(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022100943
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
F24C 1/00 20060101AFI20220629BHJP
【FI】
F24C1/00 360A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020215237
(22)【出願日】2020-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155099
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100147625
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100190333
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 群司
(72)【発明者】
【氏名】藤田 晃央
(72)【発明者】
【氏名】足立 吉隆
(72)【発明者】
【氏名】横山 竜也
(72)【発明者】
【氏名】大矢 敏史
(57)【要約】
【課題】熱風を対流させて食材を加熱調理する加熱調理器で、食材に焼き色を付与することができるようにする。
【解決手段】加熱調理器10は、食材を加熱調理する調理庫20と、調理庫20内を加熱するヒータ25と、調理庫20内の空気を対流させる対流ファン26とを備え、調理庫20の上面部には焼き色用ヒータ27を収容するヒータ収容凹部20bを形成し、焼き色用ヒータ27を調理庫20の上面部から下方に突出しないようにヒータ収容凹部20bに収容した。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食材を加熱調理する調理庫と、
前記調理庫内を加熱するヒータと、
前記調理庫内の空気を対流させる対流ファンとを備えた加熱調理器であって、
前記調理庫内には食材に焼き色を付与するための焼き色用ヒータを設けたことを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
請求項1に記載の加熱調理器において、
前記調理庫の上面部には前記焼き色用ヒータを収容するヒータ収容凹部を形成し、
前記焼き色用ヒータを前記調理庫の上面部から下方に突出しないように前記ヒータ収容凹部に収容したことを特徴とする加熱調理器。
【請求項3】
請求項2に記載の加熱調理器において、
前記焼き色用ヒータを前記調理庫に上下方向に移動可能に支持したことを特徴とする加熱調理器。
【請求項4】
請求項1または2に記載の加熱調理器において、
前記調理庫には食材を入れたトレイを収容可能とし、前記トレイを上下に移動可能に支持することで前記焼き色用ヒータとの距離を変更可能としたことを特徴とする加熱調理器。
【請求項5】
請求項2に記載の加熱調理器において、
前記調理庫には食材を入れたトレイを上下に多段状に収容可能とし、
前記調理庫の側部には前記焼き色用ヒータの熱を多段状に収容した最上段のトレイより下側のトレイに向けて反射する反射部を設けたことを特徴とする加熱調理器。
【請求項6】
請求項1~5の何れか1項に記載の加熱調理器において、
前記焼き色用ヒータの出力を定格出力の範囲内で変更可能としたことを特徴とする加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食材を加熱調理する加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には食材を加熱調理する加熱調理器の発明が開示されている。この加熱調理器は、ハウジング内に設けられて食材を加熱調理する調理庫と、調理庫内を加熱するヒータと、調理庫内の空気を対流させる対流ファンと、調理庫内に蒸気を供給する蒸気供給装置とを備えている。この加熱調理器で調理プログラムを実行したときに、調理庫内に収容した食材はヒータと対流ファンと蒸気発生装置との作動によって対流する蒸気を含んだ熱風またはヒータと対流ファンとの作動によって対流する熱風によって加熱調理される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の加熱調理器においては、調理庫内に収容したホテルパン等のトレイに載せた食材は対流する熱風によって全体に熱が付与されて加熱調理される。料理の種類によっては、食材の表面に適度な焼き色を付与した方が、食材の味や見た目を良好とすることができるものの、対流する熱風によって加熱調理する加熱調理器では、食材の表面に焼き色を付与することができなかった。本発明は、熱風を対流させて食材を加熱調理する加熱調理器で、食材に焼き色を付与することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、食材を加熱調理する調理庫と、調理庫内を加熱するヒータと、調理庫内の空気を対流させる対流ファンとを備えた加熱調理器であって、調理庫内には食材に焼き色を付与するための焼き色用ヒータを設けたことを特徴とする加熱調理器を提供するものである。
【0006】
上記のように構成した加熱調理器においては、調理庫内には食材に焼き色を付与するための焼き色用ヒータを設けたので、調理庫内で加熱調理した食材に焼き色用ヒータによって焼き色を付与することができ、食材の味や見た目を良好とすることができる。
【0007】
上記のように構成した加熱調理器においては、調理庫の上面部には焼き色用ヒータを収容するヒータ収容凹部を形成し、焼き色用ヒータを調理庫の上面部から下方に突出しないようにヒータ収容凹部に収容するのが好ましい。このようにしたときには、ヒータと対流ファンによって生じる調理庫内を対流する熱風が焼き色用ヒータによって流れが遮られにくくなり、調理庫内の食材に加熱加減のばらつきが生じにくくなる。
【0008】
上記のように構成した加熱調理器においては、焼き色用ヒータを調理庫に上下方向に移動可能に支持するのが好ましい。このようにしたときには、調理庫内で焼き色用ヒータを調理庫に上下方向に移動させることで、焼き色用ヒータと食材の距離を変えることができ、食材の焼き色の付与加減を変えることができるようになる。
【0009】
上記のように構成した加熱調理器においては、調理庫には食材を入れたトレイを収容可能とし、トレイを上下に移動可能に支持することで焼き色用ヒータとの距離を変更可能とするのが好ましい。このようにしたときにも、調理庫内でトレイを上下に移動させることで、焼き色用ヒータとトレイに入れた食材の距離を変えることができ、食材の焼き色の付与加減を変えることができるようになる。
【0010】
上記のように構成した加熱調理器においては、調理庫には食材を入れたトレイを上下に多段状に収容可能とし、調理庫の側部には焼き色用ヒータの熱を多段状に収容した最上段のトレイより下側のトレイに向けて反射する反射部を設けるのが好ましい。このようにしたときには、最上段のトレイだけでなく下側のトレイの食材にも焼き色を付与することができる。
【0011】
上記のように構成した加熱調理器においては、焼き色用ヒータの出力を定格出力の範囲内で変更可能とするのが好ましい。このようにしたときには、焼き色用ヒータの出力を変更することで、調理庫内で加熱調理した食材の焼き加減を変更することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図3】本発明の加熱調理器の前後方向の中央部の位置で左右方向に沿って切断した縦方向断面図である。
【
図4】5本の焼き色用ヒータの配置を示す平面概略図である。
【
図6】焼き色用ヒータをヒータ収容ボックスに収容し、ヒータ収容ボックスを上下に移動可能としたときの
図3に相当する断面図である。
【
図7】トレイを支持する支持フレームを上下に移動可能としたときの
図3に相当する断面図である。
【
図8】調理庫の側部に反射部を設けたときの
図3に相当する概略図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明による加熱調理器の一実施形態を図面を参照して説明する。
図1~
図3に示したように、本発明の加熱調理器10は、調理庫20内に収容した食材をヒータ25と対流ファン26との作動によって対流する熱風によって加熱調理するものであり、調理庫20内に設けた焼き色用ヒータ27によって調理庫20内で加熱調理した食材の表面に焼き色を付与することができるようにしたものである。
【0014】
図1~
図3に示したように、加熱調理器10は、ハウジング11内の左側部に機械室12と、ハウジング11内の機械室12を除いた部分に食材を加熱調理するための調理庫20とを備えている。
図1及び
図2に示したように、調理庫20の前面部には食材を出し入れする開口部20aが設けられており、開口部20aにはこれを開閉する扉13が設けられている。
【0015】
図3に示したように、調理庫20は食材を収容して加熱調理するためのものであり、調理庫20の左側部を除く部分を食材を収容する食材収容室21とし、調理庫20の左側部を食材収容室21に送り出す熱風を生成する熱風生成室22としている。調理庫20の左右方向の中央部より左側には食材収容室21と熱風生成室22を仕切る仕切板23が設けられており、仕切板23は食材収容室21と熱風生成室22とを通風可能に仕切っている。仕切板23には多数の吸込口(図示省略)が形成されており、食材収容室21内の空気は吸込口を通って熱風生成室22に送られる。また、仕切板23は調理庫20の天井壁、底壁、前壁及び後壁との間に空気が通過可能な空間が形成されるように取り付けられることで、仕切板23と調理庫20の天井壁、底壁、前壁及び後壁との間には空気が通過する通風路が形成されており、熱風生成室22の空気は通風路を通って食材収容室21に送られる。なお、調理庫20の内周面には多数の凹部また突部を形成したディンプル加工を施してもよい。特に、調理庫20で食材の焼きむらが生じやすい箇所の近傍にディンプル加工により凹部また突部を形成したときには、調理庫20を対流する熱風が凹部また突部の近傍を通過するときに乱流となり、調理庫20内で食材の焼きむらが生じにくくすることができる。なお、凹部または突部は丸形状、矩形状、菱形状または線形状等の種々の形状から選択したものであればよい。
【0016】
図3に示したように、調理庫20の食材収容室21にはホテルパンと呼ばれるトレイTを上下に多段状に支持する左右一対の支持フレーム24が設けられている。この実施形態の支持フレーム24は、トレイTを上下に3段で支持するものであり、左側の支持フレーム24は仕切板23に固定され、右側の支持フレーム24は調理庫20の右側壁に固定されている。
【0017】
図3に示したように、調理庫20の熱風生成室22にはヒータ25と対流ファン26が設けられている。ヒータ25は、調理庫20内を加熱するものであり、調理庫20の左側壁にて略環状に巻回されている。対流ファン26は、調理庫20内の空気を対流させるものであり、調理庫20の左側壁にて略環状に巻回されたヒータ25の内側に取り付けられている。この実施形態の対流ファン26は、シロッコファンよりなる遠心ファンが採用されている。対流ファン26を作動させると、食材収容室21の空気は仕切板23の吸込口を通って熱風生成室22に吸い込まれ、吸い込まれた空気は熱風生成室22にて遠心方向外向きに吹き出され、吹き出された空気は上下及び前後の通風路を通って食材収容室21に戻される。また、ヒータ25とともに対流ファン26を作動させたときには、食材収容室21から熱風生成室22に吸い込まれた空気は対流ファン26の外側に配置されるヒータ25に吹き付けられて高温の熱風となり、高温の熱風は上下及び前後の通風路を通って食材収容室21に戻される。
【0018】
図3に示したように、調理庫20の食材収容室21の上部にはヒータ収容凹部20bが形成されており、ヒータ収容凹部20bには焼き色用ヒータ27が収容されている。焼き色用ヒータ27は、直管状のガラス管に近赤外線のヒータ素子を収容したものが用いられ、調理庫20内に収容した最上段のトレイに入れた食材に近赤外線を照射して焼き色を付与するものである。
図4に示したように、この実施形態では、左右方向に延びる5本の直管状の焼き色用ヒータ27が前後に平行に配置されている。
図3に示したように、調理庫20のヒータ収容凹部20bの左右両側にはブラケット20cが設けられており、ブラケット20cにはヒータ収容凹部20bを塞ぐガラスプレート20dが取り付けられている。焼き色用ヒータ27は調理庫20の上面から下方に突出することなくヒータ収容凹部20b内に収容されており、ヒータ収容凹部20bはガラスプレート20dにより調理庫20の上面から実質的に下側に突出することなく塞がれているので、調理庫20内を対流する空気の流れが妨げられにくくなっている。
【0019】
図3に示したように、ハウジング11の機械室12には調理庫20内に蒸気を供給する蒸気発生装置30が設けられている。この実施形態の蒸気発生装置30は、誘導加熱によって水を加熱して蒸気を発生させるものである。蒸気発生装置30は、所定の水位の水を貯えた筒形の蒸気発生容器31と、蒸気発生容器31内の水を加熱する加熱体(図示省略)と、蒸気発生容器31の外周に巻回されて加熱体を発熱させる誘導加熱コイル32と、蒸気発生容器31内で発生した蒸気を調理庫20に送出する蒸気送出筒33とを備えている。蒸気送出筒33は調理庫20の左側壁に形成された蒸気導入口(図示省略)に接続されており、蒸気発生容器31内で発生した蒸気は蒸気送出筒33を通って蒸気導入口から調理庫20内に送られる。
【0020】
図5に示したように、加熱調理器10は制御装置40を備えており、制御装置40は、ヒータ25、対流ファン26、焼き色用ヒータ27、調理庫20内に設けた温度センサ28及び蒸気発生装置30に接続されている。制御装置40はマイクロコンピュータ(図示省略)を有しており、マイクロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続されたCPU、RAM、ROM及びタイマ(いずれも図示省略)を備えている。
【0021】
制御装置40は、ROMに調理庫20内の食材を加熱調理するための調理プログラムを備えている。調理プログラムは、ヒータ25と対流ファン26を作動させて対流する熱風により食材を加熱調理するホットエアーモード調理プログラムと、対流ファン26と蒸気発生装置30を作動させて対流する蒸気を含んだ熱風により食材を加熱調理するスチームモード調理プログラムと、ヒータ25と対流ファン26と蒸気発生装置30を作動させて対流する蒸気を含んだ高温の熱風により食材を加熱調理するコンビモード調理プログラムとの3種類の調理プログラムを備えている。なお、ROMには調理庫20内の設定温度、蒸気量及び調理時間が予め設定された調理プログラムが記憶されているとともに、調理プログラムの調理庫20の設定温度、蒸気量及び調理時間をユーザが設定可能としている。
【0022】
調理プログラムのホットエアーモード調理プログラムを実行したときには、ヒータ25と対流ファン26との作動により、調理庫20内の空気は熱風になって対流し、調理庫20内に収容した食材は対流する熱風によって加熱調理される。また、調理プログラムのコンビモード調理プログラムを実行したときには、ヒータ25と対流ファン26との作動により、調理庫20内の空気は熱風になって対流するとともに、調理庫20内には蒸気発生装置30から蒸気が供給されることで、調理庫20内を対流する熱風は蒸気を含むようになり、調理庫20内に収容した食材は蒸気を含んで対流する熱風によって加熱調理される。
【0023】
また、各調理プログラムでは、調理過程の最後に食材の表面に焼き色を付与する焼き色付与工程が実行可能となっている。各調理プログラムで焼き色付与工程を実行すると、焼き色用ヒータ27が作動し、調理庫20内で加熱調理された食材の表面に焼き色用ヒータ27から近赤外線が照射され、調理庫20内で加熱調理された食材は表面に焼き色が付与される。ホットエアーモード調理プログラムではヒータ25と対流ファン27を作動させながら、スチームモード調理プログラムでは対流ファン26と蒸気発生装置30を作動させながら、コンビモード調理プログラムではヒータ25と対流ファン26と蒸気発生装置30を作動させながら、焼き色用ヒータ27を作動させてもよいし、各機器25、26または30の作動を停止させてから焼き色用ヒータ27を作動させてもよい。各機器25、26または30の作動とともに焼き色用ヒータ27を作動させるときには、加熱調理器10の定格出力(総電力)の範囲で焼き色用ヒータ27を作動させるように制御するために焼き色用ヒータ27の出力を高くすることができないが、各機器25、26または30の作動停止後に焼き色用ヒータ27を作動させるときには、加熱調理器10の定格出力(総電力)の範囲で焼き色用ヒータ27を作動させるように制御するために焼き色用ヒータ27の出力を高くすることができる。
【0024】
また、焼き色付与工程を実行したときに、前後に配置された5本の焼き色用ヒータ27の各々の通電を制御することで、調理庫20内で加熱調理された食材の表面に付与する焼き色の加減を調節することもできる。例えば、焼き色用ヒータ27への通電を少なくなるように、または、5本の焼き色用ヒータ27の通電させる本数を減らすように制御することで、食材の焼き色を薄くすることができ、焼き色用ヒータ27への通電を多くなるように、または、5本の焼き色用ヒータ27の通電させる本数を増やすように制御することで、食材の焼き色を濃くすることができる。
【0025】
また、5本のうちの前側の2本または3本の焼き色用ヒータ27へ通電させるように制御すると、調理庫20内に収容したトレイに載せた食材の前側部分に焼き色を付与することができ、5本のうちの後側の2本または3本の焼き色用ヒータ27へ通電させるように制御すると、調理庫20内に収容したトレイに載せた食材の後側部分に焼き色を付与することができる。このように、焼き色用ヒータ27への通電を制御することで、調理庫20内で加熱調理された食材の表面に付与される焼き色の加減を調節することができる。
【0026】
上記のように構成した加熱調理器10においては、食材を加熱調理する調理庫20と、調理庫20内を加熱するヒータ25と、調理庫20内の空気を対流させる対流ファン26と、調理庫20内には食材に焼き色を付与するための焼き色用ヒータ27とを備えている。この加熱調理器10においては、調理庫20内には食材に焼き色を付与するための焼き色用ヒータ27を設けたので、調理庫20内で加熱調理した食材に焼き色用ヒータ27によって焼き色を付与することができ、食材の味や見た目を良好とすることができる。
【0027】
また、この加熱調理器10においては、調理庫20の上面部には焼き色用ヒータ27を収容するヒータ収容凹部20bが形成され、焼き色用ヒータ27は調理庫20の上面部から下方に突出しないようにヒータ収容凹部20bに収容されている。これによって、ヒータ25と対流ファン26によって生じる調理庫20内を対流する熱風が焼き色用ヒータ27によって流れが遮られにくくなり、調理庫20内の食材に加熱加減のばらつきが生じにくくなる。また、この加熱調理器10においては、焼き色用ヒータ27の出力を定格出力の範囲内で変更可能としている。これにより、調理庫20内の食材の焼き色の付与加減を変えることができる。
【0028】
また、この加熱調理器10においては、上下に延びるレール等を用いて焼き色用ヒータ27をヒータ収容凹部20b内で上下に移動可能に支持するようにしてもよい。このようにしたときには、調理庫20内で焼き色用ヒータ27と食材の距離を変えることができ、食材の焼き色の付与加減を変えることができるようになる。この場合に、ハウジング11の前面の操作パネルの操作により作動する電動モータとラックアンドピニオン機構等による昇降機構を用いて焼き色用ヒータ27を上下に昇降させるようにしてもよい。また、
図6に示したように、5本の焼き色用ヒータ27をヒータ収容ボックス27a内に収容するようにし、ヒータ収容ボックス27aを上下に延びるレール等を用いて調理庫20の上面部に収容された位置(実線で示した)とトレイTに近づけた位置(一点鎖線で示した)との間で上下に移動可能に支持するようにしてもよい。このようにしたときにも、調理庫20内で焼き色用ヒータ27と食材の距離を変えることができ、食材の焼き色の付与加減を変えることができるようになる。この場合にも、ハウジング11の前面の操作パネルの操作により作動する電動モータとラックアンドピニオン機構等による昇降機構を用いて焼き色用ヒータ27を上下に昇降させるようにしてもよい。
【0029】
また、
図7に示したように、この加熱調理器10においては、上下に延びるレール等を用いて支持フレーム24を上下に移動可能に支持するようにし、支持フレーム24に支持させたトレイTを上下に移動可能に支持するようにしてもよい。このようにしたときに、トレイTは支持フレーム24を介して上下に移動可能に支持されているので、調理庫20内で焼き色用ヒータ27と食材の距離を変えることができ、食材の焼き色の付与加減を変えることができるようになる。この場合にも、ハウジング11の前面の操作パネルの操作により作動する電動モータとラックアンドピニオン機構等による昇降機構を用いて支持フレーム24を上下に昇降させるようにしてもよい。
【0030】
また、
図8に示したように、この加熱調理器10は、調理庫20には食材を入れたトレイTを上下に2段(多段状)に収容可能としたもので、調理庫20の側部には焼き色用ヒータ27の近赤外線(熱)を多段状に収容した最上段のトレイTより下側のトレイTに向けて反射する反射部29を設けるようにしてもよい。この場合に、最上段のトレイTの側部に焼き色用ヒータ27から照射される近赤外線を下方に通過させるためのスリット等の通光部を形成し、この通光部から最上段のトレイTより下側のトレイTに近赤外線を照射させる。上述したように、最上段(1段目)のトレイTに載せた食材は直ぐ上側の焼き色用ヒータ27から照射される近赤外線によって焼き色が付与され、これより下側となる2段目のトレイTに載せた食材は焼き色用ヒータ27から照射されて反射部29によって反射する近赤外線によって焼き色が付与される。これにより、最上段のトレイTに載せた食材だけでなく、それよりも下側のトレイTに載せた食材にも近赤外線によって焼き色を付与することができる。
【符号の説明】
【0031】
10…加熱調理器、11…ハウジング、20…調理庫、20b…ヒータ収容凹部、25…ヒータ、26…対流ファン、27…焼き色用ヒータ、29…反射部。