(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022100838
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】映像装置のスイッチ操作機構、及び映像装置
(51)【国際特許分類】
H01H 13/20 20060101AFI20220629BHJP
【FI】
H01H13/20 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020215061
(22)【出願日】2020-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】591036457
【氏名又は名称】三菱電機エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】石本 浩之
【テーマコード(参考)】
5G206
【Fターム(参考)】
5G206AS10H
5G206AS10J
5G206AS10K
5G206CS01J
5G206CS11J
5G206FS01H
5G206FS01J
5G206GS11
5G206JS01
5G206JU35
5G206KS08
(57)【要約】
【課題】映像装置のベゼル部の幅を狭くすることができる映像装置のスイッチ操作機構、及び映像装置を得る。
【解決手段】映像装置のスイッチ操作機構3は、スイッチ機構5を操作する操作位置と操作位置から外れた非操作位置との間で変位可能な操作部材31と、操作部材31に向かう押込み方向へ移動可能な押込み部材30と、を有している。操作部材31は、押込み方向へ移動する押込み部材30に押されることによって非操作位置から前記操作位置へ変位する。操作部材31が非操作位置から操作位置へ変位する方向である操作方向は、押込み方向に対して交差する方向となっている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチ機構を操作する操作位置と前記操作位置から外れた非操作位置との間で変位可能な操作部材と、
前記操作部材に向かう押込み方向へ移動可能な押込み部材と、
を備え、
前記操作部材は、前記押込み方向へ移動する前記押込み部材に押されることによって前記非操作位置から前記操作位置へ変位し、
前記操作部材が前記非操作位置から前記操作位置へ変位する方向である操作方向は、前記押込み方向に対して交差する方向となっている映像装置のスイッチ操作機構。
【請求項2】
前記操作部材は、弾性部材であり、
前記操作部材は、前記非操作位置から前記操作位置へ弾性変形しながら変位する請求項1に記載の映像装置のスイッチ操作機構。
【請求項3】
前記押込み部材には、前記押込み方向に対して傾斜する押込み傾斜面が形成されており、
前記操作部材には、前記押込み傾斜面に沿った受け傾斜面が形成されており、
前記押込み部材は、前記押込み傾斜面を前記受け傾斜面に対してスライドさせながら前記操作部材に対して前記押込み方向へ移動することにより、前記非操作位置から前記操作位置へ前記操作部材を変位させる請求項1又は請求項2に記載の映像装置のスイッチ操作機構。
【請求項4】
前記操作部材には、前記押込み部材を受けるストッパ面が形成されており、
前記ストッパ面は、前記受け傾斜面よりも前記押込み部材から離れた位置に位置している請求項3に記載の映像装置のスイッチ操作機構。
【請求項5】
前記操作部材には、曲面が形成された突起部が設けられており、
前記突起部は、前記受け傾斜面と前記ストッパ面との間に位置しており、
前記操作部材に対して前記押込み方向に移動する時の前記押込み部材は、前記曲面に接触しながら前記ストッパ面に向かって移動する請求項4に記載の映像装置のスイッチ操作機構。
【請求項6】
前記受け傾斜面の両側部には、前記操作部材に対する前記押込み部材の移動を案内する一対のリブが設けられている請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の映像装置のスイッチ操作機構。
【請求項7】
パネル表示面及びパネル背面が形成されている表示パネルと、
前記表示パネルの外周部に沿って設けられているベゼル部と、
前記表示パネルからみて前記パネル背面が向いている側に設けられているスイッチ機構と、
前記ベゼル部に設けられ、前記スイッチ機構を操作する請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のスイッチ操作機構と、
を備え、
前記操作部材は、前記表示パネルからみて前記パネル背面が向いている側に設けられており、
前記ベゼル部には、前記表示パネルからみて前記パネル表示面が向いている側に前記ベゼル部内から前記押込み部材を露出させる開口部が設けられており、
前記押込み部材は、前記開口部から、前記表示パネルの外周部と前記ベゼル部との間の隙間を通って前記操作部材に達するように配置されている映像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、映像装置のスイッチ操作機構、及び映像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、操作部材に対するスライド方向への押圧操作に伴って操作部材が可動接点を押圧する押釦スイッチが知られている。操作部材は、スライド方向へ移動しながら、スライド方向と交差する交差方向へ移動することにより、可動接点を押圧する(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示されている従来の押釦スイッチでは、スライド方向だけでなく、スライド方向と交差する交差方向へも操作部材が移動する。このため、スライド方向及び交差方向のいずれについても操作部材の移動スペースを確保する必要がある。従って、映像装置の表示パネルの外周部に設けられたベゼル部に従来の押釦スイッチを取り付ける場合、ベゼル部の幅が広くなってしまう。
【0005】
本開示は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、映像装置のベゼル部の幅を狭くすることができる映像装置のスイッチ操作機構、及び映像装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る映像装置のスイッチ操作機構は、スイッチ機構を操作する操作位置と操作位置から外れた非操作位置との間で変位可能な操作部材と、操作部材に向かう押込み方向へ移動可能な押込み部材と、を備え、操作部材は、押込み方向へ移動する押込み部材に押されることによって非操作位置から操作位置へ変位し、操作部材が非操作位置から操作位置へ変位する方向である操作方向は、押込み方向に対して交差する方向となっている。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る映像装置のスイッチ操作機構によれば、映像装置のベゼル部の幅を狭くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1による映像装置を示す概略正面図である。
【
図3】
図2のIII-III線に沿った断面図である。
【
図5】
図3の操作部材が操作位置に変位されたときのスイッチ操作機構を示す断面図である。
【
図6】実施の形態2による映像装置のスイッチ操作機構の要部を示す断面図である。
【
図7】
図6の押込み部材の先端部がストッパ面に当たっている状態を示す断面図である。
【
図8】実施の形態3による映像装置の操作部材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1による映像装置を示す概略正面図である。
図2は、
図1のII部を示す拡大図である。
図3は、
図2のIII-III線に沿った断面図である。図において、映像装置10は、映像装置本体11と、映像装置本体11を支持するスタンド12とを有している。映像装置本体11は、表示パネル1と、筐体2と、スイッチ操作機構3と、スイッチ機構5とを有している。
【0010】
表示パネル1には、
図3に示すように、パネル表示面1aと、パネル背面1bと、パネル外周面1cとが形成されている。パネル表示面1aは、映像を表示する画面である。パネル背面1bは、表示パネル1の厚さ方向においてパネル表示面1aとは反対側の表示パネル1の部分に形成された面である。パネル外周面1cは、パネル表示面1a及びパネル背面1bのそれぞれの周縁部の間に形成された面である。実施の形態1では、表示パネル1の厚さ方向に沿って見たときの表示パネル1の形状が矩形状となっている。
【0011】
筐体2は、パネル表示面1aを露出させた状態で表示パネル1を収容している。筐体2は、スタンド12に固定されている。パネル背面1bと筐体2との間の空間には、映像装置10を機能させるために必要な図示しない搭載機器が配置されている。
【0012】
筐体2は、背板部21と、ベゼル部22とを有している。実施の形態1では、背板部21に直交する方向に沿って見たときの背板部21の形状が、表示パネル1の形状に合わせた矩形状となっている。
【0013】
背板部21は、パネル背面1bに対向している。ベゼル部22は、背板部21に設けられている。ベゼル部22は、表示パネル1の外周部に沿って配置されている。ベゼル部22は、表示パネル1の外周部を覆っている。実施の形態1では、背板部21の4つの辺に沿ってベゼル部22が配置されている。また、実施の形態1では、背板部21の4つの辺の1つを下にして筐体2がスタンド12に支持されている。
【0014】
ベゼル部22は、側板部221と、表板部222とを有している。ベゼル部22の断面形状は、側板部221及び表板部222によってL字状となっている。側板部221は、パネル外周面1cに対向している。表板部222は、パネル表示面1aの周縁部に対向している。
【0015】
ベゼル部22には、
図2に示すように、複数の開口部23が設けられている。実施の形態1では、筐体2の下部に位置するベゼル部22に3つの開口部23が設けられている。複数の開口部23は、ベゼル部22に沿って互いに間隔をあけて設けられている。ベゼル部22には、各開口部23にそれぞれ対応するスイッチ操作機構3が配置されている。各スイッチ操作機構3は、対応する開口部23を通して表示パネル1の表面側にベゼル部22内から表示パネル1の表示面側に露出している。表示パネル1の表示面側とは、表示パネル1からみてパネル表示面1aが向いている側である。
【0016】
ここで、
図4は、
図2の筐体2を示す部分斜視図である。各開口部23は、側板部221と表板部222との境界に設けられている。
【0017】
表示パネル1からみてパネル背面1bが向いている側、即ち表示パネル1の背面側には、
図3に示すように、各スイッチ操作機構3に1つずつ対応する複数のスイッチ機構5が設けられている。各スイッチ機構5は、パネル背面1bと背板部21との間の空間に配置されている。また、各スイッチ機構5は、開口部23が設けられたベゼル部22の側板部221から離れた位置に配置されている。各スイッチ機構5は、表示パネル1の表示面側から映像装置10を見たとき、表示パネル1に隠れる位置に配置されている。
【0018】
各スイッチ機構5は、スイッチ部50を有している。各スイッチ機構5は、スイッチ部50の開閉状態に応じた信号を搭載機器に出力する。
【0019】
スイッチ操作機構3は、スイッチ機構5のスイッチ部50を操作する機構である。映像装置10の搭載機器は、スイッチ機構5に対するスイッチ操作機構3の操作により、各スイッチ機構5に対応する各種の機能を作動させる。例えば、複数のスイッチ操作機構3のうち、主電源用のスイッチ機構5に対応するスイッチ操作機構3を操作者が押すことで、映像装置10の主電源の入り切り操作をすることができる。
【0020】
スイッチ操作機構3は、押込み部材30と、操作部材31とを有している。押込み部材30は、操作部材31とは別部材である。押込み部材30及び操作部材31は、背板部21に直交する方向、即ち筐体2の奥行方向へ並んでいる。操作部材31は、押込み部材30よりも背板部21に近い位置に配置されている。
【0021】
押込み部材30は、図示しない支持機構によって筐体2に対して筐体2の奥行方向へ移動可能に支持されている。これにより、押込み部材30は、筐体2の奥行方向に沿った直線上を移動可能になっている。押込み部材30を支持する支持機構は、筐体2とは別の機構であってもよいし、筐体2の一部であってもよい。
【0022】
押込み部材30は、押釦部301と、突出部302とを有している。
【0023】
押釦部301は、開口部23を通してベゼル部22内から表示パネル1の表示面側に露出するブロック状部である。突出部302は、押釦部301から、表示パネル1の外周部とベゼル部22との間の隙間を通って操作部材31に達する板状部である。
【0024】
押込み部材30は、押釦部301が操作者によって押されることにより、操作部材31に向かう押込み方向への力を受ける。押込み部材30は、押釦部301が押込み方向への力を受けることにより、非押込み位置から、非押込み位置よりも操作部材31に近い押込み位置へ移動する。実施の形態1では、筐体2の奥行方向に沿って押込み部材30が操作部材31に向かう方向が押込み方向となっている。
【0025】
突出部302には、押込み方向に対して傾斜する押込み傾斜面30aが形成されている。押込み傾斜面30aは、操作部材31に向かって側板部221に近づく方向へ押込み方向に対して傾斜している。これにより、押込み傾斜面30aが形成されている突出部302の部分の厚さは、操作部材31に向かって連続的に小さくなっている。
【0026】
突出部302の先端部303は、押込み傾斜面30aよりも操作部材31側に位置している。先端部303の厚さは、突出部302の長手方向のどの位置でも一定となっている。突出部302のうち、押込み傾斜面30aが形成されている部分及び先端部303は、操作部材31と側板部221との間に挿入されている。
【0027】
操作部材31は、板状部材である。操作部材31には、受け傾斜面31aと、ストッパ面31bとが形成されている。
【0028】
受け傾斜面31aは、押込み傾斜面30aに沿った面である。受け傾斜面31aは、押込み傾斜面30aに接触している。これにより、受け傾斜面31aは、押込み方向に対して傾斜している。操作部材31において受け傾斜面31aが形成された部分の厚さは、押釦部301に向かって連続的に小さくなっている。
【0029】
ストッパ面31bは、押込み部材30の先端部303を受ける面である。また、ストッパ面31bは、押込み方向に対して直交している。ストッパ面31bは、受け傾斜面31aよりも押込み部材30から離れた位置に位置している。
【0030】
操作部材31は、スイッチ機構5を操作する操作位置と、操作位置から外れた非操作位置との間で変位可能になっている。押込み部材30が非押込み位置にある状態では、
図3に示すように、操作部材31の位置が非操作位置となっている。操作部材31は、非押込み位置から押込み方向へ移動する押込み部材30に押されることによって非操作位置から操作位置へ変位する。
【0031】
図5は、
図3の操作部材31が操作位置に変位されたときのスイッチ操作機構3を示す断面図である。操作部材31は、弾性部材である。操作部材31を構成する材料としては、金属、樹脂などが用いられている。
【0032】
筐体2の奥行方向における操作部材31の両端部のうち、背板部21に近い側の端部は、図示しない支持機構によって筐体2に固定されている。筐体2の奥行方向における操作部材31の両端部のうち、押込み部材30に近い側の端部は、操作部材31の弾性変形によって筐体2に対して変位可能なスイッチ操作部311となっている。これにより、操作部材31が
図3の非操作位置と
図5の操作位置との間で変位するときには、操作部材31の弾性変形によってスイッチ操作部311が筐体2に対して変位する。スイッチ操作機構3では、操作部材31が操作位置に達すると、スイッチ操作部311がスイッチ機構5を操作する。
【0033】
押込み部材30は、受け傾斜面31aに対して押込み傾斜面30aをスライドさせながら操作部材31に対して非押込み位置から押込み方向へ移動することにより、非操作位置から操作位置へ操作部材31を変位させる。押込み部材30は、操作部材31の弾性復元力に逆らって操作部材31を弾性変形させながら、非押込み位置から押込み方向へ移動する。
【0034】
操作部材31が非操作位置から操作位置へ変位する方向である操作方向は、押込み方向に対して交差する方向となっている。操作部材31は、操作方向へ変位しても表示パネル1に干渉しない位置に配置されている。
【0035】
次に、実施の形態1におけるスイッチ操作機構3の動作について説明をする。
【0036】
押込み部材30が押込み方向への力を操作者から受けていない状態では、押込み部材30が非押込み位置にあり、操作部材31が非操作位置にある。
【0037】
操作者が押釦部301を押すと、操作者の付与した力である押込み力により、押込み部材30は、非押込み位置から操作部材31に向かって押込み方向へ直進移動する。
【0038】
押込み傾斜面30aと受け傾斜面31aとは、押込み方向に対して傾斜している。押込み部材30は、押込み傾斜面30aを受け傾斜面31aに対してスライドさせながら操作部材31に対して押込み方向へ移動する。
【0039】
押込み方向への押込み部材30の移動に伴い、操作部材31は、受け傾斜面31aとは反対側に反るように弾性変形をしながら撓む。これにより、操作部材31は、非操作位置から操作位置に向かって操作方向へ変位する。
【0040】
押込み部材30がさらに操作部材31に向かって移動することで、操作部材31はさらに反るように弾性変形をする。これにより、操作部材31が操作位置に達し、スイッチ操作部311がスイッチ機構5のスイッチ部50を押す。このとき、スイッチ部50の接点状態が変化し、スイッチ部50の接点状態に応じた信号がスイッチ機構5から搭載機器へ送信される。
【0041】
操作者が押釦部301をさらに押すと、押込み部材30の先端部303が操作部材31のストッパ面31bに当たる。これにより、押込み部材30が押込み方向へさらに移動することが阻止される。押込み部材30は、
図5に示すように、ストッパ面31bに当たることにより押込み位置に達する。
【0042】
操作者が押釦部301を押すことをやめると、押込み部材30に付与されていた押込み力がなくなる。操作部材31は、弾性変形から生じている復元力により、もとの形状に戻ろうとしている。これにより、操作部材31は、操作部材31の弾性復元力によって操作位置から非操作位置に向かって変位する。
【0043】
操作部材31が非操作位置に戻ることにより、操作部材31は、受け傾斜面31aを押込み傾斜面30aに対してスライドさせながら押込み部材30を押込み位置から非押込み位置に向かって押し戻す。これにより、操作部材31が非操作位置に戻り、押込み部材30が非押込み位置に戻る。
【0044】
実施の形態1によるスイッチ操作機構3によれば、操作部材31の操作方向が押込み部材30の押込み方向に対して交差する方向となっている。このため、押込み方向に対して交差する操作方向へ押込み部材30を移動させる必要がなくなり、押込み部材30の移動スペースを小さくすることができる。従って、表示パネル1の外周部とベゼル部22との間の隙間に押込み部材30を配置することにより、表示パネル1に対する押込み部材30の干渉を防止しながら、ベゼル部22の幅を狭くすることができる。また、操作部材31及びスイッチ機構5を表示パネル1の背面側に配置することができる。このため、表示パネル1の背面側に存在するスペースを有効に活用することができる。
【0045】
また、表示パネル1の外周部とベゼル部22との間の隙間に配置された突出部302の形状は、板状である。このため、ベゼル部22の幅をさらに狭くすることができる。
【0046】
また、操作部材31は、非操作位置から操作位置へ弾性変形しながら変位する。このため、押込み部材30に対する押込み方向への力の付与をなくすだけで、操作部材31の弾性復元力によって、押込み部材30を押込み位置から非押込み位置に移動させることができる。これにより、押込み部材30を非押込み位置に押し戻すための復元機構を別途用意する必要がない。従って、ベゼル部22の幅をさらに狭くすることができる。また、復元機構を用いる必要がないため、スイッチ操作機構3の構造の複雑化を防止することができ、安価なスイッチ操作機構3を得ることができる。
【0047】
また、押込み部材30は、受け傾斜面31aに対して押込み傾斜面30aをスライドさせながら操作部材31に向かって移動することにより、非操作位置から操作位置へ操作部材31を変位させる。このため、押込み部材30及び操作部材31のそれぞれの動作の円滑化を図ることができる。これにより、スイッチ機構5に対するスイッチ操作機構3の操作を容易にすることができる。また、押込み力による押込み部材30の撓み変形を抑制することもでき、表示パネル1に対する押込み部材30の干渉をさらに確実に防止することもできる。
【0048】
また、押込み部材30の撓み変形が生じにくくなっていることから、押込み部材30と表示パネル1との干渉防止のための空間を大きくする必要がない。従って、ベゼル部22の幅をさらに狭くすることができる。
【0049】
また、ストッパ面31bは、受け傾斜面31aよりも押込み部材30から離れた位置に形成されている。このため、押込み部材30が押込み方向へ必要以上に移動してしまうことを防止することができる。これにより、操作部材31が必要以上に変位してしまうことを防止することができる。
【0050】
また、実施の形態1による映像装置10によれば、押込み部材30は、ベゼル部22の開口部23から、表示パネル1の外周部とベゼル部22との間の隙間を通って操作部材31に達するように配置されている。このため、表示パネル1の外周部とベゼル部22との間の隙間に操作部材31を配置する必要がなくなる。これにより、ベゼル部22の幅を狭くすることができる。
【0051】
実施の形態2.
図6は、実施の形態2による映像装置のスイッチ操作機構の要部を示す断面図である。操作部材31には、突起部312が設けられている。突起部312は、受け傾斜面31aとストッパ面31bとの間に位置している。突起部312には、操作部材31の外側に盛り上がった曲面31cが形成されている。突起部312の曲面31cは、ストッパ面31bと繋がっている。操作部材31に対して押込み方向に移動するときの押込み部材30は、曲面31cに接触しながらストッパ面31bに向かって移動する。実施の形態2における他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0052】
次に、実施の形態2におけるスイッチ操作機構3の動作について説明をする。
図7は、
図6の押込み部材30の先端部303がストッパ面31bに当たっている状態を示す断面図である。押込み部材30が操作部材31に向かって押込み方向へ移動すると、先端部303は突起部312に当たる。この後、押込み部材30は、先端部303を突起部312の曲面31cに沿って移動させながら、操作部材31に向かって押込み方向へさらに移動する。この後、先端部303がストッパ面31bに当たり、押込み方向への押込み部材30の移動が止まる。これにより、押込み部材30が押込み位置に達する。
【0053】
押込み部材30に押込み力が付与されなくなると、操作部材31の弾性変形により生じた復元力により、押込み部材30が押込み位置から非押込み位置に向かって移動する。実施の形態2における他の動作は、実施の形態1と同様である。
【0054】
実施の形態2によるスイッチ操作機構3によれば、曲面31cが形成された突起部312が操作部材31に設けられている。また、突起部312は、受け傾斜面31aとストッパ面31bとの間に位置している。このため、操作者は、押込み方向へ押込み部材30を押しているときに、押込み部材30が曲面31cに当たった後にストッパ面31bに当たる感覚を得ることができる。これにより、操作者は、押込み部材30を十分に押し込めたことをより確実に認識することができる。従って、操作者は、スイッチ操作機構3に対する操作完了を知ることができ、操作に対する安心感を得ることができる。また、過度の押込み力をスイッチ操作機構3に付与することがなくなり、スイッチ操作機構3の破損の防止を図ることができる。
【0055】
なお、実施の形態2では、曲面31cが突起部312に形成されている。しかし、これに限られるものではない。例えば、ストッパ面31bに対して傾斜する斜面が突起部312に形成されていてもよい。このようにしても、押込み部材30が突起部312の斜面に当たった後にストッパ面31bに当たる感覚を操作者が得ることができ、スイッチ操作機構3に対する操作の安心感を得ることができる。
【0056】
実施の形態3.
図8は、実施の形態3による映像装置の操作部材を示す斜視図である。操作部材31には、一対のリブ313が設けられている。リブ313は、受け傾斜面31aの両側部にそれぞれ設けられた側壁部である。一対のリブ313は、押込み傾斜面30aが受け傾斜面31aに対してスライドしながら押込み部材30が操作部材31に対して移動するときに、操作部材31に対する押込み部材30の移動を案内する。実施の形態3における他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0057】
実施の形態3よるスイッチ操作機構3によれば、一対のリブ313が受け傾斜面31aの両側部に設けられている。このため、操作部材31に対する押込み部材30の移動方向が押込み方向から左右に外れることを防止することができる。これにより、受け傾斜面31aに対する押込み傾斜面30aの位置が左右にずれずに受け傾斜面31aに対して押込み傾斜面30aをスライドさせることができる。従って、非操作位置から操作位置へ操作部材31をより確実に変位させることができる。
【0058】
なお、実施の形態3では、操作部材31の弾性変形を阻害しない方向に切り込みがリブ313に形成されていてもよい。このようにすれば、操作部材31を弾性変形させやすくすることができる。
【0059】
また、各上記実施の形態では、表示パネル1の表示面側から見て筐体2の下辺に位置するベゼル部22にスイッチ操作機構3が配置されている。しかし、スイッチ操作機構3が配置される位置は、これに限られたものではない。例えば、筐体2の他の辺に位置するベゼル部22にスイッチ操作機構3を配置してもよい。この場合、押込み方向に対する受け傾斜面31a及び押込み傾斜面30aの傾斜方向と、操作部材31の操作方向とを適宜選択することで、表示パネル1の背面側に配置されたスイッチ機構5を操作することができる。
【0060】
また、各上記実施の形態では、操作部材31の弾性変形で生じる復元力によって操作部材31が操作位置から非操作位置に戻る。しかし、これに限られたものではない。例えば、操作部材31を操作位置から非操作位置へ戻す復帰機構を筐体2に別途設けてもよい。この場合、ばね又はカムを復帰機構に用いてもよい。
【0061】
また、各上記実施の形態では、操作部材31の弾性変形で生じる復元力によって押込み部材30が押込み位置から非押込み位置に戻る。しかし、これに限られたものではない。例えば、押込み部材30を押込み位置から非押込み位置へ戻す復帰機構を筐体2に別途設けてもよい。この場合、ばね又はカムを復帰機構に用いてもよい。
【0062】
また、各上記実施の形態では、押込み部材30に押込み傾斜面30aが形成され、操作部材31に受け傾斜面31aが形成されている。しかし、押込み方向への押込み部材30の移動によって操作部材31が非操作位置から操作位置へ変位されるのであれば、押込み傾斜面30aが押込み部材30に形成されていなくてもよいし、受け傾斜面31aが操作部材31に形成されていなくてもよい。
【0063】
また、各上記実施の形態において、それぞれのスイッチ操作機構3の構成を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 表示パネル、1a パネル表示面、1b パネル背面、3 スイッチ操作機構、5 スイッチ機構、10 映像装置、22 ベゼル部、23 開口部、30 押込み部材、30a 押込み傾斜面、31 操作部材、31a 受け傾斜面、31b ストッパ面、31c 曲面、312 突起部、313 リブ。