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  • 特開-法面防草構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022100909
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】法面防草構造
(51)【国際特許分類】
   E02D 17/20 20060101AFI20220629BHJP
   E02B 3/14 20060101ALI20220629BHJP
【FI】
E02D17/20 103C
E02B3/14 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020215184
(22)【出願日】2020-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000140292
【氏名又は名称】株式会社奥村組
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】特許業務法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】園田 陽介
(72)【発明者】
【氏名】金山 季文
【テーマコード(参考)】
2D044
2D118
【Fターム(参考)】
2D044DB22
2D044DB52
2D118AA23
2D118BA03
2D118BA07
2D118DA01
2D118FB16
(57)【要約】      (修正有)
【課題】法枠部材の内側領域に敷設された防草改良土と、法枠部材の内側側面との間の隙間を介して雑草等が生え易くなるのを回避できる法面防草構造を提供する。
【解決手段】法面21に複数設置された法枠部材11と、各々の法枠部材11の内側領域12に転圧された状態で敷設される防草改良土13とを含んで構成される法面防草構造であって、法枠部材11は、基端側部分を法面21に埋設すると共に、表面側部分11aを法面21から突出させて取り付けられている。表面側部分11aの内側側面11cと法面21との接続角部分に沿って、樹脂製発泡材14が、全周に亘って連続して付着している。防草改良土13は、接続角部分に沿って付着した樹脂製発泡材14を覆って、表面側部分11aの内側領域12に敷設されている。表面側部分11aの内側側面11cには、防草改良土13との間に介在して防草改良土用接着剤15が塗着されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦横に並べて法面に複数設置された法枠部材と、各々の法枠部材の内側領域に転圧された状態で敷設される防草改良土とを含んで構成される法面防草構造であって、
前記法枠部材は、基端側部分を法面に埋設すると共に、表面側部分を法枠本体部として法面から突出させた状態で取り付けられており、
前記表面側部分の内側側面と法面との接続角部分に沿って、樹脂製発泡材が、全周に亘って連続して付着しており、前記防草改良土は、前記接続角部分に沿って付着した前記樹脂製発泡材を覆って、前記法枠部材の前記表面側部分の内側領域に敷設されている法面防草構造。
【請求項2】
前記防草改良土として、無機系固化剤を含む固化剤含有土が用いられている請求項1記載の法面防草構造。
【請求項3】
前記樹脂製発泡材が、発泡ウレタンである請求項1又は2記載の法面防草構造。
【請求項4】
前記樹脂製発泡材は、吹付けタイプの発泡材となっており、前記表面側部分の内側側面における法尻側の部分を吹き付けの開始端及び終止端として、一筆書き形式で前記接続角部分に全周に亘って連続して吹き付けられることにより付着している請求項1~3のいずれか1項記載の法面防草構造。
【請求項5】
前記表面側部分の内側側面と、これの内側領域に敷設された前記防草改良土との間に介在して、防草改良土用接着剤が塗着されている請求項1~4のいずれか1項記載の法面防草構造。
【請求項6】
前記防草改良土用接着剤は、前記表面側部分の内側側面と前記樹脂製発泡材との間にまで連続して介在して塗着されている請求項5記載の法面防草構造。
【請求項7】
前記法枠部材は、正方形状又は矩形状の枠形状を備えている請求項1~6のいずれか1項記載の法面防草構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、法面防草構造に関し、特に、法面に複数設置された法枠部材と、法枠部材の内側領域に転圧された状態で敷設される防草改良土とを含んで構成される法面防草構造に関する。
【背景技術】
【0002】
河川の堤防や、道路、鉄道、宅地等の基礎地盤を構成する、盛土や切土による法面を保護する工法として、これらの法面の表面部分に、縦横に並べて法枠部材を複数設置するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。法枠部材は、例えばコンクリート製のブロックを、基端側部分を法面に埋設すると共に、表面側部分を法枠本体部として法面から突出させた状態で組み付けて、好ましくは縦横に格子状に連設する正方形状や矩形状の枠形状を有するように形成される。
【0003】
また、法面の表面部分に縦横に並べて設置される法枠部材は、当該法枠部材によって囲まれる内側領域に法面の地山が露出したままになっていると、雑草等が生えて景観に影響を与えることから、法枠部材によって囲まれる内側領域に植生基盤材を配設して、法面の緑化を図る方法が提案されており(例えば、特許文献2参照)、さらに道路の法面等の防草処理方法として、コンクリートやアスファルトとの接着性が良くて短時間に固化し、かつクラック等のひび割れ等を発生させない防草基盤材を、法面に造成する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-84988号公報
【特許文献2】特開2001-131984号公報
【特許文献3】特開2010-144326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、法面の表面部分に設置される法枠部材の内側領域に露出する地山を覆って、当該内側領域に、例えば防草基盤材による防草改良土を敷設して転圧することにより、雑草等が生えるのを防止して、景観に影響を与えないようにすることが考えられるが、法枠部材の内側領域に敷設された防草改良土と、法枠部材の内側側面との間に隙間が生じていると、これらの隙間を介して雑草等が生え易くなることから、これらの隙間から雑草等が生えないようにする技術が必要とされる。
【0006】
本発明は、縦横に並べて法面に複数設置された法枠部材と、各々の法枠部材の内側領域に転圧された状態で敷設される防草改良土とを含んで構成される法面防草構造において、法枠部材の内側領域に敷設された防草改良土と、法枠部材の内側側面との間の隙間を介して雑草等が生え易くなるのを、効果的に回避することのできる法面防草構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、縦横に並べて法面に複数設置された法枠部材と、各々の法枠部材の内側領域に転圧された状態で敷設される防草改良土とを含んで構成される法面防草構造であって、前記法枠部材は、基端側部分を法面に埋設すると共に、表面側部分を法枠本体部として法面から突出させた状態で取り付けられており、前記表面側部分の内側側面と法面との接続角部分に沿って、樹脂製発泡材が、全周に亘って連続して付着しており、前記防草改良土は、前記接続角部分に沿って付着した前記樹脂製発泡材を覆って、前記法枠部材の前記表面側部分の内側領域に敷設されている法面防草構造を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0008】
そして、本発明の法面防草構造は、前記防草改良土として、無機系固化剤を含む固化剤含有土が用いられていることが好ましい。
【0009】
また、本発明の法面防草構造は、前記樹脂製発泡材が、発泡ウレタンであることが好ましい。
【0010】
さらに、本発明の法面防草構造は、前記樹脂製発泡材が、吹付けタイプの発泡材となっており、前記表面側部分の内側側面における法尻側の部分を吹き付けの開始端及び終止端として、一筆書き形式で前記接続角部分に全周に亘って連続して吹き付けられることにより付着していることが好ましい。
【0011】
さらにまた、本発明の法面防草構造は、前記表面側部分の内側側面と、これの内側領域に敷設された前記防草改良土との間に介在して、防草改良土用接着剤が塗着されていることが好ましい。
【0012】
また、本発明の法面防草構造は、前記防草改良土用接着剤が、前記表面側部分の内側側面と前記樹脂製発泡材との間にまで連続して介在して塗着されていることが好ましい。
【0013】
さらに、本発明の法面防草構造は、前記法枠部材が、正方形状又は矩形状の枠形状を備えていることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の法面防草構造によれば、縦横に並べて法面に複数設置された法枠部材と、各々の法枠部材の内側領域に転圧された状態で敷設される防草改良土とを含んで構成される法面防草構造において、法枠部材の内側領域に敷設された防草改良土と、法枠部材の内側側面との間の隙間を介して雑草等が生え易くなるのを、効果的に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の好ましい一実施形態に係る法面防草構造によって保護される法面を説明する断面図である。
図2図2は、図2をA方向から見た正面図である。
図3図3は、図2のB-Bに沿った断面図である。
図4図4は、図2のC-Cに沿った略示断面図である。
図5図5は、法枠部材の表面側部分の内側側面と法面との接続角部分に沿って、樹脂製発泡材を全周に亘って連続して付着させる状況の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の好ましい一実施形態に係る法面防草構造10は、例えば図1に示すように、盛土構造物20を構築する際に、盛土構造物20の法面21に縦横に並べて複数設置される法枠部材11(図2参照)の内側領域12の地山22から、雑草等が生えて景観に影響を与えることになるのを、効果的に回避できるようにするための構造として採用されたものである。本実施形態の法面防草構造10は、図2及び図3に示すように、各々の法枠部材11の内側領域12に防草改良土13を敷設することで、法枠部材11の内側領域12の地山22から雑草等が生えないようにすることに加えて、法枠部材11の内側領域12に敷設された防草改良土13と、法枠部材11の内側側面11cとの間の隙間を介して雑草等が生え易くなるのを、効果的に回避できるようにする機能を備えている。
【0017】
そして、本実施形態の法面防草構造10は、図1及び図2に示すように、縦横に並べて法面21に複数設置された法枠部材11と、各々の法枠部材11の内側領域12に転圧された状態で敷設される防草改良土13とを含んで構成される防草構造であって、図3及び図4にも示すように、法枠部材11は、基端側部分11bを法面21の地山22に埋設すると共に、表面側部分11aを法枠本体部として法面21から突出させた状態で取り付けられており、表面側部分11aの内側側面11cと法面21との接続角部分21aに沿って、樹脂製発泡材14が、全周に亘って連続して付着しており、防草改良土13は、接続角部分21aに沿って付着した樹脂製発泡材14を覆って、法枠部材11の表面側部分11aの内側領域12に敷設されている。
【0018】
また、本実施形態では、図4にも示すように、好ましくは表面側部分11aの内側側面11cと、これの内側領域12に敷設された防草改良土13との間に介在して、防草改良土用接着剤が塗着されていることによって、改良土用接着剤層15が形成されており、より好ましくは、防草改良土用接着剤による改良土用接着剤層15は、防草改良土用接着剤が、表面側部分11aの内側側面11cと樹脂製発泡材14との間にまで連続して介在して塗着されていることによって形成されている。
【0019】
本実施形態では、法面防草構造10が設置される法面21は、例えば鉄道線路の基礎地盤を構成する盛土構造物20の傾斜面である法面21となっており、図1に示すように、中段部分の小段を挟んで、例えば30°程度の角度で傾斜する地山面となっている。盛土構造物20の法面21には、図2に示すように、例えば縦横1000mm程度の大きさの、好ましくは正方形状の枠形状を備える複数の法枠部材11が、既存の構造物として、縦横に並べて格子状に配置された状態で設置されている。法枠部材11は、例えば所定の形状に成形された公知のコンクリート製の直線状のブロック部材を、縦横に組み付けると共に、適宜の箇所に現場打ちのコンクリートやモルタルを使用することにより、格子状に連設して一体として接合されることで、各々が正方形状の枠形状を備えるように形成されている。
【0020】
また、縦横に格子状に連設する複数の既存の法枠部材11は、図3に示すように、基端側部分11bを法面21に埋設すると共に、表面側部分11aを法枠本体部として法面21から突出させた状態で取り付けられている。すなわち、本実施形態では、例えば法枠部材11を構成するコンクリート製の直線状のブロック部材は、好ましくは縦横150mm程度の大きさの正方形状の断面形状を備えており、これの基端側の90mm程度の厚さの部分を基端側部分11bとして、法面21に埋設すると共に、先端側の60mm程度の厚さの部分を表面側部分11aとして、法面21から突出させた状態で取り付けられている。
【0021】
本実施形態では、このようにして設置された複数の既存の法枠部材11の各々における、例えば縦横850mm程度の大きさの内側領域12に、防草改良土13が敷設されることによって、法面防草構造10が形成されることになる。法面防草構造10を形成するには、各々の法枠部材11の内側領域12の地山22を整地すると共に整形して、法枠部材11の表面から60mm程度の深さに地山22による下地基面を形成した後に、法面21から突出する表面側部分11aの内側側面11cに、防草改良土用接着剤を、全周に亘って連続して塗着して、改良土用接着剤層15を形成する。表面側部分11aの内側側面11cと法面21との接続角部分21aに樹脂製発泡材14を付着させるのに先立って、表面側部分11aの内側側面11cに防草改良土用接着剤15を塗着することにより、改良土用接着剤層15を、表面側部分11aの内側側面11cと樹脂製発泡材14との間にまで連続して介在させて形成することが可能になる。
【0022】
ここで、防草改良土用接着剤15としては、各種の改良土をコンクリート面やアスファルト面等に接着させる機能を備える接着剤として公知の、各種の樹脂製の接着剤を用いることができる。本実施形態では、より具体的には、吸水調整材として市販されている、商品名「NSハイフレックスHF-1000」(日本化成株式会社製)を好ましく用いることができる。
【0023】
また、本実施形態では、表面側部分11aの内側側面11cに防草改良土用接着剤15を塗着するのに先立って、或いは塗着した後に、各々の表面側部分11aの内側領域12の整形された地山22による下地基面の上に、補強用の例えば溶接金網(メッシュ筋)16を、敷設される防草改良土13の厚さ方向の中央部分に埋設されるように、下地基面との間に公知のスペーサ等を介在させることにより浮かせた状態で、配筋しておくことができる。これによって、法枠部材11の表面側部分11aの内側領域12に、転圧された状態で敷設される防草改良土13の、特にひび割れに対する強度を、向上させることが可能になる。
【0024】
表面側部分11aの内側側面11cに、防草改良土用接着剤を、全周に亘って連続して塗着して、改良土用接着剤層15を形成したら、次に、表面側部分11aの内側側面11cと法面21との接続角部分21aに沿って、樹脂製発泡材14を、全周に亘って連続して付着させる。樹脂製発泡材14としては、好ましくは発泡ウレタン等の公知の各種の発泡材を用いることができる。また、樹脂製発泡材14は、吹付けタイプの発泡材となっていることが好ましい。吹付けタイプの発泡材としては、より具体的には、吹き付けタイプの発泡ウレタンとして市販されている、商品名「シスタM5230」(ヘンケルジヤパン株式会社製)を、好ましく用いることができる。
【0025】
また、樹脂製発泡材14として、吹付けタイプの発泡材を用いる場合には、図5に示すように、表面側部分11aの内側領域12において、表面側部分11aの内側側面11cにおける法尻側の部分を吹き付けの開始端及び終止端として、樹脂製発泡材14を一筆書き形式で、表面側部分11aの内側側面11cと法面21との接続角部分21aに、沿って全周に亘って連続して吹き付けて、付着させるようにすることが好ましい。法枠部材11の表面側部分11aの内側領域12に、転圧された状態で敷設された防草改良土13は、重量によって法尻側に下がりやすく、したがって特に法肩側で、表面側部分11aの内側側面11cと敷設された防草改良土13との間に隙間が生じ易くなっているが、上述のように、法尻側の部分を吹き付けの開始端及び終止端として、樹脂製発泡材14を一筆書き形式で連続して吹き付けて付着させることによって、法肩側で樹脂製発泡材14の継ぎ目が無くなるので、より確実に、表面側部分11aの内側側面11cと防草改良土13との間から、雑草等が生えないようにすることが可能になる。
【0026】
樹脂製発泡材14として、好ましくは発泡ウレタンを、各々の表面側部分11aの内側側面11cと法面21との接続角部分21aに沿って連続して付着させたら、さらに、付着させた樹脂製発泡材14を覆って、防草改良土13を、各々の表面側部分11aの内側領域12に転圧した状態で敷設することによって、本実施形態の法面防草構造10を形成することができる。
【0027】
ここで、防草改良土13としては、例えば防草基盤材として公知の各種の防草機能を備える改良土を用いることができる。また防草改良土13は、セメント等の無機系固化剤を含む改良土や、天然の海水から得られたマグネシウムを含む改良土等であっても良い。本実施形態では、防草改良土13として、自然の土を使用して、無機系固化剤と特殊骨材とをブレンドすることにより、雑草を生やさず照り返しやヒートアイランド現象の対策にもなる改良土として販売されている、商品名「エコグローブ」(東京福幸株式会社製)を、好ましく用いることができる。
【0028】
好ましくは「エコグローブ」による防草改良土13を、各々の表面側部分11aの内側領域12に転圧した状態で敷設するには、適量の水を混練りした後、表面側部分11aの内側領域12に打設し、好ましくは予め配筋された溶接金網16を巻き込むようにしつつ敷き均してから、例えばプラコテや木コテ等を用いて塗り込むようして転圧することによって、好ましくは溶接金網16を埋設した状態で、例えば50mm程度の厚さで内側領域12に敷設されることになる。各々の表面側部分11aの内側領域12に敷設された防草改良土13は、好ましくは2~3日程度の養生期間を経ることで固められて、本実施形態の法面防草構造10が形成されることになる。
【0029】
そして、上述の構成を備える本実施形態の法面防草構造10によれば、法枠部材11の表面側部分11aの内側領域12に敷設された防草改良土13と、表面側部分11aの内側側面11cとの間の隙間を介して雑草等が生え易くなるのを、効果的に回避することが可能になる。
【0030】
すなわち、本実施形態の法面防草構造10によれば、表面側部分11aの内側側面11cと法面21との接続角部分21aに沿って、樹脂製発泡材14が、全周に亘って連続して付着しており、防草改良土13は、接続角部分21aに沿って付着した樹脂製発泡材14を覆って、法枠部材11の表面側部分11aの内側領域12に敷設されており、樹脂製発泡材14によって、法枠部材11の表面側部分11aの内側領域12に敷設された防草改良土13と、表面側部分11aの内側側面11cとの間の隙間が強固に閉塞されることになるので、これらの間の隙間を介して雑草等が生え易くなるのを、効果的に回避することが可能になる。
【0031】
また、本実施形態によれば、好ましくは表面側部分11aの内側側面11cと、これの内側領域12に敷設された防草改良土13との間に介在して、防草改良土用接着剤15が塗着されており、より好ましくは、防草改良土用接着剤15は、表面側部分11aの内側側面11cと樹脂製発泡材14との間にまで連続して介在して塗着されているので、これらの防草改良土用接着剤15によって、表面側部分11aの内側側面11cと防草改良土13や樹脂製発泡材14との接着性を高めて、敷設された防草改良土13と、表面側部分11aの内側側面11cとの間の隙間を介して雑草等が生え易くなるのを、さらに効果的に回避することが可能になる。
【0032】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、法枠部材は、正方形状の枠形状を備えている必要は必ずしも無く、矩形状の枠形状や、八角形状の枠形状等、地山が露出する内側領域を有するその他の種々の枠形状を備えていても良い。また、法面防草構造が設置される法面は、河川の堤防や、道路、宅地等の基礎地盤を構成する、その他の種々の盛土や切土による法面であっても良い。
【符号の説明】
【0033】
10 法面防草構造
11 法枠部材
11a 表面側部分
11b 基端側部分
11c 内側側面
12 内側領域
13 防草改良土
14 樹脂製発泡材
15 改良土用接着剤層(防草改良土用接着剤)
16 溶接金網(メッシュ筋)
20 盛土構造物
21 法面
21a 接続角部分
22 地山
図1
図2
図3
図4
図5