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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022100736
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】部屋の寸法測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01C 15/00 20060101AFI20220629BHJP
   G01C 15/02 20060101ALI20220629BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20220629BHJP
【FI】
G01C15/00 103B
G01C15/02
G01B11/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020214906
(22)【出願日】2020-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000163121
【氏名又は名称】極東産機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】油田 要
【テーマコード(参考)】
2F065
【Fターム(参考)】
2F065AA04
2F065AA06
2F065AA53
2F065BB05
2F065BB27
2F065CC14
2F065DD02
2F065FF11
2F065FF22
2F065FF23
2F065FF61
2F065GG04
2F065HH04
2F065JJ01
2F065MM16
2F065PP22
2F065QQ03
2F065QQ21
2F065QQ28
2F065UU06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】測定点が傾斜面である場合に、測定点に先端部が当たるところは点接触となり、部屋の寸法測定装置が測定する長さデータは、本体の回転の中心から先端部が点接触している点までの長さとなり、測定した長さデータにより畳を造った場合、寸法誤差を含んだものとなり、畳が敷き込まれた際に競り合ったり、隙間が生じたりして美観を損ねるものとなる場合がある。
【解決手段】測定点が傾斜面である場合には、先端部15を、敷き込む畳の厚みと同じ高さで測定点に点接触させて、長さデータと角度データを得ることを特徴とする。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さデータを得るためのリニアエンコーダと、
角度データを得るためのロータリーエンコーダを有する本体と、
部屋の測定点に当てるための先端部を有する探触子で構成され、
前記本体を部屋のほぼ中央に設置し、
前記探触子の前記先端部を測定点に接触させた状態で前記本体を回転させ、
前記本体が前記探触子の方向を向いた時の、前記リニアエンコーダの値と前記ロータリーエンコーダの値を、測定点における長さデータおよび角度データとして部屋の寸法を割り出す部屋の寸法測定装置であって、
測定点が傾斜面である場合に、前記先端部を、敷き込む畳の厚みと同じ高さで測定点に点接触させて、長さデータと角度データを得ることを特徴とする部屋の寸法測定装置。
【請求項2】
前記先端部は、第1先端部と第2先端部で構成され、
前記第2先端部は前記第1先端部の上に脱着自在に装着でき、
前記第2先端部が前記第1先端部に装着されるか、されないかにより、
前記先端部を測定点に点接触させる高さを段階的に定めることを特徴とする、前記請求項1記載の部屋の寸法測定装置。
【請求項3】
前記先端部を上下方向に摺動させることにより、
前記先端部を測定点に点接触させる高さを連続的に定めることを特徴とする、前記請求項1記載の部屋の寸法測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部屋の形状にあわせて畳や絨毯などを裁断加工する際に、部屋の寸法を測定して、数値制御などによる裁断加工のために寸法表現する部屋の寸法測定装置であり、
部屋の中心部近傍の位置を基準にして測定した部屋周囲の測定点までの長さデータおよび角度データよりなる極座標データに基づいて、部屋の寸法を割り出し、裁断加工に適したデータに変換して表記するための部屋の寸法測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
部屋に畳や絨毯を敷き込む際に、表記された部屋の面積と実面積が同じであるとは限らないので、施工に際して、予め部屋の実寸法を測定し、その結果に基づいて部屋の形状に合わせて裁断加工している。
【0003】
このような部屋の寸法測定装置として、部屋の寸法測定装置の本体と、測定点に当てる探触子と、部屋の寸法測定装置を操作するための携帯端末装置あるいは赤外線リモコン装置で構成され、
本体には、基台と、この基台に回転自在に載置された回転台と、
この回転台上には、基台に対する回転台の回転角度を検出するロータリーエンコーダと、ワイヤーまたはテープなどを巻き込んでおいて、引き出されたワイヤーまたはテープなどの長さを検出するリニアエンコーダと、回転台の指向方向にレーザー光線を照射するレーザー光源が載置され、本体のリニアエンコーダのワイヤーの先端に、先鋭な先端部を有する探触子が結合され、探触子には、本体からのレーザー光線を受光するための光センサと、
レーザー光線を受光したときに光線(変調された光信号)を本体に向かって放射するための応答装置と応答LEDが設けられている。
上記の構成の部屋の寸法測定装置(下記特許文献1および特許文献2など)が提案されている。
【0004】
このような部屋の寸法測定装置を用いて部屋の寸法を測定する場合を説明する。
測定者は、部屋の寸法測定装置の本体を部屋のほぼ中央に設置し、携帯端末装置(または赤外線リモコン)を操作して「部屋に敷き込む畳の基準サイズ(五八、三六、本間)」、「部屋の大きさ(敷き込む畳の数)」など、測定に必要な諸条件を入力する。
測定諸条件を入力すれば、例えば、六畳で間中測定であれば14カ所、小間中測定であれば28カ所、というように測定する場所が定まる。
そして、測定者は、探触子を手で持って本体から引き出して第1測定点に当て、先端部が第1測定点に接触した状態で、携帯端末装置を操作して測定を開始させると、部屋の寸法測定装置の本体は、レーザー光線を照射しながら時計回りに回転し、レーザー光線が探触子に設けられた光センサを通過した時に、探触子の応答装置が、応答信号(変調された光信号)を本体に向かって送信し、本体の演算部が、この時のリニアエンコーダの値を第1測定点における長さデータとし、ロータリーエンコーダの値を第1測定点における角度データとして記憶する。
【0005】
続いて、測定者は第2測定点に移動し、先端部を第2測定点に接触させた状態で、携帯端末装置を操作して次の測定を実行させると、本体はレーザー光線を照射しながら更に時計回りに回転し、レーザー光線が探触子に設けられた光センサを通過した時に、探触子の応答装置が、応答信号を本体に向かって送信し、本体の演算部が、この時のリニアエンコーダの値を第2測定点における長さデータとし、ロータリーエンコーダの値を第2測定点における角度データとして記憶する。
このような操作を繰り返し行って、六畳で間中測定であれば第14測定点を測定した後、
第1測定点に戻って第1測定点を再度測定すると、部屋の寸法測定装置は測定を完了し、
長さデータおよび角度データよりなる極座標データに基づいて、部屋の寸法を割り出すのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3659436号広報
【0007】
【特許文献2】特許第6074650号広報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年、畳は多用途化しており、畳を敷き込む場所は和室だけではなく洋室や廊下や柔道場や風呂場などにも敷き込まれるようになり、敷き込まれた畳が接触する部分も、敷居や壁の下の幅木や壁面の他、色々な場所があり、敷き込まれた畳が接触する面が床(ゆか)に対して垂直ではない場合があり、垂直面ではない測定点も存在する。
測定点が垂直面である場合は、図12(a)に示すのように、先端部は測定点に線接触するが、 図12( b)のように傾斜面である場合には、測定点に先端部が当たるところは点接触となり(図12は極端に描いており実際にはこんなに大きく傾斜していないが)、
部屋の寸法測定装置が測定する長さデータは、本体の回転の中心から先端部が点接触している点までの長さとなるので、この長さデータにより割り付けした寸法で畳を造った場合、
敷き込む畳の厚みが先端部が点接触している高さよりも分厚い場合は、畳が敷き込まれた際に競りあって圧縮される。
また、敷き込む畳の厚みが、先端部が点接触している高さよりも薄い場合は、畳が敷き込まれた際に幅木や敷居との間に隙間が生じる。
本明細書では、部屋の実際の寸法よりも大きくて、敷き込まれた際に競りあって圧縮される畳を「プラスの寸法誤差を含んだ畳」と称し、敷き込まれた際に幅木や敷居との間に隙間が生じる畳を「マイナスの寸法誤差を含んだ畳」と称する。
「プラスの寸法誤差を含んだ畳」も「マイナスの寸法誤差を含んだ畳」も、どちらの場合も美観を損ねるものとなる。
【0009】
そこで、傾斜面となっている測定点においては、畳の製造に関する知識と経験を有する職人が、誤差となる分の長さを定規で測定し、微妙なさじ加減で補正している。
しかし、近年では、畳の製造に関する知識と経験を有しない人が部屋の寸法を測定することが多くなり、補正の必要のない部屋の寸法測定装置が要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
長さデータを得るためのリニアエンコーダと、
角度データを得るためのロータリーエンコーダを有する本体と、
部屋の測定点に当てるための先端部を有する探触子で構成され、
本体を部屋のほぼ中央に設置し、
探触子の先端部を測定点に接触させた状態で本体を回転させ、
本体が探触子の方向を向いた時の、リニアエンコーダの値とロータリーエンコーダの値を、測定点における長さデータおよび角度データとして部屋の寸法を割り出す部屋の寸法測定装置であって、
測定点が傾斜面である場合に、先端部を、敷き込む畳の厚みと同じ高さで測定点に点接触させて、長さデータと角度データを得ることを特徴とする。
【0011】
先端部は、第1先端部と第2先端部で構成され、
第2先端部は第1先端部の上に脱着自在に装着でき、
第2先端部が第1先端部に装着されるか、されないかにより、
先端部を測定点に点接触させる高さを段階的に定めることを特徴とする。
【0012】
先端部を上下方向に摺動させることにより、
先端部を測定点に点接触させる高さを連続的に定めることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
長さデータを得るためのリニアエンコーダと、
角度データを得るためのロータリーエンコーダを有する本体と、
部屋の測定点に当てるための先端部を有する探触子で構成され、
本体を部屋のほぼ中央に設置し、
探触子の先端部を測定点に接触させた状態で本体を回転させ、
本体が探触子の方向を向いた時の、リニアエンコーダの値とロータリーエンコーダの値を、測定点における長さデータおよび角度データとして部屋の寸法を割り出す部屋の寸法測定装置であって、
測定点が傾斜面である場合に、先端部を、敷き込む畳の厚みと同じ高さで測定点に点接触させて、長さデータと角度データを得ることを特徴とするので、
得られた長さデータで製造された畳は、プラスの寸法誤差もマイナスの寸法誤差も含まれていない畳となり、競り合ったり隙間があくことがなく美しく敷き詰めることができる畳となる。
【0014】
先端部は、第1先端部と第2先端部で構成され、
第2先端部は第1先端部の上に脱着自在に装着でき、
第2先端部が第1先端部に装着されるか、されないかにより、
先端部を測定点に点接触させる高さを段階的に定めることを特徴とするので、
作業者が行うことは、敷き込む畳の厚みに基づいて、第1先端部の上に第2先端部を装着して測定するか、装着しないで測定するかを決めるだけなので、設定が簡単で使い易い。
また、作業者が行うことは、敷き込む畳の厚みと先端部の高さが丁度一致しない場合でも、段階的に定めるだけなので、設定ミスをすることがない。
また、第2先端部を第1先端部の上に脱着自在に装着する方法は、簡単な方法でできるものなので製造原価が安価である。
【0015】
先端部を上下方向に摺動させることにより、
先端部を測定点に点接触させる高さを連続的に定めることを特徴とするので、
畳の厚みと先端部の高さを丁度一致させることができるので、測定精度に非常に厳しい測定者の要望を満足できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の部屋の寸法測定装置の外観構成を説明するための図である。
図2図2は、本発明の部屋の寸法測定装置の内部構成を説明するための図である。
図3図3は、本発明の部屋の寸法測定装置の機能ブロックを説明するための図である。
図4図4は、本発明の本発明の部屋の寸法測定装置の第1の実施形態の先端部を説明するための図であり、図4(a)は上面、図4(b)は側面、図4(c)は、先鋭な先端側から見た図である。
図5図5は、本発明の本発明の本発明の部屋の寸法測定装置の第1の実施形態の第2先端部を説明するための図であり、図5(a)は上面、図5(b)は側面、図5(c)は、先鋭な先端側から見た図であり、図5(d)は、斜視図である。る。
図6図6は、本発明の部屋の寸法測定装置の第1の実施形態の探触子の斜視図であり、図6(a)は第1先端部だけの状態であり、図6(b)は、第1先端部に第2先端部を装着した状態である。
図7図7は、本発明の本発明の本発明の部屋の寸法測定装置の効果を説明するための図であり、図7(a)は、部屋に敷き込む畳の厚みが70mmの場合であり、図7(b)は50mmの場合である。
図8図8は、本発明の本発明の本発明の部屋の寸法測定装置の第2の実施形態の先端部を説明するための図であり、図8(a)は上面、図8(b)は側面、図8(c)は、先鋭な先端側から見た図である。
図9図9は、本発明の部屋の寸法測定装置の第2の実施形態の探触子の斜視図である。
図10図10は、本発明の部屋の寸法測定装置の第3の実施形態の先端部を説明するための図であり、図10(a)は上面、図10(b)は側面、図10(c)は、先鋭な先端側から見た図である。
図11図11は、本発明の部屋の寸法測定装置の第3の実施形態の探触子の斜視図である。
図12図12は、従来技術の部屋の寸法測定装置の課題を説明するための図であり、図12(a)は測定点が垂直面である場合であり、図12(b)は測定点が傾斜面である場合である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(第1の実施の形態)
この発明の第1の実施の形態、および第2の実施の形態、および第3の実施の形態における基本的な構成は、特許第3659436号広報および特許第6074650号広報に記載された部屋の寸法測定装置を用いて実施するものである。
図1を用いて本発明の部屋の寸法測定装置(1)の外観構成を説明する。部屋の寸法測定装置(1)は、本体(2)と探触子(3)と携帯端末装置(4)からなり、携帯端末装置(4)は赤外線リモコン装置(図示せず)で代用することもできる。
【0018】
本体(2)の本体ケース(5)には、部屋の寸法測定装置(1)の作動状態や測定結果などを表示する表示部(6)と、作動状態や警告を音で示すためのブザー(8)と、部屋の寸法測定装置(1)の作動電源である蓄電池(12)と電源スイッチ(10)と、パソコン等と有線でデーターを送受信するためのコネクタ(11)と、本体(2)が部屋の床に水平に置かれていることを確認するための水準器(9)と本体取手(7)が設けられている。
【0019】
探触子(3)の探触子ケース(13)には、測定点に接触させるための先鋭な先端部(15)と、部屋の寸法を測定する測定者が手で持つための探触子取手(14)が設けられている。
【0020】
続いて、図2を用いて本発明の部屋の寸法測定装置(1)の内部構成を説明する。
本体(2)には、略円形の回転台(17)の中心に、ロータリーエンコーダ(19)と円形のベアリング(27)が設けられており、回転台(17)は、ロータリーエンコーダ(19)の軸芯で回転自在となるように基台(16)に取り付けられており、ロータリーエンコーダ(19)の、基台(16)に対する回転角度により角度データを得て、 回転台(17)の上側に設けられたリニアエンコーダ(18)の、引き出されたワイヤー(24)の長さにより長さデータを得る構成である。
【0021】
また、回転台(17)には、回転台(17)を回転させるための、モーター(23)と 歯車(25)と小歯車(26)が設けられている。
【0022】
また、回転台(17)には、回転台(17)の指向方向に縦長のレーザー光線(21)を照射するレーザー光源(20)と、探触子(3)の応答装置(30)から放射された光線(変調された光信号)を受信するための本体光センサ(22)が設けられている。
【0023】
また、回転台(17)には、部屋の寸法測定装置(1)を制御するための制御基板(29)設けられている。
【0024】
また、基台(16)の下部には3本の脚(28)が設けられている。
【0025】
探触子(3)の内部には、本体(2)のレーザー光源(20)から照射されたレーザー光線(21)を受光するための、光センサ副(33)と光センサ主(32)と、本体(2)に、光線(変調された光信号)を送信するための応答LED(31)と応答装置(30)が設けられている。
【0026】
また、探触子(3)の内部には応答装置(30)を作動させる為の蓄電池(41)が
設けられている。
【0027】
また、探触子(3)の先端部(15)には、リニアエンコーダ(18)のワイヤー(24)の先頭がピン(34)により取り付けられている。
【0028】
続いて、本発明の部屋の寸法測定装置(1)の機能ブロックを図3を用いて説明する。
本体(2)の制御基板(29)には、部屋の寸法測定装置(1)の作動状態や部屋の寸法測定結果を表示するための表示操作部(6)、携帯端末装置(4)からの動作指令や作動状態を送受信したり、長さデータや角度データを送信するための通信部(37)、作動条件や畳基準や長さデータと角度データ等を記憶するための記憶部(36)、リニアエンコーダ(18)の信号を計数するための長さカウンタ(39)、ロータリーエンコーダ(19)の信号を計数するための角度カウンタ(38)、モーター(23)を回転させるためのモーター制御回路(40)が設けられている。
また、予め定められたシーケンスに従って部屋の寸法測定動作を実行して、長さデータと角度データよりなる極座標データに基づいて、部屋の寸法を割り出すための演算部(35)が設けられている。
【0029】
探触子(3)には、光センサ副(33)と光センサ主(32)がレーザー光線(21)を受光したタイミングを計って、本体(2)に、光線(変調された光信号)を送信するための応答装置(30)と応答LED(31)が設けられている。
【0030】
携帯端末装置(4)には、部屋の寸法測定装置(1)の作動状態や部屋の寸法測定結果を表示するための表示操作部(42)と、部屋の寸法測定装置(1)やパソコンと測定結果データや作動指令を送受信する通信部(44)が設けられている。
【0031】
図4図5図6を用いて、本発明の部屋の寸法測定装置の第1の実施形態の先端部(101)を説明する。
図4(a)は上面、図4(b)は側面、図4(c)は、先鋭な先端側から見た図である。
図5は、本発明の本発明の本発明の部屋の寸法測定装置の第1の実施形態の第2先端部を説明するための図であり、図5(a)は上面、図5(b)は側面、図5(c)は、先鋭な先端側から見た図であり、図5(d)は、斜視図である。
図6本発明の本発明の本発明の部屋の寸法測定装置の第1の実施形態の探触子の斜視図であり、図6(a)は第1先端部だけの状態であり、図6(b)は、第1先端部に第2先端部を装着した状態である。
【0032】
本発明の先端部(15)は、第1先端部(101)と第2先端部(111)で構成され、
第2先端部(111)には、ピン(112)とガイド(113)が設けられており、第1先端部(101)には、第2先端部(111)のピン(112)を挿入するための穴(102)と、第2先端部(111)のガイド(113)を上部からスライド挿入するための溝(103)が設けられている。
第1先端部(101)に第2先端部(111)を装着している状態では、図6(b)に示すように、第1先端部(101)と第2先端部(111)が一体となって1つの先端部(15)を形成し、溝(103)により第2先端部(111)は横方向(本体の回転方向)にずれないように保持され、穴(102)により第2先端部(111)は前後にずれないように保持される。
【0033】
第2先端部(111)の第1先端部(101)への装着は、第2先端部(111)を縦向きに手で持って、第1先端部(101)の上方から、ガイド(113)を溝(103)に沿わせながら下方へ落とせば、ピン(112)が穴(102)に嵌まり、第2先端部(111)の自重と、ガイド(113)と溝(103)の摩擦抵抗により保持されるので、測定中に外れることはない。
第2先端部(111)を取り外す場合は、第2先端部(111)を手で持って上方へ引き出せば外れる。
このように、第1の実施形態の先端部は、道具を使うことなく、第1先端部(101)の上部に第2先端部(111)を脱着自在に装着できる構造となっている。
【0034】
本発明では、探触子底部(3a)から第1先端部頂点(101a)までの高さを50mmとし、第2先端部(111)の高さ((縦方向の寸法)図5の寸法L)が、10mmのものと20mmのものを設けている。
第1先端部(101)だけの状態では、探触子底部(3a)から第1先端部頂点(101a)までの高さが50mmとなり、 第1先端部(101)に、高さ10mmの第2先端部(111)を装着している状態では、探触子底部(3a)から第2先端部頂点(111a)までの高さが60mmとなり、高さ20mmの第2先端部(111)を装着している状態では、探触子底部(3a)から第2先端部頂点(111a)までの高さが70mmとるように定めている。
【0035】
この理由は、畳の厚みは50mmのものが最も多く製造され、一番分厚いものが70mmであるからである。
また、第1先端部頂点(101a)の高さを30mmとして、極めて薄い畳に対応できるようにいてもよい。
【0036】
続いて、図7を用いて、測定点が傾斜面である場合に先端部(15)が測定点に接触する状態を説明する。
図7は、先端部(15)が測定点に点接触する位置の上下方向(床からの高さ)のみを示しており、左右方向は測定者が先端部(15)を接触させた位置で定まっている。
【0037】
図7(a)は、高さ50mmの第1先端部(101)の上に高さ20mmの第2先端部(111)を装着して、先端部(15)を測定点に接触させて保持されている状態であり、敷き込む畳の厚みが70mmの場合の、第2先端部(111)の第1先端部(101)への装着状態を示している。
この状態では、本体(2)から引き出されたワイヤー(24)の長さは、第2先端部頂点(111a)が測定点に点接触している位置までの長さとなっているので、測定した長さデータは、70mmの厚みの畳が敷き込まれた時に接触するところまでの長さとなるので、この長さデータにより製造された、厚さ70mmの畳はプラスの寸法誤差もマイナスの寸法誤差も含まれていない畳となる。
【0038】
図7(b)は、高さ50mmの第1先端部(101)だけの状態で先端部(15)を測定点に接触させて保持している状態であり、敷き込む畳の厚みが50mmの場合の、第2先端部(111)の第1先端部(101)への装着状態を示している。
この状態で、本体(2)から引き出されたワイヤー(24)の長さは、第1先端部頂点(101a)が測定点に点接触している位置までの長さとなっているので、測定した長さデータは、50mmの厚みの畳が敷き込まれた時に接触するところまでの長さとなるので、
この長さデータみより製造された、厚さ50mmの畳はプラスの寸法誤差もマイナスの寸法誤差も含まれていない畳となる。
【0039】
続いて、第1の実施の形態の部屋の寸法測定装置(1)を用いて部屋の寸法を測定する方法を説明する。
測定者は、部屋の寸法測定装置(1)の本体(2)を部屋のほぼ中央に設置し、今から測定を行う部屋、あるいは廊下などに敷き込む畳の厚みが60mmならば、第1先端部(101)の上に高さ10mmの第2先端部(111)を装着して探触子底部(3a)から第2先端部頂点(111a)までの高さが60mmとなる先端部(15)とし、携帯端末装置(4)を操作して「部屋に敷き込む畳の基準サイズ(五八、三六、本間)」、「部屋の大きさ(敷き込む畳の数)」など、測定に必要な諸条件を入力する。
測定諸条件を入力すれば、例えば、六畳で間中測定であれば14カ所、小間中測定であれば28カ所、というように測定する場所が定まる。
そして、測定者は、探触子(3)を手で持って本体(2)から引き出して第1測定点に当て、先端部(15)が第1測定点に接触した状態で保持し、携帯端末装置(4)を操作して測定を開始させると、
【0040】
部屋の寸法測定装置(1)の本体(2)は、レーザー光線(21)を照射しながら時計回りに回転し、本体(2)が探触子(3)の方向を向いた時に、探触子(3)の応答装置(30)が、応答信号(変調された光信号)を本体(2)に向かって送信し、(厳密には、レーザー光線(21)の縦長の光軸の幅方向の中心が探触子(3)に設けられた光センサ副(33)を通過して光センサ主(32)の幅方向の中心に達した瞬間の長さデータと角度データを送信するので、測定者はこの間、先端部(15)を測定点に接触させた状態で保持しなければならない。)本体(2)の演算部(35)が、この時のリニアエンコーダ(18)の値を第1測定点における長さデータとし、ロータリーエンコーダ(19)の値を第1測定点における角度データとして記憶する。
【0041】
続いて、測定者は第2測定点に移動し、探触子(3)を第2測定点に当て、先端部(15)が第1測定点に接触した状態で保持する。そして、携帯端末装置(4)を操作して次の測定を実行させると、本体(2)はレーザー光線(21)を照射しながら更に時計回りに回転し、本体(2)が探触子(3)の方向を向いた時に、探触子(3)の応答装置(30)が、応答信号(変調された光信号)を本体(2)に向かって送信し、本体(2)の演算部(43)が、この時のリニアエンコーダ(18)の値を第2測定点における長さデータとし、ロータリーエンコーダ(19)の値を第2測定点における角度データとして記憶する。
このような操作を繰り返し行って、六畳で間中測定であれば第14測定点を測定した後、
第1測定点に戻って第1測定点を再度測定すると、部屋の寸法測定装置(1)は測定を完了し、長さデータおよび角度データよりなる極座標データに基づいて、部屋の寸法を割り出す。
【0042】
また、和室などで、太い床柱(とこばしら)が敷居の側面よりも部屋の中央側へ張り出して、床柱の下部が切り込まれている測定点が存在する場合でも、先端部(15)は敷き込む畳の厚みに基づいた高さとなっているので、測定者は先端部(15)を切り込まれている部分の隙間に突っ込んで測定することができる。
【0043】
以上のように、本発明の第1の実施形態の部屋の寸法測定装置(1)は、測定点が傾斜面である場合に、先端部(15)が測定点に点接触する位置を、畳が敷き込まれた時に接触するところと同じ高さ(同じ上下方向の位置)として、長さデータを測定するので、得られた長さデータで製造された畳は、プラスの寸法誤差もマイナスの寸法誤差も含まれていない畳となるので、競り合ったり隙間があくことがなく美しく敷き詰めることができる畳となる。
【0044】
また、第1の実施形態の先端部(15)において作業者が行うことは、敷き込む畳の厚みに基づいて、第1先端部(101)の上に第2先端部(111)を装着している状態で測定するか、あるいは第1先端部(101)だけで測定するかを決めるだけなので、設定が簡単で使い易いものである。
【0045】
本発明の第1の実施形態の先端部(15)を、先端が尖った形状にはせず、第1先端部(101)も第2先端部(111)も、縦方向に長さ(高さ)を持った形状にしている理由は、測定点が垂直面である場合(図12(a)に示す場合)には、先端部を垂直面に線接触させてピタッと当てた状態で安定させるためである。
【0046】
また、作業者が行うことは、敷き込む畳の厚みが60mm丁度ではなくても、60mmに近い場合は第1先端部(101)の上に高さ10mmの第2先端部(111)を装着して高さ60mmの先端部(15)を構成し、
敷き込む畳の厚みが70mmに近い場合は20mmの第2先端部(111)を装着して高さ70mmの先端部(15)を構成するという判断で、段階的に決めるだけなので、簡単であり、設定ミスをすることがないものである。
【0047】
また、先端部(15)の構造が、第1先端部(101)の上に第2先端部(111)を脱着自在に装着可能とする方法は、ピン(112)とガイド(113)と溝(103)からなる簡単なものであるので製造原価が安価ものである。
【0048】
(第2の実施の形態)
図8図9を用いて、第2の実施の形態の探触子(3)と先端部(201)を説明する。
第2の実施の形態は先端部(201)が上下に摺動することによって、先端部(201)の高さを、敷き込む畳の厚みと同じ高さに、連続的に(無段階に)設定するものである。
先端部(201)は摺動板(203)に取り付けられており、摺動板(203)は支柱(202)に通されて上下方向に摺動できる構造であり、ネジ(204)により任意位置(高さ)で固定できる。
【0049】
また、第2の実施の形態の探触子(3)の内部には、図3(b)に示す、光センサ副(33)、光センサ主(32)、応答装置(30)と応答LED(31)が設けられている。
【0050】
また、第2の実施の形態の探触子(3)の内部には、先端部(201)の探触子底部(3a)
からの高さを検出するためのフォトマイクロセンサ(205)とスリット板(206)が設けられており、フォトマイクロセンサ(205)から出力された信号を応答装置(30)が計数して高さを算出し、光信号により本体(2)へ送信し、本体(2)の演算部(35)が先端部(201)の高さを、表示部(6)に表示するとともに、携帯端末装置装置(4)にも送信し、携帯端末装置装置(4)の表示操作部(42)に表示する(探触子(3)に表示部を設けて表示するようにしてもよい)。
【0051】
第2の実施の形態では、測定者は、部屋の寸法測定装置(1)の本体(2)を部屋のほぼ中央に設置し、携帯端末装置装置(4)の表示操作部(42)に表示される先端部(201)の高さを見ながら、敷き込む畳の厚みが60mmならば、先端部(201)の高さが60mmになるように摺動させて、ネジ(204)を締めて固定する。
【0052】
第2の実施の形態の部屋の寸法測定装置(1)は、先端部(201)が探触子(3)の先端の上下方向に摺動する構成により、作業者が先端部の高さを敷き込む畳の厚みと同じ高さに定めることができるようにしたものである。
【0053】
また、第2の実施の形態の部屋の寸法測定装置(1)は、先端部(201)の高さを連続的に定めることができるので、畳の厚みが丁度50mm、あるいは丁度60mm、あるいは丁度70mmではなく、52mmや63mmや68mmなどである場合にも厳密に合わせることができるものであり、測定精度に非常に厳しい測定者の要望を満足できるものである。
【0054】
また、非常に厳密な測定を要求する測定者のために、表示操作部(42)に表示される先端部(201)の高さは、探触子底部(3a)から先端部(201)の上面までの高さか、あるいは下面までの高さかを切り替えて表示する機能を有している。
【0055】
(第3の実施の形態)
図10図11用いて、第3の実施の形態の探触子(3)と先端部(301)を説明する。
第3の実施の形態は、先端部(301)を上下方向の任意の位置に装着することによって、先端部(301)の高さを、敷き込む畳の厚みと同じ高さに、連続的に(無段階に)定めるものである。
先端部(301)は先端部取り付け部(302)に取り付けられており、先端部取り付け部(302)にはラバーマグネット(303)が貼り付けてあり、先端部(301)は磁力により固定され、ガイド(305)と溝(306)により、ずれないように保持される。
また、先端部(301)は先端部頂点(301a)が尖った形状となっている。
【0056】
また、先端部取り付け部(302)には定規(304)が貼り付けられているので、測定者は定規(304)の目盛りを見ながら、先端部(301)の高さを畳の厚みと同じ高さに合わせる。
【0057】
また、第2の実施の形態の探触子(3)の内部には、図3(b)に示す、光センサ副(33)、光センサ主(32)、応答装置(30)と応答LED(31)が設けられている。
【0058】
第3の実施の形態では、測定者は、部屋の寸法測定装置(1)の本体(2)を部屋のほぼ中央に設置し、今から測定を行う部屋、あるいは廊下などに敷き込む畳の厚みが60mmならば、定規(304)の目盛り目視して先端部頂点(301a)の高さが60mmになるように合わせる。
【0059】
また、第3の実施の形態の先端部(301)は構造が簡単で製造原価が安価なものである。
【符号の説明】
【0060】
1 部屋の寸法測定装置
2 本体
3 探触子
3a 探触子底部
4 携帯端末装置装置
5 本体ケース
6 表示部
7 本体取手
8 ブザー
9 水準器
10 電源スイッチ
11 コネクタ
12 蓄電池
13 探触子ケース
14 探触子取手
15 先端部
16 基台
17 回転台
18 リニアエンコーダ
19 ロータリーエンコーダ
20 レーザー光源
21 レーザー光線
22 本体光センサ
23 モーター
24 ワイヤー
25 歯車
26 小歯車
27 ベアリング
28 脚
29 制御基板
30 応答装置
31 応答LED
32 光センサ主
33 光センサ副
34 ピン
35 演算部
36 記憶部
37 通信部
38 角度カウンタ
39 長さカウンタ
40 モーター制御回路
41 蓄電池
42 表示操作部
43 演算部
44 通信部
45 蓄電池
101 第1先端部
101a 第1先端部頂点
102 穴
103 溝
104
111 第2先端部
111a 第2先端部頂点
112 ピン
113 ガイド
201 先端部
201a 先端部頂点
202 支柱
203 摺動板
204 ネジ
205 フォトマイクロセンサ
206 スリット板
301 先端部
301a 先端部頂点
302 先端部取り付け部
303 ラバーマグナット
304 定規
305 ガイド
306 溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12