通信可能に構成されてもよい。
【0043】
第2異常状態は、スラット342の振動及び衝撃の少なくともいずれか1つに起因する異常状態である。ブラインド装置340は、スラット342の振動及び衝撃の少なくともいずれか1つが検出された場合に、第2異常状態が生じていると判定してもよい。例えば、第2異常状態は、風などによってスラット342が揺らされるケースで生じる異常状態であってもよい。振動及び衝撃の少なくともいずれか1つを検出するセンサは、ブラインド装置340に設けられてもよく、ブラインド装置340と通信可能に構成されてもよい。
【0044】
第3異常状態は、スラット342に対する接触及びスラット342の変形の少なくともいずれか1つに起因する異常状態である。ブラインド装置340は、スラット342に対する接触及びスラット342の変形の少なくともいずれか1つが検出された場合に、第3異常状態が生じていると判定してもよい。例えば、第3異常状態は、ユーザがスラット342を触るケースで生じる異常状態であってもよい。振動及び衝撃の少なくともいずれか1つを検出するセンサは、ブラインド装置340に設けられてもよく、ブラインド装置340と通信可能に構成されてもよい。
【0045】
このようなメッセージは、ブラインド装置340で生じている異常状態を要求するメッセージ(例えば、GETコマンド)を含んでもよい。このようなメッセージは、ブラインド装置340で生じている異常状態を通知するメッセージ(例えば、GET応答コマンド、INFコマンド)を含んでもよい。GET応答コマンドは、GETコマンドに応じて送信されるコマンドであり、INFコマンドは、ブラインド装置340が自律的に送信するメッセージである。
【0046】
なお、GET応答コマンド及びINFコマンドは、ブラインド装置340の異常状態をローカル制御装置360が特定するための情報要素を含む。
【0047】
第3に、通信で用いるメッセージに含まれる情報要素は、PVセルが電力系統110と連系しているか否かを示す系統連系状態を特定するための情報要素を含んでもよい。
【0048】
系統連系状態は、電力系統110にPVセルが連系された状態(例えば、系統連系)を含んでもよく、電力系統110からPVセルが解列された状態(例えば、独立)を含んでもよい。電力系統110にPVセルが連系された状態は、PVセルの出力電力の逆潮流が許可された状態(例えば、系統連系(逆潮流可))を含んでもよく、PVセルの出力電力の逆潮流が許可されていない状態(例えば、系統連系(逆潮流不可))を含んでもよい。系統連系状態は、電力系統110にPVセルが連系されているか否か不明である状態(例えば、不明)を含んでもよい。
【0049】
このようなメッセージは、系統連系状態を要求するメッセージ(例えば、GETコマンド)を含んでもよい。このようなメッセージは、系統連系状態を通知するメッセージ(例えば、GET応答コマンド、INFコマンド)を含んでもよい。GET応答コマンドは、GETコマンドに応じて送信されるコマンドであり、INFコマンドは、ブラインド装置340が自律的に送信するメッセージである。
【0050】
なお、GET応答コマンド及びINFコマンドは、系統連系状態をローカル制御装置360が特定するための情報要素を含む。
【0051】
スラット342は、ブラインド装置340が設置される空間の日差しを調整する部材である。スラット342の表面には、PVセルが配置されてもよい。
【0052】
制御部343は、少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路(integrated circuit)によって構成されてもよく、通信可能に接続された複数の回路(集積回路(integrated circuit(s))及び/又はディスクリート回路(discrete circuit(s))など)によって構成されてもよい。制御部343は、第1制御部と称されてもよい。
【0053】
例えば、制御部343は、スラット342の巻き上げ、スラット342の繰り出し及びスラット342の角度調整の少なくともいずれか1つの制御を実行してもよい。また、制御部343は、複数のスラット342のうちの一部のスラットに対する制御をしてもよい。すなわち、制御部343は、複数のスラットのうち所定枚数のスラットに対する制御をしてもよい。制御部343は、第1運転状態、第2運転状態及び第3運転状態のいずれか1つの動作状態を制御してもよい。制御部343は、第1異常状態、第2異常状態及び第3異常状態のいずれか1つの異常状態を検出してもよい。
【0054】
(ローカル制御装置)
以下において、実施形態に係るローカル制御装置について説明する。図4に示すように、ローカル制御装置360は、第1通信部361と、第2通信部362と、制御部363と、を有する。
【0055】
第1通信部361は、通信モジュールによって構成される。通信モジュールは、IEEE802.11a/b/g/n、ZigBee、Wi-SUN、LTE、5Gなどの規格に準拠する無線通信モジュールであってもよく、IEEE802.3などの規格に準拠する有線通信モジュールであってもよい。
【0056】
例えば、第1通信部361は、ネットワーク120を介して管理サーバ200と通信を行う。第1通信部361は、上述したように、第1プロトコルに従って通信を行う。例えば、第1通信部361は、第1プロトコルに従って第1メッセージを管理サーバ200から受信する。第1通信部361は、第1プロトコルに従って第1メッセージ応答を管理サーバ200に送信する。
【0057】
第2通信部362は、通信モジュールによって構成される。通信モジュールは、IEEE802.11a/b/g/n、ZigBee、Wi-SUN、LTE、5Gなどの規格に準拠する無線通信モジュールであってもよく、IEEE802.3などの規格に準拠する有線通信モジュールであってもよい。
【0058】
例えば、第2通信部362は、分散電源(太陽電池装置310、蓄電装置320又は燃料電池装置330)と通信を行う。第2通信部362は、上述したように、第2プロトコルに従って通信を行う。例えば、第2通信部362は、第2プロトコルに従って第2メッセージを分散電源に送信する。第2通信部362は、第2プロトコルに従って第2メッセージ応答を分散電源から受信する。
【0059】
上述したように、第2メッセージは、ブラインド装置340の動作状態を特定するための情報要素を含むメッセージであってもよく、ブラインド装置340で生じている異常状態を特定するための情報要素を含むメッセージであってもよく、PVセルが電力系統110と連系しているか否かを示す系統連系状態を特定するための情報要素を含むメッセージであってもよい。
【0060】
制御部363は、少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路(integrated circuit)によって構成されてもよく、通信可能に接続された複数の回路(集積回路(integrated circuit(s))及び/又はディスクリート回路(discrete circuit(s))など)によって構成されてもよい。制御部363は、第2制御部と称されてもよい。
【0061】
例えば、制御部363は、ローカル制御装置360に設置される各構成を制御する。具体的には、制御部363は、第2メッセージの送信及び第2メッセージ応答の受信によって、動作状態の設定をブラインド装置340に指示する。制御部363は、第2メッセージの送信及び第2メッセージ応答の受信によって、異常状態の報告をブラインド装置340に指示してもよい。
【0062】
(メッセージ)
以下において、実施形態に係るメッセージについて説明する。ブラインド装置340とローカル制御装置360との間の通信で用いるメッセージについて説明する。図5では、開示に関連するメッセージについて主として説明するが、他の情報要素を含むメッセージが定義されてもよい。
【0063】
図5に示すように、メッセージは、プロパティ名称、プロパティ内容及びメッセージタイプによって定義される。プロパティ名称は、ブラインド装置340で採用されるプロパティの名称である。プロパティ内容は、ブラインド装置340で採用されるプロパティの内容である。メッセージタイプは、各プロパティを適用可能なメッセージのタイプ(SET、GET、INFなどのコマンドのタイプ)である。プロパティは、メッセージに含まれる情報要素を区別するデータであると考えてもよい。プロパティとしては、動作状態、異常内容、系統連系状態などが定義されてもよい。
【0064】
動作状態として取り得る情報要素は、ブラインド装置340の電源ON及びブラインド装置340の電源OFFを含んでもよい。動作状態として取り得る情報要素は、これらに加えて、上述した第1運転状態、第2運転状態及び第3運転状態を含んでもよい。
【0065】
異常内容として取り得る情報要素は、リセット、障害物挟み込み、停電復帰、タイプアウト、電池量低下を含んでもよい。異常内容として取り得る情報要素は、これらに加えて、上述した第1異常状態、第2異常状態及び第3異常状態を含んでもよい。
【0066】
系統連系状態として取り得る情報要素は、系統連系(逆潮流可)、独立、系統連系(逆潮流不可)、不明を含んでもよい。
【0067】
(動作例)
以下において、実施形態に係る動作例について説明する。以下においては、ブラインド装置340とローカル制御装置360との間の通信で用いるプロトコルがECHONET Lite(登録商標)に準拠するプロトコルであるケースについて例示する。
【0068】
第1に、動作状態に関するシーケンスについて、図6を参照しながら説明する。
【0069】
図6に示すように、ステップS10において、ローカル制御装置360は、ブラインド装置340を動作状態で制御するように指示するSETコマンドをブラインド装置340に送信する。SETコマンドは、ブラインド装置340に適用すべき動作状態を特定する情報要素を含む。
【0070】
ステップS11において、ブラインド装置340は、SETコマンドに対するSET応答コマンドを送信する。SET応答コマンドは、SETコマンドを受け付けた旨を示す情報要素を含む。SET応答コマンドは、ブラインド装置340に適用されている動作状態を特定する情報要素を含まなくてもよい。
【0071】
ステップS12において、ローカル制御装置360は、ブラインド装置340に適用されている動作状態を要求するGETコマンドをブラインド装置340に送信する。
【0072】
ステップS13において、ブラインド装置340は、GETコマンドに対するGET応答コマンドを送信する。GET応答コマンドは、ブラインド装置340に適用されている動作状態を特定する情報要素を含む。
【0073】
ステップS14において、ブラインド装置340は、所定トリガに応じて、INFコマンドを送信する。INFコマンドは、ブラインド装置340に適用されている動作状態を特定する情報要素を含む。所定トリガは、周期的なトリガを含んでもよく、ブラインド装置340の動作状態の変更を含んでもよい。所定トリガは、停電及び復電などを含んでもよい。
【0074】
第2に、異常状態に関するシーケンスについて、図7を参照しながら説明する。
【0075】
図7に示すように、ステップS20において、ブラインド装置340で生じている異常状態を要求するGETコマンドをブラインド装置340に送信する。
【0076】
ステップS21において、ブラインド装置340は、GETコマンドに対するGET応答コマンドを送信する。GET応答コマンドは、ブラインド装置340で生じている異常状態を特定する情報要素を含む。
【0077】
ステップS22において、ブラインド装置340は、所定トリガに応じて、INFコマンドを送信する。INFコマンドは、ブラインド装置340で生じている異常状態を特定する情報要素を含む。所定トリガは、周期的なトリガを含んでもよく、ブラインド装置340の異常状態の変更を含んでもよい。所定トリガは、停電及び復電などを含んでもよい。
【0078】
第3に、系統連系状態に関するシーケンスについて、図8を参照しながら説明する。
【0079】
図8に示すように、ステップS30において、ブラインド装置340の系統連系状態を要求するGETコマンドをブラインド装置340に送信する。
【0080】
ステップS31において、ブラインド装置340は、GETコマンドに対するGET応答コマンドを送信する。GET応答コマンドは、ブラインド装置340の系統連系状態を特定する情報要素を含む。
【0081】
ステップS32において、ブラインド装置340は、所定トリガに応じて、INFコマンドを送信する。INFコマンドは、ブラインド装置340の系統連系状態を特定する情報要素を含む。所定トリガは、周期的なトリガを含んでもよく、ブラインド装置340の異常状態の変更を含んでもよい。所定トリガは、停電及び復電などを含んでもよい。
【0082】
(作用及び効果)
実施形態では、ブラインド装置340は、ブラインド装置340の動作状態を特定するための情報要素を含むメッセージをローカル制御装置360と通信する。動作状態は、第1運転状態、第2運転状態及び第3運転状態の少なくともいずれかの動作状態を含む。このような構成によれば、ブラインド装置340のスラット342にPVセルが配置される構成を考慮して、新たな動作状態として、第1運転状態、第2運転状態又は第3運転状態が導入された場合であっても、ブラインド装置340を適切に制御することができる。
【0083】
実施形態では、ブラインド装置340は、ブラインド装置340の異常状態を特定するための情報要素を含むメッセージをローカル制御装置360と通信する。異常状態は、第1異常状態、第2異常状態及び第3異常状態の少なくともいずれかの異常状態を含む。このような構成によれば、ブラインド装置340のスラット342にPVセルが配置される構成を考慮して、新たな異常状態として、第1異常状態、第2異常状態又は第3異常状態が導入された場合であっても、ブラインド装置340を適切に制御することができる。
【0084】
実施形態では、ブラインド装置340は、ブラインド装置340の系統連系状態を特定するための情報要素を含むメッセージをローカル制御装置360と通信する。このような構成によれば、ブラインド装置340のスラット342にPVセルが配置される構成を考慮して、ブラインド装置340を適切に制御することができる。
【0085】
[変更例1]
以下において、実施形態の変更例1について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0086】
変更例1では、ブラインド装置340は、スラット342の発電電力を示す情報要素を含むメッセージの通信を実行する。メッセージは、上述したGETコマンドであってもよく、GET応答コマンドであってもよく、INFコマンドであってもよい。
【0087】
情報要素は、スラット342毎の発電電力を示す情報要素を含んでもよい。情報要素は、スラット342全体の発電電力を示す情報要素を含んでもよい。情報要素は、発電電力の瞬時値(瞬時発電電力計測値)を示す情報要素を含んでもよく、発電電力の積算値(積算発電電力量計測値)を示す情報要素を含んでもよい。
【0088】
このような構成によれば、ローカル制御装置360は、スラット342の発電電力に基づいて、スラット342の劣化状態を判定してもよい。具体的には、ローカル制御装置360は、スラット342毎の発電電力を把握可能である場合には、スラット342毎の劣化状態を判定してもよい。ローカル制御装置360は、スラット342全体の発電電力を把握可能である場合には、スラット342全体の劣化状態を判定してもよい。
【0089】
さらに、ローカル制御装置360は、スラット342の発電電力を示す情報要素を含むメッセージの通信を実行可能である場合に、以下に示すメッセージの通信を併せて実行してもよい。例えば、ローカル制御装置360は、スラット342の開閉状態を示す情報要素を含むメッセージの通信を実行してもよい。スラット342の開閉状態は、全てのスラット342が巻き上げられた状態(開状態)、全てのスラット342が繰り出された状態(閉状態)を含んでもよい。スラット342の開閉状態は、開状態と閉状態との間の状態(すなわち、スラット342の巻き上げの程度、又は、スラット342の繰り出しの程度)を含んでもよい。ローカル制御装置360は、スラット342の角度を示す情報要素を含むメッセージの通信を実行してもよい。
【0090】
このような前提下において、ブラインド装置340は、スラット342の発電電力に基づいて、スラット342に配置されたPVセルの異常状態を検出してもよい。例えば、PVセルに照射される光量(日差し)があるにもかかわらず、スラット342の発電電力が閾値よりも小さい場合に、ブラインド装置340は、スラット342に配置されたPVセルの異常状態を検出してもよい。このようなケースにおいて、ブラインド装置340は、スラット342(PVセル)の発電電力が閾値未満であるという異常状態を示す情報要素を含むメッセージの通信を実行してもよい。メッセージは、上述したGETコマンドであってもよく、GET応答コマンドであってもよく、INFコマンドであってもよい。
【0091】
[変更例2]
以下において、実施形態の変更例2について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。変更例2では、ブラインド装置340がスラット342を駆動するための蓄電装置を有するケースについて説明する。
【0092】
このようなケースにおいて、ブラインド装置340は、蓄電装置の蓄電残量を示す情報要素を含むメッセージの通信を実行してもよい。メッセージは、上述したGETコマンドであってもよく、GET応答コマンドであってもよく、INFコマンドであってもよい。
【0093】
このような構成によれば、ローカル制御装置360は、蓄電装置の蓄電残量に基づいて、ブラインド装置340を適切に制御することができる。例えば、蓄電残量が閾値よりも小さい場合に、ローカル制御装置360は、スラット342に配置されたPVセルを用いて積極的に発電を実行するようにブラインド装置340を制御することができる。
【0094】
ブラインド装置340は、蓄電装置の運転モードを示す情報要素を含むメッセージの通信を実行してもよい。メッセージは、上述したSETコマンドであってもよく、GETコマンドであってもよく、GET応答コマンドであってもよく、INFコマンドであってもよい。蓄電装置の運転モードは、急速充電、受電、放電、待機、テスト、自動などのモードを含んでもよい。
【0095】
このような構成によれば、ローカル制御装置360は、蓄電装置の運転モードをブラインド装置340に設定することによって、スラット342を駆動する電力を適切に確保することができる。例えば、蓄電残量が閾値よりも小さい場合に、ローカル制御装置360は、蓄電装置を積極的に充電することによって、スラット342を駆動する電力の枯渇を抑制することができる。
【0096】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0097】
上述した開示では、ブラインド装置340の機能及び動作について主として説明した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。例えば、ローカル制御装置360は、ブラインド装置340の異常状態(例えば、第1異常状態~第3異常状態)に応じて、スラット342の巻き上げをブラインド装置340に指示してもよい。
【0098】
上述した開示では、動作状態として、第1運転状態~第3運転状態を例示した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。動作状態は、ユーザによって設定された角度でスラット342の角度を固定する第4運転状態を含んでもよい。
【0099】
また、動作状態は、スラット342におけるPVセルが配置される凸状面が、ブラインド装置340が設置される空間に対して、外側に向けて固定される第5運転状態を含んでもよい。すなわち、第5運転状態では、PVセルの発電電力よりもブラインド装置340が設置される空間への日差しの遮断が優先される。これにより、日中において、外からブラインド装置340が設置される空間への日差しを遮断しつつ、空間を暗くすることができる。また、第5運転状態では、PVセルが外側に向いているため、ブラインド装置340が設置される空間への日差しを遮断しながらも、PVセルに照射される日差しにより発電電力を得ることができる。
【0100】
また、動作状態は、スラット342におけるPVセルが配置される凸状面が、ブラインド装置340が設置される空間に対して、内側に向けて固定される第6運転状態を含んでもよい。これにより、夜間において、ブラインド装置340が設置される空間から外側への室内光をもれにくくすることができる。また、第6運転状態では、PVセルが内側に向いているため、ブラインド装置340が設置される空間から外側への室内光をもれにくくしながらも、PVセルに照射される室内光により発電電力を得ることができる。
【0101】
また、動作状態は、スラット342の凸状面が、ブラインド装置340が設置される空間に対して、天井に向けて固定される第7運転状態を含んでもよい。これにより、ブラインド装置340が設置される空間に外からの日差しを多く採り込むことができるため、空間を明るくすることができる。また、第7運転状態では、PVセルが天井に向いているが、PVセルにも外からの日差しが照射されるため、ブラインド装置340が設置される空間への日差しを多く採り込みながらも、PVセルによる発電電力を得ることができる。
【0102】
また、動作状態は、PVセルの発電電力を最大化するスラット342の角度に対して、スラット342を90度又は270度回転させる第8運転状態を含んでもよい。これにより、外からの日差しがスラット342で反射されにくくなるため、日差しを直接採り込むことができるため、空間を暖かくすることができる。
【0103】
また、動作状態は、一方向に重なって収納された複数のスラット342のうち、所定の枚数分のスラット342を降ろした第9運転状態を含んでもよい。第9運転状態は、例えば、ブラインド装置340が10枚のスラット342を備える場合に、10枚のうちの7枚分のスラット342を降ろした状態である。この場合、残りの3枚のスラット342は、重なった状態にある。
【0104】
第9運転状態は、ブラインド装置340が備える全てのスラット342を降ろした状態を含んでもよく、スラット342を全く降ろさない状態を含んでもよい。また、所定枚数は、ブラインド装置340が備える全てのスラット342が降ろされた状態における、上方から数えた枚数であってもよいし、下方から数えた枚数であってもよい。これにより複数のスラット342のうち、発電頻度の多いPVセルと、発電頻度の少ないPVセルを把握することができるため、ブラインド装置340の保守メンテナンスの向上につながる。
【0105】
また、所定枚数の代わりに、ブラインド装置340が備える複数のスラット342全体における割合であってもよい。
【0106】
上述した開示では、ECHONET Lite(登録商標)について主として説明した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。上述した開示は、SEP2.0、KNXなどの他のプロトコルにも適用可能である。
【0107】
上述した開示では特に触れていないが、ローカル制御装置360が有する機能の少なくとも一部は、ネットワーク120上に配置されるサーバによって実行されてもよい。言い換えると、ローカル制御装置360は、クラウドサービスによって提供されてもよい。
【符号の説明】
【0108】
100…電力管理システム、110…電力系統、120…ネットワーク、200…管理サーバ、300…施設、310…太陽電池装置、320…蓄電装置、330…燃料電池装置、340…ブラインド装置、341…通信部、342…スラット、343…制御部、350…負荷機器、360…ローカル制御装置、361…第1通信部、362…第2通信部、363…制御部、390…計測装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8