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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022101044
(43)【公開日】2022-07-06
(54)【発明の名称】貼付伝票
(51)【国際特許分類】
   B42D 11/00 20060101AFI20220629BHJP
【FI】
B42D11/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020215396
(22)【出願日】2020-12-24
(71)【出願人】
【識別番号】000110217
【氏名又は名称】トッパン・フォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】谷口 圭
(72)【発明者】
【氏名】越智 好則
(57)【要約】
【課題】納品書等の添付票を貼付物とともに送付する場合に、作業を煩雑にすることなく、かつ、添付票と貼付物に貼付される伝票片とのマッチングミスを防止することができながらも、いわゆる落伝を防止する。
【解決手段】配達票11及び貼付票12を具備する伝票片10と、ミシン目30を介して伝票片11と連接し、納品書21を具備する収納片20とからなる貼付シート2と、貼付シート2の一方の面に貼着された剥離シート3とを有し、伝票片10が、配達票11の周囲の領域のうちミシン目30以外の3辺に沿う領域と、貼付票12となる領域とに貼着層14aが積層され、貼付シート2がミシン目30にて折り畳まれ、配達票11と貼付物との間に納品書21が収納される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配達票及び貼付票を具備する伝票片と、折り部を介して前記伝票片と折り畳み可能に連接し、該連接方向に前記配達票と並ぶように添付票が設けられた収納片とからなる貼付シートと、
前記貼付シートの一方の面に貼着された剥離シートとを有し、
前記貼付シートが、前記添付票が前記伝票片と貼付物との間に収納されて前記貼付物に貼付される貼付伝票であって、
前記伝票片は、前記剥離シートとの貼着面における前記配達票の周囲の領域のうち前記折り部以外の3辺に沿う領域と、前記貼付票となる領域とに第1の貼着部が設けられ、前記第1の貼着部が設けられていない領域が、前記添付票が収納される収納領域となり、
前記添付票は、前記貼付シートが前記折り部にて折り畳まれた場合に前記第1の貼着部に重ならない構成を有し、
前記剥離シートは、少なくとも前記第1の貼着部に対向する領域に剥離層が設けられている貼付伝票。
【請求項2】
請求項1に記載の貼付伝票において、
前記伝票片は、前記剥離シートとの貼着面のうち前記配達票と前記折り部との間の領域に第2の貼着部が設けられ、
前記収納片は、
前記貼付シートが前記折り部にて折り畳まれた場合に前記第2の貼着部が表出する孔部を具備する添付票補助部を有し、
前記添付票補助部の前記折り部とは反対側に前記添付票が分離可能に連接している、貼付伝票。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配送物等の貼付物に貼付される貼付伝票に関し、特に、配送伝票となる伝票片と納品書等の添付票とが一体となった貼付伝票に関する。
【背景技術】
【0002】
カタログ等を用いて商品を注文して購入する通信販売は、商品を取り扱う店舗に出向くことなく所望の商品を購入することができるため、主に、店舗に出向く時間のない利用者が多く利用している。また、一冊のカタログに様々なカテゴリーの商品が掲載されているものにおいては、一冊のカタログを用いて様々なカテゴリーの商品を見ることができるため、利用者は自宅等にてあたかも大型店舗に出向いているかのように商品を選択することができる。また、近年では、インターネットの普及に伴い、インターネットを介して商品を販売するサービスも提供されており、利用者は商品が販売されているサイトにアクセスすることにより、カタログ等を用いた通信販売と同様に、店舗に出向くことなく自宅等にて所望の商品を選択して購入することができる。
【0003】
上述したような通信販売を利用して商品を購入する場合は、カタログ等に掲載された商品コードや商品名を所定の用紙に記入し、郵送もしくはFAXにてこの用紙を販売元に送付する。また、インターネットを介して商品を購入する場合は、商品を販売するサイト上に掲載された商品コードや商品名を指定する。すると、商品の販売元において、利用者から送付されてきた用紙に記入された商品コードや商品名、あるいはサイト上にて指定された商品コードや商品名に基づいて、利用者が指定した配送先に商品を宅配便等で発送する。この際、商品の販売元においては、商品とともにその商品の明細情報が記載された納品書を利用者に送付する。そして、商品を受け取った利用者は、受け取った商品と納品書に記載された明細情報とを比較することにより、注文した商品が確かに販売元から発送され利用者が受け取ったかどうかを判断し、その後、商品を注文した際に指定した支払い方法によって購入した商品の料金を支払う。
【0004】
このように、カタログやインターネットを用いた通信販売においては、利用者が購入した商品が宅配便等によって利用者に配送される際に、その明細情報が記載された納品書が利用者に送付されることになるが、この納品書は、利用者が購入した商品と同梱されて利用者に送付されることになる。そのため、配送伝票に印字される配送情報と納品書に記載される明細情報とのマッチングミスが生じる虞があるとともに、商品を利用者に発送する際に、商品を段ボール箱等の梱包材に入れる作業の他に、配送伝票を段ボール箱等に貼付する作業と、利用明細が記載された納品書を段ボール箱等に入れる作業との2つの作業を行うこととなり、商品を利用者に発送する際の作業が煩雑になってしまう。
【0005】
そこで、このような納品書を、商品を利用者に配送する際に用いられる配送伝票と一体化し、配送伝票に印字される配送情報と納品書に記載される明細情報とのマッチングミスを防止するとともに、商品の発送作業の効率化を図ることができる技術が考えられ、特許文献1に開示されている。
【0006】
特許文献1に開示された技術は、配達票や貼付票等の配送伝票と納品書とが折り部を介して連接した構成において、配送伝票には配達票及び貼付票を取り囲むように接着剤が塗布されており、折り部を介して折り畳むことで納品書を配達票及び貼付票の裏面に配置させ、納品書が配送伝票と貼付物との間に収納された状態で接着剤によって貼付物に貼付することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第5705081号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように特許文献1に開示されたものにおいては、配送伝票に配達票及び貼付票を取り囲むように接着剤が塗布され、折り部にて折り畳まれて納品書が配送伝票と貼付物との間に収納された状態で接着剤によって貼付物に貼付されることになるため、配達書及び貼付票が貼付物に貼付されていない状態となっている。
【0009】
そのため、特に配達票や貼付票がミシン目等によって配送伝票から分離可能に区画形成されている場合、貼付物の配送途中にて配達票や貼付票が脱落してしまう、いわゆる落伝が発生してしまう虞がある。配達票と貼付票のいずれもが貼付物から脱落した場合、貼付物の配送先や配送元が不明となってしまうことになる。
【0010】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、納品書等の添付票を貼付物とともに送付する場合に、作業を煩雑にすることなく、かつ、添付票と貼付物に貼付される伝票片とのマッチングミスを防止することができながらも、いわゆる落伝を防止することができる貼付伝票を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明は、
配達票及び貼付票を具備する伝票片と、折り部を介して前記伝票片と折り畳み可能に連接し、該連接方向に前記配達票と並ぶように添付票が設けられた収納片とからなる貼付シートと、
前記貼付シートの一方の面に貼着された剥離シートとを有し、
前記貼付シートが、前記添付票が前記伝票片と貼付物との間に収納されて前記貼付物に貼付される貼付伝票であって、
前記伝票片は、前記剥離シートとの貼着面における前記配達票の周囲の領域のうち前記折り部以外の3辺に沿う領域と、前記貼付票となる領域とに第1の貼着部が設けられ、前記第1の貼着部が設けられていない領域が、前記添付票が収納される収納領域となり、
前記添付票は、前記貼付シートが前記折り部にて折り畳まれた場合に前記第1の貼着部に重ならない構成を有し、
前記剥離シートは、少なくとも前記第1の貼着部に対向する領域に剥離層が設けられている。
【0012】
上記のように構成された本発明においては、納品書等の添付票が、配達票及び貼付票を具備する伝票片と折り部を介して連接した収納片に設けられていることで、添付票と貼付物に貼付される伝票片とのマッチングミスが防止される。また、貼付物に伝票片を貼付する際、貼付シートが、折り部にて折り畳まれ、添付票が伝票片と貼付物との間に収納されて貼付物に貼付されることで、添付票を貼付物に添付する作業が煩雑になることがない。さらに、伝票片が、配達票の周囲の領域のうち折り部以外の3辺に沿う領域と、貼付票となる領域とに第1の貼着部が設けられ、第1の貼着部が設けられていない領域が収納領域となって添付票が伝票片と貼付物との間に収納されるので、伝票片が貼付物に貼付された状態においては貼付票が貼付物に貼着された状態となっており、いわゆる落伝が防止される。
【0013】
また、伝票片の剥離シートとの貼着面のうち配達票と折り部との間の領域に第2の貼着部が設けられ、収納片が、貼付シートが折り部にて折り畳まれた場合に第2の貼着部が表出する孔部を具備する添付票補助部を有し、添付票補助部の折り部とは反対側に添付票が分離可能に連接していれば、伝票片と貼付物との間に添付票が収納された状態で、伝票片が第1及び第2の貼着部によってほぼ全周に亘って貼付物に貼付されたような状態となるため、添付票に秘匿性が要求される情報が付与されている場合に当該情報の漏洩が防止される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、配達票及び貼付票を具備する伝票片と添付票を具備する収納片とが折り部を介して連接した貼付シートが、伝票片の配達票の周囲の領域のうち折り部以外の3辺に沿う領域と、貼付票となる領域とに第1の貼着部が設けられ、伝票片のうち第1の貼着部が設けられていない領域と貼付物との間に添付票が収納されて貼付物に貼付されるため、貼付物に貼付された状態においては貼付票が貼付物に貼着されており、それにより、納品書等の添付票を貼付物とともに送付する場合に、作業を煩雑にすることなく、かつ、添付票と貼付物に貼付される伝票片とのマッチングミスを防止することができながらも、いわゆる落伝を防止することができる。
【0015】
また、伝票片の剥離シートとの貼着面のうち配達票と折り部との間の領域に第2の貼着部が設けられ、収納片が、貼付シートが折り部にて折り畳まれた場合に第2の貼着部が表出する孔部を具備する添付票補助部を有し、添付票補助部の折り部とは反対側に添付票が分離可能に連接しているものにおいては、伝票片と貼付物との間に添付票が収納された状態で、伝票片が第1及び第2の貼着部によってほぼ全周に亘って貼付物に貼付されたような状態となるため、添付票に秘匿性が要求される情報が付与されている場合に当該情報の漏洩を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の貼付伝票の実施の一形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示した矢印A方向から見た場合の積層構造を示す図である。
図2図1に示した貼付シートの裏面の構成を示す図である。
図3図1に示した剥離シートの貼付シートとの貼着面の構成を示す図である。
図4図1図3に示した貼付伝票の使用方法を説明するための図である。
図5図1図3に示した貼付伝票の使用方法を説明するための図である。
図6図1図3に示した貼付伝票の使用方法を説明するための図である。
図7図1図3に示した貼付伝票の使用方法を説明するための図である。
図8図1図3に示した貼付伝票の使用方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明の貼付伝票の実施の一形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示した矢印A方向から見た場合の積層構造を示す図である。図2は、図1に示した貼付シート2の裏面の構成を示す図である。なお、図1に示す貼付シート2の表面の構成との関係をわかりやすくするために貼付シート2を表面から透視して見た構成を示す。図3は、図1に示した剥離シート3の貼付シート2との貼着面の構成を示す図である。
【0019】
本形態は図1図3に示すように、貼付シート2と剥離シート3とが、貼着層14a,14b,27a,27b及び剥離層5を介して貼着された貼付伝票1である。
【0020】
貼付シート2は、伝票片10と収納片20とが折り部となるミシン目30を介して折り畳み可能に連接して構成されている。
【0021】
伝票片10は、配達票11と貼付票12とを有しているとともに、1つの角部にスリットによるコーナーカット13が形成されている。配達票11は、ミシン目11bによって伝票片10から分離可能に区画形成されており、その1つの角部に、配達票11を伝票片10から分離する際の分離開始端を表示する分離指示部11cが設けられている。配達票11と貼付票12とのそれぞれには、この貼付伝票1が貼付されて配送される配送物の配送先の住所や氏名、品名等の配送情報が表示される情報表示欄11a,12aが設けられている。
【0022】
収納片20は、添付票となる納品書21と、余剰部23a,23bと、添付票補助部となる補助部22とが、ミシン目26a~26cを介して分離可能に設けられている。補助部22は、ミシン目30に隣接し、伝票片10と収納片20との連接方向に配達票11と並ぶように設けられており、ミシン目30に隣接して2つの孔形成部25a,25bを有している。この2つの孔形成部25a,25bは、スリット24a,24bによって補助部22から分離した状態に区画形成されている。納品書21は、伝票片10と収納片20との連接方向にミシン目26cを介して補助部22に隣接して設けられており、この貼付伝票1が貼付されて配送される配送物の明細情報が表示される情報表示欄21aが設けられている。これにより、納品書21は、伝票片10と収納片20との連接方向に配達票11と並ぶように設けられている。余剰部23a,23bはそれぞれ、納品書21及び補助部22の伝票片10と収納片20との連接方向に直交する方向にミシン目26a,26bを介して設けられており、ミシン目26a,26bによって納品書21及び補助部22から切り離し可能となっている。また、余剰部23a,23bはそれぞれ、伝票片10と隣接しているもののスリット31a,31bによって伝票片10とは分離されている。
【0023】
また、収納片20の伝票片10との連接方向の幅W2は、伝票片10のミシン目30から配達票11のミシン目30に沿う辺に対向する辺までの幅W1よりも狭く、かつ、補助部22の伝票片10と収納片20との連接方向の幅W4は、伝票片10のミシン目30から配達票11のミシン目30に沿う辺までの幅W3よりも広くなっている。また、納品書21は、配達票11のミシン目30に沿う辺に隣接する2辺の延長線間に挟まれるように、収納片20にて伝票片10と収納片20との連接方向に配達票11と並ぶように配置されている。
【0024】
貼付シート2の剥離シート3との貼着面となる裏面には、貼付シート2を剥離シート3に貼着するために粘着剤等が塗布されることで貼着層14a,14b,27a,27bが積層されている。貼着層14aは、本願発明における第1の貼着部となるものであって、伝票片10の配達票11の周囲の領域のうちミシン目30以外の3辺に沿う領域と、貼付票12となる領域の全面とに積層されている。貼着層14bは、本願発明における第2の貼着部となるものであって、伝票片10の配達票11とミシン目30との間の領域に積層されている。貼着層27aは、収納片20の余剰部23a,23bとなる領域の全面にそれぞれ積層されている。貼着層27bは、収納片20の孔形成部25a,25bとなる領域の全面にそれぞれ積層されている。なお、貼着層14a,14b,27a,27bは、貼付シート2の4辺、ミシン目11b,26a,26b,30及びスリット24a,24b,31a,31bに隣接する領域には積層されていないが、これは製造工程上、ミシン目11b,26a,26b,30及びスリット24a,24b,31a,31bを形成するための刃型や貼付シート2を単片状に断裁するための刃に貼着層14a,14b,27a,27bを構成する粘着剤等が付着することを防止したり、精細な位置合わせを不要としたりするためであり、理論的には、貼着層14a,14b,27a,27bが、貼付シート2の4辺、ミシン目11b,26a,26b,30及びスリット24a,24b,31a,31bに隣接する領域に積層されていても構わない。
【0025】
剥離シート3は、貼付シート2の伝票片10に対向して貼着される伝票片対向部3aと、収納片20に対向して貼着される収納片対向部3bとを有している。剥離シート3の貼付シート2との貼着面には、伝票片対向部3aにおいて貼着層14a,14bに対向する領域に、剥離ニス等が塗布されることで剥離層5が積層されている。
【0026】
これにより、貼付シート2は、伝票片10が、配達票11の周囲の領域と貼付票12となる領域とが貼着層14a,14bと剥離層5とによって剥離シート3と剥離可能に貼着され、収納片20が、余剰部23a,23b及び孔形成部25a,25bが貼着層27a,27bによって剥離シート2と貼着されていることになる。
【0027】
以下に、上記のように構成された貼付伝票1の使用方法について説明する。
【0028】
図4図8は、図1図3に示した貼付伝票1の使用方法を説明するための図である。
【0029】
図1図3に示した貼付伝票1を用いて配送物を配送する場合は、まず、貼付シート2が剥離シート3に貼着された状態で、伝票片10の情報表示欄11a,12aのそれぞれに、この貼付伝票1が貼着されて配送される配送物の配送先の住所や氏名等の配送情報を印字するとともに、納品書21の情報表示欄21aに、貼付伝票1が貼着されて配送される配送物の明細情報を印字する。このように、情報表示欄11a,12a,21aのそれぞれに、配送情報および明細情報を同時に印字することにより、配送情報と明細情報とのマッチングミスが防止される。
【0030】
その後、図4に示すように、コーナーカット13を摘み代として貼付シート2を剥離シート3から剥離していくと、伝票片10においては、配達票11の周囲の領域と貼付票12となる領域とが貼着層14a,14bと剥離層5とによって剥離シート3と剥離可能に貼着されていることにより、伝票片10を剥離シート3から剥離することができる。
【0031】
一方、収納片20においては、余剰部23a,23b及び孔形成部25a,25bが、裏面に積層された貼着層27a,27bによって剥離シート3に貼着され、それ以外の領域が剥離シート3に貼着されておらず、また、余剰部23a,23bがスリット31a,31bによって伝票片10と分離されているとともに、ミシン目26a,26bによって納品書21及び補助部22から切り離し可能となっており、また、孔形成部25a,25bがスリット24a,24bによって補助部22から分離された状態となっているため、ミシン目26a,26bを破断することで余剰部23a,23b及び孔形成部25a,25bが収納片20から分離し、余剰部23a,23b及び孔形成部25a,25bが剥離シート3に貼着されたまま、それ以外の領域が剥離シート3から剥離する。これにより、図5に示すように、補助部22には、孔形成部25a,25bが区画形成されていた領域に孔部28a,28bが形成されることになる。
【0032】
次に、収納片20の納品書21を収納状態とするために、図6(a)に示すように、貼付シート2をその裏面が内側となるようにミシン目30にて折り畳む。すると、上述したように、収納片20の伝票片10との連接方向の幅W2が、伝票片10のミシン目30から配達票11のミシン目30に沿う辺に対向する辺までの幅W1よりも狭く、かつ、補助部22の伝票片10と収納片20との連接方向の幅W4が、伝票片10のミシン目30から配達票11のミシン目30に沿う辺までの幅W3よりも広くなっており、また、納品書21が、配達票11のミシン目30に沿う辺に隣接する2辺の延長線間に挟まれるように、収納片20にて伝票片10と収納片20との連接方向に配達票11と並ぶように配置されていることにより、納品書21が、配達票11の裏面に配置された状態となる。また、伝票片10の剥離シート20との貼着面のうち配達票11とミシン目30との間に積層された貼着層14bが、収納片の補助部22と対向し、それにより、貼着層14bが補助部22に形成された孔部28a,28bを介して表出することになる。
【0033】
上記のようにして折り畳まれた貼付シート2は、伝票片10の配達票11の周囲の領域のうちミシン目30以外の3辺に沿う領域と、貼付票12となる領域とにおいて貼着層14aが表出しているとともに、配達票11とミシン目30との間の領域においては貼着層14bが孔部28a,28bを介して表出しているため、図6(b)に示すように、これら表出した貼着層14a,14bによって貼付物となる配送物4に貼付することができる。これにより、貼付シート2は、伝票片10と配送物4との間に納品書21が収納された状態で、伝票片10がほぼ全周に亘って配送物4に貼付されたような状態となるため、納品書21に秘匿性が要求される情報が印字または記入されている場合にその情報の漏洩を回避することができる。また、配送物4の配送過程において、配送物4との間へのごみ等の侵入を防止することができるとともに、貼付シート2の端部が物体に引っ掛かり、貼付シート2が配送物4から剥がれてしまう等の事故を防止することができる。さらに、伝票片10のうち、貼付票12となる領域もその全面が貼着層14aによって配送物4に貼付されているため、いわゆる落伝が防止される。
【0034】
貼付シート2が貼付された配送物4は、情報表示欄11a,12aに印字された配送情報に従って配送先に配送される。
【0035】
そして、配送先において、図7(a)に示すように、配達票11を伝票片10から分離していく。この際、配達票11の角部に設けられた分離指示部11cを分離開始端として利用することが考えられる。また、配達票11の裏面には、貼着層14a,14bが積層されていないため、配達票11を伝票片10から分離して、配送物4からも分離することができる。伝票片10から分離された配達票11は配送業者によって持ち帰られ、配送管理に用いられる。
【0036】
配達票11を伝票片10から分離すると、納品書21が、配達票11と配送物4との間に収納された状態となっていることから、図7(b)に示すように、配達票11が伝票片10から分離した領域から納品書21が取り出し可能な状態となる。
【0037】
そして、図8(a)に示すように納品書21を捲り上げ、ミシン目26cを破断することによって納品書21を補助部22から切り離すことにより、納品書21を取り出すことができる。この際、納品書21が、配達票11と配送物4との間に収納された状態となっており、配送物4にも貼着されていないため、納品書21を容易に取り出すことができる。
【0038】
上記のように構成された本形態においては、配達票11及び貼付票12を有する伝票片10を配送物4に貼付する際、貼付シート2が、ミシン目30にて折り畳まれ、納品書21が配達票11と配送物4との間に収納されて配送物4に貼付されることで、納品書21を配送物4に添付する作業が煩雑になることがない。さらに、上述したように、伝票片10の配送物4への貼付面において、配達票11の周囲の領域のうちミシン目30以外の3辺に沿う領域と、貼付票12となる領域とに貼着部14aが設けられ、貼着部14aが設けられていない領域が収納領域となって納品書21が配達票11と配送物4との間に収納されるので、伝票片10が配送物4に貼付された状態においては貼付票12が配送物4に貼着された状態となっており、いわゆる落伝が防止される。
【0039】
なお、本形態においては、伝票片10の剥離シート3との貼着面のうち配達票11とミシン目30との間の領域に貼着層14bが積層され、収納片20が、ミシン目30に隣接し、孔形成部25a,25bが設けられた補助部22を具備し、納品書21が、補助部22のミシン目30とは反対側に分離可能に連接していることで、貼付シート2が剥離シート3から剥離されてミシン目30にて折り畳まれた場合に、補助部22に貼着層14bが表出する孔部28a,28bが形成され、この孔部28a,28bを介して表出した貼着層14bによっても伝票片10が配送物4に貼付されるものを例に挙げて説明したが、伝票片10の配送物4への貼付面において、配達票11とミシン目30との間の領域に貼着層14bが積層されておらず、ただ単に貼付シート2をミシン目30を中心にて折り畳むだけで、配達票11と配送物との間に納品書21を収納する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0040】
1 貼付伝票
2 貼付シート
3 剥離シート
3a 伝票片対向部
3b 収納片対向部
4 配送物
5 剥離層
10 伝票片
11 配達票
11a,12a,21a 情報表示欄
11b,26a~26c,30 ミシン目
11c 分離指示部
12 貼付票
13 コーナーカット
14a,14b,27a,27b 貼着層
20 収納片
21 納品書
22 補助部
23a,23b 余剰部
24a,24b,31a,31b スリット
25a,25b 孔形成部
28a,28b 孔部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8