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特開2022-100856ゲームプログラムおよびゲームシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022100856
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】ゲームプログラムおよびゲームシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/422 20140101AFI20220629BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20220629BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20220629BHJP
   A63F 13/533 20140101ALI20220629BHJP
   G06F 3/0484 20220101ALI20220629BHJP
【FI】
A63F13/422
A63F13/79
A63F13/55
A63F13/533
G06F3/0484
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020215091
(22)【出願日】2020-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原 勇
(72)【発明者】
【氏名】高橋 大志
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA04
5E555AA76
5E555BA20
5E555BB20
5E555BC01
5E555CA17
5E555CA21
5E555CB20
5E555DB32
5E555DB53
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ユーザがゲーム中に操作を煩わしく感じるのを抑制する。
【解決手段】ゲームプログラムは、制御部を、ゲーム空間内の状況が所定条件を満たすか否かを判定する判定部と、判定部の判定結果に基づいて、所定条件が満たされた場合には、プレイヤキャラクタに関連付けられたアイテムを第2アイテムに変更する変更処理と、変更処理の後に、第2アイテムを使用した第2動作をプレイヤキャラクタに実行させる第2動作実行処理とを含む一連処理を、単一の第2操作に応じて実行可能な第1モードで動作する一方、所定条件が満たされない場合には、第2操作がなされても一連処理を実行しない第2モードで動作する第2動作部として機能させる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ユーザの関連付け操作に応じて、第1アイテムをプレイヤキャラクタに関連付ける関連付け処理を実行する関連付け部と、
前記ユーザの前記関連付け操作とは別個の第1操作に応じて、前記プレイヤキャラクタに関連付けられたアイテムを使用した第1動作を前記プレイヤキャラクタに実行させる第1動作部と、
ゲーム空間内の状況が所定条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に基づいて、前記所定条件が満たされた場合には、前記プレイヤキャラクタに関連付けられたアイテムを第2アイテムに変更する変更処理と、前記変更処理の後に、前記第2アイテムを使用した第2動作を前記プレイヤキャラクタに実行させる第2動作実行処理とを含む一連処理を、ユーザの単一の第2操作に応じて実行可能な第1モードで動作する一方、前記所定条件が満たされない場合には、前記第2操作がなされても前記一連処理を実行しない第2モードで動作する第2動作部として機能させる
ことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のゲームプログラムにおいて、
前記所定条件は、前記ゲーム空間内に存在するオブジェクトと前記プレイヤキャラクタとの間隔が、所定距離以下であるという距離条件を含むことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のゲームプログラムにおいて、
前記一連処理は、前記第2動作実行処理の後、前記プレイヤキャラクタに関連付けられたアイテムを、前記変更処理の前に関連付けられていたアイテムに戻す戻し処理をさらに含むものであることを特徴とするゲームプログラム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のゲームプログラムにおいて、
前記コンピュータを、
前記第2動作部が前記第1モードで動作するときに、前記第2操作が行われる前に所定の操作待ち出力を出力手段に出力させる出力制御部として更に機能させることを特徴とするゲームプログラム。
【請求項5】
請求項4に記載のゲームプログラムにおいて、
前記所定条件は、前記プレイヤキャラクタが前記第2アイテムを所有しているという所有条件と、前記所有条件とは異なる他の条件とを含み、
前記所有条件が満たされず、かつ前記他の条件が満たされているときに、前記出力制御部が、前記操作待ち出力とは異なる出力を前記出力手段に出力させることを特徴とするゲームプログラム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のゲームプログラムにおいて、
前記一連処理は、前記プレイヤキャラクタが所有する複数のアイテムから、所定の条件を満たすアイテムを前記第2アイテムとして選択するアイテム選択処理をさらに含むことを特徴とするゲームプログラム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載のゲームプログラムを記憶した記憶部と、
前記ゲームプログラムを実行するコンピュータと、を備えるゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイテムを使用した動作をプレイヤキャラクタに実行させるゲームプログラムおよびゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されたゲームプログラムおよびゲーム装置は、プレイヤキャラクタにアイテムを所有させ、所有するアイテムのうちのいずれかをプレイヤキャラクタに関連付けて使用させるものである。ユーザは、カーソルを移動させる選択操作によって、プレイヤキャラクタに使用させるアイテムを選択できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-179050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、複数のアイテムのうちのいずれかをプレイヤキャラクタに関連付けて使用させる特許文献1のようなゲームにおいて、使用させるアイテムを選択してプレイヤキャラクタに関連付けるためのカーソル移動等の操作と、所定の動作をプレイヤキャラクタに実行させるためのボタン押下等の操作とを、アイテムを使用した動作の度にユーザに強いると、操作回数が多くなり、ユーザが操作を煩わしく感じる場合がある。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ユーザがゲーム中に操作を煩わしく感じるのを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、コンピュータを、
ユーザの関連付け操作に応じて、第1アイテムをプレイヤキャラクタに関連付ける関連付け処理を実行する関連付け部と、
前記ユーザの前記関連付け操作とは別個の第1操作に応じて、前記プレイヤキャラクタに関連付けられたアイテムを使用した第1動作を前記プレイヤキャラクタに実行させる第1動作部と、
ゲーム空間内の状況が所定条件を満たすか否かを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に基づいて、前記所定条件が満たされた場合には、前記プレイヤキャラクタに関連付けられたアイテムを第2アイテムに変更する変更処理と、前記変更処理の後に、前記第2アイテムを使用した第2動作を前記プレイヤキャラクタに実行させる第2動作実行処理とを含む一連処理を、ユーザの単一の第2操作に応じて実行可能な第1モードで動作する一方、前記所定条件が満たされない場合には、前記第2操作がなされても前記一連処理を実行しない第2モードで動作する第2動作部として機能させる
ことを特徴とするゲームプログラムである。
【0007】
また、第1の発明において、
前記所定条件は、前記ゲーム空間内に存在するオブジェクトと前記プレイヤキャラクタとの間隔が、所定距離以下であるという距離条件を含むことができる。
【0008】
また、第1の発明において、
前記一連処理は、前記第2動作実行処理の後、前記プレイヤキャラクタに関連付けられたアイテムを、前記変更処理の前に関連付けられていたアイテムに戻す戻し処理をさらに含むことができる。
【0009】
また、第1の発明において、
前記コンピュータを、
前記第2動作部が前記第1モードで動作するときに、前記第2操作が行われる前に所定の操作待ち出力を出力手段に出力させる出力制御部として更に機能させることができる。
【0010】
また、第1の発明において、
前記所定条件は、前記プレイヤキャラクタが前記第2アイテムを所有しているという所有条件と、前記所有条件とは異なる他の条件とを含み、
前記所有条件が満たされず、かつ前記他の条件が満たされているときに、前記出力制御部が、前記操作待ち出力とは異なる出力を前記出力手段に出力させることができる。
【0011】
また、第1の発明において、
前記一連処理は、前記プレイヤキャラクタが所有する複数のアイテムから、所定の条件を満たすアイテムを前記第2アイテムとして選択するアイテム選択処理をさらに含むことができる。
【0012】
第2の発明は、前記第1の発明のゲームプログラムを記憶した記憶部と、
前記ゲームプログラムを実行するコンピュータと、を備えるゲームシステムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、所定条件が満たされた場合、ユーザは、単一の第2操作を行うだけで、プレイヤキャラクタに関連付けられたアイテムを第2アイテムに変更し、第2アイテムを使用した第2動作をプレイヤキャラクタに実行させることができる。したがって、ユーザがゲーム中に操作を煩わしく感じるのを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態におけるゲームシステムのハードウェア構成および機能的構成を示すブロック図である。
図2】ゲームコントローラの概略斜視図である。
図3】プレイヤキャラクタに銃を装備させた状態における「壊す」という文字を表示するゲーム画像を例示する説明図である。
図4】プレイヤキャラクタにナイフを装備させた状態における「壊す」という文字を表示するゲーム画像を例示する説明図である。
図5】プレイヤキャラクタに銃を装備させた状態における「調べる」という文字を表示するゲーム画像を例示する説明図である。
図6】プレイヤキャラクタに銃を装備させた状態における「この箱は壊せそうだ」というメッセージを表示するゲーム画像を例示する説明図である。
図7】ゲーム装置の動作を示すフローチャートである。
図8】実施形態2の図7相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0016】
(実施形態1)
本発明の実施形態に係るゲーム装置5を備えたゲームシステム1、およびゲームプログラムについて、図面を参照して説明する。
【0017】
<ゲームの説明>
図1に示すように、ゲームシステム1では、サーバ装置2とゲーム装置3とが、通信ネットワーク4を介して互いに通信可能に接続されている。
【0018】
本実施形態で説明するゲームは、ユーザの操作を受けて、プレイヤキャラクタPC(図3参照)を三次元のゲーム空間で活動させたり、プレイヤキャラクタPC同士でグループを編成してノンプレイヤキャラクタである敵キャラクタと戦闘したりするアクションゲームである。ユーザは、通信ネットワーク4を介して他のユーザとオンラインにてゲームを進めることができるが、通信ネットワーク4を介さずに個人でゲームを進めることもできる。
【0019】
特に、本実施形態に係るゲームでは、プレイヤキャラクタPCは複数種類のアイテムとしての武器を所有でき、敵キャラクタとが戦闘する場合に、所有する複数種類の武器からいずれかの武器をユーザの操作に応じて選択し、選択した武器を使用して攻撃を実行する。プレイヤキャラクタPCが所有できる武器には、ナイフおよび銃器が含まれる。
【0020】
上記ゲームは、プレイステーション(登録商標)、パーソナルコンピュータ、PlayStation Vita(登録商標)などのゲーム装置3において実行される。
【0021】
<ゲームシステム1の概要>
図1に示すように、ゲームシステム1は、サーバ装置2およびゲーム装置3にて構成される。
【0022】
サーバ装置2は、ゲームプログラムの提供およびゲームデータの管理を行う。
【0023】
ゲーム装置3は、ユーザの操作に基づいて上記ゲームプログラムに応じたゲームを実行する。そのために、ゲーム装置3は、通信ネットワーク4を介してサーバ装置2からゲームプログラム、ゲームデータ、およびこれらのアップデート版を受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)することが可能である。
【0024】
なお、ゲーム装置3は、ゲームを進行するにあたり、先ずはサーバ装置2にログインすることができる。ユーザには、アカウント情報が割り当てられており、アカウント情報には、ユーザの識別情報(ユーザID(identification))およびパスワードが含まれる。
【0025】
サーバ装置2は、ログイン時にゲーム装置3から送信されたアカウント情報に基づき、アクセスのあったゲーム装置3に対してユーザ認証を行う。ユーザ認証が完了したゲーム装置3は、ゲーム進行に必要なデータがサーバ装置2から送られると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像や音声をディスプレイ320およびスピーカ330に出力しながら、ゲームを進行させる。
【0026】
なお、ゲーム進行に必要なデータは、ログイン時の他、ゲーム進行の所定タイミング(例えばプレイヤキャラクタPCがクリアする課題(以下「クエスト」)をユーザが選択した時)においても、サーバ装置2から送られる。
【0027】
このように、サーバ装置2とゲーム装置3とが相互に通信を行うことにより、サーバ装置2とゲーム装置3とで同期を取りながらゲームを進行させることもできる。
【0028】
<ハードウェア構成>
以下、サーバ装置2のハードウェア構成、および、ゲーム装置3のハードウェア構成について説明する。
【0029】
<サーバ装置2の構成>
サーバ装置2は、ネットワークインターフェース21、記憶部22および制御部23を有する。ネットワークインターフェース21および記憶部22は、バス29を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0030】
ネットワークインターフェース21は、インターネットおよびLAN(Local Area Network)などの通信ネットワーク4を介してゲーム装置3と通信可能に接続される。ネットワークインターフェース21を介して、ゲーム装置3へのゲームデータやゲームプログラムの送信、およびアカウント情報のゲーム装置3からの受信が行われる。
【0031】
記憶部22は、HDD(hard disk drive)、SSD(Solid State Drive)、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)などで構成される。記憶部22には、ユーザを照合するためのアカウント情報、ユーザのログイン履歴、ゲームプログラム、ゲームデータ、ゲームプログラム以外の各種プログラムなどが格納されている。
【0032】
制御部23は、CPU(Central Processing Unit)および半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、サーバ装置2自身の動作を制御する。
【0033】
<サーバ装置2における制御部23の機能的構成>
制御部23は、各種プログラムを実行することにより、情報処理部231、照合部232および配信部233として機能する。
【0034】
情報処理部231は、ゲームプログラムの配信に必要なデータを、ゲーム装置3との間で送受信する。情報処理部231が受信する前記データとしては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報が挙げられる。情報処理部231が送信する前記データとしては、例えばゲームプログラムをゲーム装置3が受信したかを確認するための情報が挙げられる。
【0035】
照合部232は、ゲーム装置3から受信したアカウント情報を用いて、ユーザの認証処理を行う。
【0036】
配信部233は、ゲームプログラムのダウンロード要求情報およびユーザのアカウント情報を情報処理部231が受信した後、ゲームプログラムおよび受信したアカウント情報に対応するゲームデータを、ゲーム装置3に配信(送信)する。
【0037】
<ゲーム装置3の構成>
ゲーム装置3には、出力手段としてのディスプレイ320、スピーカ330およびゲームコントローラ340が外部接続または内蔵される。ゲーム装置3では、サーバ装置2から受信したゲームプログラムおよびゲームデータに基づいてゲームが進行される。
【0038】
ゲーム装置3は、ネットワークインターフェース31、グラフィック処理部32、オーディオ処理部33、操作部34、記憶部35および制御部36を有する。ネットワークインターフェース31、グラフィック処理部32、オーディオ処理部33、操作部34および記憶部35は、バス39を介して制御部36と電気的に接続されている。
【0039】
ネットワークインターフェース31は、ゲーム装置3とサーバ装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク4に通信可能に接続される。
【0040】
グラフィック処理部32は、制御部36から出力されるゲーム画像情報に従って、仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部32は、例えば液晶型であるディスプレイ320と接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ320上に表示される。
【0041】
オーディオ処理部33は、制御部36の指示に従ってゲーム音声を再生および合成する。オーディオ処理部33はスピーカ330と接続されており、再生および合成された音声は、スピーカ330から出力される。
【0042】
操作部34は、ゲームコントローラ340と接続され、操作入力に関するデータをゲームコントローラ340との間で送受信する。例えば、ユーザは、ゲームコントローラ340の各種ボタンを押下することで、ゲーム装置3に操作信号を入力する。
【0043】
ゲームコントローラ340は、図2に示すように、バツ印が付された第1アクションボタン341a、丸印が付された第2アクションボタン341b、三角印が付された第3アクションボタン341c、四角印が付された第4アクションボタン341d、方向キー342、右スティック343、左スティック344、R1ボタン345、R2ボタン346、L1ボタン347、およびL2ボタン348を有している。
【0044】
記憶部35は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。記憶部35は、サーバ装置2からダウンロードしたゲームプログラムおよびゲームデータを記憶することができる。
【0045】
制御部36は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、ゲーム装置3の動作を制御する。
【0046】
<ゲーム装置3における制御部36の機能的構成>
制御部36は、前記ゲームプログラムを実行することにより、通信部361、ゲーム空間生成部362、関連付け部363、第1動作部364、判定部365、第2動作部366、および出力制御部367として機能する。
【0047】
制御部36は、ゲームデータに含まれるゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部35から読み出して、ゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部32によって処理されることにより、ディスプレイ320には処理後のゲーム画像が表示される。
【0048】
通信部361は、ネットワークインターフェース31を介してサーバ装置2との通信を行う。通信部361は、アカウント情報、および、ユーザの操作に基づく新たなゲームデータのダウンロード要求情報を、サーバ装置2に送信する。通信部361は、サーバ装置2から送られてきた新たなゲームデータなどを受信する。
【0049】
ゲーム空間生成部362は、三次元のゲーム空間、即ち、ユーザによるゲームコントローラ340の操作によりプレイヤキャラクタPCが動作する仮想空間を生成する。
【0050】
関連付け部363は、方向キー342に対するユーザの関連付け操作に応じて、第1アイテムとしての武器をプレイヤキャラクタPCに関連付ける。関連付け操作は、ディスプレイ320のクイックスロットQSに表示された複数の武器のうちのいずれかを方向キー342によって指定する操作である。したがって、関連付け部363は、方向キー342によって指定された武器を、第1アイテムとしてプレイヤキャラクタPCに関連付ける。武器をプレイヤキャラクタPCに関連付ける処理は、具体的には、武器をプレイヤキャラクタPCに装備させる処理である。クイックスロットQSには、プレイヤキャラクタPCが所有する複数の武器のうち、4つ以下の複数の武器が表示される。
【0051】
第1動作部364は、R2ボタン346を押すユーザの第1操作に応じて、プレイヤキャラクタPCに関連付けられた武器を使用した第1動作としての攻撃をプレイヤキャラクタPCに実行させる。
【0052】
判定部365は、ゲーム空間内の状況が、所定の一連動作実行可能条件を満たすか否かを判定する。この一連動作実行可能条件は、前記ゲーム空間内に存在するオブジェクトとしての木箱OBとプレイヤキャラクタPCとの間隔が、所定距離以下であるという距離条件と、前記プレイヤキャラクタPCがナイフを所有しているという所有条件と、プレイヤキャラクタPCにナイフ以外の武器が関連付けられているという装備条件とからなる。つまり、一連動作実行可能条件は、前記距離条件、所有条件、および装備条件が全て満たされるという条件である。
【0053】
第2動作部366は、判定部365の判定結果に基づいて、前記一連動作実行可能条件が満たされた場合には、後述する第1モードで動作する一方、前記一連動作実行可能条件が満たされない場合には、後述する第2モードで動作する。
【0054】
第2動作部366は、第1モードでは、プレイヤキャラクタPCに関連付けられた武器を第2アイテムとしてのナイフに変更する変更処理と、前記変更処理の後に、ナイフを使用した第2動作としての木箱OBの破壊をプレイヤキャラクタPCに実行させる第2動作実行処理と、前記第2動作実行処理の後、プレイヤキャラクタPCに関連付けられた武器を、前記変更処理の前に関連付けられていたナイフ以外の武器に戻す戻し処理とからなる一連処理を、第1アクションボタン341aを押すユーザの第2操作に応じて実行可能となる。
【0055】
第2動作部366は、第2モードでは、第1アクションボタン341aを押すユーザの第2操作がなされても、前記一連処理を実行しない。
【0056】
なお、距離条件および所有条件は満たされているが、プレイヤキャラクタPCにナイフがすでに関連付けられている場合に前記第2操作がなされると、第2動作部366は、ナイフを使用してプレイヤキャラクタPCに木箱OBの破壊を実行させる。
【0057】
出力制御部367は、所望のゲーム画像に対応するゲーム画像情報を生成してグラフィック処理部32に出力することにより、所望のゲーム画像をディスプレイ320に出力させる。
【0058】
具体的には、出力制御部367はクイックスロットQSを表示するゲーム画像をディスプレイ320に出力させる。クイックスロットQSを表示するゲーム画像の出力、すなわちクイックスロットQSの表示は、常に行われてもよいし、ユーザがゲームコントローラ340に所定の操作を行ったとき、又は戦闘時に行われるようにしてもよい。
【0059】
また、出力制御部367は、前記所有条件および前記距離条件が満たされているとき、前記第2操作が行われる前に、図3又は図4に示すように、「壊す」という文字、及び第2操作において押される操作用ボタンを指定する図柄を表示するゲーム画像を所定の操作待ち出力としてディスプレイ320に出力させる。図3又は図4の例では、操作用ボタンを指定する図柄は、第1アクションボタン341aを指定するバツ印となっている。ゲーム画像には、木箱OBも表示され、「壊す」という文字、及び操作用ボタンを指定する図柄は、木箱OBの近傍に表示される。
【0060】
一方、出力制御部367は、前記所有条件が満たされず、かつ前記距離条件(所有条件とは異なる条件)が満たされているときには、例えば図5に示すように、「調べる」という文字、及び操作用ボタンを指定する図柄を表示するゲーム画像を、前記操作待ち出力とは異なる出力としてディスプレイ320に出力させる。図5の例では、操作用ボタンを指定する図柄は、第1アクションボタン341aを指定するバツ印となっている。
【0061】
また、出力制御部367は、「調べる」という文字を表示する画像をディスプレイ320に出力させているときに第1アクションボタン341a、すなわち画像に表示された図柄によって指定された操作ボタンが押されると、例えば図6に示すように、「この箱は壊せそうだ」というメッセージを表示するゲーム画像をディスプレイ320に出力させる。
【0062】
また、第1アクションボタン341aは、インタラクト用のキーとして用いられる。具体的には、プレイヤキャラクタPCがドアの前にいる場合に第1アクションボタン341aが押されると、制御部36は、プレイヤキャラクタPCにドアを開ける動作をさせる。また、プレイヤキャラクタPCがノンプレイヤキャラクタの近くにいる場合に第1アクションボタン341aが押されると、制御部36は、プレイヤキャラクタPCにノンプレイヤキャラクタへ話しかけさせる。また、プレイヤキャラクタPCがスイッチの近くにいる場合に第1アクションボタン341aが押されると、制御部36は、プレイヤキャラクタPCにスイッチを押す動作をさせる。
【0063】
図7は、ゲーム装置3の動作を示すフローチャートである。
【0064】
まず、S701において、ゲーム空間内の状況が前記距離条件を満たすか否かを判定部365が判定する。判定部365は、距離条件が満たされていると判定した場合には、S702に進む一方、距離条件が満たされていないと判定した場合には、S701の処理を繰り返す。
【0065】
S702では、ゲーム空間内の状況が、前記所有条件を満たすか否かを判定部365が判定する。判定部365は、所有条件が満たされていると判定した場合には、S703に進む一方、所有条件が満たされていないと判定した場合には、S704に進む。
【0066】
S703では、ゲーム空間内の状況が、前記装備条件を満たすか否かを判定部365が判定する。判定部365は、装備条件が満たされていると判定した場合には、S707に進む一方、装備条件が満たされていないと判定した場合には、S710に進む。
【0067】
S704では、第2動作部366は、第2モードでの動作を開始する。また、出力制御部367は、例えば図5に示すように、「調べる」という文字、及び操作用ボタンを指定する図柄を表示するゲーム画像をディスプレイ320に出力させる。
【0068】
このような出力がされた状態で、S705において、出力制御部367は、ユーザによって第1アクションボタン341a、すなわちディスプレイ320のゲーム画像に表示された図柄によって指定された操作用ボタンが押されたか否かを判定する。第1アクションボタン341aが押された場合には、S706において、出力制御部367は、例えば図6に示すように、「この箱は壊せそうだ」というメッセージを表示するゲーム画像をディスプレイ320に出力させる。S705において、第1アクションボタン341aが押されない場合には、S705の処理を繰り返す。
【0069】
S707では、第2動作部366は、第1モードでの動作を開始する。また、出力制御部367は、図3に示すように、「壊す」という文字、及び操作用ボタンを指定する図柄を表示するゲーム画像をディスプレイ320に出力させる。
【0070】
このような出力がされた状態で、S708において、第2動作部366は、ディスプレイ320のゲーム画像に表示された図柄によって指定された操作用ボタン、すなわち第1アクションボタン341aを押すユーザの第2操作がなされたか否かを判定する。第2動作部366は、第2操作がなされたと判定すると、S709において、前記一連処理を実行する。つまり、第2動作部366は、この第2操作に応じて、S709aにおいて、プレイヤキャラクタPCに関連付けられた武器をナイフに変更し、S709bにおいて、当該ナイフを使用した木箱OBの破壊をプレイヤキャラクタPCに実行させ、その後、S709cにおいて、プレイヤキャラクタPCに関連付けられた武器を銃に戻す。第2動作部366は、S708において第2操作がなされていないと判定した場合には、S708の判定を繰り返す。
【0071】
S710では、第2動作部366は、第2モードでの動作を開始する。また、出力制御部367は、図4に示すように、「壊す」という文字、及び操作用ボタンを指定する図柄を表示するゲーム画像をディスプレイ320に出力させる。
【0072】
このような出力がされた状態で、S711において、第2動作部366は、ディスプレイ320のゲーム画像に表示された図柄によって指定された操作用ボタン、すなわち第1アクションボタン341aを押すユーザの第2操作がなされたか否かを判定する。第2動作部366は、第2操作がなされたと判定すると、S712において、プレイヤキャラクタPCにナイフを使用して木箱OBの破壊を実行させる。第2動作部366は、S711において第2操作がなされていないと判定した場合には、S711の判定を繰り返す。
【0073】
<距離条件が満たされたときの動作の具体例>
以下では、上述のように構成されたゲームシステム1において、距離条件が満たされたときの動作の具体例(パターン1~4)について説明する。
【0074】
-パターン1-
まず、プレイヤキャラクタPCが銃とナイフとを所有し、プレイヤキャラクタPCに銃が関連付けられている場合、プレイヤキャラクタPCが木箱OBから所定距離以内の領域に移動すると、判定部365は、距離条件と、所有条件と、装備条件との全てが満たされている、つまりゲーム空間内の状況が、一連動作実行可能条件を満たすと判定する。
【0075】
これにより、第2動作部366は、第1モードでの動作を開始する。出力制御部367は、図3に示すように、「壊す」という文字を表示するゲーム画像をディスプレイ320に出力させる。
【0076】
この状態で第1アクションボタン341aを押すユーザの第2操作がなされると、第2動作部366は、前記一連処理を実行する。つまり、第2動作部366は、この第2操作に応じて、プレイヤキャラクタPCに関連付けられた武器を銃からナイフに変更し、プレイヤキャラクタPCにナイフを使用して木箱OBの破壊を実行させ、その後、プレイヤキャラクタPCに関連付けられたアイテムを銃に戻す。
【0077】
このように、一連動作実行可能条件が満たされた場合、ユーザは、単一の第2操作を行うだけで、プレイヤキャラクタPCに関連付けられた武器をナイフに変更し、ナイフを使用した木箱OBの破壊をプレイヤキャラクタPCに実行させることができる。したがって、ユーザがゲーム中に操作を煩わしく感じるのを抑制できる。
【0078】
-パターン2-
プレイヤキャラクタPCが銃とナイフとを所有し、プレイヤキャラクタPCにナイフが関連付けられている場合、プレイヤキャラクタPCが木箱OBから所定距離以内の領域に移動すると、判定部365は、距離条件と、所有条件とが満たされているが、装備条件は満たされていないと判定する。
【0079】
これにより、第2動作部366は、第2モードでの動作を開始する。出力制御部367は、図4に示すように、「壊す」という文字を表示するゲーム画像をディスプレイ320に出力させる。
【0080】
この状態で第1アクションボタン341aを押すユーザの第2操作がなされると、第2動作部366は、プレイヤキャラクタPCにナイフを使用して木箱OBの破壊を実行させる。
【0081】
-パターン3-
プレイヤキャラクタPCが銃を所有しているがナイフを所有していない場合、プレイヤキャラクタPCが木箱OBから所定距離以内の領域に移動すると、判定部365は、距離条件は満たされているが、所有条件は満たされていないと判定する。
【0082】
これにより、第2動作部366は、第2モードでの動作を開始する。出力制御部367は、例えば図5に示すように、「調べる」という文字を表示するゲーム画像をディスプレイ320に出力させる。
【0083】
この状態で、ユーザによって第1アクションボタン341aが押されると、出力制御部367は、図6に示すように、「この箱は壊せそうだ」というメッセージを表示するゲーム画像をディスプレイ320に出力させる。
【0084】
-パターン4-
プレイヤキャラクタPCが銃もナイフを所有していない場合、プレイヤキャラクタPCが木箱OBから所定距離以内の領域に移動すると、判定部365は、距離条件は満たされているが、所有条件は満たされていないと判定する。
【0085】
これにより、第2動作部366は、第2モードでの動作を開始する。出力制御部367は、「調べる」という文字を表示するゲーム画像をディスプレイ320に出力させる。
【0086】
この状態で、ユーザによって第1アクションボタン341aが押されると、出力制御部367は、「この箱は壊せそうだ」というメッセージを表示するゲーム画像をディスプレイ320に出力させる。
【0087】
(実施形態2)
図8は、実施形態2の図7相当図である。本実施形態2では、第2動作部366が、S709において、S709aの変更処理を実行する前に、S709dのアイテム選択処理を実行する。アイテム選択処理は、プレイヤキャラクタPCが所有する複数の武器から、最も攻撃力が低い武器を第2アイテムとして選択する処理である。そして、S709aでは、第2動作部366が、プレイヤキャラクタPCに関連付けられたアイテムを、S709dで選択した武器(第2アイテム)に変更する。
【0088】
つまり、本実施形態2では、一連処理が、変更処理の前に、プレイヤキャラクタPCが所有する複数のアイテムとしての武器から、所定の選択条件を満たす武器を第2アイテムとして選択するアイテム選択処理をさらに含む。記憶部35は、攻撃力を示す値を武器毎に記憶しており、前記選択条件は、プレイヤキャラクタPCが所有する複数の武器のうちで最も攻撃力が低いという条件に設定されている。
【0089】
その他の構成および動作は実施形態1と同じであるので同一の動作には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0090】
(その他の変形例)
なお、前記実施形態2では、記憶部35に、各武器の攻撃力を示す値を記憶させ、選択条件を、プレイヤキャラクタPCが所有する複数の武器のうちで最も攻撃力が低いという条件に設定した。しかし、記憶部35に、各武器のレア度(出現する確率の低さ)を示す値を記憶させ、選択条件を、プレイヤキャラクタPCが所有する複数の武器のうちで最もレア度が低いという条件に設定してもよい。あるいは、プレイヤキャラクタPCが複数の銃器を所有する場合には、記憶部35に、各銃器の銃弾の残数を記憶させ、選択条件を、プレイヤキャラクタPCが所有する複数の銃器のうちで銃弾の残数が最も多いという条件に設定してもよい。あるいは、記憶部35に、各武器の耐久性を示す値を記憶させ、選択条件を、プレイヤキャラクタPCが所有する複数の武器のうちで最も耐久性が高いという条件に設定してもよい。
【0091】
前記実施形態1,2では、オブジェクトとして木箱OBを例示したが、敵キャラクタ、扉、コンピュータ端末等、他の物体であってもよい。
【0092】
また、前記実施形態1,2では、第2動作をオブジェクトの破壊としたが、オブジェクトの種類によっては、第2動作をオブジェクトの破壊以外の動作にしてもよい。例えば、オブジェクトを扉とした場合には、鍵を第2アイテムとし、オブジェクト、すなわち扉を開ける動作を第2動作としてもよい。また、オブジェクトをコンピュータ端末とした場合には、ハッキング用端末を第2アイテムとし、コンピュータ端末のハッキングを第2動作としてもよい。
【0093】
前記実施形態1,2では、プレイヤキャラクタPCに関連付けるアイテムを武器としたが、武器以外の物品であってもよい。
【0094】
前記実施形態1,2では、S701において、判定部365が、距離条件が満たされているか否かを判定したが、第2動作の対象となるオブジェクトが存在するという条件、又は仮想カメラの撮影範囲内にオブジェクトが存在するという条件が満たされるか否かを代わりに判定するようにしてもよい。
【0095】
また、S704、S705、S706、S707、およびS710の動作、すなわちゲーム画像における「調べる」、「この箱は壊せそうだ」、「壊す」等の表示が行われないようにしてもよい。また、S704、S705、S706、S707、およびS710において、「調べる」、「この箱は壊せそうだ」、および「壊す」以外の文字や図柄が代わりに表示されるようにしてもよい。
【0096】
また、前記実施形態1,2では、第1操作を、R2ボタン346を押す操作としたが、関連付け操作と別個の操作であれば、他のボタンを押す操作や複数のボタンを同時に押す操作等、他の操作であってもよい。
【0097】
また、前記実施形態1,2では、第2操作を、第1アクションボタン341aを押す操作としたが、単一の操作であれば、他のボタンを押す操作や複数のボタンを同時に押す操作等、他の操作であってもよい。
【0098】
サーバ装置2およびゲーム装置3の各制御部23,36の動作は、前記実施形態に記載された例に限られない。前記実施形態では、ゲーム装置3の制御部36に、ゲーム空間生成部362、関連付け部363、第1動作部364、判定部365、第2動作部366、および出力制御部367を設けたが、オンラインでゲームを行う場合には、ゲーム空間生成部362、関連付け部363、第1動作部364、判定部365、第2動作部366、および出力制御部367の機能を、サーバ装置2の制御部23に持たせてもよい。
【0099】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本発明の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0100】
36 制御部(コンピュータ)
320 ディスプレイ(出力手段)
363 関連付け部
364 第1動作部
365 判定部
366 第2動作部
367 出力制御部
PC プレイヤキャラクタ
OB 木箱(オブジェクト)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8