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  • 特開-砂供給装置 図1
  • 特開-砂供給装置 図2
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  • 特開-砂供給装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022101001
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】砂供給装置
(51)【国際特許分類】
   B22C 5/16 20060101AFI20220629BHJP
【FI】
B22C5/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020215325
(22)【出願日】2020-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000191009
【氏名又は名称】新東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100161425
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 鉄平
(72)【発明者】
【氏名】野口 陽平
(57)【要約】
【課題】圧送された無機中子用の砂を貯留し、貯留した無機中子用の砂を混練機へ供給する砂供給装置において、無機中子の製品の品質低下を抑制する。
【解決手段】無機中子用の砂を混練機へ供給する砂供給装置であって、砂を空気で圧送する圧送エア系統が接続される供給口を有する砂タンクと、砂タンクと外部とを接続する排気ダクトと、排気ダクトに設けられ、空気が通過するフィルタと、を備え、フィルタと砂タンクとは鉛直方向からみて重ならないように配置される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機中子用の砂を混練機へ供給する砂供給装置であって、
前記砂を空気で圧送する圧送エア系統が接続される供給口を有する砂タンクと、
前記砂タンクと外部とを接続する排気ダクトと、
前記排気ダクトに設けられ、空気が通過するフィルタと、
を備え、
前記フィルタと前記砂タンクとは鉛直方向からみて重ならないように配置される、
砂供給装置。
【請求項2】
前記排気ダクトは、
前記砂タンクの上部に接続され、
前記砂タンクから上昇した空気が下降するように屈曲された第1屈曲部と、前記第1屈曲部を通過した空気が上昇するように屈曲された第2屈曲部とを有し、
前記フィルタは、前記第2屈曲部よりも下流側に位置するように前記排気ダクトに設けられる、請求項1に記載の砂供給装置。
【請求項3】
前記排気ダクトにおける前記第1屈曲部と前記フィルタとの間に設けられ、前記フィルタから落下した微粉を回収するための回収バルブを備える請求項2に記載の砂供給装置。
【請求項4】
前記砂タンクは、貯留した前記砂を下方へ排出する排出口を有し、
前記砂タンクの下方に配置され、前記砂タンクの排出口から前記砂が供給されるホッパと、
前記砂タンクの排出口と前記ホッパとの間に配置された上部開閉機構と、
前記上部開閉機構と前記ホッパとの間に配置された下部開閉機構と、
を備える請求項1~3の何れか一項に記載の砂供給装置。
【請求項5】
前記ホッパの排気口に設けられるセパレータを備える請求項4に記載の砂供給装置。
【請求項6】
前記砂タンク内の圧力を測定する圧力計と、
前記圧力計の検出結果に基づいて前記フィルタの詰まりを検知する制御部と、
を備える請求項1~5の何れか一項に記載の砂供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、砂供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、造型機の砂タンクに鋳物砂を圧送する圧送エア系統を開示する。造型機の砂タンクにはレベル計が設けられる。圧送エア系統は、レベル計の信号に応じて造型機の砂タンクに鋳物砂を圧送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平3-280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載のように鋳物砂を圧送により砂タンクに供給する場合には、砂タンク内の空気を逃がすための排気口を砂タンクに設ける必要がある。このような排気口から微粉などが外部に漏れることを防止するために、排気口にはフィルタを設けることが考えられる。
【0005】
ところで、無機中子に用いられる砂は、水ガラスなどの無機バインダ及び添加物が付与された上で混練され、造型される。造型プロセス中に製品から分離した砂は回収され、再生プロセスを経て再利用される。しかしながら、再生プロセスにおいて砂と無機バインダとを完全に分離させることは困難であり、再生プロセス後の砂は、無機バインダの微粉を僅かに含む。このような無機バインダの微粉を含む無機中子用の砂を特許文献1記載のように圧送により砂タンクに供給する場合、無機バインダの微粉は砂タンクの排気口から排出されるのでフィルタで集塵することができる。しかしながら、フィルタに付着した無機バインダの微粉が砂タンク内に落下した場合、無機バインダの含有量が増加するため、無機中子の製品の品質に影響を与えるおそれがある。
【0006】
本開示は、圧送された無機中子用の砂を貯留し、貯留した無機中子用の砂を混練機へ供給する砂供給装置において、無機中子の製品の品質低下を抑制する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る砂供給装置は、無機中子用の砂を混練機へ供給する装置である。砂供給装置は、砂タンク、排気ダクト及びフィルタを備える。砂タンクは、供給口を有する。供給口は、砂を空気で圧送する圧送エア系統が接続される。排気ダクトは、砂タンクと外部とを接続する。フィルタは、排気ダクトに設けられ、空気が通過する。フィルタと砂タンクとは鉛直方向からみて重ならないように配置される。
【0008】
この砂供給装置では、排気ダクトに設けられたフィルタと砂タンクとが鉛直方向からみて重ならないように配置される。このため、砂供給装置は、フィルタに付着した無機バインダの微粉が砂タンク内に落下することを回避できる。よって、砂供給装置は、無機中子の製品の品質低下を抑制できる。
【0009】
一実施形態においては、排気ダクトは、砂タンクの上部に接続され、第1屈曲部と第2屈曲部とを有してもよい。第1屈曲部は、砂タンクから上昇した空気が下降するように屈曲される。第2屈曲部は、第1屈曲部を通過した空気が上昇するように屈曲される。フィルタは、第2屈曲部よりも下流側に位置するように排気ダクトに設けられてもよい。この場合、空気は第1屈曲部を通過することで下降し、第2屈曲部を通過することで上昇する。空気に含まれる砂は、第2屈曲部付近で落下し、空気とともに上昇しない。このため、フィルタには砂がある程度除去された空気が通過することになる。よって、この砂供給装置は、砂詰まりによるフィルタ性能の低下を抑制できる。
【0010】
一実施形態においては、砂供給装置は、回収バルブを備えてもよい。回収バルブは、フィルタから落下した微粉を回収するために、排気ダクトにおける第1屈曲部とフィルタとの間に設けられる。この場合、砂供給装置は、排気ダクトから微粉を容易に回収させることができる。
【0011】
一実施形態においては、砂タンクは、貯留した砂を下方へ排出する排出口を有し、砂供給装置は、ホッパ、上部開閉機構、及び、下部開閉機構を備えてもよい。ホッパは、砂タンクの下方に配置され、砂タンクの排出口から砂が供給される。上部開閉機構は、砂タンクの排出口とホッパとの間に配置される。下部開閉機構は、上部開閉機構とホッパとの間に配置される。単一の開閉機構を用いて空気及び砂の流れを制御する場合、弁座が砂を巻き込んで摩耗するおそれがある。これに対して、この砂供給装置は、二重の開閉機構を有する。これにより、例えば上部開閉機構が砂を止めつつ空気を通過させることができる。よって、下部開閉機構は、砂を巻き込むことなく、空気の流通を遮断できる。このように、二重の開閉機構を有することで、バルブの摩耗を抑制できる。
【0012】
一実施形態においては、砂供給装置は、ホッパの排気口に設けられるセパレータを備えてもよい。この場合、砂供給装置は、砂詰まりを回避しつつ、供給された砂がホッパの排気口から排出されることを抑制できる。
【0013】
一実施形態においては、砂供給装置は、圧力計及び制御部を備えてもよい。圧力計は、砂タンク内の圧力を測定する。制御部は圧力計の検出結果に基づいてフィルタの詰まりを検知する。制御部は、例えば砂タンク内の圧力が大気圧以上に上昇している場合には、排気ダクトから砂タンク内の空気が十分に抜けていない、つまりフィルタの目詰まりが発生していると判定できる。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、圧送された無機中子用の砂を貯留し、貯留した無機中子用の砂を混練機へ供給する砂供給装置において、無機中子の製品の品質低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示に係る砂供給装置の構成の一例を示す概要図である。
図2図1の砂タンクの上面図である。
図3】二重バタフライバルブ構造の動作を示すフローチャートである。
図4】フィルタ詰まり検知方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して種々の実施形態について詳細に説明する。各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附す。図中において、XY方向が水平方向であり、Z方向が鉛直方向である。
【0017】
[砂供給装置の構成]
図1は、本開示に係る砂供給装置の構成の一例を示す概要図である。図2は、図1の砂タンクの上面図である。図1に示される砂供給装置1は、中子造型設備に備わる。中子造型設備は、無機中子を製造する。無機中子とは、砂を固めるバインダに無機材料を用いた中子である。無機材料のバインダ(無機バインダ)の一例は、水ガラスである。中子造型設備では、無機中子用の砂が砂供給装置1から計量機2へ供給される。計量機2は、受け取った砂の量を計量しつつ、予め定められた量の砂を混練機3へと供給する。混練機3では、供給される砂の量に対して予め定められた量の無機バインダ及び添加剤が付与されて、混練される。混練機3は、混練した砂を図示しない造型機へと供給する。造型機では、混練された砂を用いて無機中子が製造される。その後、ブラスト装置などで無機中子の仕上げが行われる。造型プロセス中に製品から分離した砂は回収され、回収用タンクに集約される。圧送エア系統4は、回収した砂と新砂とを混合した砂(再生砂)を砂供給装置1へ空気で圧送する。圧送エア系統4は、一般的には設備として工場に設けられるものであり、一例として圧縮空気の空気源、圧送する対象である砂を貯留するタンク及び砂供給装置1へ接続される配管を有する。このように、中子造型設備では、無機中子用の砂が再利用される。
【0018】
図1及び図2に示されるように、砂供給装置1は、中空の容器である砂タンク10を備える。砂タンク10は、ベース11から立設されたフレーム12に支持される。砂タンク10は、圧送エア系統4が接続される供給口10aを有する。供給口10aは、砂タンク10の上面に設けられ、圧送エア系統4の配管と接続する。砂タンク10の内部には、圧送エア系統4により圧送された砂を貯留する内部空間が画成される。砂タンク10は、内部空間の下方から貯留した砂を排出する排出口10bを有する。なお、排出口10bは後述する開閉機構によって開閉制御される。
【0019】
砂タンク10には、圧送エア系統4から供給された空気を抜くために砂タンク10と外部とを接続する排気ダクト13が設けられる。排気ダクト13は、砂タンク10の上部(一例として砂タンクの上面)に設けられた接続口10cを介して砂タンク10と接続される。これにより、圧送エア系統4により供給された砂及び空気のうち、空気が排気ダクト13から装置外部へと排気され、砂タンク10の内部空間に砂が貯留される。
【0020】
排気ダクト13は、第1屈曲部13a及び第2屈曲部13bを有する。屈曲部とは、ダクトの軸線が直線的ではなく曲線を含む部分である。第1屈曲部13aは、砂タンク10から上昇した空気が下降するように屈曲される。より具体的な一例として、第1屈曲部13aは、砂タンク10の接続口10cから上方へ延びるように延在するダクト部分と、当該ダクト部分に並設された上下方向に延びるダクト部分とを接続する箇所である。このように、第1屈曲部13aでは、流通する空気の方向が上方向から下方向へと180°変更される。
【0021】
第2屈曲部13bは、第1屈曲部13aを通過した空気が上昇するように屈曲される。より具体的な一例として、第2屈曲部13bは、第1屈曲部13aに接続された上下方向に延びるダクト部分と、当該ダクト部分に並設された上下方向に延びるダクト部分とを接続する箇所である。このように、第2屈曲部13bでは、流通する空気の方向が下方向から上方向へと180°変更される。
【0022】
排気ダクト13には、フィルタ14が設けられる。フィルタ14は、排気ダクト13内を流通する空気を通過させる。フィルタ14は、例えば繊維を積層させた構造を有し、空気を通過させつつ空気に含まれる微粉を捕捉する。微粉は、細かい粉末であり、無機バインダの微粉、及び、砂が削れることにより生じる粉塵などを含む。フィルタ14は、例えば、図1に示されるように、第2屈曲部13bよりも下流側に位置するように排気ダクト13に設けられる。
【0023】
フィルタ14と砂タンク10とは、鉛直方向からみて重ならないように配置される。これにより、フィルタ14により捕捉された微粉がフィルタ14から落下したときに砂タンク10内に混入することを回避できる。
【0024】
排気ダクト13における第1屈曲部13aとフィルタ14との間には、回収バルブ15が設けられる。図1に示されるように、回収バルブ15は、第2屈曲部13b付近に設けられる。フィルタ14から落下した微粉は、第2屈曲部13b付近に集約される。回収バルブ15を開とすることで、排気ダクト13内の微粉が回収容器16に収容される。
【0025】
砂タンク10の上面には、レベル計17及び圧力計18が設けられる。レベル計17は、砂タンク10の内部に貯留された砂の分量を計測するセンサである。レベル計17は、砂タンク10の上面の貫通孔10dを介して砂タンク10の内部空間と接続される。圧力計18は、砂タンク10の内部の圧力を計測するセンサである。圧力計18は、砂タンク10の上面の貫通孔10eを介して砂タンク10の内部空間と接続される。
【0026】
砂タンク10の下方には、中空の容器である供給ホッパ19が配置される。供給ホッパ19は、上部に形成された投入口19aを有する。投入口19aには、砂タンク10の排出口10bから砂が供給される。砂タンク10の排出口10bと供給ホッパ19の投入口19aとの間には、供給ホッパ19への砂供給を制御するために、2つの開閉機構が設けられる。開閉機構は、排出口10bを開閉する。開閉機構は、バタフライバルブ、ゲートバルブ、ロータリーバルブ、ピンチバルブ、ボールバルブ等を用いることができる。一実施形態では、バタフライバルブを用いた場合を説明する。砂タンク10の排出口10bと供給ホッパ19の投入口19aとの間には、2つのバタフライバルブが設けられ、二重バルブ構造を構成する。上部バタフライバルブ20(上部開閉機構の一例)は、砂タンク10の排出口10bと供給ホッパ19との間に配置される。下部バタフライバルブ21(下部開閉機構の一例)は、上部バタフライバルブ20の下流側に配置される。つまり、下部バタフライバルブ21は、上部バタフライバルブ20と供給ホッパ19との間に配置される。
【0027】
上部バタフライバルブ20及び下部バタフライバルブ21は、砂タンク10から供給ホッパ19へ砂を供給するときに開とされ、砂供給を停止するときは閉とされる。より具体的な一例として、上部バタフライバルブ20は、閉のときに、砂の落下を防止しつつ空気を通過させる程度に弁座を締める。下部バタフライバルブ21は、上部バタフライバルブ20が閉とされた後に、弁座を完全に締め切って空気の流通を遮断する。
【0028】
供給ホッパ19も砂タンク10と同様に中空容器であるため、空気を逃がすための排気口が設けられる。そして、供給ホッパ19の排気口には、セパレータ22が取り付けられる。セパレータ22は、空気と微粉を分離し、空気を外部に排気する。セパレータとして、例えば遠心力を利用して微粉と空気とを分離するサイクロン式セパレータが用いられる。また、供給ホッパ19には、砂タンク10と同様にレベル計23が取り付けられ、内部の砂の残量を測定できる。
【0029】
供給ホッパ19は、下部に形成された排出口19bを有する。供給ホッパ19は、予め定められた量の砂を計量機2へ供給する。
【0030】
上述した砂供給装置1は、制御装置24(制御部の一例)によって動作が統括される。制御装置24は、一例として、PLC(Programmable Logic Controller)として構成される。制御装置24は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサと、RAM(RandomAccess Memory)及びROM(Read Only Memory)などのメモリと、タッチパネル、マウス、キーボード、ディスプレイなどの入出力装置と、ネットワークカードなどの通信装置とを含むコンピュータシステムを含んでいてもよい。制御装置24は、砂供給装置1に設けられたセンサの検出結果に基づいて砂供給装置1の動作を制御することができる。
【0031】
例えば、制御装置24は、砂タンク10のレベル計17から砂量が下限閾値よりも小さいことを示す空信号を受信した場合、砂タンク10に砂を供給する準備を開始する。制御装置24は、砂を圧送するように圧送エア系統4へ制御信号を出力する。圧送エア系統4から圧送中の信号が来ている間、上部バタフライバルブ20及び下部バタフライバルブ21を閉とする。圧送エア系統4から圧送中の信号が来ている間、上部バタフライバルブ20及び下部バタフライバルブ21はインターロックが働いており、開き信号を受け付けないようにしている。そのため、例えば供給ホッパ19が空となっていても上部バタフライバルブ20及び下部バタフライバルブ21の開き信号を受け付けないようにしている。これにより、砂の圧送中にバタフライバルブが開いてしまうことによりエアが供給ホッパ19に入ってしまい、排出口19bから砂が吹きこぼれてしまうことを防止することができる。制御装置24は、砂タンク10のレベル計17から砂量が上限閾値よりも大きいことを示す満信号を受信した場合、砂の圧送を停止するように圧送エア系統4へ制御信号を出力する。このように、砂タンク10内の砂の量は、制御装置24によって管理される。
【0032】
(二重バタフライバルブ構造の動作)
制御装置24は、砂タンク10から供給ホッパ19へ砂を供給するときに、二重バタフライバルブ構造を動作させる。図3は、二重バタフライバルブ構造の動作を示すフローチャートである。図3に示されるように、制御装置24は、ステップS10として、供給ホッパ19のレベル計23から砂量が下限閾値よりも小さいことを示す空信号を受信したか否かを判定する。
【0033】
空信号を受信したと判定された場合(ステップS10:YES)、制御装置24は、ステップS12として、下部バタフライバルブ21を開とする。続いて、制御装置24は、ステップS14として、上部バタフライバルブ20を開とする。これにより、砂タンク10から供給ホッパ19へ砂が供給され始める。制御装置24は、ステップS16として、供給ホッパ19のレベル計23から砂量が上限閾値よりも大きいことを示す満信号を受信したか否かを判定する。
【0034】
満信号を受信していないと判定された場合(ステップS16:NO)、ステップS12及びステップS14が繰り返し実行される。つまり、二重バタフライバルブ構造の開状態が維持される。満信号を受信したと判定された場合(ステップS16:YES)、制御装置24は、ステップS18として、上部バタフライバルブ20を閉とする。制御装置24は、砂を止めつつ空気を通過させるように、上部バタフライバルブ20の弁座を、隙間を空けて締める。続いて、制御装置24は、ステップS20として、下部バタフライバルブ21を閉とする。制御装置24は、下部バタフライバルブ21の弁座を完全に締め切ることで空気の流通を遮断する。
【0035】
制御装置24は、空信号を受信していないと判定された場合(ステップS10:NO)、ステップS20が終了した場合には、図3に示されるフローチャートを終了する。図3に示されるフローチャートを実行することで、バタフライバルブの摩耗を抑制しつつ、砂タンク10から供給ホッパ19へ砂を供給できる。
【0036】
(フィルタ詰まり検知)
制御装置24は、砂タンク10の圧力を監視し、フィルタ14の詰まりを検知することができる。図4は、フィルタ詰まり検知方法のフローチャートである。図4に示されるフローチャートは、圧送エア系統4による圧送中以外のタイミングで実行される。
【0037】
図4に示されるように、制御装置24は、ステップS30として、圧力計18から砂タンク10の圧力の測定結果を取得する。続いて、制御装置24は、ステップS32として、砂タンク10の圧力が大気圧以上であるか否かを判定する。砂タンク10の圧力が大気圧以上であると判定された場合(ステップS32:YES)、制御装置24は、ステップS34としてフィルタ14の詰まりを検知する。制御装置24は、フィルタ14の詰まりを報知するために、警報音を出力してもよいし、ディスプレイ装置に警報情報を表示させてもよい。制御装置24は、砂タンク10の圧力が大気圧以上ではないと判定された場合(ステップS32:NO)、ステップS34が終了した場合には、図4に示されるフローチャートを終了する。図4に示されるフローチャートを実行することで、フィルタ14の詰まりを検知することができる。
【0038】
(実施形態のまとめ)
本開示に係る砂供給装置1では、排気ダクト13に設けられたフィルタ14と砂タンク10とが鉛直方向からみて重ならないように配置される。このため、砂供給装置1は、フィルタ14に付着した無機バインダの微粉が砂タンク10内に落下することを回避できる。よって、砂供給装置1は、無機中子の製品の品質低下を抑制できる。
【0039】
砂供給装置1では、空気は第1屈曲部13aを通過することで下降し、第2屈曲部13bを通過することで上昇する。空気に含まれる砂は、第2屈曲部13b付近で落下し、空気とともに上昇しない。このため、フィルタ14には砂がある程度除去された空気が通過することになる。よって、砂供給装置1は、砂詰まりによるフィルタ性能の低下を抑制できる。
【0040】
砂供給装置1では、回収バルブ15を備えているため、排気ダクト13から微粉を容易に回収させることができる。
【0041】
砂供給装置1は、砂タンク10と供給ホッパ19との間に二重バタフライバルブ構成を有するため、バルブの摩耗を抑制できる。バタフライバルブを用いた場合、空気を遮断する際にはバタフライバルブの弁座を完全に締め切る必要がある。単一のバタフライバルブを用いて空気及び砂の流れを制御する場合、弁座が砂を巻き込んで摩耗するおそれがある。これに対して、砂供給装置1は、二重のバルブ構成を有する。これにより、例えば上部バタフライバルブ20が隙間を空けて弁座を締めることにより砂を止めつつ空気を通過させることができる。よって、下部バタフライバルブ21は、砂を巻き込むことなく、弁座を完全に締め切って空気の流通を遮断できる。このように、二重のバルブ構成を有することで、バルブの摩耗を抑制できる。
【0042】
砂供給装置1は、供給ホッパ19の排気口に設けられるセパレータ22を備えるため、砂詰まりを回避しつつ、供給された砂が供給ホッパ19の排気口から排出されることを抑制できる。
【0043】
砂供給装置1においては、制御装置24が砂タンク10内の圧力に基づいてフィルタ14の目詰まりを検知できる。
【0044】
以上、種々の例示的実施形態について説明してきたが、上記実施形態に限定されることなく、様々な省略、置換、及び変更がなされてもよい。
【0045】
例えば、フィルタ14と砂タンク10との位置関係、及びフィルタ14と砂タンク10とを接続する排気ダクト13の形状は図1に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、フィルタ14が砂タンク10の斜め上方に位置してもよい。排気ダクト13も第1屈曲部13a及び第2屈曲部13bを必ずしも有する必要はない。砂供給装置1は、回収バルブ15を備えなくてもよい。
【0046】
また、制御装置24は、砂タンク10から供給ホッパ19に砂を供給中に計量機2が反応した場合に、排気ダクト13及び砂タンク10に残圧があると判定してもよい。そして、制御装置24は、フィルタ14の詰まりが発生したと判定してもよい。
【符号の説明】
【0047】
1…砂供給装置、3…混練機、4…圧送エア系統、10…砂タンク、10a…供給口、10b,19b…排出口、13…排気ダクト、13a…第1屈曲部、13b…第2屈曲部、14…フィルタ、15…回収バルブ、18…圧力計、20…上部バタフライバルブ、21…下部バタフライバルブ、22…セパレータ。
図1
図2
図3
図4