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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022100857
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】成形装置
(51)【国際特許分類】
   B30B 15/06 20060101AFI20220629BHJP
   B30B 15/04 20060101ALI20220629BHJP
   B30B 1/32 20060101ALI20220629BHJP
【FI】
B30B15/06 C
B30B15/04 B
B30B15/04 A
B30B1/32 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020215092
(22)【出願日】2020-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】田渡 正史
【テーマコード(参考)】
4E088
4E090
【Fターム(参考)】
4E088AA01
4E088AB04
4E088BA01
4E090AA01
4E090AB01
4E090BA02
4E090CA01
4E090EA01
4E090EB01
4E090EC01
(57)【要約】
【課題】成形精度の悪化を抑えて好適にスライドを支持する。
【解決手段】成形装置1は、スライド30と、スライド30を所定の移動方向に移動可能に支持する複数のアップライト20とを備える。各アップライト20は、上下方向と直交する面内において、スライド30の中心と当該アップライト20の中心とを結ぶ直線Rに略平行なガイド部23の両側面23aで、スライド30を支持している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライドと、
前記スライドを所定の移動方向に移動可能に支持する複数の柱と、
を備え、
前記複数の柱の各々は、前記移動方向と直交する面内において、前記スライドの中心と当該柱の中心とを結ぶ直線に略平行な複数の支持面で前記スライドを支持している、
成形装置。
【請求項2】
前記複数の支持面は、互いに反対方向を向く2つの支持面を含む、
請求項1に記載の成形装置。
【請求項3】
前記複数の柱の各々は、前記2つの支持面の間の部分が中実である、
請求項2に記載の成形装置。
【請求項4】
前記2つの支持面は、前記複数の柱の各々のうち、前記スライドの中心側の部分に設けられている、
請求項2又は請求項3に記載の成形装置。
【請求項5】
前記スライドに取り付けられ、前記支持面に支持される被支持部材を備え、
前記被支持部材は、前記支持面と対向する面とは反対側の面が球面支持されている、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の成形装置。
【請求項6】
前記被支持部材は、前記支持面とは反対側に配置された弾性部材により支持されている、
請求項5に記載の成形装置。
【請求項7】
前記複数の柱の各々は、前記移動方向と直交する面内において、前記直線に対して略線対称形状に形成されている、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の成形装置。
【請求項8】
前記スライドに着脱可能に取り付けられ、前記複数の柱と前記スライドとの間に配置される複数のギブブロックを備え、
前記複数の柱は、隣り合うものとの間の距離の少なくとも1つが、前記複数のギブブロックを取り外した状態での前記スライドの幅よりも大きい、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の成形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、成形装置では、一方の金型が固定されたベッドに対し、他方の金型が固定されたスライドを移動させることで、2つの金型間に配置された素材(ワーク)が成形される。
スライドは、その移動をガイドするフレームに対し、スムーズに摺動できるだけのガイド隙間を介在させている。このガイド隙間は、2つの金型の位置ずれを招来しうるため、極力小さく抑える必要がある。
【0003】
しかしながら、例えば特許文献1に記載のような、各フレームにつき前後及び左右に沿った2面でスライドをガイドする、いわゆる8面ガイドの場合(図7(a)参照)、運転時にガイド隙間が大きく変化するおそれがある。すなわち、この場合には、負荷時のフレームの変形やスライドの熱変形(例えば熱膨張)が、スライド中心(プレス中心)を中心とする略放射状に生じるため、運転時にガイド隙間が大きく変化してしまう。
そのため、この運転時の変化を見越してガイド隙間を大きな初期値に調整しておく必要が生じ、ひいては、2つの金型が大きく位置ずれして成形精度が悪化するおそれが生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6276361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、成形精度の悪化を抑えて好適にスライドを支持することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る成形装置は、
スライドと、
前記スライドを所定の移動方向に移動可能に支持する複数の柱と、
を備え、
前記複数の柱の各々は、前記移動方向と直交する面内において、前記スライドの中心と当該柱の中心とを結ぶ直線に略平行な複数の支持面で前記スライドを支持している。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、成形精度の悪化を抑えて好適にスライドを支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る成形装置を示す図である。
図2図1のII-II線での断面図である。
図3】(a)は実施形態に係るアップライトのうちガイド部周辺の斜視図であり、(b)は(a)のIII-III線での断面図である。
図4】実施形態に係るスライドとギブブロックとの取り付け構造を示す図である。
図5】実施形態に係る摺動ユニットの断面図である。
図6】プレス時の負荷によるフレームの変形を示す図である。
図7】(a)は8面ガイドを示す図であり、(b)はX型ガイドを示す図である。
図8】実施形態に係るスライドの支持構造の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0010】
[成形装置の全体構成]
図1は、本実施形態に係る成形装置1を示す図である。
この図に示すように、本実施形態に係る成形装置1は、スライドを駆動してワークを成形するプレス装置である。具体的に、成形装置1は、クラウン11と、ベッド12と、これらの間に立設された複数(本実施形態では4本)のアップライト20と、スライド30とを備える。
なお、以下の説明において、前後、左右及び上下は、図中に示した方向をいう。
【0011】
クラウン11、ベッド12及び複数のアップライト20は、成形装置1のフレーム10を構成する。これらクラウン11、ベッド12、複数のアップライト20は、その内部にタイロッド21が挿入され、タイロッドナット22により締め付けられることで、互いに締結されている。アップライト20は、本発明に係る柱の一例に相当する。
【0012】
ベッド12上にはボルスタ13が固定され、ボルスタ13の上部には下金型14が固定されている。
クラウン11にはシリンダ15が設けられ、シリンダ15にはスライド30が固定されている。スライド30は、上下方向に進退可能(移動可能)なように複数のアップライト20に支持されている。スライド30の支持構造の詳細は後述する。
スライド30の下部には上金型16が固定されている。シリンダ15が伸長することでスライド30が下降し、上金型16と下金型14とでワークを加圧して成形が行われる。
【0013】
[スライドの支持構造]
図2は、図1のII-II線での断面図であり、図3(a)は、アップライト20のうち後述のガイド部23周辺の斜視図であり、図3(b)は、図3(a)のIII-III線での断面図である。図4(a)、(b)は、スライド30と後述のギブブロック32との取り付け構造を示す図である。
上述のとおり、スライド30は、上下方向に沿った移動方向に移動可能なように、4本のアップライト20に支持されている。
4本のアップライト20は、図2及び図3(a)、(b)に示すように、上下方向に沿ったプレス中心軸Axを中心とする斜め前後左右の四隅に、互いに略均等な間隔を空けて立設されている。各アップライト20は、上下方向と直交する面での断面形状が、プレス中心軸Axと当該アップライト20の中心(本実施形態ではタイロッド21の中心)とを結ぶ直線Rに対して線対称形状となっている。ただし、この形状は、完全な線対称形状でなくともよく、略線対称形状であればよい。例えば、左右方向のタイロッド21間の寸法を1としたときに、前後方向のタイロッド21間の寸法が0.7~1.3の範囲内のとき、その形状は略線対称形状である。
なお、以下の説明では、プレス中心軸Axに垂直な方向を「径方向」、プレス中心軸Axを中心とする回転方向を「周方向」という。
【0014】
各アップライト20は、その内径側(径方向内側)の面に、スライド30を案内するガイド部23を有している。
ガイド部23は、各アップライト20のうち中央よりもやや上側の高さ位置において、スライド30の移動範囲よりもやや長い範囲に亘って上下方向に延在している。
ガイド部23は、アップライト20の内径側の面から突出するように設けられ、スライド30を支持する支持面である両側面23aを有している。この両側面23aは、上下方向と直交する面内において直線Rに略平行な面であり、本実施形態では、プレス中心軸Axとアップライト20の中心とを含む面に略平行な面である。
両側面23a間の距離、すなわちガイド幅Gは、タイロッド21の直径D以下となっている。タイロッド21の直径Dは、成形装置1の定格負荷に応じて規定されており、定格負荷300tonでは約300mm、6000tonでは約450mmとなっている。
ガイド部23のうち両側面23aの間の部分は、当該両側面23aが変形しにくいように、中実となっている。つまり、アップライト20のうち、タイロッド21が挿入される空間20aは、ガイド部23(両側面23aの間の部分)よりも外径側(径方向外側)に形成されている。
【0015】
図4(a)、(b)に示すように、スライド30は、平面視略正方形の矩形板状に形成され、その中心をプレス中心軸Axと一致させた状態で当該プレス中心軸Axと直交するように配置されている。
スライド30の斜め前後左右の四隅には、4つのギブブロック32が着脱可能に取り付けられている。4つのギブブロック32は、4本のアップライト20に対応しており、当該対応するアップライト20とスライド30との間に配置される。
また、図2に示すように、スライド30の左右(または前後)の幅(最大幅)Wsは、この方向に隣り合うアップライト20間の距離Wuよりも小さい。そのため、スライド30は、4つのギブブロック32を取り外した状態で、隣り合うアップライト20間を通すことができる。なお、スライド30の幅Wsとアップライト20間の距離Wuとは、互いに対応する方向の長さでなくともよく、いずれか隣り合うアップライト20間の距離の少なくとも1つが、全てのギブブロック32を取り外した状態でのスライド30の幅(最大幅)よりも大きければよい。
【0016】
図3(a)、(b)に示すように、各ギブブロック32の上面には、引戻シリンダ17が固定されている。引戻シリンダ17のロッド先端はクラウン11に固定されている。引戻シリンダ17が伸長することでスライド30が上昇し、上金型16がワークから離間する。なお、引戻シリンダ17は他の場所に設けてもよい。あるいは、引戻シリンダ17を設けずに、シリンダ15の収縮によりスライド30を上昇させてもよい。
【0017】
各ギブブロック32は、平面視U字状の凹部32aを外径側の面に有している。各ギブブロック32は、この凹部32aがアップライト20のガイド部23と径方向に嵌合することで、ガイド部23に対して上下方向に相対移動可能となっている。
各ギブブロック32のうち、凹部32aの両側壁321には、アップライト20のガイド部23と摺動する複数の摺動ユニット40が取り付けられている。本実施形態では、各側壁321につき4つの摺動ユニット40が上下方向に沿って配列されている。
【0018】
図5は、摺動ユニット40の断面図である。
摺動ユニット40は、上下方向と直交する面内において直線Rに直交するT方向に略沿って延在している。以下では、T方向のうち、アップライト20のガイド部23に近い側を「一端側」と、ガイド部23から遠い側を「他端側」という。
具体的には、図5に示すように、摺動ユニット40は、略円筒状のケース部材41を有する。ケース部材41は、ギブブロック32の側壁321に固定される。
ケース部材41の内部には、一端側から軸部材42が挿通される。軸部材42は、他端側の先端がケース部材41から露出しており、当該先端に螺合された大ナット43によりケース部材41に締結固定されている。また、軸部材42は、ケース部材41の内部に収容された弾性部材44により、ケース部材41に対して一端側に付勢されている。弾性部材44は、軸部材42を介して後述の球面部材46を弾性支持するものであればよく、ばね部材であってもよいし、比較的に硬度の低い金属などであってもよい。
【0019】
軸部材42の内部には、ボルト45が挿通されている。
ボルト45は、他端側の先端が軸部材42から露出しており、当該先端に螺合された小ナット48により軸部材42に締結固定されている。ただし、小ナット48と軸部材42の端面との間には弾性部材49(本実施形態では皿ばね)が挟まれており、その弾性力が作用する範囲内で、軸部材42とボルト45との相対移動が許容される。
【0020】
ボルト45の一端側の先端には、球面部材46が固定されている。球面部材46は、ガイド部23に支持されるものであり、本発明に係る被支持部材の一例である。球面部材46の他端側の面は、球面状に形成されており、対応する球面状に形成されて互いに相対移動(摺動)可能な軸部材42の一端側の面によって支持(すなわち球面支持)されている。
球面部材46の一端側の面には、ガイド部23(の側面23a)と摺動する摺動部材47が取り付けられている。摺動部材47は、アップライト20のガイド部23よりも柔らかい材料(例えば銅合金など)で構成される。本実施形態では、摺動部材47とガイド部23の側面23aとの間のガイド隙間Sが約0.1mmに調整される。また、摺動部材47の一端側の面には、ガイド部23の側面23aとの間に潤滑剤(グリース)を介在させるための図示しない溝が形成されている。
【0021】
[本実施形態の技術的効果]
以上のように、本実施形態によれば、各アップライト20が、上下方向と直交する面内において、プレス中心軸Axと当該アップライト20の中心とを結ぶ直線Rと略平行な2つの支持面(ガイド部23の両側面23a)で、スライド30を支持している。
すなわち、図6に示すように、負荷時のフレーム10(アップライト20)の変形はプレス中心軸Axを中心とする略放射状に生じ、またスライド30の熱変形(例えば熱膨張)も同様に略放射状に生じるところ、これらの変形の方向と、支持面であるガイド部23の両側面23aとが、略平行となっている。これにより、図7(a)に示すような8面ガイドの場合と異なり、運転時でのガイド隙間Sの変化を抑制でき、ひいては、組立時におけるガイド隙間Sの初期値を小さく設定できる。
したがって、金型14、16の位置ずれを抑制して成形精度の悪化を抑えつつ、好適にスライド30を支持することができる。
【0022】
また、本実施形態によれば、各アップライト20における支持面であるガイド部23の両側面23aが互いに反対方向を向いているので、プレス中心軸Ax回りの周方向の負荷を好適に支持することができる。
すなわち、金型の形状等によっては、成形時にプレス中心軸Ax回りの周方向の反力がスライド30に作用しうるところ、図7(b)に示すような、各フレームにつきスライド中心を向く1面でスライドをガイドするX型ガイドの場合、上述のような熱変形は抑制できるが、この周方向の負荷を全ての支持面で受けることができない。例えば図7(b)中の時計回りの負荷がスライドに作用した場合、図中の右上と左下の支持面だけでこの負荷を受けることになり、全ての支持面で受ける場合に比べて面圧が上昇してしまう。これに対し、本実施形態では、互いに反対方向を向くガイド部23の両側面23aによってスライド30を支持しているため、いずれの向きの周方向の負荷に対しても、各フレーム10(アップライト20)につき1つの支持面でこれを支持することができる。したがって、より好適にスライド30を支持することができる。
【0023】
また、本実施形態によれば、各アップライト20のうちガイド部23の両側面23aの間の部分が中実であるので、当該部分が中空の場合に比べ、当該側面23aの変形を抑制できる。したがって、スライド30やアップライト20が負荷を受けた場合であっても、より正確にスライド30をガイドすることができる。
【0024】
また、本実施形態によれば、ガイド部23の両側面23aは、各アップライト20のうち内径側の部分に設けられている。
これにより、両側面23a(ガイド部23)をアップライト20の側部に設ける場合に比べ、ガイド幅Gを小さくすることができる。ひいては、両側面23aの加工精度を向上させ、ガイド隙間Sをより高精度に小さく設定できる。
【0025】
また、本実施形態によれば、ガイド部23の側面23aに支持される球面部材46は、ガイド部23とは反対側の面が球面支持されている。
これにより、組立時・運転時を問わず、ガイド部23の側面23aのいかなる方向の変形に対しても、これに倣うように球面部材46が傾きを変化させる。したがって、より好適にスライド30を支持することができる。また、ガイド部23の側面23aに要求される平面度や平行度といった加工精度を緩和することができる。
【0026】
また、本実施形態によれば、球面部材46が、ガイド部23の側面23aとは反対側に配置された弾性部材44により支持されているので、組立時におけるガイド隙間Sの初期値をより小さく設定することができる。例えば、このガイド隙間Sの初期値をゼロに設定することができ、さらに予圧を掛けることもできる。
【0027】
また、本実施形態によれば、各アップライト20が、上下方向と直交する面内において、プレス中心軸Axと当該アップライト20の中心とを結ぶ直線Rに対して線対称形状に形成されている。
これにより、負荷や熱によるガイド隙間Sの変形をより確実に抑えることができる。
【0028】
また、本実施形態によれば、4本のアップライト20は、隣り合うものとの間の距離Wuが、4つのギブブロック32を取り外した状態でのスライド30の幅Wsよりも大きい。
これにより、4つのギブブロック32を取り外した状態で、スライド30をアップライト20間に通すことができる。したがって、フレーム10を解体することなく、スライド30及びギブブロック32をフレーム10外に取り出し、またはフレーム10内に組み込むことができる。
【0029】
[その他]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限られない。
例えば、上記実施形態では、各アップライト20に突設されたガイド部23に、各ギブブロック32の凹部32aが篏合することとしたが、この凹凸の関係は逆であってもよい。すなわち、図8に示すように、各ギブブロック32に、凹部32aに代えて、外径側への凸状のガイド部33を設け、各アップライト20に、ガイド部23に代えて、内径側への凹部24aを設ければよい。そして、各ギブブロック32のガイド部33と、各アップライト20の凹部24aを篏合させればよい。この場合でも、摺動ユニット40はギブブロック32(スライド側)に設けられる(例えばガイド部33に内蔵される)。ただし、摺動ユニット40はアップライト20に設けてもよい(例えば、凹部24aの側壁24に取り付けて、ガイド部33の両側面と摺動させる)。
【0030】
また上記実施形態では、各アップライト20が、互いに反対方向を向く2つの支持面としてガイド部23の両側面23aを有することとしたが、このような2つの支持面を含む3つ以上の支持面を有していてもよい。
【0031】
また上記実施形態では、4つのアップライト20が前後左右に均等間隔に配置されることとしたが、この配置に限定されない。例えば、4つのアップライト20の前後の間隔と左右の間隔とが異なっていてもよい。また、アップライト20は、複数であればその数量は限定されない。
【0032】
また上記実施形態では、上下方向に立設された複数のアップライト20がスライド30を支持することとしたが、本発明に係る複数の柱は、スライドを所定の移動方向に移動可能に支持するものであればよい。つまり、複数の柱の延在方向やスライドの移動方向は、上下方向でなくともよい。
【0033】
また上記実施形態では、成形装置としてプレス装置を挙げて説明したが、本発明に係る成形装置は、移動するスライドを備えて成形を行うものであればプレス装置に限定されず、例えば射出成形装置などにも適用可能である。
その他、上記実施形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0034】
1 成形装置
10 フレーム
11 クラウン
12 ベッド
20 アップライト(柱)
21 タイロッド
23 ガイド部
23a 側面(支持面)
30 スライド
32 ギブブロック
32a 凹部
321 側壁
40 摺動ユニット
42 軸部材
44 弾性部材
46 球面部材(被支持部材)
47 摺動部材
Ax プレス中心軸
D タイロッドの直径
G ガイド幅
R 直線
S ガイド隙間
Ws スライドの幅
Wu アップライト間の距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8