(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022100848
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】スプール
(51)【国際特許分類】
A01K 89/015 20060101AFI20220629BHJP
【FI】
A01K89/015 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020215075
(22)【出願日】2020-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000179373
【氏名又は名称】山田電器工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上村 隆哉
(72)【発明者】
【氏名】佐子 行信
(72)【発明者】
【氏名】小倉 誠
【テーマコード(参考)】
2B108
【Fターム(参考)】
2B108EH03
2B108EH04
(57)【要約】
【課題】ラインをスプールから簡単に外せるようにする。
【解決手段】釣り用のラインLが巻かれる軸部10の軸方向両端部に、第1フランジF1及び第2フランジF2が設けられたスプールSに関する。スプールSは、第1フランジF1を含む第1部材S1と、第2フランジF2を含み、第1部材S1から分離可能に構成された第2部材S2とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣り用のラインが巻かれる軸部の軸方向両端部に、第1フランジ及び第2フランジが設けられたスプールであって、
前記第1フランジを含む第1部材と、
前記第2フランジを含み、前記第1部材から分離可能に構成された第2部材と
を備える、スプール。
【請求項2】
請求項1に記載のスプールにおいて、
前記軸部は、前記第1部材の一部である第1部と、前記第2部材の一部である第2部とに分割されており、
前記第1部及び前記第2部を分割する分割面は、前記軸部の軸方向と平行か、又は、前記軸部に巻かれる前記ラインの延びる方向と平行にならないように前記軸部の軸方向からの傾き角度が小さい、スプール。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のスプールにおいて、
前記第1部材及び前記第2部材は、樹脂製であり且つ互いに同じ形状である、スプール。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のスプールにおいて、
前記ラインが巻かれるときの第1状態と、
前記第1状態において前記ラインと接触する接触部の少なくとも一部が、前記第1状態よりも前記軸部の径方向内側に変位し又は前記ラインと接触しなくなるように変位して、前記第1状態よりも前記ラインが緩んだ第2状態と、
の間で変更可能な、スプール。
【請求項5】
請求項4に記載のスプールおいて、
前記軸部に巻かれた前記ラインよりも、前記軸部の径方向内側に配置された棒部材をさらに備え、
前記第1状態は、前記棒部材が、前記ラインと接触して、前記ラインの少なくとも一部を、前記軸部の外周面から径方向外側に離した状態であり、
前記第2状態は、前記第1状態において前記棒部材の前記ラインと接触する接触部が前記第1状態よりも前記軸部の径方向内側に変位し又は前記ラインと接触しなくなるように変位して、前記第1状態よりも前記ラインが緩んだ状態である、スプール。
【請求項6】
請求項5に記載のスプールにおいて、
前記軸部の外周面には、軸方向に延びる、前記棒部材を配置するための配置部が設けられており、
前記棒部材は、前記配置部で、該棒部材の長さ方向を回転軸として回転することによって前記第1状態と前記第2状態との間で変更可能である、スプール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、糸巻き胴部(軸部)と、前記糸巻き胴部の両端から前記スプールの回転軸の径方向外側に延びる1対のフランジ部とを備えるスプールが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1のような従来のスプールでは、スプールに巻かれたラインをスプールから外す際、スプールを回転させながらラインを徐々に繰り出す必要がある。このため、ラインを廃棄したい場合には、そのようにラインを徐々に繰り出すか、又はラインをカットしなければならないので、ラインをスプールから外すのに手間がかかる。
【0005】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、スプールに巻かれたラインを、スプールから簡単に外せるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、この発明では、スプールを分離させてラインを軸部から外せるようにした。
【0007】
具体的には、第1の発明は、釣り用のラインが巻かれる軸部の軸方向両端部にそれぞれ第1フランジ及び第2フランジが設けられたスプールであって、前記第1フランジを含む第1部材と、前記第2フランジを含み、前記第1部材から分離可能に構成された第2部材とを備える。
【0008】
この第1の発明では、スプールは、第1フランジを含む第1部材と第2フランジを含む第2部材とに分離可能に構成されているので、両フランジのうち少なくとも一方を軸部に巻かれたラインから引き離すことができる。このため、ラインを軸方向に沿ってフランジのない方へずらせば、ラインを軸部から外せる。このように、スプールに巻かれたラインを、スプールから簡単に外せる。
【0009】
ところで、第1部材及び第2部材を金型によって成型して製造する場合、両部材が互いに分割される境界部分に、小さな溝が形成される場合がある。軸部に巻かれたラインがこのような溝に食い込むおそれがないようにしたい。
【0010】
ここで、第2の発明は、第1の発明において、前記軸部は、前記第1部材の一部である第1部と、前記第2部材の一部である第2部とに分割されており、前記第1部及び前記第2部を分割する分割面は、前記軸部の軸方向と平行か、又は、前記軸部に巻かれる前記ラインの延びる方向と平行にならないように前記軸部の軸方向からの傾き角度が小さい。
【0011】
この第2の発明では、前記分割面は、軸部の外周面においてラインが延びる方向と平行にならない。このため、ラインが軸部の外周面上で前記分割面によって形成され得る小さな溝に食い込むおそれがない。このため、スプールが使用しやすくなる。
【0012】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記第1部材及び前記第2部材は、樹脂製であり且つ互いに同じ形状である。このため、両部材を、同じ金型を用いて成型できるので、製造が簡単になる。
【0013】
第4の発明は、第1~第3の発明のいずれか1つにおいて、前記ラインが巻かれるときの第1状態と、前記第1状態において前記ラインと接触する接触部の少なくとも一部が、前記第1状態よりも前記軸部の径方向内側に変位し又は前記ラインと接触しなくなるように変位して、前記第1状態よりも前記ラインが緩んだ第2状態と、の間で変更可能である。
【0014】
この第4の発明では、スプールを、ラインが巻かれる第1状態から、第1状態よりもラインが緩んだ第2状態との間で変更可能である。このため、第1部材及び第2部材を互いに分離してラインを軸方向に沿ってずらすときに、スプールが第2状態であれば、ラインが緩んでいるので軸方向に沿ってずらしやすくなる。すなわち、スプールに巻かれたラインを、スプールから外すのがさらに簡単になる。
【0015】
第5の発明は、第4の発明において、前記軸部に巻かれた前記ラインよりも、前記軸部の径方向内側に配置された棒部材をさらに備え、前記第1状態は、前記棒部材が、前記ラインと接触して、前記ラインの少なくとも一部を、前記軸部の外周面から径方向外側に離した状態であり、前記第2状態は、前記第1状態において前記棒部材の前記ラインと接触する接触部が前記第1状態よりも前記軸部の径方向内側に変位し又は前記ラインと接触しなくなるように変位して、前記第1状態よりも前記ラインが緩んだ状態である。
【0016】
この第5の発明では、軸部に巻かれたラインよりも、軸部の径方向内側に配置された棒部材をさらに備え、この棒部材を変位させて第1状態から第2状態に簡単に変更可能である。すなわち、第4の発明の効果を奏する簡単な構成が得られる。
【0017】
第6の発明は、第5の発明において、前記軸部の外周面には、軸方向に延びる、前記棒部材を配置するための配置部が設けられており、前記棒部材は、前記配置部で、該棒部材の長さ方向を回転軸として回転することによって前記第1状態と前記第2状態との間で変更可能である
この第6の発明では、棒部材を回転させるだけで第1状態と第2状態との間で変更可能であり、第4の発明の効果を奏する簡単な構成が得られる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明によると、スプールに巻かれたラインをスプールから簡単に外せる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施形態に係るスプールの示す斜視図である。
【
図4】スプールを第2状態にした
図3相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物又はその用途を制限することを意図しない。
【0021】
(実施形態)
―スプールの構成―
図1~4は、実施形態に係るスプールSを示す。スプールSは、電動又は手動のワインダ(図示しない)に取り付けられ、釣り用のラインLを巻き取って保管しておくためのものである。なお、ラインLは、
図1及び
図2には、図示しない。
【0022】
スプールSは、
図1に示すように、ラインLが巻かれる略円筒状の軸部10と、軸部10の軸方向両端部にそれぞれ設けられた略円板状の第1フランジF1及び第2フランジF2とから構成されている。スプールSは、後述する金属棒Rを除き、すべて樹脂製である。
【0023】
なお、以下では、「軸方向」とは、軸部10の軸方向を意味する。また、「上側」、「下側」、「左側」及び「右側」は、軸方向に垂直な方向を、図面と関連付けて相対的に説明するために用いる。また、「断面」とは、軸方向と垂直な断面を意味する。
【0024】
図2は、スプールSを分解した状態を示す。スプールSは、第1部材S1と、第1部材S1から分離可能に構成された第2部材S2とを備える。第1部材S1及び第2部材S2は、互いに同じ形状である。
【0025】
第1部材S1は、
図2に示すように、第1フランジF1と、第2フランジF2側に延びる、軸部10の一部(下半分)である第1部11とを含む。軸部10は、その軸方向と平行な分割面Pによって、下半分の第1部11と上半分の第2部12とに分割されている。第2部材S2は、第2フランジF2と第2部12とを含み、第2部12は、第2フランジF2から第1フランジF1側に延びている。第1部11の第2部材S2側の先端部及び第2部12の第1部材S1側の先端部には、それぞれ、第2フランジF2及び第1フランジF1に引っ掛かり、両部材S1,S2同士を固定するための爪部X1,X2が設けられている。
【0026】
図3は、
図1のIII-III線に沿った断面を示す。軸部10は、
図3に示すように、分割面Pが通過する右側の部分は第1部11及び第2部12の端面同士が互いに接触する一方、分割面Pが通過する左側の部分は第1部11と第2部12との端面E1,E2同士が互いに離れた隙間13が設けられている。この隙間13は、
図2に示すように、軸部10の軸方向全体に延びている。
【0027】
また、第1フランジF1及び第2フランジF2には、
図2に示すように、隙間13の延長線に沿って軸方向に貫通する貫通孔h1,h2がそれぞれ形成されている。すなわち、貫通孔h1,h2は隙間13と直線状に連通しており(
図2の一点鎖線を参照)、貫通孔h1,h2及び隙間13は、後述する棒部材20を配置するための配置部Dを構成している。
【0028】
スプールSは、
図2及び
図3に示すように、軸部10に巻かれたラインLよりも、軸部10の径方向内側に配置された棒部材20を備える。棒部材20は、配置部Dに配置されるように、配置部Dに対応した形状に形成されている。具体的に、棒部材20の長さは、配置部D(貫通孔h1,h2及び隙間13)の軸方向の長さと略同じである。棒部材20は、貫通孔h1,h2に配置される両端部21,22と、両端部21,22の間の中間部23(軸部10の隙間13に配置される部分)とで、断面形状が異なっている。詳細に、両端部21,22の外周面は、貫通孔h1,h2よりも少し小径の断面円形に形成されている一方、中間部23の外周面は、両端部21,22の断面形状である円を略半分にした形状に形成されている。すなわち、棒部材20は、断面円形の長尺部材が、両端部21,22を除き、断面略半円状に切欠かれた形状に形成されている。このような構成により、中間部23の外周面は、
図3に示すように、両端部21,22の断面形状である円の一部である円弧部23aと円弧部23aよりも平坦な平坦部23bとを有している。
【0029】
棒部材20は、配置部Dで、棒部材20の長さ方向に沿う回転軸24を中心に回転可能である。スプールSは、棒部材20をそのように回転させることによって、ラインLが巻かれるときの第1状態と、第1状態よりもラインLが緩んだ第2状態Lとの間で変更可能である。
【0030】
具体的に、第1状態は、
図3に示すように、棒部材20の円弧部23aが軸部10の径方向外側を向いており、この円弧部23a(接触部)がラインLと接触して、ラインLの一部を、軸部10の外周面から径方向外側に離している。第2状態は、
図4に示すように、棒部材20の円弧部23aが軸部10の径方向内側を向いている。このため、第2状態では、第1状態においてラインLと接触する円弧部23aは、第1状態よりも軸部10の径方向内側に変位しているので、ラインLと接触しない。その結果、第2状態では第1状態よりもラインLが緩んでいる。
【0031】
棒部材20の第2フランジF2側の端部22の端面には、使用者がつまんで棒部材20を回転させるためのつまみ部25が設けられている。すなわち、使用者は、ラインLを軸部10に巻くときは、棒部材20を第1状態にしておき(
図3を参照)、スプールSに巻かれたラインLを、廃棄するために外すときは、棒部材20のつまみ部25をつまんで、棒部材20を回転させ、第2状態にする(
図4を参照)。第2状態で、第1部材S1及び第2部材S2を互いに分離し、ラインLを第1部11及び第2部12の軸方向に沿ってずらせば、ラインLが軸部10から簡単に外れる。
【0032】
棒部材20の内部には、軸方向に延びる空洞が形成されており、この空洞に、棒部材20を補強するように棒部材20に沿って延びる金属棒R(補強棒部材)が設けられている。なお、棒部材20の第1フランジF1側の端面には、
図2に示すように空洞を塞ぐ蓋が取り付け可能となっており、この蓋によって金属棒Rが空洞から抜け出さないように構成されている。
【0033】
―作用・効果―
実施形態では、スプールSは、第1フランジF1を含む第1部材S1と第2フランジF2を含む第2部材S2とに分離可能に構成されているので、両フランジF1,F2のうちいずれか一方を軸部10に巻かれたラインLから引き離すことができる。このため、ラインLを軸方向に沿ってフランジF1,F2のない方へずらせば、ラインLを軸部10から外せる。このように、スプールSに巻かれたラインLを、スプールSから簡単に外せる。
【0034】
ところで、第1部材S1及び第2部材S2を金型によって成型して製造する場合、両部材S1,S2が互いに分割される境界部分に、小さな溝が形成される場合がある。軸部10に巻かれたラインLがこのような溝に食い込むおそれがないようにしたい。さらに、軸部10に巻かれるラインLは、軸部10の外周面で、軸方向と垂直な方向に延びるものもあれば、軸方向と垂直な方向から傾いて延びるものもあるが、これらのいずれも、前記のような溝に食い込まないようにしたい。
【0035】
ここで、実施形態では、分割面Pは、軸部10の軸方向と平行であるので、軸部10の外周面においてラインLが延びる方向と平行にならない。このため、ラインLが軸部10の外周面上で分割面Pによって形成され得る小さな溝に食い込むおそれがない。このため、スプールSが使用しやすくなる。
【0036】
また、実施形態では、第1部材S1及び第2部材S2は、樹脂製であり且つ互いに同じ形状である。このため、両部材S1,S2を、同じ金型を用いて成型できるので、製造が簡単になる。
【0037】
また、実施形態では、ラインLの一部を軸部10の外周面から離した第1状態から、ラインLを緩めるように変位した第2状態との間で変更可能な棒部材20を備える。このため、第1部材S1及び第2部材S2を互いに分離してラインLを軸方向に沿ってずらすときに、棒部材20が第2状態であれば、ラインLが緩んでいるので軸方向に沿ってずらしやすくなる。すなわち、スプールSに巻かれたラインLを、スプールSから外すのがさらに簡単になる。
【0038】
また、実施形態では、棒部材20は、配置部Dで、その長さ方向を回転軸24として回転することによって簡単に第1状態と第2状態との間で変更可能である。
【0039】
また、実施形態では、棒部材20を補強するように棒部材20に沿って設けられた金属棒Rをさらに備えるので、棒部材20が、軸部10に巻かれたラインLの張力によって破損するおそれがない。
【0040】
(実施形態の変形例)
実施形態では、軸部10は、軸方向に沿った1つの分割面Pによって第1部11と第2部12とに分割されるが、これに限られない。例えば、
図5に示すように、軸部10は、左右方向に平行な分割面P1と上下方向に平行な分割面P2とによって、第1部材S1に含まれる2つの第1部11a,11b及び第2部材S2に含まれる2つの第2部12a,12bに、4分割されていてもよい。
【0041】
また、
図5に示すように、両フランジF1,F2の貫通孔h1,h2を、軸部10の径方向内側から外側に延びるように長く形成し、棒部材20の両端部21,22を貫通孔h1,h2内でスライドさせるように、すなわち、棒部材20を径方向に沿ってスライドさせるようにしてもよい。このような構成では、棒部材20が貫通孔h1,h2の径方向外側にある状態を第1状態とし、棒部材20が貫通孔h1,h2の径方向内側にある状態を第2状態とすれば、第2状態で第1状態よりもラインLを緩めることができる。
【0042】
また、スプールSの第1状態及び第2状態はこれに限られず、第1状態で棒部材20のラインLと接触していた接触部がラインLと接触しなくなるように棒部材20が変位して、第2状態で第1状態よりもラインLが緩めばよいので、例えば、棒部材20を配置部Dから除くことができるようにして、ラインLを緩めてもよい。例えば、棒部材20を配置部Dから引き抜くことができるようにして、その引き抜いた状態を第2状態としてもよい。
【0043】
(その他の実施形態)
前記実施形態では、スプールSは、電動又は手動のワインダに取り付けて使用するものであるが、これに限られず、例えば、リールに取り付けて使用するものであってもよい。
【0044】
また、前記実施形態では、軸部10は円筒形であるが、これに限られず、ラインLを巻くことができる形状であればよい。
【0045】
また、前記実施形態では、軸部10において棒部材20を配置するために、第1部11及び第2部12が互いに離れた隙間13が設けられているが、棒部材20を配置できる構成があればよく、隙間13は必須ではない。例えば、軸部10の外周面の任意の位置に溝などを設けて配置部Dを形成してもよい。
【0046】
また、前記実施形態では、軸部10は、その軸方向と平行な分割面Pによって分割されているが、軸部10の分割のされ方は、これに限られず、例えば、分割面Pが、左右方向又は上下方向から見て、軸方向からθの角度傾いていてもよい(なお、前記実施形態ではθ=0°)。ただし、分割面Pによって軸部10の外周面に形成され得る溝に、ラインLが食い込まないようにするという観点から、θは、分割面Pと外周面でラインLが延びる方向(ラインLが巻かれる方向)とが平行にならないように設定するのが好ましい。すなわち、左右方向又は上下方向から見た、ラインLが延びる方向と軸方向とのなす角度をθLとすると(すなわち、ラインLが軸方向に対して垂直に延びていればθL=90°)、θ<θLの範囲でθを設定するのが好ましい。
【0047】
また、前記実施形態では、スプールSは棒部材20を備えるが、棒部材20は必須ではない。スプールSが棒部材20を備えていない場合、軸部10の径の大きさを変更可能な構成にして、第2状態を軸部10の径の大きさを第1状態よりも小さくした状態としてもよい。軸部10の径が小さくなれば、スプールSに巻かれたラインLが緩むので、ラインLをスプールSから外すのが簡単になる。
【符号の説明】
【0048】
S スプール
L ライン
S1 第1部材
S2 第2部材
F1 第1フランジ
F2 第2フランジ
10 軸部
11,11a,11b 第1部
12,12a,12b 第2部
13 隙間(配置部)
h1,h2 貫通孔(配置部)
P,P1,P2 分割面
D 配置部
20 棒部材
23a 円弧部(接触部)
24 回転軸
R 金属棒(補強棒部材)