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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022101003
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】トーションばねの取付構造
(51)【国際特許分類】
   F16F 1/12 20060101AFI20220629BHJP
   F16F 1/06 20060101ALI20220629BHJP
   B60R 7/06 20060101ALN20220629BHJP
【FI】
F16F1/12 K
F16F1/06 N
B60R7/06 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020215328
(22)【出願日】2020-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000241496
【氏名又は名称】豊田鉄工株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000251060
【氏名又は名称】林テレンプ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106781
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 稔也
(72)【発明者】
【氏名】小田 恒明
(72)【発明者】
【氏名】大沼 健二
(72)【発明者】
【氏名】吉田 研一
(72)【発明者】
【氏名】松尾 宏隆
(72)【発明者】
【氏名】阿部 央
【テーマコード(参考)】
3D022
3J059
【Fターム(参考)】
3D022CA08
3D022CD17
3J059AD02
3J059BA04
3J059BB01
3J059BD04
3J059CA03
3J059CB02
(57)【要約】
【課題】取付作業を容易に行うことができる。
【解決手段】トーションばねの取付構造は、カバー10の第1孔及び基台20の第2孔の双方に挿通され、カバー10と基台20とを相対回動可能に支持する支持軸40を備える。トーションばねの取付構造は、支持軸40に遊嵌されるコイル部33と、コイル部33の第1端から延びるとともにカバー10に接触する第1アーム31と、コイル部33の第2端から延びるとともに基台20に接触する第2アーム32と、を有し、カバー10と基台20とを、支持軸40を中心とする回動方向に沿って付勢するトーションばね30を備える。カバー10は、基台20において第2アーム32が接触する押圧面22aに向かって開口するとともにコイル部33及び第1アーム31の挿入を許容する開口部15を有し、コイル部33を位置決めした状態で収容する収容部13と、第1アーム31を逃がす逃がし部16とを有している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1孔を有する第1部材と、
前記第1孔と同一軸線上に配置される第2孔を有する第2部材と、
前記第1孔及び前記第2孔の双方に挿通され、前記第1部材と前記第2部材とを相対回動可能に支持する支持軸と、
前記支持軸に遊嵌されるコイル部と、前記コイル部の第1端から延びるとともに前記第1部材に接触する第1アームと、前記コイル部の前記第1端とは反対側の第2端から延びるとともに前記第2部材に接触する第2アームと、を有し、前記第1部材と前記第2部材とを、前記支持軸を中心とする回動方向に沿って付勢するトーションばねと、を備え、
前記第1部材は、前記第2部材において前記第2アームが接触する部分に向かって開口するとともに前記コイル部及び前記第1アームの挿入を許容する開口部を有し、前記コイル部を位置決めした状態で収容する収容部と、前記収容部のうち前記開口部とは反対側に連なるとともに前記第1アームを逃がす逃がし部と、を有している、
トーションばねの取付構造。
【請求項2】
前記支持軸の軸線方向を第1方向とし、前記開口部の開口方向を第2方向とし、前記第1方向及び前記第2方向の双方に直交する方向を第3方向とするとき、
前記収容部は、前記第2方向において前記コイル部を挟んで前記開口部とは反対側に位置する第1壁と、前記コイル部の前記第1方向の両側への移動を規制する2つの第2壁と、前記コイル部の前記第3方向の両側への移動を規制する2つの第3壁と、を有している、
請求項1に記載のトーションばねの取付構造。
【請求項3】
前記支持軸の軸線方向を第1方向とし、前記開口部の開口方向を第2方向とし、前記第1方向及び前記第2方向の双方に直交する方向を第3方向とするとき、
前記逃がし部は、前記第1アームの先端部の挿入を許容するとともに、前記コイル部の挿入を阻止する絞り部と、前記絞り部に連なるとともに、前記第3方向において前記コイル部とは反対側に向けて拡張された拡張部と、を有しており、
前記第1部材は、前記絞り部と前記拡張部とにより形成される段差を有しており、
前記第1アームは、前記段差に係合する曲がり部を有している、
請求項1または請求項2に記載のトーションばねの取付構造。
【請求項4】
前記曲がり部は、前記第2方向において前記コイル部から離れるほど前記第3方向において前記拡張部の拡張する側に位置する第1部分と、前記第1部分に連なるとともに前記第2方向において前記コイル部から離れるほど前記第3方向において前記拡張部の拡張する側とは反対側に位置する第2部分と、を有している、
請求項3に記載のトーションばねの取付構造。
【請求項5】
前記第1方向における前記第2アームの先端部の長さは、前記第1方向における前記第1アームの先端部の長さよりも大きく、
前記第1方向における前記絞り部の長さは、前記第1方向における前記第2アームの先端部の長さよりも小さく、且つ前記第1方向における前記第1アームの先端部の長さよりも大きい、
請求項3または請求項4に記載のトーションばねの取付構造。
【請求項6】
前記第2アームの先端部は、ループ状に曲げられている、
請求項1~請求項5のいずれか一項に記載のトーションばねの取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トーションばねの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
トーションばねは、コイル部と、コイル部の第1端から延びる第1アームと、コイル部の第1端とは反対側の第2端から延びる第2アームとを有している。
こうしたトーションばねの取付構造としては、例えば自動車ドアハンドルのスプリング取付構造がある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示されている取付構造は、ドアハンドルと、ドアハンドルを回動自在に支持するブラケットとを備えている。ドアハンドルの背面には、ロック駆動用のアームが突設されている。ブラケットの背面には、取付軸及び係止部が突設されている。トーションばねのコイル部には、上記取付軸が挿通されている。トーションばねの第1アームは、上記係止部に係止されている。トーションばねの第2アームは、上記アームに係止されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭57-62273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載のトーションばねを取り付ける際には、コイル部を上記取付軸に組み付け、第2アームをドアハンドルのアームに当接させる。この状態で、第1アームをばね力に抗して押圧するとともに、係止部の高さを越えるように持ち上げる。そして、この持ち上がっている第1アームを降下させるとともに押圧力を解除することにより、第1アームを係止部に当接させて係止状態とする。作業者は、こうした一連の動作をトーションばねのばね力に抗して行う必要があるため、取付作業が煩雑となる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためのトーションばねの取付構造は、第1孔を有する第1部材と、前記第1孔と同一軸線上に配置される第2孔を有する第2部材と、前記第1孔及び前記第2孔の双方に挿通され、前記第1部材と前記第2部材とを相対回動可能に支持する支持軸と、前記支持軸に遊嵌されるコイル部と、前記コイル部の第1端から延びるとともに前記第1部材に接触する第1アームと、前記コイル部の前記第1端とは反対側の第2端から延びるとともに前記第2部材に接触する第2アームと、を有し、前記第1部材と前記第2部材とを、前記支持軸を中心とする回動方向に沿って付勢するトーションばねと、を備え、前記第1部材は、前記第2部材において前記第2アームが接触する部分に向かって開口するとともに前記コイル部及び前記第1アームの挿入を許容する開口部を有し、前記コイル部を位置決めした状態で収容する収容部と、前記収容部のうち前記開口部とは反対側に連なるとともに前記第1アームを逃がす逃がし部と、を有している。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図4の1-1線に沿う断面図。
図2】トーションばねの取付構造の一実施形態を備えるカバー回動装置の斜視図。
図3図2の一部の拡大斜視図。
図4】カバー回動装置の分解斜視図。
図5図4の5-5線に沿う断面図。
図6】カバーの拡大平面図。
図7】トーションばねの斜視図。
図8図4に対応する図であって、カバーの収容部にトーションばねが収容されている状態を示す断面図。
図9図5に対応する図であって、(a)、(b)は、カバーの収容部にトーションばねが収容される様子を順に示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図1図9を参照して、トーションばねの取付構造の一実施形態を備えるカバー回動装置について説明する。
図2及び図4に示すように、カバー回動装置は、1つのカバー10、1つの基台20、2つのトーションばね30、及び2つの支持軸40を備えている。
【0009】
図4は、カバー10、基台20、トーションばね30、及び支持軸40を互いに離して示す分解斜視図である。なお、図4では、図2及び図3に対して上下を逆にして示している。
【0010】
図2図4に示すように、カバー10は、基台20に対して回動可能に支持されている。カバー10が本発明に係る第1部材に相当する。また、基台20が本発明に係る第2部材に相当する。
【0011】
なお、以降において、カバー10の回動中心の軸線方向、すなわち支持軸40の軸線方向を第1方向Xとして説明する。また、カバー回動装置は、トーションばね30を除き、第1方向Xに直交する仮想平面に対して対称な形状である。
【0012】
<トーションばね30>
図7に示すように、トーションばね30は、コイル部33と、コイル部33の第1端から延びる第1アーム31と、コイル部33の第1端とは反対側の第2端から延びる第2アーム32とを有している。
【0013】
コイル部33は、螺旋状の針金によって構成されている。針金は、例えば、ばね鋼製であることが好ましい。
第1アーム31は、曲がり部34を有している。曲がり部34については、後に詳述する。
【0014】
第2アーム32の先端部は、ループ状に曲げられている。ループ形状としては、例えば円環状であることが好ましい。
図1図4及び図5に示すように、コイル部33は、支持軸40に遊嵌されている。
【0015】
図1及び図5に示すように、第1アーム31は、カバー10に接触している。第2アーム32は、基台20に接触している。トーションばね30は、カバー10と基台20とを、支持軸40を中心とする回動方向に沿って付勢している。
【0016】
<カバー10>
図2図4に示すように、カバー10は、板状のカバー本体11と、2つの支持突部12とを有している。支持突部12は、カバー本体11の背面から基台20に向かって突出している。2つの支持突部12は、第1方向Xにおいて互いに間隔をおいて設けられている。
【0017】
図1図4図6図8図9(a)及び図9(b)に示すように、支持突部12は、収容部13と、逃がし部16とを有している。収容部13は、開口部15を有している。開口部15は、基台20において第2アーム32が接触する部分(後述する押圧面22a)に向かって開口するとともにトーションばね30のコイル部33及び第1アーム31の挿入を許容している。収容部13は、コイル部33を位置決めした状態で収容している。逃がし部16は、収容部13のうち開口部15とは反対側に連なるとともに第1アーム31を逃がしている。
【0018】
なお、以降において、開口部15の開口方向を第2方向Yとして説明する。また、第1方向X及び第2方向Yの双方に直交する方向を第3方向Zとして説明する。
まず、収容部13の構成について説明する。
【0019】
収容部13は、支持突部12の先端部に設けられている。収容部13は、1つの第1壁13a、2つの第2壁13b、及び2つの第3壁13cを有している。
第1壁13aは、第2方向Yにおいてコイル部33を挟んで開口部15とは反対側に位置している。
【0020】
2つの第2壁13bは、第1方向Xに互いに間隔をおいて設けられている。2つの第2壁13bは、コイル部33の第1方向Xの両側への移動を規制する。
2つの第3壁13cは、第3方向Zに互いに間隔をおいて設けられている。2つの第3壁13cは、コイル部33の第3方向Zの両側への移動を規制する。
【0021】
支持突部12は、第1方向Xに沿って延びる2つの第1孔14を有している。第1孔14は、円孔であり、2つの第2壁13bを第1方向Xに貫通している。
次に、逃がし部16の構成について説明する。
【0022】
図1図9(a)、図9(b)に示すように、逃がし部16は、絞り部17と、拡張部18とを有している。
絞り部17は、第1壁13aを第2方向Yに貫通している。絞り部17の内面と、第3壁13cの一方の内面とは同一平面上に位置している。絞り部17は、第1方向Xにおいて2つの第2壁13bの間の全体にわたって設けられている(図6参照)。
【0023】
絞り部17は、第1アーム31の先端部の挿入を許容するとともに、コイル部33の挿入を阻止する。
拡張部18は、絞り部17に連なっている。拡張部18は、第2方向Yにおいて収容部13とは絞り部17を挟んで反対側に設けられている。拡張部18は、第3方向Zにおいてコイル部33とは反対側に向けて拡張されている。絞り部17と拡張部18とにより段差19が形成されている。
【0024】
図1及び図9(b)に示すように、トーションばね30の曲がり部34は、第1部分34aと第2部分34bとを有している。
第1部分34aは、第2方向Yにおいてコイル部33から離れるほど第3方向Zにおいて拡張部18の拡張する側に位置している。
【0025】
第2部分34bは、第1部分34aに連なるとともに第2方向Yにおいてコイル部33から離れるほど第3方向Zにおいて拡張部18の拡張する側とは反対側に位置している。
曲がり部34は、段差19に係合している。
【0026】
<基台20>
図1図5に示すように、基台20は、2つの支持凹部22を有している。
支持凹部22は、カバー10の支持突部12を収容している。
【0027】
基台20は、カバー10の第1孔14と同一軸線上に配置される第2孔24を有している。第2孔24は、支持凹部22において支持突部12を挟む両側の壁部に設けられている。
【0028】
図1及び図5に示すように、支持凹部22は、トーションばね30の第2アーム32の先端部を押圧する押圧面22aを有している。
<支持軸40>
支持軸40は、カバー10の第1孔14及び基台20の第2孔24の双方に挿通されている。支持軸40は、カバー10と基台20とを相対回動可能に支持する。
【0029】
図6及び図8に示すように、第1方向Xにおける第2アーム32の先端部の長さL2は、第1方向Xにおける第1アーム31の先端部の長さL1よりも大きい(L1<L2)。
第1方向Xにおける絞り部17の長さL3は、第1方向Xにおける第2アーム32の先端部の長さL2よりも小さく、且つ第1方向Xにおける第1アーム31の先端部の長さL1よりも大きい(L1<L3<L2)。
【0030】
次に、本実施形態の作用について説明する。
カバー回動装置の組み付けに際して、作業者は、まず、図4に示す姿勢にて、カバー10を図示しない治具にセットする。すなわち、カバー10を開口部15が上方を向く姿勢とした状態にする。
【0031】
この状態において、図9(a)及び図9(b)に順に示すように、トーションばね30のコイル部33及び第1アーム31を、開口部15を通じて収容部13及び逃がし部16内に挿入する。これにより、カバー10に対してコイル部33が位置決めされる。
【0032】
続いて、カバー10に対して基台20を組み付ける。これにより、図1及び図4に示すように、基台20が第2アーム32に接触するとともにカバー10が第1アーム31に接触する状態となる。
【0033】
続いて、第1孔14及び第2孔24に対して支持軸40を挿通することで、支持軸40がコイル部33に挿通される。
ここで、コイル部33は収容部13によって位置決めされているため、カバー10に対して基台20を組み付ける際、基台20によって第2アーム32が押圧されても、コイル部33の位置ずれが抑制される(以上、作用1)。
【0034】
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)カバー10の収容部13は、基台20において第2アーム32が接触する部分(押圧面22a)に向かって開口するとともにコイル部33及び第1アーム31の挿入を許容する開口部15を有し、コイル部33を位置決めした状態で収容している。カバー10の逃がし部16は、収容部13のうち開口部15とは反対側に連なるとともに第1アーム31を逃がしている。
【0035】
こうした構成によれば、上記作用1を奏することから、コイル部33に対して支持軸40を容易に挿通することができる。したがって、取付作業を容易に行うことができる。
(2)収容部13は、第2方向Yにおいてコイル部33を挟んで開口部15とは反対側に位置する第1壁13aと、コイル部33の第1方向Xの両側への移動を規制する2つの第2壁13bと、コイル部33の第3方向Zの両側への移動を規制する2つの第3壁13cとを有している。
【0036】
こうした構成によれば、第1方向X、第2方向Y、第3方向Zにおけるコイル部33の移動が規制される。このため、カバー10に対して基台20を組み付ける際、基台20によって第2アーム32が押圧されても、コイル部33の位置ずれを的確に抑制できる。
【0037】
(3)逃がし部16は、第1アーム31の先端部の挿入を許容するとともに、コイル部33の挿入を阻止する絞り部17と、絞り部17に連なるとともに、第3方向Zにおいてコイル部33とは反対側に向けて拡張された拡張部18とを有している。カバー10は、絞り部17と拡張部18とにより形成される段差19を有している。第1アーム31は、段差19に係合する曲がり部34を有している。
【0038】
こうした構成によれば、カバー10に対してトーションばね30が組み付けられると、第1アーム31の曲がり部34が絞り部17と拡張部18とにより形成される段差19に係合する。このため、例えばトーションばね30が組み付けられた状態のカバー10を別の組立ラインに移動させる際に、コイル部33が収容部13の外部に飛び出すことを抑制できる。
【0039】
(4)曲がり部34は、第2方向Yにおいてコイル部33から離れるほど第3方向Zにおいて拡張部18の拡張する側に位置する第1部分34aと、第1部分34aに連なるとともに第2方向Yにおいてコイル部33から離れるほど第3方向Zにおいて拡張部18の拡張する側とは反対側に位置する第2部分34bとを有している。
【0040】
こうした構成によれば、カバー10に対してトーションばね30を組み付ける際、絞り部17の内面に曲がり部34の第1部分34aと第2部分34bとの間の部分、すなわち背の部分34cを押し当てることで、第1アーム31を、同内面に沿って拡張部18に向けて円滑に案内することができる。
【0041】
また、曲がり部34が拡張部18内まで移動すると、それまで曲がり部34に作用していた反力が解放される。この反力が解放される際の触感が作業者に対して付与されることで、作業者は、カバー10に対してトーションばね30が組み付けられた状態を容易に把握することができる。
【0042】
(5)第1方向Xにおける第2アーム32の先端部の長さL2は、第1方向Xにおける第1アーム31の先端部の長さL1よりも大きい(L1<L2)。第1方向Xにおける絞り部17の長さL3は、第1方向Xにおける第2アーム32の先端部の長さL2よりも小さく、且つ第1方向Xにおける第1アーム31の先端部の長さL1よりも大きい(L1<L3<L2)。
【0043】
こうした構成によれば、カバー10に対してトーションばね30を組み付ける際に、誤って、第2アーム32の先端部を逃がし部16に挿入しようとしても、当該挿入が絞り部17によって阻止される。このため、トーションばね30の誤組み付けを抑制できる。
【0044】
(6)第2アーム32の先端部は、ループ状に曲げられている。
こうした構成によれば、複数のトーションばね30を収容するパーツボックス内において、当該トーションばね30の第2アーム32の先端部が、他のトーションばね30のコイル部33内に入って絡まり合うことを抑制できる。
【0045】
また、上記構成によれば、作業者は、トーションばね30をカバー10に組み付ける際に、第2アーム32の先端部を手指によって容易且つ安定して摘まむことができる。
<変更例>
上記実施形態は、例えば以下のように変更して実施することもできる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0046】
・第2アーム32の先端部の形状は、円環状に限定されず、三角形や四角形などの多角形状であってもよい。
・第2アーム32の先端部の形状は、ループ状に限定されず、L字状に曲げられているものであってもよい。
【0047】
・第2アーム32の先端部の形状は、曲げられていないもの、すなわちストレート状であってもよい。
・第1方向Xにおける絞り部17の長さL3が、第1方向Xにおける第2アーム32の先端部の長さL2以上であってもよい。すなわち、絞り部17が、第2アーム32の先端部の挿入を許容する大きさに設定されていてもよい。
【0048】
・第1アーム31の曲がり部34は、第2部分34bを有していないもの、例えば第1部分34aのみを有するものであってもよい。
・第1アーム31は、曲がり部34を有していないものであってもよい。この場合、逃がし部16は、拡張部18を有していないものであってもよい。
【0049】
・収容部13は、上記実施形態において例示したものに限定されない。収容部は、基台20において第2アーム32が接触する部分に向かって開口するコイル部33及び第1アーム31の挿入を許容する開口部15を有し、コイル部33を位置決めした状態で収容するものであれば、その形状を適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0050】
10…カバー(第1部材)
11…カバー本体
12…支持突部
13…収容部
14…第1孔
15…開口部
16…逃がし部
17…絞り部
18…拡張部
19…段差
20…基台(第2部材)
22…支持凹部
22a…押圧面
24…第2孔
30…トーションばね
31…第1アーム
32…第2アーム
33…コイル部
34…曲がり部
34a…第1部分
34b…第2部分
34c…背の部分
40…支持軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9