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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022100759
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】農業機械の遠隔操作システム
(51)【国際特許分類】
   A01B 69/00 20060101AFI20220629BHJP
【FI】
A01B69/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020214944
(22)【出願日】2020-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】302060926
【氏名又は名称】株式会社フジタ
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】石坂 仁
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 光男
【テーマコード(参考)】
2B043
【Fターム(参考)】
2B043AA04
2B043BA03
2B043BA07
2B043BB01
2B043DA01
2B043DA04
2B043DA06
2B043DA07
2B043DA17
2B043DC03
2B043EA06
2B043EB05
2B043EB15
2B043EB18
2B043EB29
2B043ED01
2B043ED12
2B043ED22
2B043EE01
(57)【要約】
【課題】農業機械の遠隔操作と手動操作とを容易に切り替え可能な農業機械の遠隔操作システムを提供する。
【解決手段】作業者によって操作される農業機械の操作を行なうための操作部材を操作する第1~第13アクチュエータ32A~32Mを、運転席112に着座した作業者による操作部材の手動操作を妨げない箇所に着脱可能に設け、農業機械側制御部39の遠隔操作モードを選択することで、遠隔操作指令情報に基づいて第1~第13アクチュエータ32A~32Mを制御して操作部材を操作することによって、農業機械10を遠隔操作することができるようにし、操作部材制御部39Aの手動操作モードを選択することで、操作部材を運転席112に着座した作業者が手動操作できるようにした。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
農業機械を遠隔操作する農業機械の遠隔操作システムであって、
作業者により前記農業機械の操作を行なうための複数の操作部材をそれぞれ操作する複数のアクチュエータと、
遠隔操作司令情報を受信する農業機械側通信部と、
前記農業機械側通信部で受信された前記遠隔操作司令情報に基づいて前記複数のアクチュエータをそれぞれ制御する操作部材制御部と、を備え、
前記複数のアクチュエータは、運転席に着座した前記作業者による前記操作部材の手動操作を妨げない箇所に設けられ、
前記操作部材制御部は、前記遠隔操作司令情報に基づいて前記複数のアクチュエータをそれぞれ制御して前記複数の操作部材をそれぞれ操作する遠隔操作モードと、前記複数の操作部材の前記作業者による手動操作をそれぞれ可能とする手動操作モードとに選択可能に構成されている、
ことを特徴とする農業機械の遠隔操作システム。
【請求項2】
前記複数のアクチュエータによる前記複数の操作部材の操作量をそれぞれ検出する複数の検出部と、
前記複数の検出部でそれぞれ検出された前記複数の操作量に基づいて前記複数のアクチュエータのサーボ制御をそれぞれ行なうサーボ制御部と、をさらに備え、
前記操作部材制御部の前記遠隔操作モードは、前記サーボ制御部を介して前記複数のアクチュエータをそれぞれ操作することでなされ、
前記操作部材制御部の前記手動操作モードは、前記サーボ制御部の制御動作を無効として前記複数のアクチュエータをサーボフリーとすることでなされる、
ことを特徴とする請求項1記載の農業機械の遠隔操作システム。
【請求項3】
前記農業機械に、前記農業機械の周辺を撮像して画像情報を生成する画像情報生成部を設け、
前記遠隔操作司令情報を生成する司令情報生成部と、前記農業機械側通信部と通信可能に構成され前記遠隔操作司令情報を前記農業機械側通信部に送信する遠隔操作側通信部と、表示部とを備える遠隔操作装置を設け、
前記農業機械側通信部は、前記画像情報生成部で生成された前記画像情報を前記遠隔操作側通信部に送信し、
前記表示部は、前記遠隔操作側通信部で受信された前記画像情報を表示する、
ことを特徴とする請求項1または2記載の農業機械の遠隔操作システム。
【請求項4】
前記農業機械に、前記農業機械の位置を測位して測位情報を生成する測位部を設け、
前記遠隔操作司令情報を生成する司令情報生成部と、前記農業機械側通信部と通信可能に構成され前記遠隔操作司令情報を前記農業機械側通信部に送信する遠隔操作側通信部と、表示部と、地図情報を記憶する地図データベースとを備える遠隔操作装置を設け、
前記農業機械側通信部は、前記測位部で生成された前記測位情報を前記遠隔操作側通信部に送信し、
前記表示部は、前記遠隔操作側通信部で受信された前記測位情報に基づいて前記地図データベースから読み出された前記地図情報上に前記農業機械の位置を表示する、
ことを特徴とする請求項1または2記載の農業機械の遠隔操作システム。
【請求項5】
前記アクチュエータは、前記複数の操作部材にそれぞれ対応して設けられている、
ことを特徴とする請求項1~4の何れか1項記載の農業機械の遠隔操作システム。
【請求項6】
前記複数の操作部材は、手により把持される被把持部と、前記被把持部を回転軸周りに回転可能とする回動部とを有する第1形態操作部材を含み、
前記第1形態操作部材に対応して設けられた前記アクチュエータは、前記被把持部に係合された駆動ローラと、前記駆動ローラを回転させるモータとを含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項5記載の農業機械の遠隔操作システム。
【請求項7】
前記複数の操作部材は、前記農業機械を始動および停止を行なうためのイグニッションスイッチを第2形態操作部材として含み、
前記第2形態操作部材は、キーシリンダに係脱可能に挿入されるイグニッションキーを含んで構成され、
前記第2形態操作部材に対応して設けられたアクチュエータは、前記イグニッションキーに係脱可能で一体回転可能に結合され回転操作可能な回転部材と、前記回転部材を回転させるモータとを含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項5記載の船舶の遠隔制御システム。
【請求項8】
前記複数の操作部材は、前記運転席近傍の車体の箇所から揺動可能に突出されたレバー本体と、前記レバー本体の先端に設けられ前記作業者により把持される被把持部とを有する第3形態操作部材を含み、
前記第3形態操作部材に対応して設けられたアクチュエータは、前記レバー本体に結合されたピストンロッドと、前記レバー本体を揺動させる方向に前記ピストンロッドを移動させるシリンダ本体とを備える直動式シリンダを含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項5記載の農業機械の遠隔操作システム。
【請求項9】
前記複数の操作部材は、前記作業者の足裏が当節するペダル踏面部と、前記ペダル踏面部の裏面に一端を固定されたペダルアームと、前記農業機械の車体に固定された基台と、前記基台に対して前記ペダルアームを回転可能に接続する回転軸とを備える第4形態操作部材を含み、
前記第4形態操作部材に対応して設けられたアクチュエータは、前記ペダルアームに連結されたピストンロッドと、前記ペダルアームを前記回転軸周りに回転させる方向に前記ピストンロッドを移動させるシリンダ本体とを備える直動式シリンダを含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項5記載の農業機械の遠隔操作システム。
【請求項10】
前記複数の操作部材は、前記運転席近傍に設けられたコンソールから揺動可能に突出された揺動軸と、前記揺動軸の先端に設けられ前記作業者により把持される被把持部とを有する第5形態操作部材を含み、
前記第5形態操作部材に対応して設けられたアクチュエータは、前記揺動軸に結合されたピストンロッドと、前記揺動軸を揺動させる方向に前記ピストンロッドを移動させるシリンダ本体とを備える直動式シリンダを含んで構成されている、
ことを特徴とする請求項5記載の農業機械の遠隔操作システム。
【請求項11】
前記複数のアクチュエータは、前記運転席に着座した前記作業者による前記操作部材の手動操作を妨げない箇所に着脱可能に設けられている、
ことを特徴とする請求項1~10の何れか1項記載の農業機械の遠隔操作システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農業機械の遠隔操作システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、農作物の生産性を高めるため、センシング技術を応用して農作業をより効率的に行う提案がなされている。
例えば、下記特許文献1は、飛行体による農薬散布に関する技術であり、農薬散布用飛行体は、栽培植物の上方を飛行する飛行体と、飛行体に設けられて、噴霧帯電により農薬を帯電させるように農薬を栽培植物に噴霧する噴霧器とを備える。農薬散布用飛行体は、さらに、飛行体から垂らされて、噴霧帯電により生じた噴霧器の電荷を栽培植物に接触することで導く導電線を備える。農薬散布用飛行体は、農薬と栽培植物との電位差により、噴霧器で噴霧された農薬が栽培植物に引き寄せられるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-89269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に農作業は屋外で行われるため、天候によっては作業者に身体的負担が大きく、また農業就業者の高齢化が進んでいる昨今、センシングや自動運転の技術を適用し、より効率的に農作業を行えるようにすることが望まれる。
一方で、農業機械は、農作業の種類に応じて様々な種類が使い分けられているが、これら全てを自動運転対応の機種に置き換えるのは、作業者の金銭的負担が大きくなるという課題がある。
また、作業者においては、作物の生育状況を確認しながら農作業を進めるのが一般的であるため、農作業全体を完全に自動化するのではなく、必要な場合には手動操作を実施できるのが好ましい。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、農業機械の遠隔操作と手動操作とを容易に切り替え可能な農業機械の遠隔操作システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、農業機械を遠隔操作する農業機械の遠隔操作システムであって、作業者により前記農業機械の操作を行なうための複数の操作部材をそれぞれ操作する複数のアクチュエータと、遠隔操作司令情報を受信する農業機械側通信部と、前記農業機械側通信部で受信された前記遠隔操作司令情報に基づいて前記複数のアクチュエータをそれぞれ制御する操作部材制御部と、を備え、前記複数のアクチュエータは、運転席に着座した前記作業者による前記操作部材の手動操作を妨げない箇所に設けられ、前記操作部材制御部は、前記遠隔操作司令情報に基づいて前記複数のアクチュエータをそれぞれ制御して前記複数の操作部材をそれぞれ操作する遠隔操作モードと、前記複数の操作部材の前記作業者による手動操作をそれぞれ可能とする手動操作モードとに選択可能に構成されている、ことを特徴とする。
また、本発明は、前記複数のアクチュエータによる前記複数の操作部材の操作量をそれぞれ検出する複数の検出部と、前記複数の検出部でそれぞれ検出された前記複数の操作量に基づいて前記複数のアクチュエータのサーボ制御をそれぞれ行なうサーボ制御部と、をさらに備え、前記操作部材制御部の前記遠隔操作モードは、前記サーボ制御部を介して前記複数のアクチュエータをそれぞれ操作することでなされ、前記操作部材制御部の前記手動操作モードは、前記サーボ制御部の制御動作を無効として前記複数のアクチュエータをサーボフリーとすることでなされる、ことを特徴とする。
また、本発明は、前記農業機械に、前記農業機械の周辺を撮像して画像情報を生成する画像情報生成部を設け、前記遠隔操作司令情報を生成する司令情報生成部と、前記農業機械側通信部と通信可能に構成され前記遠隔操作司令情報を前記農業機械側通信部に送信する遠隔操作側通信部と、表示部とを備える遠隔操作装置を設け、前記農業機械側通信部は、前記画像情報生成部で生成された前記画像情報を前記遠隔操作側通信部に送信し、前記表示部は、前記遠隔操作側通信部で受信された前記画像情報を表示する、ことを特徴とする。
また、本発明は、前記農業機械に、前記農業機械の位置を測位して測位情報を生成する測位部を設け、前記遠隔操作司令情報を生成する司令情報生成部と、前記農業機械側通信部と通信可能に構成され前記遠隔操作司令情報を前記農業機械側通信部に送信する遠隔操作側通信部と、表示部と、地図情報を記憶する地図データベースとを備える遠隔操作装置を設け、前記農業機械側通信部は、前記測位部で生成された前記測位情報を前記遠隔操作側通信部に送信し、前記表示部は、前記遠隔操作側通信部で受信された前記測位情報に基づいて前記地図データベースから読み出された前記地図情報上に前記農業機械の位置を表示する、ことを特徴とする。
また、本発明は、前記アクチュエータは、前記複数の操作部材にそれぞれ対応して設けられている、ことを特徴とする。
また、本発明は、前記複数の操作部材は、手により把持される被把持部と、前記被把持部を回転軸周りに回転可能とする回動部とを有する第1形態操作部材を含み、前記第1形態操作部材に対応して設けられた前記アクチュエータは、前記被把持部に係合された駆動ローラと、前記駆動ローラを回転させるモータとを含んで構成されている、ことを特徴とする。
また、本発明は、前記複数の操作部材は、前記農業機械を始動および停止を行なうためのイグニッションスイッチを第2形態操作部材として含み、前記第2形態操作部材は、キーシリンダに係脱可能に挿入されるイグニッションキーを含んで構成され、前記第2形態操作部材に対応して設けられたアクチュエータは、前記イグニッションキーに係脱可能で一体回転可能に結合され回転操作可能な回転部材と、前記回転部材を回転させるモータとを含んで構成されている、ことを特徴とする。
また、本発明は、前記複数の操作部材は、前記運転席近傍の車体の箇所から揺動可能に突出されたレバー本体と、前記レバー本体の先端に設けられ前記作業者により把持される被把持部とを有する第3形態操作部材を含み、前記第3形態操作部材に対応して設けられたアクチュエータは、前記レバー本体に結合されたピストンロッドと、前記レバー本体を揺動させる方向に前記ピストンロッドを移動させるシリンダ本体とを備える直動式シリンダを含んで構成されている、ことを特徴とする。
また、本発明は、前記複数の操作部材は、前記作業者の足裏が当節するペダル踏面部と、前記ペダル踏面部の裏面に一端を固定されたペダルアームと、前記農業機械の車体に固定された基台と、前記基台に対して前記ペダルアームを回転可能に接続する回転軸とを備える第4形態操作部材を含み、前記第4形態操作部材に対応して設けられたアクチュエータは、前記ペダルアームに連結されたピストンロッドと、前記ペダルアームを前記回転軸周りに回転させる方向に前記ピストンロッドを移動させるシリンダ本体とを備える直動式シリンダを含んで構成されている、ことを特徴とする。
また、本発明は、前記複数の操作部材は、前記運転席近傍に設けられたコンソールから揺動可能に突出された揺動軸と、前記揺動軸の先端に設けられ前記作業者により把持される被把持部とを有する第5形態操作部材を含み、前記第5形態操作部材に対応して設けられたアクチュエータは、前記揺動軸に結合されたピストンロッドと、前記揺動軸を揺動させる方向に前記ピストンロッドを移動させるシリンダ本体とを備える直動式シリンダを含んで構成されている、ことを特徴とする。
また、本発明は、前記複数のアクチュエータは、前記運転席に着座した前記作業者による前記操作部材の手動操作を妨げない箇所に着脱可能に設けられている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、農業機械の操作を行なうための複数の操作部材をそれぞれ操作する複数のアクチュエータを、運転席に着座した作業者による複数の操作部材の手動操作を妨げない箇所に設け、操作部材制御部の遠隔操作モードを選択することで、遠隔操作指令情報に基づいて複数のアクチュエータを制御して複数の操作部材を操作することによって、農業機械を遠隔操作することができるようにし、操作部材制御部の手動操作モードを選択することで、複数の操作部材を手動操作できるようにした。
したがって、遠隔操作を行なうための農業機械の改造を行なうことなく農業機械を遠隔操作可能とすることができ、またアクチュエータの撤去を行うことなく運転席に座って手動操作することができ、使い勝手の向上を図る上で有利となる。
また、操作部材制御部の遠隔操作モードは、サーボ制御部を介して複数のアクチュエータをそれぞれ操作することでなされ、手動操作モードは、サーボ制御部の制御動作を無効として複数のアクチュエータをサーボフリーとすることでなされるようにすると、簡単な構成で遠隔操作モードと手動操作モードとを切り替える上で有利となる。
また、農業機械に、農業機械の周辺を撮像して画像情報を生成する画像情報生成部を設けると共に、遠隔操作装置に表示部を設けると、表示部に表示された画像情報によって農業機械の周辺の状況を把握することができ、農業機械から離れた箇所から農業機械を的確に遠隔操作する上で有利となる。
また、農業機械に、農業機械の位置を測位して測位情報を生成する測位部を設けると共に、遠隔操作装置に表示部と地図データベースとを設けると、表示部により、測位情報に基づいて地図データベースから読み出された地図情報上に農業機械の位置を表示することができ、農業機械の現在位置を把握することができ、農業機械から離れた箇所から農業機械を的確に遠隔操作する上で有利となる。
また、操作部材を操作するアクチュエータが、複数の操作部材にそれぞれ対応して設けられていると、農業機械の遠隔操作を的確に行なう上で有利となる。
また、複数のアクチュエータは、運転席に着座した作業者による操作部材の手動操作を妨げない箇所に着脱可能に設けられていると、複数のアクチュエータの着脱を容易に行なえ、複数のアクチュエータのメンテンナンス作業を効率的に行なう上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態に係る農業機械の外観を示す図である。
図2】農業機械の運転席周辺の構成を示す図である。
図3】実施の形態1にかかる農業機械の制御系の構成を示すブロック図である。
図4】実施の形態1にかかる遠隔操作装置の構成を示すブロック図である。
図5】第1形態操作部材および第1形態アクチュエータの構成を示す説明図である。
図6】第2形態操作部材および第2形態アクチュエータの構成を示す説明図である。
図7】第3形態操作部材および第3形態アクチュエータの構成を示す説明図である。
図8】第4形態操作部材および第4形態アクチュエータの構成を示す説明図である。
図9】第5形態操作部材および第5形態アクチュエータの構成を示す説明図である。
図10】実施の形態2にかかる農業機械の制御系の構成を示すブロック図である。
図11】実施の形態2にかかる遠隔操作装置の構成を示すブロック図である。
図12】表示部の表示内容の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る農業機械の外観を示す図である。
本実施の形態では、農業機械の一例としてトラクターを例にして説明する。
図1に示すように、農業機械10(トラクター)は、車体102、車輪104(104A,104B)、ルーフ106、ロータリー108、操作部材110を備えている。
【0010】
車体102は、内部にエンジン等の駆動機構を収容するとともに、作業者が乗車する運転席112や操作部材110が配置される。
車輪104(前輪104Aおよび後輪104B)は、不整形地でも走行しやすいようにグリップ力の大きいタイヤ(またはクローラ)が用いられる。
ルーフ106は、主に運転席112および操作部材110の上部を覆うように設けられ、作業者が雨や日光に直接さらされるのを防止する。
【0011】
ロータリー108は、農業機械10に取り付けられる作業機械の一例であり、耕うん爪を回転させて土壌(農地)を耕す際に用いられる。ロータリー108は、エンジンから図示しないPTO(Power Take Off)軸を介して動力を供給され、上記耕うん爪を回転させる。
【0012】
操作部材110は、作業者により農業機械10の操作を行なうために設けられた機構である。
図2は、操作部材の外観を示す図である。
操作部材110は、運転席112の近傍に設けられる。
運転席112は、農業機械10を用いた作業を行う作業者が着席する座席である。
運転席112の近傍(運転席112の正面)にはトラクターパネル116が設けられている。トラクターパネル116は、走行速度やエンジン回転数、燃料残量等、農業機械10の稼働状態に関する各種情報を表示する。
【0013】
操作部材110は、ステアリング機構114、イグニッションスイッチ118、アクセルレバー120、シャトルレバー122、駐車ブレーキレバー124、ブレーキペダル126(126A,126B)、アクセルペダル128、クラッチペダル130、油圧レバー(ポジションコンロトールレバー)132、主変速レバー136、副変速レバー138、PTO変速レバー140を含んで構成される。
なお、図2に挙げた操作部材110は一例であり、農業機械10の種類や機種によって、設けられている機構の種類や位置は異なる。
【0014】
本実施の形態では、これらの操作部材110をその形状(操作方法)によって分類する。すなわち、ステアリング機構114を第1形態操作部材110A、イグニッションスイッチ118を第2形態操作部材110B、アクセルレバー120、シャトルレバー122および駐車ブレーキレバー124を第3形態操作部材110C、ブレーキペダル126(126A,126B)、アクセルペダル128およびクラッチペダル130を第4形態操作部材110D、油圧レバー132、主変速レバー136、副変速レバー138およびPTO変速レバー140を第5形態操作部材110Eとする。
【0015】
ステアリング機構114は、農業機械10の進行方向を調整するための操作部である。
第1形態操作部材110Aであるステアリング機構114は、図5に示すように、断面が円形状で円環状に形成されたステアリングホイール1102と、トラクターパネル116から突設するステアリングコラム1104と、ステアリングコラム1104とステアリングホイール1102とを接続する回動部1106とを備えている。ステアリングホイール1102を時計周りに回動させることによって農業機械10の進行方向を右方向に、反時計周りに回動させることによって農業機械10の進行方向を左方向に、それぞれ変更可能である。
【0016】
イグニッションスイッチ118は、農業機械10を始動および停止させるための操作部である。
第2形態操作部材110Bであるイグニッションスイッチ118は、図6に示すように、キーシリンダ1182とイグニッションキー1184とを有している。
イグニッションスイッチ118は、キーシリンダ1182に挿入されたイグニッションキー1184がオフ位置、オン位置、始動位置のそれぞれに回動されることで、図示しない農業機械制御部にオフ信号、オン信号、始動信号を与え、これにより農業機械制御部がエンジンに対するバッテリからの電力の供給停止、供給を行ない、また、エンジンの始動を行なわせるものである。
【0017】
アクセルレバー120は、農業機械10を加速させる際に操作する操作部であり、アクセルレバー120を基準位置から手前に引き寄せることによりエンジン出力が増加して農業機械10が加速し、またアクセルレバー120を基準位置側に戻すように押すことによりエンジン出力が減少する。アクセルレバー120は、主に農作業時における加速時に用いる。
【0018】
シャトルレバー122は、農業機械10の進行方向を切り替える際に操作する操作部である。シャトルレバー122を中立位置(ニュートラル)から前方に押し出すと、農業機械10の進行方向が前方となり(前進状態)、シャトルレバー122を中立位置から後方に引くと、農業機械10の進行方向が後方となる(後進状態)。
【0019】
駐車ブレーキレバー124は、農業機械10の駐車中に車輪104駐車ブレーキをかける際に操作する操作部である。より詳細には、後述するブレーキペダル126を左右連結した上で踏み込み、この状態で駐車ブレーキレバー124を基準位置から引き下げると、車輪104に設けられた駐車ブレーキ機構が作動し、駐車ブレーキがかかる。
【0020】
第3形態操作部材110Cであるアクセルレバー120、シャトルレバー122および駐車ブレーキレバー124は、図7に示すように、農業機械10の車体Bの所定箇所(例えばアクセルレバー120およびシャトルレバー122についてはステアリングコラム1104付近)から延在し、それぞれの操作方向(車体前後方向など)に揺動可能に設けられたレバー本体1202を備えている。レバー本体1202の先端には、作業者による手動運転時に作業者が把持する被把持部1204が設けられている。
【0021】
ブレーキペダル126(126A,126B)は、農業機械10を減速させる際に操作する操作部であり、ブレーキペダル126を基準位置から踏み込むことにより図示しないブレーキ機構が作動し、農業機械10が減速する。ブレーキペダル126は、右輪用ブレーキペダル126Aおよび左輪用ブレーキペダル126Bを有し、右輪用ブレーキペダル126Aを踏み込むと車輪104の右輪のブレーキ機構が作動し、左輪用ブレーキペダル126Bを踏み込むと車輪104の左輪のブレーキ機構が作動する。すなわち、左右輪に対して独立してブレーキをかけることが可能である。
右輪用ブレーキペダル126Aと左輪用ブレーキペダル126Bとは連結金具で連結することも可能であり、連結金具で連結した状態でブレーキペダル126を踏み込むと、左右輪に対して同時にブレーキがかかる。
【0022】
アクセルペダル128は、農業機械10を加速させる際に操作する操作部であり、アクセルペダル128を基準位置から踏み込むことによりエンジン出力が増加し、農業機械10が加速する。アクセルペダル128は、主に道路走行時における加速時に用いる。
【0023】
クラッチペダル130は、エンジンで発生した駆動力の駆動輪への伝達を断接するクラッチ(図示なし)の状態を操作する操作部である。クラッチペダル130を踏み込むとクラッチが切り離され駆動力の伝達が切断される、クラッチペダル130から足を離すと(踏み込みを解除すると)クラッチが接続して駆動力の伝達が行われる。
【0024】
第4形態操作部材110Dであるブレーキペダル126、アクセルペダル128およびクラッチペダル130は、図8に示すように、運転席112近傍の床面付近の空間とエンジンルームとを仕切るダッシュパネル1120の下部に取り付けられた不図示のブラケット(基台)に回転軸1262を介して揺動可能に設けられたペダルアーム1264と、ペダルアーム1264の下端に設けられ作業者の足裏が当接するペダル踏面部1266とを備えている。
【0025】
油圧レバー132は、作業機械(本実施の形態ではロータリー108)を上げ下げする際に操作する操作部である。油圧レバー132を基準位置から後方に引くと油圧により作業機械が上方に移動し、油圧レバー132を基準位置から前方に押し出すと油圧により作業機械が下方に移動する。
【0026】
主変速レバー136および副変速レバー138は、農業機械10の走行速度を調整する際に操作する操作部である。主変速レバー136および副変速レバー138は、それぞれニュートラルを含んだ複数段の操作位置が設定されており、それらの組み合わせより走行速度を細やかに調整可能である。
【0027】
PTO変速レバー140は、PTO軸の回転速度を調整する際に操作する操作部である。PTO変速レバー140は、例えば低速側から順に1段、2段、3段と3段階にPTO軸の回転速度を調整可能であるとともに、PTO軸の回転方向を逆転させる逆転操作も可能である。
【0028】
第5形態操作部材110Eである油圧レバー132、主変速レバー136、副変速レバー138およびPTO変速レバー140は、図9に示すように、コンソール1124から車両前後方向に揺動可能に設けられた揺動軸1322と、揺動軸1322の先端に設けられ手により把持される被把持部1324とを備えている。
【0029】
ここで、本実施の形態では、上述した複数の操作部材110をそれぞれ操作する複数のアクチュエータが設けられており、農業機械を遠隔操作することが可能である。
図3は、農業機械の制御系の構成を示すブロック図である。
農業機械10は、上述した複数の操作部材110の他、複数のアクチュエータ32を構成する第1アクチュエータ32A~第13アクチュエータ32Mと、農業機械側制御装置30とが搭載されている。複数のアクチュエータ32A~32Mは、複数の操作部材110にそれぞれ対応して設けられており、各操作部材110を操作する。
第1アクチュエータ32A~第13アクチュエータ32Mおよび農業機械側制御装置30は、農業機械10に対して追加で搭載されてり、農業機械10から撤去することも可能である。
【0030】
第1アクチュエータ32Aは、ステアリング機構114を操作する。第2アクチュエータ32Bは、イグニッションスイッチ118を操作する。第3アクチュエータ32Cは、アクセルレバー120を操作する。第4アクチュエータ32Dは、シャトルレバー122を操作する。第5アクチュエータ32Eは、駐車ブレーキレバー124を操作する。第6アクチュエータ32Fは、右輪用ブレーキペダル126Aを操作する。第7アクチュエータ32Gは、左輪用ブレーキペダル126Bを操作する。第8アクチュエータ32Hは、アクセルペダル128を操作する。第9アクチュエータ32Iは、クラッチペダル130を操作する。第10アクチュエータ32Jは、油圧レバーを操作する。第11アクチュエータ32Kは、主変速レバー136を操作する。第12アクチュエータ32Lは、副変速レバー138を操作する。第13アクチュエータ32Mは、PTO変速レバー140を操作する。
【0031】
上記第1アクチュエータ32A~第13アクチュエータ32Mは、操作対象となる操作部材110の形状(操作方法)によって、第1形態アクチュエータ33A~第5形態アクチュエータ33Eに分類できる。すなわち、第1形態操作部材110Aであるステアリング機構114を操作する第1アクチュエータ32Aを第1形態アクチュエータ33Aとし、第2形態操作部材110Bであるイグニッションスイッチ118を操作する第2アクチュエータ32Bを第2形態アクチュエータ33Bとし、第3形態操作部材110Cであるアクセルレバー120、シャトルレバー122および駐車ブレーキレバー124を操作する第3アクチュエータ32C、第4アクチュエータ32Dおよび第5アクチュエータ32Eを第3形態アクチュエータ33Cとし、第4形態操作部材110Dであるブレーキペダル126(126A,126B)、アクセルペダル128およびクラッチペダル130を操作する第6アクチュエータ32F、第7アクチュエータ32G、第8アクチュエータ32Hおよび第9アクチュエータ32Iを第4形態アクチュエータ33Dとし、第5形態操作部材110Eである油圧レバー132、主変速レバー136、副変速レバー138およびPTO変速レバー140を操作する第10アクチュエータ32J、第11アクチュエータ32K、第12アクチュエータ32Lおよび第13アクチュエータ32Mを第5形態アクチュエータ33Eとする。
【0032】
第1形態アクチュエータ33Aは、図5に示すように、モータ3312と駆動ローラ3314とを含んで構成されている。
モータ3312と駆動ローラ3314は、運転席112に着座した作業者による第1形態操作部材110Aの手動操作を妨げない箇所に不図示のブラケットを介して着脱可能に設けられている。
モータ3312は、その駆動軸3316を第1形態操作部材110Aのステアリングコラム1104とほぼ直交させるように配置されている。
駆動ローラ3314は、駆動軸3316の先端に取着されている。
駆動ローラ3314は、ステアリングホイール1102の周方向の一部に配置され、ステアリングホイール1102に係合し、駆動ローラ3314が回転されることによりステアリングホイール1102の回動を可能とする。
すなわち、第1形態操作部材110Aは、手により把持される被把持部であるステアリングホイール1102と、ステアリングホイール1102(被把持部)を回転軸であるステアリングコラム1104周りに回転可能とする回動部1106とを有し、第1形態操作部材110Aに対応して設けられた第1形態アクチュエータ33Aは、被把持部であるステアリングホイール1102に係合された駆動ローラ3314と、駆動ローラ3314を回転させるモータ3312とを含んで構成されている。
駆動ローラ3314は、ステアリングホイール1102に係合する凹溝3318を備え、モータ3312の回転駆動力が駆動ローラ3314の凹溝3318を介してステアリングホイール1102に効率よく伝達されるように図られている。
【0033】
後述する農業機械側制御装置30から駆動信号が供給されることによりモータ3312が駆動し、駆動軸3316、駆動ローラ3314を介してステアリングホイール1102を正逆回転させる。これにより、第1形態アクチュエータ33Aによる第1形態操作部材110Aへの操作が実現する。
また、農業機械側制御装置30によってモータ3312に供給される駆動信号がオフとされることでモータ3312はサーボフリーとなり、運転席112に着座した作業者による第1形態操作部材110Aの手動操作が可能となっている。
【0034】
第2形態アクチュエータ33Bは、図6に示すように、モータ3322と、回転部材3324とを含んで構成されている。
モータ3322と回転部材3324は、運転席112に着座した作業者による第2形態操作部材110Bの手動操作を妨げない箇所に設けられている。
モータ3322は、トラクターパネル116付近に不図示のブラケットを介して着脱可能に設けられている。
回転部材3324は、モータ3322の駆動軸3326に連結されている。
回転部材3324には、キーシリンダ1182に挿入されたイグニッションキー1184の頭部1184Aに係脱可能な係合凹部3328が設けられている。
すなわち、回転部材3324は、イグニッションキー1184に係脱可能で一体回転可能に結合され回転操作可能となっている。
【0035】
図6(A)、(B)に示すように、イグニッションキー1184の頭部1184Aに回転部材3324の係合凹部3328が対向するように位置決めしたのち、図6(C)、(D)に示すように、回転部材3324およびモータ3322をイグニッションキー1184方向に移動させることで、頭部1184Aが係合凹部3328に挿入されて係合され、その状態で不図示のブラケットを介して第2形態アクチュエータ33Bがトラクターパネル116付近に取り付けられる。
頭部1184Aに係合凹部3328が係合した状態で、後述する農業機械側制御装置30から駆動信号がモータ3322に供給されることによりモータ3322を駆動し、イグニッションキー1184をオフ位置、オン位置、始動位置のそれぞれに回動させることができる。
これによりエンジンに対するバッテリからの電力の供給停止、供給が行なわれ、また、エンジンの始動が行なわれる。
すなわち、第2形態操作部材110Bは、キーシリンダ1182に係脱可能に挿入されるイグニッションキー1184を含んで構成され、第2形態操作部材110Bに対応して設けられた第2形態アクチュエータ33Bは、イグニッションキー1184に係脱可能で一体回転可能に結合され回転操作可能な回転部材3324と、回転部材3324を回転させるモータ3322とを含んで構成されている。
また、頭部1184Aに係合凹部3328が係合した状態で、モータ3322に供給される駆動信号がオフとされることでモータ3322はサーボフリーとなり、運転席112に着座した作業者は、イグニッションキー1184を手動で操作することができる。
なお、キーシリンダ1182からのイグニッションキー1184を取り外す際には、モータ3322を取り外し、頭部1184Aから係合凹部3328を離間させればよい。
【0036】
第3形態アクチュエータ33Cは、図7に示すように、直動式シリンダ(直動式電気シリンダ)で構成され、複数の第3形態操作部材110C(アクセルレバー120、シャトルレバー122および駐車ブレーキレバー124)に対応してそれぞれ設けられている。
第3形態アクチュエータ33Cは、シリンダ本体3332と、シリンダ本体3332に組み込まれたモータ(不図示)と、シリンダ本体3332に組み込まれたピストンロッド3334とを備えている。
第3形態アクチュエータ33Cは、運転席112に着座した作業者による第3形態操作部材110Cの手動操作(揺動操作)を妨げない箇所にブラケット3338を介して着脱可能に設けられている。
シリンダ本体3332は、ピストンロッド3334の出没方向を第3形態操作部材110Cの操作方向に合致させて配置されている。
ピストンロッド3334の先端は、第3形態操作部材110Cのレバー本体1202の長手方向の中間部に連結部3336の不図示の球面軸受を介して連結されている。
したがって、農業機械側制御装置30によってモータに駆動信号が供給されることで、シリンダ本体3332に対してピストンロッド3334が出没し、第3形態操作部材110Cが揺動操作される。
すなわち、第3形態操作部材110Cは、運転席112の近傍の車体102の箇所から揺動可能に突出されたレバー本体1202と、レバー本体1202の先端に設けられ作業者により把持される被把持部1204とを有し、第3形態操作部材110Cに対応して設けられた第3形態アクチュエータ33Cは、レバー本体1202結合されたピストンロッド3334と、レバー本体1202を揺動させる方向にピストンロッド3334を移動させるシリンダ本体3332とを備える直動式シリンダを含んで構成されている。
また、農業機械側制御装置30によってモータに供給される駆動信号がオフとされることでモータはサーボフリーとなり、運転席112に着座した運転者は、第3形態操作部材110Cの手動操作が可能となっている。
【0037】
第4形態アクチュエータ33Dは、図8に示すように、直動式シリンダ(直動式電気シリンダ)で構成され、複数の第4形態操作部材110D(ブレーキペダル126(126A,126B)、アクセルペダル128およびクラッチペダル130)に対応して設けられている。
第4形態アクチュエータ33Dは、シリンダ本体3340と、シリンダ本体3340に組み込まれたモータ(不図示)と、シリンダ本体3340に組み込まれたピストンロッド3342とを備えている。
第4形態アクチュエータ33Dは、運転席112に着座した作業者による第4形態操作部材110Dの手動操作(踏み込み操作)を妨げない箇所(ダッシュパネル1120付近)にブラケット3348を介して着脱可能に設けられている。
ピストンロッド3342の先端は、ペダルアーム1264の長手方向の中間部に連結部3344の不図示の球面軸受を介して連結されている。
したがって、農業機械側制御装置30によってモータに駆動信号が供給されることで、シリンダ本体3340に対してピストンロッド3342が出没し、ペダルアーム1264が揺動され、これにより第4形態操作部材110Dの操作がなされる。
すなわち、第4形態操作部材110Dは、作業者の足裏が当節するペダル踏面部1266と、ペダル踏面部1266の裏面に一端を固定されたペダルアーム1264と、車体102に固定された図示しない基台と、基台に対してペダルアーム1264を回転可能に接続する回転軸1262とを備え、第4形態操作部材110Dに対応して設けられた第4形態アクチュエータ33Dは、ペダルアーム1264に連結されたピストンロッド3342と、ペダルアーム1264を回転軸1262周りに回転させる方向にピストンロッド3342を移動させるシリンダ本体3340とを備える直動式シリンダを含んで構成されている。
また、農業機械側制御装置30によってモータに供給される駆動信号がオフとされることでモータはサーボフリーとなり、運転席112に着座した作業者は、第4形態操作部材110Dの手動操作が可能となっている。
【0038】
第5形態アクチュエータ33Eは、図9に示すように、直動式シリンダ(直動式電気シリンダ)で構成され、複数の第5形態操作部材110E(油圧レバー132、主変速レバー136、副変速レバー138、PTO変速レバー140)に対応して設けられている。
第5形態アクチュエータ33Eは、シリンダ本体3350と、シリンダ本体3350に組み込まれたモータ(不図示)と、シリンダ本体3350に組み込まれたピストンロッド3352とを備えている。
第5形態アクチュエータ33Eは、運転席112に着座した作業者による第5形態操作部材110Eの手動操作を妨げない箇所(コンソール1124の周辺)にブラケット3356を介して着脱可能に設けられている。
シリンダ本体3350は、ピストンロッド3352の出没方向を各操作部材110Eの操作方向に合致させて配置されている。
ピストンロッド3352の先端は、各レバーの揺動軸1322の長手方向の中間部に連結部3354の不図示の球面軸受を介して連結されている。
すなわち、第5形態操作部材110Eは、運転席112の近傍に設けられたコンソール1124から揺動可能に突出された揺動軸1322と、揺動軸1322の先端に設けられ作業者により把持される被把持部1324とを有し、第5形態操作部材110Eに対応して設けられた第5形態アクチュエータ33Eは、揺動軸1322に結合されたピストンロッド3352と、揺動軸1322を揺動させる方向にピストンロッド3352を移動させるシリンダ本体3350とを備える直動式シリンダを含んで構成されている。
したがって、農業機械側制御部30によって不図示のモータに駆動信号が供給されることで、第5形態アクチュエータ33Eにおいては、シリンダ本体3350に対してピストンロッド3352が出没し、第5形態操作部材110Eが中立位置から傾倒され、第5形態操作部材110Eを用いた操作がなされる。
また、農業機械側制御部30によってモータに供給される駆動信号がオフとされることでモータはサーボフリーとなり、運転席112に着座した作業者は、第5形態操作部材110Eの手動操作が可能となっている。
【0039】
図3の説明に戻り、農業機械側制御装置30は、農業機械側通信部38と、第1~第13検出部34A~34Mと、サーボ制御部37と、農業機械側制御部39とを含んで構成されている。
農業機械側通信部38は、後述する遠隔操作装置40の遠隔操作側通信部47から無線回線を介して送信される遠隔操作指令情報を受信する。
第1~第13検出部34A~34Mはそれぞれ、第1~第13アクチュエータ32A~32Mによる各操作部材110の操作量を検出する。
【0040】
サーボ制御部37は、後述する操作部材制御部39Aの制御により、第1~第13検出部34A~34Mでそれぞれ検出された操作量に基づいて第1~第13アクチュエータ32A~32Mのサーボ制御をそれぞれ行なう。
【0041】
農業機械側制御部39は、CPUと、制御プログラムなどを格納・記憶するROMと、制御プログラムの作動領域としてのRAMと、各種データを書き換え可能に保持するEEPROMと、第1~第13検出部34A~34M、サーボ制御部37、周辺回路等とのインターフェースをとるインターフェース部と、などを含んで構成される。
農業機械側制御部39は、上記制御プログラムを実行することにより操作部材制御部39Aとして機能する。
【0042】
操作部材制御部39Aは、農業機械側通信部38を介して受信した遠隔操作指令情報に基づいて、第1~第13検出部34A~34Mの検出結果を監視しつつ、サーボ制御部37を制御することで第1~第13アクチュエータ32A~32Mを駆動制御して各操作部材110を動かす。
【0043】
また、操作部材制御部39Aは、後述する遠隔操作装置40のモード切替スイッチ48(図4参照)の操作によって、遠隔操作側制御部46で生成されたモード切替指令情報を、遠隔操作側通信部47、農業機械側通信部38を介して受信することで、遠隔操作モードと、手動操作モードとに選択可能に構成されている。
【0044】
操作部材制御部39Aは、モード切替指令情報に応じて遠隔操作モードに設定された場合は、遠隔操作装置40の操作に応じて遠隔操作を行う。
すなわち、操作部材制御部39Aは、遠隔操作指令情報に基づいて第1~第13アクチュエータ32A~32Mを制御して、各操作部材110を操作する。
【0045】
また、操作部材制御部39Aは、モード切替指令情報に応じて手動操作モードに設定された場合は、サーボ制御部37を制御して第1~第13アクチュエータ32A~32Mのモータへの駆動信号をオフとすることで、すなわち、サーボ制御部37のサーボ制御を無効とすることで、第1~第13アクチュエータ32A~32Mをサーボフリーとして各操作部材110の手動操作を可能とする。
なお、モード切替スイッチ48を農業機械側制御装置30に設け、モード切替スイッチ48の操作を受け付けた農業機械側制御部39が遠隔操作モードと、手動操作モードとを選択するようにしてもよい。
【0046】
図4は、遠隔操作遠隔操作装置の構成を示すブロック図である。
遠隔操作装置40は、農業機械10から離間した箇所に位置する作業者が操作するものであり、この作業者による操作により生成した遠隔操作司令情報を農業機械側制御部39に無線回線を介して送信するものである。
遠隔操作装置40は、第1~第13遠隔操作部材42A~42Mと、第1~第13検出部44A~44Mと、モード切替スイッチ48と、遠隔操作側制御部46と、遠隔操作側通信部47とを含んで構成されている。
第1~第13遠隔操作部材42A~42Mは、それぞれ操作部材110(ステアリング機構114、イグニッションスイッチ118、アクセルレバー120、シャトルレバー122、駐車ブレーキレバー124、右輪用ブレーキペダル126A、左輪用ブレーキペダル126B、アクセルペダル128、クラッチペダル130、油圧レバー132、主変速レバー136、副変速レバー138、PTO変速レバー140)を遠隔操作するための揺動操作がなされる遠隔制御用の操作部材(例えばレバー状のジョイスティック)で構成されている。
第1~第13検出部44A~44Mは、各遠隔操作部材42A~42Mに対応して設けられ、各遠隔操作部材42A~42Mの操作位置に対応する角度を示す検知信号を出力するものである。
【0047】
モード切替スイッチ48は、後述する遠隔操作モードと、手動操作モードとを切り替える際に切り替え操作されるものである。
【0048】
遠隔操作側制御部46は、CPUと、制御プログラムなどを格納・記憶するROMと、制御プログラムの作動領域としてのRAMと、各種データを書き換え可能に保持するEEPROMと、各第1~第13検出部44A~44M、モード切替スイッチ48、周辺回路等とのインターフェースをとるインターフェース部とを含んで構成される。
遠隔操作側制御部46は、上記制御プログラムを実行することにより指令情報生成部46Aとして機能する。
指令情報生成部46Aは、各第1~第13検出部44A~44Mから供給される検知信号に基いて遠隔操作指令情報を生成するものである。
また、指令情報生成部46Aは、モード切替スイッチ48から供給される操作信号に基いてモード切替司令情報を生成するものである。
【0049】
遠隔操作側通信部47は、農業機械側通信部38(図3参照)と無線回線を介して通信可能に構成され、指令情報生成部46Aで生成された遠隔操作指令情報、モード切替司令情報を農業機械側通信部38に無線回線を介して送信するものである。
【0050】
次に、本実施の形態の遠隔操作システムを用いて農業機械10を遠隔操作する場合について説明する。
予め、農業機械側制御部39はモード切替スイッチ48により遠隔操作モードに設定されているものとする。
なお、作業者による農業機械10の遠隔操作は、作業者が農業機械10を監視しながら行なうものとする。
【0051】
作業者が遠隔操作装置40の第1~第13遠隔操作部材42A~42Mを操作すると、第1~第13検出部44A~44Mで検出された検知信号に基づいて指令情報生成部46Aが遠隔操作指令情報を生成する。遠隔操作指令情報は、無線回線を介して遠隔操作側通信部47から農業機械側通信部38に送信される。
【0052】
農業機械10では、農業機械側通信部38を介して受信された遠隔操作指令情報が操作部材制御部39Aに供給され、操作部材制御部39Aは、遠隔操作指令情報に基いて、第1~第13検出部34A~34Mの検出結果を監視しつつ、サーボ制御部37を制御することで第1~第13アクチュエータ32A~32Mを駆動制御して各操作部材110を操作させる。
【0053】
次に本実施の形態の遠隔操作システムを用いて、農業機械10に搭乗した作業者が各操作部材110を手動操作する場合について説明する。
予め、農業機械側制御部39はモード切替スイッチ48により手動操作モードに設定されているものとする。
【0054】
運転席112に着座した作業者は、まずイグニッションスイッチ118を回動し、農業機械10起動させる。そして、ステアリング機構114、アクセルレバー120、シャトルレバー122、駐車ブレーキレバー124、ブレーキペダル126(126A,126B)、アクセルペダル128、クラッチペダル130、油圧レバー132、主変速レバー136、副変速レバー138、PTO変速レバー140を適宜手動操作して、農業機械10の運転(移動)および作業機械を用いた作業を行う。
この時、第1~第13アクチュエータ32A~32Mはサーボフリーとされているため、各操作部材110の手動操作は妨げられない。
【0055】
本実施の形態によれば、作業者によって操作され農業機械10の操作を行なうための操作部材を操作する第1~第13アクチュエータ32A~32Mを、運転席112に着座した作業者による操作部材の手動操作を妨げない箇所に着脱可能に設け、操作部材制御部39Aによる遠隔操作モードを選択することで、遠隔操作指令情報に基いて第1~第13アクチュエータ32A~32Mを制御して各操作部材110(ステアリング機構114、イグニッションスイッチ118、アクセルレバー120、シャトルレバー122、駐車ブレーキレバー124、ブレーキペダル126(126A,126B)、アクセルペダル128、クラッチペダル130、油圧レバー132、主変速レバー136、副変速レバー138、PTO変速レバー140)を操作することによって、農業機械10を遠隔操作することができるようにし、操作部材制御部39Aの手動操作モードを選択することで、第1~第13アクチュエータ32A~32Mをサーボフリーとして各操作部材110を運転席112に着座した作業者が手動操作できるようにした。
すなわち、特別な工事等を行わずに、作業者が運転席112に着座して農業機械10を操作することも、また、作業者が農業機械10から離れた位置から遠隔操作することもでき、農業機械10を用いた作業の利便性を向上させる上で有利となる。
【0056】
なお、第1~第13アクチュエータ32A~32Mを、運転席112に着座した作業者による操作部材の手動操作を妨げない箇所に着脱不能に設けてもよいが、本実施の形態のように着脱可能に設けると、第1~第13アクチュエータ32A~32Mを容易に取り外せるので、第1~第13アクチュエータ32A~32Mのメンテンナンス作業を効率的に行なう上で有利となる。
【0057】
また、本実施の形態では、サーボ制御部37は、第1~第13検出部34A~34Mでそれぞれ検出された操作量に基づいて第1~第13アクチュエータ32A~32Mのサーボ制御をそれぞれ行ない、操作部材制御部39Aの遠隔操作モードは、サーボ制御部37を介して第1~第13アクチュエータ32A~32Mをそれぞれ操作することでなされ、手動操作モードは、サーボ制御部37の制御動作を無効としそれら第1~第13アクチュエータ32A~32Mをサーボフリーとすることでなされるようにした。
したがって、簡単な構成により遠隔操作モードと手動操作モードとを切り替える上で有利となる。
【0058】
なお、各操作部材110に対する各アクチュエータ32の連結とその解除を可能に構成し、遠隔操作モードと手動操作モードとを切り替えるようにしてもよい。
しかしながら、その場合は、複数のアクチュエータや複雑な機構が必要となりコストがかさむ不利がある。
これに対して本実施の形態のように第1~第13アクチュエータ32A~32Mのサーボ制御とサーボフリーとを切り替えるようにすれば足りるため、そのようなコストを抑制する上で有利となる。
【0059】
また、本実施の形態では、操作部材は、ステアリング機構114、イグニッションスイッチ118、アクセルレバー120、シャトルレバー122、駐車ブレーキレバー124、ブレーキペダル126(126A,126B)、アクセルペダル128、クラッチペダル130、油圧レバー132、主変速レバー136、副変速レバー138、PTO変速レバー140を含むので、農業機械10の遠隔操作を的確に行なう上で有利となる。
また、本実施の形態では、第1~第13アクチュエータ32A~32Mが設けられる、作業者による操作部材の手動操作を妨げない箇所は、操作部材が設けられていない箇所であるため、第1~第13アクチュエータ32A~32Mと操作部材との距離を短縮でき、第1~第13アクチュエータ32A~32Mによる操作部材の操作を確実に行なう上で有利となる。
また、本実施の形態では、各アクチュエータ32A~32Mは、簡易な構成で操作部材110の操作を的確に行なうことができる。
【0060】
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について図10および図11を参照して説明する。
なお、以下の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の部分、部材については第1の実施の形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0061】
第1の実施の形態では、遠隔操作を行なう作業者が農業機械10を監視しつつ遠隔操作を行なう場合について説明したが、第2の実施の形態では、遠隔操作を行なう作業者から農業機械10が視認できない範囲で遠隔操作を行なうことを可能としたものである。
すなわち、第2の実施の形態では、農業機械10の周辺の画像情報と農業機械10の測位情報を取得し、それら画像情報と測位情報とに基づいて遠隔操作装置40側で画像情報を表示させると共に、農業機械10の地図上での測位情報を表示させるようにした。
【0062】
図9に示すように、農業機械10には、画像情報生成部を構成する前方カメラ50A、後方カメラ50B、左方カメラ50C、右方カメラ50Dの4つのカメラと、測位部52とが設けられている。
前方カメラ50Aは、車体102の前方を撮像して画像情報を生成するものである。
後方カメラ50Bは、車体102の後方を撮像して画像情報を生成するものである。
左方カメラ50Cは、車体102の左方を撮像して画像情報を生成するものである。
右方カメラ50Dは、車体102の右方を撮像して画像情報を生成するものである。
それら4つの画像情報は、農業機械側通信部38から遠隔操作装置40の遠隔操作側通信部47に無線回線を介して送信される。
なお、画像情報は、動画であっても一定の時間間隔で生成された静止画であってもよい。
【0063】
測位部52は、測位衛星から受信した測位信号に基づいて農業機械の位置を測位し測位情報を生成するものである。
このような測位衛星は、GPS、GLONASS、Galileo、準天頂衛星(QZSS)等のGNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)で用いられるものであり、それら測位システムで使用される測位衛星の1つを用いてもよく、あるいは、2つ以上の測位衛星を組み合わせて用いても良い。
測位部52で生成された測位情報は、農業機械側通信部38から遠隔操作装置40の遠隔操作側通信部47に無線回線を介して送信される。
【0064】
図11に示すように、遠隔操作装置40には、操作入力部60、地図データベース62、表示部64が設けられている。
操作入力部60は、作業者の操作に応じて、後述する報知部46Bに対して表示部64で表示する情報の切り替えなどを指示するものである。操作入力部60は、例えば、表示部64の表示面に設けられたタッチパネルや表示部64とは独立して設けられたキースイッチで構成されている。
地図データベース62は、農業機械10が操作する場所を含む地図情報を格納しており、地図情報は地球上の測位情報(位置情報)と関連付けられている。
表示部64は、後述する報知部46Bの制御に基づいて、農業機械10の周辺の画像情報を表示し、また、農業機械10の現在位置を地図情報上に表示するものである。
【0065】
遠隔操作装置40の遠隔操作側制御部46は、制御プログラムを実行することにより報知部46Bとして機能する。
報知部46Bは、農業機械側通信部38から無線回線を介して送信された画像情報を表示部64に表示させ、また、農業機械側通信部38から無線回線を介して送信された測位情報に基づいて地図データベース62から地図情報を読み出し、測位情報に基づいてその地図情報上に農業機械10の現在位置を示すアイコンを重ね合わせて表示部64に表示させる。
また、報知部46Bは、操作入力部60の操作に応じて画像情報と地図情報とを切り替えて表示部64に表示させる。あるいは、車体102の前方、後方、左方、右方の画像情報を選択的に表示部64に表示させる。
例えば、図12(A)は、表示部64の表示画面に、前方カメラ50Aで撮像された農業機械10の前方の画像情報IMが表示された状態を示しており、この例では、農業機械10が走行する道路L1、農業機械10の前方に位置する道路L2との交差点C、周囲の畑Fなどが表示されている。
また、図12(B)は、表示部64の表示画面に、地図情報MPを表示し、農業機械10の現在位置を示すアイコンPを重ね合わせた状態を示しており、この例では、農業機械10は道路L1’を走行しており、農業機械10の前方には道路L2’との交差点C’があることがわかる。
【0066】
このような第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果が奏されることは無論のこと、表示部64に表示された画像情報によって農業機械10の周辺の状況、具体的には、農業機械10と作業対象である農作物や土壌との位置関係、他の農業機械の有無やそれら農業機械と農業機械10との位置関係などを把握することができ、農業機械10から離れた箇所から農業機械10を的確に遠隔操作する上で有利となる。
また、表示部64に表示された地図情報に基づいて、農業機械10の現在位置を把握することができ、農業機械10から離れた箇所から農業機械10を的確に遠隔操作する上で有利となる。
なお、第2の実施の形態では、複数のカメラ50A~50Dと、測位部52との双方を設けた場合について説明したが、いずれか一方のみを設けてもよい。しかしながら、第2の実施の形態のようにすると、農業機械10の周辺の状態と農業機械10の現在位置との双方を把握できるため、農業機械10を的確に遠隔操作する上でより有利となる。
また、第2の実施の形態では、前方カメラ50A、後方カメラ50B、左方カメラ50C、右方カメラ50Dの4台のカメラを設けた場合について説明したが、カメラの数や配置は任意である。また、複数のカメラを設ける代わりに、撮像範囲が広範囲である全天球カメラや半天球カメラを用いるなど任意である。
【0067】
なお、実施の形態では、操作部材を操作するアクチュエータが直動式電気シリンダで構成されている場合について説明したが、アクチュエータとして、空気シリンダ、油圧シリンダ、リニアモータなど従来公知の様々なアクチュエータが使用可能である。
【0068】
また、本実施の形態では、農業機械10の一例としてトラクターを例にして説明したが、これに限らず、例えば田植え機やコンバインなど、従来公知の様々な農業機械に本発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0069】
10 農業機械
102 車体
104(104A,104B) 車輪
106 ルーフ
108 ロータリー
110 操作部材
112 運転席
114 ステアリング機構
116 トラクターパネル
118 イグニッションスイッチ
120 アクセルレバー
122 シャトルレバー
124 駐車ブレーキレバー
126(126A,126B) ブレーキペダル
128 アクセルペダル
130 クラッチペダル
132 油圧レバー
136 主変速レバー
138 副変速レバー
140 PTO変速レバー
30 農業機械側制御装置
32(32A-32M)、33(33A-33E) アクチュエータ
34(34A-34M) 検出部
37 サーボ制御部
38 農業機械側通信部
39 農業機械側制御部
39A 操作部材農業機械側制御部
40 遠隔操作装置
42(42A-42M) 遠隔操作部材
44(44A-44M) 検出部
46 遠隔操作側制御部
46A 指令情報生成部
46B 報知部
47 遠隔操作側通信部
48 モード切替スイッチ
50(50A-50D) カメラ
52 測位部
60 操作入力部
62 地図データベース
64 表示部
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
図11
図12